JP2002172412A - 鋼帯の冷間圧延方法 - Google Patents

鋼帯の冷間圧延方法

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JP2002172412A
JP2002172412A JP2000371710A JP2000371710A JP2002172412A JP 2002172412 A JP2002172412 A JP 2002172412A JP 2000371710 A JP2000371710 A JP 2000371710A JP 2000371710 A JP2000371710 A JP 2000371710A JP 2002172412 A JP2002172412 A JP 2002172412A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環式圧延油供給系統を用いる冷間圧延方法
において、潤滑不足に起因するチャタリング発生を防止
する。 【解決手段】 第1のエマルションをワークロールおよ
びロールバイトに向けて供給するための循環式の第1の
圧延油供給手段と、前記第1のエマルションの平均粒径
より大きい平均粒径を有する第2のエマルションを、ロ
ールバイトから上流スタンド側に所定距離離れた位置で
鋼帯の表裏面に向けて供給するための第2の圧延油供給
手段とを有する冷間圧延装置を用い、圧延開始時から第
1の圧延油供給手段により所定の供給量で第1のエマル
ションを供給する第1の供給工程と、圧延開始時から第
2の圧延油供給手段により第2のエマルションを供給す
る第2の供給工程とを備えた鋼帯の冷間圧延方法におい
て、前記第2の供給工程では、ワークロールの積算圧延
質量または積算圧延長に応じて第2のエマルションの供
給量を制御することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯を高速圧延す
る冷間圧延方法に係り、特に循環圧延油供給系統と別圧
延油供給系統とを備えた冷間圧延装置を用いた冷間圧延
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延では、圧延中にストリップとワ
ークロールとの間の摩擦を減少させるために潤滑油が必
要となる。また、摩擦発熱および加工発熱を除去するた
めにワークロール、バックアップロールおよびストリッ
プの冷却が必要となる。
【0003】循環式圧延油供給方式(リサーキュレーシ
ョン方式)は、上述した潤滑および冷却のために、圧延
油と冷却水とを混合乳化してなるエマルションをノズル
からワークロールおよびロールバイト近傍のワークロー
ル表面に向けてスプレーした後、回収し、再びノズルへ
供給する一連の供給・回収を循環して行なう方式である
(例えば日本鉄鋼協会編「板圧延の理論と実際」の20
8頁を参照)。ワークロール表面に衝突した一部のエマ
ルション粒子(油粒)が油膜としてワークロール表面に
付着し、さらに鋼帯上面側においてはワークロール表面
に付着しなかったエマルションが滞留して付着する。そ
して、付着しなかったエマルションは板端から落下す
る。
【0004】上述したエマルションが鋼帯およびワーク
ロール表面に付着する現象は、プレートアウトと呼ばれ
ており、このプレートアウト現象により形成されたプレ
ートアウト層がロールバイトに導入され、潤滑油として
機能する。
【0005】冷間圧延においては、ワークロール組み替
え後から圧延が進み、積算圧延長を重ねるにつれてワー
クロールの表面粗度が低下し、これに伴って摩擦係数も
低下するため、タイミングを図ってワークロールを組み
替える必要がある。このワークロールの組み替えのタイ
ミングは、積算圧延質量または積算圧延長により管理さ
れる。
【0006】ところで、薄鋼板を圧延するにあたり、安
定圧延を阻害する現象の一つにチャタリングと呼ばれる
騒音を伴う異常振動現象がある。このチャタリングが発
生すると、板厚変動や圧延スタンド間の張力変動を生
じ、これらの変動が著しい場合には鋼板の破断に至るこ
ともある。そのため、板厚変動による品質や歩留りの低
下、板破断によるロール原単位の悪化、稼働率の低下な
どが発生する。このチャタリングは、次に説明する圧延
不安定化によって発生すると言われてきた。すなわち、
圧延が進むにつれてワークロール粗度が低下し、ワーク
ロールおよび圧延材間の摩擦係数が低くなり、ロールバ
イト内の潤滑が過多となる状態が発生する。これに伴っ
て、先進率が負(中立点がロールバイトの外へ飛び出し
た状態)となり圧延が不安定化する(例えば、鉄と鋼,
第73(1987)第10号,1358頁を参照)。
【0007】一方、最近のブリキ材の製品動向である硬
質・薄ゲージ化に伴い、生産性向上のために圧延速度の
さらなる高速化が進められており、2000mpmを超
