JP2002167753A - ソイルセメント柱列壁構築方法及びソイルセメント柱列壁構築用分散剤 - Google Patents

ソイルセメント柱列壁構築方法及びソイルセメント柱列壁構築用分散剤

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JP2002167753A
JP2002167753A JP2000362577A JP2000362577A JP2002167753A JP 2002167753 A JP2002167753 A JP 2002167753A JP 2000362577 A JP2000362577 A JP 2000362577A JP 2000362577 A JP2000362577 A JP 2000362577A JP 2002167753 A JP2002167753 A JP 2002167753A
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cement
soil
dispersant
cement slurry
mass
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JP2000362577A
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Kouken Horii
宏謙 堀井
Tsutomu Yamazaki
勉 山崎
Hikari Yaegashi
光 八重樫
Katsu Matsui
克 松居
Koji Inada
弘二 稲田
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Lion Corp
Hazama Corp
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Lion Corp
Hazama Gumi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 分散剤を含むセメントスラリー中の水分
量(W)と原位置地盤中の水分量(S)の合計と、該セ
メントスラリー中のセメント量(C)とが〔(S)+
(W)〕/(C)=1.5〜6.0(質量比)の関係を
満たし、かつ分散剤を含まないセメントスラリー中のセ
メント濃度(質量%)に対する上記分散剤を含むセメン
トスラリー中のセメント濃度(質量%)の比が0.75
〜1.2であると共に、上記分散剤を含むセメントスラ
リーの注入量が分散剤を含まないセメントスラリーの注
入量に比べて10〜45質量%少ない量で、該分散剤を
含まないセメントスラリーと実質的に同等以上の強度を
有するソイルセメント柱列壁を築造する。 【効果】 築造されるソイルセメント柱列壁の強度等の
品質低下を起こすことがなく、原位置地盤に対するセメ
ントスラリー注入量を低減させ排出残土を削減すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソイルセメント柱
列壁構築方法及びソイルセメント柱列壁構築用分散剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、比較的軽量な構造物の基礎地盤の改良や、擁壁、カ
ルバート、パイプなどの基礎地盤の改良、法面の浸食防
止などの目的で、浅層改良処理と呼ばれる地盤改良が行
われている。また、軟弱地盤上に荷重強度の高い構造物
を構築する場合や山留め壁の強化などの目的で深層改良
処理と呼ばれる地盤改良が行われている。更に、土留め
及び止水などの目的でソイルセメント柱列壁も広く用い
られてきている。
【0003】しかしながら、これら従来の方法では、注
入したセメントスラリーの体積以上の多大なソイルセメ
ント排出残土(以下、排出残土と略記する)が発生し、
建設省下水道工事積算基準では、原位置地盤体積の約7
5%、ソイルミキシングウォール(SMW)技術研究会
では80〜100%の排出残土が発生すると報告されて
いる。
【0004】この排出残土はセメントなどの固化材を含
有するため、法制上の産業廃棄物となり、多大な処分コ
ストを要するばかりか、処分場の延命化などの環境問題
に対しても好ましくない。
【0005】このような問題点を解決すべく、注入する
セメントスラリー量を低減する施工が試みられている
が、注入するセメントスラリー量を低減した場合、ソイ
ルセメントの流動性が著しく低下するばかりか、攪拌混
合効率が低下し、土砂が凝集塊となった不攪乱土が多量
に発生する結果、掘削機を駆動する装置に負担が大きく
かかり、掘削性が大きく低下したり、掘削効率が低くな
