JP2002172405A - 圧延機の加減速板厚補正方法 - Google Patents

圧延機の加減速板厚補正方法

Info

Publication number
JP2002172405A
JP2002172405A JP2000371368A JP2000371368A JP2002172405A JP 2002172405 A JP2002172405 A JP 2002172405A JP 2000371368 A JP2000371368 A JP 2000371368A JP 2000371368 A JP2000371368 A JP 2000371368A JP 2002172405 A JP2002172405 A JP 2002172405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acceleration
correction
deceleration
thickness
rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000371368A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Okura
克寛 大倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000371368A priority Critical patent/JP2002172405A/ja
Publication of JP2002172405A publication Critical patent/JP2002172405A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は圧延機の加減速板厚補正方法に関す
る。被圧延材の加減速時に種々の要因で板厚が変動し均
厚の金属帯板の形成が難しかった。本発明は、圧延荷
重、圧延速度が入力されて加減速補正量計算器から出力
される加減速補正出力に出側の板厚計からの板厚偏差信
号で算出されたゲイン補正を行い均厚な金属帯板を形成
できる板厚方法の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明の加減速板厚補正方法は、圧延機
の加減速で生じる圧延を行う金属帯板の板厚変動を防止
するために、圧延機出側の板厚計で金属帯板の板厚偏差
を検出し、検出した板厚偏差値から金属帯板走行パスで
の加減速板厚補正効果をオンライン確認し、この結果か
ら加減速補正出力のゲインを変えて、金属帯板を予め設
定している板厚に自動的に修正するようにした。これに
より、被圧延材の加減速時でも、その補正効果を圧延機
出側の板厚計の板厚偏差検出値で確認し、この確認によ
り加減速補正出力のゲインを修正し、加減速板厚補正を
効果的に、しかも正確に行なうことが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被圧延材を圧延し
て、均厚にされた金属帯板を製造する冷間圧延機等の圧
延機において、圧延中に生じる被圧延材の加速、減速等
の速度変化に伴い生じる板厚変動を防止し、被圧延材の
加減速にも拘わらず均厚の金属帯板を形成できるように
した圧延機の加減速板厚補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に被圧延材を均厚に圧延して製品化
される金属帯板の品質は、金属帯板の板厚や板形状の精
度によって評価されることが多い。このため、板厚偏差
を小さく、出来る限り精度良く、しかも、均一になるよ
うに圧延出来るようにした、圧延機の自動板厚制御(A
utomatic Gauge Control;以下
AGCという)装置が開発され、所謂圧延機が定速で運
転される定常圧延部においては、金属帯板面内の板厚偏
差を小さくし、しかも、出来る限り均一になるように制
御できるようにした、各種の自動板厚制御装置が此れま
で開発され、それぞれ効果的な結果が得られるようにし
ている。
【0003】しかしながら、板厚を均一にするために圧
延機を通過する、所謂被圧延材の圧延速度が変化する加
減速時においても、金属帯板の板厚精度の制御を良好に
するための試験研究は、これまでも行なわれてはいる
