JP2002171754A - 高電圧安定化回路 - Google Patents

高電圧安定化回路

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JP2002171754A
JP2002171754A JP2000369620A JP2000369620A JP2002171754A JP 2002171754 A JP2002171754 A JP 2002171754A JP 2000369620 A JP2000369620 A JP 2000369620A JP 2000369620 A JP2000369620 A JP 2000369620A JP 2002171754 A JP2002171754 A JP 2002171754A
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circuit
winding
current
switching
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力変換効率の向上、及び安定化特性の向上
を図る。 【解決手段】 一次側に電圧共振形コンバータのスイッ
チング出力を、直接的にフライバックトランスFBTの
一次巻線に対して伝送する接続態様を採る。そして、フ
ライバックトランスFBTの一次巻線に対して、LCR
並列共振回路であるリンギング抑制回路2を直列に接続
することで、一次巻線N1を介して流れる交番電流に重
畳されるリンギング電流を吸収して抑制するようにされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば陰極線管
(CRT)用の電源電圧を得るために、商用交流電源か
ら安定化された高電圧を生成する高電圧安定化回路に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機、プロジェクタ装置
などにおいては、表示デバイスとして陰極線管(以下C
RT(Cathode Ray Tube)という)を採用したものが広
く普及している。例えば本出願人が先行技術として提案
した、CRTを備えた各種ディスプレイ装置に搭載でき
る高電圧安定化回路(スイッチング電源回路)の例を図
6に示す。
【0003】先行技術としての図6の回路は、、いわゆ
るシングルエンド方式で自励式によりスイッチング動作
を行う電圧共振形コンバータを備えている。この電圧共
振形コンバータに備えられる1石のスイッチング素子Q
1には、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接
合型トランジスタ)が採用されている。
【0004】商用交流電源ACには、ブリッジ整流回路
Di及び平滑コンデンサCiから成る整流平滑回路が接
続されており、交流入力電圧VACのほぼ1倍のレベルに
対応する整流平滑電圧Eiを生成し、直流入力電圧とし
て後段の電圧共振形コンバータに供給する。
【0005】スイッチング素子Q1のベースには、駆動
巻線NB、共振コンデンサCB、ベース電流制限抵抗RB
の直列接続回路よりなる自励発振駆動用の直列共振回路
が接続され、自励式によりスイッチング素子Q1を駆動
する。なお、起動抵抗RSは、起動時のベース電流を整
流平滑ラインからスイッチング素子Q1に供給するため
に設けられる。また、クランプダイオードDDにより、
スイッチング素子Q1のオフ時に流れるクランプ電流の
経路を形成するようにされており、また、スイッチング
素子Q1のコレクタは、後述するフライバックトランス
FBTの一次巻線N1と接続される。さらにこの場合に
は、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対
してもクランプコンデンサDD1が設けられている。
【0006】また、上記スイッチング素子Q1に対して
は、並列共振コンデンサCrが並列に接続されている。
この並列共振コンデンサCrは、自身のキャパシタンス
と、フライバックトランスFBTの一次巻線N1側のイ
ンダクタンスL1とにより、スイッチング素子Q1の動作
を電圧共振形とするための並列共振回路を形成する。
【0007】直交形制御トランスPRTは、共振電流検
出巻線ND、駆動巻線NB、及び制御巻線NCが巻装され
た可飽和リアクトルである。この直交形制御トランスP
RTは、スイッチング素子Q1を駆動すると共に、定電
圧制御のために設けられる。
【0008】直交形制御トランスPRTにおいては、ス
イッチング素子Q1のスイッチング出力が、一次巻線N1
を介して共振電流検出巻線NDに伝達され、さらにトラ
ンス結合を介して駆動巻線NBに誘起されることで、こ
の駆動巻線NBにはドライブ電圧が発生する。このドラ
イブ電圧は、自励発振駆動回路(NB,CB,RB)を介
して、ドライブ電流としてスイッチング素子Q1のベー
スに出力される。これにより、スイッチング素子Q1
は、直列共振回路(NB,CB)の共振周波数により決定
されるスイッチング周波数でスイッチング動作を行うこ
とになる。なお、直交型制御トランスPRTによる安定
化動作については後述する。
【0009】スイッチング素子Q1に得られるスイッチ
ング出力は、高圧発生回路40を形成するフライバック
トランスFBTの一次巻線N1に対して伝達される。フ
ライバックトランスFBTは、図示するように、一次側
には一次巻線N1が巻装される。また、二次側には、二
次巻線として、5組の昇圧巻線NHV1,NHV2,NHV3,NH
V4,NHV5が巻装されている。これら昇圧巻線NHV1〜N
HV5は、実際には、分割されて各々独立した状態でコア
に巻装されている。これら昇圧巻線NHV1〜NHV5は、一
次巻線N1に対して逆極性となるように巻装されている
