JP2002172801A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

Info

Publication number
JP2002172801A
JP2002172801A JP2000372332A JP2000372332A JP2002172801A JP 2002172801 A JP2002172801 A JP 2002172801A JP 2000372332 A JP2000372332 A JP 2000372332A JP 2000372332 A JP2000372332 A JP 2000372332A JP 2002172801 A JP2002172801 A JP 2002172801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
chamber
print head
air
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000372332A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikari Kaga
光 加賀
Seiji Shimizu
誠至 清水
Takeshi Suzuki
鈴木  剛
Masaki Nishida
勝紀 西田
Kosei Usui
孝正 臼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2000372332A priority Critical patent/JP2002172801A/ja
Priority to US09/987,410 priority patent/US6955426B2/en
Publication of JP2002172801A publication Critical patent/JP2002172801A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡貯溜室に貯溜された気泡を恒久的に留め
ることなく、効率的に排出することができるインクジェ
ットプリンタを提供すること。 【解決手段】 インク流路内で発生する気泡は、第1フ
ィルタ13aによりインクタンク側の第1室11aと印
字ヘッド側の第2室11bとに下方部分を画設されたエ
アトラップ11に貯溜される。第1フィルタ13aによ
り画設された第1室11aの上部の内壁は、上方へ向か
って内容積が狭まるテーパー状をなすと共に、その頂部
をほぼその高さの位置で第2室11bに接続される。そ
のエアトラップ11の上部に貯溜された気泡は印字ヘッ
ドの吐出状態を回復させるパージ処理により第1フィル
タ13aを越えて第1フィルタ13aの上部を通って流
動されるインクと共にインク吐出口から排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタに関し、特に、気泡貯溜室に貯溜された気泡を恒
久的に留めることなく、効率的に排出することができる
インクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、印字ヘッドからインクを噴射して
印字動作を行うインクジェットプリンタにおいて、噴射
するインクを貯蔵するインクタンクから、インク供給管
(チューブ)を通して、印字ヘッドにインクを供給する
チューブ供給形式を採用したインクジェットプリンタが
ある。
【0003】このチューブ供給形式によれば、インクタ
ンクを印字ヘッドとともにキャリッジに搭載する必要が
ないので、キャリッジを小型化、軽量化される。小型
化、軽量化された印字ヘッドでは、動作するために必要
なトルクが小さくなるので、キャリッジを動作させるモ
ータを小型化して、装置本体を小型化することや、キャ
リッジを高速で動作させて高速印字を行うことができ
る。また、印字ヘッドと別体で配設されるインクタンク
を大容量化することができ、インクタンクの交換時期
(インクの供給期間)を長くすることができる。
【0004】しかし、チューブ供給形式では、空気に接
する接触面積が大きいチューブの壁面から多くの空気が
侵入して気泡を形成しやすく、かかる気泡が印字ヘッド
に備えられたインク吐出口を塞ぎ、インクの吐出状態を
不安定にしたり吐出を不能にするなどして印字品質を低
下させてしまう要因となっていた。そこで、本願出願人
は、先に図7に示すエアトラップを備えた印字ヘッドユ
ニットを提案した。
【0005】ここで、図7を参照してエアトラップ19
の構成を説明する。矢印はエアトラップ19内の気泡の
流れを模式的に表したものである。尚、エアトラップ1
9は図示しないキャリッジに搭載されると共に印字ヘッ
ドに連結されている。
【0006】エアトラップ19はインクタンクから供給
されるインクをエアトラップ19内に導くインク流入口
20とエアトラップ19内の下方部分をインクタンク側
の第1室19aと印字ヘッド側の第2室19bに画設す
るフィルタ21と印字ヘッドへインクを導くインク流出
口22とを備え、その形状は直方体で構成されている。
【0007】インクタンクから供給されるインクはイン
ク流入口20から、エアトラップ19の第1室19aに
導かれる。第1室19aに導かれたインクはフィルタ2
1によりその流れを堰止められ、フィルタ21の上方の
設けられた第1室19aと第2室19bとの連通部分に
より第2室19bへと導かれ、インク流出口22から印
字ヘッドへと導かれる。第1室19aに導かれるインク
はインクタンクからチューブを介して搬送されるが、チ
ューブ壁面からは空気が侵入するのでそのインク内には
チューブから侵入した空気が気泡となって存在してい
る。第1室19aに導かれたインク内に存在する気泡
は、その浮力によりエアトラップ19内の上部に貯溜さ
れる。貯溜された気泡は、通常の印字時にインクを印字
ヘッドに供給するための吸引力では吸引されない。つま
り、印字時には、インク流路から気泡をトラップするこ
とができるので、気泡が印字時のインクの流れに与える
悪影響を取り除いて、印字ヘッドから吐出されるインク
状態を正常に保つことができ、印字品質を良好に保つこ
とができるのである。
【0008】尚、エアトラップ19内に貯溜される気泡
量が多くなるとエアトラップ19は印字ヘッドへインク
を供給する事ができなくなるのでパージ処理が実行され
る。このパージ処理による吸引力によって、エアトラッ
プ19内の上部に貯溜された気泡の大部分はフィルタ2
1の上部の連通部分から排出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たエアトラップ19は直方体であるため上面と側面との
連結部分は直角に交わり、特に、上部の4つの角19b
〜19e付近においては内壁面と気泡との接触面積が他
の内壁面と気泡との接触面積に比べ大きくなる。従っ
て、かかるエアトラップ19の内壁面が抵抗となりパー
ジ処理時の吸引力では気泡を完全には排除できず、パー
ジ処理後においても依然として気泡が貯溜されていると
いう問題点があった。
【0010】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、気泡貯溜室に貯溜された気泡を
恒久的に留めることなく、効率的に排出することができ
