JP2002166732A - 燃料タンクのフィラーチューブ - Google Patents

燃料タンクのフィラーチューブ

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JP2002166732A JP2000366774A JP2000366774A JP2002166732A JP 2002166732 A JP2002166732 A JP 2002166732A JP 2000366774 A JP2000366774 A JP 2000366774A JP 2000366774 A JP2000366774 A JP 2000366774A JP 2002166732 A JP2002166732 A JP 2002166732A
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料蒸気吸引ポートに吸引される燃料蒸気に
よってセンシングポートに大きな負圧が作用するのを抑
制し、給油ガンのオートストップ機構が誤作動するのを
防止する。 【解決手段】 燃料蒸気吸引ポート36およびセンシン
グポート33を備えた給油ガンのノズル14が挿入され
る筒状のノズル挿入部材53の外側に、摺動部材47の
燃料蒸気案内溝47b、外周フランジ53eの燃料蒸気
通孔53hおよびダイヤフラム55の燃料蒸気通孔55
aを通る燃料蒸気吸引通路61を形成する。この燃料蒸
気吸引通路61を通して燃料蒸気を燃料蒸気吸引ポート
36に吸引することにより、燃料蒸気がセンシングポー
ト33の近傍を流れなくなり、センシングポート33に
負圧が作用するのを防止することができる。その結果、
燃料タンクが満タンになってセンシングポート33が燃
料液面下に没する前に、給油ガンのオートストップ機構
が誤作動することが確実に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オートストップ機
構のセンシングポートと、燃料蒸気を吸引する燃料蒸気
吸引ポートとを有する給油ガンのノズルが挿入される給
油ガン挿入部を備えた燃料タンクのフィラーチューブに
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料タンクから車体外部に向け
て上方に延びるフィラーパイプの上端に、給油ガンのノ
ズルを挿入するための給油ガン挿入部が設けられる。給
油ガン挿入部には、給油ガンのノズルの挿入を容易にす
るための環状のノズルガイドと、燃料蒸気の大気への拡
散を防止するための環状のシール部材とが上下に隣接し
て配置される。
【0003】シール部材へのノズルの挿入を容易にしな
がら、シール部材をノズルの外周に密着させて燃料蒸気
の大気への拡散を防止するために、ノズルの先端に嵌合
して軸方向に摺動する円筒状のノズル挿入部材を前記シ
ール部材に連結し、ノズル挿入部材の摺動に応じてシー
ル部材を半径方向内側に変形させてノズルの外周に密着
させるものが、特願平11−299366号により提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に給油ガンのノズ
ルにはセンシングポートと燃料蒸気吸引ポートとが設け
られており、燃料タンクが満タンになってフィラーチュ
ーブ内の燃料液面が上昇し、センシングポートが燃料液
面下に没するとオートストップ機構が作動して燃料の供
給が自動的に停止するようになっており、また給油に伴
ってフィラーチューブ内に押し上げられた燃料蒸気は燃
料蒸気吸引ポートに吸引されて大気への拡散が防止され
る。
【0005】しかしながら、上記特願平11−2993
66号により提案されたものの如く、センシングポート
および燃料蒸気吸引ポートが形成されたノズルの先端を
円筒状のノズル挿入部材に挿入すると、燃料蒸気吸引ポ
ートに吸引される燃料蒸気がノズル挿入部材およびノズ
ル間の狭い隙間を高い流速で流れるため、前記隙間に開
口するセンシングポートに大きな負圧が作用してしま
い、燃料タンクが満タンになっていないにも拘わらず、
オートストップ機構が誤作動して燃料の供給が停止して
しまう場合があった。
