JP2002169297A - 平版印刷版および製版方法 - Google Patents

平版印刷版および製版方法

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JP2002169297A
JP2002169297A JP2000363921A JP2000363921A JP2002169297A JP 2002169297 A JP2002169297 A JP 2002169297A JP 2000363921 A JP2000363921 A JP 2000363921A JP 2000363921 A JP2000363921 A JP 2000363921A JP 2002169297 A JP2002169297 A JP 2002169297A
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plate
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JP2000363921A
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Masahiko Saikawa
正彦 斉川
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化銀に対するバインダー比率の低い乳
剤層を用いた平版印刷版の長期経時後の印刷性の劣化の
生じない平版印刷版を供給することであり、更に、現像
液の使用量を少なくしても効率的にDTR現像ができ、
また長期経時後の平版印刷版を用いても現像液の廃液量
を実質的に零もしくは極めて少なくすることができる製
版方法を提供することである。 【解決手段】本発明の課題は、陽極酸化されたアルミニ
ウム支持体上に硝酸銀に換算したハロゲン化銀に対して
70重量%以下のバインダーからなるハロゲン化銀乳剤
層を有する銀錯塩拡散転写法を利用する平版印刷版にお
いて、該ハロゲン化銀乳剤層中にハロゲン化銀1モル当
り、0.01〜0.25モルのハイドロキノンもしくはその
誘導体を含有することを特徴とする平版印刷版および該
平版印刷版の版面上に現像液を塗布して製版することを
特徴とする平版印刷版の製版方法により解決された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする、銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウ
ム平版印刷版及びそれを用いた製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】DTR法を用いた平版印刷版には、転写材
料と受像材料を別々にしたツーシートタイプ、あるいは
それらを一枚の支持体上に設けたモノシートタイプの二
方式が知られており、前者については例えば特開昭57
−158844号公報に、後者については例えば特公昭
48−30562号、同51−15765号、特開昭5
1−111103号、同52−150105号などの各
公報に詳しく記載されている。
【0004】アルミニウム板を支持体とする、銀錯塩拡
散転写法を利用したモノシートタイプの平版印刷版(以
降、アルミニウム平版印刷版と称す)は、特開昭57−
118244号、同57−158844号、同63−2
60491号、特開平3−116151号、同4−28
2295号、米国特許第4,567,131号、同第
5,427,889号等の公報に詳しく記載されてい
る。
【0005】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、その上に実質的に硬化されていないハロゲン化
銀乳剤層を設けた基本構成からなっている。このアルミ
ニウム平版印刷版の一般的な製版方法は、露光後、現像
処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲン化銀乳剤層
の除去)、仕上げ処理の工程からなっている。
【0006】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0007】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液の処理、所謂ガム引きと云わ
れる処理が施される。この仕上げ液は、定着液やフィニ
ッシング液とも称され、銀画像部を親油性にする化合物
(例えば、メルカプト基またチオン基を有する含窒素複
素環化合物)を含有することも一般的である。
【0008】上記のアルミニウム平版印刷版は、フイル
ムやRC紙等のフレキシブル支持体上に順に下塗層、ハ
ロゲン化銀乳剤層および物理現像核層を設けた平版印刷
版に比べて、耐刷力に優れた印刷版が得られ易いという
利点を有している反面、廃液量が多く、安定した製版処
理が難しいという問題を抱えていた。
【0009】係る問題を解決する為、先に、特願200
0−95595号にて本発明者らは、ハロゲン化銀に対
するバインダーの比率を小さくしたハロゲン化銀乳剤層
のアルミニウム平版印刷版に現像液を塗布して製版する
方法を提案している。しかし、係るハロゲン化銀に対す
るバインダー比率の低い乳剤層を用いた平版印刷版を長
期経時した後、現像液を塗布して製版すると印刷性の劣
化が見られた。少ない現像液量でDTR効率を良くする
為にはバインダー比率を低くすることが好ましいが、こ
の比率を小さくすることによって更に上記問題は顕著に
なった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、ハロゲン化銀に対するバインダー比率の低い乳剤層