るインクジェットプリンタを提供することを目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1記載のインクジェットプリンタは、1又は複
数個のインク吐出口からインクを吐出して印字媒体に対
して印字を行う印字ヘッドを搭載したキャリッジを備
え、前記印字ヘッドに供給されるインクを貯えるインク
タンクと、そのインクタンクから前記印字ヘッドにイン
クを供給するインク流路とを備えており、前記キャリッ
ジに搭載され、前記インク流路内で発生する気泡を貯溜
する気泡貯溜室と、その気泡貯溜室内の下方部分を前記
インクタンク側の第1室と前記印字ヘッドの第2室とに
画設すると共に、その第1室と第2室とがそれぞれの上
部において相互に連通するように、前記気泡貯溜室の上
部を残して前記気泡貯溜室内に配置された画設部材と、
前記印字ヘッドの吐出状態を回復させる回復処理時に、
前記画設部材を越えて前記気泡貯溜室の上部を通ってそ
の上部に貯溜している気泡と共にインクを流動させる回
復手段とを備え、前記第1室の上部内壁は、上方へ向か
って内容積が狭まるテーパー状をなすと共に、その頂部
をほぼその高さの位置で前記第2室に接続したものであ
る。
【0012】この請求項1記載のインクジェットプリン
タによれば、インクタンクに貯えられたインクは、イン
ク流路を介して、1又は複数個のインク吐出口からイン
クを吐出して印字媒体に対して印字を行うキャリッジに
搭載された印字ヘッドへ供給される。一方、インク流路
内で発生する気泡は、画設部材によりインクタンク側の
第1室と印字ヘッド側の第2室とに下方部分を画設され
た気泡泡貯溜室に貯溜される。この画設部材により画設
された第1室の上部の内壁は、上方へ向かって内容積が
狭まるテーパー状をなすと共に、その頂部をほぼその高
さの位置で前記第2室に接続される。その気泡貯溜室の
上部に貯溜された気泡は印字ヘッドの吐出状態を回復さ
せる回復処理時に、回復手段により画設部材を越えて気
泡貯溜室の上部を通って流動されるインクと共にインク
吐出口から吸引される。
【0013】請求項2記載のインクジェットプリンタ
は、請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記画設部材は、印字時にインクを通過させる。
【0014】請求項3記載のインクジェットプリンタ
は、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタに
おいて、前記気泡貯溜室は、前記第2室の容量が前記第
1室の容量より小となるように前記第1フィルタにより
画設されている。
【0015】請求項4記載のインクジェットプリンタ
は、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット
プリンタにおいて、前記気泡貯溜室の、前記第2室の内
面は前記第1室の内面より濡れ性が良い素材で構成され
ている。
【0016】請求項5記載のインクジェットプリンタ
は、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット
プリンタにおいて、前記インクタンクは、前記第1室の
下部に連通し、前記印字ヘッドは、前記第2室の下部に
連通している。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明
の一実施例であるインクジェットプリンタ1の展開側面
図である。図1に示すように、このインクジェットプリ
ンタ1は、略箱状体に難燃性のプラスチックで形成され
たプリンタ本体2と、その上部に着脱可能に装着された
印字ヘッドユニット3と、インクタンク4a〜4dと、
印字ヘッドユニット3とインクタンク4a〜4dとを連
通させるチューブ5a〜5dと、パージ装置6と、ガイ
ドロッド7とを備えている。
【0018】印字ヘッドユニット3は、インクを吐出し
て印字用紙PPに対し印字を行う複数個の印字ヘッド1
5(図3参照)を搭載するものである。この印字ヘッド
ユニット3は、プリンタ本体2の下部に設けられたイン
クを貯溜するインクタンク4a〜4dとチューブ5a〜
5dを介して連通されており、かかるインクタンク4a
〜4dからチューブ5a〜5dを介してインクの供給を
受けている。この印字ヘッドユニット3はキャリッジ3
aに搭載されており、かかるキャリッジ3aは公知のよ
うにベルトに装着されている。該ベルトはモータに取着
されたローラに巻回されている。このため、モータが回
転するとベルトが駆動され、駆動された距離分、キャリ
ッジ3a(印字ヘッドユニット3)を移動させることが
できるようになっている。この印字ヘッドユニット3の
詳細については図2及び図3において後述する。
【0019】ガイドロッド7は、キャリッジ3aにスラ
イド可能に挿嵌され、キャリッジ3aを印字用紙PPの
搬送方向と直交する方向(A)に移動可能に支持してい
る。これにより、キャリッジ3aに搭載された印字ヘッ
ドユニット3は、ガイドロッド7に平行方向、即ち、プ
リンタ本体2の長手方向(A)へ往復移動することがで
きる。
【0020】インクタンク4は、印字ヘッドユニット3
に供給するインクを貯溜しておくためのものであり、印
字ヘッドユニット3の下方に配設されている。このイン
クタンク4と印字ヘッドユニット3との位置関係は、重
力方向(B)に対して下であるようになっている。イン
クタンク4は、キャリッジ3aの移動方向に、ブラッ
ク、イエロー、シアン、マゼンタのインクが密封されて
いる4つのインクタンク4a〜4dで構成されており、
各インクタンク4a〜4dには、ブラック、イエロー、
シアン、マゼンタの各インクを印字ヘッドユニット3に
供給するためのチューブ5a〜5dの一端がそれぞれ取
り付けられている。各チューブ5a〜5dの他端は、上
記した印字ヘッドユニット3に連通しており、各インク
タンク4a〜4d内に充填されているインクは、印字ヘ
ッドユニット3にそれぞれ供給され、更に、各色のイン
クに対応した各印字ヘッド15から吐出される。これら
の各色のインクが、印字ヘッド15から吐出されること
により、印字用紙PPにフルカラー印刷が可能となるの
である。
【0021】プリンタ本体2の左端部分には、パージ処
理を行うパージ装置6が配設されている。パージ処理
は、印字ヘッド15からのインクの吐出状態を回復させ
るための処理であり、このパージ処理を実行するパージ
装置6には、印字ヘッド15の複数のインク吐出口を密
閉することができる吸引キャップ6aと、該インク吐出
口の表面を拭うワイパ6bと、吸引キャップ6aから排
出チューブ6cを介してインクを吸引する吸引ポンプ
(図示せず)とが備えられている(図3参照)。尚、パ
ージ装置6は、インクタンク4側からインクに正圧を与
えることにより、印字ヘッド15からインクを排出する
構成のものでも良い。
【0022】このパージ装置6によってパージ処理を行
う場合には、モータを駆動させて印字ヘッド15の搭載
された印字ヘッドユニット3をインクジェットプリンタ
1の左側へ移動させて、印字ヘッド15におけるインク
吐出口を吸引キャップ6aにより密閉する。その後、吸
引ポンプを作動させると、インク吐出口から気泡や乾燥
して固化したインクが吸引されて排出チューブ6cから
排出される。続いて、印字ヘッド15の表面をワイパ6
bで拭うことにより、印字ヘッド15のインク吐出口の
