JP2002177873A - 複層塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

複層塗膜形成方法および塗装物

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JP2002177873A JP2000380772A JP2000380772A JP2002177873A JP 2002177873 A JP2002177873 A JP 2002177873A JP 2000380772 A JP2000380772 A JP 2000380772A JP 2000380772 A JP2000380772 A JP 2000380772A JP 2002177873 A JP2002177873 A JP 2002177873A
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Sakao Taira
坂男 平
Toshihiro Saito
俊弘 斉藤
Toru Kawai
河合  徹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】垂直部と水平部を有する被塗基材に、ダブルク
リヤー塗膜を形成する場合において、塗料の使用量を削
減しても、垂直部と水平部とで同等の高仕上り外観が得
られる複層塗膜形成方法および塗装物を提供すること。 【解決手段】被塗基材にベース塗膜、第1クリヤー塗
膜、次いで第2クリヤー塗膜を順次形成する複層塗膜形
成方法において、上記被塗基材が水平部と垂直部を有し
ており、上記被塗基材の水平部に形成された第1クリヤ
ー塗膜の乾燥膜厚が、垂直部に形成された第1クリヤー
塗膜の乾燥膜厚の50%未満となるように行う複層塗膜
形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水平部と垂直部を
有する被塗基材に対する複層塗膜形成方法およびこの方
法により塗装された塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車ボディには、最初に電着塗料を塗
装して焼き付けを行い、その上に中塗り塗膜が形成さ
れ、さらにベース塗膜とクリヤー塗膜とからなる上塗り
が施される。クリヤー塗膜の形成は、下層となるベース
塗膜等を保護し、被塗基材の外観を高めるために行われ
るが、一般的にウェットオンウェットで行われる。ま
た、より高外観を得る場合やベース塗膜中の顔料の粒径
が大きい場合には、クリヤー塗膜を2層以上形成するこ
とが知られている。これらの方法は、例えば、特開平1
1−253877号公報に記載されている。これらは、
ダブルクリヤー塗膜と呼ばれている。このダブルクリヤ
ー塗膜を垂直部と水平部を有する被塗基材に形成する場
合、垂直部と水平部の膜厚は通常同じである。一方、近
年、大気中へのVOCの放出を減らし、かつ省エネルギ
ーの見地から塗料の使用量を削減することが望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、垂直部と水平部を有する被塗基材に、ダブルクリヤ
ー塗膜を形成する場合において、塗料の使用量を削減し
ても、垂直部と水平部とで同等の高仕上り外観が得られ
る複層塗膜形成方法および塗装物を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.被塗基材にベース塗膜、第1クリヤー塗膜、次いで
第2クリヤー塗膜を順次形成する複層塗膜形成方法にお
いて、上記被塗基材が水平部と垂直部を有しており、上
記被塗基材の水平部に形成された第1クリヤー塗膜の乾
燥膜厚が、垂直部に形成された第1クリヤー塗膜の乾燥
膜厚の50%未満となるように行う上記の複層塗膜形成
方法。 2.上記垂直部に形成された第1クリヤー塗膜の乾燥膜
厚および第2クリヤー塗膜の乾燥膜厚が、20〜100
μmである上記の複層塗膜形成方法。 3.上記第2クリヤー塗膜の形成に用いる第2クリヤー
塗料が、カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有
ポリマーとを含有する熱硬化性クリヤー塗料である上記
の複層塗膜形成方法。 4.上記第2クリヤー塗膜を形成する前に、第1クリヤ
ー塗膜をプレヒートする上記の複層塗膜形成方法。 5.上記第2クリヤー塗膜を形成する前に、第1クリヤ
ー塗膜を焼き付け硬化する上記の複層塗膜形成方法。 6.上記の複層塗膜形成方法により塗装された塗装物。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。なお、本明細書における配合量、配合比率および
添加量は、特に断らない限り固形分換算の量を示す。
【0006】複層塗膜形成方法 本発明の複層塗膜形成方法は、水平部と垂直部を有する
被塗基材に対して、ベース塗膜、第1クリヤー塗膜、次
いで第2クリヤー塗膜を順次形成するものである。
【0007】上記被塗基材としては、水平部と垂直部を