【0006】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、燃料蒸気吸引ポートに吸引される燃料蒸気によって
センシングポートに大きな負圧が作用するのを抑制し、
給油ガンのオートストップ機構が誤作動するのを防止す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、オートストッ
プ機構のセンシングポートと、燃料蒸気を吸引する燃料
蒸気吸引ポートとを有する給油ガンのノズルが挿入され
る給油ガン挿入部を備えた燃料タンクのフィラーチュー
ブにおいて、前記給油ガン挿入部は給油ガンのノズルが
挿入されて軸方向に摺動する概略筒状のノズル挿入部材
と、ノズル挿入部材の摺動に伴って弾性変形し、センシ
ングポートおよび燃料蒸気吸引ポートの上方において給
油ガンのノズルの外周をシールするシール手段と、ノズ
ル挿入部材にセンシングポートに臨むように形成された
開口部と、センシングポートを迂回して燃料蒸気吸引ポ
ートに燃料蒸気を吸引する燃料蒸気吸引通路とを備えた
ことを特徴とする燃料タンクのフィラーチューブが提案
される。
【0008】上記構成によれば、給油ガンのノズルを概
略筒状のノズル挿入部材に挿入して該ノズル挿入部材を
軸方向に摺動させると、シール手段が弾性変形してセン
シングポートおよび燃料蒸気吸引ポートの上方において
給油ガンのノズルの外周をシールするので、この状態で
ノズルからフィラーチューブ内に燃料を供給したとき
に、燃料タンクからフィラーチューブ内に押し上げられ
てきた燃料蒸気は、センシングポートを迂回する燃料蒸
気吸引通路を介して確実に燃料蒸気吸引ポートに吸引さ
れて大気への拡散が防止され、また一部の燃料蒸気がノ
ズル挿入部材の内部を通って吸引されても、センシング
ポートに臨むように形成された開口部により燃料蒸気の
流速が減少して負圧の発生が防止される。このように燃
料蒸気吸引ポートに吸引される燃料蒸気がセンシングポ
ートを迂回し、あるいはセンシングポートの近傍で流速
が低下するので、センシングポートに負圧が作用するこ
とがなくなり、燃料タンクが満タンになってセンシング
ポートが燃料液面下に没する前にオートストップ機構が
誤作動することが確実に防止される。
【0009】尚、実施例の第2ダイヤフラム55は本発
明のシール手段に対応する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもの
で、図1はフィラーパイプの給油ガン挿入部の縦断面
図、図2はノズル挿入部材の斜視図、図3は給油ガンを
浅く挿入したときの作用説明図、図4は給油ガンを深く
挿入したときの作用説明図、図5は給油ガンの給油時の
状態を示す図、図6は給油ガンのオートストップ機構が
作用したときの状態を示す図である。
【0012】先ず、図5および図6に基づいてオートス
トップ機構を備えた給油ガンGの構造を説明する。
【0013】給油ホース11に連なる給油ガン本体12
はハンドル13およびノズル14を備えており、ハンド
ル13に形成された上流側の第1燃料通路15およびノ
ズル14に形成された下流側の第2燃料通路16が弁座
17を介して接続される。弁座17に着座可能な弁体1
8に固定された弁軸19の端部が、中央部を支軸20で
枢支されたベルクランク21の一端にピン22で連結さ
れる。
【0014】ハンドル13に支軸23を介して枢支され
たトリガー24と前記ベルクランク21の他端との間に
第1ロッド25および第2ロッド26が直列に配置され
ており、ハンドル13に上下摺動自在に支持された第1
ロッド25の上端はベルクランク21の他端に当接する
とともに、前後方向(図中左右方向)に移動可能な第2
ロッド26の上端および下端は、それぞれ第1ロッド2
5の下端およびトリガー24に当接する。
【0015】トリガー24の前方にダイヤフラム27で
区画された負圧室28が形成されており、この負圧室2
8は第1負圧通路29を介して弁座17の前方に形成さ
れたベンチュリ30に連通するとともに、第2負圧通路
31および負圧パイプ32を介してノズル14の先端に
開口するセンシングポート33に連通する。ダイヤフラ