える高速圧延速度での圧延技術が必要とされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、循環式
圧延油供給方式を備えたタンデム冷間圧延機を用いて上
記した高速圧延を行なった場合、特に0.2mm以下の
仕上板厚に高速圧延しようとしても、潤滑不足に起因し
たチャタリングが発生し、安定した冷間圧延を阻害する
という問題がある。
【0009】本発明は、循環式圧延油供給系統を用いる
冷間圧延方法において、高速圧延時の潤滑不足を解消
し、潤滑不足に起因するチャタリング発生を防止するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に循環
式圧延油供給方式の高速圧延域における潤滑性改善を意
図した冷間圧延方法を特許出願しており、この冷間圧延
方法は特開2000−94013号公報に開示されてい
る。この冷間圧延方法は、循環式圧延油供給系統(第1
の圧延油供給系統)とは別の第2の圧延油供給系統を設
け、この第2圧延油供給系統により、第1圧延油供給系
統のエマルションよりも平均粒径が大きく、プレートア
ウト性の高いエマルション圧延油をロールバイトから上
流スタンド側へ所定距離(エマルションがプレートアウ
トするための時間(転相時間)を確保できる距離)離れ
た位置で鋼板表裏面に向けて供給するものである。上記
の別圧延油供給系統は、好ましくは後段スタンドに適用
される。これは、後段スタンドほど圧延速度が速くかつ
板厚が薄くなるので圧延荷重が高くなり、潤滑条件が厳
しくなるからである。先願の冷間圧延方法によれば、高
速圧延域でも鋼板に披着する油量を増加させることがで
きるため、高速圧延時に発生する潤滑不足を解消でき、
潤滑不足に起因するチャタリングを防止することができ
る。
【0011】本発明者らは、上記した先願の冷間圧延方
法につき、さらに検討を重ねた結果、次に説明する潤滑
過多に起因したチャタリングが発生する場合があること
が判明した。
【0012】本発明者らは、図10に示す、循環式圧延
油供給系統と別圧延油供給系統とを有する冷間圧延機を
用い、硬質ブリキ原板を仕上げ厚0.2mmに冷間圧延
した。また、図9に示す、循環式圧延油供給系統のみを
有する冷間圧延機を用いて上記被圧延材の冷間圧延も行
なった。ここで、圧延油としての基油は循環式圧延油供
給系統および別圧延油供給系統ともに牛脂(40℃での
粘度;45cSt)を用いた。循環式圧延油供給系統の
エマルション条件は60℃の温水中の基油濃度3.5体
積%、エマルションの平均粒径10μmとし、第5スタ
ンドにおけるエマルション供給量を4000リットル/
分に制御した。また、別圧延油供給系統のエマルション
条件は、60℃の温水中の基油濃度10体積%、エマル
ションの平均粒径を循環式圧延油供給系統の平均粒径よ
りも大きい20μmとし、エマルションの供給量を13
0リットル/分に固定した。
【0013】図2は、横軸に圧延速度(mpm)をと
り、縦軸に第5スタンドにおけるワークロールおよび鋼
板間の摩擦係数をとって、上述した冷間圧延を行なった
ときの圧延速度と摩擦係数との関係について調べた結果
を示す特性線図であって、図2の(a)は積算圧延質
量,積算圧延長がそれぞれ0t,0km(ワークロール
組み替え直後)のとき、図2の(b)は積算圧延質量,
積算圧延長がそれぞれ200t,100kmのとき、図
2の(c)は積算圧延質量,積算圧延長がそれぞれ40
0t,200km(ワークロール組み替え直前)のとき
と、それぞれ積算圧延質量および積算圧延長が異なる、
すなわちワークロールの表面粗度が異なる条件下での結
果をそれぞれ示している。図2において、白丸を結んだ
曲線A1,A2,A3は、図9に示す冷間圧延機におい
て循環式圧延油供給系統のみを用いた場合の結果を示す
特性線であり、黒丸を結んだ曲線B1,B2,B3は、
図10に示す冷間圧延機において別圧延油供給系統を圧
延開始時から併用した場合の結果を示す特性線である。
なお、図中における×印は、チャタリングの発生を表わ
す。
【0014】図2(a)においてワークロールの表面粗
度が高い条件下で循環式圧延油供給系統のみを用いた場
合には、特性線A1から明らかなように、圧延開始時か
ら800mpm程度までの低速領域では、チャタリング
の発生しない適正な潤滑状態が得られていることを示し
ており、この領域では圧延速度の上昇とともに摩擦係数
は低下傾向にあることがわかる。しかし、上記の低速域
を超えると摩擦係数はそれまでの低下傾向から一転して
急激に上昇し、圧延速度1000mpmで潤滑不足に起
因したチャタリングが発生することがわかる。一方、図
2(b),(c)の特性線A2,A3に着目すると、積
算圧延質量が200tから400tへと増加するのに伴
い、ワークロールの表面粗度が低くなるため、摩擦係数
が低下することがわかる。このため、潤滑不足に起因し
たチャタリングの発生時期は特性線A1に示すチャタリ
