JP2002163818A - 情報記録媒体用基板、及び情報記録媒体、並びに情報記録媒体用基板表面の管理方法 - Google Patents
情報記録媒体用基板、及び情報記録媒体、並びに情報記録媒体用基板表面の管理方法Info
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Abstract
定の範囲・関係にすることによって、所望のグライド高
さを達成する。 【解決手段】 情報記録媒体用基板は、微小うねりの周
期が2μm〜4mmであって、この微小うねりの最大高
さをwa(95%PV値)とし、原子間力顕微鏡によって測定
した最大高さをRmaxとしたとき、該基板主表面のwaが5n
m以下、Rmaxが12nm以下であることを特徴とする。但
し、waは、測定エリアにおいて全測定ポイントにおける
測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値とする。
Description
媒体として使用される情報記録媒体用基板、及び該基板
を用いた情報記録媒体、並びに情報記録媒体用基板表面
の管理方法に関する。
が知られている。磁気ディスクは、基板上に磁性層等の
薄膜を形成して構成され、その基板として、アルミ基板
やガラス基板が用いられてきた。しかし、最近では、高
記録密度化の追求に呼応して、アルミ基板と比べて磁気
ヘッドと磁気ディスクとの間隔をより狭くすることが可
能なガラス基板の占める比率が次第に高くなってきてい
る。
着された際の衝撃に耐え得るように一般に強度を増すた
めに化学強化されて製造される。また、ガラス基板表面
を加熱処理して結晶化させて強度を向上させた結晶化ガ
ラス基板が製造される。また、ガラス基板表面は磁気ヘ
ッドの浮上高さを極力下げることができるように、高精
度に研磨して高記録密度化を実現している。
ドも薄膜ヘッドから磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、巨
大(大型)磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移
し、高記録密度化に応えている。
に研磨して表面粗さ(Rmax(最大高さ)、Ra(中心線平
均粗さ))を小さくしても、磁気ヘッドの浮上高さを下
げることができないという問題が生じた。本発明者らは
その原因について調べたところ、基板表面の表面粗さと
微小うねり(マイクロウェイヴィビネス:Microwavines
s)がある所定の範囲・関係を満足していないと、磁気
ヘッドの低浮上化を実現できないことがわかった。
小うねりと、グライド高さ(タッチダウンハイト(TD
H))との関係に密接な関係があることを見出し、基板
表面における表面粗さ、微小うねりを所定の範囲・関係
にすることによって、所望のグライド高さ(タッチダウ
ンハイト)を達成する情報記録媒体用基板、及び情報記
録媒体、並びに情報記録媒体用基板表面の管理方法を提
供することを目的とする。
に鑑みてなされたものであり、以下の構成を有する。
板は、微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、こ
の微小うねりの最大高さをwaとし、原子間力顕微鏡によ
って測定した最大高さをRmaxとしたとき、該基板主表面
のwaが5nm以下、Rmaxが12nm以下であることを特徴とす
る。但し、waは、測定エリアにおいて全測定ポイントに
おける測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値とす
る。
板は、微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、こ
の微小うねりの最大高さをwa、原子間力顕微鏡によって
測定した最大高さをRmaxとし、前記waをx、Rmaxをyと
表わしたとき、 x≦5nm、y≦12nm、y≧(10/3)x−10、y≦(10/
3)x+2 を満足することを特徴とする。但し、waは、測定エリア
において全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最
低点の高さの差の値とする。
板は、微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、こ
の微小うねりの最大高さwa(単位:nm)と、原子間力顕
微鏡によって測定した最大高さRmax(単位:nm)との積
(Rmax×wa)と、前記情報記録媒体用基板の主表面上に
少なくとも磁性層を形成してタッチダウンハイト試験を