を用いた平版印刷版の長期経時後の印刷性の劣化の生じ
ない平版印刷版を供給することであり、更に、現像液の
使用量を少なくしても効率的にDTR現像ができ、また
長期経時後の平版印刷版を用いても現像液の廃液量を実
質的に零もしくは極めて少なくすることができる製版方
法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、陽極酸
化されたアルミニウム支持体上に硝酸銀に換算したハロ
ゲン化銀に対して70重量%以下のバインダーからなる
ハロゲン化銀乳剤層を有する銀錯塩拡散転写法を利用す
る平版印刷版において、該ハロゲン化銀乳剤層中にハロ
ゲン化銀1モル当り、0.01〜0.25モルのハイドロキノ
ンもしくはその誘導体を含有することを特徴とする平版
印刷版および該平版印刷版の版面上に現像液を塗布して
製版することを特徴とする平版印刷版の製版方法により
解決された。以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0012】本発明に用いられる平版印刷版は、一般的
にアルミニウム支持体上に順に物理現像核層及び少なく
ともハロゲン化銀乳剤層を有している。ただし物理現像
核は使用しなくてもDTR現像が可能であることが知ら
れており、必らずしも使用する必要はない。アルミニウ
ム支持体は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板
であり、1平方メートル当り1.0g以上、好ましくは
1.5g〜5gの多孔質酸化アルミニウムを有するもの
が用いられる。
【0013】本発明で好ましく用いられる物理現像核層
の物理現像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用い
られるものでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジ
ウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物
などが使用できる。場合によっては物理現像核は使用す
ることなく実施することが出来る。バインダーとして各
種親水性コロイドを用いることもできる。これらの詳細
及び製法については、例えば、特公昭48−30562
号、特開昭48−55402号、同53−21602
号、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(19
72年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ
著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディ
ヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0014】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子
の形成はこれまで知られている種々の方法を用いること
ができる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法等
のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化
物を反応させる形式としてはシングルジェット法、ダブ
ルジェット法、それらの組合せなどのいずれを用いても
よい。ダブルジェット法の一つの形式としてハロゲン化
銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すな
わちコントロールド・ダブルジェット法を用いることも
できる。また、英国特許第1,535,016号、特公
昭48−36890号、同52−16364号等に記載
されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリ水溶液
の添加速度を粒子形成速度に応じて変化させる方法や、
米国特許第4,242,445号、特開昭55−158
124号等に記載されているように水溶液濃度を変化さ
せる方法を用いて臨界過飽和度を越えない範囲において
早く成長させる方法を用いることも出来る。また、粒子
の内部(コア部)と外側(シェル部)からなる、コアシ
ェル粒子等、多層構造粒子が用いることもできる。
【0015】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
一般に用いられる塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭
化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀70モル
%以上、好ましくは90〜100モル%のハロゲン化銀
が好ましい。沃化銀の含有量は0〜2モル%が好まし
く、0.1〜1.0モル%がより好ましい。特に沃化銀
は塩化銀粒子を形成終了した後、水溶性沃化物を添加し
て塩化銀粒子表面を沃化銀でコンバージョンすることが
好ましい。ハロゲン化銀結晶の形成時にロジウム塩やイ
リジウム塩のような金属塩を使用することが好ましい。
【0016】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
状は、特に好ましくは立方体のような規則的な結晶体を
有するものであるが、その他の八面体、不定形、板状の
ようなものであってもよい。ハロゲン化銀の平均粒子サ
イズは、0.6μm以下の粒子が好ましく、より好まし
くは0.1〜0.5μmであって、粒子サイズ分布が9
5%の粒子が数平均粒子サイズの±30%以内、好まし