有していれば限定されるものでなく、鉄、アルミニウ
ム、銅またはこれらの合金等の金属類;ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック
材料に導電処理した物等が挙げられる。上記水平部と垂
直部を有した具体的な被塗基材としては、自動車等の車
両、家具、家電製品等を挙げることができる。また例え
ば、自動車における水平部とはルーフ部、ボンネット
部、トランクリッド部を指し、垂直部とはフェンダー部
やドア部を指す。
【0008】本発明を好適に使用する自動車車体におけ
る塗膜形成工程の場合、まず塗膜形成前に、被塗基材を
脱脂、化成処理する。次いで、電着塗装により電着塗膜
を形成し、さらに中塗り塗膜を形成する。これらの塗膜
は焼き付けて硬化させたものが好ましい。本明細書で
は、これらの塗膜が表面に形成されているものも被塗基
材とする。
【0009】上記電着塗膜の形成に用いる電着塗料とし
ては、通常用いられているアニオン型およびカチオン型
のエポキシ樹脂やアクリル樹脂とブロックポリイソシア
ネート化合物やメラミン樹脂等の架橋剤とをビヒクルと
し、これに顔料やその他の材料を適宜配合した塗料であ
る。
【0010】また上記中塗り塗膜の形成に用いる中塗り
塗料は、多価アルコールと多塩基酸とから得られるポリ
エステル樹脂および、これを油等で変性したアルキド樹
脂、あるいはアクリルモノマーをラジカル重合して得ら
れるアクリル樹脂とメラミン樹脂やブロックポリイソシ
アネート化合物等の架橋剤とをビヒクルとし、これに防
錆顔料、耐チッピング性顔料、その他の材料を適宜配合
した塗料である。本発明に係る複層塗膜形成方法では、
上記被塗基材全体にベース塗膜を形成する。このベース
塗膜は、光輝性ベース塗膜、またはソリッドベース塗膜
とすることができる。
【0011】上記光輝性ベース塗膜またはソリッドベー
ス塗膜の形成に用いる光輝性ベース塗料またはソリッド
ベース塗料としては、上記ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、アクリル樹脂とメラミン樹脂やブロックポリイソ
シアネート等の架橋剤とをビヒクルとし、これにアルミ
箔、マイカ顔料等の光輝性顔料や後述の着色顔料を適宜
配合した塗料である。
【0012】上記ベース塗膜の形成は、上記光輝性ベー
ス塗料またはソリッドベース塗料を被塗基材の表面に乾
燥膜厚で3〜25μmになるように塗布することにより
行われる。形成された塗膜は、この段階で加熱硬化させ
ても構わないが、通常、ウエットオンウエットでその上
に第1クリヤー塗膜を形成した後で、焼き付けることが
好ましい。
【0013】本発明の複層塗膜形成方法では、次いで、
このようにして形成されたベース塗膜の上に第1クリヤ
ー塗膜を形成する。ここで、上記被塗基材の水平部に形
成された第1クリヤー塗膜の乾燥膜厚が、垂直部に形成
された第1クリヤー塗膜の乾燥膜厚の50%未満となる
ように第1クリヤー塗膜を形成する。すなわち、自動車
で言えばルーフ部、ボンネット部、トランクリッド部等
の水平部については、第1クリヤー塗膜を形成しなくて
も構わないが、造膜可能な膜厚以上で、垂直部における
乾燥膜厚の50%未満となるように第1クリヤー塗膜を
形成することが好ましい。なお、上記造膜可能な膜厚と
は、塗膜形成時の塗料粘度によって変わるが、一般的に
は5μm程度以上をいう。
【0014】上記第1クリヤー塗膜の垂直部における乾
燥膜厚が50%を超えると、本発明の目的である大気中
のVOCの放出を減らしたり、省エネルギーの見地から
塗料の使用量を削減したりすることができない恐れがあ
る。このとき、上記第1クリヤー塗膜の垂直部における
乾燥膜厚は、20〜100μmであることがより好まし
い。
【0015】上記第1クリヤー塗膜の形成に用いる第1
クリヤー塗料は、アクリル樹脂と、メラミン樹脂やブロ
ックポリイソシアネート化合物等の架橋剤とをビヒクル
としたものを用いることが好ましい。
【0016】上記アクリル樹脂は、アクリル系モノマー
と他のエチレン性不飽和モノマーとを共重合して得るこ
とができる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマ
ーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、
エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチ
ル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジ
ル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等
のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−
ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、ア