ことで、フライバック動作が得られるようになってい
る。
【0010】これら昇圧巻線NHV1,NHV2,NHV3,NH
V4,NHV5は、それぞれ図示するようにして、高圧整流
ダイオードDHV1,DHV2,DHV3,DHV4,DHV5の各々
と直列接続されることで、計5組の半波整流回路を形成
し、これら5組の半波整流回路がさらに直列に多段接続
されているものである。そして、これら5組の半波整流
回路から成る多段型整流回路に対して平滑コンデンサC
OHVが並列に接続されている。
【0011】フライバックトランスFBTの二次側にお
いては、5組の半波整流回路が昇圧巻線NHV1〜NHV5に
誘起された電圧を整流して平滑コンデンサCOHVに対し
て充電するという動作が得られる。これによって、平滑
コンデンサCOHVの両端には、各昇圧巻線NHV1〜NHV5
に誘起される電圧の5倍に対応するレベルの直流電圧が
得られる。そして、この平滑コンデンサCOHVの両端に
得られた直流電圧が直流高電圧EHVとされ、例えばCR
Tのアノード電圧として利用される。
【0012】また、直流高電圧EHVが得られる平滑コン
デンサCOHVに対しては、分圧抵抗R1−R2の直列接続
回路が並列に設けられる。そして、この分圧抵抗R1−
R2の分圧点の出力が制御回路1に対して検出電圧とし
て接続される。
【0013】制御回路1は、直流高電圧EHVの変化に応
じて、制御巻線NCに流す制御電流(直流電流)レベル
を可変することで、駆動巻線NBのインダクタンスLBを
可変制御する。これにより、駆動巻線NBのインダクタ
ンスLBを含んで形成されるスイッチング素子Q1のため
の自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振条件が変化
するのであるが、これは、スイッチング素子Q1のスイ
ッチング周波数を可変する動作となり、結果的には、直
流高電圧EHVを安定化制御することになる。つまり、こ
の図に示す回路においては、スイッチング周波数制御方
式によって直流高電圧EHVの安定化を図っている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図7に、上記
図6に示した高電圧安定化回路に備えられるフライバッ
クトランスFBTの等化回路を示す。この図に示す等化
回路としては、入力側に対して一次巻線N1の自己イン
ダクタンスLsが並列に接続され、正極入力は、一次巻
線N1のリーケージインダクタンスLLKの直列接続を介
して巻線N1の一端と接続される。また、巻線N1に対
して並列に、5組の昇圧巻線NHV1〜NHV5の分布容量を
一次側に変換した静電容量Coが接続される。また、各
昇圧巻線NHV1〜NHV5の分布容量はCsによって示され
る。
【0015】このような等化回路によれば、一次巻線N
1と昇圧巻線NHV(NHV1〜NHV5)との結合係数をk、
巻数比をnとすると、上記一次巻線N1のリーケージイ
ンダクタンスLLKは、
【数1】 により表される。また、上記した、5組の昇圧巻線NHV
1〜NHV5の分布容量を一次側に変換した静電容量Coに
ついては、
【数2】 により表されることになる。
【0016】そして図6に示した回路の実際としては、
フライバックトランスFBTの結合係数k=0.98と
なるのであるが、この場合、(数1)に基づいては、一
次巻線N1のリーケージインダクタンスLLKとしては、 LLK=0.04Ls・・・(式1) で表されることになる。また、図6に示す回路の実際と
して、一次巻線N1=50T、昇圧巻線NHV=530T
とすれば、静電容量Coは、 Co=53Cs・・・(式2) で表される。
【0017】そして、図6に示すフライバックトランス
FBTにあっては、ここではその構造の図示は省略する
が、コアの磁脚に対して2カ所のギャップが形成されて
おり、その実際のギャップ長としては、各々について
0.4mmとされている。このような構造の場合、一次
巻線N1=50Tの場合の一次巻線N1の自己インダクタ
ンスLsとしては、Ls=550μHとなることで、上
記式1により、一次巻線N1のリーケージインダクタン
スLLK=22μHとなる。また、各昇圧巻線NHV1〜NH
V5の分布容量Cs=100pFとされていることで、5
組の昇圧巻線NHV1〜NHV5の分布容量を一次側に変換し
た静電容量Coは、式2に基づいて、Co=5300p
Fとなるものである。
【0018】図6に示した回路では、上記のような値を
有するリーケージインダクタンスLLK及び静電容量Co
により共振回路が形成されることになる。そして、この
共振回路の共振作用によって生じる共振周波数foとし
ては、
【数3】 により表されることになる。そして、図6に示した回路
においては、上記(数3)に基づいて、周波数fo≒4
66KHzを有する高次高調波のリンギング(振動)電
流が、回路内の各部において重畳する。
【0019】図8及び図9の波形図により、上記したリ
ンギング電流の様子を示す。図8には、交流入力電圧V
AC=100V、直流高電圧EHV=31.5KV、直流高
電流IHV=2mAの条件での要部の動作波形が示され、
図9には、交流入力電圧VAC=100V、直流高電圧E
HV=31.5KV、直流高電流IHV=0mAの条件で
の、図8と同一部位の動作波形が示されている。また、
これらの図に示す実験結果を得るのにあたっては、並列
共振コンデンサCr=1000pFを選定している。
【0020】ここで、スイッチング素子Q1がオンとな
る期間TONにおいては、平滑コンデンサCi→一次巻線
N1→スイッチング素子Q1を介しての電流経路にリンギ
ング電流が重畳することで、図8及び図9に示すよう
に、スイッチング素子Q1のコレクタ電流IQ1、一次巻
線N1を流れる一次巻線電流I1、及びクランプダイオー
ドDD1に流れるクランプ電流ID2には、上記周波数fo