が、まだ充分な効果を有するものが得られていないのが
現状である。即ち、圧延を行う被圧延材速度の変化時、
特に、被圧延材に大きな加減速が生じるときでも、これ
ら被圧延材速度の変動に伴い生じる板厚変動を補正し、
均一な板厚の金属帯板を製造できる機能を有し、均一板
厚の金属帯板に加工できる圧延機の自動板厚制御装置の
開発が近年重要な事項となっている。
【0004】ちなみに、被圧延材のこの圧延速度の加減
速時において、板厚を設定されている制御値から変動さ
せ、均厚な金属帯板の形成を阻害する要因としては、
(1)圧延速度の変化による摩擦係数の変化、(2)圧
延機の入側や出側で生じる張力変動、(3)圧延速度の
変化に伴う無駄時間の変化、(4)摩耗や熱膨張などに
より生じるワークロールの偏心等、などが考えられてい
る。
【0005】これらの圧延速度変動に伴い生じる金属帯
板の板厚変動を補正する方法として、従来多く用いられ
ている補正方法は、被圧延材速度の変化とその圧延後の
板厚への影響、例えば、圧延速度と圧延荷重などからの
金属帯板の板厚への影響量を予め計測等により求めてお
き、実際の圧延作業においては、この予め求めている圧
延速度と圧延荷重などを、金属帯板への板厚への影響量
の予測値として使用し、圧延を行うようにした方法がこ
れ迄採用されている。
【0006】図7は、加減速時に生じる金属帯板の板厚
変動を補正するために、圧延速度Vと圧延荷重Pおよび
これらの物理量が圧延加工時に金属帯板の板厚へどのよ
うに影響するかを予測して定められた加減速補正出力Δ
Sの関係の1例を示す図である。即ち、図に示すような
圧延速度V、圧延荷重P値に従って、油圧圧下シリンダ
6の圧下位置を修正する、いわゆる、加減速補正出力Δ
Sを修正して、圧延速度V、圧延荷重Pの変化に伴う金
属帯板4の板厚変動を、加減速補正出力ΔSを変えるこ
とにより補正するようにしたものである。
【0007】図3に示す本発明の圧延機の加減速板厚補
正方法にも採用するようにしている、加減速板厚補正装
置1の全体ブロック図に示している加減速補正装置12
には、図7に示すような圧延機5のロールギャップを金
属帯板4の板厚に補正するための例えば異なる4種類の
圧延荷重値P1 、P2 、P3 、P4 からなる圧延荷重
P、横軸方向を水平軸方向を走行する金属帯板4の圧延
速度V、縦軸方向を加減速補正出力ΔSにした特性曲線
上において、実際の圧延作業で圧延を行う金属帯板4の
圧延速度Vを変動させながら、各圧延速度Vj =Vl
m における、圧延荷重Pk =P1 〜P4 で定まる加減
速補正出力ΔSkjを予め計測し、プロットしたグラフを
準備しておく。
【0008】なお、同図から明らかなように、ΔS11
ΔS21、ΔS31……ΔSm1は、圧延荷重値P=P1 にお
ける各圧延速度V1 、V2 、V3 ……Vm における加減
速補正出力、ΔS12、ΔS22、ΔS32……ΔSm2は、圧
延荷重値P=P2 における各圧延速度、V1 、V2 、V
3 ……Vm における加減速補正出力である。
【0009】同図から明らかなように、圧延荷重PがP
1 、P2 、P3 、P4 の圧延荷重値に一致するときに
は、圧延速度V、圧延荷重Pの変化に対応して設定され
ている加減速補正出力ΔSkjを基に、圧延荷重P、圧延
速度Vごとの加減速補正出力ΔSkjを選択して使用する
ようにすれば良いが、例えば、図7において点線で示す
如く、圧延荷重Pが圧延荷重A1 〜A2 間に位置する圧
延荷重値P0 の圧延荷重であり、同様に圧延速度Vが圧
延速度V2 〜V3 間の、圧延速度V0 時における加減速
補正出力ΔS0 を求める場合は、加減速補正出力Δ
21、ΔS31、ΔS22、ΔS32で囲まれた点線で示す圧
延荷重値P0 と圧延速度V0 との交点位置に加減速補正
出力ΔS0 があることを補間法により予測して決定する
ようにしている。
【0010】このように、予めデータが準備されている
圧延荷重P、圧延速度V以外の条件で被圧延材の圧延が
行なわれる場合の加減速補正出力ΔSkjは、図7に示し
た加減速補正出力ΔS0 と同様に通常線形補間により、
算定して使用できるようにしている。また、各圧延速度
j における加減速補正出力ΔSkjを使って、圧延機5
のロールギャップを圧延を行う金属帯板4の板厚に応じ
て制御し、しかも、金属帯板(被圧延材)4の圧延速度
