JP2002176782A - 無停電電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 復電後直ぐ停電しても、比較的小さい容量の
コンデンサで、定格電力を連続して負荷へ供給できる。 【解決手段】 商用電力受電中はＡＣ−ＤＣコンバータ
１４の出力をコンデンサ１５へ充電してインバータ１６
へ供給し、停電中に蓄電池電力をＤＣ−ＤＣコンバータ
２５を通じてコンデンサ１５を充電してインバータ１６
へ供給し、復電時にコンデンサ電圧を、商用電力受電中
のコンデンサ電圧Ｖｃよりも高い電圧Ｖｉにした後、商
用電力側に切替える。蓄電池２１の電力を供給中は、コ
ンデンサ電圧をＶｃより低い電圧Ｖｂとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、商用電力をＡＣ
−ＤＣコンバータにより直流電力に変換してコンデンサ
に充電し、そのコンデンサの出力をインバータにより交
流電力に変換して負荷へ供給し、停電時に蓄電池の出力
をＤＣ−ＤＣコンバータを通じて上記コンデンサへ供給
する無停電電源装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来の無停電電源装置を図１を
参照して説明する。入力端子１１及び１２間に商用電源
１３が接続され、入力端子１１及び１２間に入力された
商用電力はＡＣ−ＤＣコンバータ１４により直流電力に
変換されてコンデンサ１５に対する充電が行われる。こ
のコンデンサ１５に充電された電力はインバータ１６に
より交流電力に変換されて出力端子１７及び１８を通じ
て例えばパーソナルコンピュータなどの負荷１９へ供給
される。インバータ１６をその出力電圧が一定になるよ
うに制御することにより、商用電力が変動しても、一定
電圧の電力を負荷１９へ供給することができる。商用電
力により充電器２１を通じて蓄電池２２に対して充電が
行われる。

【０００３】商用電力が停電すると、入力端子１１及び
１２間に接続された停電復電検出器２３がこれを検出
し、その検出出力が制御器２４へ供給され、制御器２４
はＡＣ−ＤＣコンバータ１４の動作を停止させると共
に、ＤＣ−ＤＣコンバータ２５を起動し、蓄電池２２の
電力をＤＣ−ＤＣコンバータ２５を通じてコンデンサ１
５に充電し、この電力がインバータ１６により交流電力
とされて負荷１９へ供給される。このようにして商用電
力の供給から蓄電池電力の供給へ切替えられる。商用電
力が復電すると、これを停電復電検出器２３が検出し、
その検出出力が制御器２４へ入力されて、制御器２４は
ＤＣ−ＤＣコンバータ２５の動作を停止し、ＡＣ−ＤＣ
コンバータ１４を起動する。ＡＣ−ＤＣコンバータ１４
及びＤＣ−ＤＣコンバータ２５に対する起動、停止の制
御は制御器２４からそれぞれ制御線２６及び２７を通じ
て行う。

【０００４】所で停電時にＤＣ−ＤＣコンバータ２５を
直ちに起動させるが、ＤＣ−ＤＣコンバータ２５が正常
な動作状態になるのにわずかな時間Ｔ１を必要とし、こ
の間は、コンデンサ１５に充電されている電荷をインバ
ータ１６へ供給して、負荷１９への電力の供給が瞬断さ
れることがないようにされている。また復電時において
も、インバータ１６への電力供給をＤＣ−ＤＣコンバー
タ２５からＡＣ−ＤＣコンバータ１４に切替えて、ＡＣ
−ＤＣコンバータ１４が正常な動作状態になるまでのわ
ずかな時間Ｔ２の間、インバータ１６への電力供給が断
になる。この間もコンデンサ１５にも充電されている電
荷をインバータ１６へ供給して、負荷１９への電力の供
給が瞬断されることがないようにされる。これらの点か
らインバータ１６から例えば１００Ｖ、１０Ａの電力を
負荷１９へ供給する場合に、コンデンサ１５の電圧を例
えばＶ１＝１９０Ｖ程度にしておき、かつコンデンサ１
５の容量もそれ相応のものとしていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、復電した直後
に再び停電になると、両コンバータ１４，１５から電力
供給が断になる時間は、長い場合は復電時の瞬断時間Ｔ
２と、停電時の瞬断時間Ｔ１との和の時間Ｔ２＋Ｔ１と
なる。しかし、従来においては、コンデンサ１５の電圧
と容量は停電時の瞬断時間Ｔ１またはＴ２による電力供
給の瞬断がないように選定されているため、前述のよう
に瞬断時間がＴ１＋Ｔ２になると、コンデンサ１５から
インバータ１６へ十分な電力の供給が行われず、負荷１
９への電力供給が瞬断したり、定格以下の電力を供給す
るおそれがあった。