ム27と第2ロッド26とは、前後方向に移動自在な連
結軸34で連結される。
【0016】ノズル14を軸方向に貫通する第2燃料通
路16の外周に第1燃料蒸気吸引通路35が形成されて
おり、第1燃料蒸気吸引通路35の前端には多数の燃料
蒸気吸引ポート36…(図3および図4参照)が形成さ
れ、また第1燃料蒸気吸引通路35の後端はハンドル1
3に形成された第2燃料蒸気吸引通路37を経て図示せ
ぬ負圧源に接続される。
【0017】従って、給油者がトリガー24を引くと第
2ロッド26および第1ロッド25を介してベルクラン
ク21の他端が押し上げられ、支軸20まわりに時計方
向に回転するベルクランク21の一端に弁軸19を引か
れた弁体18が後退して弁座17から離反する。その結
果、給油ホース11から供給された燃料は第1燃料通路
15、ベンチュリ30および第2燃料通路16を経て自
動車の燃料タンクのフィラーチューブに供給される。こ
のとき、負圧を発生するベンチュリ30は第1負圧通路
29、負圧室28、第2負圧通路31および負圧パイプ
32を経てセンシングポート33に連通しているが、セ
ンシングポート33が開放しているために負圧室28に
ベンチュリ30で発生した負圧が作用することはない。
従って、負圧室28内のダイヤフラム27は図5の位置
に保持され、弁体18は開弁位置に保持される。
【0018】燃料の供給により燃料タンクが満タンにな
るとフィラーチューブ内の燃料液面が上昇し、図6に示
すように給油ガンGのセンシングポート33が燃料液面
下に没する。このようにしてセンシングポート33が燃
料によって閉塞されると、ベンチュリ30で発生した負
圧が負圧室28に作用してダイヤフラム27が前方に移
動し、連結軸34に引かれた第2ロッド26がトリガー
24および第1ロッド25から分離するため、ベルクラ
ンク21の拘束が解除されることにより燃料の圧力で弁
体18が弁座17に着座し、オートストップ機構が作動
して燃料の供給が自動的に停止する。
【0019】上述のようにして給油ガンGから燃料タン
クのフィラーチューブに燃料を供給している間、フィラ
ーチューブ内の燃料蒸気は燃料蒸気吸引ポート36…か
ら第1燃料蒸気吸引通路35および第2燃料蒸気吸引通
路37を経て吸引され、大気中への拡散が防止される。
【0020】次に、図1および図2に基づいてフィラー
チューブ41の給油ガン挿入部42の構造を説明する。
【0021】図示せぬ燃料タンクから上方に延びるフィ
ラーチューブ41の上部は、第1チューブ部材43およ
び第2チューブ部材44を結合して構成される。第1チ
ューブ部材43は給油口43aを有する第1筒状部43
bと、第1筒状部43bに連なる第1球状ガイド部43
cと、第1球状ガイド部43cに連なる第1フランジ4
3dとを備え、第2チューブ部材44は第1チューブ部
材43の第1フランジ43dにカシメにより結合される
第2フランジ44aと、第2フランジ44aに連なる第
2球状ガイド部44bと、第2球状ガイド部44bに連
なる第2筒状部44cとを備える。第1球状ガイド部4
3cおよび第2球状ガイド部44bは同一球面の一部を
構成する。
【0022】第1チューブ部材43の第1球状ガイド部
43cの内面に第1揺動部材45が揺動自在に支持され
る。第1揺動部材45は、第1チューブ部材43の第1
球状ガイド部43cに対して摺動する第3球状ガイド部
45aと、第3球状ガイド部45aの半径方向外側に連
なる第1円筒状ガイド部45bと、第3球状ガイド部4
5aの半径方向内側に連なる給油ガン挿入ガイド部45
cとを備える。第2チューブ部材44の第2球状ガイド
部44bの内面に第2揺動部材46が揺動自在に支持さ
れる。第2揺動部材46は、第2チューブ部材44の第
2球状ガイド部44bに対して摺動する第4球状ガイド
部46aと、第4球状ガイド部46aの半径方向内側に
連なる第2筒状ガイド部46bとを備える。
【0023】概略円筒状の摺動部材47の上端部に環状
のダイヤフラム支持部材48が結合されており、このダ
イヤフラム支持部材48の外周面が第1揺動部材45の
第1円筒状ガイド部45bの内周面に摺動自在にガイド
される。また摺動部材47の下端部に環状のシール支持
