JP2002167254A - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents
セメント混和材及びセメント組成物Info
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Abstract
ト混和材及びセメント組成物を提供すること。 【解決手段】 CaO原料と、CaSO4原料と、Al2
O3原料、Fe2O3原料及びSiO2原料から選ばれる1
種又は2種以上とを熱処理して得られる物質であって、
遊離石灰と、無水セッコウと、カルシウムアルミノフェ
ライト、カルシウムフェライト、アウイン及びカルシウ
ムシリケートから選ばれる1種又は2種以上とを含有し
てなる遊離石灰量が35〜60%の膨張物質とホウ酸類
からなるセメント混和材であり、セメント混和材100
部中、ホウ酸類0.01〜10部を含有してなることを
特徴とする該セメント混和材であり、セメントと、該セ
メント混和材とを含有してなるセメント組成物を構成と
する。
Description
分野において使用される、セメント混和材及びセメント
組成物に関する。なお、本発明でいうコンクリートと
は、セメント・ペースト、セメント・モルタル、及びセ
メント・コンクリ−トを総称するものである。
や曲げ耐力の向上は、コンクリート構造物の信頼性、耐
久性、美観等の観点から重要であり、これらを改善する
効果のあるセメント混和材、すなわち、セメント系膨張
材のさらなる技術の進展が望まれている。従来より、セ
メント・コンクリートに膨張性を与えるセメント混和材
としては、例えば、遊離石灰−アウイン−無水セッコウ
系膨張材(特公昭42-21840号公報)や、遊離石灰−カル
シウムシリケート−無水セッコウ系膨張材(特公昭53-3
1170号公報)等があった。一方、近年では、コンクリー
トの高性能化を目的として、高流動コンクリートや高強
度コンクリートの開発が盛んに行われている。
の高性能なコンクリートでは膨張材の効果が十分に発揮
されないことが指摘されている。現在では、膨張材の混
和率が小さくても大きな膨張性を付与できる膨張特性の
優れた膨張材の開発が待たれているのが実状である。ま
た、最近では、従来の仕様規定型の設計体系から、性能
規定型の設計体系へ移行が検討されており、これまでや
や軽視されていた耐久性についても明確な性能規定が定
められるものと考えられる。すなわち、ひび割れの耐久
性に対する影響の定量化がなされるためひび割れの低減
は重要な課題となるが、ひび割れ低減に効果のあるセメ
ント系膨張材を広範に利用するためには、使用量を少な
くして、経済的負担を小さくすることが不可欠である。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく種々の検討を
重ねた結果、特定のセメント混和材を使用することによ
り、前記課題が解決できるとの知見を得て本発明を完成
するに至った。
と、CaSO4原料と、Al2O3原料、Fe2O3原料及
びSiO2原料から選ばれる1種又は2種以上とを熱処
理して得られる物質であって、遊離石灰と、無水セッコ
ウと、カルシウムアルミノフェライト、カルシウムフェ
ライト、アウイン及びカルシウムシリケートから選ばれ
る1種又は2種以上とを含有してなる遊離石灰量が35
〜60%の膨張物質とホウ酸類からなるセメント混和材
であり、セメント混和材100部中、ホウ酸類0.01
〜10部を含有してなることを特徴とする該セメント混
和材であり、セメントと、該セメント混和材とを含有し
てなるセメント組成物である。なお、本発明で使用する
配合割合を示す部、%は質量単位である。
する。
無水セッコウと、カルシウムアルミノフェライト、カル
シウムフェライト、アウイン及びカルシウムシリケート
から選ばれる1種又は2種以上(以下、水硬性化合物)
とを含有してなるものであり、膨張物質100部中、遊
離石灰は35〜60部が好ましく、40〜55部がより
好ましい。また、水硬性化合物は10〜40部が好まし
く、15〜30部がより好ましい。さらに、無水セッコ
ウは10〜40部が好ましく、20〜35部がより好ま
しい。水硬性化合物中におけるカルシウムアルミノフェ
ライト、カルシウムフェライト、アウイン及びカルシウ
ムシリケートの割合は、特に限定されるものではない。
その具体例としては、MgO、TiO 2、P2O5、Na2
O、K2O、塩素等が挙げられるが、本発明の目的を実
質的に阻害しない範囲では特に問題とはならない。
する。本発明のカルシウムアルミノフェライトとは、C
aO−Al2O3−Fe2O3系化合物を総称するものであ
り、特に限定されるものではないが、一般的に、CaO
をC、Al2O3をA、Fe2O3をFとすると、C4AFや