行った結果とを対比し、前記Rmaxとwaとの積(Rmax×w
a)と、タッチダウンハイトとの相関関係から、タッチ
ダウンハイトが所望の値となるような所定のRmax×waを
有することを特徴とする。但し、waは、測定エリアにお
いて全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最低点
の高さの差の値とする。
板は、微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、こ
の微小うねりの最大高さをwa(単位:nm)とし、原子間
力顕微鏡によって測定した最大高さをRmax(単位:nm)
としたとき、 Rmax×wa≦58(nm×nm) を満足することを特徴とする。但し、waは、測定エリア
において全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最
低点の高さの差の値とする。
板は、構成1乃至4の何れか一に記載の情報記録媒体用
基板において、前記waが、測定ポイントにおいて異常突
起の点を除外して得られる値であることを特徴とする。
板は、構成1乃至5の何れか一に記載の情報記録媒体用
基板において、前記基板がガラス基板であることを特徴
とする。
板は、構成1乃至6の何れか一に係る情報記録媒体用基
板において、前記基板が磁気ディスク用基板であること
を特徴とする。
構成1乃至7の何れか一に係る情報記録媒体用ガラス基
板上に少なくとも記録層を形成してなることを特徴とす
る。
構成8に係る情報記録媒体において、前記記録層が磁性
層であることを特徴とする。
用基板表面の管理方法は、情報記録媒体用基板の主表面
を測定した、微小うねりの周期が2μm〜4mmであっ
て、この微小うねりの最大高さwa(単位:nm)と、原子
間力顕微鏡によって測定した最大高さRmax(単位:nm)
との積(Rmax×wa)と、前記情報記録媒体用基板の主表
面上に少なくとも磁性層を形成したときの該情報記録媒
体のタッチダウンハイトとの相関関係を求め、求めた相
関関係から前記情報記録媒体が所望のタッチダウンハイ
トとなるように、前記情報記録媒体用基板のRmax×waを
決定することを特徴とする。但し、waは、測定エリアに
おいて全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最低
点の高さの差の値とする。
用基板表面の管理方法は、構成10に係る情報記録媒体
用基板表面の管理方法において、前記waが、測定ポイン
トにおいて異常突起の点を除外して得られる値であるこ
とを特徴とする。
明の一実施の形態を詳細に説明する。まず、図3
(a),(b)に示す各種測定値の定義を参照しなが
ら、本発明の一実施の形態の情報記録媒体用基板につい
て説明する。
の一実施の形態の情報記録媒体用基板の主表面上をトレ
ースしている状態を示す概略側断面図である。図におい
て、IDA,ODAは、微小うねりの測定エリアの一例
を示す。このうち、IDAは、情報記録媒体用基板の記
録再生領域のうち、径方向の内側に位置する測定エリア
を示し、ODAは、同じく径方向の外側に位置する測定
エリアを示す。
ば、基板の全主表面に亘る最高点と最低点との値の差に
よって表わされる。したがって、この基板の平坦性は、
情報記録媒体用基板に生じた微小うねりや表面粗さの影
響を受けることになる。また、この情報記録媒体用基板
の外周端部や内周端部の形状は、スキージャンプ値とロ
ールオフ値とによって定義される。これらの値は、本願
特許出願人が出願した特開2001−167427号公
報に詳細に記載されている。しかし、これらの値は、本
願発明とは、直接には関係がないので、ここでは、説明
を省略する。
りや表面粗さを示す波形図である。図において、横方向
は、情報記録媒体用基板の径方向に対応し、縦方向は、
基板の厚さ方向に対応する。そして、実線で示される波
形は、微小うねりを示す。この微小うねりには、その一
部を拡大して示すように、表面粗さを有している。A1
は、うねりの測定エリアを示し、A2は、微小うねりの測
定エリアを示す。Ra'は、微小うねりの平均高さを示
し、waは、微小うねりの最大高さを示す。
の最大高さwa等についてさらに詳細に説明する。
比較的周期の大きい凹凸と、比較的周期の小さい凹凸と
から成っている。比較的周期の大きい凹凸は、凹凸の周
期によってうねり、微小うねりに分けることができる。
また、比較的周期の小さい凹凸は、基板表面の表面粗さ
を示している。これらのうねり、微小うねり、表面粗さ
は測定方法の違いによって分別して測定することができ