ング発生時期よりも遅延されるが、いずれも圧延速度約
1400mpm(特性線A2参照)、約1500mpm
(特性線A3参照)でそれぞれチャタリングが発生し、
2000mpm以上の圧延速度に到達できないことがわ
かる。
【0015】一方、図2(a)の特性線B1に着目する
と、ワークロールの表面粗度が高い条件下で循環式圧延
油供給系統と別圧延油供給系統とを圧延開始時から併用
した場合には、摩擦係数を低減できるとともに、800
mpm以上の高速域であっても摩擦係数の急激な上昇を
抑制でき、潤滑不足に起因したチャタリングが発生する
ことなく安定的に2000mpm以上にまで加速できる
ことがわかる。これに対して、図2(b),(c)の特
性線B2,B3に着目すると、積算圧延質量が200t
から400tへと増加するのに伴って、特性線B1の場
合と比べてワークロールの表面粗度が低下するため、摩
擦係数が低下することがわかる。このため、ワークロー
ルの表面粗度が低い条件下では、別圧延油供給系統を圧
延開始時から併用した場合には、図2の(b),(c)
の特性線B2,B3に示すように、約600〜700m
pmの低速域において潤滑過多に起因したチャタリング
発生することが判明した。
【0016】図2において、従来方式である循環圧延油
供給系統のみを用いた場合、低速圧延域では、圧延速度
の上昇とともに摩擦係数は低下するが、ある圧延速度を
超えると摩擦係数が上昇に転ずる現象が認められる。こ
のような現象が認められるのは、プレートアウト層の形
成具合がエマルション圧延油の鋼板単位面積当たりの供
給量の増減およびエマルション圧延油が鋼板表面に到達
した直後からロールバイトに導入されるまでの経過時間
の長短に強く依存することに関係するものと考えられ
る。すなわち、低速圧延域で圧延速度の上昇とともに摩
擦係数が低下する過程においては、鋼板表面に十分なプ
レートアウト層が形成されるので、ロールバイトへの導
入油量は流体力学的に導入される量となる状態が支配的
となるためであると推測される。しかし、さらに圧延速
度が上昇すると、エマルション圧延油の鋼板単位面積当
たりの供給量が低下し、またエマルション圧延油が鋼板
表面でプレートアウト層を形成するための転相時間も短
くなる。このような状態になると、鋼板表面に十分なプ
レートアウト層が形成され難くなり、ロールバイトへの
導入油量は、流体力学的に導入される量が支配的となる
状態からプレートアウト量が支配的である状態へと遷移
するものと推測される。これにより鋼板表面でのプレー
トアウト量が減少する傾向を強め、これに伴いロールバ
イトへの導入油量が減少してワークロールおよび鋼帯間
の摩擦係数が上昇に転じ、やがては潤滑不足に起因した
チャタリング発生に至るものと考えられる。
【0017】一方、循環式圧延油供給系統のエマルショ
ンよりも高いプレートアウト性を有するエマルションを
供給する別圧延油供給系統をも併用すると、圧延速度5
00〜800mpmの領域においては、鋼板表面に十分
なプレートアウト層が形成され、ロールバイトへの導入
油量は流体力学的に導入される量となる状態が支配的と
なるため、圧延速度の上昇とともに摩擦係数は低下しつ
づける。このため、積算圧延質量(積算圧延長)の増
加、すなわちワークロールの表面粗度の低下に伴って、
特性線B2,B3に示すように高速圧延域に至る前の低
速圧延域で潤滑過多の状態となり、チャタリング発生に
至る場合が生じることとなる。
【0018】図3は、横軸にワークロールの積算圧延質
量(t)をとり、縦軸に到達速度(mpm)をとって、
ワークロール組み替え直後からワークロール組み替え直
前にわたってワークロールの積算圧延質量と鋼板の到達
速度との関係につき調べた結果を示す特性線図である。
ここで、用いた被圧延材およびエマルション条件等は前
述した図2で説明したのと同様である。
【0019】図3において、白丸を結んだ曲線A4は図
9に示す冷間圧延機において循環式圧延油供給系統のみ
を用いた場合の結果を示す特性線であり、黒丸を結んだ
曲線B4は、図10に示す冷間圧延機において別圧延油
供給系統を圧延開始時から併用した場合の結果を示す特
性線である。
【0020】図3から、特性線A4に示すように、潤滑
不足に起因するチャタリングが発生するため、ワークロ
ール組み替え直後から組み替え直前にわたって到達可能
な速度は1000〜1500mpmと低いことがわか
る。一方、特性線B4に示すように、積算圧延質量が1
50tまでは潤滑不足に起因するチャタリング発生を防
止でき、2000mpmを超える圧延速度に到達できる
ことがわかる。しかし、積算圧延質量が150tを超え
る領域では加速過程において潤滑過多に起因するチャタ
リングが発生するため、到達可能な最高圧延速度は80
0mpm以下にまで低下する。
【0021】このように、潤滑不足に起因するチャタリ
ングの発生防止を意図して別圧延油供給系統を併用して
も、潤滑過多に起因するチャタリングが発生し、200
