JP3565761B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の作製方法、および磁気ディスクの製造方法。 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板の作製方法、および磁気ディスクの製造方法。 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理機器の記録媒体として使用される磁気記録媒体用基板とその表面管理方法及び磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録媒体の一つとして磁気ディスクが知られている。磁気ディスクは、基板上に磁性層等の薄膜を形成して構成され、その基板として、アルミ基板やガラス基板が用いられてきた。しかし、最近では、高記録密度化の追求に呼応して、アルミ基板と比べて磁気ヘッドと磁気ディスクとの間隔をより狭くすることが可能なガラス基板の占める比率が次第に高くなってきている。
【0003】
ガラス基板は、磁気ディスクドライブに装着された際の衝撃に耐え得るように一般に強度を増すために化学強化されて製造される。また、ガラス基板表面を加熱処理して結晶化させて強度を向上させた結晶化ガラス基板が製造される。また、ガラス基板表面は磁気ヘッドの浮上高さを極力下げることができるように、高精度に研磨して高記録密度化を実現している。
また、ガラス基板だけではなく、磁気ヘッドも薄膜ヘッドから磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、巨大(大型)磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移し、高記録密度化に応えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、いくら高精度に研磨して表面粗さ(Rmax(最大高さ)、Ra(中心線平均粗さ))を小さくしても、磁気ヘッドの浮上高さを下げることができないという問題が生じた。本発明者らはその原因について調べたところ、基板表面に存在する微小うねり(Microweviness)が原因であることを突き止めた。また、この微小うねりは、磁気ディスクのモジュレーションにも影響があることを突き止めた。
【0005】
なお、特開平8−147688号公報には、磁気ディスクのグライド高さの低減を目的として、表面うねり(Wa)と表面粗さ(Ra)との関係をWa/Ra≦0.5にした磁気ディスク用ガラス基板が提案されている。
しかし、この公報に記載されている表面うねりの測定方法は、触針式の表面粗さ計(Tencor)を用いたもので、基板の半径方向に沿った直線上を100μm程度の長さに亘って測定するものであるため、直線的な一部のごく限られた領域一方向での測定しかできず、かならずしも基板全体のうねりを表現するものとは言えなかった。
【0006】
本発明は、基板表面における表面うねり(Wa)、微小うねり(Ra′, wa)を的確に表現することのできる測定方法によって測定された磁気ディスクのグライド高さや、モジュレーションに関系のある基板表面の表面うねり(Wa)、微小うねり(Ra′, wa)の値を所定の範囲以下に定めることにより、高記録密度に対応した情報記録媒体用基板及び、情報記録媒体を提供することを目的とする。
さらに本発明は、基板表面における表面うねり(Wa)、微小うねり(Ra′, wa)の値を上記所定の範囲以下に定めることの出来る情報記録媒体用基板の製造方法を提供することを他の目的とする。
さらに本発明は、ヘッドスライダーのグライド高さや、情報記録媒体のモジュレーションを所望な値にするための情報記録媒体用基板表面の管理ができる方法を提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的に鑑みてなされたものであり、以下の構成を有する。
(構成1)
磁気ディスク用ガラス基板の作製方法であって、
前記基板の主表面の記録再生領域における、ヘッドスライダー面の面積よりも小さい矩形領域において測定される微小うねりの最大高さ(最大値)waと、
前記磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に少なくとも磁性層を形成したときの該磁気ディスクのタッチダウンハイトTとの相関関係を求め、
求めた相関関係から前記磁気ディスクが所望のタッチダウンハイトである9nm以下となるように、前記磁気ディスク用ガラス基板の微小うねりの最大高さ(最大値)waを決定し、
前記決定したwa が得られるように、磁気ディスク用ガラス基板を製造する磁気ディスク用ガラス基板の作製方法であり、
前記微小うねりの最大高さ(最大値) wa は、うねりの周期が2μm〜4mmのものが得られる測定装置によって測定され、
前記waは、前記、周期が2μm〜4mmの微小うねりについて、次の[数式]の関係式
wa=MAX
MAX:上記主表面の記録再生領域の矩形領域を測定した測定エリアにおいて全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値
によって求めたものであって、
前記、周期が2μm〜4mmの微小うねりは、白色光またはレーザー光を用いて基板の主表面の記録再生領域を走査し、基板面からの反射光と基準面からの反射光とを合成し、合成点に生じた干渉縞より計算したものであり、
前記微小うねりの最大高さ(最大値)waは、
異常突起の測定値を除外したものとすることによって、よりタッチダウンハイトとの相関が得られるよう、
全測定ポイントにおける測定ポイント値のヒストグラムをとったときに、全測定ポイントの分布において、
