JP2002165408A - モータ - Google Patents

モータ

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JP2002165408A
JP2002165408A JP2000354477A JP2000354477A JP2002165408A JP 2002165408 A JP2002165408 A JP 2002165408A JP 2000354477 A JP2000354477 A JP 2000354477A JP 2000354477 A JP2000354477 A JP 2000354477A JP 2002165408 A JP2002165408 A JP 2002165408A
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lubricating oil
pair
thrust
rotor
motor
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Satoru Sodeoka
覚 袖岡
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対のスラストプレートを用いて動圧軸受を
構成する場合にも、スラストプレートと協働してシール
機構を構成するシールキャップを確実にロータに対して
固着することができ、軸受部に保持される潤滑油の漏出
を防止し、長期間にわたって安定して使用可能なモータ
を提供すること。 【解決手段】 一対のスラストプレート14、16を用
いて動圧軸受を構成するモータにおいて、スラストプレ
ート14、16との間に、軸線方向の寸法が半径方向内
方に向かうにつれて拡大しシール部として機能する間隙
28、30を形成する、一対のシールキャップ18、2
0を、それぞれロータ6に対して接着固定するととも
に、シールキャップ18、20とロータ6との間に、弾
性を有するリング状部材17、19がそれぞれ介装され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば記録ディス
クを回転駆動するモータ、とりわけ一対のスラストプレ
ートを有する流体動圧軸受を備えたモータに関する。
【0002】
【従来の技術】ロータを回転自在に軸支持するための軸
受手段として、例えば特開平8−105445号公報に
開示されるように、固定シャフトの軸線方向上下部に一
対のスラストプレートを配置し、これら一対のスラスト
プレート間に位置する固定シャフトの外周面とこれと半
径方向に対向するロータの内周面との間に潤滑油(オイ
ル)を保持し、ロータの回転によってこの潤滑油を所定
の方向に移動させることでロータにかかるラジアル方向
の負荷を支持するための支持圧を発生する動圧発生用溝
を形成してラジアル軸受部を構成し、また、相互に対向
する各スラストプレートの軸線方向内側面とこれと軸線
方向に対向するロータの軸線方向面との間に潤滑油を保
持し、ロータの回転によってこの潤滑油を所定の方向に
移動させることでロータにかかるスラスト方向の負荷を
支持するための支持圧を発生する動圧発生用溝を形成し
て一対のスラスト軸受部を構成するとともに、スラスト
プレートと対向するロータ及びシールキャップとの間
に、軸線方向あるいは半径方向に間隔が変化するテーパ
シール部を構成し、このテーパシール部によって潤滑油
の軸受外部への漏出を防止する構造を備えたものがあ
る。
【0003】このような構成においては、軸受部の構造
が対称であって如何なる姿勢に対しても同一の特性を与
えるためモータの安定した回転を得やすく、またスラス
トプレートの一面側にのみ動圧発生用溝を形成すればよ
いため、部材加工の歩留まりが向上するというメリット
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに一対のスラストプレートを用いて動圧軸受を構成す
る場合には、軸受部及びテーパシール部への潤滑油を充
填した後に、スラストプレートとともに第2のテーパシ
ール部を構成する一対のシールキャップがロータに装着
されることとなることから、シールキャップの装着位置
が潤滑油の保持される間隙の近傍にある場合、シールキ
ャップの装着時に毛細管現象によって潤滑油が接着面へ
と侵入し、シールキャップを固着するために用いられる
接着剤が化学変化を起こして硬化せず、その結果、シー
ルキャップとロータとの接合面に隙間が生じ、この隙間
を通じて潤滑油が毛細管現象あるいはオイルマイグレー
ション現象によって軸受外部へ漏出することとなる。
【0005】このような潤滑油の軸受外部への漏出は、
モータ外部の環境を汚染するばかりでなく、軸受部での
潤滑油の保持量の不足することで軸受剛性が低下し、非
繰り返し性振れ成分(Non-Repeatable Run-Out)の増加
等によるロータの回転特性の悪化や、軸受構成部材間の
摺れやカジリによる耐久性の低下等、軸受としての信頼
性を損なう原因となる。また、ロータに対するシールキ
ャップの固着において、接着力も不足することとなるた
め、シールキャップの脱落等組立不良の発生する原因と
なる。
【0006】本発明は、一対のスラストプレートを用い
て動圧軸受を構成する場合にも、スラストプレートと協
働してシール機構を構成するシールキャップを確実にロ