【０００６】また、従来においてはコンデンサ１５の電
圧を常に一定としていたため、停電時にＤＣ−ＤＣコン
バータ２５で多くの電力を消費し、蓄電池からの電力供
給時間が短くなるおそれがあった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明によれば、復電
時に、コンデンサの電圧を商用電力受電時におけるコン
デンサ電圧よりも高い電圧にした後、負荷への電力供給
を蓄電池の電力から、商用電力に切替える制御手段が設
けられる。また、好ましくは、蓄電池の電力を供給中
は、コンデンサの電圧を、商用電力の供給中におけるコ
ンデンサの電圧よりも低く保持する制御手段が設けられ
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】この発明の実施形態を図１に示
す。先に説明した従来技術とは、制御器２４からＤＣ−
ＤＣコンバータ２５の出力電圧を制御する制御線３１が
設けられている点が異なり、制御器２４の制御動作が異
なる。この実施形態における制御動作の例を図２に示
す。制御器２４においては、今商用電力を受電中である
とする。この状態で停電になったか否かをチェックして
いる（Ｓ１）。なおこの状態においてはコンデンサ１５
の電圧は図３に示すようにＶｃ、例えば１９０Ｖになる
ようにＡＣ−ＤＣコンバータ１４から電力を出力してい
る。

【０００９】停電が検出されると、ＡＣ−ＤＣコンバー
タ１４に対し動作停止制御の指示を行い（Ｓ２）、これ
と共にＤＣ−ＤＣコンバータ２５に対し起動指示を行う
（Ｓ３）。またコンデンサ１５の電圧がＶｃより小さい
が、インバータ１６から定格の電力を負荷１９に供給で
きる範囲でなるべく低い電圧Ｖｂ、例えば１７０Ｖにな
るように、ＤＣ−ＤＣコンバータ２５の出力電圧を制御
線３１を通じて設定する（Ｓ４）。ＤＣ−ＤＣコンバー
タ２５の出力電圧を制御する場合に、その目標電圧にな
るべく円滑に、かつ速くなるように、適当な速度でその
目標電圧に近づけるのが一般であるが、この場合も、Ｄ
Ｃ−ＤＣコンバータ２５の出力電圧が目標値Ｖｂに徐々
に近づける。停電から、ＤＣ−ＤＣコンバータ２５の出
力電圧が目標値Ｖｂになるまでの間、コンデンサ１５の
電荷により不足分の補充がインバータ１６に対して行わ
れ、停電になってもインバータ１６から定格の出力を出
し続ける。