吐出状態を回復することができる。尚、プリンタ本体2
の内部には、インクジェットプリンタ1の動作内容に関
する制御プログラムに従って、インクジェットプリンタ
1を制御するCPU、ROM、RAM等が搭載された制
御回路基板(図示せず)が配設されており、上述したパ
ージ装置6におけるパージ処理も、この制御回路基板に
より制御されている。
【0023】次に、印字ヘッドユニット3について図2
及び図3を参照して詳細に説明する。図2は、印字ヘッ
ドユニット3の断面図であり、図1の紙面奥側から見た
図である。図2に示すように、キャリッジ3aには、エ
アトラップユニット11とジョイント部材12とを収納
した筐体3bが連設されている。この筐体3b内部に収
納されているエアトラップユニット11は、インク流路
内で発生した気泡を貯溜するためのものであり、インク
タンク4から供給されたインクは、エアトラップユニッ
ト11を経由して各印字ヘッド15に供給されるように
なっている。このエアトラップユニット11は、4つの
インクタンク4a〜4dに対応する4つのインク流路内
で発生する気泡を貯溜できるように、4つのインク流路
に対応する4つのエアトラップ30〜33が設けられて
いる。また、この4つの室30〜33の天井面内壁の形
状は上方に凸設したかまぼこ形状で構成され、各インク
流路内で発生する気泡はかまぼこ形の有する曲線に沿っ
てその頂部に集合するようになっている。
【0024】このエアトラップユニット11の下方は、
各エアトラップ30〜33とインクの供給経路であるチ
ューブ5a〜5dとを仲介して連通するジョイント部材
12に結合されており、インクタンク4a〜4dから供
給されてチューブ5a〜5dを流動する各インクは、ジ
ョイント部材12を介して、各エアトラップ30〜33
に底部のインク流入口23から導入される。
【0025】図3は、図1における断面線III−IIIにお
ける断面図であり、印字ヘッドユニット3を含む断面図
である。図3において(B)方向は重力方向となってお
り、紙面の奥側と手前側を結ぶ線が、印字ヘッドユニッ
ト3の移動方向(A)方向となっている。尚、画設部材
として第1フィルタ13aを用いる。
【0026】給紙ローラ16a〜16dは、印字時に印
字用紙PPを搬送するためのローラであり、印字ヘッド
ユニット3の上方に配設された2個のローラ16c,1
6dと、印字ヘッドユニット3の下方に配設された2個
のローラ16a,16bとで構成されている。この給紙
ローラ16a〜16dは、プリンタ本体2の制御回路基
板から入力された信号により回転駆動して、印字用紙P
Pを印字ヘッド15の移動方向(A)に対し垂直方向、
即ち鉛直方向((B)方向)の逆方向に搬送するもので
ある。この給紙ローラ16a〜16dにより、印字用紙
PPが搬送される搬送ラインは、図中において一点鎖線
で示している。
【0027】印字ヘッドユニット3は、給紙ローラ16
a〜16dにより印字用紙PPが搬送される搬送ライン
に対峙する位置に配設されている。この印字ヘッドユニ
ット3は、重力方向である(B)方向を下方とし、印字
用紙PPの搬送方向に対し平行に、即ち、鉛直方向の向
きを上下として設けられている。この印字ヘッドユニッ
ト3は、印字用紙PPの搬送される側に各エアトラップ
30〜33と対応した複数個の印字ヘッド15を備え
る。
【0028】各印字ヘッド15は公知のものと同様に、
印字用紙PPに対向する側に閉口する複数個のインク吐
出口を備え、対応するエアトラップ30〜33から供給
されたインクをインク吐出口ごとのインク室に分配し、
圧電素子等のアクチュエータ15aの変位によりインク
内のインクをインク吐出口から吐出する。この印字ヘッ
ド15は、印字ヘッドユニット3の筐体3bに支持さ
れ、対応するエアトラップ30〜33と連通路14を介
して連通されている。各エアトラップ30〜33は、第
1フィルタ13aにより2室11a,11bに画設さ
れ、印字ヘッドユニット3の筐体3bと平行に、鉛直方
向の向きを上下として設けられている。
【0029】第1室11aは、第1フィルタ13aによ
り画設され、インクタンク4側(インク流路の上流側)
に位置する室である。この第1室11aと第2室11b
とは、第1フィルタ13aにより完全に画設されておら
ず、その上方部分13eが連通している構成となってい
る。また、天井面の内壁とインクタンク側の側面の内壁
とは曲線状に連結されている。更に、第1室11aと第
2室11bとの頂部は同じ高さで連結されている構成と
なっている。インクタンク4からチューブ5a〜5dを
介して供給されるインクは、第1室11aの底部のイン
ク流入口23から、この第1室11aに供給される。こ
の第1室11aに流入されたインクは、後述する図5で
説明するように第1フィルタ13a及びその上方の連通
する部分13eを流れて第2室11bへ供給される。一
方、インクと共に搬送されてきた気泡は、浮力によりこ
の第1室11aの上方へと移動し、曲線部分に沿って第
1室11aの頂部に貯溜され、インクの流動に伴って第
2室11bへも広がりエアトラップ30〜33の天井面
の全面に貯溜されることになる。
【0030】この第1室11aには、サーミスタセンサ
18aが備えられている。サーミスタセンサ18aは、
第1室11a内のインク量を検出するものであり、第1
室11a内の天井部から所定の位置に吊り下げられい
る。このサーミスタセンサ18aは正極と負極との電極
対で構成されており常に通電されている。このため、サ
ーミスタセンサ18aがインクに浸漬されている場合に
は、大きな温度上昇は生じないが、第1室11aのイン
ク量の減少によってセンサがインク面から露出すれば、
大きな温度上昇が生じる。サーミスタセンサ18aは温
度変化により大きく抵抗変化を生じるので、この抵抗変
化を検出することにより、インクの量を検出することが
できるのである。該サーミスタセンサ18aのリード線
は、本体2に備えられた制御回路基板の信号線に接続さ
れており、制御回路基板に送信された検出信号により抵
抗変化が認識されると、エアトラップ30〜33に貯溜
される気泡量が所定量を超えたと判断し、制御回路基板
からパージ装置6へパージ処理を行わせる信号が送信さ
れる。これにより、パージ装置6によりパージ処理が実
行され、エアトラップ30〜33内に貯溜されている気
泡が除去される。
【0031】第2室11bは、第1フィルタ13aによ
り画設され、印字ヘッド15側(第1室11aに対しイ
ンク流路の下流側)に位置する室である。第2室11b
には、その下方にガイドノズル11cが連設されてお
り、このガイドノズル11cは上記した連通路14を介
して印字ヘッド15に連通している。これにより、第2
室11bから印字ヘッド15に、インクが供給されるよ
うになっている。また、その頂部は第1室11aの頂部
と同じ高さで連結され、その側面はテーパ状に構成さ
れ、曲線状にその頂部と一体になっている。このため、
第1室11bから第2室11bへのインク及び気泡の流
動が円滑に行われると共に、パージ処理による気泡の排
出時には、第2室の上方のコーナに気泡がよどむことな
く円滑に排出される。
【0032】また、この第2室11bの容量は、第1室
11aの容量より小(約1/2)になるように構成され
ている。エアトラップ30〜33に貯溜される気泡をパ
ージ処理により吸引する際には、この第2室11bに残