0mpm以上の安定した高速圧延を達成できない場合が
あることが判明した。
【0022】本発明者らは、鋼帯を冷間圧延するにあた
り、ワークロールの積算圧延質量や積算圧延長にかかわ
らずワークロール組み替え直後からワークロール組み替
え直前にわたって安定的に高速圧延を実現するために鋭
意検討を積み重ねた結果、以下に述べる本発明を完成さ
せるに至った。
【0023】本発明に係る鋼帯の冷間圧延方法は、第1
のエマルションをワークロールおよびロールバイトに向
けて供給するための循環式の第1の圧延油供給手段と、
前記第1のエマルションの平均粒径より大きい平均粒径
を有する第2のエマルションを、ロールバイトから上流
スタンド側に所定距離離れた位置で鋼帯の表裏面に向け
て供給するための第2の圧延油供給手段とを有する冷間
圧延装置を用い、圧延開始時から第1の圧延油供給手段
により所定の供給量で第1のエマルションを供給する第
1の供給工程と、圧延開始時から第2の圧延油供給手段
により第2のエマルションを供給する第2の供給工程と
を備えた鋼帯の冷間圧延方法において、前記第2の供給
工程では、ワークロールの積算圧延質量または積算圧延
長に応じて第2のエマルションの供給量を制御すること
を特徴とする。
【0024】この場合において、第2の供給工程におけ
る第2のエマルションの供給量は、次の不等式(1)を
満たすように制御されることが好ましい。 1600<4W+15Q<2300 …(1) ただし、Wはワークロールの積算圧延質量(t),Qは
第2エマルションの供給量(リットル/分)を表わす。
【0025】図4は、前述した図2で説明したのと同様
に、横軸に圧延速度(mpm)をとり、縦軸に第5スタ
ンドにおける摩擦係数をとって、併用した別圧延油供給
系統からのエマルションの供給流量を種々変更したとき
の圧延速度と摩擦係数との関係につき調べた結果を示す
特性線図である。図4の(a)は積算圧延質量が0t
(ワークロール組み替え直後)のとき、図4の(b)は
積算圧延質量が200tのとき、図4の(c)は積算圧
延質量が400t(ワークロール組み替え直前)のとき
と、それぞれ積算圧延長が異なる、すなわちワークロー
ルの表面粗度がそれぞれ異なる条件下での結果を示して
いる。図中の×印はチャタリングの発生を表わす。な
お、図中には、参考として別圧延油供給系統を併用せず
に循環式圧延油供給系統のみを用いた場合の結果も示
す。
【0026】ワークロールの表面粗度が高い条件下であ
る場合には図4の(a)から明らかなように、別圧延油
供給系統のエマルション供給流量は20リットル/分以
上とすることが好ましく、140リットル/分では圧延
速度を2000mpm以上に加速してもチャタリングを
生じなくなることが判明した。また、ワークロールの表
面粗度が中程度の条件下である場合には図4の(b)か
ら明らかなように、別圧延油供給系統のエマルション供
給流量は20〜100リットル/分の範囲とすることが
好ましく、60リットル/分では圧延速度を2000m
pm以上に加速してもチャタリングを生じなくなること
が判明した。この場合に、エマルション供給流量を14
0リットル/分と高くすると、圧延速度約700mpm
でチャタリングが発生し、逆効果であった。さらに、ワ
ークロールの表面粗度が低下した条件下である場合には
図4の(c)から、別圧延油供給系統からのエマルショ
ン供給量は10〜40リットル/分の範囲とすることが
好ましく、20リットル/分では圧延速度を2000m
pm以上に加速してもチャタリングを生じなくなること
が判明した。この場合に、供給流量を60リットル/分
と高くすると、圧延速度約600mpmでチャタリング
が発生し、逆効果であった。このように、チャタリング
を発生させることなく高速圧延するためには、積算圧延
質量または積算圧延長に応じて別圧延油供給系統の供給
流量を制御する必要があることが判明した。
【0027】図5は、ワークロールの積算圧延質量W
(t)および別圧延油供給系統からの供給流量Q(リッ
トル/分)がチャタリング発生に及ぼす影響について調
べた結果を示すグラフ図である。図5において、黒三角
は潤滑不足に起因したチャタリングが発生した実測点、
×印は潤滑過多に起因したチャタリングが発生した実測
点、白丸はチャタリング発生なく2000mpm以上の
高速圧延を達成できた実測点をそれぞれ表わす。図5か
ら、チャタリングを発生することなく2000mpm以
上の高速圧延を達成できる供給流量の条件は、図中の特
性線A(4W+15Q=1600)よりも上方の領域と
特性線B(4W+15Q=2300)よりも下方の領域
とが重なり合う領域、すなわち上記の式(1)の関係を
満たすように制御することであることが判明した。この
ように別圧延油供給系統からのエマルション供給量を制
御することにより、ワークロール組み替え直後から組み
替え直前にわたりチャタリングを発生することなく20