ータに対して固着することができ、軸受部に保持される
潤滑油の漏出を防止し、長期間にわたって安定して使用
可能なモータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明は、シャフトの軸線方向に離れた二箇所に固
着された一対のスラストプレートと、前記一対のスラス
トプレート間において前記シャフトの外周面と微少間隙
を介して半径方向に対向するラジアル内周面並びに前記
スラストプレートの互いに向かい合う対向面とそれぞれ
微少間隙を介して軸線方向に対向するスラスト内面を有
する貫通孔が形成されたロータとを備えたモータであっ
て、前記シャフトの外周面と前記ロータのラジアル内周
面との間に形成される微小間隙中には潤滑油が保持さ
れ、該潤滑油にモータの回転に応じて動圧を誘起する動
圧発生用溝が設けられることによってラジアル軸受部が
構成され、前記一対のスラストプレートの対向面と前記
ロータのスラスト内周面との間に形成される微小間隙中
には潤滑油が保持され、該潤滑油にモータの回転に応じ
て動圧を誘起する動圧発生用溝が設けられることによっ
て一対のスラスト軸受部が構成され、前記一対のスラス
トプレートが、前記シャフトに固着される円筒状部と該
円筒状部の軸線方向内側端部から半径方向外方に延設さ
れる円盤状部とからなり、前記ロータに形成された貫通
孔の両端開放部には、前記円盤状部の軸線方向外側面と
軸線方向に間隙を介して対向するとともに前記円筒状部
の外周面と半径方向に間隙を介して対向する一対の環状
シールキャップがそれぞれ接着固定され、前記円盤状部
の軸線方向外側面と前記一対のシールキャップとの間に
は、半径方向内方に向かって軸線寸法が漸増する間隙が
形成されるとともに、前記スラスト微小間隙に保持され
る潤滑油と空気との界面は、該間隙中に位置し、そし
て、前記一対のシールキャップと前記ロータとの間に
は、弾性を有するリング状部材がそれぞれ介装されるこ
とを特徴とする(請求項1)。
【0008】この構成において、一対のシールキャップ
とロータとの間に弾性を有するリング状部材をそれぞれ
介在させることで、シールキャップのロータへの装着を
軸受部及びシール部への潤滑油の充填後に行う場合に、
毛細管現象によって潤滑油がシールキャップの固定面内
に侵入したとしても、リング状部材がシールキャップと
ロータの双方に密着し、両部材間の隙間を密封状に封止
することとなるので、潤滑油がこのリング状部材を越え
てシールキャップとロータとの接合部内に侵入して、接
合部を通じてモータ外部に漏出することがなく、また両
部材の接着部にまで侵入することがないので、シールキ
ャップをロータに対して確実に固定することが可能とな
る。
【0009】また、本発明のモータは、前記ロータに形
成された貫通孔の両端開放部には、それぞれ前記貫通孔
の内周面に連続する平面部と該平面部から前記ロータの
軸線方向端部に至る内周面からなる段部が設けられ、該
段部の平面部にはそれぞれ前記リング状部材を収容する
ための環状溝が形成されていることを特徴とする(請求
項2)。
【0010】この構成において、リング状部材が、ロー
タの段部を構成する平面部に設けられた環状溝内に収容
されることで、リング状部材を介在させたことによる、
シールキャップの浮き上がりが効果的に防止される。
【0011】この場合、環状溝の深さを、環状溝からリ
ング状部材の一部が突出するよう設定することで、シー
ルキャップの装着によってリング状部材が弾性変形し、
シールキャップとロータとに密着状に圧接するようにな
る。
【0012】更に、本発明のモータは、前記一対のシー
ルキャップは、前記段部の内周面に対して接着剤と圧入
とを併用して固定されることを特徴とする(請求項
3)。
【0013】この構成において、一対のシールキャップ
のロータに対する固定を圧入と接着剤とによって行うこ
とで、圧入によりシールキャップとロータとが相互に押
圧して密着状に固着されることとなることから、例えば
未硬化の接着剤のモータ外部への滲出や、接着剤に残留
する溶媒ガスや接着剤粒子等のパーティクルのモータ外
部への飛散が防止されるとともに、シールキャップの脱
落等を確実に防止することが可能となる。
【0014】この場合、シールキャップとロータとを実
質的に熱膨張率の等しい同種の金属から形成すると、両
部材の環境温度の変化による膨張/収縮量が実質上均一
となることから、低温時において、部材間の収縮量の差
異により、シールキャップとロータとの接合部に隙間が
発生することを防止でき、また、圧入時に両部材の接合
面に凝着が生じるので、シールキャップをロータに対し
てより密着状に且つ確実に固着することが可能となる。
【0015】つまり、潤滑油が、毛細管現象等によって
両部材の接合部に生じた隙間を通じて軸受外部に漏出す
ることに起因する、モータ外部環境の汚染、軸受部での
潤滑油保持量の不足に起因する軸受剛性の不足による回
転特性の悪化や軸受構成部材間の摺れやカジリの発生並
びにシールキャップがロータから脱落するといった組立
不良の発生をより効果的に防止することが可能となる。
【0016】また、シールキャップのロータに対する固
定を圧入と接着とを併用して行うことで、接着剤が硬化
するまでの間に、リング状部材の弾発力によるシールキ
ャップの浮き上がりが確実に防止される。
【0017】加えて、本発明のモータは、前記一対のス
ラストプレートの外周部における円筒状部と円盤状部と