存するインクは全て排出されるが、この第2室11bの
容量を小さくすることでその排出量を少なくして無駄に
なるインク量を少なくし、更に、小さな吸引圧力でイン
クの吸引、即ち、気泡の吸引を実行することができるよ
うになっている。更に、第2室11bの内壁はインクに
対して濡れ性の良い結晶性の樹脂で構成され、あるいは
濡れ性を良くする表面処理がされている。このため、壁
面にインクが濡れやすく、パージ処理の実行時に第2室
11bを通過して排出される気泡を壁面に溜まり難くし
て、迅速に気泡を排出することができるようになってい
る。
【0033】第1フィルタ13aは、上記したようにエ
アトラップ30〜33の下方を第1室11aと第2室1
1bとに画設するものであり、第2室11bの容量を第
1室11aの容量より小さく(約1/2)分割する位置
において、印字ヘッドユニット3の筐体3bと平行に、
鉛直方向の向きを上下として設けられている。この第1
フィルタ13aには、ステンレス製の金属を網目状に編
んだメッシュが用いられおり、本実施例では目開き、即
ち、開口径16μmのものが使用され、インク流路内で
発生した気泡を通過させないようになっている。
【0034】この第1フィルタ13aの縦寸法((B)
方向の寸法)は、各エアトラップ30〜33の上方向
((B)方向)内寸より短い寸法で構成されている。こ
れにより、エアトラップ30〜33内の上方部に第1フ
ィルタ13aの配設されない空間13eが形成され、第
1室11aと第2室11bとが流路抵抗が少なく連通さ
れるようになっている。また、第1フィルタ13aは、
各エアトラップ30〜33の幅方向((A)方向)にお
いて、その両側の内壁に連設されており、第1室11a
に侵入した気泡が、幅方向から第2室11bへ侵入する
のを阻止している。ここで、各エアトラップ30〜33
と第1フィルタ13aとは、鉛直方向上向きになるよう
に配設されている。このため、各エアトラップ30〜3
3内に侵入した気泡は、第1フィルタ13aを通過する
ことができないので、第1室11a内を上昇して、その
上方に貯溜されることとなる。また、第1フィルタ13
aを形成するステンレス素材としては、インクに対し濡
れ性のよい材料を使用しているので、気泡が第1フィル
タ13aに留まりにくく、第1室11aに進入した気泡
を、その第1室11aの鉛直方向上方へ導きやすいよう
になっている。
【0035】上記したようにエアトラップユニット11
を構成することにより、インク流路内で発生した気泡を
エアトラップ30〜33により貯溜することができる
が、その貯溜方法についての詳細は図5において説明す
る。また、かかるように構成されるエアトラップユニッ
ト11は、その成形の容易さから、部材11d〜11f
の3つの部材によって構成されている。このエアトラッ
プユニット11の製作方法については、図4において後
述する。
【0036】連通路フィルタ13bは、印字ヘッド15
に供給されるインク内に混入しているゴミを捕捉するた
めのものであり、各エアトラップ30〜33のガイドノ
ズル11cと印字ヘッド15との間の連通路14に配設
されている。このフィルタは、連通路14を形成する部
材に熱溶着されて配設され、連通路14の断面方向を全
て覆うような形状に加工されているものである。また、
第2フィルタ13bは、ゴミを捕捉すると共にインクと
パージ処理時における気泡とを通過させることができる
開口径で構成されている。
【0037】印字ヘッドユニット3の筐体3bの上方部
には、ドライバ基板17aが配設されている。ドライバ
基板17aは、上記したプリンタ本体2に搭載されてい
る制御回路基板により制御されている。具体的には、制
御回路基板から送信されるシリアル信号をアクチュエー
タ15aの各アクチュエータ部に対応したパラレル信号
に変換して各アクチュエータ部を駆動するものである。
ドライバ基板17aは、アクチュエータ15aに接続さ
れたフレキシブルな印刷配線基板17c上に載ってい
る。
【0038】インターフェース基板17bは、印字ヘッ
ドユニット3の筐体3bのキャリッジ3a側の側面部に
配設されている。インターフェース基板17bは、印刷
配線基板17cの端部に接続され、制御回路基板からの
信号線をドライバ基板17aに接続するコネクタ及びノ
イズ除去回路が搭載されている。
【0039】図4は、エアトラップユニット11とジョ
イント部材12との分解斜視図である。このエアトラッ
プユニット11は、上記したように、その製作を容易に
するために、部材11d〜11fの3つの部材によって
形成されている。各部材11d〜11fは、4つのイン
ク流路(チューブ5a〜5d)に対応する4つのエアト
ラップ30〜33が連なった形状に加工されており、成
型性、耐溶剤性、耐汚染性、耐衝撃性、インクに対する
濡れ性などの物性を考慮して選択される熱可塑性の樹脂
が用いられている。
【0040】部材11dは4つの第1室11aを形成す
るための部材であり、予め、4つの第1室11aが仕切
壁11h(図2)で区画され、かつ、4つ連なった形状
に加工されている部材である。各第1室11aは、第1
フィルタ13aの配設される側が開口されている箱状を
なし、各第1室11aの下方にはジョイント部材12と
の結合部11gを備えている。かかる結合部11gは、
4つのインク流路(チューブ5a〜5d)に対応する中
空の円筒状の突起構造をなしている。ジョイント部材1
2は各チューブ5a〜5dと個々に連通する4つの連通
路12a〜12dを有し、各連通路12a〜12dが各
結合部11gと嵌合されることにより、インクタンク4
からチューブ5a〜5dを介して供給されるインクを各
エアトラップ30〜33の第1室11aへ導入すること
ができるのである。
【0041】第1フィルタ13aは部材11eに熱融着
され、各エアトラップ30〜33の第1フィルタ13a
として機能するようになっている。この第1フィルタ1
3aの幅方向は、連接する4つのエアトラップ30〜3
3の全体の幅にその両端の接着しろを加味した寸法で構
成されている。また、第1フィルタ13aの縦方向は、
エアトラップ30〜33の下方部分を覆う所定の長さに
接着しろを加味した寸法で構成されている。かかる寸法
で構成される第1フィルタ13aは、第2室を構成する
部材11eの開口部において、その上方部を所定寸法開
口状態となる位置に熱融着により固着される。これによ
り、一度の作業で、各エアトラップ30〜33の室内を
第1室11aと第2室11bとに画設する第1フィルタ
13aを配設することができる。
【0042】部材11eは4つの連接される第2室11
bを形成する1の部材であり、厚み方向に貫通する4つ
の開口部を有する。上記したように、その開口部の一方
の面には第1フィルタ13aが配設され、他方の面には
部材11fが超音波融着されることにより4つの第2室
11bを形成する。部材11fは部材11eと共に第2
室11bを形成する部材であり、部材11eの4つの開
口部に対応する4つの凹部を備えている。各凹部の下方
には第2室11bから印字ヘッド15へインクを導入す
るガイドノズル11cを形成するための溝が凹設されて
いる。かかる溝の先端は、部材11fの裏面(開口部と
反対面)へ貫通しており、ガイドノズル11cが連通路
14に連通するよう構造になっている。
【0043】上記した部材11d〜11fで構成される