り造成したソイルセメント柱列壁が均質にならず、品質
のばらつきが大きいという欠点があった。また、設計強
度発現に必要なセメント量が不足し、ソイルセメントの
品質が大きく低下する原因となっていた。
【0006】更に、造成されたソイルセメント柱列壁に
H形鋼などの構造材料を挿入する場合には、それらの挿
入性が低下したり、挿入位置精度が悪化するなどの品質
低下を招き、一部では流動性が低いソイルセメントに対
しても施工可能な掘削機やH形鋼を強制的に挿入する設
備の開発が試みられているが、その解決は困難であっ
た。
【0007】一方、従来から、ソイルセメントの流動性
を向上させる方法としては、掘削土壌に水、セメントだ
けでなく、分散剤等の添加剤を加える方法などが数多く
提案されている(特開平8−239662号公報、特開
平8−259947号公報、特開平4−275961号
公報、特開平4−338144号公報、特開平4−36
7548号公報、特開平6−127993号公報、特開
昭62−189217号公報、特開平5−79033号
公報、特開平7−138566号公報、特開平9−34
53号公報、特開平5−43283号公報、特開平6−
220835号公報、特開平8−12403号公報、特
開平5−331833号公報、特開平7−257951
号公報、特開平9−31458号公報)。
【0008】これらの中でも、主にソイルセメントの流
動性向上と排出残土の削減を目的として、ポリカルボン
酸系の分散剤の適用が提案されている(特開平8−23
9662号公報、特開平8−259947号公報、特開
平5−79033号公報、特開平7−138566号公
報、特開平9−3453号公報、特開平9−31458
号公報、特開平4−338144号公報、特開平4−3
67548号公報、特開平7−257951号公報、特
開平11−241066号公報、特願平11−3623
53号)。
【0009】また、主にソイルセメントの流動性保持を
目的として、グルコン酸ナトリウム等のオキシカルボン
酸系化合物(特開昭62−189217号公報、特開平
7−138566号公報、特開平9−3453号公報、
特開平8−12403号公報、特開平9−31458号
公報)、糖、糖アルコール、ホスホン酸系誘導体(特開
昭61−40854号公報)などを硬化遅延剤として用
いることが提案されている。
【0010】しかしながら、上記添加剤を用いて、単純
に原位置地盤に対するセメントスラリー注入量を削減し
て流動性の不足を補うだけでは、ソイルセメント柱列壁
の強度を同等以上に保持することが困難であった。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、第1に、現位置地盤に対してセメントスラリーを注
入してソイルセメント柱列壁を築造するソイルセメント
柱列壁構築方法において、セメントスラリーの注入量を
減少させてもこのソイルセメント柱列壁の強度を落とす
ことなく、結果として排出残土の低減を可能にするソイ
ルセメント柱列壁構築方法を提供することを目的とす
る。
【0012】また、本発明は、第2に、上記ソイルセメ
ント柱列壁構築方法に好適に用いられるソイルセメント
柱列壁構築用分散剤を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、原位置地盤に分散剤を含むセメントスラリーを注入
してソイルセメント柱列壁を築造するソイルセメント柱
列壁構築方法において、特定の分散剤を含むセメントス
ラリー中の水分量(W)と原位置地盤中の水分量(S)
の合計と、該セメントスラリー中のセメント量(C)と
が〔(S)+(W)〕/(C)=1.5〜6.0(質量
比)の関係を満たし、かつ上記分散剤を含むセメントス
ラリー中のセメント濃度(質量%)が分散剤を含まない
セメントスラリー中のセメント濃度(質量%)に比べて
0.75〜1.2であるセメントスラリーを用いること
により、分散剤を含まないセメントスラリー量の10〜
45質量%少ない注入量で、この分散剤を含まないセメ
ントスラリーと実質的に同等以上の強度を有するソイル
セメント柱列壁を築造することができ、排出残土の低減
が可能となり、これにより排出残土の処分コストを低下
し、処分場の延命化などに大きく寄与し得ることを見出
し、本発明をなすに至った。
【0014】従って、本発明は、(1)原位置地盤に分
散剤を含むセメントスラリーを注入してソイルセメント
柱列壁を築造するソイルセメント柱列壁構築方法におい
て、上記分散剤を含むセメントスラリー中の水分量
(W)と原位置地盤中の水分量(S)の合計と、該セメ
ントスラリー中のセメント量(C)とが〔(S)+