部材49が結合されており、このシール支持部材49の
外周面が第2揺動部材46の第2筒状ガイド部46bの
内周面に摺動自在にガイドされる。第1ダイヤフラム5
0の一端が第1チューブ部材43の第1フランジ43d
および第2チューブ部材44の第2フランジ44aに挟
まれて固定され、他端が摺動部材47およびダイヤフラ
ム支持部材48間に挟まれて固定される。第2揺動部材
46と摺動部材47との間に圧縮スプリング51が配置
されるとともに、第1揺動部材45とダイヤフラム支持
部材48との間に圧縮スプリング52が配置される。摺
動部材47の内周面には、軸方向に延びる複数本の燃料
蒸気案内溝47b…が形成される。
【0024】図2を併せて参照すると明らかなように、
概略円筒状のノズル挿入部材53は、内周フランジ53
a(図1参照)の上側に延びるノズル挿入部53bと、
内周フランジ53aの下側に延びるスプリング収納部5
3cと、内周フランジ53aを架橋するスプリング支持
部53d(図1参照)と、ノズル挿入部53bの外周面
に形成された外周フランジ53eと、外周フランジ53
eの下側に連なるノズル挿入部53bを切り欠いた開口
部53fと、外周フランジ53eを貫通する複数個の係
止孔53g…と、外周フランジ53eを貫通する複数個
の燃料蒸気通孔53h…とを備える。
【0025】ノズル挿入部材53は摺動部材47の内部
に摺動自在に支持され、スプリング54によって上方に
付勢される。第2ダイヤフラム55の一端が摺動部材4
7およびダイヤフラム支持部材48間に挟まれて固定さ
れ、他端がノズル挿入部材53の3個の係止孔53g…
(図2参照)に係止される環状の係止部材56によって
固定される。第2ダイヤフラム55には複数の燃料蒸気
通孔55a…が形成される。摺動部材47の下端に突設
したブラケット47aにピン57を介して枢支された板
状のシャッター58は、その上面に設けたスプリング支
持部58aと前記ノズル挿入部材53のスプリング支持
部53dとの間に配置した引張スプリング59で上方に
付勢され、摺動部材47およびシール支持部材49との
間に挟まれて固定されたシール部材60に当接する。
【0026】フィラーチューブ41の給油ガン挿入部4
2に給油ガンGのノズル14を挿入すると、摺動部材4
7の燃料蒸気案内溝47b…と、ノズル挿入部53bの
外周フランジ53eの燃料蒸気通孔53h…と、第2ダ
イヤフラム55の燃料蒸気通孔55a…とによって、第
2チューブ部材44の第2筒状部44cを給油ガンGの
ノズル14の燃料蒸気吸引ポート36…に連通させる燃
料蒸気吸引通路61(図3および図4の破線矢印参照)
が構成される。この燃料蒸気吸引通路61は給油ガン挿
入部42に給油ガンGのセンシングポート33を迂回す
るように形成される。
【0027】次に、上記構成を備えた本発明の実施例の
作用を説明する。
【0028】図1に示すように、フィラーチューブ41
の給油ガン挿入部42に給油ガンGのノズル14を挿入
していないとき、摺動部材47は圧縮スプリング51の
弾発力で上向きに付勢され、かつ摺動部材47と一体の
ダイヤフラム支持部材48が第1揺動部材45に当接す
る上限位置に停止している。またノズル挿入部材53は
スプリング54の弾発力で上向きに付勢され、その外周
フランジ53eが摺動部材47の段部に当接する上限位
置に停止している。このとき、シャッター58は引張ス
プリング59の弾発力で上方に付勢されてシール部材6
0に着座することにより、概略円筒状の摺動部材47の
下端開口部が閉塞される。更にフィラーチューブ41と
摺動部材47の上端部とを第1ダイヤフラム50によっ
て接続することにより、第2チューブ部材44の第2筒
状部44cと、第1チューブ部材43の第1筒状部43
bとの連通が遮断され、燃料蒸気の外部への拡散が防止
される。
【0029】図3に示すように、燃料タンクに燃料を注
入すべく、給油ガンGのノズル14を給油口43aから
第1揺動部材45の給油ガン挿入ガイド部45c、第2
ダイヤフラム55およびノズル挿入部材53のノズル挿
入部53bに挿入して押し込むと、給油ガンGのノズル
14の先端に内周フランジ53aを押圧されたノズル挿
入部材53が、圧縮スプリング54の弾発力に抗して下