エアトラップユニット11は、まず、第1フィルタ13
aと部材11eが熱融着され、更に、部材11fが超音
波融着されて第2室11bが形成される。次いで、部材
11dが、作製された第2室11bの第1フィルタ13
a側に部材11dが超音波融着され、第1室11aを形
成する。かかる工程により、4つの連接するエアトラッ
プ30〜33を備えたエアトラップユニット11を製作
することができる。これによれば、1ずつエアトラップ
30〜33を形成する場合に比べて、その製作工程が簡
易であり、部品点数が少ないのでその工程管理が容易で
ある。また、部品寸法が大きくなるので、第1フィルタ
13aの配設作業を容易にして、効率的にエアトラップ
ユニット11を形成することができる。
【0044】次に、図5を参照して、エアトラップ30
〜33でのインクの流動パターン及びエアが貯溜されて
いく状態について説明する。図5は、印字ヘッドユニッ
ト3のエアトラップ機能を模式的に表した縦断面図であ
る。図5(a)は、インクがエアトラップ11内に充填
されている初期導入時(パージ処理直後)の図である。
図5(a)において、インクタンク4から第1室11a
に供給されたインクは、印字ヘッド15でのインクの消
費に伴い、第1室11aと第2室11bとが連通してい
る部分13e(第1フィルタ13aの鉛直方向上部の第
1フィルタ13aが配設されていない部分)が第1フィ
ルタ13aよりも流路抵抗が小さいので、第1フィルタ
13aの上端を越えて第2室11bへと流入する。
【0045】図5(b)は、インク流路内で発生した気
泡が少量、エアトラップ30〜33へ侵入した状態を示
した図である。第1室11aに侵入した気泡は、第1フ
ィルタ13aとインクとの濡れ性が良好であるために第
1フィルタ13aに張り付くことができない、エアトラ
ップ30〜33が鉛直方向に設置されているために侵入
した気泡に浮力による上昇力が生じる、第1フィルタ1
3aの開口径が小さい等の理由により第1フィルタ13
aを通過することができない。このため、自身の浮力と
インクの流れに沿って第1室11aの上方へ浮上する。
【0046】ここで、第1室11aの内壁は、第2室1
1bの内壁に比べて濡れ性の悪い樹脂で形成されている
ので、比較的に気泡が溜まりやすくなっている。溜まっ
た気泡の体積がさほど大きくない場合には、流路抵抗の
小さな第1室11aと第2室11bとが連通している部
分を閉塞されないので、インク流路は変更されず、第1
室11aに供給されたインクは、上記した連通部を通っ
て第2室11bへと流入する。尚、印字時に印字ヘッド
15へ供されるインクの流速(インクの吸引力)は、エ
アトラップ30〜33の上方部に溜まった気泡を押し出
す(排出する)程大きくないことから、第1室11aの
上方部に溜まる。
【0047】図5(c)は、エアトラップ30〜33に
貯溜された気泡が多くなって、流路抵抗の小さな第1室
11aと第2室11bとの連通部分が閉塞された状態を
示した図である。かかる場合には、第1室11aに供給
されたインクは第1室11aと第2室11bとの連通部
分を通過することができず、第1フィルタ13aを通過
するインク流路により、第1室11aから第2室11b
へインクは流入する。
【0048】図5(d)は、図5(c)の状態から更に
気泡が発生し、その発生した気泡がエアトラップ30〜
33に貯溜された状態を示した図である。エアトラップ
30〜33室内に貯溜する気泡は、上記したように、印
字時のインクの吸引力では、エアトラップ30〜33か
ら排出されない。このため、気泡はエアトラップ30〜
33に充満していき、第1室11aに供給されるインク
のインク面を押し下げることとなる。インク面が所定量
まで下がっても印字ヘッド15に対してインク供給不足
にならないように、第1フィルタ13aの開口径及び面
積が設定される。図5(e)は、図5(d)の状態から
更に発生した気泡がエアトラップ30〜33に貯溜され
た状態を示した図である。第2室11bは気泡により完
全に閉塞されているので、インクが印字ヘッド15には
供給されず、印字不能状態となっている。
【0049】図5(f)は、パージ装置6によりパージ
処理が行われ、気泡が排出された状態を示した図であ
る。パージ処理においては、強い吸引力が第2室11b
にかかるので、第1フィルタ13aを通過する際にイン
クに負荷される流路抵抗が非常に大きなものとなる。こ
のため、インクは、第1室11aと第2室11bとが連
通している部分13e(第1フィルタ13aの鉛直方向
上部の第1フィルタ13aが配設されていない部分)を
通過する強いインクの流れが生起され、エアトラップ3
0〜33に貯溜された気泡が、この流れによってエアト
ラップ30〜33から排出される。その結果、再びイン
クが充填されて図5(a)の初期導入時と同様の状態へ
復帰する。
【0050】尚、本実施例においては、サーミスタセン
サ18が設けられており、第1室11aのインク面が所
定位置より低下すると直ちにパージ処理が実行され、エ
アトラップ30〜33の気泡が排出されるようになって
いる。本実施例で使用されるインクには、粘度1〜10
cps、表面張力30〜50mN/mのものが使用され
ている。かかる物性のインクに対し、開口径16μmの
第1フィルタ13aが使用されている。
【0051】次に、図7を参照してエアトラップ30〜
33内における気泡の流れを説明する。矢印はエアトラ
ップ30〜33内の気泡の流れを模式的に表したもので
ある。エアトラップ30〜33はインクタンクから供給
されるインクをエアトラップ30〜33内に導くインク
流入口23とエアトラップ30〜33内の下方部分をイ
ンクタンク側の第1室11aと印字ヘッド側の第2室1
1bに画設する第1フィルタ13aと印字ヘッドへイン
クを導くインク流出口24とを備える。第1室11aの
天井面内壁の形状は上方に凸設されたかまぼこ形状であ
り、第2室11bは第1室11aの頂部と同じ高さで連
結され、そのまま曲線的に下方に向かって広がるテーパ
状に構成されている。
【0052】インクタンクから供給されるインクはイン
ク流入口23から、エアトラップ30〜33の第1室1
1aに導かれる。第1室11aに導かれたインクはフィ
ルタ13によりその流れを堰止められ、フィルタ13の
上方の設けられた第1室11aと第2室11bとの連通
部分13eにより第2室11bへと導かれ、インク流出
口24から印字ヘッドへと導かれる。一方、第1室11
aに導かれるインクはインクタンクからチューブを介し
て搬送されるため、そのインク内には搬送過程において
チューブから侵入した空気が気泡となって存在してい
る。第1室11aに導かれたインク内の気泡は、破線の
矢印で示すようにその浮力によりエアトラップ内の上部
に移動され、かまぼこ形状の有する曲線に沿って左右の
側面側からかまぼこ形状の頂部へと順に貯溜されると共
に、インクの流動に伴って第1室11aの頂部と同じ高
さに設けられた第2室11bの頂部へと貯溜されてい
く。
【0053】ここで、かかるエアトラップに貯溜された
気泡はパージ処理によってガイドノズル11cから排出
されることになるが、第1室11aのインクタンク側の
上部の角は曲線状に削りとられており、また、第2室1
1bの頂部は第1室11aの上部と同じ高さで連結さ
れ、そのまま曲線的に下方に向かって広がるテーパ状に
形成されているため、第1室11aから第2室11bの
