JP2021530359A - 冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法 - Google Patents
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Abstract
Description
圧延機の振動の不具合は常に、その場での冷間連続圧延機の、高速であり、かつ、安定的な生産を複雑にし、かつ、最終ストリップの表面品質を保証する、困難な課題の1つである。過去、圧延機の振動の不具合のその場での処置は概して、圧延機の速度に対する制御に依拠し、そのことによって振動の不具合は弱められ得るが、生産効率の改善は制限され、かつ、企業の経済的利益は深刻に影響を受ける。しかしながら、冷間連続圧延機については、そのデバイスおよびプロセスの特徴が、振動抑制の可能性を決定する。したがって、合理的なプロセスパラメーターを設定することは、振動抑制のための核となる手段である。理論的研究および現場での追跡を通して、圧延機の振動は、ロールギャップ間の潤滑状態に直接的に関連することが見出される。ロールギャップが過潤滑状態にあれば、摩擦係数が小さ過ぎることが示され、したがって、圧延プロセスにおいてスリップを引き起こして圧延機の自励振動を引き起こしやすくなり;ロールギャップが欠潤滑状態にあれば、ロールギャップ間の平均油膜厚さが必要とされる最小値未満であることが示され、したがって、圧延プロセスの最中のロールギャップにおける油膜の破断に起因する摩擦係数の急激な増大を引き起こしやすくなり、そのことは、圧延圧力の変化およびシステム剛性の周期的変動をもたらし、かつ、したがってまた、圧延機の自励振動を引き起こす。圧延機の振動を抑制するために重要なことは、ロールギャップ間の潤滑状態を制御することであることが理解され得る。圧延スケジュール、圧延プロセスならびにエマルション濃度および初期温度のようなプロセスパラメーターが決定されていることを前提として、エマルションフローレートの設定は、冷間連続圧延機の各圧延スタンドのロールギャップの潤滑状態を直接的に決定し、かつ、冷間連続圧延機の主たるプロセス制御手段である。
本発明の目的は、冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法を提供することである。当該方法は、振動を抑制することを目的とし、かつ、油膜厚さモデルおよび摩擦係数モデルによって、各圧延スタンドについてのエマルションフローレートのための総合的な最適化設定が、圧延機の振動の不具合を処置し、かつ、最終ストリップの表面品質を改善するという目標を達成するために提案された過潤滑膜厚さ臨界値および欠潤滑膜厚さ臨界値に基づいて実現される。
冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法は以下のステップを含んでおり、該ステップは:
S1、冷間連続圧延機のデバイス特徴パラメーターを収集するステップであり、該デバイス特徴パラメーターとしては以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの作業ロールの半径Ri、各圧延スタンドのロールの表面線速vri、各圧延スタンドの作業ロールの元々の粗さRair0、作業ロールの粗さ減衰係数BL、圧延スタンド間の距離lおよび各圧延スタンドの作業ロールのロール交換後の圧延キロメートルLiであり、iは1、2、...、nであり、かつ、冷間連続圧延機の圧延スタンドの序数を表し、かつ、nは圧延スタンドの総数であり;
S2、ストリップの重要な圧延プロセスパラメーターを収集するステップであり、該重要な圧延プロセスパラメーターとしては以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの入口厚さh0i、各圧延スタンドの出口厚さh1i、ストリップ幅B、各圧延スタンドの入口速度v0i、各圧延スタンドの出口速度v1i、入口温度T1 r、各圧延スタンドのストリップ変形抵抗Ki、各圧延スタンドの圧延圧力Pi、各圧延スタンドの後方張力T0i、各圧延スタンドの前方張力T1i、エマルション濃度影響係数kc、潤滑剤の圧力粘度係数θ、ストリップ密度ρ、ストリップの比熱容量S、エマルション濃度C、エマルション温度Tcおよび熱の仕事当量Jであり;
S3、エマルションフロー最適化の方法に関連するプロセスパラメーターを定めるステップであり、該プロセスパラメーターとしては、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値がζi +であり、かつ、この時における摩擦係数がui +であり、欠潤滑膜厚さ臨界値がζi −であり、かつ、この時における摩擦係数がui −であり、圧下量が△hi=h0i−h1iであり、圧下率がεi=△hi/h0iであり、かつ、各圧延スタンドの入口温度がTi rであり、圧延スタンド間の距離lが、m個のセクションへと均等に分割され、かつ、該セクションにおける温度が、Ti, j(l<j<m)によって表され、かつ、Ti r=Ti-l, mであり、過潤滑判断係数がA+であり、かつ、欠潤滑判断係数がA−であることが挙げられ;
S4、振動抑制を達成することを目的とする冷間連続圧延機のエマルションフローレート総合的最適化目的関数の初期設定値をF0=1.0×1010として設定するステップであり;
ステップS1〜S4の実行順は限定されず;
S5、圧延理論にしたがって各圧延スタンドのバイト角αiを計算するステップであり、計算式は以下の通りであり:
S6、各圧延スタンドの振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり;
S7、各圧延スタンドのエマルションフローレートwiを設定するステップであり;
S8、各圧延スタンドのストリップ出口温度Tiを計算するステップであり;
S9、エマルションフローレート総合的最適化目的関数F(X)を計算するステップであり;
S11、エマルションフローレートwiが実行可能な領域範囲を越えているか否かを判定し、そうであればステップS12へと向かい、そうでなければステップS7へと向かうステップであり、wiの実行可能な領域は、0から圧延機によって許容される最大エマルションフローレート値の範囲であり;かつ、
S12、最適なエマルションフローレート設定値wi yを出力するステップであり、wi yは、実行可能な領域におけるF(X)の計算値が最小である時のwiの値である。
S6.1、各圧延スタンドの中立角γiを計算するステップであり:
S6.3、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζi(式中、aiは液体摩擦影響係数であり、biは乾燥摩擦影響係数であり、かつ、Biは摩擦係数減衰指標である)にしたがって、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値ζi +を計算するステップであり:
S6.4、γi/αi=A−である時にロールギャップがちょうど欠潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から:
S6.5、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζiにしたがって、各圧延スタンドの欠潤滑膜厚さ臨界値ζi −を計算するステップであり:
S6.6、各圧延スタンドの振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり、ζ0i=(ζi ++ζi −)/2である。
S8.1、第1の圧延スタンドの出口温度T1を計算するステップであり:
S8.2、i=1であることを可能にするステップであり;
S8.3、i番目の圧延スタンドの出口の後ろのストリップの第1のセクションの温度Ti, 1を計算するステップであり、すなわち、Ti, 1=Tiであり;
S8.4、j=2であることを可能にするステップであり;
S8.5、以下の式によってj番目のセクションの温度とj−1番目のセクションの温度との間の関係を示すステップであり:
S8.6、不等式j<mが確立されているか否かを判定し、そうであれば、j=j+1であることを可能にし、かつ、その後でステップS8.5ヘと向かい;そうでなければ、ステップS8.7へと向かうステップであり;
S8.7、反復計算によってm番目のセクションの温度Ti, mを得るステップであり;
S8.8、i+1番目の圧延スタンドの入口温度Ti+1 rを計算するステップであり:Ti+1 r=Ti, mであり;
S8.9、i+1番目の圧延スタンドの出口温度Ti+1を計算するステップであり:
S8.10、不等式i<nが確立されているか否かを判定し、そうであれば、i=i+1であることを可能にし、かつ、その後でステップS8.3ヘと向かい;そうでなければ、ステップS8.11へと向かうステップであり;かつ、
S8.11、各圧延スタンドの出口温度Tiを得るステップである。
S9.1、各圧延スタンドのロールギャップ間のエマルションの動粘性率η0iを計算するステップであり、η0i=b・exp(−a・Ti)であり、式中、a,bは、気圧下での潤滑油の動粘性率パラメーターであり;
S9.2、各圧延スタンドのロールギャップ間の油膜厚さζiを計算するステップであり、計算式は以下の通りであり:
S9.3、エマルションフローレート総合的最適化目的関数を計算するステップであり:
本発明の技術的解決策が採用され、かつ、冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法は、冷間連続圧延機のデバイスおよびプロセスの特徴を完全に組み合わせ、かつ、振動の不具合の課題を目的とし、各圧延スタンドのエマルションフローレートについての総合的な最適化設定から始まり、かつ、冷間連続圧延機の各圧延スタンドについての一定のエマルションフロー制御の先行するアイデアを変更し、当該方法は、最適化によって振動抑制を達成することを目的とする各圧延スタンドについてのエマルションフローレートの最適な設定値を得;かつ、当該方法は大いに、圧延機の振動の不具合の発生を減少させ、生産効率および製品品質を改善し、企業にとっていっそう大きい経済的利益をもたらし、圧延機の振動の不具合を処置し、かつ、冷間連続圧延機の最終ストリップの表面品質および圧延プロセスの安定性を改善する。
本発明の技術的解決策は、図面および実施形態と組み合わせて、さらに説明されるであろう。
S1、冷間連続圧延機のデバイス特徴パラメーターを収集するステップであり、該デバイス特徴パラメーターとしては以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの作業ロールの半径Ri、各圧延スタンドのロールの表面線速vri、各圧延スタンドの作業ロールの元々の粗さRair0、作業ロールの粗さ減衰係数BL、圧延スタンド間の距離lおよび各圧延スタンドの作業ロールのロール交換後の圧延キロメートルLiであり、iは1、2、...、nであり、かつ、冷間連続圧延機の圧延スタンドの序数を表し、かつ、nは圧延スタンドの総数であり;
S2、ストリップの重要な圧延プロセスパラメーターを収集するステップであり、該重要な圧延プロセスパラメーターとしては以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの入口厚さh0i、各圧延スタンドの出口厚さh1i、ストリップ幅B、各圧延スタンドの入口速度v0i、各圧延スタンドの出口速度v1i、入口温度T1 r、各圧延スタンドのストリップ変形抵抗Ki、各圧延スタンドの圧延圧力Pi、各圧延スタンドの後方張力T0i、各圧延スタンドの前方張力T1i、エマルション濃度影響係数kc、潤滑剤の圧力粘度係数θ、ストリップ密度ρ、ストリップの比熱容量S、エマルション濃度C、エマルション温度Tcおよび熱の仕事当量Jであり;
S3、エマルションフロー最適化の方法に関連するプロセスパラメーターを定めるステップであり、該プロセスパラメーターとしては、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値がζi +であり、かつ、この時における摩擦係数がui +であり、欠潤滑膜厚さ臨界値がζi −であり、かつ、この時における摩擦係数がui −であり、圧下量が△hi=h0i―h1iであり、圧下率がεi=△hi/h0iであり、各圧延スタンドの入口温度がTi rであり、圧延スタンド間の距離lがm個のセクションへと均等に分割され、かつ、該セクションにおける温度が、Ti, j(l<j<m)によって表され、かつ、Ti r=Ti-l, mであり、過潤滑判断係数がA+であり、かつ、欠潤滑判断係数がA−であることが挙げられ;
S4、振動抑制を達成することを目的とする冷間連続圧延機のエマルションフローレート総合的最適化目的関数の初期設定値をF0=1.0×1010として設定するステップであり;
ステップS1〜S4の実行順は限定されず、かつ、いくつかの場合には、ステップS1〜S4は同時に実行され得、
S5、圧延理論にしたがって各圧延スタンドのバイト角αiを計算するステップであり、計算式は以下の通りであり:
S6、各圧延スタンドの振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり、計算フローチャートは図2に示されており:
S6.1、各圧延スタンドの中立角γiを計算するステップであり:
S6.3、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζi(式中、aiは液体摩擦影響係数であり、biは乾燥摩擦影響係数であり、かつ、Biは摩擦係数減衰指標である)にしたがって、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値ζi +を計算するステップであり:
S6.4、γi/αi=A−である時にロールギャップがちょうど欠潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から:
S6.5、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζiにしたがって、各圧延スタンドの欠潤滑膜厚さ臨界値ζi −を計算するステップであり:
S6.6、各圧延スタンドの振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり、ζ0i=(ζi ++ζi −)/2であり;
S7、各圧延スタンドのエマルションフローレートwiを設定するステップであり;
S8、各圧延スタンドのストリップ出口温度Tiを計算するステップであり、計算フローチャートは図3に示されており、
S8.1、第1の圧延スタンドの出口温度T1を計算するステップであり:
S8.2、i=1であることを可能にするステップであり;
S8.3、i番目の圧延スタンドの出口の後ろのストリップの第1のセクションの温度Ti, 1を計算するステップであり、すなわち、Ti, 1=Tiであり;
S8.4、j=2であることを可能にするステップであり;
S8.5、以下の式によってj番目のセクションの温度とj−1番目のセクションの温度との間の関係を示すステップであり:
S8.6、不等式j<mが確立されているか否かを判定し、そうであれば、j=j+1であることを可能にし、かつ、その後でステップS8.5ヘと向かい;そうでなければ、ステップS8.7へと向かうステップであり;
S8.7、反復計算によってm番目のセクションの温度Ti, mを得るステップであり;
S8.8、i+1番目の圧延スタンドの入口温度Ti+1 rを計算するステップであり:Ti+1 r=Ti, mであり;
S8.9、i+1番目の圧延スタンドの出口温度Ti+1を計算するステップであり:
S8.10、不等式i<nが確立されているか否かを判定し、そうであれば、i=i+1であることを可能にし、かつ、その後でステップS8.3ヘと向かい;そうでなければ、ステップS8.11へと向かうステップであり;かつ、
S8.11、各圧延スタンドの出口温度Tiを得るステップであり;
S9、エマルションフローレート総合的最適化目的関数F(X)を計算するステップであり、計算フローチャートは図4に示されており:
S9.2、各圧延スタンドのロールギャップ間の油膜厚さζiを計算するステップであり、計算式は以下の通りであり:
S9.3、エマルションフローレート総合的最適化目的関数を計算するステップであり:
S10、不等式F(X)<F0が確立されているか否かを判定し、そうであれば、wi y=wiであることを可能にし、F0=F(X)であり、かつ、その後でステップS11へと向かい;そうでなければ、ステップS11へと直接向かうステップであり;
S11、エマルションフローレートwiが実行可能な領域範囲を越えているか否かを判定し、そうであればステップS12へと向かい、そうでなければステップS7へと向かうステップであり、wiの実行可能な領域は、0から圧延機によって許容される最大エマルションフローレート値の範囲であり;かつ、
S12、最適なエマルションフローレート設定値wi yを出力するステップであり、wi yは、実行可能な領域におけるF(X)の計算値が最小である時のwiの値である。
本願の関連技術の適用プロセスをさらに説明するために、振動抑制を達成することを目的とする冷間連続圧延機のためのエマルションフロー最適化方法の適用プロセスは、例として冷間圧延プラントにおいて1730冷間連続圧延機を採用することによって説明される。
S1、冷間連続圧延機のデバイス特徴パラメーターを収集するステップであり、冷間圧延プラントにおける1730冷間連続圧延機は、合計5つの圧延スタンドを有し、かつ、該デバイス特徴パラメーターとしては主として以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの作業ロールの半径Ri={210, 212, 230, 230, 228}mm、各圧延スタンドのロールの表面線速vri={180, 320, 500, 800, 1150}m/分、各圧延スタンドの作業ロールの元々の粗さRair0={1.0, 1.0, 0.8, 0.8, 1.0}μm、作業ロールの粗さ減衰係数BL=0.01、圧延スタンド間の距離l=2700mmおよび各圧延スタンドの作業ロールのロール交換後の圧延キロメートルLi={100, 110, 230, 180, 90}kmであり、iは1、2、...、nであり、かつ、冷間連続圧延機の圧延スタンドの序数を表し、かつ、n=5は圧延スタンドの総数であり、以下でも同様であり;
S2、ストリップの重要な圧延プロセスパラメーターを収集するステップであり、該重要な圧延プロセスパラメーターとしては主として以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの入口厚さh0i={2.0, 1.14, 0.63, 0.43, 0.28}mm、各圧延スタンドの出口厚さh1i={1.14, 0.63, 0.43, 0.28, 0.18}mm、ストリップ幅B=966mm、各圧延スタンドの入口速度v0i={110, 190, 342, 552, 848}m/分、各圧延スタンドの出口速度v1i={190, 342, 552, 848, 1214}m/分、入口温度T1 r=110℃、各圧延スタンドのストリップ変形抵抗Ki={360, 400, 480, 590, 650}MPa、各圧延スタンドの圧延圧力Pi={12800, 11300, 10500, 9600, 8800}kN、各圧延スタンドの後方張力T0i={70, 145, 208, 202, 229}MPa、各圧延スタンドの前方張力T1i-={145, 208, 202, 229, 56}MPa、エマルション濃度影響係数kc=0.9、潤滑剤の圧力粘度係数θ=0.034、ストリップ密度ρ=7800kg/m3、ストリップの比熱容量S=0.47kJ/(kg・℃)、エマルション濃度C=4.2%、エマルション温度Tc=58℃および熱の仕事当量J=1であり;