(W)〕/(C)=1.5〜6.0(質量比)の関係を
満たし、かつ分散剤を含まないセメントスラリー中のセ
メント濃度(質量%)に対する上記分散剤を含むセメン
トスラリー中のセメント濃度(質量%)の比が0.75
〜1.2であると共に、上記分散剤を含むセメントスラ
リーを分散剤を含まないセメントスラリーに比べて10
〜45質量%少ない量で原位置地盤に注入することによ
り、該分散剤を含まないセメントスラリーと実質的に同
等以上の強度を有するソイルセメント柱列壁を築造する
ことを特徴とするソイルセメント柱列壁構築方法、及び
(2)(1)記載のソイルセメント柱列壁構築方法に用
いる分散剤であって、上記分散剤がクエン酸ナトリウ
ム、クエン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グル
コン酸カルシウム、アクリル酸よりなる単一重合体及び
その塩、スチレンスルホン酸よりなるホモポリマー及び
その塩、アクリル酸とマレイン酸よりなる共重合体及び
その塩並びにマレイン酸とイソアミレンよりなる共重合
体及びその塩から選ばれる1種又は2種以上であるソイ
ルセメント柱列壁構築用分散剤を提供する。
【0015】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明のソイルセメント柱列壁構築方法は、原位置
地盤に分散剤を含むセメントスラリーを注入してソイル
セメント柱列壁を築造するものであり、この場合、好ま
しくは分散剤として後述する本発明ソイルセメント柱列
壁構築用分散剤を用いるものである。
【0016】ここで、原位置地盤とは、土や砂、岩石な
どで構成され、掘削施工前(即ち、本発明のセメントス
ラリーが注入される前)の自然堆積状態における地盤を
意味する。
【0017】本発明において、原位置地盤中の水分量を
決定するため、工事対象とする原位置地盤より土をサン
プリングしてその水分量を測定する。サンプリングの方
法は、以下に示す代表的な6方法を土質により適宜使い
分けて行うことができる。 (i)オーガーボーリング れき質層、固結土を除く土質に適用 (ii)標準貫入試験 ほぼすべての土に適用 (iii)シンウォルサンプラー 柔らかい粘性土に適用 (iv)デニソンサンプラー やや硬質の粘性土に適用 (v)サンドサンプラー 砂質、硬質の土に適用 (vi)ブロックサンプル ほぼすべての土に適用
【0018】いずれのサンプリング方法も原理的には、
サンプラーをボーリング孔底に下ろした後、貫入させて
引き上げる方法である。原位置地盤中の最終的な配合設
計に用いる水分量は、工事対象地盤全体に対して適当な
間隔をおいて、かつ地層分布に応じて深さ方向に数水準
のサンプリングを行い、それらの加重平均を算出して決
定される。
【0019】この場合、水分量の測定は、地盤工学会基
準「土の含水比試験方法(JSFT121−199
0)」に記載の土試料の乾燥減量により算出する方法を
用いる。
【0020】具体的には、この試験方法は、試験中に質
量の変化を生じない容器の質量mc(g)をはかり、更
に水分量を測定する試料を容器に入れ、全質量ma
(g)をはかる。その後、試料を容器ごと恒温乾燥炉に
入れ、110℃で一定質量になるまで炉乾燥する。この
炉乾燥試料を容器ごとデシケーターに移し、ほぼ室温に
なるまで冷ました後、全質量mb(g)をはかる。以上
の結果から、土の含水比w(%)を下記式から算出す
る。 w(%)=(ma−mb)/(mb−mc)×100 従って、土の水分量x(g)は、土の質量y(g)と土
の含水比w(%)から、下記式より算出することができ
る。 x(g)=y×w/(100+w)
【0021】本発明のセメントスラリーは、泥土、水硬
性無機物、水、分散剤より構成される混合物である。
【0022】ここで、泥土とは、ベントナイト、アタパ
ルジャイト、セピオライト、クリソタイル系アスベスト
等のモンモリロナイトを主成分とする膨潤性の高い泥土
などであり、特にベントナイトが好ましい。
【0023】水硬性無機物とは、普通ポルトランドセメ
ント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランド
セメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトラ
ンドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セ
メント、シリカセメント、フライアッシュセメント、各
種地盤改良用セメント系固化材等のセメント系材料を用
いることができる。これらの中でも、特に、普通ポルト
ランドセメント、高炉セメント、各種地盤改良用セメン