方に摺動する。その結果、ノズル挿入部材53の下端に
押圧されたシャッター58が引張スプリング59の弾発
力に抗してピン57まわりに下向きに揺動し、ノズル挿
入部材53の下端開口部を開放する。
【0030】このようにして給油ガン挿入部42に給油
ガンGのノズル14を挿入した状態において、第1チュ
ーブ部材43の第1球状ガイド部43cに第1揺動部材
45の第3球状ガイド部45aがガイドされ、第2チュ
ーブ部材44の第2球状ガイド部44bに第2揺動部材
46の第4球状ガイド部46aがガイドされることによ
り、給油ガン挿入部42はフィラーチューブ41に対し
て矢印A−Bで示す所定角度範囲内で揺動することがで
き、給油ガンGの挿入角度を自由に変化させることが可
能となる。
【0031】給油ガンGのノズル14の挿入によってノ
ズル挿入部材53が下方に摺動すると、このノズル挿入
部材53の外周フランジ53eに他端を係止された第2
ダイヤフラム55が半径方向内向きに移動し、給油ガン
Gのノズル14の外周面に密着してシールする。このと
き、給油ガンGのノズル14に開口する燃料蒸気吸引口
36…は第2ダイヤフラム55のシール部よりも下方に
位置しており、かつ給油ガンGのノズル14に開口する
センシングポート33はノズル挿入部材53の開口部5
3fの中央部に位置している(図2の鎖線参照)。
【0032】この状態で給油ガンGのノズル14から供
給を噴射すると、その燃料はノズル挿入部材53のスプ
リング収納部53cおよび第2チューブ部材44の第2
筒状部44cを経て燃料タンクに流入する。燃料タンク
内の燃料液面の上昇に伴ってフィラーチューブ41内に
押し上げられた燃料蒸気は、図3に示すように摺動部材
47の内周およびノズル挿入部材53の外周間に形成さ
れた空間αから、摺動部材47の燃料蒸気案内溝47b
…と、ノズル挿入部53bの外周フランジ53eの燃料
蒸気通孔53h…と、第2ダイヤフラム55の燃料蒸気
通孔55a…とによって構成された燃料蒸気吸引通路6
1を通って給油ガンGのノズル14の燃料蒸気吸引ポー
ト36…に吸引され、大気への拡散が防止される。
【0033】ところで、燃料蒸気吸引ポート36…に吸
引された燃料蒸気が給油ガンGのノズル14の外周に開
口するセンシングポート33の近傍を高い流速で流れる
と、センシングポート33に大きな負圧が発生し、その
負圧が図6に示す負圧パイプ32を経て負圧室28に伝
達されてしまう。その結果、燃料タンクが満タンになっ
てセンシングポート33が燃料液面下に没する以前に、
負圧室28内のダイヤフラム27が吸引されてオートス
トップ機構が作動してしまう可能性がある。
【0034】しかしながら、燃料蒸気吸引通路61はノ
ズル14に開口するセンシングポート33から離れた位
置にあるため、そこを流れる燃料蒸気によってセンシン
グポート33に負圧が発生することが防止され、オート
ストップ機構が不必要に作動するのを確実に防止するこ
とができる。
【0035】尚、燃料蒸気の一部は摺動部材47の内周
およびノズル挿入部材53の外周間に形成された空間α
(図3参照)と、ノズル挿入部材53に形成された開口
部53fと、給油ガンGのノズル14の外周とノズル挿
入部材53の内周間に形成された空間β(図3参照)と
を介して、給油ガンGのノズル14の外周に開口する燃
料蒸気吸引ポート36…に吸引されるが、センシングポ
ート33が臨むノズル挿入部材53に開口部53fを形
成して燃料蒸気の流路断面積を充分に確保したので、セ
ンシングポート33の近傍を流れる燃料蒸気の流速を低
下させて負圧の発生を抑制し、オートストップ機構が不
必要に作動するのを確実に防止することができる。
【0036】以上のことから、燃料タンクが満タンにな
ってセンシングポート33が燃料液面下に没したとき
に、初めてオートストップ機構を作動させることができ
る(図6参照)。
【0037】尚、給油ガンGのノズル14の挿入量が小
さい場合には、図3に示すようにノズル挿入部材53だ
けが摺動部材47に対して下方に摺動するが、給油ガン
Gのノズル14の挿入量が大きい場合には、図4に示す
ようにノズル挿入部材53に加えて、摺動部材47も第