Vが変化しているときでも均一な板厚制御をできるよう
にするためには、前述した図3に示されている加減速補
正装置12に設けられている、従来の加減速板厚補正方
法に採用されている制御ブロック図を使って行われてい
る。
【0011】即ち、前述した図7に示すデータに基づい
て、図1に示すように圧延荷重P及び圧延速度V及び加
減速補正開始信号St の入力を基に、加減速補正出力の
予測計算を行う加減速補正量計算器50により、加減速
補正出力ΔSの計算を行い、計算された加減速補正出力
ΔSを油圧圧下制御装置14へ出力し、図3に示す油圧
圧下シリンダ6へ圧油を供給するサーボ弁19を制御す
ることによって、圧延速度V、圧延荷重Pに応じて、金
属帯板4の加減速板厚補正を実行させるようにしてい
る。尚、この油圧圧下シリンダ6への出力には、加減速
補正量計算器50からの加減速補正出力ΔS以外にも、
AGC装置13からのAGC補正出力信号も加算されて
出力される。
【0012】しかしながら、前述した従来の加減速板厚
補正装置を採用した従来の加減速板厚補正方法は、基本
的に圧延荷重P、圧延速度Vを基に加減速補正出力△S
を決定する予測制御であるため、圧延条件や被圧延材の
材質の違い等により、その加減速板厚補正が効果的に実
施できない場合が多い。即ち、従来の方法で実際に金属
帯板の加減速板厚補正をするようにした場合、前述した
補正方法において、事前に定めるようにしている補正値
が実際必要とする補正値(理想値)に対し大きく違って
しまうことがあり、そのような場合には、期待した効果
が得られないばかりか、逆に悪い結果をもたらすことが
多い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の加減速板厚補正方法の問題点を解決するため、圧延
が行われている被圧延材の加減速時に、従来の加減速補
正を行うと同時に、その補正効果を圧延機の出側に設置
されている板厚計からの板厚偏差検出値をオンラインで
確認し、その結果に基づき前述した従来の加減速板厚補
正を行うようにしている加減速補正出力のゲインを修正
することにより、加減速板厚補正を効果的に、しかも正
確に行わしめ、均一な板厚の金属帯板を形成することが
できる圧延機の加減速板厚補正方法を提供することを課
題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、第1番目の本
発明の圧延機の加減速板厚補正方法は、次の手段を採用
した。
【0015】(1)被圧延材を圧延し均厚の金属帯板を
形成する圧延機の加減速で生じる、金属帯板の板厚変動
を防止する圧延機の加減速板厚補正方法で、補正を行な
う圧延機の出側に設置されている板厚計により圧延中の
金属帯板の板厚偏差を検出し、検出された板厚偏差値か
ら圧延中の金属帯板が走行している当該パスでの加減速
板厚補正の効果をオンラインで確認し、オンライン確認
結果に基づき加減速補正量計算部から出力され、圧延機
のロールギャップを、金属帯板の板厚を設定されている
圧延速度、圧延荷重に合わせて事前に定められている板
厚に、自動的に修正できる加減速補正出力のゲインにで
きるものにした。
【0016】(a)これにより、圧延が行なわれている
被圧延材の加減速時に、従来の加減速補正を行なうと同
時に、その補正効果を圧延機の出側に設置されている板
厚計の板厚偏差検出値をオンラインで確認し、その結果
により従来の加減速板厚補正を行なう出力値のゲインを
修正することにより、加減速補正出力を修正し加減速板
厚補正を効果的に、しかも正確に行なうことが出来る。
【0017】また、第2番目の本発明の圧延機の加減速
板厚補正方法は、上述(1)に加え、次の手段を採用し
た。
【0018】(2)前述した(1)項の圧延機出側の板
厚計で検出された板厚偏差の検出値が、計算部へサンプ
リング周期毎に入力された複数個の移動平均計算値によ
り、オンライン確認された移動平均計算値に基づき出力
ゲインを変動させ、板厚偏差を小さくした金属帯板を形
成するものとした。
【0019】(b)これにより、上述(a)に加え、こ
の方法により移動平均値を算出すると、算出された移動
平均値の極性がプラスかマイナスが判定され、プラスか
マイナスの極性判定により、ゲイン補正係数を大きく
し、又は小さくして、加減速補正出力のゲインを加減速
ゲイン補正係数Gj 又はGj ’により修正することによ
