JP2002173730A - 展伸用マグネシウム合金 - Google Patents

展伸用マグネシウム合金

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勉 村井
Susumu Miyamoto
宮本  進
Yanagio Aso
柳雄 麻生
Yoshinari Oki
善成 沖
Hideo Sano
秀男 佐野
Seiichi Nagao
誠一 永尾
Shinichi Matsuoka
信一 松岡
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Sankyo Aluminium Industry Co Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Sankyo Aluminium Industry Co Ltd
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    • C22C23/04Alloys based on magnesium with zinc or cadmium as the next major constituent
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    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出加工による成形速度を従来よりも速める
ことができ、構造材として充分な機械的性質と耐食性を
有する展伸用マグネシウム合金を提供する。 【解決手段】 本発明による展伸用マグネシウム合金
は、アルミニウムを0.1重量%以上1.0重量%以
下、亜鉛を0.1重量%以上2.0重量%以下、マンガ
ンを0.1重量%以上1.0重量%以下、銅を0.04
重量%以下、ケイ素を0.05重量%以下、鉄を0.0
05重量%以下、ニッケルを0.005重量%以下を含
有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、展伸用マグネシウ
ム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の展伸用マグネシウム合金には、ア
ルミニウムー亜鉛系合金であるJIS(日本工業規格)
のM1等が用いられていた。このM1は、アルミニウム
を3.0重量%、亜鉛を1.0重量%含むものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の展伸用マグネシウム合金では、押出加工における成形
速度が速くなると、成形品に割れが発生して成形不可能
になることがあった。また、成形品に表面酸化が起こ
り、場合によっては発火により表面性状が悪化して成形
不可能になることがあった。一方、マグネシウム合金の
押出加工では、成形速度を速めることが望まれている。
【0004】そこで、本発明は、押出加工による成形速
度を従来よりも速めることができ、構造材として充分な
機械的性質と耐食性を有する展伸用マグネシウム合金を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、アルミニウムを0.1重量%以上1.0重量%以
下、亜鉛を0.1重量%以上2.0重量%以下、マンガ
ンを0.1重量%以上1.0重量%以下、銅を0.04
重量%以下、ケイ素を0.05重量%以下、鉄を0.0
05重量%以下、ニッケルを0.005重量%以下を含
有することを特徴とする。
【0006】この請求項1に記載の発明によれば、展伸
用マグネシウム合金の押出速度が従来の約10倍の速度
においても押出成形した成形品の割れの発生がなく、ま
た、表面酸化による発火もなく成形することができた。
従って、従来よりも速い押出速度でマグネシウム合金製
構造材の押出成形ができた。アルミニウムを0.1重量
%以上1.0重量%以下としているのは、アルミニウム
が0.1重量%未満では、構造材として充分な機械的性
質が得られず、1.0重量%を越えると従来よりも速い
押出速度が得られ難くなるからである。亜鉛を0.1重
量%以上2.0重量%以下としているのは、亜鉛が0.
1重量%以下未満では耐食性に劣り、2.0重量%を越
えると従来よりも速い押出速度が得られ難くなるからで
ある。また、マンガンを0.1重量%以上1.0重量%
以下としているのは、この範囲で耐食性が良好になるか
らである。マンガンが0.1重量%未満では、耐食性が
著しく劣り、1.0重量%より多くなると、従来よりも
速い押出速度を得られ難くなるからである。銅、ケイ
素、鉄、ニッケルは、それぞれ不可避的な不純物元素で
ある。更に、カルシウムを添加して難燃性を高めてもよ
い。この場合、カルシウムの添加量は、0.3〜1.0
重量%が好ましい。イットリュウム、ネオジウム、セリ
ウム、希土類元素を重量でそれぞれ100ppm以下含
有することで、高温時の機械的性質の向上を図ることが
できる。
【0007】
【実施例】下記表1に各実施例1乃至3の組成を示すよ
うに、アルミニウム、亜鉛、マンガン、ケイ素、鉄、
銅、ニッケルを所定量添加し、Bal(残部)をマグネ
シウムとした展伸用マグネシウム合金のビレットを、そ
れぞれ実施例1〜3とした。尚、表1において単位は重
量%である。
【0008】
【比較例】下記表1に示す各比較例1〜3の組成のビレ
ットを比較例1〜3とした。
【0009】
【表1】 これらの実施例1〜3及び比較例1〜3について、図1
に示す形状の形材を押出成形した。押出成形では、押出