の境界部分は、前記スラストプレートの表面が連続する
よう、曲面状に形成されていることを特徴とする(請求
項4)。
【0018】モータの回転時において、遠心力及び/又
は軸受部に形成される動圧発生用溝の作用によって、ス
ラストプレートの円盤状部の周囲に保持されていた潤滑
油が、スラストプレートの円盤状部の軸線方向外側面と
一対のシールキャップとの間に規定されるテーパ状の間
隙内に移動するため、このテーパ状間隙内の潤滑油の保
持量が増加する。
【0019】その結果、潤滑油と空気との界面は、静止
時よりも半径方向内方、すなわちスラストプレートの円
筒状部と円盤状部の境界部側へと移動するが、潤滑油と
空気との界面のうち、ロータに固定されこれと一体的に
回転するシールキャップに接触する部分には遠心力が作
用するため、半径方向外方へと移動し、遠心力の作用し
ないスラストプレートと接する部分は、円筒状部と円盤
状部の境界部付近に位置する懸念がある。
【0020】その後モータが停止すると、毛細管現象に
よってテーパ状間隙内に移動した潤滑油が当初保持され
ていた領域へと再移動する(潤滑油界面が引く)が、円
筒状部と円盤状部の境界部が直角またはそれに近い角度
の平面状に形成されていた場合、この部分に油滴(オイ
ルドロップ)が残留し、衝撃や振動等の印加時に、容易
にスラストプレートの軸線方向外側部方向、すなわち軸
受外部方向へと移動可能となるため、軸受部に保持され
る潤滑油量が不足して軸受剛性が低下し、モータの信頼
性及び耐久性を損なう原因となる。尚、オイルドロップ
のスラストプレートの軸線方向外側部方向への移動は、
潤滑油の滲出を防止するために、スラストプレート及び
/又はシールキャップの表面に撥油剤を塗布していた場
合、より容易に移動することとなる。
【0021】これに対し、スラストプレートの外周部に
おける円筒状部と円盤状部との境界部分を、スラストプ
レート表面が連続するよう、曲面状に形成しておくこと
で、モータの停止時に速やかに潤滑油界面が引くように
なり、オイルドロップが残留する可能性を可及的に小と
することができるので、潤滑油が軸受外部方向への移動
が発生することはない。
【0022】この場合、曲面状に形成される円筒状部と
円盤状部との境界部分の曲率半径を、例えば0.3以上
とすると、オイルドロップが残留することなく、潤滑油
界面の位置を速やかに通常位置に復帰させることができ
る。
【0023】また、一対のシールキャップの軸線方向外
側端部には、前記シャフトの外周面との間にそれぞれ微
小間隙を介して対向する環状突部が形成されており(請
求項5)、シャフトの外周面と環状突部の内周面との間
の間隙の半径方向の寸法を、可能な限り小に設定するこ
とによって、潤滑油が気化することによって生じた蒸気
の外部への流出抵抗を大にして潤滑油の界面近傍に於け
る蒸気圧を高く保てるので更なる潤滑油の蒸散を有効に
阻止することができる。
【0024】更に、モータの停止時に、オイルマイグレ
ーション現象によって潤滑油が軸受外部に向かって拡散
した場合でも、遠心力の影響でオイルマイグレーション
現象が助長されやすいシールキャップの表面に沿って拡
散した潤滑油は、この環状突部によって確実に捕捉さ
れ、軸受外部への滲出が防止される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るモータの実施
形態について、記録ディスク駆動用モータとして使用す
る場合を例にとり、図1及び図2を参照して説明する
が、本発明は以下に示す各実施例に限定されるものでは
ない。
【0026】図示の記録ディスク駆動用モータは、ブラ
ケット2と、このブラケット2の中央開口2a内に一方
の端部が外嵌固定されるシャフト4と、このシャフト4
に対して相対的に回転自在なロータ6とを備える。ロー
タ6は、外周部に記録ディスク(図示せず)が載置され
るロータハブ6aと、ロータハブ6aの内周側に位置
し、潤滑油8が保持される微少間隙を介してシャフト4
に軸支持されるスリーブ部6bとを備えている。ロータ
ハブ6aの内周部には接着等の手段によってロータマグ
ネット10が固着されており、このロータマグネット1
0と半径方向に対向してブラケット2にステータ12が
装着されている。
【0027】スリーブ部6bの略中央部には内周面がシ
ャフト4の外周面との間に潤滑油8が保持される微少間
隙を形成するようスリーブ部6bを軸線方向に貫通する
貫通孔6cが形成され、シャフト4の上部及び下部に
は、半径方向外方に突出する円盤状の上部スラストプレ
ート14及び下部スラストプレート16がそれぞれ取付
けられている。
【0028】上部スラストプレート14は、内周面にシ
ャフト4の外周面が嵌着される孔部を有する円筒状部1
4aとこの円筒状部14aの下端部(軸線方向内側端
部)から半径方向外方に延設される円盤状部14bとか
らなり、同様に、下部スラストプレート16は、内周面
がシャフト4の外周面に嵌着される孔部を有する円筒状
部16aとこの円筒状部16aの上端部(軸線方向内側
端部)から半径方向外方に延設される円盤状部16bと
からなる。
【0029】貫通孔6cの上部スラストプレート14及
び下部スラストプレート16の各円盤状部14b、16
bに対応する部位には、これら円盤状部14b、16b
の外径よりも大径な上部開口6d及び下部開口6eが形
成されている。この上部開口6d及び下部開口6eの開
