JP2002176309A - アンテナ装置およびそのアンテナの測定方法 - Google Patents
アンテナ装置およびそのアンテナの測定方法Info
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Abstract
の設定値と実際の遅延量の差違を補正することによりビ
ーム指向誤差の低減を可能とするアンテナ装置を得る。 【解決手段】 実時間遅延線路の設定値と実際の遅延
量の差違を補正する補正移相を貯える記憶装置と、移相
器に設定する位相に上記補正位相を加える演算回路を備
える。
Description
年電子情報通信学会通信ソサィエティ大会B-1-138「サブ
アレー単位で実時間遅延移相器を設けたフェーズドアレ
ーアンテナのビーム指向誤差近似式」に示されたよう
な、レーダまたは通信用装置において広周波数帯域にわ
たる信号を同時に送受信するために、N個(Nは2以上
の整数)の素子アンテナとそれぞれの素子アンテナにつ
ながれ、0度から360度の間で透過位相を変化させる
事ができるN個の移相器、上記N個の移相器の出力をサ
ブアレーとして合成するM個(Mは2以上、N以下の整
数)のRF合成回路、上記それぞれのRF合成回路につ
ながれたM個の実時間遅延線路、上記それぞれの実時間
遅延線路につながれたRF合成回路を備えたアンテナ装
置において、アンテナの動作状態における各実時間遅延
線路の設定誤差によるビーム指向性誤差の影響を軽減で
きるアンテナ装置を提案するとともに、そのアンテナ装
置の遅延設定量と実際の遅延量の差異を精度良く測定で
きるアンテナ測定方法に関するものである。
図である。図において1-1…1-NはN個の素子アンテナ、
2-1…2−Nは同じくN個の移相器、3-1…3-NはM個の
サブアレーRF分配回路、4は4-1…4-MはM個の実時間
遅延線路、5はRF分配回路、6は送信器である。7は
計測用のピックアップアンテナ、8は計測用の受信器で
ある。
例であり、送信器6より発生した信号電力は電力分配回
路5により所望の分配比に分配されて、各実時間遅延線
路に送られる。各実時間遅延線路4は所望のビームを形
成する為に必要な時間遅延量を信号電力に与える。サブ
アレーRF分配回路にて所望の分配比に分配された信号
電力は所望のビームを形成するために、所望の位相量に
コントロールされた移相器2により位相が変えられ、素
子アンテナ1-1…1-Nから放射されて、所望のアンテナ特
性を得る。受信の場合も送信器と受信器が入れ替わるだ
けで、送信の場合と同一である。
て、より詳しく説明する。説明においてアンテナは素子
アンテナがX軸に沿って配置されたリニアアレーアンテ
ナとする。図3に示すアンテナにおいて、主ビームをθ
1方向に向ける為に、各素子アンテナ1に設定する必要
な位相は次式で与えられる。
に設定する位相、λは波長、θ1は主ビーム方向、Xiは
素子アンテナ1-iの座標である。アンテナの開口長45
λ、ビーム走査角度を+20度の場合、45sin(20)=15.