くは±20%以内のサイズに入る単分散ハロゲン化銀粒
子がよい。
【0017】ハロゲン化銀乳剤層のバインダーとしては
ゼラチンが好ましく用いられる。ゼラチンには酸処理ゼ
ラチン、アルカリ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いる
ことができる。また、それらの修飾ゼラチン(例えばフ
タル化ゼラチン、アミド化ゼラチンなど)も用いること
ができる。また更にポリビニルピロリドン、各種でんぷ
ん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアガ
ム、ヒドロキシエチルセルロース等のバインダーを含有
させることができる。
【0018】本発明のハロゲン化銀乳剤は、一般的には
脱塩処理した後、種々の化学増感剤によって増感するこ
とが好ましく、硫黄増感、還元増感、金増感、セレン増
感、テルル増感などの方法を用いることができるが、塩
化金酸、三塩化金酸、チオシアネート金酸などを増感剤
として用いる金増感が好ましい。さらに好ましくは、硫
黄プラス金増感による化学増感が最も好ましい。硫黄増
感剤としては、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物の他、
種々の硫黄化合物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チ
アゾール類、ローダニン類等を用いることができる。
【0019】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤層
は、硝酸銀に換算したハロゲン化銀に対して70重量%
以下であるが、より好ましくは60〜20重量%のバイ
ンダーが用いられる(以下、高銀密度乳剤という)。感
光性に寄与するハロゲン化銀乳剤層が2層以上であると
きは、それらを合計したハロゲン化銀とバインダーの平
均重量比をもって上記の範囲になるように調整されるべ
きである。
【0020】本発明の高銀密度乳剤は、現像液の塗布量
を大幅に少なくすることができ、その結果、現像液の廃
棄量を大幅に減少することができ、更に現像時の環境条
件の変化に対する寛容度が広がり、現像時間の短縮(迅
速現像)も可能にする。また塗布するハロゲン化銀量を
低減できるにもかかわらず印刷特性に優れた平版印刷版
を得ることができる。
【0021】本発明のハイドロキノンもしくはその誘導
体をハロゲン化銀乳剤層中に含まない平版印刷版では、
バインダー比率の低下に伴って、長期経時後にインキ乗
りや耐刷等の印刷性の劣化が見られる。このような印刷
性の劣化は現像液を塗布する製版方法において現像液の
塗布量を低減した時に、一層著しい。本発明のハイドロ
キノンもしくはその誘導体をハロゲン化銀乳剤層中に含
む平版印刷版では、長期経時後も印刷性の劣化は少な
く、現像液を低減した時にも良好な印刷性を示す。
【0022】本発明のハイドロキノンもしくはその誘導
体とは即ち、1,4−ジヒドロキシベンゼンもしくは該
1,4−ジヒドロキシベンゼンの1,4位以外の位置に
アルキルまたは置換アルキル、アリールまたは置換アリ
ール、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルコキシ基から選ば
れる少なくとも1つの置換基を有する化合物を指し、具
体的には、2−クロロハイドロキノン、2−メチルハイ
ドロキノン等であるが、もっとも好ましくは無置換の
1,4−ジヒドロキシベンゼンである。
【0023】本発明におけるハイドロキノンもしくはそ
の誘導体の乳剤層への添加は、現像主薬を印刷版中に内
蔵し、現像主薬を実質的に含まない活性アルカリ現像
液、即ちアクチベータ液で処理する所謂、アクチベータ
タイプを意図するものではない。また、実施例からも明
らかなように、本発明の範囲を超え、所謂アクチベータ
タイプとなるような含有量のハイドロキノンを含有する
平版印刷版においては長期経時後の印刷性はむしろ劣化
する。
【0024】乳剤層にハロゲン化銀1モル当たり0.01〜
0.25モルのハイドロキノンもしくはその誘導体を含有さ
せる。また、ハイドロキノンもしくはその誘導体を乳剤
層以外の層に含有させることもできるが、乳剤層以外の
層にのみ添加した場合には長期経時後の印刷性の劣化を
改善する効果は見られないか、あるいは極めて効果が小
さい。
【0025】本発明には乳剤層の上に保護層を設けるこ
とができる。用いられる保護層のバインダーとしては、
ハロゲン化銀乳剤で記述したような各種ゼラチン、ポリ
ビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビ
ニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキシエチルセル
ロース、等の親水性バインダーを1種もしくは2種以上
組み合わせて用いることが出来る。
【0026】保護層のバインダー塗布量は、アルミニウ
ム平版印刷版1平方メートル当たり0.1g〜3g、好
ましくは0.3〜2gの範囲であり、2層以上の複数層
であってもよい。
【0027】本発明のアルミニウム平版印刷版は、硝酸
銀に換算したハロゲン化銀の塗布量として1平方メート
ル当たり0.5g〜5g、好ましくは1.0〜3.0g
の範囲であることが好ましい。
【0028】本発明のアルミニウム平版印刷版は、現像
液の塗布量が1平方メートル当たり100ml以下、更
には80ml以下と大幅に少なくすることができ、従っ
て現像液の廃液を大幅に減少できる。
【0029】本発明のハロゲン化銀乳剤は、写真業界に
おいて増感色素として知られている色素を用いて分光増
感させることができる。特に、赤色光源の走査型露光用