る。ここで、周期とは、凹凸の山と山又は、谷と谷との
距離を示す。
m〜4mm程度のものであって、この微小うねりは、平
均高さRa'や最大高さwaによって表すことができる。平
均高さRa'は、中心線から測定曲線までの偏差の絶対値
の平均を示す。この平均高さRa'を図3(b)に一点鎖
線で示す。waは、第3図(b)に示すように、測定エリ
アA2において、全測定ポイントにおいて測定曲線の最
高点と最低点の高さの差の値を示す。この微小うねり
は、例えば、フェイズ・シフトテクノロジー社製の多機
能表面解析装置(MicroXAM)によって測定される。この
装置を用いた測定方法は、従来の触針式の測定方法とは
異なり、白色光などの光を用いて基板面の所定領域を走
査し、基板面からの反射光と基準面からの反射光とを合
成し、合成点に生じた干渉縞より、微小うねりの平均高
さRa'や最大高さwaを計算するものである。
のである。図4のように、干渉計の原理により、光波を
二つに分け、その後に合成するものである。すなわち、
入射光線は、対物レンズによってビームスプリッタに導
かれ、ビームスプリッタによって2つに光線に分割され
る。この2つの光線は、それぞれ基準面と基板面とによ
って反射された後、合成され、再結合光線として出力さ
れる。このような構成によれば、干渉縞は、A→Bの光路
と、C→Dの光路との光路差によって現れる。
M)の場合、基板の任意の領域(記録再生領域)、好ま
しくは中心部又は、端部から所定距離だけ離間した領域
に50μm□〜4mm□の範囲内の中から適宜矩形領域を選
択して微小うねりを測定する。例えば、ヘッドスライダ
ーのスライダー面の面積よりも小さい領域であって、約
500μm×約600μmの矩形領域(約250,000ピクセル)
を選択する。このように、実際にヘッドスライダーが磁
気ディスク表面上を走行する際に寄与するヘッドスライ
ダーのスライダー面を基準にし、スライダー面の面積よ
りも小さい領域を選択することにより、タッチダウンハ
イトとの相関関係が得られるので好ましい。特に微小う
ねりの周期が2〜650μmのものを抽出して基板表面を測
定すると良い。例えば一般に使われている30%スライダ
ー面の面積(1.25mm×1.00mm)の場合、1.25mm2以下が好
ましい。このようにして計算されたうねりを微小うねり
という。
通常いくつもの周期(山と山、谷と谷)が存在し、JIS
規格(JIS B 0601)で定められている。Rmaxは、最大
高さを示し、最も高い山頂から最も深い谷底までの高さ
方向の距離を示す。この表面粗さは、原子間力顕微鏡
(AFM)で測定される。
構成1にあるように情報記録媒体用基板の主表面におい
て、微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、微小
うねりの最大高さをwaとしたとき、waが5nm以下、Rmax
が12nm以下とすることによって、タッチダウンハイトが
15nm以下を達成することができる。基板表面の凹凸を示
すwa、Rmaxの両方のパラメータが上記範囲になければ所
望のタッチダウンハイトを達成することができない。タ
ッチダウンハイトが8nm以下を達成するためには、waが4
nm以下、且つRmaxが8nm以下、さらにタッチダウンハイ
トが6nm以下を達成するためには、waが3nm以下、且つRm
axが6nm以下、さらにタッチダウンハイトが4.5nm以下を
達成するためには、waが2.5nm以下、且つRmaxが3nm以下
としなければならない。
レーションの低減、媒体ノイズの低減の点から、さらに
好ましくは、構成2にあるように、情報記録媒体用基板
の主表面において、微小うねりの周期が2μm〜4mm
であって、微小うねりの最大高さをwa、原子間力顕微鏡
によって測定した最大高さをRmaxとし、前記waをx、Rm
axをyとしたとき、x≦5nm、y≦12nm、y≧(10/3)
x−10、y≦(10/3)x+2とすることにより、タッチ
ダウンハイトが15nm以下を達成することができるととも
に、モジュレーションや媒体ノイズを低減でき、記録再
生特性が良好な磁気記録媒体となるので好ましい。さら
に、これらのモジュレーションや媒体ノイズの低減の効
果を得つつ、タッチダウンハイトを8nm以下を達成する
ためには、x≦4nm、y≦8nm、y≧(10/3)x−10、y
≦(10/3)x+2、さらにタッチダウンハイトを6nm以下
を達成するためには、x≦3nm、y≦6nm、y≧(10/3)
x−10、y≦(10/3)x+2、さらにタッチダウンハイト
を4.5nm以下を達成するためには、x≦2.5nm、y≦3m
m、y≧(10/3)x−10、y≦(10/3)x+2を満たさな