C6A2Fと表せる化合物等が挙げられる。通常は、C4
AFとして存在していると考えられ、本発明ではカルシ
ウムアルミノフェライトを以下、C4AFとする。本発
明のカルシウムフェライトとは、CaO−Fe2O3系化
合物を総称するものであり、特に限定されるものではな
いが、一般的に、CaOをC、Fe2O3をFとすると、
C2FやCF等の化合物がよく知られている。本発明で
は、膨張特性が良好となることから、C2Fを使用する
ことが好ましい。本発明では、カルシウムフェライトを
以下、C2Fとする。本発明のアウインとは、3CaO
・3Al2O3・CaSO4で表される化合物を示すもの
である。本発明のカルシウムシリケートとは、CaO−
SiO2系化合物を総称するものであり、特に限定され
るものでないが、一般的に、CaOをC、SiO2をS
とすると、C3SやC2S等の化合物が知られている。
メタホウ酸、テトラホウ酸、水素化ホウ酸、過ホウ酸及
びそれらの塩が挙げられ、塩としてはナトリウム塩、ア
ンモニウム塩等が挙げられる。ホウ酸類の粒度は特に限
定されるものでなく、その使用形態は、粉末、もしくは
水に溶解させたものでも使用可能である。本発明では膨
張特性が優れることからホウ酸を使用することが好まし
い。
aO原料と、CaSO4原料と、Al2O3原料、Fe2O
3原料、及びSiO2原料から選ばれる1種又は2種以上
とを熱処理して、遊離石灰、水硬性化合物及び無水セッ
コウからなるクリンカーを合成してこれを粉砕して製造
される。遊離石灰、水硬性化合物及び無水セッコウを別
々に合成し、これらを混合したものでは、本発明のよう
な効果は得られない。CaO原料と、CaSO4原料
と、Al2O3原料、Fe2O3原料、及びSiO2原料か
ら選ばれる1種又は2種以上とを熱処理して、遊離石
灰、水硬性化合物及び無水セッコウからなるクリンカー
を合成してこれを粉砕して製造されたものか否かを確認
する方法としては、例えば、セメント混和材の粗粒子、
具体的には100μmよりも大きな粒子を顕微鏡等によ
り観察して組成分析を行い、粒子中に遊離石灰、水硬性
化合物及び無水セッコウが混在していることを確認する
ことによって容易に判別できる。
処理温度であるが、1100〜1600℃の範囲が好ま
しく、1200〜1500℃の範囲がより好ましい。具
体的には、1100℃未満では、得られたセメント混和
材の膨張特性が十分でなく、1600℃を超えると無水
セッコウが分解する場合がある。
挙げられ、Al2O3原料としてはボーキサイトやアルミ
残灰等が、Fe2O3原料としては銅カラミや鉄粉及び市
販の酸化鉄等が、SiO2原料としては、珪石や粘土等
が、さらに、CaSO4原料としては二水セッコウ、半
水セッコウ及び無水セッコウ等が挙げられる。
合割合は、特に限定されるものではないが、セメント混
和材100部中、0.01〜10部が好ましく、1〜3
部がより好ましい。ホウ酸類の配合割合が、この範囲外
では、本発明の効果である優れた膨張特性が得られない
場合がある。具体的には、0.01部未満では、優れた
膨張持性が得られない場合があり、10部を超えると、
優れた膨張特性が得られても、硬化不良を起こす場合が
あり適当でない。
限定されるものではないが、セメントと、セメント混和
材料からなるセメント組成物100部中、セメント混和
材3〜11部が好ましく、4〜8部がより好ましい。本
発明のセメント混和材の使用量がこの範囲外では、本発
明の効果、すなわち、優れたスランプ保持性及び膨張特
性の得られない場合がある。具体的には、3部未満で
は、優れた膨張特性の得られない場合があり、11部を
超えて使用すると、強度発現性が低下する場合がある。
に規定される各種ポルトランドセメント、JIS R 5211、
JIS R 5212及びJIS R 5213に規定される各種混合セメン
ト、JISに規定された以上の混和材の混和率にて作製し
た高炉セメント、フライアッシュセメント及びシリカセ
メント、石灰石粉末等を混合したフィラーセメント、並
びにアルミナセメント等のうちの1種又は2種以上と本
発明のセメント混和材を含有してなるものである。本発
明のセメント組成物は、そのままセメント・ペーストと
して使用することはもちろん、骨材と混合して、セメン
ト・モルタルやセメント・コンクリートとしても使用可
能である。
砂や砂利等の骨材の他、凝結促進剤、凝結遅延剤、減水
剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、AE剤、増粘剤、
セメント急硬材、防錆剤、高分子エマルジョン、ベント
ナイトやモンモリロナイト等の粘土鉱物、無機リン酸塩
等のうちの1種又は2種以上を本発明の目的を実質的に
阻害しない範囲で併用することが可能である。
用する混合装置としては、既存のいかなる撹拌装置も使