(ヘリウム・ネオンレーザー、赤色LED等)に600
〜700nmに分光吸収を有する増感色素を用いること
が好ましい。それらの色素にはシアニン色素、メロシア
ニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、
ホロホーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリ
ル色素及びヘミオキサノール色素等がある。これらの増
感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用い
てもよい。増感色素の組合せは、特に強色増感の目的で
しばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光
増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収
しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含
んでもよい。
【0030】ハロゲン化銀乳剤層には、必要に応じてア
ニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各種界面活
性剤、第4級アンモニウム塩、チオエーテル化合物、ポ
リエチレンオキサイド誘導体、メルカプトテトラゾール
等のカブリ防止剤、エチレンジアミンテトラアセテート
等のキレート剤を含有させてもよい。
【0031】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報に記載
の疎水性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよ
い。
【0032】本発明に用いられる現像液には、現像主
薬、例えばハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン
類、1−フェニル−3ピラゾリジノン及びその誘導体等
の3−ピラゾリジノン類、アルカリ性物質、例えば水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3
燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、保恒剤、例え
ば亜硫酸ナトリウム、粘稠剤、例えばカルボキシメチル
セルロース、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像
変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、キレート
剤、例えばエチレンジアミン4酢酸、ハロゲン化銀溶
剤、例えばチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等の
チオ硫酸塩、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、
ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、
ジアミン、メソイオン性化合物、チオエーテル類等が挙
げられる。現像液のpHは11〜14、とくにpH1
1.5〜13.5であることが好ましい。
【0033】また、本発明の現像液中の現像主薬の総量
は、該平版印刷版のハロゲン化銀の少なくとも50%を理
論的には還元可能な量であり、好ましくは75%以上を還
元可能な量含まれるものとする。
【0034】現像液には、更に銀画像部を親油性にする
化合物(親油化剤)を含有させるのが好ましい。親油化
剤としては、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨ
ーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディ
ス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハラ
イド・ディヒュージョン・プロセシズ」、105、10
6ページに記載されている化合物が挙げられる。例えば
メルカプト基またはチオン基を有する化合物、4級アン
モニウム化合物等があり、本発明においてはメルカプト
基またはチオン基を有する化合物が好ましく用いられ
る。特に好ましくは、メルカプト基またはチオン基を有
する含窒素複素環化合物であり、特公昭48−2972
3号、特開昭58−127928号等に記載されている
化合物が使用できる。
【0035】本発明において、現像液の塗布は、例えば
特開昭48−76603号、特開平5−289343
号、同平6−27680号、同平6−27682号、同
平10−62952号、同平10−62951号、特願
平11−361027号等の現像液の塗布装置を用いる
ことが出来る。図1に示すような、狭いスリットから現
像液を塗布する装置が好ましい。
【0036】現像液の温度は約15℃〜約30℃の範囲
が好ましく、現像時間は30秒までの間で変化できる
が、本発明に於いては5秒〜15秒の短時間現像が可能
である。これらの条件はアルミニウム平版印刷版の構
成、現像液の組成等によって適宜決定することができ
る。
【0037】本発明においては、現像に必要な少量の新
鮮な現像液が塗布されるだけであるから、現像液により
溶解して減少する酸化アルミニウムの量を少なく、例え
ば1平方メートル当り0.6g以下、好ましくは0.5
g以下の減少量にすることができ、耐刷力に優れたアル
ミニウム平版印刷版を得ることが出来る。
【0038】現像が終了した時点で、温水等で乳剤層等
を溶出したり、例えば特開平3−116151号公報、
同平4−318553号公報、特願平11−32497