≒466KHzによる高調波が重畳された波形となって
いる。また、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TO
FFにおいては、平滑コンデンサCi→一次巻線N1→並
列コンデンサCrを介しての電流経路にリンギング電流
が重畳することで、同じく図8及び図9に示すようにし
て一次巻線電流I1、並列共振コンデンサCrを流れる
共振電流IC1は、高調波が重畳した波形となる。また、
これに応じて、理想的には期間TOFFには0レベルであ
るコレクタ電流IQ1についても若干の高調波成分が含ま
れている。そして、上記のようにして一次側で高調波成
分が各部に重畳する影響によって、フライバックトラン
スFBTの二次側の多段型整流回路に流れる二次側電流
IABLも、図8及び図9に示すようにして、高調波成分
の重畳によって歪んだ波形となる。
【0021】このようにして、高電圧安定化回路の一次
側及び二次側においては、フライバックトランスFBT
の結合係数に基づくリーケージインダクタンスLLKと各
昇圧巻線の分布容量に起因してリンギングが生じること
で、例えば或る一定の制御範囲に対する直流高電圧EHV
の電圧変動特性としては劣化することが分かっている。
図6に示した回路としては、スイッチング周波数制御方
式により安定化を図るようにされているが、上記した直
流高電圧EHVの電圧変動特性の劣化をカバーするため
に、スイッチング周波数fsの可変制御範囲を拡大する
必要が生じており、これが例えば回路設計を難しいもの
にしているという問題がある。なお、図6に示す回路の
実際としては、交流入力電圧VAC=100V±10V、
直流高電圧EHV=31.5KV、直流高電流IHV=2m
A〜0mAの範囲では、スイッチング周波数fs=6
5.8KHz〜92.5KHzの可変制御範囲となり、
その制御量としては、26.7KHzである。
【0022】また、図8及び図9にも示したように、ス
イッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFであっても、
コレクタ電流IQ1には僅かではあるが、高調波成分が重
畳して若干のレベルが現れている。これは、スイッチン
グ素子Q1のオフ時において、このスイッチング素子Q1
のコレクタ−エミッタ間の空乏層容量にもリンギング電
流の成分が流れ込むことに依るものであるが、このよう
な現象が生じることで、電力損失が増加することにな
る。また、高圧整流ダイオードDHV(DHV1〜DHV5)が
オフとなる期間は、一次側スイッチング素子Q1がオン
となる期間TONにほぼ対応するのであるが、この高圧整
流ダイオードDHVがオフとなる期間TONにおいても、そ
の空乏層容量に対して、図8及び図9に示される二次側
電流IABLのリンギング電流が流れることから、この部
位においても電力損失が生じていることになる。
【0023】このようにして電力損失が増加すること
で、図6に示す高電圧安定化回路全体としてのAC/DC電
力変換効率は低下する。実験によると、交流入力電圧V
AC=100V、直流高電圧EHV=31.5KV、直流高
電流IHV=2mAの条件下では、電力変換効率ηAC→DC
=80.2%という結果が得られた。この程度にまで電
力損失が大きくなった場合には、例えばスイッチング素
子Q1に対しては放熱板を設ける必要が生じるため、回
路の小型軽量化の点で不利となってしまう。また、フラ
イバックトランスFBTも、例えば室温25°の条件で
80°以上程度の内部発熱が生じる。
【0024】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、高電圧安定化回路として次のように構
成する。つまり、商用交流電源を整流平滑化して直流入
力電圧を得る整流平滑手段と、スイッチング素子を備
え、上記直流入力電圧を断続して出力するスイッチング
手段と、このスイッチング手段の動作を電圧共振形とす
るようにして形成される一次側並列共振回路と、スイッ
チング手段のスイッチング出力が伝達される一次巻線
と、この一次巻線とは密結合とされて、高圧とされる所
要のレベルの昇圧交番電圧が励起される二次巻線とを備
える高圧出力トランスとを備える。また、昇圧交番電圧
を入力して高圧とされる所要のレベルの直流高電圧を生
成して出力する直流高電圧生成手段を有し、直流高電圧
のレベルに応じて、上記スイッチング素子のスイッチン
グ周波数を可変することで、直流高電圧に対する定電圧
制御を行うようにされる定電圧制御手段を備える。そし
て、一次巻線に対して直列に接続され、インダクタ、コ
ンデンサ及び抵抗素子により形成される並列共振回路を
設けることとした。
【0025】上記したように、本発明の高電圧安定化回
路としては、一次側に備えられる電圧共振形コンバータ
のスイッチング出力を、例えばフライバックトランスと
される高圧出力トランスの一次側に対して直接的に伝達
するようにしている。そして、この高圧出力トランスの
二次側においては、この一次側に得られるスイッチング
出力により励起される昇圧交番電圧を利用して直流高電
圧を得るようにされる。また、この直流高電圧のレベル
に応じて、一次側電圧共振形コンバータのスイッチング
周波数を可変制御することで直流高電圧の安定化を積極
的に図るようにされる。そして、一次巻線に対して直列
に接続され、インダクタ、コンデンサ及び抵抗素子によ
り形成される並列共振回路を設けるようにされるのであ
るが、この並列共振回路によっては、当該高電圧安定化
回路の一次側に流れるリンギング電流を抑制する作用を
有する。
【0026】
【発明の実施の形態】図1の回路図は、本発明の実施の
形態としての高電圧安定化回路の構成を示している。こ
の図に示す回路は、その一次側において、1石のスイッ
チング素子Q1を備えて、いわゆるシングルエンド方式