り、金属帯板の効果的な加減速板厚補正方法を実現する
ことができる。
【0020】また、第3番目の本発明の圧延機の加減速
板厚補正方法は、上述(2)に加え、次の手段を採用し
た。
【0021】(3)前述した(2)項の出側の板厚計の
板厚偏差検出値が、オンライン確認を行なう移動平均計
算部により算出された移動平均値のゲイン補正係数が決
定された後、このゲイン補正係数に重み係数部から、さ
らに重み係数が付与され、加減速板厚補正の出力ゲイン
をより精度の高いものに自動補正するものにした。
【0022】(c)これにより、上述(b)に加え、加
減速補正出力の加減速板厚補正装置では、乗算部におい
て前述したように、加減速補正出力のゲインを加減速ゲ
イン補正係数Gj 又はGj ’により修正するとき、補正
機能のハンチング現象を引き起こすことがあるが、重み
係数部により加減速補正出力の補正開始した直後は、例
えば、加減速ゲイン補正係数Gj をやや少なくする重み
係数を掛け、除々に加減速ゲイン補正係数Gj を大きく
するなど、その効果を確認しながら補正することによ
り、ハンチング現象等の異常現象の発生を防止した加減
速板厚補正をすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の圧延機の加減速板
厚補正方法の実施の一形態を図面にもとづき説明する。
なお、前述した図3、図7、図8に示したものと同じ部
材には、同一符号を符して説明は省略する。図1は、本
発明の圧延機の加減速板厚補正方法の実施の一形態に採
用される加減速補正装置の制御ブロック図、図2はゲイ
ン補正係数を決定する方法において使用される不感帯を
説明するための図、図3は図1に示す加減速補正装置の
制御ブロック図を設ける加減速板厚補正装置を示すブロ
ック図である。
【0024】まず、図3において、5は金属帯板4の両
側端を交互に巻取り/巻出すリール2、3により、被圧
延材を圧延して製造する金属帯板4を正逆に移動させな
がら均一な厚さになるように圧延する可逆冷間式の圧延
機、6は圧延機5の油圧圧下シリンダ、7はロードセル
である。また、8及び9は圧延機の入側、出側にそれぞ
れ配置した板厚計、10及び11は圧延機5の入側、出
側にそれぞれ配置され、圧延速度を検出する板速度計、
12は加減速補正装置、13はAGC装置である。
【0025】加減速補正装置12とAGC装置13に
は、入側、出側の板厚計8及び9からの板厚偏差信号Δ
H及びΔhと、入側の板速度計10又は出側の11から
の板速度(圧延速度)信号V又はvと、圧延機5に設け
たロードセル7からの圧延荷重信号Pが、共に入力され
るように構成されている。
【0026】次に、図1は、図3に示され本発明の圧延
機の加減速板厚補正方法の第1形態に採用されている、
加減速補正装置12の内部構成を具体的に示すブロック
図である。
【0027】この実施の第1形態に採用され、加減速板
厚補正を実施する加減速補正装置12は、圧延荷重信号
Pと板速度信号Vを基に予測加減速補正値を算出するよ
うにしている、図8に示した従来型の加減速補正量計算
器50と、従来型補正量計算部50からの出力ΔSが入
力され、後述するゲイン補正係数決定装置24からの補
正ゲインGj (又はGj ′)を乗ずる乗算部20と、図
3に示す出側の板厚計9から入力される板厚偏差信号Δ
hを、圧延速度Vj によりシフトする板厚偏差シフト装
置21と、圧延速度シフト装置21からの板厚偏差信号
Δhn を基に移動平均値Δhn を数1で求める計算部と
からなる。
【0028】
【数1】
【0029】また、この計算部22での移動平均値Δh
n の計算結果の上、下限をそれぞれ限定するリミッタ・
不感帯装置23と、リミッタ・不感帯装置23を経て与
えられたデータを基に、前述した乗算部20で従来型補
正量計算器50からの加減速補正出力ΔSに乗ずるゲイ
ン補正係数Gj を決定するゲイン補正係数決定装置24
とで構成されている。
【0030】次に、上述した本実施の形態の加減速板厚
補正方法の第1形態の実施に採用されている加減速補正
装置12についての作用効果を、図に基づき詳細に説明
する。
【0031】先ず、図8においても示した図1に示す従
来の加減速補正計算器50について説明する。この加減
速補正計算器50は、図8においても示しているよう