39λであるため、アンテナ左端の移相器2に0度を設定
した場合、アンテナ右端の移相器2には0.39λ=140.4度
を設定すれば良い。
変調信号を使用する場合、アンテナの放射パターンには
広帯域にわたり、その特性が変化しないことが求められ
る。しかしながら、上記のように移相器2を用いてビー
ム走査を行った場合、運用帯域幅が±3%であるとする
と、帯域上限(FH)、帯域中心(FC)、 帯域下限(FL)、
における主ビーム方向は、
る。開口長45λの場合、ビーム幅は約1.2度である
ため、この主ビーム方向の変動はシステム上大きな問題
となる。
対応する位相を設定するのではなく、各素子アンテナか
ら所望の方向へビームを形成するために必要な信号遅延
量を実時間遅延経路4により実現することが行われてい
る。
図は最小遅延量が中心周波数における1λ、4ビットの
遅延線路の例である。ここで、最小遅延量とビット数は
アンテナ開口長と所望のビーム走査特性によって決まる
値である。図4において11は1λ遅延回路、12は2
λ遅延回路、13は4λ遅延回路、 14は8λ遅延回
路、15は制御回路であり、線路長が異なる線路をスイ
ッチで切り替える事により、所望の遅延特性を得る。上
記の例において1λ、2λ、4λ、8λの遅延線路を動作さ
せることで、15λの遅延を実現し、移相器に0.39λ=14
0.9度の位相を設定してビーム走査を行った場合の帯域
内で主ビーム方向は、
主ビーム方向の変動を±0.02度に低減可能である。
は、以上のように構成されているため、実時間遅延線路
4の特性の変動がアンテナのビーム走査特性に大きな影
響を与える。従って、実時間遅延線路特性のばらつき、
変動を低減する必要があり、個々の実時間遅延線路4の
試験・調整に多大な時間を必要とした。また、実際には
実時間遅延線路4を透過する信号の位相は前後につなが
れるコンポーネントの入出力特性の影響を受けるが、そ
の影響を考慮した制御は不可能であり、高い精度のビー
ム指向性を実現することが困難であった。
装置は、実時間遅延線路の実際の遅延量D'と遅延設定
量Dの差から補正位相を求め、この補正位相を格納する
記憶装置と補正位相から各位相器に設定する位相を計算
する演算装置を備えることで、実時間遅延線路特性のば
らつき、変動を考慮した位相設定を可能とし、試験・調
整時間を短縮しながらも、従来に比べて高い精度のビー
ム指向を可能とする。
つのサブアレーA,Bのみを励振し、サブアレーAの移
相器とサブアレーBの移相器には180度の位相差を与
え、各サブアレーにつながれた実時間遅延線には遅延設
定量として零を与えることで、アンテナ正面方向にナル
パターンを形成し、次にサブアレーBの実時間遅延線路
に遅延設定量Dを設定した場合のナル位置の変化Δθか
らサブアレーBにつながれた実時間遅延線路の実際の遅
延量D'を求めることが可能となる。
実施の形態1を示す図であり、図において1-1…1-Nは
N個の素子アンテナ、2-1…2-Nは同じくN個の移相器、
3-1…3-MはM個のサブアレーRF分配回路、4-1…4-Mは
M個の実時間遅延線路、5はRF分配回路、6は送信器
である。7は計測用のピックアップアンテナ、8は計測
用の受信器、9は実測された実時間遅延線路の遅延量を
格納する記憶装置、10はビーム走査位相を計算する演
算装置である。
査各度を+20度、運用帯域幅が±5%の場合、遅延線
路の長さが設計値に対し5%短い場合、帯域上限、中
心、下限における主ビーム方向は、
シフトしてしまう。
遅延線路の遅延量D'を用い、次式によって補正位相を
計算する。
るそれぞれの移相器2に設定する位相に数7による補正
位相を加えることで、主ビーム方向のシフトを補正する
ことが可能であり、前述の例の場合、
が確認できる。
構成図であり、図において1-1…1−NはN個の素子ア
ンテナ、2-1…2−Nは同じくN個の移相器、3-1…3-Mは
M個のサブアレーRF分配回路、4-1…4-MはM個の実時
間遅延線路、5はRF分配回路、6は送信器である。7
は計測用のピックアップアンテナ、8は計測用の受信器
である。16は計測において着目するサブアレー、17
は基準用サブアレーである。
を構成するサブアレーの内、計測において着目するサブ
アレー16と基準用サブアレー17を構成する素子アン