クリル酸またはメタクリル酸グリシジル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルア
ミド、多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステ
ルなどがある。一方、これらと共重合可能な上記他のエ
チレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニルなど
がある。
【0017】上記アクリル樹脂と架橋剤との割合として
は、固形分換算でアクリル樹脂が90〜50重量%、架
橋剤が10〜50重量%であり、好ましくはアクリル樹
脂が85〜60重量%であり、架橋剤が15〜40重量
%である。架橋剤が10重量%未満では(アクリル樹脂
が90重量%を超えると)、第1クリヤー塗膜の硬化性
が低下する恐れがある。一方、架橋剤が50重量%を超
えると(アクリル樹脂が50重量%未満では)、第1ク
リヤー塗膜の硬化反応が進み過ぎて、第2クリヤー塗膜
との付着性が低下する恐れがある。
【0018】また上記第1クリヤー塗料には、透明性を
損なわない量の範囲内で、着色顔料や体質顔料を用いる
ことができる。上記着色顔料として、有機系としてはア
ゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、
フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔
料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系
顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、
金属錯体顔料等を挙げることができ、また無機系として
は黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二
酸化チタン等を挙げられる。また上記体質顔料としてタ
ルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、シリカ等
を挙げられる。
【0019】また上記第1クリヤー塗料には、添加剤と
して紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、酸化防
止剤、レオロジーコントロール剤として架橋樹脂粒子、
シリコーン系またはアクリル系の表面調整剤を添加する
ことができる。
【0020】上記第1クリヤー塗料の製造方法は、特に
限定されず、当業者において周知の任意の方法を用いる
ことができる。また上記第1クリヤー塗料および第2ク
リヤー塗料の固形分含有量は、製造時30〜80重量
%、塗装時20〜70重量%の範囲にあることが好まし
い。
【0021】第1クリヤー塗膜の焼き付けは、水平部へ
の第1クリヤー塗膜の形成の有無により異なる。すなわ
ち、水平部に第1クリヤー塗膜を形成しない場合は、焼
き付けを行わず、ウェットオンウェットで上記被塗基材
全体に第2クリヤー塗膜を形成することが好ましい。こ
の場合、垂直部に形成された第1クリヤー塗膜は、先に
60〜90℃で5〜10分加熱する、いわゆるプレヒー
トを行っておくことが、得られる塗膜外観の点で好まし
い。一方、水平部に第1クリヤー塗膜を形成した場合
は、焼き付けて硬化させた後に、上記被塗基材全体に第
2クリヤー塗膜を形成することが好ましい。
【0022】上記第1クリヤー塗膜の焼き付けは、好ま
しくは100〜180℃、より好ましくは120〜16
0℃の温度で、10〜30分間行われる。このように条
件を定めることにより高い架橋度の硬化塗膜を得ること
ができる。
【0023】本発明の複層塗膜形成方法では、次いで、
第2クリヤー塗膜を被塗基材表面全体に形成する。この
第2クリヤー塗膜の乾燥膜厚は、20〜100μmが好
ましい。第2クリヤー塗膜の乾燥膜厚が、20μm未満
では、高外観の塗膜形成ができない恐れがあり、100
μmを超えると塗膜物性的に問題を起こす恐れがある。
【0024】上記第2クリヤー塗膜を形成するのに用い
られる第2クリヤー塗料は、上記第1クリヤー塗料に用
いるのと同じ上記アクリル樹脂およびメラミン樹脂やブ
ロックポリイソシアネート化合物等の架橋剤をビヒクル
とすることができる。また、得られる複層塗膜の耐酸性
の点から、上記第2クリヤー塗料は、カルボキシル基含
有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有する熱硬
化性クリヤー塗料であることが好ましい。これらは特公
平8−19315号公報に記載されている。より好まし
くは、(A)酸無水物基を有するラジカル重合性モノマ
ーと他の共重合性モノマーとの共重合体であって、共重
合体中の酸無水物基がハーフエステル化されており、酸
無水物基を有さない共重合体、および(B)(b1)エ
ポキシ基を有するラジカル重合性モノマー30〜70質
量%、(b2)水酸基を有するラジカル重合性モノマー
10〜50質量%、および(b3)その他のラジカル重