放側端部は、上部シールキャップ18及び下部シールキ
ャップ20によって閉塞されている。
【0030】スリーブ部6bの上部開口6d及び下部開
口6eの開放側端部には、それぞれ開口の内径が拡大す
るよう設けられた平面部6m、6nとこれら平面部6
m、6nからスリーブ部6bの軸線方向端部に至る内周
面6j、6kからなる段部6h、6iが形成されてお
り、上部シールキャップ18及び下部シールキャップ2
0は、それぞれ段部6h、6iの内周面6j、6kに対
して例えばエポキシ系の接着剤と圧入とによって固着さ
れる。
【0031】また、段部6h、6iの平面部6m、6n
には環状溝6p、6qが形成され、この環状溝6p、6
q内には、弾性を有するOリング17、19がそれぞれ
収容されている。
【0032】このOリング17、19の直径は、環状溝
6p、6qの深さよりも幾分大きく、Oリング17、1
9の一部が環状溝6p、6qから突出した状態で収容さ
れており、シールキャップ18、19を段部6h、6i
に装着することによって、Oリング17、19が押圧さ
れて弾性変形し、シールキャップ18、20と環状溝6
p、6qとに密着状に圧接する。これにより、シールキ
ャップ18、20とスリーブ部6bの段部6h、6iと
の接合部が密封状に封止され、シールキャップ18、2
0の装着時に毛細管現象で両部材の接合部内に侵入した
潤滑油8も、このOリング17、19を越えてさらに侵
入することができず、従って、接合部を通じての潤滑油
8のモータ外部への漏出が防止される。尚、シールキャ
ップ18、20は、段部6h、6iの内周面6j、6k
に対して圧入と接着とを併用して固定されているため、
接着剤が未硬化の状態にあっても、Oリング17、19
の弾発力によってシールキャップ18、20に浮き上が
りが生じることはない。
【0033】潤滑油8がモータ外部に漏出すると、モー
タ外部環境の汚染や軸受剛性の低下といった問題が発生
することとなるが、とりわけ、磁気ディスク駆動用のモ
ータの場合、モータ外部環境の汚染は、磁気ヘッド及び
/又は磁気ディスクのデータ記録面に潤滑油8が付着し
てデータの書き込み/読み出しエラーを誘発する原因と
なり、また軸受剛性の低下は、軸受としての信頼性並び
に耐久性を低下させるばかりでなく、磁気ディスクと磁
気ヘッドとのクラッシュを誘発する原因となるため、潤
滑油8のモータ外部への漏出は確実に防止する必要があ
る。
【0034】この場合、シールキャップ18、20とス
リーブ部6bとを実質的に熱膨張率の等しい同種の金属
から形成すると、モータ内外の環境温度の変化に対する
膨張/収縮量が実質的に均一となることから、例えば熱
膨張率の異なる異種金属を組み合わせて使用する場合に
発生が懸念される、熱膨張率の差異に起因する両部材の
接合部の変化、とりわけ低温時において、シールキャッ
プ18、20とスリーブ部6bとの収縮量の差異によ
る、シールキャップ18、20とスリーブ部6bの段部
6h、6iの内周面6j、6kとの接合部における隙間
の発生を防止することができる。また、両部材を同種の
金属から形成することで、圧入時に両部材の接合面に凝
着が生じるので、シールキャップ18、20をスリーブ
部6bに対してより密着状に且つ確実に固着することが
可能となる。
【0035】上部シールキャップ18は、上部スラスト
プレート14の円筒状部14aの外周面と半径方向に対
向する内周面と円盤状部14bと軸線方向に対向する下
面(軸線方向内側面)とを有する環状部18aと、この
環状部18aの上端部(軸線方向外側端部)から半径方
向内方に延設され、中央部にシャフト4が挿通される開
口を規定する内周面を有する環状突部18bとから構成
される。また、下部シールキャップ20は、下部スラス
トプレート16の円筒状部16aの外周面と半径方向に
対向する内周面と円盤状部16bと軸線方向に対向する
上面(軸線方向内側面)とを有する環状部20aと、こ
の環状部20aの下端部(軸線方向外側端部)から半径
方向内方に延設され、中央部にシャフト4が挿通される
開口を規定する内周面を有する環状突部20bとから構
成される。
【0036】貫通孔6c内周部から上部開口6dの外周
部に至る上部スラスト面6fと、上部スラストプレート
14の円盤状部14bの下面(軸線方向内側面)との間
には、潤滑油8が保持される微少間隙が形成されてお
り、上部スラスト面6fの上面には、ロータ6の回転に
ともない潤滑油8中に動圧を発生するための動圧発生用
溝22が形成され上部スラスト軸受部24が構成されて
いる。
【0037】また、貫通孔6c内周部から下部開口6e
の外周部に至る下部スラスト面6gと、下部スラストプ
レート16の円盤状部16bの上面(軸線方向内側面)
との間には、潤滑油8が保持される微少間隙が形成され
ており、下部スラスト面6gの下面には、ロータ6の回
転にともない潤滑油8中に動圧を発生するための動圧発
生用溝22が形成され下部スラスト軸受部26が構成さ
れる。これらスラスト軸受部24、26に形成される動
圧発生用溝22は、発生する動圧がそれぞれ潤滑油8を
シャフト4に向かって圧送されるよう、ポンプインタイ
プのスパイラル溝が用いられる。尚、動圧発生用溝は、
スラストプレート14、16の円盤状部14b、16b
の軸線方向内側面にあるいはスラスト面6f、6gとこ
れと円盤状部14b、16bの軸線方向内側面の両面と
もに形成することも可能である。
【0038】このように各スラスト軸受部24、26の