に、圧延荷重P及び圧延速度V及び加減速補正開始信号
t を入力し、加減速補正出力ΔSを算出するようにし
ているが、図1に示す加減速補正計算器50において
も、金属帯板4の圧延に際し、図3に示す入側の板速度
計10及び出側の板速度計11で板速度信号(圧延速
度)Vj 又はvj を検出し、これらの板速度信号Vj
はvj を入力する。
【0032】また、その時にロードセル7により圧延機
5の圧延荷重Pを計測し、そのときの圧延荷重信号Pk
も加減速補正計算器50に入力するようにしている。こ
の入力された圧延荷重信号Pk により、図7に示すよう
に予め定められている複数の加減速補正曲線に中から、
その時の圧延荷重P0 に対する加減速補正曲線を選定
し、この選定された加減速補正曲線を用いて、ロードセ
ル7からの圧延荷重Pk 及び板速度計10、11からの
板速度信号(圧延速度)Vj 又はvj に対応している圧
下位置補正値ΔSを決定する。
【0033】例えば、図7において説明したように、現
在の圧延荷重Pk がP1 とP2 との間にあれば、下から
1番目と2番目の加減速補正曲線を選定し、その上で、
現在の圧延速度V0 がV2 とV3 の間にあれば、左から
2番目と3番目の直線を選定する。そこでP0 について
はP1 とP2 と内挿補間を、V0 についてはV2 とV3
との内挿補間をして、補間で得られた圧延荷重Po と圧
延速度V0 との交点を加減速補正値S0 として決定す
る。
【0034】このようにして、従来の加減速板厚補正方
法は行われていたが、本実施の形態の加減速板厚補正方
法では、次のような方法を採用するようにしている。
【0035】従来の加減速板厚補正方法と同様に、本実
施の形態の加減速板厚補正方法では、加減速補正開始
後、圧延機の出側の板厚計9の板厚偏差出力Δhを適当
なサンプリング周期(例えば、5msec)毎に、図1
に示す加減速補正装置12、より具体的には、図1に示
す板厚偏差シフト装置21を経て計算部22へ5mse
c毎の板厚偏差出力Δhを入力する。これらの計算部2
2へサンプリング周期毎に入力された板厚偏差出力Δh
の値をΔh1 、Δh2 …Δhi …としたとき、これらの
値からN点(例えば5点)の移動平均値を算出すると、
数2に示すようになる。
【0036】
【数2】
【0037】このようにして算出された移動平均値の絶
対値Δhj (なお、数2においては、hの上方にーを記
載しているが、出願書式上の都合からーを省略したもの
で示すこととする。以下同じ)に対して、その極性がな
んであるのか、即ち+(プラス)か−(マイナス)かを
次に判定する。この判定で移動平均値Δhj の極性が+
(プラス)であると判定されれば、加減速板厚補正の出
力がやや少なく、それにより補正誤差が生じたと判断で
き、この場合、例えば、移動平均値Δhj の絶対値とし
たとき、ゲイン補正係数決定装置24の出力を、数3で
示すゲイン補正係数Gj 倍だけ大きくする。
【0038】
【数3】
【0039】なお、数3で算出された加減速補正係数G
j の最大値を、Gj maxとしてリミッタ・不感帯装置
23に設けられているリミッタにかける。また、逆に移
動平均値Δhj の極性が−(マイナス)であると判定さ
れれば、加減速補正の出力がやや大きく、それにより過
補正となり補正誤差が生じたと判断でき、この場合、例
えば、移動平均値Δhj の絶対値としたとき、数4で示
す、加減速板厚補正の出力を数4で示すGj ′倍だけ小
さくする。
【0040】
【数4】
【0041】このようにゲイン補正係数決定装置24で
算出された加減速補正係数Gj (又はGj ′)は乗算部
20へ入力され、ここで従来の加減速補正量計算器50
から出力される圧下位置補正量ΔSと掛けあわせる。な
お、数4で算出されたGj ′の最小値は、Gj minと
してリミッタ・不感帯装置23をかけるが、この時、必
要に応じ移動平均値Δhj の絶対値がある値(例えば±
1μm)以下の小さい値の場合は、図2に示すように補
正を行われないように不感帯が設けられているので、リ
ミッタ・不感帯装置23による数4により算出されたG
j ′による加減速板厚補正は行われず移動平均値Δhj
はそのまま乗算部20へ入力される。
【0042】以上の手順により、従来の加減速補正出力
ΔSに対するゲイン補正量Gj (又はGj ′)が決定さ