で自励式によりスイッチング動作を行う電圧共振形コン
バータが設けられる。この場合、スイッチング素子Q1
には、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合
型トランジスタ)が採用されている。
【0027】この場合、商用交流電源ACには、ブリッ
ジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる整流平
滑回路が接続されている。そして、交流入力電圧VACに
ついて整流動作を行うことで、そのほぼ1倍のレベルに
対応する整流平滑電圧を生成し、上記電圧共振形コンバ
ータに対して、直流入力電圧として供給するようになっ
ている。
【0028】スイッチング素子Q1のベースは、起動抵
抗RS−ベース電流制限抵抗RBの直列接続回路を介して
平滑コンデンサCi(整流平滑電圧Ei)の正極側に接
続されて、起動時のベース電流を整流平滑ラインから得
るようにしている。また、スイッチング素子Q1のベー
スと一次側アース間には、駆動巻線NB、共振コンデン
サCB、ベース電流制限抵抗RBの直列接続回路よりなる
自励発振駆動回路が接続される。ここで、駆動巻線NB
−共振コンデンサCBの直列接続回路によっては、直列
共振回路を形成する。また、スイッチング素子Q1のベ
ースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に
挿入されるクランプダイオードDDにより、スイッチン
グ素子Q1のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成
するようにされており、また、スイッチング素子Q1の
コレクタは、フライバックトランスFBTの一次巻線N
1の巻終わり端部と接続され、エミッタは接地される。
さらに、本実施の形態の場合には、スイッチング素子Q
1のコレクタ−エミッタ間に対して、クランプダイオー
ドDD1が接続されるようにして設けられる。
【0029】また、上記スイッチング素子Q1のコレク
タ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが
並列に接続されている。この並列共振コンデンサCr
は、自身のキャパシタンスと、後述するフライバックト
ランスFBTの一次巻線N1側のインダクタンスL1とに
より電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成
する。そして、スイッチング素子Q1のオフ時には、こ
の並列共振回路の作用によって共振コンデンサCrの両
端電圧V1は、実際には正弦波状のパルス波形となって
電圧共振形の動作が得られるようになっている。
【0030】直交形制御トランスPRTは、共振電流検
出巻線ND、駆動巻線NB、及び制御巻線NCが巻装され
た可飽和リアクトルである。この直交形制御トランスP
RTは、スイッチング素子Q1を駆動すると共に、定電
圧制御のために設けられる。この直交形制御トランスP
RTの構造としては、図示は省略するが、4本の磁脚を
有する2つのダブルコの字形コアの互いの磁脚の端部を
接合するようにして立体型コアを形成する。そして、こ
の立体型コアの所定の2本の磁脚に対して、同じ巻回方
向に共振電流検出巻線ND、駆動巻線NBを巻装し、更に
制御巻線NCを、上記共振電流検出巻線ND及び駆動巻線
NBに対して直交する方向に巻装して構成される。
【0031】直交形制御トランスPRTの共振電流検出
巻線NDは、平滑コンデンサCiの正極とフライバック
トランスFBTの一次巻線N1との間に直列に挿入され
ることで、スイッチング素子Q1のスイッチング出力
は、一次巻線N1を介して共振電流検出巻線NDに伝達さ
れる。直交形制御トランスPRTにおいては、共振電流
検出巻線NDに得られたスイッチング出力がトランス結
合を介して駆動巻線NBに誘起されることで、駆動巻線
NBにはドライブ電圧としての交番電圧が発生する。こ
のドライブ電圧は、自励発振駆動回路を形成する直列共
振回路(NB,CB)からベース電流制限抵抗RBを介し
て、ドライブ電流としてスイッチング素子Q1のベース
に出力される。これにより、スイッチング素子Q1は、
直列共振回路(NB,CB)の共振周波数により決定され
るスイッチング周波数でスイッチング動作を行うことに
なる。
【0032】上記スイッチング素子Q1に得られるスイ
ッチング出力は、高圧発生回路40に対して供給され
る。高圧発生回路40は、フライバックトランスFBT
と、その二次側に設けられる高圧整流回路とを備えて形
成され、上記スイッチング素子Q1のスイッチング出力
は、フライバックトランスFBTの一次巻線N1に対し
て伝達される。
【0033】フライバックトランスFBTにおいては、
図示するように、一次側には一次巻線N1が巻装され
る。また、二次側には、二次巻線として、5組の昇圧巻
線NHV1,NHV2,NHV3,NHV4,NHV5が巻装されてい
る。これら昇圧巻線NHV1〜NHV5は、実際には、分割さ
れて各々独立した状態でコアに巻装されている。これら
昇圧巻線NHV1〜NHV5は、一次巻線N1に対して逆極性
となるように巻装されていることで、フライバック動作
が得られるようになっている。
【0034】また、この場合には、フライバックトラン
スFBTの一次側には低圧巻線N3が巻装されている。
低圧巻線N3は、コンデンサC3と共に半波整流回路を形
成しており、この半波整流回路によって生成された定圧
直流電圧は、制御回路1に対して過電圧保護のための検
出電圧として供給されている。
【0035】また、さらに本実施の形態の場合には、一
次巻線N1の巻始め端部と、共振電流検出巻線NDを介し
た平滑コンデンサCiの正極端子(整流平滑電圧Eiラ
イン)との間に対して、リンギング抑制回路2が直列に