動圧発生用溝22を、互いに逆向きの一対スパイラル溝
を組み合わせて構成されるヘリングボーン溝に比べてモ
ータの回転時に生じる潤滑油8の粘性抵抗が小なスパイ
ラル溝とすることで、スラスト軸受部24、26におけ
る軸受損を小さくし、モータの電気的効率を高め、消費
電力を抑制することができる。
【0039】上部スラストプレート14の円盤状部14
bの上面と軸線方向に対向する上部シールキャップ18
の環状部18aの下面は、半径方向内方に向かって円盤
状部14bの上面との間の間隙の軸線方向寸法が拡大す
るようテーパ状に形成されており、上部スラスト軸受部
24に保持される潤滑油8は、この上部スラストプレー
ト14の円盤状部14bの上面と上部シールキャップ1
8の環状部18aの下面との間のテーパ状の間隙中にお
いて、潤滑油8の表面張力、テーパ状の間隙を構成する
各部材の表面の表面エネルギー及び空気の気圧とが相互
にバランスすることによって形成される潤滑油8の界面
のメニスカスが位置する上部テーパシール部28が構成
される。
【0040】同様に、下部スラストプレート16の円盤
状部16bの下面と軸線方向に対向する下部シールキャ
ップ20の環状部18aの上面は、半径方向内方に向か
って円盤状部16bの下面との間の間隙の軸線方向寸法
が拡大するようテーパ状に形成されており、下部スラス
ト軸受部26に保持される潤滑油8は、この下部スラス
トプレート16の円盤状部16bと下部シールキャップ
20の環状部20aの上面との間のテーパ状の間隙中に
おいて、上部テーパシール部と同様に、潤滑油8の界面
のメニスカスが位置する下部テーパシール部30が構成
される。
【0041】上部スラスト軸受部24に保持される潤滑
油8が、上部スラストプレート14の上面とこれと軸線
方向に対向する上部シールキャップ18の環状部18a
の下面との間に構成される上部テーパシール部28にお
いて潤滑油8の界面が半径方向内方を向いた形で位置す
るとともに、下部スラスト軸受部26に保持される潤滑
油8が、下部スラストプレート16の下面とこれと軸線
方向に対向する下部シールキャップ20の環状部20a
の上面との間に構成される下部テーパシール部30にお
いて潤滑油8の界面が半径方向内方を向いた形で位置す
ることで、モータの回転時に、テーパシール部28、3
0中に位置する潤滑油8界面には、空気圧等メニスカス
を形成する種々の圧力、作用等に加えてモータの回転に
よる遠心力が潤滑油8を半径方向外方、すなわち軸受外
部から遠ざかる方向に押圧することとなるため、シール
効果が高められる結果となる。
【0042】また、オイルマイグレーション現象等によ
ってスラストプレート14、16及びシールキャップ1
8、20の表面に拡散した潤滑油8は、モータの回転時
に遠心力の作用で半径方向外方に移動し、テーパシール
部28、30内に位置する空気との界面から潤滑油8に
環流され、モータ外部への漏出が防止される。
【0043】更に、スラスト軸受部24、26の動圧発
生用溝22を、それぞれ発生する動圧が潤滑油8を半径
方向内方に向かって圧送するポンプインタイプのスパイ
ラル溝とすることで、スラスト軸受部24、26で発生
する動圧は、半径方向内方に向かうにつれて高くなる圧
力勾配となるため、潤滑油8の充填時等に各スラスト軸
受部24、26に保持される潤滑油8中に生じた気泡
は、圧力の高い軸受部の半径方向内方から圧力の低い半
径方向外方へと移動し、最終的に潤滑油8が保持される
間隙中で最も間隙寸法が大で最も圧力の低いテーパシー
ル部28、30の潤滑油8の界面側へと移動し、空気中
に開放される。
【0044】シャフト4の外周面の略中央部には、貫通
孔6cの内周面との間の間隙が拡大するよう、軸線方向
内側に向かって傾斜する一対の傾斜面からなる環状の凹
部4aが形成されており、この凹部4aにはシャフト4
中に形成された空気と連通する連通孔36が開口してい
る。
【0045】この連通孔36はシャフト4中を軸線方向
に貫通する縦孔と、この縦孔から半径方向に延設された
凹部4aに開口する第1開口36aと下部第2テーパシ
ール部30に連続し下部シールキャップ20の環状突起
20bの内周面とシャフト4の外周面との間に規定され
る微小間隙を通じて軸受外部に連通する空間に開口する
第2開口36bとから構成される。尚、縦孔は、シャフ
ト4の加工並びに洗浄完了後、シャフト4の両端に開口
する開口部を例えばゴム等の弾性部材からなる封止部材
38、40によって封止される。すなわち、連通孔36
は、第2開口36b及び下部シールキャップ20の環状
突起20bの内周面とシャフト4の外周面との間に規定
される微小間隙を通じてのみ空気に連通している。
【0046】この第2開口36bより連通孔36内に取
り込まれた空気は、第1開口36aが開口する凹部4c
と貫通孔6cの内周面との間に環状の気体介在部42を
形成し、この気体介在部42によってシャフト4の外周
面と貫通孔6cの内周面との間の微少間隙中に保持され
た潤滑油8は、凹部4aの一対の傾斜面と貫通孔6cの
内周面との間に形成されるテーパ状間隙内において、潤
滑油8の表面張力、テーパ状間隙を規定する一対の傾斜
面並びに貫通孔6cの内周面の表面エネルギー及び気体
介在部42に保持される空気の気圧とがバランスするこ
とによって潤滑油8の界面のメニスカスが形成されるこ
とで軸線方向上下に分割される。
【0047】貫通孔6cの内周面のこれら上下に分割さ