ければならない。
の関係を数多くの実験を重ね調べた結果、上述のように
比較的大きい凹凸(微小うねり)の最大高さwa、原子間
力顕微鏡によって測定した比較的小さい凹凸の最大高さ
Rmaxの両パラメータと、タッチダウンハイトは相関関係
があることを本発明で突き止めた。特に、構成3のよう
に、waとRmaxの積(Rmax×wa)とタッチダウンハイトは
相関関係があることを突き止めた。
であって、微小うねりの周期が2μm〜4mmであっ
て、この微小うねりの最大高さwa(単位:nm)と、原子
間力顕微鏡によって測定した最大高さRmax(単位:nm)
の積(Rmax×wa)と、前記情報記録媒体用基板の主表面
上に少なくとも磁性層を形成してタッチダウンハイト試
験を行った結果とを対比し、前記Rmaxとwaとの積(Rmax
×wa)と、タッチダウンハイトとの相関関係から、タッ
チダウンハイトが所望の値となるような所定のRmax×wa
を有することで、タッチダウンハイトが良好な情報記録
媒体用基板を得ることができる。
録媒体用基板の主表面において、微小うねりの周期が2
μm〜4mmであって、微小うねりの最大高さをwa、原
子間力顕微鏡によって測定した最大高さをRmaxとしたと
き、Rmax×wa≦58(nm×nm)とすることにより、タッチ
ダウンハイトを15nm以下を達成することができる。さら
に、タッチダウンハイトを10nm以下を達成するために
は、Rmax×wa≦33(nm×nm)、さらにタッチダウンハイ
トを8nm以下を達成するためには、Rmax×wa≦24(nm×n
m)、さらにタッチダウンハイトを6nm以下を達成するた
めには、Rmax×wa≦14(nm×nm)、さらにタッチダウン
ハイト4.5nm以下を達成するためには、Rmax×wa≦7(nm
×nm)としなければならない。
部が検査ヘッドに衝突し始めるときの検査ヘッドの浮上
高さの値によって表わされる。検査ヘッドの浮上高さ
は、この浮上高さと磁気ディスクの回転速度との関係を
あらかじめヘッド浮上高さ測定装置によって測定するこ
とにより、そのときの磁気ディスクの回転速度から知る
ことができる。
ッドに衝突し始めるときのヘッドの浮上高さの値をタッ
チダウンハイトとする。なお、タッチダウンハイトは、
表面に存在する凸部の高さに略等しいものとなる。この
ような特性から、比較的大きい凹凸(微小うねり)、比
較的小さい凹凸はいずれも最大高さwa、Rmaxを選定する
ことが良い。
は、ヘッドスライダー(磁気ヘッド)のスライダー面の
面積よりも小さい領域とすることが好ましい。ヘッドス
ライダーの面積よりも大きい領域を測定すると、ヘッド
スライダーが磁気ディスク上を浮上走行する際、表面の
うねりの周期が大きいとヘッドに追従することになる
が、タッチダウンハイトとは関係のないうねりの周期が
大きいものも含まれるからである。
常突起などがあり、構成4にあるように、微小うねりの
最大高さwaを、測定点測定ポイントにおいて異常突起の
測定値を除外したものとすることにより、よりタッチダ
ウンハイトとの相関が得られるので好ましい。
値の絶対値を横軸に、その測定値の絶対値が得られた測
定個数を縦軸に表したヒストグラムをとったときに、そ
のもっとも多い分布を示した測定値の絶対値から次第に
大きくしていきながら各測定値の絶対値に対応する個数
を累積していったときに、その累積個数が全個数の95%
になったとき、残りの5%を異常突起の測定値とみなし、
全部の測定点から除外して得られた測定点の最小値と最
大値の差を「95%PV値」とし、この「95%PV値」を最大高
さwaとし、この最大高さwaを微小うねりと表現すること
もできる。尚、上述の微小うねりの平均高さRa'とこの9
5%PV値には相関関係がある。
ることができる。例えば、上記95%を98%や90%にして
も構わない。
ズ、厚さ等は特に制限されない。基板の種類としては、
ガラス、セラミック、シリコン、カーボン、プラスチッ
ク、ポリカーボネート、またはアルミ等の金属などが挙
げられる。中でも、構成6にあるようにガラス基板が平
坦性、平滑性、機械的強度、コスト面などから他の材質
と比べてよい。ガラス基板の材質としては、例えば、ア
ルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダ
#アルミノ珪酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、
ボロシリケートガラス、石英ガラス、または結晶化ガラ
ス等のガラスセラミックスなどが挙げられる。一般に、
平滑性(表面粗さ低減)の点では、基板表面に結晶相と