れ、その値を上述のようにΔSに掛け合わせることによ
り、最終の加減速補正出力ΔS* は、この加減速補正装
置12による金属帯板4の加減速板厚補正のタイムチャ
ートである図4に示すようになる。
【0043】上述した説明では、圧延機5として図3に
示すような可逆式の圧延機5を示したが、このような加
減速板厚補正方法に採用される圧延機はタンデム式冷間
圧延機であっても良いものである。また、従来の加減速
板厚補正方法は、前述しているもの以外の、例えば、ロ
バスト制御の手法を応用した補正方法であっても、本実
施の形態の圧延機の加減速板厚補正方法を適用できるも
のである。
【0044】さらに、上述の構成によれば、金属帯板4
を圧延する圧延機5に関し、圧延中に加減速板厚補正を
行っている圧延機5において、その圧延機5出側に設置
されている板厚計9により板厚偏差を検出し、その検出
値から当該パスでの加減速板厚補正ΔSの効果をオンラ
インで確認し、その確認結果に基づき、加減速板厚補正
ΔSの出力ゲインを、加減速ゲイン補正係数Gj 又はG
j ′により自動的に修正させることにより効果的な加減
速板厚補正方法を実現することができる。
【0045】次に、図5は本発明の圧延機の加減速板厚
補正方法に採用される他の実施の形態にかかる加減速補
正装置を、図1に対応して示した加減速板厚補正装置の
制御ブロック図である。図1との比較から明らかなよう
に、この実施の形態においては、図1に示す実施の形態
の構成にゲイン補正係数決定装置24と乗算部20との
間に重み係数部26を追加して設け、加減速補正開始信
号St を伝達するタイマ25をこの重み係数部26に接
続して構成するようにしたものである。
【0046】即ち、本実施の形態の加減速板厚補正装置
12′では乗算部20において、加減速板厚補正出力Δ
Sにゲイン補正係数Gj 又はGj ′を掛け合わせる時
に、必要に応じ補正の掛け方を微調整することがある。
この実施の形態では、この補正の掛け方を微調整できる
ようにした重み係数W(t)部26を、ゲイン補正係数
決定装置24と乗算部20との間に設けるようにした例
であり、加減速補正出力ΔSと重み係数部からの出力と
が掛け合わされ、最終的に補正された加減速補正出力Δ
* は数5で示すようになる。
【0047】
【数5】
【0048】この重み係数部26では、図6に示すよう
に、補正開始から5秒までは50%から100%まで徐
々に重み係数値を上げるようにし、5秒経過後は係数値
が1となるようにし、この時間の計測はタイマ25によ
り行うようにしている。
【0049】加減速板厚補正出力ΔSの加減速ゲイン補
正係数による急激な補正の開始は、補正機能のハンチン
グ現象を引き起こす可能性があるが、この重み係数部2
6を用いることにより、加減速板厚補正出力ΔSの補正
を開始した直後は加減速ゲイン補正係数Gj 、Gj ′を
やや少なくする重み係数W(t)を掛け、徐々に加減速
補正係数Gj 、Gj ′を大きくして加え、その効果を確
認しながら補正を実施させることで、ハンチング等の異
常現象を防止できる。
【0050】この重み係数部26及び重み係数部26を
作動させるためのタイマ25以外は、図1に示す加減速
板厚補正装置と同様であり、作用、効果も前述した実施
の第1形態で示したものと同様である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧延機の
加減速板厚補正方法は、被圧延材を圧延し均厚な金属帯
板を形成する圧延機の加減速時によりで生じる、金属帯
板の板厚変動を防止する圧延機の加減速板厚補正方法に
係り、補正を行なう圧延機出側の板厚計により検出され
た板厚偏差値から圧延中の金属帯板の走行パスでの減速
板厚補正の効果をオンラインで確認し、この確認に基づ
き加減速補正量計算部からの、加減速補正出力のゲイン
を変化させ板厚を事前に定められている値に自動的に修
正するようにした。
【0052】被圧延材の加減速時に従来の加減速補正と
同様に、その補正効果を圧延機の出側に設置されている
板厚計の板厚偏差検出値をオンラインで確認し、それに
より従来の加減速補正出力のゲインを修正することによ
り、加減速板厚補正を効果的に、しかも正確に行なうこ
とが出来る。
【0053】また、本発明の圧延機の加減速板厚補正方
法は、前述した圧延機出側の板厚計で検出された板厚偏