00mpm以上の圧延速度で安定した高速圧延を実現で
きる。
【0028】図5に示した結果に基づいて、積算圧延質
量W(t)と、2000mpm以上の圧延速度に到達で
きた別圧延油供給系統の好ましい供給流量Q(リットル
/分)との関係について調べた結果を図6に示す。図6
から明らかなように、供給流量Qと積算圧延質量Wと
は、積算圧延質量Wの増加に伴って供給流量Qがほぼ比
例的に減少する関係にあり、積算圧延質量Wの値が小さ
い場合には別圧延油供給系統の供給流量Qを増加させる
ことが好ましく、積算圧延質量Wの値が大きい場合には
逆に別圧延油供給系統の供給流量Qを絞ることが好まし
い。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の好ましい実施の形態について説明する。
【0030】図1は、本発明を実施する設備の一例であ
り、別圧延油供給系統を最終スタンドに適用した場合で
ある。図1は、No.1〜No.5(#1STD〜#5
STD)のスタンドを有するタンデム冷間圧延機の配置
例を示し、1はワークロール、2はバックアップロー
ル、3はストリップである。この冷間圧延機において、
隣り合うスタンド間には図示しないテンションロールお
よびデフロールが設置されている。
【0031】図1の冷間圧延機の循環式圧延油供給系統
は、潤滑用スプレーヘッダ4a、冷却用スプレーヘッダ
4b、タンク6を備えている。
【0032】タンク6は第1のエマルションを貯蔵する
タンクであり、分室6aと分室6bとに区分されてい
る。両分室6a,6bにはアジテータ13a,13bが
それぞれ設けられている。
【0033】タンク6はライン8を通してNo.1〜5
の各スタンドのスプレーヘッダ4a,4bと連通し、こ
のライン8にはポンプ7が介在されている。スプレーヘ
ッダ4aは各スタンドの入側に一対ずつ設けられ、スト
リップ3の上方および下方に位置するように分岐して配
置されている。スプレーヘッダ4bは各スタンドの出側
に一対ずつ設けられ、ストリップ3の上方および下方に
位置するように分岐して配置されている。ライン8にお
いて、No.5スタンドの入側および出側に分岐する部
分とスプレーヘッダ4aとの間のライン8部分には流量
制御弁27が介在されている。
【0034】タンク6の分室6a内には温水、圧延油原
油および界面活性剤が収容され、混合される。収容にあ
たっては、温水中の圧延油原油が所定の油分濃度、界面
活性剤が所定の対油濃度となるように配合される。収容
された内容物は、アジテータ13a、13bの攪拌羽の
回転数を調整することにより所望の平均粒径を有する第
1エマルションとされる。この第1エマルションは平均
粒径15μm以下に調整されていることが好ましい。ま
た、温水中の油分濃度は5体積%以下とすることが好ま
しい。
【0035】例えば、基油を牛脂として温水中に混合
し、これに乳化分散剤としてカチオン系分散型の界面活
性剤を対油濃度で0.6質量%添加したものとする場合
には、上記回転数を調整することによりその平均粒径を
約9〜10μmとすることができる。その代わりに、合
成エステル油と乳化型界面活性剤とを組み合わせた場合
には、平均粒径が9μm以下となる場合もある。
【0036】第1エマルションはポンプ7によりポンプ
圧送され、ライン8を経由してNo.1〜No.5の各
スタンドに供給され、各スタンド入側のスプレーヘッダ
4aおよび各スタンド出側のスプレーヘッダ4bからそ
れぞれロールバイトおよびワークロールに向けてスプレ
ー供給される。供給された第1エマルションのうち、ス
トリップ3から落下した分の第1エマルションは、回収
オイルパン11で回収され、ライン12を経由して分室
6b内に流入される。この第1エマルションのスプレー
供給は、圧延開始時から行なわれる。
【0037】図1の冷間圧延機の別圧延油供給系統は、
潤滑用スプレーヘッダ5、流量制御弁9、タンク14を
備えている。
【0038】タンク14内にはアジテータ20が設けら
れている。このタンク14は第1のエマルションよりも
大きな平均粒径を有する第2のエマルションを貯蔵する
タンクである。タンク15,16,17内にそれぞれ貯
蔵された温水,圧延油原油,界面活性剤は、ポンプ18
a,18b,18cにより流量調整弁19a,19b,
19cによりそれぞれタンク14内へ送給され、混合さ
れる。タンク14内の温水中の圧延油濃度、界面活性剤
の対油濃度およびタンク14の内容物の温度の各条件
は、タンク6内の第1エマルションの条件とそれぞれ同
一とすることが好ましい。タンク14内の第2エマルシ
ョンは、アジテータ20の攪拌羽の回転数を調整するこ
とにより平均粒径20μm以上に調整される。
【0039】タンク14はライン22を通して一対のス
プレーヘッダ5と連通している。スプレーヘッダ5は、
ストリップ3の上方および下方の両方に位置するように
分岐して配置されている。スプレーヘッダ5は、No.