S3、エマルションフロー最適化の方法に関連するプロセスパラメーターを定めるステップであり、該プロセスパラメーターとしては主に、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値がζi +であり、かつ、この時における摩擦係数がui +であり、欠潤滑膜厚さ臨界値がζi −であり、かつ、この時における摩擦係数がui −であり、圧下量が△hi=h0i−h1iであり、圧下率がεi=△hi/h0iであり、各圧延スタンドの入口温度がTi rであり、かつ、圧延スタンド間の距離l=2700mmがm=30個のセクションへと均等に分割され、かつ、該セクションにおける温度がTi, j(l<j<m)によって表され、かつ、Ti r=Ti-l, mであり、過潤滑判断係数がA+であり、かつ、欠潤滑判断係数がA−であることが挙げられ;
S4、振動抑制を達成することを目的とする冷間連続圧延機のエマルションフローレート総合的最適化目的関数の初期設定値をF0=1.0×1010として設定するステップであり;
S5、圧延理論にしたがって各圧延スタンドのバイト角αiを計算するステップであり、計算式は:
S6、各圧延スタンドの振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり;
S6.1、各圧延スタンドの中立角γiを計算するステップであり、計算式は:
S6.2、γi/αi=A+=1である時にロールギャップがちょうど過潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から式:
S6.3、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζi(式中、aiは液体摩擦影響係数であり、ai=0.0126であり、biは乾燥摩擦影響係数であり、bi=0.1416であり、かつ、Biは摩擦係数減衰指標であり、Bi=−2.4297である)にしたがって、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値ζi +を計算するステップであり、 計算式は:
S6.4、γi/αi=A−=0.6である時にロールギャップがちょうど欠潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から式:
S6.5、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζiにしたがって、各圧延スタンドの欠潤滑膜厚さ臨界値ζi −を計算するステップであり、計算式は:
S6.6、振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり、ζ0i=(ζi ++ζi −)/2であり、そこからζ0i={0.554, 0.767, 1.325, 1.213, 0.744}であることが得られ得;
S7、各圧延スタンドのエマルションフローレートをwi={900, 900, 900, 900, 900}L/分となるように設定するステップであり;
S8、各圧延スタンドのストリップ出口温度Tiを計算するステップであり、
S8.1、第1の圧延スタンドの出口温度T1を計算するステップであり:
S8.2、i=1であることを可能にするステップであり;
S8.3、第1の圧延スタンドの出口の後ろのストリップの第1のセクションの温度Ti, 1を計算するステップであり、すなわち、Ti, 1=Ti=172.76℃であり;
S8.4、j=2であることを可能にするステップであり;
S8.5、以下の式によってj番目のセクションの温度とj−1番目のセクションの温度との間の関係式を示すステップであり:
S8.6、不等式j<mが確立されているか否かを判定し、そうであれば、j=j+1であることを可能にし、かつ、その後でステップS8.5ヘと向かい;そうでなければ、ステップS8.7へと向かうステップであり;
S8.7、最終的に反復計算によってm=30番目のセクションの温度Ti, 30=103.32℃を得るステップであり;
S8.8、第2の圧延スタンドの入口温度T2 rを計算するステップであり:T2 r=Ti, m=103.32℃であり;
S8.9、第2の圧延スタンドの出口温度T2を計算するステップであり:
S8.11、各圧延スタンドの出口温度Ti={172.76, 178.02, 186.59, 194.35, 206.33}℃を得るステップであり;
S9、エマルションフローレート総合的最適化目的関数F(X)を計算するステップであり;
S9.1、各圧延スタンドのロールギャップ間のエマルションの動粘性率η0iを計算するステップであり、η0i=b・exp(−a・Ti)であり、式中、a,bは、気圧下での潤滑油の動粘性率パラメーターであり、かつ、a=0.05,b=2.5からη0i={5.39, 5.46, 5.59, 5.69, 5.84}であることが得られ得;
S9.2、以下の式にしたがって各圧延スタンドのロールギャップ間の油膜厚さζiを計算するステップであり:
S9.3、エマルションフローレート総合的最適化目的関数を計算するステップであり:
S10、F(X)=0.94<F0=1×1010が確立されていれば、wi y-=wi={900, 900, 900, 900, 900}L/分であることを可能にし、F0=F(X)=0.94であり、ステップS11へと向かうステップであり、後に続くx回の計算プロセスでは、対応するF(X)は、wiの変化を伴って得られ、かつ、x番目のF0は、x−1番目のF(X)である。x番目のF(X)がx−1番目のF(X)より小さければ、F(X)<F0であると判断され、かつ、ステップS11へと向かい;
S11、エマルションフローレートwiが実行可能な領域範囲を越えているか否かを判定し、そうであればステップS12へと向かい、そうでなければステップS7へと向かうステップであり;かつ、
S12、最適なエマルションフローレート設定値wi y={1022, 1050, 1255, 1698, 1102}L/分を出力するステップである。
本願の関連技術の適用プロセスをさらに説明するために、振動抑制を達成することを目的とする冷間連続圧延機のためのエマルションフロー最適化方法の適用プロセスは、例として冷間圧延プラントにおいて1420冷間連続圧延機を採用することによって説明される。