非結晶相が存在する結晶化ガラスよりも、結晶相が存在
しないアモルファスガラスが好ましい。特に機械的強度
や、耐衝撃性、耐振動性等の点からアルミノシリケート
ガラスなどの化学強化ガラスがよい。また、平坦性(う
ねりや微小うねり低減)の点では、ヤング率の高さや、
結晶化ガラスの結晶粒により、同じ表面粗さにおいては
アモルファスガラスよりも結晶化ガラスがよい。
:58〜75重量%、Al2O3:5〜23重量%、Li2O:3〜10重
量%、Na2O:4〜13重量%を主成分として含有する化学
強化ガラス(化学強化ガラスA)や、TiO2:5〜30モル
%、CaO:1〜45モル%、MgO+CaO:10〜45モル%、Na2O
+Li2O:3〜30モル%、Al2O3:0〜15モル%、SiO2:35
〜60モル%を含有する化学強化ガラス(化学強化ガラス
B)等が好ましい。このような組成のアルミノシリケー
トガラス等は、化学強化することによって、抗折強度が
増加し、圧縮応力層の深さも深く、ヌープ硬度にも優れ
る。尚、微小うねりのwaと平坦性の制御のし易さの点で
は、ヤング率の大きい前述でいうと化学強化ガラスBが
好ましい。
の向上を目的として、ガラス基板の表面に低温型イオン
交換法による化学強化処理を施すことがある。ここで、
化学強化方法としては、従来より公知の化学強化法であ
れば特に制限されないが、例えば、ガラス転移点の観点
から転移温度を超えない領域でイオン交換を行う低温型
化学強化法などが好ましい。化学強化に用いるアルカリ
溶融塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、或い
はそれらを混合した硝酸塩などが挙げられる。
めに、一般にポリッシング工程を複数の段階を経て所望
の表面粗さを得るが、ラッピング工程で整えられた平坦
度やうねりをポリッシング工程で使用する研磨パッドの
弾性や定盤精度(合致度)により、悪化してしまう要因
がある。
が比較的大きいので、比較的粒度の細かいダイヤモンド
ペレットを使用している。これにより、ある程度の平滑
性を有し、平坦度を出しているため、ポリッシング工程
の負荷が少なく、比較的微小うねりの小さいものが得ら
れやすい。
結晶粒径が比較的小さい主結晶としてエンスタタイト及
び/又はその固溶体である結晶化ガラスが好ましく、そ
の組成として、例えば、SiO2:35〜65モル%、Al2O3:5
〜25モル%、MgO:10〜40モル%、TiO2:5〜15モル%を
含有するものが好ましい。
気記録媒体用基板、光磁気ディスク用基板、光ディスク
用基板などの電子工学用ディスク基板として利用でき
る。中でも情報記録媒体の記録再生時に、媒体表面にヘ
ッドスライダーが走行して行なう磁気ヘッドによる記録
再生を行なう磁気記録媒体や、光ピックアップレンズ
(ソリッドイマージョンレンズ等)を備えたヘッドスラ
イダーによる記録再生を行なう光磁気ディスクなどに使
用される基板に対して、本発明の情報記録媒体用基板が
適している。なぜなら、基板表面のうねり、微小うねり
がヘッドスライダーの浮上高さに影響するからである。
基板が、磁気記録媒体用基板、例えば、磁気抵抗型ヘッ
ド(巨大(大型)磁気抵抗型ヘッド)で記録再生する磁
気抵抗型ヘッド用の磁気ディスク用基板として好適に利
用できる。
1〜6の情報記録媒体用基板上に少なくとも記録層が形
成された情報記録媒体、特に、記録層が磁性層とする磁
気記録媒体にすることによって、タッチダウンハイトの
悪化を防ぐことができるので、高記録密度の記録再生が
可能となる。例えば、本発明の情報記録媒体は、本発明
の情報記録媒体用基板上に少なくとも磁性層等の記録層
を形成したものである。
坦度、表面粗さを有し、必要に応じ表面の化学強化処理
を施した磁気ディスク用基板上に、下地層、磁性層、保
護層、潤滑層を順次積層して製造される。
応じて選択される。下地層としては、例えば、Cr、Mo,
Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれ
る少なくとも一種以上の材料からなる下地層等が挙げら
れる。Coを主成分とする磁性層の場合には、磁気特性向
上等の観点からCr単体や、Cr合金であることが好まし
い。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層
を積層した複数層構造とすることもできる。例えば、Cr
/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、CrV/CrV、NiAl/Cr、NiAl