挿入される。つまり、フライバックトランスFBTの一
次巻線N1に対して、リンギング抑制回路2が直列に接
続されるようにして設けられるものである。
【0036】このリンギング抑制回路2は、図示するよ
うにして、インダクタL10、コンデンサC10、及び抵抗
R10を備える。インダクタL10は、一次巻線N1の巻始
め端部と、共振電流検出巻線NDを介した平滑コンデン
サCiの正極端子との間に対して直列に挿入される。そ
して、このインダクタL10に対して、コンデンサC10−
抵抗R10の直列接続回路が並列に接続される。つまり、
いわゆるLCR並列共振回路を形成しているものであ
り、このLCR並列共振回路が、一次巻線N1に対して
直列に接続されている態様を採っているものである。な
お、このリンギング抑制回路2の動作については後述す
る。
【0037】上記昇圧巻線NHV1,NHV2,NHV3,NHV
4,NHV5は、それぞれ図示するようにして、高圧整流ダ
イオードDHV1,DHV2,DHV3,DHV4,DHV5の各々と
直列接続されることで、計5組の半波整流回路を形成
し、これら5組の半波整流回路がさらに直列に多段接続
されている。つまり、多段型整流回路を形成する。そし
て、これら5組の半波整流回路から成る多段型整流回路
に対して平滑コンデンサCOHVが並列に接続されること
で、二次側整流平滑回路を形成することになる。
【0038】但し、本実施の形態においては、図示する
ように、昇圧巻線NHV5の巻始め端部と、平滑コンデン
サCOHVの負極端子間に対して、図示するように、高圧
整流ダイオードDHV1〜DHV5と同一の導通方向によっ
て、追加高圧整流ダイオードDHV6を直列に接続してい
る。つまり、二次側整流平滑回路の整流電流経路内にお
ける、多段型整流回路の最下段に対して追加高圧整流ダ
イオードDHV6を設けているものである。なお、追加高
圧整流ダイオードDHV6を設けたことによる作用効果に
ついては後述する。
【0039】上記した二次側整流平滑回路の動作として
は次のようになる。つまり、フライバックトランスFB
Tの二次側においては、5組の半波整流回路が昇圧巻線
NHV1〜NHV5に誘起された電圧を、高圧整流ダイオード
DHV1〜DHV5(及び追加高圧整流ダイオードDHV6)に
より整流して平滑コンデンサCOHVに対して充電すると
いう動作が行われる。これによって、平滑コンデンサC
OHVの両端には、各昇圧巻線NHV1〜NHV5に誘起される
電圧の5倍に対応するレベルの直流電圧が得られる。そ
して、この平滑コンデンサCOHVの両端に得られた直流
電圧が直流高電圧EHVとして出力されることになる。こ
の直流高電圧EHVは、例えばCRTのアノード電圧とし
て利用される。
【0040】また、直流高電圧EHVが得られる平滑コン
デンサCOHVに対しては、分圧抵抗R1−R2の直列接続
回路が並列に設けられる。そして、この分圧抵抗R1−
R2の分圧点は、制御回路1に対して接続される。つま
り本実施の形態においては、制御回路1に対しては、検
出電圧として、直流高電圧EHVを分圧抵抗R1−R2によ
り分圧して得られる電圧レベルが入力されることにな
る。
【0041】制御回路1は、直流高電圧EHVの変化に応
じて、制御巻線NCに流す制御電流(直流電流)レベル
を可変することで、直交形制御トランスPRTに巻装さ
れた駆動巻線NBのインダクタンスLBを可変制御する。
これにより、駆動巻線NBのインダクタンスLBを含んで
形成されるスイッチング素子Q1のための自励発振駆動
回路内の直列共振回路の共振条件が変化する。これは、
スイッチング素子Q1のスイッチング周波数を可変する
動作となり、この動作によってフライバックトランスF
BTにおいて一次側から二次側に伝送されるエネルギー
が変化する。これにより、直流高電圧EHVについて所要
の一定レベルが保たれるように制御が行われる。つま
り、この図に示す回路においては、スイッチング周波数
制御方式によって直流高電圧EHVの安定化を図ってい
る。
【0042】また、図2及び図3の断面図により、本実
施の形態としてのフライバックトランスFBTの構造例
を示しておく。先ず、図2に示すフライバックトランス
FBTでは、例えばフェライト材による2つのU型コア
CR1,CR2の各磁脚を対向するように組み合わせる
ことでU−U型コアCRが形成される。そして、U型コ
アCR1の磁脚端部と、U型コアCR2の磁脚端部との
対向する部分にはギャップG1,G2をそれぞれ設ける
ようにされる。そして、図示するように、U−U型コア
CRの一方の磁脚に対して、低圧巻線ボビンLBと高圧
巻線ボビンHBとを取付けることで、これら低圧巻線ボ
ビンLB及び高圧巻線ボビンHBに対して、それぞれ一
次巻線N1と昇圧巻線NHV(1〜5)を分割して巻装するよ
うにしている。この場合、低圧巻線ボビンLBには一次
巻線N1が巻装され、高圧巻線ボビンHBには昇圧巻線
NHVが巻装される。この時、高圧巻線ボビンHBには、
例えば複数の昇圧巻線NHV(1〜5)の各々を絶縁した状
態で巻装する必要があるため、昇圧巻線NHVの巻き方
は、各昇圧巻線NHVを所定回数巻装して得られる2つの
巻線層ごとに層間フィルムFを挿入して巻き上げる、い
わゆる層間巻きとされている。そのうえで、上記U−U
型コアCR、一次巻線N1、及び昇圧巻線NHVとについ
て、例えば高分子のエポキシ樹脂等の充填剤により充填
することで、これらの絶縁を確保する。
【0043】そして、上記のようにして昇圧巻線NHV(1
〜5)を巻装したうえで、回路的には図1に示した態様
が得られるように、各昇圧巻線NHV(1〜5)に対して高
圧整流ダイオードDHV(1〜5)を接続して取り付ける。ま
た、本実施の形態においては、上記高圧整流ダイオード
DHV(1〜5)と共に、図1に示した追加高圧整流ダイオー
ドDHV6も接続して取り付けが行われることになる。