差の検出値が、計算部へサンプリング周期毎に入力され
た移動平均計算値により、確認されるものにした。
【0054】これにより、この方法により算出された移
動平均値の極性がプラスかマイナスが判定され、この極
性判定により、ゲイン補正係数を大きくし、又は小さく
する加減速補正出力のゲインを加減速ゲイン補正係数G
j 又はGj ′に修正し効果的な加減速板厚補正方法を実
現することができる。
【0055】また、本発明の圧延機の加減速板厚補正方
法は、出側の板厚計の板厚偏差検出値が、オンライン確
認を行なう移動平均計算部によるゲイン補正係数が決定
された後、このゲイン補正係数に重み係数が付与され、
加減速板厚補正の出力ゲインを自動補正するものにし
た。
【0056】これにより、加減速補正出力の加減速板厚
補正装置では、乗算部において前述したように、加減速
補正出力のゲインを加減速ゲイン補正係数Gj 又は
j ′により修正するとき補正機能のハンチング現象を
引き起こすことがあるが、その効果を確認しながら補正
することでハンチング現象等の異常現象の発生を防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延機の加減速板厚補正方法の実施の
第1形態に採用される加減速補正装置の制御ブロック
図、
【図2】ゲイン補正係数決定装置に設けた不感帯を説明
するための図、
【図3】図1に示す加減速補正装置を設けた加減速板厚
補正装置の全体を示すブロック図、
【図4】図1に示す加減速補正装置による金属帯板の加
減速板厚補正のタイムチャートを示す図、
【図5】本発明の圧延機の加減速板厚補正方法の実施の
第2形態に採用される加減速補正装置の制御ブロック
図、
【図6】図5に示す重み係数部の時間〜重み係数特性の
一例を示す図、
【図7】従来の加減速板厚補正方法において使用されて
いる圧延荷重、圧延速度および加減速補正出力の関係を
示す特性曲線図、
【図8】図7の特性曲線図から加減速補正出力を出力す
るためのブロック図である。 1 加減速板厚補正装置 2 リール 3 リール 4 金属帯板(被圧延材) 5 圧延機 6 油圧圧下シリンダ 7 ロードセル 8 入側の板厚計 9 出側の板厚計 10 入側の板速度計 11 出側の板速度計 12,12′ 加減速補正装置 13 AGC装置 14 油圧圧下制御装置 15 加算器 16 アンプ 17 圧下位置検出器 18 圧油供給器 19 サーボ弁 20 乗算部 21 板厚偏差シフト装置 22 計算部 23 リミッタ・不感帯装置 24 ゲイン補正係数決定装置 25 タイマ 26 重み係数部 50 加減速補正量計算器 P(Pk ) 圧延荷重 ΔS 加減速補正出力(圧下位置補正量) V(Vj ) 圧延速度 ΔSkj 圧延荷重値Pk における圧延速度Vj
の圧下位置補正量(加減速補正出力) St 加減速補正開始信号 ΔH 入側の板厚計からの板厚偏差信号 Δh 出側の板厚計からの板厚偏差信号 V 入側の速度計からの板速度信号(圧延速
度) v 出側の速度計からの板速度信号(圧延速
度) Gj ,Gj ′ 加減速ゲイン補正係数 Δhj 移動平均値 W(t) 重み係数

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被圧延材を圧延して均厚の金属帯板を形
    成するため、圧延機の加減速で生じる、前記金属帯板の
    板厚変動を防止する圧延機の加減速板厚補正方法におい
    て、補正を行なう圧延機の出側に設置されている板厚計
    により前記金属帯板の板厚偏差を検出し、その検出値か
    ら当該パスの加減速板厚補正の効果をオンラインで確認
    し、この確認結果により加減速板厚補正を行う加減速補
    正出力のゲインを、自動的に修正するようにしたことを
    特徴とする圧延機の加減速板厚補正方法。
  2. 【請求項2】 前記出側の板厚計の板厚偏差の検出値
    が、計算部へサンプリング周期毎に検出され、入力され
    た複数個の移動平均計算値によりオンライン確認され、
    前記移動平均計算値により加減速板厚補正を行うように
    したことを特徴とする請求項1の圧延機の加減速板厚補
    正方法。
  3. 【請求項3】 前記出側の板厚計の板厚偏差の検出値
    が、前記オンライン確認を行なう移動平均計算部により