/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層等が挙げられる。
制限はない。磁性層としては、例えば、Coを主成分とす
るCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CpPtCr、CoNiPt
やCoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtTaN
b、CoCrPtSiOなどの磁性膜が挙げられる。磁性層は、磁
性膜を非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割
してノイズの低減を図った多層構成としてもよい。
気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)対応の磁性層としては、C
o系合金に、Y、Si、希土類元素、Hf、Ge、Sn、Znから選
択される不純物元素、またはこれらの不純物元素の酸化
物を含有させたものなども含まれる。
ライト系、鉄−希土類系や、SiO2、BNなどからなる非磁
性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子が分散され
た構造のグラニュラーなどであってもよい。また、磁性
層は、面内型、垂直型のいずれの記録形式のものであっ
てもよい。
に制限はない。保護層としては、例えば、Cr膜、Cr合金
膜、カーボン膜、ジルコニア膜、シリカ膜などが挙げら
れる。これらの保護膜は、下地層、磁性層等とともにイ
ンライン型スパッタリング装置で連続して形成できる。
また、これらの保護膜は、単層としてもよく、或いは同
一又は異種の膜からなる多層構成としてもよい。
上記保護層に替えて他の保護層を形成してもよい。例え
ば、上記保護層に替えて、Cr膜の上にテトラアルコキシ
シランをアルコール系の溶媒に希釈した中に、コロイダ
ルシリカ微粒子を分散させて塗布し、さらに焼成して酸
化ケイ素(SiO2 )膜を形成してもよい。
はない。潤滑層は、例えば、液体潤滑剤であるパーフル
オロポリエーテルをフレオン系などの溶媒で希釈し、媒
体表面にディップ法、スピンコート法、スプレイ法によ
って塗布し、必要に応じ加熱処理を行って形成する。
チダウンハイトを得るための情報記録媒体用基板表面の
管理方法を提供する。具体的には、情報記録媒体用基板
の主表面を測定した、微小うねりの周期が2μm〜4m
mであって、この微小うねりの最大高さwa(単位:nm)
と、原子間力顕微鏡によって測定した最大高さRmax(単
位:nm)の積(Rmax×wa)と、前記情報記録媒体用基板
の主表面上に少なくとも磁性層を形成したときの該情報
記録媒体のタッチダウンハイトとの相関関係を求め、求
めた相関関係から前記情報記録媒体が所望のタッチダウ
ンハイトとなるように、前記情報記録媒体用基板のRmax
×waを決定する。このような基板表面の管理方法を適
用することで、所望のタッチダウンハイトの磁気記録媒
体を得るための基板表面の設計が容易となり、タッチダ
ウンハイトを高精度に制御することができる。Rmaxとwa
は、研磨条件(ポリシャ、研磨剤、研磨剤平均粒形、加
工圧力、加工時間等)によって適宜調整される。また、
構成11にあるように、微小うねりの最大高さwaを、測
定点測定ポイントにおいて異常突起の測定値を除外した
ものとすることにより、よりタッチダウンハイトとの相
関が得られるので好ましい。
法については、公知の加工技術や成膜技術を使用すれば
良く、ここでは特に詳述しない。
クは、 素材加工→粗ラッピング工程→形状加工工程→端面鏡面
加工工程→精ラッピング工程→第1ポリッシング工程→
第2ポリッシング工程→(第3ポリッシング工程)→洗
浄→化学強化工程→洗浄→磁気ディスク製造工程 の順序で作製した。尚、第3ポリッシング工程は、実施
例1〜4の磁気ディスク用ガラス基板を作製するときの
み行った。
ィスクは、 素材加工→結晶化工程→形状加工工程→端面鏡面加工工
程→精ラッピング工程→第1ポリッシング工程→第2ポ
リッシング工程→洗浄→磁気ディスク製造工程 の順序で作製した。
強化ガラスA、化学強化ガラスB、結晶化ガラスの3種類
準備した。これらの各ガラスとしては、次の組成のもの
を使用した。
10重量%、Na2O:4〜13重量%を主成分として含有する
アルミノシリケートガラス。
〜45モル%、Na2O+Li2O:3〜30モル%、Al2O3:0〜15
モル%、SiO2:35〜60モル%を含有するアルミノシリケ
ートガラス。
0モル%、TiO2:5〜15モル%を含有する主結晶がエンス
タタイト及び/又はその固溶体である結晶化ガラス。