速度を5m/分、10、15……70m/分というよう
に、押出速度を種々変えた実験をおこなった。その結果
を下記の表2に示す。尚、図1に示す形材の寸法は、W
が50mm、Sが15mm、t(肉厚)が1.2mmで
あった。各実施例及び比較例における押出条件は、ビレ
ット温度が400℃、押出荷重が3〜5MN(メガニュ
ートン)であった。
【0010】
【表2】 表2の記号において、○は押出可能、×は割れ発生によ
り表面性状悪化、−は割れ発生により押出不可能であ
る。また、実施例1及び比較例1について、図2に示す
形状の形材を押出成形したので、その結果を表3に示
す。尚、図2に示す形材の寸法は、Wが40mm、Sが
20mm、Vが15mm、t(肉厚)が2.0mmであ
った。その他の条件は表2に示す押出成形と同じ条件で
あった。表3中の記号の意味は表2と同じである。
【0011】
【表3】 更に、実施例1〜3及び比較例1〜3について、表2に
おける押出成形の各押出速度で得た形材について、引っ
張り強さを測定したので、その結果を下記表4に示す。
引っ張り強さの測定は、万能試験機でおこなった。表4
の単位はMPaである。尚、表4の比較例1〜3におい
て、押出速度10m/分の場合には表2に×で示すよう
に表面性状が悪化していたが、比較のため引張り強さを
測定したものである。
【0012】
【表4】
【0013】表2から明らかなように、実施例1〜3で
は、押出速度(製品速度)5m/分〜50m/分のそれ
ぞれにおいて押出が可能であり、表面性状の悪化も生じ
なかった。特に、実施例1では70m/分でも表面性状
の悪化もなく押出が可能であった。これに対して、比較
例1〜3では、10m/分において押出可能であったが
表面性状が悪化しており、15m/分以上の速さでは、
割れ発生により押出不可能であった。即ち、実施例1〜
3では比較例1〜3の10倍以上の押出速度で押出成形
可能であった。また、図2に示す断面形状の形材の押出
においては、表3の実施例1に示すように、20m/分
でも押出可能であったが、比較例1では、5m/分の速
度で割れ発生により押出不可能であった。表2及び表3
の結果から明らかなように、押出形材の断面形状によっ
ても押出速度が異なるが、同じ断面形状では本発明の実
施例のほうが比較例よりも押出速度を10倍以上速くで
きることが明らかである。各実施例及び比較例で得られ
た形材の引張り強さは、表4から明らかなように、比較
例1〜3では、押出速度が速くなると引っ張り強さが著
しく低下するのに対して、本実施の形態では、押出速度
が速くなっても押出速度が遅い場合と略同等な引っ張り
強さを得ることができた。特に、押出速度が10m/分
では、実施例1〜3では、いずれも比較例1〜3よりも
引張り強さが優れている。尚、一般的な展伸用アルミニ
ウム合金であるA6063(JIS)の代表的な引張り
強さは220MPaであり、本実施例はこの展伸用アル
ミニウム合金よりも引張り強さの点で優れている。ま
た、実施例1〜3について、0.2%耐力及び伸び率等
についても測定したところ、0.2%耐力は110〜1
30MPa、伸び8〜12%であり、また、耐食性は5
%NaClの塩水噴霧試験24時間で腐食減量が2mg
/cm2 /dayであった。これらの物性は、一般的な展伸
用アルミニウム合金6063(JIS)と略同等以上の
機械的性質であり、軽量構造材として用いることができ
るものである。尚、本発明の展伸用マグネシウム合金
は、押出成形に用いることに限らず、圧延、プレス成
形、鍛造に用いても良い。
【0014】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、従来よ
りも速い押出速度でマグネシウム合金の押出成形ができ
る。また、押出成形品の割れの発生や表面酸化による発
火等による表面性状の悪化も生じることがない。また、
本発明による展伸用マグネシウム合金を用いて得た押出
成形品の物性は、軽量材としての機械的性質に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出成形をおこなった形材の断面図である。
【図2】図1とは異なる断面形状の形材について押出成
形をおこなったときの形材の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 進 富山県高岡市早川70番地 三協アルミニウ ム工業株式会社内 (72)発明者 麻生 柳雄 富山県高岡市早川70番地 三協アルミニウ ム工業株式会社内 (72)発明者 沖 善成 富山県高岡市早川70番地 三協アルミニウ ム工業株式会社内 (72)発明者 佐野 秀男 愛知県名古屋市港区千年3−1−12 住友 軽金属工業株式会社内 (72)発明者 永尾 誠一 愛知県名古屋市港区千年3−1−12 住友 軽金属工業株式会社内 (72)発明者 松岡 信一 富山県射水郡小杉町黒河5180 富山県立大 学 機械システム工学科内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムを0.1重量%以上1.0重
    量%以下、亜鉛を0.1重量%以上2.0重量%以下、
    マンガンを0.1重量%以上1.0重量%以下、銅を
    0.04重量%以下、ケイ素を0.05重量%以下、鉄
    を0.005重量%以下、ニッケルを0.005重量%
    以下を含有することを特徴とする展伸用マグネシウム合
    金。
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