S1、前記冷間連続圧延機のデバイス特徴パラメーターを収集するステップであり、冷間圧延プラントにおける1420冷間連続圧延機は、合計5つの圧延スタンドを有し、かつ、該デバイス特徴パラメーターとしては主として以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの作業ロールの半径Ri={211, 213, 233, 233,229}mm、各圧延スタンドのロールの表面線速vri={182, 322, 504, 805, 1153}m/分、各圧延スタンドの作業ロールの元々の粗さRair0={1.0, 1.0, 0.9, 0.9, 1.0}μm、作業ロールの粗さ減衰係数BL=0.015、圧延スタンド間の距離l=2750mmおよび各圧延スタンドの作業ロールのロール交換後の圧延キロメートルLi={120, 130, 230, 190, 200}kmであり、iは1、2、...、nであり、かつ、前記冷間連続圧延機の前記圧延スタンドの序数を表し、かつ、n=5は圧延スタンドの総数であり、以下でも同様であり;
S2、ストリップの重要な圧延プロセスパラメーターを収集するステップであり、該重要な圧延プロセスパラメーターとしては主として以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの入口厚さh0i={2.1, 1.15, 0.65, 0.45, 0.3}mm、各圧延スタンドの出口厚さh1i={1.15, 0.65, 0.45, 0.3, 0.15}mm、ストリップ幅B=955mm、各圧延スタンドの入口速度v0i={115, 193, 346, 555, 852}m/分、各圧延スタンドの出口速度v1i={191, 344, 556, 849, 1217}m/分、入口温度T1 r=115℃、各圧延スタンドのストリップ変形抵抗Ki={370, 410, 490, 590, 660}MPa、各圧延スタンドの圧延圧力Pi={12820, 11330, 10510, 9630, 8820}kN、各圧延スタンドの後方張力T0i={73, 148, 210, 205, 232}MPa、各圧延スタンドの前方張力T1i-={147, 212, 206, 231, 60}MPa、エマルション濃度影響係数kc=0.9、潤滑剤の圧力粘度係数θ=0.036、ストリップ密度ρ=7800kg/m3、ストリップの比熱容量S=0.49kJ/(kg・℃)、エマルション濃度C=4.5%、エマルション温度Tc=59℃および熱の仕事当量J=1であり;
S3、エマルションフロー最適化の方法に関連するプロセスパラメーターを定めるステップであり、該プロセスパラメーターとしては主として、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値がζi +であり、かつ、この時における摩擦係数がui +であり、欠潤滑膜厚さ臨界値がζi −であり、かつ、この時における摩擦係数がui −であり、圧下量が△hi=h0i−h1iであり、圧下率εiがεi=△hi/h0iであり、各圧延スタンドの入口温度がTi rであり、圧延スタンド間の距離l=2750mmがm=30個のセクションへと均等に分割され、過潤滑判断係数A+、ならびに、欠潤滑判断係数A−を有し、かつ、圧延スタンド間の距離l=2750mmをm=30個のセクションへと均等に分割するステップであり、かつ、該セクションにおける温度が、Ti, j(l<j<m)によって表され、かつ、Ti r=Ti-l, mであり、過潤滑判断係数がA+であり、かつ、欠潤滑判断係数がA−であることが挙げられ;
S4、振動抑制を達成することを目的とする冷間連続圧延機のエマルションフローレート総合的最適化目的関数の初期設定値をF0=1.0×1010として設定するステップであり;
S5、圧延理論にしたがって各圧延スタンドのバイト角αiを計算するステップであり、計算式は:
S6、各圧延スタンドの振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり:
S6.1、各圧延スタンドの中立角γiを計算するステップであり、計算式は:
S6.2、γi/αi=A+=1である時にロールギャップがちょうど過潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から式:
S6.3、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζi(式中、aiは液体摩擦影響係数であり、ai=0.0128であり、biは乾燥摩擦影響係数であり、bi=0.1426であり、かつ、Biは摩擦係数減衰指標であり、Bi=−2.4307である)にしたがって、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値ζi +を計算するステップであり、 計算式は:
S6.4、γi/αi=A−=0.6である時にロールギャップがちょうど欠潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から式:
S6.5、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζiにしたがって、各圧延スタンドの欠潤滑膜厚さ臨界値ζi −を計算するステップであり、計算式は:
S6.6、振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり、ζ0i=(ζi ++ζi −)/2であり、そこからζ0i={0.557, 0.769, 1.327, 1.215, 0.746}であることが得られ得;
S7、各圧延スタンドのエマルションフローレートをwi={900, 900, 900, 900, 900}L/分となるように設定するステップであり;
S8、各圧延スタンドのストリップ出口温度Tiを計算するステップであり、
S8.1、第1の圧延スタンドの出口温度T1を計算するステップであり:
S8.2、i=1であることを可能にするステップであり;
S8.3、第1の圧延スタンドの出口の後ろのストリップの第1のセクションの温度Ti, 1を計算するステップであり、すなわち、Ti, 1=Ti=175.81℃であり;
S8.4、j=2であることを可能にするステップであり;
S8.5、以下の式によってj番目のセクションの温度とj−1番目のセクションの温度との間の関係を示すステップであり:
S8.6、不等式j<mが確立されているか否かを判定し、そうであれば、j=j+1であることを可能にし、かつ、その後でステップS8.5ヘと向かい;そうでなければ、ステップS8.7へと向かうステップであり;
S8.7、最終的に反復計算によってm=30番目のセクションの温度Ti, 30=105.41℃を得るステップであり;
S8.8、第2の圧延スタンドの入口温度T2 rを計算するステップであり:T2 r=Ti, m=105.41℃であり;
S8.9、第2の圧延スタンドの出口温度T2を計算するステップであり:
S8.11、各圧延スタンドの出口温度Ti={175.86, 179.36, 189.77, 196.65, 207.54}℃を得るステップであり;
S9、エマルションフローレート総合的最適化目的関数F(X)を計算するステップであり;
S9.1、各圧延スタンドのロールギャップ間のエマルションの動粘性率η0iを計算するステップであり、η0i=b・exp(−a・Ti)であり、式中、a,bは、気圧下での潤滑油の動粘性率パラメーターであり、かつ、a=0.15,b=3.0からη0i={5.45, 5.78, 5.65, 5.75, 5.89}であることが得られ得;
S9.2、以下の式にしたがって各圧延スタンドのロールギャップ間の油膜厚さζiを計算するステップであり:
S9.3、エマルションフローレート総合的最適化目的関数を計算するステップであり:
S10、F(X)=0.98<F0=1×1010が確立されていれば、wi y-=wi={900, 900, 900, 900, 900}L/分であることを可能にし、F0=F(X)=0.98であり、ステップS11へと向かうステップであり、後に続くx回の計算プロセスでは、対応するF(X)は、wiの変化を伴って得られ、かつ、x番目のF0は、x−1番目のF(X)である。x番目のF(X)がx−1番目のF(X)より小さければ、F(X)<F0であると判断され、ステップS11へと向かい;
S11、エマルションフローレートwiが実行可能な領域範囲を越えているか否かを判定し、そうであればステップS12へと向かい、そうでなければステップS7へと向かうステップであり;かつ、
S12、最適なエマルションフローレート設定値wi y={1029, 1055, 1261, 1703, 1109}L/分を出力するステップである。
本願の関連技術の適用プロセスをさらに説明するために、振動抑制を達成することを目的とする冷間連続圧延機のためのエマルションフロー最適化方法の適用プロセスは、例として冷間圧延プラントにおいて1220冷間連続圧延機を採用することによって説明される。
S1、冷間連続圧延機のデバイス特徴パラメーターを収集するステップであり、冷間圧延プラントにおける1220冷間連続圧延機は、合計5つの圧延スタンドを有し、かつ、該デバイス特徴パラメーターとしては主として以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの作業ロールの半径Ri={208, 210, 227, 226, 225}mm、各圧延スタンドのロールの表面線速vri={176, 317, 495, 789, 1146}m/分、各圧延スタンドの作業ロールの元々の粗さRair0={0.9, 0.9, 0.7, 0.7, 0.8}μm、作業ロールの粗さ減衰係数BL=0.01、圧延スタンド間の距離l=2700mmおよび各圧延スタンドの作業ロールのロール交換後の圧延キロメートルLi={152, 102, 215, 165, 70}kmであり、iは1、2、...、nであり、かつ、冷間連続圧延機の圧延スタンドの序数を表し、かつ、n=5は圧延スタンドの総数であり、以下でも同様であり;
S2、ストリップの重要な圧延プロセスパラメーターを収集するステップであり、該重要な圧延プロセスパラメーターとしては主として以下の項目が挙げられ、該項目は:各圧延スタンドの入口厚さh0i={1.8, 1.05, 0.57, 0.39, 0.25}mm、各圧延スタンドの出口厚さh1i={1.05, 0.57, 0.36, 0.22, 0.13}mm、ストリップ幅B=876mm、各圧延スタンドの入口速度v0i={104, 185, 337, 546, 844}m/分、各圧延スタンドの出口速度v1i={188, 337, 548, 845, 1201}m/分、入口温度T1 r=110℃、各圧延スタンドのストリップ変形抵抗Ki={355, 395, 476, 580, 640}MPa、各圧延スタンドの圧延圧力Pi={12900, 11200, 10400, 9600, 8900}kN、各圧延スタンドの後方張力T0i={74, 141, 203, 201, 219}MPa、各圧延スタンドの前方張力T1i-={140, 203, 199, 224, 50}MPa、エマルション濃度影響係数kc=0.8、潤滑剤の圧力粘度係数θ=0.035、ストリップ密度ρ=7800kg/m3、ストリップの比熱容量S=0.45kJ/(kg・℃)、エマルション濃度C=3.7%、エマルション温度Tc=55℃および熱の仕事当量J=1であり;
S3、エマルションフロー最適化の方法に関連するプロセスパラメーターを定めるステップであり、該プロセスパラメーターとしては主として、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値がζi +であり、かつ、この時における摩擦係数がui +であり、欠潤滑膜厚さ臨界値がζi −であり、かつ、この時における摩擦係数がui −であり、圧下量が△hi=h0i−h1iであり、圧下率εi=△hi/h0iであり、各圧延スタンドの入口温度がTi rであり、圧延スタンド間の距離l=2700mmがm=30個のセクションへと均等に分割され、かつ、該セクションにおける温度がTi, j(l<j<m)によって表され、かつ、Ti r=Ti-l, mであり、する過潤滑判断係数がA+であり、かつ、欠潤滑判断係数がA−であることが挙げられ;
S4、振動抑制を達成することを目的とする冷間連続圧延機のエマルションフローレート総合的最適化目的関数の初期設定値をF0=1.0×1010として設定するステップであり;
S5、圧延理論にしたがって各圧延スタンドのバイト角αiを計算するステップであり、計算式は:
S6、各圧延スタンドの振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり:
S6.1、各圧延スタンドの中立角γiを計算するステップであり、計算式は:
S6.2、γi/αi=A+=1である時にロールギャップがちょうど過潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から式:
S6.3、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζi(式中、aiは液体摩擦影響係数であり、ai=0.0125であり、biは乾燥摩擦影響係数であり、bi=0.1414であり、かつ、Biは摩擦係数減衰指標であり、Bi=−2.4280である)にしたがって、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値ζi +を計算するステップであり、 計算式は:
S6.4、γi/αi=A−=0.6である時にロールギャップがちょうど欠潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から式:
S6.5、摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζiにしたがって、各圧延スタンドの欠潤滑膜厚さ臨界値ζi −を計算するステップであり、計算式は:
S6.6、振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり、ζ0i=(ζi ++ζi −)/2であり、そこからζ0i={0.548, 0.762, 1.321, 1.207, 0.736}であることが得られ得;
S7、各圧延スタンドのエマルションフローレートをwi={900, 900, 900, 900, 900}L/分となるように設定するステップであり;
S8、各圧延スタンドのストリップ出口温度Tiを計算するステップであり、
S8.1、第1の圧延スタンドの出口温度T1を計算するステップであり:
S8.2、i=1であることを可能にするステップであり;
S8.3、第1の圧延スタンドの出口の後ろのストリップの第1のセクションの温度Ti, 1を計算するステップであり、すなわち、Ti, 1=Ti=169.96℃であり;
S8.4、j=2であることを可能にするステップであり;
S8.5、以下の式によってj番目のセクションの温度とj−1番目のセクションの温度との間の関係を示すステップであり:
S8.6、不等式j<mが確立されているか否かを判定し、そうであれば、j=j+1であることを可能にし、かつ、その後でステップS8.5ヘと向かい;そうでなければ、ステップS8.7へと向かうステップであり;
S8.7、最終的に反復計算によってm=30番目のセクションの温度Ti, 30=101.25℃を得るステップであり;
S8.8、第2の圧延スタンドの入口温度T2 rを計算するステップであり:T2 r=Ti, m=101.25℃であり;
S8.9、第2の圧延スタンドの出口温度T2を計算するステップであり:
S8.11、各圧延スタンドの出口温度Ti={177.96, 172.78, 184.59, 191.77, 203.33}℃を得るステップであり;
S9、エマルションフローレート総合的最適化目的関数F(X)を計算するステップであり;
S9.1、各圧延スタンドのロールギャップ間のエマルションの動粘性率η0iを計算するステップであり、η0i=b・exp(−a・Ti)であり、式中、a,bは、気圧下での潤滑油の動粘性率パラメーターであり、かつ、a=0.15,b=2.0からη0i={5.45, 5.02, 5.98, 5.45, 5.76}であることが得られ得;
S9.2、以下の式にしたがって各圧延スタンドのロールギャップ間の油膜厚さζiを計算するステップであり:
S9.3、エマルションフローレート総合的最適化目的関数を計算するステップであり:
S10、F(X)=0.91<F0=1×1010が確立されていれば、wi y-=wi={900, 900, 900, 900, 900}L/分であることを可能にし、F0=F(X)=0.91であり、ステップS11へと向かうステップであり、後に続くxの計算プロセスでは、対応するF(X)は、wiの変化を伴って得られ、かつ、x番目のF0は、x−1番目のF(X)である。x番目のF(X)がx−1番目のF(X)より小さければ、F(X)<F0であると判断され、ステップS11へと向かい;
S11、エマルションフローレートwiが実行可能な領域範囲を越えているか否かを判定し、そうであればステップS12へと向かい、そうでなければステップS7へと向かうステップであり;かつ、
S12、最適なエマルションフローレート設定値wi y={1016, 1040, 1266, 1681, 1111}L/分を出力するステップである。
Claims (5)
- 以下のステップを有することによって特徴付けられる、冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法であって、該ステップは:
(S1)冷間連続圧延機のデバイス特徴パラメーターを収集するステップであり、該デバイス特徴パラメーターは以下の項目を有し、該項目は:各圧延スタンドの作業ロールの半径Ri、各圧延スタンドのロールの表面線速vri、各圧延スタンドの作業ロールの元々の粗さRair0、作業ロールの粗さ減衰係数BL、圧延スタンド間の距離lおよび各圧延スタンドの作業ロールのロール交換後の圧延キロメートルLiであり、iは1、2、...、nであり、かつ、冷間連続圧延機の圧延スタンドの序数を表し、かつ、nは圧延スタンドの総数であり;
(S2)ストリップの重要な圧延プロセスパラメーターを収集するステップであり、該重要な圧延プロセスパラメーターは以下の項目を有し、該項目は:各圧延スタンドの入口厚さh0i、各圧延スタンドの出口厚さh1i、ストリップ幅B、各圧延スタンドの入口速度v0i、各圧延スタンドの出口速度v1i、入口温度T1 r、各圧延スタンドのストリップ変形抵抗Ki、各圧延スタンドの圧延圧力Pi、各圧延スタンドの後方張力T0i、各圧延スタンドの前方張力T1i、エマルション濃度影響係数kc、潤滑剤の圧力粘度係数θ、ストリップ密度ρ、ストリップの比熱容量S、エマルション濃度C、エマルション温度Tcおよび熱の仕事当量Jであり;
(S3)エマルションフロー最適化方法に関連するプロセスパラメーターを定めるステップであり、該プロセスパラメーターは、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値ζi +、この時における摩擦係数ui +、欠潤滑膜厚さ臨界値ζi −、および、この時における摩擦係数ui −、圧下量△hi(△hi=h0i−h1i)、圧下率εi(εi=△hi/h0i)、各圧延スタンドの入口温度Ti r、過潤滑判断係数A+、ならびに、欠潤滑判断係数A−を有し、かつ、圧延スタンド間の距離lをm個のセクションへと均等に分割するステップであり、該セクションにおける温度は、Ti, j(l<j<mであり、かつ、Ti r=Ti-l, mである)によって表され;