    ゲイン補正係数が決定された後、このゲイン補正係数に
    重み係数部により算出された重み係数を付与し、加減速
    板厚補正の出力ゲインを自動的に補正するようにしてい
    ることを特徴とする請求項2の圧延機の加減速板厚補正
    方法。
JP2000371368A 2000-12-06 2000-12-06 圧延機の加減速板厚補正方法 Withdrawn JP2002172405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000371368A JP2002172405A (ja) 2000-12-06 2000-12-06 圧延機の加減速板厚補正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000371368A JP2002172405A (ja) 2000-12-06 2000-12-06 圧延機の加減速板厚補正方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002172405A true JP2002172405A (ja) 2002-06-18

Family

ID=18841105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000371368A Withdrawn JP2002172405A (ja) 2000-12-06 2000-12-06 圧延機の加減速板厚補正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002172405A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20100005115A (ko) 리버스식 압연기의 판두께 제어 장치
JP2009208115A (ja) 圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置、圧延シミュレーション装置
JP5734112B2 (ja) 圧延機での板厚制御方法
JP5196380B2 (ja) 圧延設備及びその制御方法
JP4700444B2 (ja) 圧延機の走間板厚変更時の板厚制御方法
JP2002172405A (ja) 圧延機の加減速板厚補正方法
EP0075960B1 (en) Control device for a continuous rolling machine
JP3067879B2 (ja) ストリップ圧延における形状制御方法
JP5158772B2 (ja) 圧延機の板厚制御装置及び圧延機の板厚制御方法
JP5637906B2 (ja) 冷間圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置
JP2022021794A (ja) 張力変動予測方法、張力変動予測モデルの生成方法、走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法
JP3531744B2 (ja) タンデム圧延機の板厚制御方法
JP2803573B2 (ja) テーパー鋼板の製造方法
JP4836876B2 (ja) タンデム圧延機の制御方法及びタンデム圧延機
JP3506119B2 (ja) タンデム圧延機の圧延負荷配分変更方法
JPS6129806B2 (ja)
KR100929015B1 (ko) 압연재 소성계수 보정에 의한 예측압연하중 보정방법
JP3237587B2 (ja) 熱間圧延方法
JP2950182B2 (ja) テーパー鋼板の製造方法
JP3345101B2 (ja) 金属帯板の冷間タンデム圧延制御方法及びその装置
KR100523218B1 (ko) 사상압연 입측 엣저 갭 설정 장치 및 그 방법
JP6834829B2 (ja) タンデム式冷間圧延設備およびタンデム式冷間圧延設備の板厚制御方法
JP2763490B2 (ja) 圧延機のスタンド間張力制御方法
JPH11244921A (ja) 板尾端の蛇行制御方法
JPH06210338A (ja) タンデム圧延機の板厚制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304