硬質ポリシャを使用し、酸化セリウムの研磨剤によっ
て、第2ポリッシング工程においては、軟質ポリシャを
使用し、酸化セリウムの研磨剤によって、第3ポリッシ
ング工程においては、超軟質ポリシャを使用し、コロイ
ダルシリカの研磨剤によって両面ポリッシング装置によ
って研磨を行った。
小うねりの最大高さwaは、使用するポリシャの硬度、研
磨剤の平均粒径、化学強化前の洗浄条件(洗浄液、処理
温度、洗浄液の濃度)等を適宜調整してガラス基板を作
製した。
ライン型スパッタリング装置を用いて、NiAlのシード
層、CrMo下地層、CoCrPtTa磁性層、水素化カーボン保護
層を順次成膜し、さらにディップ法によりパーフルオロ
ポリエーテル潤滑層を成膜して磁気ディスクを作製し
た。
気ディスク用ガラス基板の微小うねりの最大高さwa=95
%PV値、表面粗さRmaxとタッチダウンハイト(TDH)を
測定した結果を表及び図1に示す。
は、多機能表面解析装置(MicroXAM:PHASE SHIFT TECH
NOLOGY社製:×10対物レンズ使用;測定波長2〜500μ
m;測定範囲554.34μm×617.87μm)によって、表面
粗さRmaxは、原子間力顕微鏡(AFM)(5μmエリア角
の測定)で測定した値である。
は、基板主表面内において0°、90°、180°、270°で
の各ID側の点(記録再生領域の半径方向の内側の点)、
MDの点(記録再生領域の半径方向の中間点)、OD側の点
(記録再生領域の半径方向の外側の点)の各12点で測定
した値の平均値である。
ように、タッチダウンハイト15nmを達成するには、wa
(95%PV値)が5nm以下、Rmaxが12nm以下としなければ
ならず、また、タッチダウンハイトが7nmを達成するた
めには、wa(95%PV値)が4nm以下、且つRmaxが8nm以
下、さらにタッチダウンハイトが6nmを達成するために
は、wa(95%PV値)が3.5nm以下、且つRmaxが6nm以下、
さらにタッチダウンハイトが4.5nmを達成するために
は、wa(95%PV値)が2.5nm以下、且つRmaxが4nm以下と
しなければならないことがわかる。
ともに、wa(95%PV値)をx、Rmaxをyとしたときに、
y≧10/3x-10、y≦10/3x+2の条件を満足する実施例
1〜15と、y≧10/3x-10、y≦10/3x+2の条件を満足
しない比較例2〜6を比べてみると、比較例2と6は、
媒体ノイズ悪化の傾向にあり、また比較例3〜5は、モ
ジュレーション悪化の傾向にあり、好ましくない。従っ
て、所望のタッチダウンハイトと、モジュレーションや
媒体ノイズが低減の効果を得るためには、上記wa(95%
PV値)とRmaxの条件とともに、wa(95%PV値)をx、Rm
axをyとしたときに、y≧10/3x-10、y≦10/3x+2の
条件を満足することが好ましいことがわかる。
maxの積(Rmax×wa)をパラメータとすることで、タッ
チダウンハイトと相関関係があることがわかる。したが
って、予め微小うねりの最大高さwa(単位:nm)と、原
子間力顕微鏡によって測定した最大高さRmax(単位:n
m)の積(Rmax×wa)と、前記磁気記録媒体用基板の主
表面上に少なくとも磁性層を形成したときの磁気記録媒
体のタッチダウンハイトとの相関関係を求めておくこと
により、求めた相関関係から所望のタッチダウンハイト
に対応するRmax×waを決定して、研磨条件を適宜調整し
決定したRmax×waに基板表面を仕上げることにより、所
望のタッチダウンハイトを得ることが容易となる。具体
的には、第2図に示すように、Rmax×wa≦58(nm×nm)
とすることにより、タッチダウンハイトを15nm以下を達
成することができる。また、タッチダウンハイトを10nm
以下を達成するためには、Rmax×wa≦33(nm×nm)、さ
らにタッチダウンハイトを8nm以下を達成するために
は、Rmax×wa≦24(nm×nm)、さらにタッチダウンハイ
トを6nm以下を達成するためには、Rmax×wa≦14(nm×n
m)、さらにタッチダウンハイト4.5nm以下を達成するた
めには、Rmax×wa≦7(nm×nm)としなければならない
ことがわかる。
の結晶化ガラスと、実施例13,14のアモルファスガ
ラスを比較すると、結晶化ガラスのほうが微小うねりの
値が低い傾向にあることがわかる。
板表面における表面粗さ、微小うねりを所定の範囲・関
係にすることによって、所望のグライド高さ(タッチダ
ウンハイト)を達成することができる。
を示す特性図である。
ダウンハイト(TDH)との関係を示す特性図である。