全測定結果から5%外れている異常突起の測定ポイント値を除外して得られた値(95%PV値)とする、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の作製方法。
【0008】
なお、微小うねりについての関係式 wa MAX での「……、全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値」について、「全測定ポイントにおける測定曲線」とは、周知の計算式で得られる測定曲線のことであり、「全測定ポイントから得られる測定曲線」すなわち「全測定ポイントを結んで得られる測定曲線」とすることができる。また、「全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値」は、「全測定ポイントにおける最高点と最低点の高さの差の値」とすることができる。
さらに「全測定ポイントにおける測定ポイント値のヒストグラムをとったときに、全測定ポイントの分布において、全測定結果から5%外れている異常突起の測定ポイント値を除外して得られた値(95%PV値)とする」については、「全測定ポイント数に対して5%の数の測定ポイント値を、測定値が高い順に除外する」ことである。
【0009】
(構成
構成の磁気ディスク用ガラス基板の作製方法において、
前記、周期が2μm〜4mmの微小うねりは、前記基板の主表面の記録再生領域における、50μm□〜4mm□の範囲内の適宜な矩形領域を選択したときに得られる微小うねりである、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の作製方法。
【0010】
(構成
(構成2)の磁気ディスク用ガラス基板の作製方法において、
選択される前記矩形領域は、554.34μm×617.87μmの矩形領域であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の作製方法。
【0011】
(構成
(構成)〜(構成)いずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の作製方法において、
前記タッチダウンハイトを9nm以下とするために、表面粗さRpを9nmとする、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の作製方法。
【0012】
(構成
(構成)〜(構成)いずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の作製方法によって得られた磁気ディスク用ガラス基板上に、
少なくとも磁性層を形成する、ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、図1に示す各種測定値の定義を参照しながら本発明の情報記録媒体用基板(磁気ディスク用ガラス基板)について説明する。
本発明の情報記録媒体用基板(磁気ディスク用ガラス基板)のうねり(Wa)は、フェイズ・シフトテクノロジー社製の多機能ディスク用干渉計(OPTIFLAT)で、微小うねり(Ra′, wa)は、フェイズ・シフトテクノロジー社製の多機能表面解析装置(MicroXAM)によって測定したもので規定する。いずれも、従来の触針式とは異なり、白色光(波長:680nm)(OPTIFLAT)や、レーザー光(波長:552.8nm)(MicroXAM)を用いて基板面の所定領域を走査し、基板面からの反射光と基準面からの反射光とを合成し、合成点に生じた干渉縞より、うねり(Wa)、微小うねり(Ra′, wa)を計算するものである。
これらの「うねり( Wa )、微小うねり( Ra , wa )」は、「 Wa :うねりの平均高さ ( 平均値 ) 」、「 Ra ′:微小うねりの平均高さ ( 平均値 ) 」「 wa :微小うねりの最大高さ ( 最大値 ) )」のことである。
【0014】
図2がその測定原理を簡単に模式化したものである。図2のように、干渉計の原理により、光波を二つに分け、その後に合成するもので、干渉縞は、A→Bの光路と、C→Dの光路の光路差によって現れる。詳細な測定方法は、例えば、米国特許(USP 5,737,081、USP 5,471,307)に記載されている。
うねりの平均高さ(平均値)Waは、例えば、上記多機能ディスク用干渉計(OPTIFLAT)などによって測定されるもので、うねりの周期(山と山、又は谷と谷との距離)が、300μm〜5mm程度のもので、下記式(1)により得られる。
即ち、Waは中心線(基準線)から測定曲線までの偏差の絶対値の平均をさす。ここで中心線(基準線)とは、測定曲線の平均線と平行な直線を引いたとき、この直線と測定曲線で囲まれる面積が、この直線の両側で等しくなる直線をいう。
【数1】
Figure 0003565761
【0015】
測定データポイントは、基板表面内(主表面)の所定領域(記録再生領域)から選択されるが、多機能ディスク干渉計(OPTIFLAT)の場合には、円盤状の形状をした基板表面内の円周方向に沿った同心円状の領域が基板の大きさによって次のように所定領域として選択される。なお、以下の測定領域は、適宜調整することができる。
▲1▼2.5インチ:半径r=16〜28mmの範囲(約73000ピクセル)
▲2▼3.0インチ:半径r=20.3〜39.5mmの範囲(約79000ピクセル)
▲3▼3.5インチ:半径r=20.3〜45.0mmの範囲(約115400ピクセル)
このようにして計算されたうねりWaをウェイヴィネス(Waviness)という(1インチ=25.4m)。
【0016】
また、微小うねり(Ra′, wa)は、例えば、上記多機能表面解析装置(MicroXAM)などによって測定されるもので、うねりの周期(山と山、又は谷と谷との距離)が、2μm〜4mm程度のもので、下記式(2)(3)により得られる。