【００１０】このようにして蓄電池２２の電力がＤＣ−
ＤＣコンバータ２５を通じてインバータ１６へ供給する
状態になる。この状態において制御器２４は復電になっ
たかをチェックしている（Ｓ５）。復電になるとＤＣ−
ＤＣコンバータ２５の出力電圧、つまりコンデンサ１５
の電圧が、商用電力受電中の電圧Ｖｃよりも高い電圧Ｖ
ｉ、例えば２１０Ｖになるように制御線３１を通じて制
御する（Ｓ６）。つまりＤＣ−ＤＣコンバータ２５の出
力電圧の目標値をＶｉとする。この場合も通常の動作と
同様に出力電圧をＶｃからＶｉへ徐々に上げてゆく。こ
の電圧Ｖｉの値は、停電時の瞬断時間Ｔ１と復電時の停
電時間Ｔ２との和の時間、両コンバータ１４，２５から
の電力供給が停止されても、コンデンサ１５からインバ
ータ１６に電力を供給し、インバータ１６から定格電力
を出力できるよう選定される。つまりコンデンサ１５に
高い電圧を加えることにより、より多くの電荷を蓄え、
Ｔ１よりも長い時間Ｔ１＋Ｔ２程度、コンデンサ１５か
らの電荷によりインバータ１６が定格電力を出力するこ
とができるようにされる。

【００１１】コンデンサ１５の電圧、つまりＤＣ−ＤＣ
コンバータ２５の出力電圧がほぼ目標値Ｖｉになると
（Ｓ７）、ＤＣ−ＤＣコンバータ２５の動作停止を指示
し（Ｓ８）、その後、ＡＣ−ＤＣコンバータ１４を起動
してその出力をコンデンサ１５へ供給してステップＳ１
に戻る（Ｓ９）。このコンバータの出力切替えが行われ
ると、ＡＣ−ＤＣコンバータ１４の出力に応じて、コン
デンサ１５は電圧Ｖｃに徐々になる。このように構成さ
れているため、復電が検出された後、直ぐ停電になって
も、ＤＣ−ＤＣコンバータ２５の出力からＡＣ−ＤＣコ
ンバータ１４の出力への切替えはコンデンサ１５の電圧
がほぼＶｉになった後に行われるため、つまり、コンデ
ンサ１５への電力供給がほぼＴ１＋Ｔ２の間断になって
もコンデンサ１５の電荷によりインバータ１６から定格
電力を出力し続けることができ、このＴ１＋Ｔ２の間に
ＤＣ−ＤＣコンバータ２５から電圧Ｖｂの電力をコンデ
ンサ１５へ供給できるようになり、負荷１９には連続し
て、定格電力が供給される。

【００１２】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば復
電時に、商用電力受電中の電圧Ｖｂより高い電圧Ｖｉに
なってからＡＣ−ＤＣコンバータの出力をコンデンサ１
５へ供給するようにしているため、復電後、直ぐに停電
になっても、負荷へ定格電力を瞬断なく供給し続けるこ
とができる。しかも、このようにすることによりコンデ
ンサ１５として容量が比較的小さい小形で安価なものを
使用することができる。またＤＣ−ＤＣコンバータ２５
の出力をコンデンサ１５へ供給中はコンデンサ電圧を商
用電力受電中よりも低い値Ｖｂとする場合は、それだけ
インバータ１６における電力消費が少なく、蓄電池２２
が、長い停電に耐えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態を示すブロック図。

【図２】この発明の実施形態における制御器２４の動作
手順の例を示す流れ図。

【図３】この発明を適用した場合のコンデンサ１５の電
圧の変化の様子を示す図。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商用電力を、ＡＣ−ＤＣコンバータによ
   り直流電力に変換してコンデンサに充電し、 そのコンデンサの出力をインバータにより交流電力に変
   換して負荷へ供給し、 停電時に、蓄電池の出力をＤＣ−ＤＣコンバータを通じ
   て上記コンデンサへ供給する無停電電源装置において、 復電時に、上記コンデンサの電圧を、上記商用電力受電
   時における上記コンデンサ電圧よりも高い電圧にした
   後、上記負荷への電力供給を上記蓄電池の電力から商用
   電力に切替える制御手段が設けられていることを特徴と
   する無停電電源装置。
2. 【請求項２】 上記蓄電池の電力を供給中は、上記コン
   デンサの電圧を、商用電力の供給中における上記コンデ
   ンサの電圧よりも低く保持する制御手段が設けられてい
   ることを特徴とする請求項１記載の無停電電源装置。