ト系固化材が好ましい。
【0024】分散剤としては、セメント、泥土、土砂等
の無機系粒子に対して分散効果を有するものであれば良
く、本発明においては無機酸、有機酸及びこれらの塩を
用いることができる。具体的には、オキシカルボン酸、
ピロリン酸、ポリリン酸、フミン酸、脂肪酸又はそれら
の塩(特に水溶性塩が好ましい)が挙げられる。また、
カルボン酸基、スルホン酸基及びホスホン酸基からなる
群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリマ
ー又はこれらの塩、具体的には、カルボン酸基及び/又
はスルホン酸基及び/又はホスホン酸基を有する少なく
とも1種の単量体より合成されたホモポリマー若しくは
コポリマー又はそれらの塩(水溶性塩が好ましい)など
が挙げられる。
【0025】ここで、カルボン酸基、スルホン酸基又は
ホスホン酸基を有する単量体としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、スチレ
ンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロ
パンスルホン酸、3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ
−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスル
ホン酸、メタアリルスルホン酸、スチレンホスホン酸、
ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、メタアリルホス
ホン酸などが例示でき、これらの単量体から選ばれる1
種又は2種以上の単量体より得られるホモポリマー又は
コポリマーが挙げられる。また、これらの官能基を有す
る1種又は2種以上の単量体と他の共重合性単量体との
コポリマーも使用することができる。他の共重合性単量
体としては、アルキル基の炭素数1〜8のアクリル酸ア
ルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アク
リル酸ヒドロキシアルキルエステル、アクリルアミド、
スチレン、イソプレン、イソブチレン、イソアミレン、
酢酸ビニル等が挙げられ、これらの(共)重合体は酸又
は塩の形で使用することができる。これらの(共)重合
性単量体は1〜99モル%共重合させることができる。
(共)重合体の重量平均分子量は1000〜10万、好
ましくは3000〜5万である。
【0026】これらの中でも、クエン酸ナトリウム、ク
エン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸
カルシウム、アクリル酸よりなる単一重合体又はその
塩、スチレンスルホン酸よりなるホモポリマー又はその
塩、アクリル酸とマレイン酸よりなる共重合体又はその
塩、マレイン酸とイソアミレンよりなる共重合体又はそ
の塩を用いることが好ましく、特にアクリル酸よりなる
単一重合体又はその塩、マレイン酸とイソアミレンより
なる共重合体又はその塩が好ましい。これらの分散剤
は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用すること
ができる。
【0027】上記(共)重合体の塩としては、アンモニ
ウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム
塩)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウ
ム塩)等の水溶性塩が好ましいが、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、エチルアミン、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン等のアミン塩で置換されて
いてもよく、また、未中和部分が残っていても構わな
い。
【0028】本発明のセメントスラリーに用いられる水
硬性無機物と水と分散剤と泥土は、以下に示す配合比
(質量比)で使用することが好ましい。水/水硬性無機
物=1.2〜4.0、より好ましくは1.6〜3.5で
ある。分散剤/水硬性無機物=0.001〜0.2、よ
り好ましくは0.005〜0.05である。
【0029】本発明においては、上記配合割合の4成分
(水硬性無機物、水、分散剤、泥土)を混合して、セメ
ントスラリーを調製するが、特に水と分散剤とを混合
後、水硬性無機物と泥土とを混合する方法が好ましい。
【0030】本発明のソイルセメント柱列壁構築方法
は、上記のようにして調製されたセメントスラリーを原