(S4)振動抑制を達成するための冷間連続圧延機のエマルションフローレート総合的最適化目的関数の初期設定値をF0=1.0×1010として設定するステップであり;
ステップS1〜S4の実行順は限定されず;
(S5)圧延理論にしたがって各圧延スタンドのバイト角αiを計算するステップであり、計算式は以下の通りであり:
Ri’は、i番目の圧延スタンドの作業ロールの平坦化半径であり、かつ、圧延圧力の計算プロセス値であり;
(S6)各圧延スタンドの振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり;
(S7)各圧延スタンドのエマルションフローレートwiを設定するステップであり;
(S8)各圧延スタンドのストリップ出口温度Tiを計算するステップであり;
(S9)エマルションフローレート総合的最適化目的関数F(X)を計算するステップであり:
(S10)不等式F(X)<F0が確立されているか否かを判定し、そうであれば、wi y-=wiであることを可能にし、F0=F(X)であり、かつ、ステップS11へと向かい;そうでなければ、ステップS11へと直接向かうステップであり;
(S11)エマルションフローレートwiが実行可能な領域範囲を越えているか否かを判定し、そうであればステップS12へと向かい、そうでなければステップS7へと向かうステップであり、wiの実行可能な領域は、0から圧延機によって許容される最大エマルションフローレートの範囲であり;かつ、
(S12)最適なエマルションフローレート設定値wi yを出力するステップであり、wi yは、実行可能な領域におけるF(X)の計算値が最小である時のwiの値である、
前記の冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法。 - ステップS6が以下のステップを有することを特徴とし、該ステップは:
(S6.1)各圧延スタンドの中立角γiを計算するステップであり:
(S6.2)γi/αi=A+である時にロールギャップがちょうど過潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から:
を得るために計算するステップであり;
(S6.3)摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζi(式中、aiは液体摩擦影響係数であり、biは乾燥摩擦影響係数であり、かつ、Biは摩擦係数減衰指標である)にしたがって、各圧延スタンドの過潤滑膜厚さ臨界値ζi +を計算するステップであり:
であり;
(S6.4)γi/αi=A−である時にロールギャップがちょうど欠潤滑状態であると仮定して、ステップS5およびS6.1から:
を得るために計算するステップであり;
(S6.5)摩擦係数と油膜厚さとの間の関係式、すなわち、ui=ai+bi・eBi・ζiにしたがって、各圧延スタンドの欠潤滑膜厚さ臨界値ζi −を計算するステップであり、
であり;かつ、
(S6.6)振動判定指標基準値ζ0iを計算するステップであり、ζ0i=(ζi ++ζi −)/2である、
請求項1に記載の冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法。 - ステップS8が以下のステップを有することを特徴とし、該ステップは:
(S8.1)第1の圧延スタンドの出口温度T1を計算するステップであり:
であり;
(S8.2)i=1であることを可能にするステップであり;
(S8.3)i番目の圧延スタンドの出口の後ろのストリップの第1のセクションの温度Ti, 1を計算するステップであり、すなわち、Ti, 1=Tiであり;
(S8.4)j=2であることを可能にするステップであり;
(S8.5)以下の式によって示されているj番目のセクションの温度とj−1番目のセクションの温度との間の関係によってストリップのj番目のセクションの温度Ti, jを計算するステップであり:
k0は、ノズル形状および噴霧角度の影響係数であり;
(S8.6)不等式j<mが確立されているか否かを判定し、そうであれば、j=j+1であることを可能にし、かつ、その後でステップS8.5ヘと向かい;そうでなければ、ステップS8.7へと向かうステップであり;
(S8.7)反復計算によってm番目のセクションの温度Ti, mを得るステップであり;
(S8.8)i+1番目の圧延スタンドの入口温度Ti+1 rを計算するステップであり:Ti+1 r=Ti, mであり;
(S8.9)i+1番目の圧延スタンドの出口温度Ti+1を計算するステップであり、
であり;
(S8.10)不等式i<nが確立されているか否かを判定し、そうであれば、i=i+1であることを可能にし、かつ、その後でステップS8.3ヘと向かい;そうでなければ、ステップS8.11へと向かうステップであり;かつ、
(S8.11)各圧延スタンドの出口温度Tiを得るステップである、
請求項2に記載の冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法。 - ステップS9が以下のステップを有することを特徴とし、該ステップは:
(S9.1)各圧延スタンドのロールギャップ間のエマルションの動粘性率η0iを計算するステップであり、η0i=b・exp(−a・Ti)であり、式中、a,bは、気圧下での潤滑油の動粘性率パラメーターであり;
(S9.2)各圧延スタンドのロールギャップ間の油膜厚さζiを計算するステップであり、計算式は以下の通りであり:
式中、krgは、作業ロールおよびストリップ鋼の長手方向表面粗さによって潤滑剤のエントレインメントの強度の係数を表し、かつ、0.09〜0.15の範囲内であり、Krsはインプレッションレート、すなわち、ストリップへと作業ロールの表面粗さを移送する割合を表し;かつ、
(S9.3)エマルションフローレート総合的最適化目的関数を計算するステップであり:
式中、X={wi}は最適化可変値であり、かつ、λは分配係数である、
請求項3に記載の冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法。 - 0.8<k0<1.2であることを特徴とする、請求項3に記載の冷間連続圧延機の振動を抑制するためのエマルションフロー最適化方法。
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