用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、V
型ミキサ、ヘンシェルミキサ及びナウタ−ミキサ等が利
用可能である。混合は、それぞれの材料を施工時に混合
してもよいし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合
しておいても差し支えない。混合順序は特に限定される
ものでない。
る。
O3原料、及びSiO2原料から選ばれる1種又は2種以
上とを配合して、1400℃で熱処理することによっ
て、表1に示す種々の組成(各成分の合計100部中の
割合)のクリンカーを製造し、粉砕してブレーン比表面
積3500±200cm2/gの膨張物質を調製した。
該膨張物質とホウ酸からなるセメント混和材100部
中、ホウ酸を1.5部配合してセメント混和材を調製し
た。
ト組成物100部に対してセメント混和材を6部使用
し、水/セメント組成物比=53%、セメント組成物/
砂比=1/3のモルタルを調製して、材齢7日の長さ変
化率の測定を行った。また、比較のため、遊離石灰、C
4AF及び無水セッコウを別々に合成して混合したもの
(膨張物質U)、市販の膨張材及び、並びに遊離石
灰のみについても同様に試験した。結果を表1に併記す
る。
したもの。 C4AF:CaO原料4モル、Al2O3原料1モル、F
e2O3原料1モルを混合し、1350℃で3時間焼成し
合成したもの。 無水セッコウ:CaSO4原料を1350℃で3時間焼
成し合成したもの。 砂:新潟県姫川産、比重2.62、FM値2.86 水:水道水 ホウ酸:市販品 膨張材:市販カルシウムサルホアルミネート系膨張材 膨張材:市販石灰系膨張材
ト混和材を使用したモルタルは、比較例と比べいずれも
優れた膨張特性を示した。
を配合したセメント混合材を使用したこと以外は、実施
例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
部配合した本発明のセメント混和材を使用したモルタル
は、比較例と比べいずれも優れた膨張特性を示した。
5部配合したこと以外は、実施例1と同様に行った。結
果を表3に併記する。
類を配合したセメント混和材を使用することにより、モ
ルタルはいずれも優れた膨張特性を示した。
セメント混和材をセメント組成物100部中、表4に示
す量を使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。
結果を表4に併記する。
ト混和材の使用量が増加すると、モルタルはより優れた
膨張特性を示した。
成物を使用することにより、コンクリートは優れた膨張
持性を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 CaO原料と、CaSO4原料と、Al2
O3原料、Fe2O3原料及びSiO2原料から選ばれる1
種又は2種以上とを熱処理して得られる物質であって、
遊離石灰と、無水セッコウと、カルシウムアルミノフェ
ライト、カルシウムフェライト、アウイン及びカルシウ
ムシリケートから選ばれる1種又は2種以上とを含有し
てなる遊離石灰量が35〜60%の膨張物質とホウ酸類
からなるセメント混和材。 - 【請求項2】 セメント混和材100部中、ホウ酸類
0.01〜10部を含有してなることを特徴とする請求
項1に記載のセメント混和材。 - 【請求項3】 セメントと、請求項1又は2に記載のセ
メント混和材とを含有してなるセメント組成物。
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JP2002226243A (ja) * | 2001-01-29 | 2002-08-14 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 膨張材及びセメント組成物 |
JP2009184895A (ja) * | 2008-02-08 | 2009-08-20 | Taiheiyo Cement Corp | セメント添加材及びセメント組成物 |
JP2013227172A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Taiheiyo Materials Corp | コンクリート |
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- 2000-11-30 JP JP2000364315A patent/JP4527269B2/ja not_active Expired - Fee Related
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