下方へ気泡を吸引する際であっても、それらの角や頂部
にはいわゆる「よどみ点」が生じることがない。即ち、
エアトラップ内に貯溜された気泡を排出するパージ処理
において、エアトラップ内に気泡を残存させることな
く、円滑に気泡を排出することができる。
【0054】以上説明したように、本実施例のインクジ
ェットプリンタ1によれば、エアトラップ30〜33の
上部内壁がかまぼこ形状に上方に凸設されているため、
エアトラップ30〜33に貯溜される気泡をその凸設さ
れた部分に集合さることができ、パージ処理による気泡
吸引時には、エアトラップ30〜33に気泡を残留させ
ることなく円滑に気泡を排出できる。従って、かかるパ
ージ処理により気泡と共に排出される無駄なインクの廃
棄量を低減することができる。また、エアトラップ30
〜33において、第1フィルタ13aが堰の役割を果た
すことによりインク流路(チューブ5a〜5d、ジョイ
ント部材12)内に発生し、印字ヘッド15に流入使用
とする気泡をエアトラップ30〜33に貯溜し、印字ヘ
ッド15の吐出状態を長期にわたって維持することがで
き、気泡除去のためのパージ回数を減らすことができ
る。また、溜まった気泡をパージ装置6により除去して
エアトラップ11の機能を回復することができる上、サ
ーミスタセンサ18によりパージの必要が検出された場
合にのみ、パージ処理を実行することができる。
【0055】以上、上記実施例に基づき本発明を説明し
たが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでな
く、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。例え
ば、第1室11aの上部内壁の形状として上方に凸設し
たかまぼこ形状としたが、この形状に代えて上方に凸設
した三角形状、台形状としても良い。これらの形状であ
っても本実施例と同様に第1室11aに貯溜される気泡
をかかる形状の斜面を利用して中央に集合させることが
でき、効率よく気泡を排出できる。また、第1室11a
の頂部内壁をエアトラップ11の底面と平行となるよう
にしたが、これに代えて、インクの流動方向、即ち、第
2室11bの方向が上方となるようにエアトラップ11
の内壁天井面に傾斜をつけてもよい。気泡は内壁天井面
に接して貯溜されるためかかる傾斜に沿うように気泡を
移動させることができ、効率良く気泡を排出できる。
【0056】また、第1フィルタ13aのメッシュの開
口径(目の粗さ)を16μmとした。しかし、第1フィ
ルタ13aは、エアトラップ11のインク流路の堰とな
るものであり、インクのゴミを補足するためのものでは
ない。このため、開口径100μm程度以下のメッシュ
であれば良い。また、第1フィルタ13aを形成する素
材としては、ステンレスを用いたが、これに代えて、イ
ンクの濡れ性が良好である樹脂を用いても良い。樹脂は
ステンレスに比べて加工が容易であり又原価が安いの
で、第1フィルタ13aのコストを低く抑えることがで
きる。
【0057】また、第1フィルタ13aの上方を開放し
た方が、その上方部分に第1フィルタ13aよりも流路
抵抗が小さいフィルタを配置しても良い。また、第1フ
ィルタ13aに代えて、上方の連通部分13eよりも流
路抵抗が大きい1個又は複数個の孔を設けた壁状部材で
あっても良い。更に、チューブ5a〜5dには、可撓性
の樹脂で構成されるものを用いたが、エアの透過率を押
さえるために、かかるチューブ素材をエアの透過率の低
い金属箔で被覆して用いても良い。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載のインクジェットプリンタ
によれば、第1室の上部の内壁は上方へ向かって内容積
が狭まるテーパー状をなすので、第1室の上部に貯溜さ
れる気泡をその内容積が狭まった上部に集合させ、印字
ヘッドの吐出機能を回復させる回復処理時において円滑
に排出できる。このためパージ処理後に残溜気泡が気泡
貯溜室内に残溜し難く、新たに気泡をトラップするため
に、気泡貯溜室の容積を有効に利用できるという効果が
ある。
【0059】また、回復処理時には、気泡が円滑に排出
されるので、回復処理手段に要する吸引力を小さくし
て、高性能のポンプを不要とし、インクジェット本体の
コストを低減することができるという効果がある。ま
た、気泡貯溜室に貯溜されている気泡量が少量であって
も、気泡は気泡貯溜室の内容積が狭まった部分に集合さ
れているので、効率的に気泡を排除することができ、気
泡と共に排出される無駄なインクの廃棄量を低減するこ
とができるという効果がある。更に、印字時には、イン
ク流路から気泡をトラップすることができるので、気泡
が印字時のインクの流れに与える悪影響を取り除いて、
印字ヘッドから吐出されるインク状態を正常に保つこと
ができ、印字品質を良好に保つことができるという効果
がある。
【0060】請求項2記載のインクジェットプリンタに
よれば、請求項1記載のインクジェットプリンタの奏す
る効果に加え、画設部材は印字時にインクを通過させる
フィルタであるので、インク流路内に発生した気泡によ
りインク流路が直ちに閉塞されにくく、閉塞されたイン
ク流路を開放するための吸引を頻繁に行う必要がない。
このため、吸引に伴って廃棄されるインク量を低減する
ことができるという効果がある。
【0061】請求項3記載のインクジェットプリンタに
よれば、請求項1又は2に記載のインクジェットプリン
タの奏する効果に加え、気泡貯溜室の第2室の容量が第
1室の容量より小となるように、第1フィルタによって
第1室と第2室とを画設する。吸引により気泡貯溜室の
上方部分に貯溜した気泡を排出する際には、第2室のイ
ンクが気泡と共に排出されので、この第2室の容量を小
さくすることによりインクの排出量を低減して、無駄に
するインク量を少なくすることができるという効果があ
る。
【0062】また、第2室の容量を小さくすることによ
り、吸引時には小さな吸引圧力で、気泡を排出すること
ができるという効果がある。これによれば、例えば、排
出手段を小さな動力で駆動することができるので、吸引
動作による消費エネルギーを抑制することや、小さな動
力で動作させることのできる小型の吸引手段を使用し
て、装置本体をコンパクトにすることができるという効
果がある。
【0063】請求項4記載のインクジェットプリンタに
よれば、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェ
ットプリンタの奏する効果に加え、気泡貯溜室の第2室
の内面を第1室の内面より濡れ性の良い素材で構成す
る。よって、インク流路内で発生した気泡は、第2室に
比して第1室により貯溜されやすく、印字時に、貯溜さ
れた気泡が印字ヘッド側へ流れることを抑制するという
効果がある。更に、気泡貯溜室に溜まった気泡は、吸引
時のインクの流れにより、濡れ性の良い第2室側を滞る
ことなく容易に移動することができるので、吸引による
気泡の除去を効率的に行うことができるという効果があ
る。
【0064】請求項5記載のインクジェットプリンタに
よれば、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェ
ットプリンタの奏する効果に加え、インクタンクを第1
室の下部に連通し、印字ヘッドを第2室の下部に連通す