4,5スタンド間に設けられた前述の図示しないテンシ
ョンロールおよびデフロールの直後に位置するように配
置されている。上記位置は、No.5スタンドのロール
バイトから上流側に所定距離L離れている。この距離L
は、例えば特開2000−94013号公報に記載され
た以下の式を満たす距離にされる。
【0040】L≧Vin・tmin ただし、Vinは入側ストリップ速度(m/秒)、tm
inは必要な最小転相時間(秒)を表わす。
【0041】スプレーヘッダ5は上記した位置に設けら
れているため、供給した油量がテンションロールやデフ
ロールで絞られるのを回避でき、十分なプレートアウト
量を得ることができる。また、O/W型エマルション
(水に油滴が分散した状態のエマルション)からW/O
型エマルション(油中に水滴が分散した状態のエマルシ
ョン)への転相か、或いはO/W型エマルションから油
単相への転相か、いずれか一方の転相時間を確保するこ
とができる。
【0042】タンク14内の第2エマルションは、ポン
プ21によりポンプ圧送され、ライン22を通過し、流
量制御弁9を介してスプレーヘッダ5からストリップ3
の表裏面に向けてスプレー供給される。この供給時にス
トリップ3にプレートアウトせずに落下した第2エマル
ションは、前述した第1エマルションと同様に回収オイ
ルパン11で回収され、ライン12を経由して分室6b
内に流入する。流入後、分室6b内のアジテータ13b
の攪拌羽により攪拌され、第1エマルションとほぼ同じ
粒径まで細分化され、タイトなエマルションとなる。
【0043】流量制御弁9は制御装置10と電気的に接
続されている。この流量制御弁9は制御装置10から制
御信号が送信され、弁開度が制御されるようになってい
る。すなわち、上述した第2エマルションのストリップ
3へのスプレー供給量は、この流量制御弁9の弁開度に
より制御される。なお、この場合、No.5スタンドの
スプレーヘッダ4aに供給される第1エマルションの流
量を調整する流量制御弁27は、その弁開度を圧延開始
時からの状態のまま保持してもよいが、弁開度を小さく
して第1エマルションの流量を絞ってもよく、全閉にし
てNo.5スタンド入側のスプレーヘッダ4aからの第
1エマルションの供給を停止させておくようにしてもよ
い。上述した流量制御弁27の弁開度を小さくしたり、
全閉したりしてもよい理由は、スプレーヘッダ5から供
給される第2エマルションの方がストリップ3における
プレートアウトにおいて支配的であり、スプレーヘッダ
4aから供給される第1エマルションのプレートアウト
の影響は少ないことが判明しているからである。
【0044】制御装置10はロール速度計23と電気的
に接続されている。ロール速度計23はNo.5スタン
ドに設けられ、ワークロール1の回転速度を一定のサン
プリング周期で計測するようになっている。
【0045】制御装置10では、以下の不等式(1)を
満たす供給流量Q(リットル/分)となるように弁開度
を決定し、決定された弁開度信号を流量制御弁9の制御
部の入力部に送信するようになっている。 1600<4W+15Q<2300 …(1) 供給流量弁開度の決定は次のようになされる。すなわ
ち、制御装置10はメモリ部を内蔵しており、このメモ
リ部に積算圧延質量Wの値とこの積算圧延質量Wの値に
応じた供給流量値Qとの相関を示すデータがテーブル値
としてあらかじめ格納されている。このテーブル値は、
例えば前述の図6で説明したのと同様な積算圧延質量W
と別圧延油供給系統の好ましい供給流量Qとの関係を調
べた結果から得ることができる。そして、この格納され
たテーブル値を呼び出し、これに基づき第2エマルショ
ンの供給流量Qを決定する。
【0046】なお、上述した実施形態では、No.4ス
タンドと最終のNo.5スタンドとの間に別圧延油供給
系統のスプレーヘッダ5を配置するものとして説明した
が、本発明はこれのみに限られるものではなく、これと
は別のスタンド間に配置するようにしてもよい。
【0047】(実施例1)以下、本発明の実施例を説明
する。
【0048】前述した構成の図1に示す全5スタンドの
タンデム冷間圧延機により、以下に説明する第1エマル
ションおよび第2エマルションを用いて母材厚2.3m
m,板幅900mmの硬質ブリキ原板を、ワークロール
1の組み替え直後から組み替え直前まで目標圧延速度2
400mpmとして仕上げ厚0.200mmとする冷間
圧延を行なった。
【0049】圧延油として合成エステル油(40℃にお
ける動粘度;43cSt)を用い、温水中の油分濃度を
3体積%、乳化型の界面活性剤を対油分濃度で0.6質
量%となるように、温水、圧延油および界面活性剤をタ
ンク6の分室6a内にそれぞれ収容した。また、分室6
a内に収容された内容物をアジテータ13aの攪拌羽の
回転数を調整して十分に攪拌することにより、平均粒径
9μmの第1エマルション(温度60℃)とした。
【0050】一方、上記したのと同様の圧延油および界
面活性剤と、温水とをタンク15,16,17からタン
ク14内に移送した。このとき、温水中の圧延油濃度、
界面活性剤の対油分濃度が上述したのと同様となるよう