合性モノマーを残量含むモノマー組成物を共重合して得
られるエポキシ当量100〜800、ヒドロキシ当量2
00〜1200、分子量1000〜8000の共重合体
をビヒクルとする熱硬化性クリヤー塗料である。
【0025】上記硬化性樹脂において、化合物(B)の
エポキシ基総数/共重合体(A)のハーフエステル化さ
れた酸無水物基総数=0.5〜1.5、特に0.6〜
1.2となるのが好ましく、また化合物(B)の水酸基
総数/共重合体(A)のハーフエステル化された酸無水
物基総数=0.1〜1.5、特に0.3〜1.2となる
のが好ましい。上記の比率を与える化合物(B)の配合
量は、例えば共重合体(A)100質量部に対し50〜
250質量部、特に80〜150質量部であることが好
ましい。化合物(B)の使用量が50質量部未満だと十
分な硬化が行われず硬化塗膜の耐水性・耐候性等が低下
する恐れがある。また、250質量部を超えると、未反
応のカルボキシル基が残存し耐薬品性が低下する恐れが
ある。
【0026】上記熱硬化性樹脂は酸基を官能基として有
するため、アミンで中和することにより、水を媒体とし
た水性樹脂組成物とすることも可能である。
【0027】上記第2クリヤー塗料は、第1クリヤー塗
料と同様に着色顔料や体質顔料、添加剤を含むことがで
きる。これらについては第1クリヤー塗料の説明のとこ
ろで述べた内容がそのまま適用される。また、その製造
方法および固形分含有量についても第1クリヤー塗料の
説明のところで述べた内容がそのまま適用される。
【0028】このようにして形成された、第2クリヤー
塗膜の焼き付けは、第1クリヤー塗膜と同様、好ましく
は100〜180℃、より好ましくは120〜160℃
の温度で、10〜30分間行われる。こうして、ダブル
クリヤー塗膜である複層塗膜を得ることができる。
【0029】塗装物 本発明の塗装物は、上記複層塗膜形成方法により得られ
るものである。本発明の塗装物は、水平部と垂直部とを
有しており、その表面全体にベース塗膜が形成されてい
るとともに、水平部に形成されている第1クリヤー塗膜
の乾燥膜厚が、垂直部に形成されている第1クリヤー塗
膜の乾燥膜厚の50%未満であって、さらに最表面は第
2クリヤー塗膜が形成されている。
【0030】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり質量部を表す。
【0031】実施例1〜10、比較例1〜2 被塗基材の調製 水平部と垂直部との面積比率が1:1のダル鋼板(厚さ
0.8mm)を脱脂後、燐酸亜鉛処理剤(「サーフダイ
ンSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成
処理した後、鋼板全体をカチオン電着塗料(「パワート
ップU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25
μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で3
0分間焼き付けた後、中塗り塗料(「オルガS−90シ
ーラーグレー」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が40
μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃で3
0分間焼き付けて中塗り塗膜を形成し被塗基材とした。
【0032】複層塗膜の形成 被塗基材全体に、ベース塗料により乾燥膜厚15μmの
ベース塗膜を形成した。その上にウェットオンウェット
で第1クリヤー塗料により水平部と垂直部別に第1クリ
ヤー塗膜を形成後、さらにウェットオンウェットで被塗
基材全体に、第2クリヤー塗料により乾燥膜厚35μm
の第2クリヤー塗膜を形成した。これを140℃で30
分間焼き付けて複層塗膜を得た。第1クリヤー塗料の使
用量の削減割合ならびに垂直部および水平部別に塗膜外
観を評価し、結果を表1に示した。
【0033】ベース塗料およびクリヤー塗料 ベース塗料1:有機溶剤型アクリル/メラミン樹脂系上
塗り光輝性塗料(「スーパーラックM−300」、日本
ペイント社製) ベース塗料2:有機溶剤型アクリル/メラミン樹脂系上
塗り着色塗料(「スーパーラックM−180」、日本ペ
イント社製) 第1クリヤー塗料:アクリル/メラミン樹脂系クリヤー
塗料(「スーパーラックO−170クリヤー」、日本ペ
イント社製) 第2クリヤー塗料1:カルボキシル基含有ポリマーとエ
ポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料(「マ
ックフローO−590クリヤー」、日本ペイント社製) 第2クリヤー塗料2:アクリル/メラミン樹脂系クリヤ
ー塗料(「スーパーラックO−80クリヤー」、日本ペ
イント社製)
【0034】評価方法 第1クリヤー塗料の使用量の削減割合:膜厚30μmで
被塗基材全体に第1クリヤー塗膜を形成したときに使用
した第1クリヤー塗料の量を100としたときの使用割