テナ1のみを励振する。着目するサブアレー16を構成
する素子アンテナ1と基準用サブアレー17を構成する
素子アンテナ1の励振位相に180度の差を与え、それ
ぞれの実時間遅延線路4の設定は0とすると、アンテナ
正面方向では着目するサブアレー16からの信号と基準
用サブアレー17からの信号が相殺しあい、放射パター
ンの零点が形成される。
形成されたことは、回転台または走査型スキャナーによ
り、アンテナ装置と計測用ピックアップアンテナ7の相
対位置関係を変化させて、受信器8の出力を測定するこ
とで確認可能である。
6につながれた実時間遅延線路4に遅延量Dを設定し、
放射パターンの零点位置を測定する。 アンテナ正面か
らの零点位置の変位をΔθとすると、着目するサブアレ
ー16につながれた実時間遅延線路4の遅延量は次式で
求められる。
用 サブアレー17の位相中心の間隔であり、既知の量
である。上記の測定を実時間遅延線路の各ビット毎に繰
り返し、また、全ての サブアレーに対して行うこと
で、全ての実時間遅延線路の遅延特性D'を測定するこ
とが可能である。
際の遅延量D'と遅延設定量Dの差から補正位相を求
め、この補正位相を格納する記憶装置と補正位相から各
移相器に設定する位相を計算する演算装置を備えること
で、実時間遅延線路特性のばらつき、変動を考慮した位
相設定を可能とし、試験・調整時間を短縮しながらも、
高精度なビーム指向を可能とする。
レーA,Bのみを励振し、 サブアレーAの移相器と サ
ブアレーBの移相器には180度の移相差を与え、各
サブアレーにつながれた実時間遅延線には遅延設定量と
して零を与えることで、アンテナ正面方向にナルパター
ンを形成し、次に サブアレーBの実時間遅延線路に遅
延設定量Dを設定した場合のナル位置の変化Δθから
サブアレーBにつながれた実時間遅延線路の実際の遅延
量D'を求めることを可能とする。
を示す図である。
回路、4 実時間遅延線路、5 RF分配回路、6 送信
器、7 ピックアップアンテナ、8 受信器、9記憶装
置、10 演算装置、11 1λ遅延回路、12 2λ遅
延回路、13 4λ遅延回路、14 8λ遅延回路、15
制御回路、16 計測において着目する サブアレ
ー、17 基準用 サブアレー。
Claims (2)
- 【請求項1】 N個(Nは2以上の整数)の素子アンテ
ナとそれぞれの素子アンテナにつながれ、0度から36
0度の間で透過位相を変化させる事ができるN個の移相
器、上記N個の移相器の出力をサブアレーとして合成す
るM個(Mは2以上、N以下の整数)のRF合成回路、
上記それぞれのRF合成回路につながれたM個の実時間
遅延線路、上記ぞれぞれの実時間遅延線路につながれた
RF合成回路を備えたアンテナ装置において、m番目
(mは1以上、M以下の整数)の実時間遅延線路の遅延
設定量Dmと実際の遅延量のD'mから、 【数1】 により補正位相φmを求め、この補正位相を格納するた
めの記憶装置と補正位相から、m番目の実時間遅延線路
がつながれていて、かつそれぞれの移相器に設定する位
相を計算するための演算装置を備えたことを特徴とする
アンテナ装置。 - 【請求項2】 N個(Nは2以上の整数)の素子アンテ
ナとそれぞれの素子アンテナにつながれ、0度から36
0度の間で透過位相を変化させる事ができるN個の移相
器、上記N個の移相器の出力をサブアレーとして合成す
るM個(Mは2以上、N以下の整数)のRF合成回路、
上記ぞれぞれのRF合成回路につながれたM個の実時間
遅延線路、それぞれの上記実時間遅延線路につながれた
RF合成回路を備えたアンテナ装置において、2つのサ
ブアレーA,Bのみを励振し、サブアレーAの移相器と
サブアレーBの移相器には180度の位相差を与え、各
サブアレーにつながれた実時間遅延線には遅延設定量と
して零を与えることで、アンテナ正面方向にナルパター
ンを形成し、次にサブアレーBの実時間遅延線路に遅延
設定量Dを設定した場合のナル位置の変化Δθから 【数2】 により、サブアレーBにつながれた実時間遅延線路の実
際の遅延量D'を求めることを特徴とするアンテナ測定
方法。
Priority Applications (1)
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