にそれぞれの供給量を調整した。次いで、タンク14内
に収容された内容物をアジテータ20の攪拌羽の回転を
調整して攪拌し、平均粒径20μmの第2エマルション
(温度60℃)とした。
【0051】本実施例1では、ワークロール1の組み替
え直後から組み替え直前にわたり第1エマルションの供
給流量を3000リットル/分に固定した。また、制御
装置10により上記の式(1)の関係を満たす供給流量
Qとなるように流量制御弁9を制御可能な状態とし、ワ
ークロール1の組み替え直後からワークロール組み替え
直前にわたり第2エマルションの供給流量を制御した。
【0052】(比較例1)ワークロール1の組み替え直
後から組み替え直前にわたり流量制御弁9を全閉状態に
保持して第1エマルションのみを4000リットル/分
の供給量で供給するようにした以外は、実施例1と同様
にして冷間圧延を行なった。
【0053】(参考例1)ワークロール1の組み替え直
後から組み替え直前にわたり第2エマルションの供給流
量が75リットル/分となるように流量制御弁9の弁開
度を調整保持して第2エマルションを供給するようにし
た以外は、実施例1と同様にして冷間圧延を行なった。
【0054】図7は、横軸に圧延速度(mpm)をと
り、縦軸に第5スタンドにおけるワークロール1および
鋼帯3間の摩擦係数をとって、実施例1、比較例1およ
び参考例1において冷間圧延を行なったときの圧延速度
と摩擦係数との関係について調べた結果を示す特性線図
であって、図7の(a)はワークロール1の組み替え直
後の積算圧延質量が0t(積算圧延長0km)のとき、
図7の(b)は積算圧延質量が200t(積算圧延長1
30km)のとき、図7の(c)はワークロール1の組
み替え直前の積算圧延質量が400t(積算圧延長26
0km)のときと、それぞれ積算圧延質量(積算圧延
長)が異なる、すなわちワークロール1の表面粗度が異
なる条件下での結果をそれぞれ示している。
【0055】図7において、白三角を結んだ曲線A5,
A6,A7は実施例1の結果を示す特性線であり、白丸
を結んだ曲線B5,B6,B7は比較例1の結果を示す
特性線であり、黒丸を結んだ曲線C5,C6,C7は参
考例1の結果を示す特性線である。なお、図中における
×印は、チャタリングの発生を表わす。
【0056】図7において、実施例1では特性線A5,
A6,A7から明らかなように、(a),(b),
(c)のいずれの積算圧延質量のときであっても、チャ
タリング発生することなく2000mpmを超える圧延
速度に到達し、高速圧延を達成できることが判明した。
【0057】これに対して、比較例1では特性線B5,
B6,B7に示すように、(a)の積算圧延質量のとき
には圧延速度1400mpmで、(b)の積算圧延質量
のときには圧延速度1700mpmで、(c)の積算圧
延質量のときには圧延速度1900mpmで、それぞれ
潤滑不足に起因したチャタリングが発生し、2000m
pm以上の圧延速度に到達できなかった。
【0058】なお、参考例1では特性線C5に示すよう
に、(a)の積算圧延質量のときにはチャタリング発生
することなく2000mpmを超える圧延速度に到達で
きた。しかし、(b)の積算圧延質量のときには圧延速
度800mpmで、(c)の積算圧延質量のときには圧
延速度650mpmで、それぞれ潤滑過多に起因したチ
ャタリングが発生し、2000mpm以上の圧延速度に
到達できなかった。
【0059】図8は、横軸に積算圧延質量(t)をと
り、縦軸に圧延速度(mpm)をとって、実施例1,比
較例1,参考例1における冷間圧延を行なったときの積
算圧延質量と到達可能な最高圧延速度との関係について
調べた結果を示す特性線図である。図8において、三角
印を結んだ曲線は実施例1の結果を示す特性線、白丸を
結んだ曲線は比較例1の結果を示す特性線、黒丸を結ん
だ曲線は参考例1の結果を示す特性線である。この図か
ら明らかなように、実施例1の場合では潤滑過多および
潤滑不足に起因したチャタリングがいずれも発生するこ
となく、積算圧延質量0t〜400tにわたり、すなわ
ちワークロールの組み替え直後から組み替え直前にわた
り積算圧延質量にかかわらず安定して2000mpmを
超える圧延速度2400mpmに到達でき、2000m
pm以上の高速圧延を達成できることが判明した。これ
に対して、比較例1の場合では、積算圧延質量約200
〜400tでは積算圧延質量0〜200tの間で圧延速
度2000mpmに満たず、ワークロール組み替え直後
から組み替え直前にわたり安定して2000mpm以上
の高速圧延を達成できないことが判明した。他方、参考
例1の場合では、積算圧延質量が0〜100tの間は、
安定して2000mpmを超える圧延速度2400mp
mに到達できたものの、積算圧質量が100tを超える
と急激に最高到達速度が低下し、ワークロール組み替え
直後から組み替え直前にわたって2000mpm以上の
高速圧延を達成できないことが判明した。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷間圧延
方法によれば、ワークロール組み替え直後から組み替え
