JP2002172862A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2002172862A
JP2002172862A JP2000373719A JP2000373719A JP2002172862A JP 2002172862 A JP2002172862 A JP 2002172862A JP 2000373719 A JP2000373719 A JP 2000373719A JP 2000373719 A JP2000373719 A JP 2000373719A JP 2002172862 A JP2002172862 A JP 2002172862A
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Hiroaki Tsugawa
洋晶 津川
Mitsuyo Saito
光代 西頭
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度で地肌の白色性が高く、且つ湿熱による
かぶりが少ない感熱記録材料の開発。 【解決手段】支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化
合物、該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物
及び増感剤を主要成分として含有する感熱発色層を設け
た感熱記録材料において、顕色性化合物としてα型の結
晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホンを、増感剤としてN−メチルフタルイミド
を含有することを特徴とする感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録材料に関す
る。更に詳しくは、高感度で地肌の白色性が高く、且つ
湿熱によるかぶりが少ない感熱記録材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は、一般にロイコ染料とフ
ェノール性物質等の顕色剤をそれぞれ別個に微粒子状に
分散化後、両者を混合し、これに結合剤、増感剤、充填
剤、滑剤等の添加剤を添加して塗液とし、紙、フィル
ム、合成紙等に塗布したもので、加熱によりロイコ染料
と顕色剤の一方又は両者が溶融、接触して起こる化学反
応により発色記録を得るものである。この感熱記録シー
トの発色のためには、サーマルヘッドを内蔵したサーマ
ルプリンター等が用いられる。この感熱記録法は他の記
録法に比較して(1)記録時に騒音がでない、(2)現
像、定着等の必要がない、(3)メンテナンスフリーで
ある、(4)機械が比較的安価である等の特徴により、
ファクシミリ分野、コンピューターのアウトプット、電
卓等のプリンター分野、医療計測用のレコーダー分野、
自動券売機分野、感熱記録型ラベル分野等に広く用いら
れている。
【0003】近年では、小売店やスーパーマーケット等
におけるPOSシステム化、交通機関における自動化シ
ステムに伴い、ラベル類や乗車券、回数券等への使用が
増加している。これらの用途において、感熱記録材料に
はより一層の保存安定性の向上が望まれている。また高
速記録に対する要求が一段と高くなり、高速記録に十分
対応し得る感熱記録材料の開発が強く望まれているが、
一般に感熱記録材料の感度を高め熱応答性を良くすると
地肌かぶりが起こるという欠点が顕れ易くなる。従来、
感熱記録材料の白色度を損なうことなく、感度及び保存
安定性を向上させる為の種々の方法が提案されている
が、いまだ満足すべきものは見いだされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記、
従来技術の欠点を解決することにある。即ち、高感度で
地肌の白色性が高く、且つ湿熱によるかぶりが少ない感
熱記録材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成すべく種々の検討を重ねた結果、本発明を完成させ
たものである。即ち本発明は、
【0006】(1)支持体上に通常無色ないし淡色の発
色性化合物と該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性
化合物及び増感剤を主要成分として含有する感熱発色層
を設けた感熱記録材料において、顕色性化合物としてα
型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホンを、増感剤としてN−メチルフタル
イミドを含有することを特徴とする感熱記録材料、に関
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては通常無色ないし
淡色の発色性化合物と、該発色性化合物を熱時発色させ
うる顕色性化合物としてα型の結晶型を有するビス(3
−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと、増感
剤としてN−メチルフタルイミドを主要な成分としてそ
れぞれ使用し、以下に示すような結合剤及びその他必要
に応じ充填剤、その他の添加物等を使用して感熱発色層
が調製される。
【0008】本発明で用いるα型の結晶型を有するビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと
は、特開平11−29549号で記載されているもの
で、その物性がCu−Kα線による粉末X線回折法にお
いて、少なくとも回折角(2θ)[°]7.2及び2
2.0にピークをもつX線回折図により特徴づけられる
結晶型で、かつ示差走査熱量計(Differenti
al Scanning Calorimeter)で
の補外融解開始温度(Te)が149℃以上の融点を有
するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホンである。
【0009】本発明における感熱発色層を形成するにあ
たり、発色性化合物は通常1〜50重量%、好ましくは
5〜30重量%、α型の結晶型を有するビス(3−アリ
ル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンは通常1〜60
重量%、好ましくは5〜30重量%、N−メチルフタル
イミドは通常1〜80重量%、好ましくは5〜60重量
%、結合剤は通常1〜90重量%、充填剤は通常0〜8
0重量%、その他の滑剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線
吸収剤等は各々任意の割合で、例えば通常各々0〜30
重量%、使用される(重量%は感熱発色層中に占める各
成分の重量比)。更に好ましい態様としては、上記のよ
うな組成のうちで、各々の使用量が重量比で発色性化合
物1に対して、α型の結晶型を有するビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホンは通常0.5〜2
0倍、好ましくは1〜5倍、N−メチルフタルイミドは
通常0.5〜20倍、好ましくは1〜8倍である。本発
明の感熱記録材料においては、前記主要成分以外の公
知、公用の顕色性化合物、増感剤又はその他の添加物を
併用しても構わない。
【0010】本発明において用いられる発色性化合物
は、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられているも
のであればよく、特に制限されない。用いうる発色性化
合物の例としては、例えばフルオラン系化合物、トリア
リールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメ
タン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、
フルオレン系化合物等が挙げられる。
【0011】用いうるフルオラン系化合物の具体例とし
ては、例えば3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シク
ロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチ
ル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシ
プロピル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロ
フリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロ
ロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−(p−フルオロアニリノ)フルオラン、3−
[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o
−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−
ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチルア
ミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルフルオラン、
3−[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−
メチル−7−フェネチルフルオラン等が挙げられる。
【0012】又、用いうるトリアリールメタン系化合物
の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別
名:クリスタルバイオレットラクトン又はCVL)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリ
ド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,
2−ジメチルアミノインドール−3−イル)フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−
3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−
イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチル
アミノフタリド、3,3−(2−フェニルインドール−
3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジ
メチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2
−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられ
る。
【0013】更に、用いうるスピロ系化合物の具体例と
しては、例えば3−メチルスピロジナフトピラン、3−
エチルスピロジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピ
ロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラ
ン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフ
ト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、1,3,3
−トリメチル−6−ニトロ−8’−メトキシスピロ(イ
ンドリン−2,2’−ベンゾピラン)等が、ジフェニル
メタン系化合物の具体例としては、例えばN−ハロフェ
ニル−ロイコオーラミン、4,4−ビス−ジメチルアミ
ノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−2,
4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が、チ
アジン系化合物の具体例としては、例えばベンゾイルロ
イコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチ
レンブルー等が、ラクタム系化合物の具体例としては、
例えばローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−
p−クロロアニリノラクタム等が、フルオレン系化合物
の具体例としては、例えば3,6−ビス(ジメチルアミ
ノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルア
ミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオ
レンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド、
3−ジメチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレンス
ピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド等が挙げ
られる。これらの発色性化合物は単独もしくは混合して
用いられる。
【0014】本発明において併用可能な顕色性化合物と
しては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられてい
るものであればよく、特に制限されない。例えばα−ナ
フトール、β−ナフトール、p−オクチルフェノール、
4−t−オクチルフェノール、p−t−ブチルフェノー
ル、p−フェニルフェノール、1,1−ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(p−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA又
はBPA)、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1−ビス−(p−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、4,4’−チオビスフェノール,
4,4’−シクロ−ヘキシリデンジフェノール、2,
2’−ビス−(2,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、4,4’−イソプロピリデンビス(2
−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−クロロフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸
メチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル等のフェ
ノール性化合物、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p
−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシフタル酸
ジベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、3,5
−ジ−t−ブチルサリチル酸、3.5−ジ−α−メチル
ベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸誘導体、芳香
族カルボン酸又はその多価金属塩等が併用可能な顕色性
化合物の例として挙げられる。
【0015】本発明において併用可能な増感剤(熱可融
性化合物)の具体例としては、例えば動植物性ワック
ス、合成ワックスなどのワックス類や高級脂肪酸、高級
脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、ナフタレン誘導
体、芳香族エーテル、芳香族カルボン酸誘導体、芳香族
スルホン酸エステル誘導体、炭酸又はシュウ酸ジエステ
ル誘導体、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体、ス
ルホン誘導体等、常温で固体であり約70℃以上の融点
を有するものを使用することができる。
【0016】ワックス類の具体例としては、例えば木ろ
う、カルナウバろう、シェラック、パラフィン、モンタ
ンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化
ポリエチレン等が、高級脂肪酸の具体例としては、例え
ばステアリン酸、ベヘン酸等が、高級脂肪酸アミドの具
体例としては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸
アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミ
ド、メチロールベヘン酸アミド、メチレンビスステアリ
ン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が、高
級脂肪酸アニリドとしては、例えばステアリン酸アニリ
ド、リノール酸アニリド等が、ナフタレン誘導体の具体
例としては、例えば1−ベンジルオキシナフタレン、2
−ベンジルオキシナフタレン、1−ヒドロキシナフトエ
酸フェニルエステル等が、芳香族エーテルの具体例とし
ては、例えば1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジ
フェノキシブタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキ
シ)エタン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)
エタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エ
タン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)
エタン、1−フェノキシ−2−(4−メトキシフェノキ
シ)エタン等が、芳香族カルボン酸誘導体の具体例とし
ては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステ
ル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、テ
レフタル酸ジベンジルエステル等が、芳香族スルホン酸
エステル誘導体の具体例としては、例えばフェニルメシ
チレンスルホナート、4−メチルフェニルメシチレンス
ルホナート等が、炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体の
具体例としては、例えば炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベ
ンジルエステル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エ
ステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル等
が、ビフェニル誘導体の具体例としては、例えばp−ベ
ンジルビフェニル、p−アリルオキシビフェニル等が、
ターフェニル誘導体の具体例としては、例えばm−ター
フェニル等が、スルホン誘導体の具体例としては、例え
ばジフェニルスルホン等が、各々例示される。
【0017】前記した併用可能な顕色性化合物及び増感
剤の使用量は、本発明の効果を妨げない範囲、例えばα
型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン、N−メチルフタルイミドの使用量
を各々越えない範囲の割合が好ましい。
【0018】用いうる結合剤の具体例としては、例えば
メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリ
ウムカルボキシメチルセルロース、セルロース、ポリビ
ニルアルコール(PVA)、カルボキシル基変性ポリビ
ニルアルコール、スルホン酸基変性ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸、デンプン及びその誘導体、カゼイン、ゼラ
チン、水溶性イソプレンゴム、スチレン/無水マレイン
酸共重合体のアルカリ塩、イソ(又はジイソ)ブチレン
/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性のも
の或はポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリウレ
タン、スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、カルボ
キシル化スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、スチ
レン/ブタジエン/アクリル酸系共重合体、コロイダル
シリカとアクリル樹脂の複合体粒子等の疎水性高分子エ
マルジョン等が用いられる。
【0019】用いうる充填剤の具体例としては、例えば
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウ
ム、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、クレー、アル
ミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化
アルミニウム、硫酸バリウム、ポリスチレン樹脂、尿素
−ホルマリン樹脂等があげられる。
【0020】更に、本発明においては上記以外の種々の
添加剤を使用することができるが、用いうるその他の添
加物の例としては、例えばサ−マルヘッド摩耗防止、ス
ティッキング防止等の目的でのステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、酸化防止或
は老化防止効果を付与する為のフェノール誘導体、ベン
ゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等の
紫外線吸収剤、各種の界面活性剤、消泡剤等がそれぞれ
挙げられる。
【0021】前記材料を用いて例えば次のような方法に
よって本発明の感熱記録材料が調製される。即ち、常法
によりまず発色性化合物、α型の結晶型を有するビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、N
−メチルフタルイミドをそれぞれ別々に結合剤あるいは
必要に応じてその他の添加剤等と共にボールミル、アト
ライター、サンドミルなどの分散機にて粉砕、分散化し
た後(粉砕、分散を湿式で行うときは通常水を媒体とし
て用いる)混合して感熱発色層塗布液を調製し、紙、プ
ラスチックシート、合成紙等の支持体上に通常乾燥重量
で1〜20g/m 2になるようにバーコーター、ブレー
ドコーター等により塗布、乾燥して本発明の感熱記録材