るよう配設する。よって、インク流路内で発生した気泡
が、その浮力により、インク流路内において上部に位置
する気泡貯溜室に集まり易くなるので、インク流路内の
気泡を効率的に気泡貯溜室に貯溜することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェットプリン
タの展開側面図である。
【図2】ジョイント部材によりエアトラップとチューブ
とが接続されていることを模式的に表した断面図であ
る。
【図3】印字ヘッドユニットのエアトラップと吸引装置
と給紙ローラとの横断面図である。
【図4】印字ヘッドユニットの分解斜視図である。
【図5】印字ヘッドユニットのエアトラップ機能を模式
的に表した横断面図である。
【図6】エアトラップ内の気泡の流れを模式的に表した
斜視図である。
【図7】エアトラップ内の気泡の流れを模式的に表した
斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 4 インクタンク 5a〜5d チューブ(インク流路) 6 パージ装置(回復手段) 11,19 エアトラップ(気泡貯溜室) 11a,19a 第1室 11b,19b, 第2室 13a,21, 第1フィルタ(画設部材) 15 印字ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 剛 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 西田 勝紀 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 臼井 孝正 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA15 EB51 JA13 JC06 JC20 KB27 KB37 KC13 KD02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1又は複数個のインク吐出口からインク
    を吐出して印字媒体に対して印字を行う印字ヘッドを搭
    載したキャリッジを備え、前記印字ヘッドに供給される
    インクを貯えるインクタンクと、そのインクタンクから
    前記印字ヘッドにインクを供給するインク流路とを備え
    たインクジェットプリンタにおいて、 前記キャリッジに搭載され、前記インク流路内で発生す
    る気泡を貯溜する気泡貯溜室と、その気泡貯溜室内の下
    方部分を前記インクタンク側の第1室と前記印字ヘッド
    の第2室とに画設すると共に、その第1室と第2室とが
    それぞれの上部において相互に連通するように、前記気
    泡貯溜室の上部を残して前記気泡貯溜室内に配置された
    画設部材と、 前記印字ヘッドの吐出状態を回復させる回復処理時に、
    前記画設部材を越えて前記気泡貯溜室の上部を通ってそ
    の上部に貯溜している気泡と共にインクを流動させる回
    復手段とを備え、 前記第1室の上部内壁は、上方へ向かって内容積が狭ま
    るテーパー状をなすと共に、その頂部をほぼその高さの
    位置で前記第2室に接続したことを特徴とするインクジ
    ェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記画設部材は、印字時にインクを通過
    させるフィルタであることを特徴とする請求項1記載の
    インクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記気泡貯溜室は、前記第2室の容量が
    前記第1室の容量より小となるように前記フィルタによ
    り画設されていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のインクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記気泡貯溜室の、前記第2室の内面は
    前記第1室の内面より濡れ性が良い素材で構成されてい
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の
    インクジェットプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記インクタンクは、前記第1室の下部
    に連通し、前記印字ヘッドは、前記第2室の下部に連通
    していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに
    記載のインクジェットプリンタ。
JP2000372332A 2000-11-15 2000-12-07 インクジェットプリンタ Pending JP2002172801A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000372332A JP2002172801A (ja) 2000-12-07 2000-12-07 インクジェットプリンタ
US09/987,410 US6955426B2 (en) 2000-11-15 2001-11-14 Ink jet printer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000372332A JP2002172801A (ja) 2000-12-07 2000-12-07 インクジェットプリンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002172801A true JP2002172801A (ja) 2002-06-18

Family

ID=18841896

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000372332A Pending JP2002172801A (ja) 2000-11-15 2000-12-07 インクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002172801A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001001A (ja) * 2006-04-27 2012-01-05 Toshiba Tec Corp インクジェット装置用のインクタンクおよびインクジェット装置
JP2013233798A (ja) * 2012-05-03 2013-11-21 Fujifilm Corp 流体を送出し再循環させるシステム及び方法
US8591017B2 (en) 2010-02-15 2013-11-26 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid ejecting head

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5332738A (en) * 1976-09-08 1978-03-28 Hitachi Ltd Ink jet recorder
JPS61173945A (ja) * 1985-01-30 1986-08-05 Ricoh Co Ltd インクジエツト記録装置におけるエアトラツプ構造