直前にわたり、ワークロールの表面粗度の変化にかかわ
らず潤滑過多に起因したチャタリングおよび潤滑不足に
起因したチャタリングのいずれも防止できる。このた
め、2000mpm以上の高速圧延を安定して行なうこ
とができ、板破断による歩留り低下や板厚変動に伴う鋼
帯の品質劣化を大幅に低減させることができるとともに
生産効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのタンデム冷間圧延機を
一例として概略的に示す構成図。
【図2】循環式圧延油供給系統のみを用いた場合および
別圧延油供給系統を併用した場合に冷間圧延を行なった
ときの圧延速度と摩擦係数との関係につき調べた結果を
示す特性線図であって、(a)は積算圧延質量0t(ワ
ークロール組み替え直後)のときの特性線図、(b)は
積算圧延質量200tのときの特性線図、(c)は積算
圧延質量400t(ワークロール組み替え直前)のとき
の特性線図。
【図3】循環式圧延油供給系統のみを用いた場合および
別圧延油供給系統を併用した場合に冷間圧延を行なった
ときのワークロールの積算圧延質量と到達速度との関係
につき調べた結果を示す特性線図。
【図4】別圧延油供給系統を併用した場合にエマルショ
ンの供給流量を種々変更して冷間圧延を行なったときの
圧延速度と摩擦係数との関係につき調べた結果を示す特
性線図であって、(a)は積算圧延質量0t(ワークロ
ール組み替え直後)のときの特性線図、(b)は積算圧
延質量200tのときの特性線図、(c)は積算圧延質
量400t(ワークロール組み替え直前)のときの特性
線図。
【図5】積算圧延質量Wおよび別圧延油供給系統からの
供給流量Qがチャタリング発生に及ぼす影響について調
べた結果を示すグラフ図。
【図6】積算圧延質量W(t)と、2000mpm以上
の圧延速度に到達できた好ましい別圧延油供給系統の供
給流量Q(リットル/分)との関係について調べた結果
を示す特性線図。
【図7】実施例1、比較例1および参考例1において冷
間圧延を行なったときの圧延速度と摩擦係数との関係に
ついて調べた結果を示す特性線図であって、(a)は積
算圧延質量が0t(積算圧延長0km)(ワークロール
の組み替え直後)のとき、(b)は積算圧延質量が20
0t(積算圧延長130km)のとき、(c)は積算圧
延質量が400t(ワークロールの組み替え直前)のと
きの結果をそれぞれ示す特性線図。
【図8】実施例において積算圧延質量と到達圧延速度と
の関係につき調べた結果を示す特性線図。
【図9】循環式圧延油供給系統のみを有するタンデム冷
間圧延機を概略的に示す構成図。
【図10】循環式圧延油供給系統と別圧延油供給系統と
を有する冷間圧延機の一例を概略的に示す構成図。
【符号の説明】
1…ワークロール、 2…バックアップロール、 3…ストリップ、 4a…循環式圧延油供給系統の潤滑用スプレーヘッダ、 4b…循環式圧延油供給系統の冷却用スプレーヘッダ、 5…別圧延油供給系統の潤滑用スプレーヘッダ、 6,14…タンク、 7,18a,18b,18c,21…ポンプ、 8,12,22…ライン、 9,27…流量制御弁、 10…制御装置、 11…回収オイルパン、 13a,13b,20…アジテータ、 15…温水貯蔵タンク、 16…圧延油原油貯蔵タンク、 17…界面活性剤貯蔵タンク、 19a,19b,19c…流量調整弁、 23…ロール速度計。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のエマルションをワークロールおよ
    びロールバイトに向けて供給するための循環式の第1の
    圧延油供給手段と、前記第1のエマルションの平均粒径
    より大きい平均粒径を有する第2のエマルションを、ロ
    ールバイトから上流スタンド側に所定距離離れた位置で
    鋼帯の表裏面に向けて供給するための第2の圧延油供給
    手段とを有する冷間圧延装置を用い、圧延開始時から第
    1の圧延油供給手段により所定の供給量で第1のエマル
    ションを供給する第1の供給工程と、圧延開始時から第
    2の圧延油供給手段により第2のエマルションを供給す
    る第2の供給工程とを備えた鋼帯の冷間圧延方法におい
    て、 前記第2の供給工程では、ワークロールの積算圧延質量
    または積算圧延長に応じて第2のエマルションの供給量
    を制御することを特徴とする鋼帯の冷間圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の供給工程における第2のエマ
    ルションの供給量は、次の不等式を満たすように制御さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の鋼帯の冷間圧延
    方法。 1600<4W+15Q<2300 ただし、Wはワークロールの積算圧延質量(t),Qは
    第2エマルションの供給量(リットル/分)を表わす。
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