れて保持される潤滑油8に対応する部位には、ロータ6
の回転にともない潤滑油8中に動圧を発生するための動
圧発生用溝44が形成され上部ラジアル軸受部46及び
下部ラジアル軸受部48が構成されている。これらラジ
アル軸受部46、48に形成される動圧発生用溝44
は、それぞれ発生する動圧が、潤滑油8を軸線方向外側
に向かって、換言するとスラスト軸受部24、26に向
かって圧送するよう、軸線方向にアンバランスな形状の
ヘリングボーン溝が用いられる。
【0048】ラジアル軸受部46、48の動圧発生用溝
44を、それぞれ潤滑油8をスラスト軸受部24、26
側に圧送する形状とすることで、潤滑油8の充填時等に
各ラジアル軸受部46、48に保持される潤滑油8中に
生じた気泡が圧力の高い軸受部から圧力の低い気体介在
部42との界面側へと移動し、気体介在部42から連通
孔36を通じて軸受外部の空気中に開放される。
【0049】この構成において、スラスト軸受部24、
26には形成される動圧発生手段22はスパイラル溝で
あり、それのみでは必要な荷重支持圧を発生できない
が、隣接するラジアル軸受部46、48には軸線方向に
アンバランスなヘリングボーン溝が動圧発生用溝44と
して形成されているので、モータの回転時に、潤滑油8
はスパイラル溝及びヘリングボーン溝によってそれぞれ
相互に対向する方向へと圧送されるので、両軸受部の協
働によりロータ6にかかる負荷を支持するに必要な動圧
を発生せしめて支持している。
【0050】また、スラスト軸受部24、26とこれら
に隣接するラジアル軸受部46、48には連続して潤滑
油8が保持されるとともに、ラジアル軸受部46、48
を分離する気体介在部42が連通孔36を通じて空気に
連通していることから、テーパシール部28、30内に
位置する各スラスト軸受部24、26の潤滑油8と空気
との界面と凹部4aの一対の傾斜面と貫通孔6cとの間
に規定されるテーパ状間隙内に位置する各ラジアル軸受
部46、48の潤滑油8の気体介在部42に保持される
空気との界面は同じ空気圧に晒されることとなる。
【0051】このため、例えば遠心力やモータへの外的
な衝撃、振動の印加等に起因して、テーパシール部2
8、30内の潤滑油8の界面あるいは凹部4aの一対の
傾斜面と貫通孔6cとの間に規定されるテーパ状間隙内
の潤滑油8の界面の一方が軸受部から離間する方向に移
動した場合、他方の界面も各界面が位置する各テーパ状
間隙内を、潤滑油8の界面のメニスカスの曲率半径が等
しくなる位置まで移動することで釣り合い、シール効果
を損なうことなく安定して保持される。
【0052】また、各ラジアル軸受部46、48は隣接
するスラスト軸受部24、26とは潤滑油8が連続し、
片方の潤滑油8の界面から他方の潤滑油8の界面に至る
まで動圧が極大となるのは1点のみで極小となる点は存
在せず、従って、潤滑油8中に気泡が含まれていても自
動的に圧力が最小となるテーパ状の間隙内に位置する界
面から軸受外部の空気中に排除する構成とすることがで
きる。
【0053】このように、各軸受部に保持される潤滑油
8中に生じた気泡は、順次低圧側へと移動し、各潤滑油
8の界面より空気中に開放されるため、気泡が各軸受部
に保持される潤滑油8中に滞留することがなく、モータ
の温度上昇時に気泡が膨張し体積が増加することによっ
て、潤滑油8が軸受外部に漏出することが防止される。
また、気泡排出のための特別な構成を要しないので、モ
ータの構造を簡略化することができる。
【0054】また、スラストプレート14、16の外周
面のうち、円筒状部14a、16aと円盤状部14b、
16bとの境界部には、スラストプレートの表面が連続
するよう、曲面状の面取り部Rが設けられている。
【0055】モータの回転時において、遠心力の作用や
軸線方向外側に向かって潤滑油8を圧送するラジアル軸
受部46、48の動圧発生用溝44の作用によって、ラ
ジアル軸受部46、48、スラスト軸受部24、26並
びにスラストプレート14、16の円盤状部14b、1
6bの外周部に保持されていた潤滑油8が、テーパシー
ル部28、30内に移動するため、テーパシール部2
8、30内の潤滑油8の保持量が増加する。
【0056】その結果、潤滑油8と空気との界面は、静
止時よりも軸線方向の間隙寸法が大な半径方向内方、す
なわちスラストプレート14、16の円筒状部14a、
16aと円盤状部14b、16bの境界部側へと移動す
るが、潤滑油8と空気との界面のうち、ロータ6の一部
を構成するスリーブ部6bに固定されこれと一体的に回
転するシールキャップ18、20の環状部18a、20
aの底面に接触する部分は遠心力が作用して半径方向外
方へと移動し、遠心力の作用しないスラストプレート1
4、16と接する部分は、円筒状部14a、16aと円
盤状部14b、16bの境界部付近に位置する懸念があ
る。
【0057】その後モータが停止すると、毛細管現象に
よってテーパシール部28、30内に移動した潤滑油8
が当初保持されていた領域へと再移動する(潤滑油界面
が引く)が、スラストプレート14、16の円筒状部1
4a、16aと円盤状部14b、16bの境界部が直角
またはそれに近い角度に形成されていた場合、この部分
に油滴(オイルドロップ)が残留し、衝撃や振動等の印
加時に、容易にスラストプレート14、16の軸線方向
外側方向、すなわち軸受部の外部へと移動可能となるた
め、モータの回転/停止を繰り返すうちに、軸受部にお