1揺動部材45および第2揺動部材46に対して下方に
摺動する。但し、燃料蒸気の吸引やオートストップ機構
の作動に関する作用は図3の場合と同一である。
【0038】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0039】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、給油ガンのノズルを概略筒状のノズル挿入部
材に挿入して該ノズル挿入部材を軸方向に摺動させる
と、シール手段が弾性変形してセンシングポートおよび
燃料蒸気吸引ポートの上方において給油ガンのノズルの
外周をシールするので、この状態でノズルからフィラー
チューブ内に燃料を供給したときに、燃料タンクからフ
ィラーチューブ内に押し上げられてきた燃料蒸気は、セ
ンシングポートを迂回する燃料蒸気吸引通路を介して確
実に燃料蒸気吸引ポートに吸引されて大気への拡散が防
止され、また一部の燃料蒸気がノズル挿入部材の内部を
通って吸引されても、センシングポートに臨むように形
成された開口部により燃料蒸気の流速が減少して負圧の
発生が防止される。このように燃料蒸気吸引ポートに吸
引される燃料蒸気がセンシングポートを迂回し、あるい
はセンシングポートの近傍で流速が低下するので、セン
シングポートに負圧が作用することがなくなり、燃料タ
ンクが満タンになってセンシングポートが燃料液面下に
没する前にオートストップ機構が誤作動することが確実
に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィラーパイプの給油ガン挿入部の縦断面図
【図2】ノズル挿入部材の斜視図
【図3】給油ガンを浅く挿入したときの作用説明図
【図4】給油ガンを深く挿入したときの作用説明図
【図5】給油ガンの給油時の状態を示す図
【図6】給油ガンのオートストップ機構が作用したとき
の状態を示す図
【符号の説明】
14 ノズル 33 センシングポート 36 燃料蒸気吸引ポート 42 給油ガン挿入部 53 ノズル挿入部材 53f 開口部 55 第2ダイヤフラム(シール手段) 61 燃料蒸気吸引通路 G 給油ガン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤野 竜二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 鈴木 武 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 安藤 高士 愛知県岡崎市橋目町字御茶屋1番地 フタ バ産業株式会社内 (72)発明者 加藤 隆司 愛知県岡崎市橋目町字御茶屋1番地 フタ バ産業株式会社内 (72)発明者 杉本 隆 愛知県岡崎市橋目町字御茶屋1番地 フタ バ産業株式会社内 Fターム(参考) 3D038 CA25 CA27 CB01 CC13

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オートストップ機構のセンシングポート
    (33)と、燃料蒸気を吸引する燃料蒸気吸引ポート
    (36)とを有する給油ガン(G)のノズル(14)が
    挿入される給油ガン挿入部(42)を備えた燃料タンク
    のフィラーチューブにおいて、 前記給油ガン挿入部(42)は給油ガン(G)のノズル
    (14)が挿入されて軸方向に摺動する概略筒状のノズ
    ル挿入部材(53)と、 ノズル挿入部材(53)の摺動に伴って弾性変形し、セ
    ンシングポート(33)および燃料蒸気吸引ポート(3
    6)の上方において給油ガン(G)のノズル(14)の
    外周をシールするシール手段(55)と、 ノズル挿入部材(53)にセンシングポート(33)に
    臨むように形成された開口部(53f)と、 センシングポート(33)を迂回して燃料蒸気吸引ポー
    ト(36)に燃料蒸気を吸引する燃料蒸気吸引通路(6
    1)と、を備えたことを特徴とする燃料タンクのフィラ
    ーチューブ。
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