【0044】また、昇圧巻線NHV(1〜5)の各々につい
て絶縁した状態が得られるようにするためには、上記図
2に示す構造のほか、図3に示すようにして、いわゆる
分割巻き(スリット巻き)による構造を採ることもでき
る。なお、図3において図2と同一部分には同一符号を
付して説明を省略する。昇圧巻線NHVを分割巻きによっ
て巻装する場合は、図示するように、高圧巻線ボビンH
B1の内側に対して一体的に仕切板DVを形成する。こ
れにより、隣り合う仕切板DVの間には、巻線領域であ
るスリットSが複数形成されることになる。そして、こ
の各スリットS内に対して昇圧巻線NHVを巻装すること
で昇圧巻線NHV間の絶縁を得るようにしているものであ
る。なお、図2及び図3の各図には、低圧巻線ボビンL
Bの一部分割領域に対して三次巻線N3を巻装している
状態が示されているが、これは、例えば一次側において
低圧直流電圧を得るために、その源となる低圧交番電圧
を生成する三次巻線N3を巻装する必要がある場合に対
応しているものとされる。
【0045】そして本実施の形態においては、上記図4
又は図5に示すフライバックトランスFBTの構造を採
るようにされた上で、一次側の一次巻線N1と二次側の
昇圧巻線NHV(1〜5)とでは、密結合の状態が得られる
ようにされているものである。
【0046】前述もしたように、本実施の形態において
は、フライバックトランスFBTの二次側整流平滑回路
において、多段型整流回路の整流電流経路に対して追加
高圧整流ダイオードDHV6が設けられるのであるが、こ
れによっては、昇圧巻線NHV1〜NHV5の分布容量Csを
小さくする作用を有している。なお、以降の説明にあた
って、図1に示した本実施の形態としての高電圧安定化
回路に備えられるフライバックトランスFBTの等化回
路は、先に図7に示した回路と同様とされる。つまり、
入力側に対しては一次巻線N1の自己インダクタンスL
sが並列に接続され、正極入力は、一次巻線N1のリー
ケージインダクタンスLLKの直列接続を介して一次巻線
N1の一端と接続される。また、5組の昇圧巻線NHV1〜
NHV5の分布容量を一次側に変換した静電容量Coとし
ては、一次巻線N1に対して並列となる。また、各昇圧
巻線NHV1〜NHV5の分布容量はCsによって示される。
【0047】そして、上記のようにして分布容量Csが
小さくなると、(数3)によっては高次高調波のリンギ
ング電流の周波数foが高くなることになる。例えば図
1に示す回路についての実験の結果、本実施の形態の場
合には、各部の動作波形の分析から、リンギング電流の
周波数foについては、約800KHzにまで上昇する
ことが分かった。ちなみに、(数3)及び(数2)を利
用して逆算したところ、周波数fo≒800に対応して
は、分布容量Cs≒35pFであるとの結果が得られ
る。
【0048】このようにしてリンギング電流の周波数
(共振周波数)foが高くなることで、主としては、二
次側に備えられる高圧整流ダイオードDHV1〜DHV5の空
乏層容量に対してはリンギング電流が流れにくくなる。
そして、例えば本実施の形態のようにして、リンギング
電流成分について周波数fo≒800程度にまで上昇し
た場合には、上記スイッチング素子Q1、及び高圧整流
ダイオードDHV1〜DHV5の空乏層容量には、ほとんどリ
ンギング電流が流れないようにされる。
【0049】さらに本実施の形態においては、一次側に
対してリンギング抑制回路2が備えられる。このリンギ
ング抑制回路2は、前述のようにLCR共振回路を形成
して、一次巻線N1に対して接続されるものである。一
次側においては、スイッチング素子Q1のオン/オフ動
作に応じて、一次巻線N1にはスイッチング出力として
の交番電流が流れるのであるが、このときに、一次巻線
N1を介して流れるスイッチング出力電流に重畳される
こととなるリンギング電流成分は、リンギング抑制回路
2としてのLCR共振回路において共振電流ICRとして
流れることになる。これによって、主として一次側に流
れる電流に重畳されるリンギング成分は吸収、抑圧され
ることになる。また、この結果、例えばスイッチング素
子Q1の空乏層容量にリンギング電流が流れることがな
いようにもされる。
【0050】この様子を図4及び図5の波形図に示す。
図4には、交流入力電圧VAC=100V、直流高電圧E
HV=31.5KV、直流高電流IHV=mAの条件での動
作波形が示され、図5には、交流入力電圧VAC=100
V、直流高電圧EHV=31.5KV、直流高電流IHV=
0mAの条件での、図4と同一部位の動作波形が示され
る。また、これらの図に示される波形としては、一次側
並列共振電圧V1、スイッチング素子Q1のコレクタ電流
IQ1、一次巻線N1に流入する一次巻線電流I1、クラン
プダイオードDD1に流れるクランプ電流ID2、リンギン
グ抑制回路2(LCR並列共振回路)を流れる共振電流
ICR、及び二次側電流IABLが示されているものであ
る。
【0051】なお、図4及び図5に示す実験結果を得る
のにあたっては、各部を次のように選定した。 一次巻線N1=50T 昇圧巻線NHV(NHV1-NHV2-NHV3-NHV4-NHV5)=5
30T U−U型コアCRのギャップ長:G1=G2=0.35
mm インダクタL10=10μH コンデンサC10=4700pF 抵抗R10=10Ω
【0052】リンギング抑制回路2を流れる共振電流I
CRとしては、図4及び図5からわかるように、リンギン
グ電流の周波数foにほぼ近いとされる共振周波数によ
って定常的に交番電流が流れているようにされる。この
ような共振作用により、一次巻線N1に流れるスイッチ
ング出力電流に重畳するリンギング電流成分は、スイッ
チング素子Q1のオン/オフ期間の両期間において、共
振電流ICRとしてLCR共振回路内を流れるようにされ