1号公報、同平11−324972号公報に記載されて
いる剥離シートのような、乳剤層等に機械的に接触して
除去する手段用いて、乳剤層等が除去される。
【0039】乳剤層等の除去の後に、現像の進行を停止
させる中和安定化処理を施してもよく、中和液には前記
の親油化剤を含有させてもよい。
【0040】アルミニウム平版印刷版面に露出した銀画
像部及び非画像部は、各々の親油性及び親水性を高める
ため、及び版面の保護のために、仕上げ液による処理が
施される。本発明においては、仕上げ液も塗布装置を用
いて施すことが好ましい。仕上げ液には、非画像部の陽
極酸化層の保護及び親水性向上のために、アラビヤガ
ム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸
のプロピレングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱
粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホ
ン酸、ポリビニルアルコール等の保護コロイドを含有す
ることが好ましい。また、画像部の親油性を更に向上さ
せるために、前記の親油化剤や酵素を含有することが好
ましい。
【0041】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 実施例1 アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米
国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従っ
て、平均直径約5μmのプラート上に直径0.03〜
0.30μmのピットを100μm2当たり約2,700
個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.13μm
である厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。この
アルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、1
平方メートル当たり2.0gの多孔質な酸化アルミニウ
ムを有し、平均粗さ(Ra)は0.4〜0.5μmであ
った。
【0042】このアルミニウム支持体に硫化パラジウム
核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれ
る核量は3mg/m2であった。
【0043】ハロゲン化銀乳剤の調製は、バインダーと
してアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブル
ジェット法で平均粒径0.3μmの、ヘキサクロロイリ
ジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.006
ミリモルドープさせた臭化銀1.5モル%の塩臭化銀乳
剤を作製し、物理熟成終了時にヨウ化銀0.3モル%に
相当するKIでコンバージョンして塩ヨウ臭化銀乳剤を
調製した。その後、この乳剤をフロキュレーションさ
せ、洗浄した。さらにこの乳剤にゼラチンを追加し、硫
黄金増感を施した後、安定剤を添加し、赤感性増感色素
を銀1g当たり3mg用いて分光増感した。この乳剤は
硝酸銀に換算したハロゲン化銀とゼラチンの比率が重量
で1:1であった。
【0044】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加えて塗布液を作成した。この乳剤層塗
布液を前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体
上に硝酸銀に換算した銀量およびゼラチン量が共に1平
方メートル当たり2.5gになるように塗布乾燥して平
版印刷材料を得た(試料A)。
【0045】硝酸銀に換算したハロゲン化銀に対するゼ
ラチンの比率を重量比で0.6(試料B)及び0.4
(試料C)とし、硝酸銀に換算した銀量がいずれも1平
方メートル当たり2.5gとなるように塗布乾燥する以
外は試料Aと同様にして平版印刷材料の試料B、Cとし
た。
【0046】更に、ハロゲン化銀1モル当り、0.00
5、0.012、0.20、0.40モルのハイドロキ
ノンを添加する以外は試料B,Cと同様にして塗布乾燥
した試料を夫々、B1〜B4、C1〜C4を得た。上記試料の
一部は、0.5g/m2のポリエチレンを被覆した坪量75g/m
2の合紙を感光面に当てた状態で、35℃80%の恒温、恒
湿下で10日間保存した。フレッシュの試料は22℃40%の
環境下で10日間保存したものを使用した。
【0047】上記試料(菊半サイズ)を633nmの赤
色LDレーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に
浸漬現像方式の製版用プロセッサー(デュポン社製SL
T−85N自動現像機)で処理して平版印刷版を作成し
た。製版用プロセッサーは、現像処理工程(21℃、2
0秒間浸漬)、水洗処理工程(33℃の水洗液を10秒
間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層を剥離
する)、仕上げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及
び乾燥工程から構成されている。
【0048】現像液、水洗液及び仕上げ液の組成を下記