JPS63145039A (ja) * 1986-12-09 1988-06-17 Nec Corp インクジエツト記録装置
JPH04273020A (ja) * 1990-10-29 1992-09-29 Xerox Corp インクジェットプリンタ用印刷ヘッド機構及び印刷ヘッド機構へのインク充填方法
JPH0557898A (ja) * 1991-08-30 1993-03-09 Canon Inc 記録用インクの中間貯留部材およびインクジエツト記録装置
JPH09183230A (ja) * 1995-12-28 1997-07-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェットプリンタおよびインクジェット記録ユニット
JPH11320909A (ja) * 1998-04-30 1999-11-24 Hewlett Packard Co <Hp> インクジェット印字ヘッドからの熱除去を増大し、空気の蓄積を行なうインク流の計画方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5332738A (en) * 1976-09-08 1978-03-28 Hitachi Ltd Ink jet recorder
JPS61173945A (ja) * 1985-01-30 1986-08-05 Ricoh Co Ltd インクジエツト記録装置におけるエアトラツプ構造
JPS63145039A (ja) * 1986-12-09 1988-06-17 Nec Corp インクジエツト記録装置
JPH04273020A (ja) * 1990-10-29 1992-09-29 Xerox Corp インクジェットプリンタ用印刷ヘッド機構及び印刷ヘッド機構へのインク充填方法
JPH0557898A (ja) * 1991-08-30 1993-03-09 Canon Inc 記録用インクの中間貯留部材およびインクジエツト記録装置
JPH09183230A (ja) * 1995-12-28 1997-07-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェットプリンタおよびインクジェット記録ユニット
JPH11320909A (ja) * 1998-04-30 1999-11-24 Hewlett Packard Co <Hp> インクジェット印字ヘッドからの熱除去を増大し、空気の蓄積を行なうインク流の計画方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001001A (ja) * 2006-04-27 2012-01-05 Toshiba Tec Corp インクジェット装置用のインクタンクおよびインクジェット装置
US8591017B2 (en) 2010-02-15 2013-11-26 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid ejecting head
JP2013233798A (ja) * 2012-05-03 2013-11-21 Fujifilm Corp 流体を送出し再循環させるシステム及び方法
EP2660061A3 (en) * 2012-05-03 2018-04-18 Fujifilm Corporation Systems and methods for delivering and recirculating fluids

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5169041B2 (ja) 液体吐出ヘッドユニット、画像形成装置
JP5487755B2 (ja) 液体吐出ヘッドユニット及び画像形成装置
JP4948827B2 (ja) 液体供給装置および液体吐出装置
JP2009285900A (ja) ライン型ヘッドユニット
EP1288000B1 (en) Ink-jet recording apparatus
JP2010201829A (ja) 液体供給装置及び液体噴射装置
JP3713960B2 (ja) インクジェット記録装置
US9039141B2 (en) Fluidic structure that allows removal of air bubbles from print heads without generating waste ink
JP4635330B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP4631158B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP2009184202A (ja) 流路形成部材及び液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2002172801A (ja) インクジェットプリンタ
JP4734710B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP2002166568A (ja) インクジェットプリンタ
JP2009051076A (ja) 液体吐出装置
JP2005125653A (ja) インクジェットヘッド、インクジェット記録装置、インクジェットヘッド洗浄装置及び洗浄方法
JP4876309B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP2002144600A (ja) インクジェットプリンタ
JP2010155467A (ja) 廃液回収方法、液体噴射装置及びカートリッジセット
JP4561276B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4876310B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP4710128B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP3993765B2 (ja) 液体給排機構および画像形成装置
US20060278577A1 (en) Liquid flow promoter device and liquid ejection apparatus
JP5262043B2 (ja) 液滴噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071130

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20091105

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100709

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100921

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20101019

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110315