ける潤滑油8の保持量が減少し、潤滑油8の不足による
軸受剛性の低下や軸受部を構成するシャフト4、スラス
トプレート14、16及びスリーブ部6bの摺れやカジ
リといった問題が発生し、モータの信頼性及び耐久性を
損なう原因となる。尚、オイルドロップのスラストプレ
ート14、16の軸線方向外側方向への移動は、潤滑油
8の滲出を防止するために、スラストプレート14、1
6及び/又はシールキャップ18、20の表面に撥油剤
を塗布していた場合、より容易に移動することとなる。
【0058】これに対し、スラストプレート14、16
の外周部における円筒状部14a、16aと円盤状部1
4b、16bとの境界部に、スラストプレート14、1
6の表面が連続するよう、曲面状の面取り部Rを形成し
ておくことで、モータの停止時に速やかに潤滑油8の界
面が引くようになり、オイルドロップが残留し軸受外部
方向へと移動する可能性を可及的に小とすることができ
る。
【0059】この場合、曲面状に形成される円筒状部1
4a、16aと円盤状部14b、16bとの境界部の面
取り部Rの曲率半径を、例えば0.3以上とすると、オ
イルドロップが残留することなく、潤滑油8の界面を通
常位置に復帰させることができる。
【0060】シールキャップ18、20の環状突部18
b、20bによって規定される円形開口の内周面とシャ
フト4の外周面との間に規定される間隙の半径方向寸法
を可能な限り小さく設定することによって、モータの回
転時に各スラストプレート14、16とシールキャップ
18、20の円筒状部18a、20aとの間に規定され
る間隙とシャフト4の外周面と各シールキャップ18、
20の環状突部18b、20bとによって規定される円
形開口の内周面との間に規定される間隙とで、ロータ6
の回転に応じて発生する空気流の流速に差異が生じるこ
とで、潤滑油8が気化することによって生じた蒸気(オ
イルミスト)のモータの外部への流出抵抗を大きくして
潤滑油8の界面近傍に於ける蒸気圧を高く保てるので更
なる潤滑油8の蒸散を防止することができる。
【0061】尚、これら各面に例えばフッ素系材料から
なる撥油剤を塗布しておくと、潤滑油8に遠心力の作用
しないモータの停止時に、潤滑油8がオイルマイグレー
ション現象によってシールキャップ18、20の環状突
部18b、20bの内周面とシャフト4の外周面との間
の間隙を通じてモータの外部に漏出することをより効果
的に防止できる。
【0062】以上、本発明に従う記録ディスク駆動用モ
ータの一実施形態について説明したが、本発明はかかる
実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸
脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0063】例えば、上記実施形態においては、シール
キャップ18、20をスリーブ部6bに対して圧入と接
着とを併用して固定する場合を例にとり説明したが、こ
れに換えて、接着剤の硬化までの間、Oリング17、1
9の弾発力によるシールキャップ18、20の浮き上が
りを防止するために、治具を用いてシールキャップ1
8、20を保持する場合は、接着のみによって固定する
ことも可能である。
【0064】また、カシメ等の塑性加工と接着とを併用
することによっても、圧入と接着とを併用した場合と同
等の作用効果を得ることが可能である。
【0065】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載のモータによれ
ば、軸受部への潤滑油注入後においてもシールキャップ
をロータに対して密着状に且つ確実に固着することがで
き、毛細管現象等による両部材間からの潤滑油の軸受外
部への漏出並びにシールキャップの脱落等の組立不良の
発生を効果的に防止することができる。
【0066】本発明の請求項2に記載のモータによれ
ば、シールキャップの浮き上がりが防止され、精度良く
組み立てることが可能となる。
【0067】本発明の請求項3に記載のモータによれ
ば、シールキャップとロータとの固着をより密封状に且
つ確実性高く行うことが可能となり、毛細管現象等によ
る両部材間からの潤滑油の軸受外部への漏出並びにシー
ルキャップの脱落等の組立不良の発生を可及的に防止す
ることができる。
【0068】本発明の請求項4に記載のモータによれ
ば、モータの停止時に速やかに潤滑油界面が引くように
なり、オイルドロップが残留し軸受外部方向へ移動する
可能性を可及的に小とすることができるので、モータの
信頼性を損なうことなく、長期にわたって使用すること
が可能となる。
【0069】本発明の請求項5に記載のモータによれ
ば、一対のシールキャップの軸線方向外側端部に形成さ
れる環状突部の内周面とシャフトの外周面との間に規定
される微小間隙の半径方向の寸法を可能な限り小に設定
することによって、潤滑油が気化することによって生じ
た蒸気の外部への流出抵抗を大にして潤滑油の界面近傍
に於ける蒸気圧を高く保てるので更なる潤滑油の蒸散を
有効に阻止することができる。
【0070】この場合、万一オイルマイグレーション現
象によって潤滑油が軸受外部に向かって拡散した場合で
も、遠心力の影響でオイルマイグレーション現象が助長
されやすいシールキャップの表面に沿って拡散した潤滑
油は、モータの停止時にこの環状突部によって確実に捕