明するための図である。
模式化して示す図である。
Claims (11)
- 【請求項1】情報記録媒体用基板であって、 微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、この微小
うねりの最大高さをwaとし、原子間力顕微鏡によって測
定した最大高さをRmaxとしたとき、 該基板主表面のwaが5nm以下、Rmaxが12nm以下であるこ
とを特徴とする情報記録媒体用基板。但し、waは、測定
エリアにおいて全測定ポイントにおける測定曲線の最高
点と最低点との高さの差の値とする。 - 【請求項2】情報記録媒体用基板であって、 微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、この微小
うねりの最大高さをwa、原子間力顕微鏡によって測定し
た最大高さをRmaxとし、 前記waをx、前記Rmaxをyと表したとき、 x≦5nm、y≦12nm、y≧(10/3)x−10、y≦(10/
3)x+2 を満足することを特徴とする情報記録媒体用基板。但
し、waは、測定エリアにおいて全測定ポイントにおける
測定曲線の最高点と最低点の高さとの差の値とする。 - 【請求項3】情報記録媒体用基板であって、微小うねり
の周期が2μm〜4mmであって、この微小うねりの最
大高さwa(単位:nm)と、原子間力顕微鏡によって測定
した最大高さRmax(単位:nm)との積(Rmax×wa)と、
前記情報記録媒体用基板の主表面上に少なくとも磁性層
を形成してタッチダウンハイト試験を行った結果とを対
比し、前記Rmaxとwaとの積(Rmax×wa)と、タッチダウ
ンハイトとの相関関係から、タッチダウンハイトが所望
の値となるような所定のRmax×waを有することを特徴と
する情報記録媒体用基板。但し、waは、測定エリアにお
いて全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最低点
の高さとの差の値とする。 - 【請求項4】情報記録媒体用基板であって、 微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、この微小
うねりの最大高さをwa(単位:nm)とし、原子間力顕微
鏡によって測定した最大高さをRmax(単位:nm)とした
とき、 Rmax×wa≦58(nm×nm) を満足することを特徴とする情報記録媒体用基板。但
し、waは、測定エリアにおいて全測定ポイントにおける
測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値とする。 - 【請求項5】前記waは、測定ポイントにおいて異常突起
の点を除外して得られる値であることを特徴とする請求
項1乃至4の何れか一に記載の情報記録媒体用基板。 - 【請求項6】前記基板はガラス基板であることを特徴と
する請求項1乃至5の何れか一に記載の情報記録媒体用
基板。 - 【請求項7】前記基板は磁気ディスク用基板であること
を特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載の情報記
録媒体用基板。 - 【請求項8】請求項1乃至7の何れか一に記載の情報記
録媒体用ガラス基板上に少なくとも記録層を形成するこ
とを特徴とする情報記録媒体。 - 【請求項9】前記記録層が磁性層であることを特徴とす
る請求項8記載の情報記録媒体。 - 【請求項10】情報記録媒体用基板の主表面を測定し
た、微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、この
微小うねりの最大高さwa(単位:nm)と、原子間力顕微
鏡によって測定した最大高さRmax(単位:nm)の積(Rm
ax×wa)と、前記情報記録媒体用基板の主表面上に少な
くとも磁性層を形成したときの該情報記録媒体のタッチ
ダウンハイトとの相関関係を求め、求めた相関関係から
前記情報記録媒体が所望のタッチダウンハイトとなるよ
うに、前記情報記録媒体用基板のRmax×waを決定する
ことを特徴とする情報記録媒体用基板表面の管理方法。
但し、waは、測定エリアにおいて全測定ポイントにおけ
る測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値とする。 - 【請求項11】前記waは、測定ポイントにおいて異常突
起の点を除外して得られる値であることを特徴とする請
求項10記載の情報記録媒体用基板表面の管理方法。
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