位置地盤に注入してソイルセメント柱列壁を築造するも
のであり、この場合、原位置地盤に対して注入される分
散剤を含むセメントスラリーの注入量が、分散剤を含ま
ないセメントスラリーの注入量に比べて10〜45質量
%少ない量であり、特に15〜40質量%であることが
好ましい。10質量%未満では結果として得られる排出
残土の低減量が小さく、経済効果が得られない。一方、
45質量%を超えるとソイルセメントの流動性が極端に
低下してしまい、ソイルセメント柱列壁の強度が低下す
る。
【0031】また、セメントスラリー中の水分量(W)
と原位置地盤中の水分量(S)の合計と、このセメント
スラリー中のセメント量(C)とが、〔(S)+
(W)〕/(C)=1.5〜6.0(質量比)の関係を
満たすことが必要であり、特に1.7〜5.8であるこ
とが好ましい。〔(S)+(W)〕/(C)が小さすぎ
ると、ソイルセメント中の相対的な水分量が減少するた
め、ソイルセメントの流動性が極端に低下してしまう。
一方、大きすぎると、ソイルセメント中の相対的な水分
量が増加してしまい、所望の強度発現効果が得られな
い。
【0032】更に、分散剤を含むセメントスラリー中の
セメント濃度(質量%)は、分散剤を含まないセメント
スラリー中のセメント濃度(質量%)に対して0.75
〜1.2であることが必要である。0.75未満では、
ソイルセメント中の相対的なセメント量が不足するた
め、分散剤を含まないセメントスラリーを用いて築造さ
れるソイルセメント柱列壁の強度より大きく低下し、硬
化後のソイルセメント柱列壁の強度が不足してしまう。
一方、1.2を超えると、ソイルセメント中の相対的な
セメント量が増加するため、ソイルセメントの流動性の
低下、及び硬化後に行われるソイルセメント柱列壁のは
つり(柱列壁面を掘削により露出させること)が困難に
なる。
【0033】本発明のソイルセメントは、原位置地盤の
掘削土(土砂)と、セメントスラリー(泥土、水硬性無
機物、水、分散剤)とから構成される混合物である。こ
の場合、セメントスラリーの原位置地盤において掘削さ
れる掘削土に対する使用量(質量比)は、好ましくは
0.3〜0.7である。
【0034】本発明の構築方法により得られるソイルセ
メント柱列壁は、攪拌翼を用いて原位置地盤の土砂とセ
メントスラリーとを混合してソイルセメントの柱を造成
し、これらの柱をオーバラップさせて地中壁とするもの
であり、その築造方法や形状等については、日本材料学
会「ソイルミキシングウォール設計施工指針」に詳細に
記載されている。
【0035】なお、本発明の構築方法は、オーガーマシ
ン等によって土砂を掘削する際に、セメントスラリーを
掘削機先端から吐出し、掘削位置において土砂とセメン
トスラリーを混合してソイルセメント柱列壁を造成する
方法(ソイルセメント柱列壁工法)に好適であるが、同
様な方法で施工される他の工法に対しても問題なく使用
することができるものである。
【0036】また、ソイルセメント柱列壁構築方法で
は、土留壁の強度確保や止水性を確保するための応力材
として構造材料を埋設することが頻繁に行われている。
このような構造材料としては、H形鋼、シートパイル、
ボックスシート型の鋼矢板、PCパイルなどが使用され
る。これらの構造材料の建て込みは壁体が硬化する前に
実施することが必要である。更に、埋設時には壁体の流
動性が高いほど迅速で正確な建て込みが可能になる。本
発明によれば、これら構造材料の埋設が容易に行えると
いう利点がある。
【0037】本発明の構築方法により得られるソイルセ
メント柱列壁の用途としては、山留め壁、止水壁、ガイ
ドウォール工事、仮設的な支持杭、地盤改良等がある。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。
【0039】〔実施例1〜6、比較例1〜5〕下記の使
用材料を表2に示した配合割合で用いてソイルセメント
を製造した。即ち、予め水硬性無機物、水、泥土をソイ
ルミキサーで1分間均一混合し、セメントスラリーを製
造した後、これに表1記載の試料土を加えて攪拌し、実
施例1〜6、比較例1〜5のソイルセメントを製造し
た。なお、比較例1は、分散剤を含まないソイルセメン
トであり、分散剤を含むセメントスラリーを使用する際
の基準配合となるものである。
【0040】<使用材料> (1)水硬性無機物 高炉B種セメント(住友大阪セメント製、比重3.0
4) (2)泥土 ベントナイト赤城:250メッシュ(豊順洋行製、比重
2.56) (3)分散剤 マレイン酸ナトリウム50モル%とイソアミレン50
モル%の共重合体(重量平均分子量10,000、比重