る。この結果的、特に一次側に流れる電流経路に重畳さ
れるリンギング電流成分を抑制する作用を有することに
なるものである。
【0053】このため、図4及び図5において、スイッ
チング素子Q1がオフとなる期間TOFFにおいて、コレク
タ電流IQ1、共振電流IC1は共に、リンギング電流が重
畳されない0レベルとなっている。また、スイッチング
素子Q1がオンとなる期間TONにおいても、クランプ電
流ID2としては、リンギング電流が重畳されない0レベ
ルとなっており、また、期間TON内における共振電流I
C1の非導通期間としても、リンギング電流が重畳されな
い0レベルが得られている。さらに、図4及び図5のコ
レクタ電流IQ1、及び一次巻線電流I1としては、期間
TON時においてレベル上昇する期間における波形とし
て、ほとんどリンギング電流が重畳されない、直線的な
ものとなっていることが分かる。
【0054】本実施の形態としては、先ず、上述のよう
にして空乏層容量にリンギング電流が流れないようにす
ることで、大幅な電力損失の低減が図られ、結果とし
て、電力変換効率も大幅に向上させることが可能となる
ものである。実験結果としては、交流入力電圧VAC=1
00V、直流高電圧EHV=31.5KV、直流高電流I
HV=2mAの動作条件での電力変換効率は、ηAC→DC=
86.2%にまで向上され、また、直流高電流IHV=0
mA時の無効電力は、図6に示した回路が12.7Wで
あったのに対し、本実施の形態では、8.2Wにまで低
減された。また、入力電力についても、交流入力電圧V
AC=100V、直流高電流IHV=2mAの動作条件で
は、図6の回路の場合と比較して約5.4W程度の低減
が図られているものである。また、フライバックトラン
スFBTの発熱も、図6の回路に比較して10°程度低
下することとなった。
【0055】そしてまた、図4及び図5に示される各動
作波形と、図8及び図9の各動作波形とを比較してみて
分かるように、本実施の形態の回路の場合のほうが、エ
ンベロープ波形全般に重畳されるリンギング波形として
は、目立たないものとされている。このため、本実施の
形態である図1の回路では、スイッチング周波数fsの
可変制御範囲を小さいものとしても、図6の回路と同等
以上の電圧変動特性を得ることが可能となっている。
【0056】具体的には、交流入力電圧VAC=100V
±10V、直流高電圧EHV=31.5KV、直流高電流
IHV=2mA〜0mAの範囲では、スイッチング周波数
fs=59.5〜57.2KHzの可変制御範囲であ
り、その制御量としては、僅か2.5KHzにまで少な
いものとすることができた。
【0057】なお、上記実施の形態においては、一次側
に自励式共振コンバータを備えた構成の下で定電圧制御
を行うのにあたって直交形制御トランスが用いられてい
るが、この直交形制御トランスの代わりに、先に本出願
人により提案された斜交形制御トランスを採用すること
ができる。上記斜交形制御トランスの構造としては、こ
こでの図示は省略するが、例えば直交形制御トランスの
場合と同様に、4本の磁脚を有する2組のダブルコの字
形コアを組み合わせることで立体型コアを形成する。そ
して、この立体形コアに対して制御巻線NCと駆動巻線
NBを巻装するのであるが、この際に、制御巻線と駆動
巻線の巻方向の関係が斜めに交差する関係となるように
される。具体的には、制御巻線NCと駆動巻線NBの何れ
か一方の巻線を、4本の磁脚のうちで互いに隣り合う位
置関係にある2本の磁脚に対して巻装し、他方の巻線を
対角の位置関係にあるとされる2本の磁脚に対して巻装
するものである。そして、このような斜交形制御トラン
スを備えた場合には、駆動巻線を流れる交流電流が負の
電流レベルから正の電流レベルとなった場合でも駆動巻
線のインダクタンスが増加するという動作傾向が得られ
る。これにより、スイッチング素子をターンオフするた
めの負方向の電流レベルは増加して、スイッチング素子
の蓄積時間が短縮されることになるので、これに伴って
スイッチング素子のターンオフ時の下降時間も短くな
り、スイッチング素子の電力損失をより低減することが
可能になるものである。
【0058】また、本実施の形態の回路においては、一
次側に備えられるべきスイッチングコンバータとして、
自励式もしくは他励式とされて、シングルエンド方式を
採る電圧共振形コンバータを備えた場合を例に挙げた
が、例えばスイッチング素子を2組備える、いわゆるプ
ッシュプル方式による、自励式又は他励式の電圧共振形
コンバータとされても構わないものである。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高電圧安定
化回路は、その基本的構成として、直流化された商用交
流電源を入力してスイッチング動作を行うスイッチング
コンバータとして電圧共振形コンバータを備え、この電
圧共振形コンバータのスイッチング出力を、直接的にフ
ライバックトランス(高圧出力トランス)の一次巻線に
対して伝送するようにしている。そして、このフライバ
ックトランスの二次側に接続される高電圧用の整流回路
によって、例えばCRTのアノード電圧としての直流高
電圧を得るようにされる。また、上記直流高電圧の安定
化については、直流高電圧のレベルに応じて一次側電圧
共振形コンバータのスイッチング周波数を制御すること
でこれを行うようにされる。係る構成によっては、高電
圧安定化回路として一次側に設けるべきスイッチングコ
ンバータは1組で済むことになるので、元来から、高い
電力変換効率を得るのに有利であるといえる。
【0060】そして本発明では、上記基本的構成に対
し、インダクタ、コンデンサ及び抵抗素子により形成さ
れる並列共振回路(LCR並列共振回路)を、フライバ
ックトランスの一次巻線に対して直列に接続すること
で、一次巻線を介して流れるスイッチング出力電流に重