捉され、軸受外部への滲出が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のモータの概略構成を模式
的に示す縦断面図である。
【図2】図1において示すモータの上部スラストプレー
ト付近の概略構成を模式的に示す部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
4 シャフト 6 ロータ 8 潤滑油 14、16 スラストプレート 17,19 Oリング(リング状部材) 18、20 シールキャップ 22、44 動圧発生用溝 24、26 スラスト軸受部 28、30 テーパシール部 46、48 ラジアル軸受部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトの軸線方向に離れた二箇所に固
    着された一対のスラストプレートと、前記一対のスラス
    トプレート間において前記シャフトの外周面と微少間隙
    を介して半径方向に対向するラジアル内周面並びに前記
    スラストプレートの互いに向かい合う対向面とそれぞれ
    微少間隙を介して軸線方向に対向するスラスト内面を有
    する貫通孔が形成されたロータとを備えたモータであっ
    て、 前記シャフトの外周面と前記ロータのラジアル内周面と
    の間に形成される微小間隙中には潤滑油が保持され、該
    潤滑油にモータの回転に応じて動圧を誘起する動圧発生
    用溝が設けられることによってラジアル軸受部が構成さ
    れ、 前記一対のスラストプレートの対向面と前記ロータのス
    ラスト内周面との間に形成される微小間隙中には潤滑油
    が保持され、該潤滑油にモータの回転に応じて動圧を誘
    起する動圧発生用溝が設けられることによって一対のス
    ラスト軸受部が構成され、 前記一対のスラストプレートが、前記シャフトに固着さ
    れる円筒状部と該円筒状部の軸線方向内側端部から半径
    方向外方に延設される円盤状部とからなり、 前記ロータに形成された貫通孔の両端開放部には、前記
    円盤状部の軸線方向外側面と軸線方向に間隙を介して対
    向するとともに前記円筒状部の外周面と半径方向に間隙
    を介して対向する一対の環状シールキャップがそれぞれ
    接着固定され、 前記円盤状部の軸線方向外側面と前記一対のシールキャ
    ップとの間には、半径方向内方に向かって軸線寸法が漸
    増する間隙が形成されるとともに、前記スラスト微小間
    隙に保持される潤滑油と空気との界面は、該間隙中に位
    置し、そして、 前記一対のシールキャップと前記ロータとの間には、弾
    性を有するリング状部材がそれぞれ介装されることを特
    徴とするモータ。
  2. 【請求項2】 前記ロータに形成された貫通孔の両端開
    放部には、それぞれ前記貫通孔の内周面に連続する平面
    部と該平面部から前記ロータの軸線方向端部に至る内周
    面からなる段部が設けられ、該段部の平面部にはそれぞ
    れ前記リング状部材を収容するための環状溝が形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 【請求項3】 前記一対のシールキャップは、前記段部
    の内周面に対して接着剤と圧入とを併用して固定される
    ことを特徴とする請求項2に記載のモータ。
  4. 【請求項4】 前記一対のスラストプレートの外周部に
    おける円筒状部と円盤状部との境界部分は、前記スラス
    トプレートの表面が連続するよう、曲面状に形成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    のモータ。
  5. 【請求項5】 前記シャフトの両端部は、前記一対のス
    ラストプレートの軸線方向外側に延設され、前記一対の
    シールキャップの軸線方向外側端部には、前記シャフト
    の外周面との間にそれぞれ微小間隙を介して対向するよ
    う半径方向内方に突出する環状突部が形成され、前記一
    対のスラスト軸受部は該環状突部の内周面と前記シャフ
    トの両端部の外周面との間に規定される微小間隙を通じ
    て外部に開放されていることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載のモータ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100731172B1 (ko) 2005-01-03 2007-06-22 (주)지엔더블유테크놀러지 유체동압베어링 모터
JP2008275159A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Minebea Co Ltd 流体動圧軸受装置
US7719149B2 (en) 2007-01-31 2010-05-18 Denso Corporation Stepping motor and method of manufacturing the same
KR101113369B1 (ko) * 2010-06-23 2012-03-02 삼성전기주식회사 유체 동압 베어링 어셈블리 및 이를 구비하는 모터

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