に示す。 <現像液> 水酸化ナトリウム 25g ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体 (平均分子量50万) 10g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 2g 無水亜硫酸ナトリウム 100g モノメチルエタノールアミン 25g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 8g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g 全量を1000mlとする。 pH(25℃)=13.1
【0049】 <水洗液> 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g モノエタノールアミン 13g 重亜硫酸ナトリウム 10g 第1燐酸カリウム 40g 全量を1000mlとする。 pH=6.0
【0050】 <仕上げ液> 燐酸 0.5g モノエタノールアミン 5.0g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5g ポリグリセロール(6量体) 50g 全量を1000mlとする。 pH=7.2
【0051】この製版された平版印刷版について、印刷
機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセット印
刷機の商標)、インキ(大日本インキ( 株)社製のニ
ューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給湿液を用
いて印刷を行った。印刷でのインキ乗り、耐刷試験の結
果を以下に示す。インキ乗りは、十分なインキ濃度が得
られるまでの印刷枚数で評価し、○;10枚まで、△;
30枚まで、×;30枚を越えるの3段階で評価した。
耐刷力は銀画像が欠落して印刷できなくなったときの印
刷枚数で評価した。恒温、恒湿下で保存した試料を用い
た結果を表1に示す。ここで、比較のフレッシュ(22℃
40%)での評価は全てのサンプルでインキ乗りは○、耐
刷は10万枚以上であった。
【0052】
【表1】 ────────────────────────────────── インキ乗り 耐刷 備考 ────────────────────────────────── 試料A ○ 約5万枚 比較 試料B △ 約4万枚 比較 試料B1 ○ 約7万枚 比較 試料B2 ○ 10万枚以上 本発明 試料B3 ○ 10万枚以上 本発明 試料B4 ○ 約9万枚 比較 試料C △ 約3万枚 比較 試料C1 ○ 約5万枚 比較 試料C2 ○ 10万枚以上 本発明 試料C3 ○ 10万枚以上 本発明 試料C4 △ 約7万枚 比較 ──────────────────────────────────
【0053】実施例2 次に実施例1の製版工程の内、浸漬現像処理の代わり
に、特願平11−361027号に示すスロットダイを
用いた現像装置を用いて塗布現像処理を行い平版印刷版
を作成し、同様に評価した。 現像液は平版印刷材料1
平方メートル当たり80mlで塗布した。現像温度は2
1℃で、現像時間は15秒であった。 フレッシュ(22
℃40%)及び35℃80%の恒温、恒湿下10日間保存後の
結果を表2及び表3に示す。
【0054】
【表2】 フレッシュでの結果 ───────────────────────────────── インキ乗り 耐刷力 備考 ───────────────────────────────── 試料A △ 約3万枚 比較 試料B ○ 10万枚以上 比較 試料C ○ 10万枚以上 比較 ─────────────────────────────────
【0055】
【表3】 恒温高湿化(35℃80%)保存後の結果 ────────────────────────────── インキ乗り 耐刷力 備考 ────────────────────────────── 試料A × 約2万5千枚 比較 試料B △ 約5万枚 比較 試料B1 △ 約7万枚 比較 試料B2 ○ 10万枚以上 本発明 試料B3 ○ 10万枚以上 本発明 試料B4 ○ 約8万枚 比較 試料C × 約2万枚 比較 試料C1 △ 約5万枚 比較 試料C2 ○ 10万枚以上 本発明 試料C3 ○ 10万枚以上 本発明 試料C4 △ 7万枚 比較 ──────────────────────────────
【0056】
【発明の効果】ハイドロキノンもしくはその誘導体を含
有し、ハロゲン化銀に対するバインダー比率の低い高銀
密度乳剤を用いることにより、版の長期経時によっても
インキ乗り、耐刷等の印刷性の劣化の無い常に安定した
印刷性能を有する平版印刷版を得ることが出来た。ま
た、該平版印刷版に常に新鮮な現像液を塗布する製版方
法において、塗布する現像液量を減少することができ、
現像液の廃液量の少ない製版を実現することが出来た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化されたアルミニウム支持体上に
    硝酸銀に換算したハロゲン化銀に対して70重量%以下
    のバインダーからなるハロゲン化銀乳剤層を有する銀錯
    塩拡散転写法を利用する平版印刷版において、該ハロゲ
    ン化銀乳剤層中にハロゲン化銀1モル当り、0.01〜0.2
    5モルのハイドロキノンもしくはその誘導体を含有する
    ことを特徴とする平版印刷版。
  2. 【請求項2】 請求項1の平版印刷版の版面上に現像液
    を塗布して製版することを特徴とする平版印刷版の製版
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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