畳されるリンギング電流成分をここに流し込んで、吸
収、抑制するようにされる。
【0061】これによって、結果的には、リンギング電
流による電力損失の低減、及び入力電力の低減などが図
られることで、電力変換効率をさらに向上させることが
可能となるものである。また、これに伴って、電圧共振
形コンバータを形成するスイッチング素子に対して設け
るべき放熱板を省略することが可能となるので、回路の
小型軽量化も促進されることとなった。さらには、フラ
イバックトランス(高圧出力トランス)の発熱も抑制さ
れる。
【0062】そしてまた、リンギング電流が高周波化さ
れることで、直流高電圧の電圧変動特性の劣化も防がれ
るために、安定化のためのスイッチング周波数の可変制
御範囲も小さくて済み、例えばそれだけ回路設計が容易
となるという利点も有している。
【0063】さらに本発明としては、上記構成に対し
て、直流高電圧を生成するための多段型整流回路の整流
電流経路に対して、直列に追加高圧整流ダイオード素子
を直列に設けるようにして、フライバックトランスの構
造に起因して発生するリンギング電流の高周波化を図る
ことで、特に二次側におけるリンギング電流の発生を抑
制するようにされている。つまり、追加高圧整流ダイオ
ード素子及び先のLCR並列共振回路とを併用すること
で、本発明としては、リンギング電流の抑制をより有効
に行うことが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての高電圧安定化回路
の構成例を示す回路図である。
【図2】本実施の形態の高電圧安定化回路に備えられる
フライバックトランスの構造例として、昇圧巻線が層間
巻きされる場合を示す断面図である。
【図3】本実施の形態の高電圧安定化回路に備えられる
フライバックトランスの構造例として、昇圧巻線が分割
巻きされる場合を示す断面図である。
【図4】本実施の形態の高電圧安定回路における要部の
動作波形を示す波形図である。
【図5】本実施の形態の高電圧安定回路における要部の
動作波形を示す波形図である。
【図6】先行技術としての高電圧安定化回路の構成例を
示す回路図である。
【図7】フライバックトランスの等化回路を示す等化回
路図である。
【図8】図6に示す高電圧安定化回路における要部の動
作波形を示す波形図である。
【図9】図6に示す高電圧安定化回路における要部の動
作波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 制御回路、2 リンギング抑制回路、40 高圧発
生回路、Ci 平滑コンデンサ、Q1 スイッチング素
子、FBT フライバックトランス、PRT 直交形制
御トランス、L10 インダクタ、C10 コンデンサ、R
10 抵抗、Cr一次側並列共振コンデンサ、N1 一次
巻線、NHV1〜NHV5 昇圧巻線、DHV1〜DHV5 高圧整
流ダイオード、DHV6 追加高圧整流ダイオード、COHV
平滑コンデンサ、NC 制御巻線、NB 駆動巻線、N
D 共振電流検出巻線、CB 共振コンデンサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用交流電源を整流平滑化して直流入力
    電圧を得る整流平滑手段と、 スイッチング素子を備え、上記直流入力電圧を断続して
    出力するスイッチング手段と、 上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とするように
    して形成される一次側並列共振回路と、 上記スイッチング手段のスイッチング出力が伝達される
    一次巻線と、この一次巻線とは密結合とされて、高圧と
    される所要のレベルの昇圧交番電圧が励起される二次巻
    線とを備える高圧出力トランスと、 上記昇圧交番電圧を入力して高圧とされる所要のレベル
    の直流高電圧を生成して出力する直流高電圧生成手段
    と、 上記直流高電圧のレベルに応じて、上記スイッチング素
    子のスイッチング周波数を可変することで、上記直流高
    電圧に対する定電圧制御を行うようにされる定電圧制御
    手段と、 上記一次巻線に対して直列に接続され、インダクタ、コ
    ンデンサ及び抵抗素子により形成される並列共振回路
    と、 を備えることを特徴とする高電圧安定化回路。
  2. 【請求項2】 上記直流高電圧生成手段は、 分割された上記二次巻線ごとに整流ダイオードを直列に
    挿入することで、上記昇圧交番電圧を整流する多段型整
    流回路と、この多段型整流回路の整流出力を平滑化する
    平滑コンデンサを備えることで、高圧とされる所要のレ
    ベルの直流高電圧を生成して出力すると共に、上記多段
    型整流回路の整流電流経路に対して直列に挿入されるダ
    イオード素子を設けて形成される、 ことを特徴とする請求項1に記載の高電圧安定化回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012053314A1 (ja) * 2010-10-19 2012-04-26 パナソニック株式会社 高電圧発生回路、イオン発生装置及び静電霧化装置
JP2015163041A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 電源装置およびそれを用いた照明器具

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WO2012053314A1 (ja) * 2010-10-19 2012-04-26 パナソニック株式会社 高電圧発生回路、イオン発生装置及び静電霧化装置
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