料を得る。又、必要に応じて感熱発色層と支持体の間に
中間層を設けたり感熱発色層上にオーバーコート層(保
護層)を設けてもよい。中間層、オーバーコート層(保
護層)は、例えば前記したような結合剤あるいは必要に
応じてその他の添加物と共に感熱発色層塗布液調製にお
けるのと同様に粉砕、分散して中間層塗布液又はオーバ
ーコート層(保護層)塗布液とした後、乾燥時の重量で
通常0.1〜10g/m2程度となるように塗布し、乾
燥することにより設けられる。
【0022】通常無色ないし淡色の発色性化合物、α型
の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン、N−メチルフタルイミドを含有する
本発明の感熱記録材料は、従来公知のものに比べて高感
度で地肌の白色性が高く、且つ湿熱によるかぶりが少な
い感熱記録材料を提供する。
【0023】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
るが、本発明がこれらに限定されるものではない。実施
例中「部」は重量部、「%」は重量%をそれぞれ示す。
【0024】実施例1 下記組成の混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒
径が1μm以下になるように粉砕、分散化してそれぞれ
[A]液、[B]液、[C]液を調製した。 [A]液:3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン25部 25%PVA水溶液 20部 水 55部 [B]液:α型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン (Cu−Kα線による粉末X線回折角(2θ)[°]7.2、14. 5、16.3、18.0、20.0、21.0、22.0、24.7 及び29.0に比較的強いピークを有する。DSC(Te)=155 .5℃) 25部 25%PVA水溶液 20部 水 55部 [C]液:N−メチルフタルイミド 25部 25%PVA水溶液 20部 水 55部
【0025】次いで、上記で得た各液及び下記する薬剤
を下記の割合で混合して感熱発色層塗布液を調製し、坪
量50g/m2の上質紙上に乾燥時の重量が8g/m2
なるように塗布、乾燥して感熱発色層を得た。 [A]液 8部 [B]液 16部 [C]液 24部 50%炭酸カルシウム水分散液 12部 50%カルボキシル化スチレン・ブタジェン共重合体ラテックス 7部 (保護層の形成)更に、下記の割合からなる保護層塗布
液を前記の感熱発色層上に乾燥時の重量が2g/m2
なるように塗布、乾燥して保護層付きの本発明の感熱記
録材料を得た。 40%スチレン/アクリル酸エステル共重合体エマルジョン 20部 5%ベントナイト水分散液 40部 30%ステアリン酸亜鉛水分散液 3部
【0026】実施例2 実施例1の[A]液の代わりに実施例1におけるのと同
様にして粉砕、分散化して得た25%3−ジブチルアミ
ノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン水分散液を
使用して、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料
を得た。
【0027】実施例3 実施例1の[A]液の代わりに実施例1におけるのと同
様にして粉砕、分散化して得た25%3−ジペンチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン水分散液を
使用して、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料
を得た。
【0028】実施例4 実施例1の[B]液の代わりに実施例1におけるのと同
様にして粉砕、分散化して得た25%α型結晶型のビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(C
u−Kα線による粉末X線回折角(2θ)[°]7.
2、14.5、16.3、18.0、20.0、21.
0、22.0、24.7及び29.0に比較的強いピー
クを有する。DSC(Te)=150.0℃)水分散液
を使用して、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材
料を得た。
【0029】比較例1 実施例1のα型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルホンの代わりに特開昭61−890
90号記載の実施例1に従って得られるα型の結晶型と
は異なる結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン(Cu−Kα線による粉末X線回折角
(2θ)[°]7.04、10.85、14.14、1
5.78、17.51、及び22.98に比較的強いピ
ークを有する。DSC(Te)=145.8℃)を、N
−メチルフタルイミドの代わりにm−ターフェニルを使
用して、実施例1と1同様にして比較用の感熱記録材料
を得た。以上の様にして得た本発明及び比較用の感熱記
録材料を用いて下記の品質性能試験を行った。
【0030】 表1 品質性能試験 地肌1) 耐熱性2) 耐湿性3) 発色濃度4)発色濃度5)発色濃度6) 実施例1 0.05 0.16 0.18 1.02 1.40 1.65 実施例2 0.04 0.12 0.15 1.00 1.37 1.60 実施例3 0.05 0.15 0.17 1.01 1.40 1.64 実施例4 0.05 0.17 0.19 1.03 1.42 1.66 比較例1 0.09 0.29 0.55 0.84 1.23 1.49
【0031】1)地肌 : 試料の未発色部をマクベ
ス反射濃度計(RD−914型、マクベス社製)で測定
した値(マクベス反射濃度)。 2)耐熱性 : 試料を温度70℃の恒湿器中に24時
間放置した後の未発色部分のマクベス反射濃度。 3)耐湿性 : 試料を相対湿度90%、温度70℃の
恒湿器中に24時間放置した後の未発色部分のマクベス
反射濃度。 4)発色濃度: サーマルプリンター(D−805P、
イシダ(株)製)の低エネルギー条件で印字した画像部
分のマクベス反射濃度値。 5)発色濃度: サーマルプリンター(D−805P、
イシダ(株)製)の中エネルギー条件で印字した画像部
分のマクベス反射濃度値。 6)発色濃度: サーマルプリンター(D−805P、
イシダ(株)製)の高エネルギー条件で印字した画像部
分のマクベス反射濃度値。間放置した後の画像部分のマ
クベス反射濃度。
【0032】表から明らかなように本発明の感熱記録材
料は、発色濃度にすぐれ、地肌の白色性が良好で、且つ
その耐熱性、耐湿性が優れている。
【0033】
【発明の効果】高感度で地肌の白色性が高く、且つ湿熱
によるかぶりが少ない感熱記録材料を提供する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化
    合物、該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物
    及び増感剤を主要成分として含有する感熱発色層を設け
    た感熱記録材料において、顕色性化合物としてα型の結
    晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
    ル)スルホンを、増感剤としてN−メチルフタルイミド
    を含有することを特徴とする感熱記録材料。
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