1.26) ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量6,50
0、比重1.30) のポリアクリル酸ナトリウム/グルコン酸ナトリウ
ム=7/3(質量比)配合物(比重1.32) (4)試料土(対象土)の性状
【0041】
【表1】 *水分含有率:土の含水比から算出
【0042】
【表2】 *セメントスラリーの配合: 〔対象土1m3=1270kg、水分量(S)=494
kg〕 *セメントスラリーの削減率:対象土1m3に対して注
入される分散剤を含まないセメントスラリー注入量A
(比較例1)と、分散剤を添加した実施例1〜6及び比
較例2〜5のセメントスラリー注入量Bとから、削減率
(質量%)〔(A−B)/A×100〕を算出した。 *セメント濃度比:分散剤を含まないセメントスラリー
(比較例1)中のセメント濃度(質量%)に対する分散
剤を添加した実施例1〜6及び比較例2〜5のセメント
スラリー中のセメント濃度(質量%)の比を求めた。
【0043】得られた各ソイルセメントについて、下記
評価方法により流動性及び一軸圧縮強度を測定した。結
果を表3に示す。
【0044】<流動性の評価>流動性の評価は製造したソ
イルセメントのフローで行った。評価方法は、JIS
R 5201に準拠したモルタルフロー試験に従った。 <一軸圧縮強度>一軸圧縮強度はφ=5cm、h=10c
mの型枠で成型し、材令28日まで養生を行い、JIS
A 1216に準拠して測定した。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明のソイルセメント柱列壁構築方法
を用いることにより、築造されるソイルセメント柱列壁
の強度等の品質低下を起こすことがなく、原位置地盤に
対するセメントスラリー注入量を低減させることが可能
となり、結果として排出残土が著しく削減することがで
きる。また、本発明のソイルセメント柱列壁構築方法に
おいて、特定の分散剤を用いることにより、より好まし
い結果を与えるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 勉 東京都港区北青山2丁目5番8号 株式会 社間組内 (72)発明者 八重樫 光 東京都港区北青山2丁目5番8号 株式会 社間組内 (72)発明者 松居 克 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 稲田 弘二 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 2D049 EA01 EA02 GB05 GC05 GC11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原位置地盤に分散剤を含むセメントスラ
    リーを注入してソイルセメント柱列壁を築造するソイル
    セメント柱列壁構築方法において、上記分散剤を含むセ
    メントスラリー中の水分量(W)と原位置地盤中の水分
    量(S)の合計と、該セメントスラリー中のセメント量
    (C)とが〔(S)+(W)〕/(C)=1.5〜6.
    0(質量比)の関係を満たし、かつ分散剤を含まないセ
    メントスラリー中のセメント濃度(質量%)に対する上
    記分散剤を含むセメントスラリー中のセメント濃度(質
    量%)の比が0.75〜1.2であると共に、上記分散
    剤を含むセメントスラリーを分散剤を含まないセメント
    スラリーに比べて10〜45質量%少ない量で原位置地
    盤に注入することにより、該分散剤を含まないセメント
    スラリーと実質的に同等以上の強度を有するソイルセメ
    ント柱列壁を築造することを特徴とするソイルセメント
    柱列壁構築方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のソイルセメント柱列壁構
    築方法に用いる分散剤であって、上記分散剤がクエン酸
    ナトリウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウ
    ム、グルコン酸カルシウム、アクリル酸よりなる単一重
    合体及びその塩、スチレンスルホン酸よりなるホモポリ
    マー及びその塩、アクリル酸とマレイン酸よりなる共重
    合体及びその塩並びにマレイン酸とイソアミレンよりな
    る共重合体及びその塩から選ばれる1種又は2種以上で
    あるソイルセメント柱列壁構築用分散剤。
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