合を評価した。 4…60以上 3…50以上、60未満 2…30以上、50未満 1…30未満 塗膜外観:複層塗膜形成後の塗膜外観を鮮映性の外観を
目視で評価した。 4…鮮映性優秀 3…鮮映性良好 2…鮮映性普通 1…鮮映性不良
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から明らかのように、本実施例
1〜10は、本発明の複層塗膜形成方法で得た塗装物で
あり、第1クリヤー塗料の使用量が削減されているにも
かかわらず、垂直部と水平部とで同等の高仕上り外観が
得られた。一方、比較例1では、垂直部に第1クリヤー
塗膜を形成しなかったため、垂直部の仕上り外観が十分
ではなかった。比較例2では、第1クリヤー塗料の使用
量が削減されなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明においては、水平部と垂直部を有
する被塗基材に対して、ダブルクリヤー塗膜を形成する
場合において、水平部に形成された第1クリヤー塗膜の
乾燥膜厚が、垂直部に形成された第1クリヤー塗膜の乾
燥膜厚の50%未満となるように塗膜形成を行うことに
より、大気中のVOCの放出を減らし、かつ省エネルギ
ーの見地から塗料の使用量を削減しても、垂直部と水平
部とで同等の高仕上り外観が得られる。
【0038】このことは、ベース塗膜の水平部では、塗
膜形成過程でのレベリングにより垂直部の塗膜に比べて
光輝性顔料の配向の乱れが少なく、着色顔料の突出も少
ないため、垂直部で要求されるほどのクリヤー塗膜の膜
厚を必要としないことによる。なお、本発明により得ら
れる複層塗膜は、上記良好な仕上り外観を呈するため、
自動車、二輪車等の乗物外板・部品、容器外面、コイル
コーティング、家電業界等の高仕上り性が要求される分
野において好ましく使用される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/08 C09D 201/08 // B32B 15/08 B32B 15/08 G Fターム(参考) 4D075 AE03 BB23X BB26Z BB28Z DA23 DB02 DC12 EA19 EA43 4F100 AB03 AK25 AK25J AK36 AK36J AK53 AK53D AL01 AL07 AL07D AT00A BA04 BA07 BA10A BA10D CA13 CC00B CC00C CC00D DB18A EH462 EJ08C EJ42C GB32 JA20C JA20D JB13D JL00 JL02 YY00C YY00D 4J038 CG001 DA161 DB001 DG302 GA06 GA07 KA03 KA08 PA04 PA17 PB03 PB07 PC02 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗基材にベース塗膜、第1クリヤー塗
    膜、次いで第2クリヤー塗膜を順次形成する複層塗膜形
    成方法において、前記被塗基材が水平部と垂直部を有し
    ており、前記被塗基材の水平部に形成された第1クリヤ
    ー塗膜の乾燥膜厚が、垂直部に形成された第1クリヤー
    塗膜の乾燥膜厚の50%未満となるように行う複層塗膜
    形成方法。
  2. 【請求項2】前記垂直部に形成された第1クリヤー塗膜
    の乾燥膜厚および第2クリヤー塗膜の乾燥膜厚が、20
    〜100μmである請求項1記載の複層塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】前記第2クリヤー塗膜の形成に用いる第2
    クリヤー塗料が、カルボキシル基含有ポリマーとエポキ
    シ基含有ポリマーとを含有する熱硬化性クリヤー塗料で
    ある請求項1または2いずれか1項記載の複層塗膜形成
    方法。
  4. 【請求項4】前記第2クリヤー塗膜を形成する前に、第
    1クリヤー塗膜をプレヒートする請求項1から3いずれ
    か1項記載の複層塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】前記第2クリヤー塗膜を形成する前に、第
    1クリヤー塗膜を焼き付け硬化する請求項1から3いず
    れか1項記載の複層塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】請求項1から5いずれか1項記載の複層塗
    膜形成方法により塗装された塗装物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008126171A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Toyota Motor Corp 複層塗膜、複層塗膜の塗装方法、及び複層塗膜で塗装された自動車

Cited By (2)

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