即ち、Ra′は中心線(基準線)から測定曲線までの偏差の絶対値の平均をさし、waは、測定エリアにおいて全測定ポイントにおいて測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値をさす。中心線(基準線)の定差は、上述と同じ。
【数2】
Figure 0003565761
wa = MAX ・・・・(3)
MAX:上記主表面の記録再生領域を測定した、測定エリアにおいて全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値
【0017】
また、多機能表面解析装置(MicroXAM)の場合には、基板(主表面)の任意の領域(記録再生領域)、好ましくは中心部又は、端部から所定距離だけ離間した領域に50μm□〜4mm□の範囲内の中から適宜矩形領域を選択する。例えば、ヘッドスライダーのスライダー面の面積よりも小さい領域であって、約500μm×約600μmの矩形領域(約250,000ピクセル)を選択する。このように、実際にヘッドスライダーが磁気ディスク表面上を走行する際に寄与するヘッドスライダーのスライダー面を基準にし、スライダー面の面積よりも小さい領域を選択すること(構成)により、タッチダウンハイトや、モジュレーションとの相関関係が得られるので好ましい。例えば一般に使われている30%スライダー面の面積(0.6mm×0.8mm)の場合、0.48mm以下が好ましい。このようにして計算されたうねりを微小うねり(マイクロウェイヴィネス:Micro Waviness)という。
【0018】
上述のようにうねりWa、微小うねり(Ra′, wa)を、 Wa :うねりの平均高さ ( 平均値 ) 」、「 Ra ′:微小うねりの平均高さ ( 平均値 ) 」「 wa :微小うねりの最大高さ ( 最大値 ) )」として定義することができる、情報記録媒体用基板(磁気ディスク用ガラス基板)であって、該基板表面の50μm□〜4mm□の範囲内において、非接触レーザー干渉法によって測定した微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′が、0.05マイクロインチ(1インチ=25.4mmなので、 1.27 nm)以下にすること非接触レーザー干渉法により測定した微小うねりの周期が2μm〜4mmであって、微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′が、0.05マイクロインチ(1.27 nm )以下にすること、により、微小うねりが原因であった高タッチダウンハイト、高モジュレーションが、両特性ともに効果的に低減することができる。したがって、高記録密度の記録再生が可能な磁気記録媒体(磁気ディスク用ガラス基板)ができる。微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′は、より小さい方が好ましい。好ましくは、Ra′が0.03マイクロインチ(0.762 nm)以下、さらに好ましくは、0.15マイクロインチ(3.81 nm )以下が望ましい。
尚、タッチダウンハイトやモジュレーションとの相関を見る場合には、微小うねりの周期が2〜650μmのものを抽出して基板表面を測定すると良い。
【0019】
また円盤状の形状をした情報記録媒体用基板であって、該基板表面内の円盤の中心から所定距離だけ離間した2つの同心円で囲まれた領域を非接触レーザー干渉法によって測定したうねりの周期が300μm〜5mmであって、前記うねりの平均高さ(平均値)Waが1.0nm以下とすることにより、うねりが原因であった高タッチダウンハイト、高モジュレーションが、両特性ともに効果的に低減することができる。したがって、高記録密度の記録再生が可能な磁気記録媒体(磁気 ディスク用ガラス基板)ができる。上記うねりの平均高さ(平均値)Waは、より小さい方が好ましい。
なお式(1)(2)(3)によりうねりWa、微小うねり(Ra′, wa)を算出する際、測定値(測定ポイント値)Xi, xiに異常値が現れた場合には(これを高周波層という)これをフィルタにより取り除いて計算を行なう。
【0020】
また、本発明において、基板の表面粗さは、磁気ヘッドの低浮上化の点でも重要な要素であり、その表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)などで測定される。図1に示すように、AFMにより測定される表面粗さは、上記非接触レーザー干渉法で測定したうねりの周期よりも小さいもので、前記うねりの1周期の間に通常幾つもの周期(山と山、谷と谷)が存在する。そしてその表面粗さは、AFMで測定したとき、Rmax≦15nm、Ra≦1nm、Rq≦1.5nmが好ましい。さらに好ましくは、Rmax≦10nm、Ra≦0.5nm、Rq≦0.7nm、さらに好ましくは、Rmax≦5nm、Ra≦0.3nm、Rq≦0.4nmが望ましい。
【0021】
なお、ここで、Rmax、Ra、RqなどはJIS規格(JIS B 0601)で定められている。Rmaxは最大高さ(最も高い山頂から最も深い谷底までの高さ方向の距離)、Raは中心線平均粗さ(中心線から測定曲線までの偏差の絶対値の平均)、Rqは、自乗平均平方根粗さ(=RMS)を示し、中心線から粗さ曲線(測定曲線)までの偏差の自乗を評価長さの区間で積分し、その区間で平均した値の平方根である。
【0022】
また、特に表面粗さにおけるRp(AFMによる測定)は、磁気ヘッドの低浮上化の要素であるTDH(タッチダウンハイト)を決める一つの要素でもある。Rpは、所望のTDHの高さ以下であればよいが、高記録密度の記録再生を行なうために好ましくは、Rp≦5nm、さらに好ましくはRp≦3nmが望ましい。
尚、ここでRpとは、中心線深さを示し、粗さ曲線(測定曲線)からその中心線の方向に評価長さを抜き取り、中心線に平行でかつ最高点を通る線と中心線との間隔で表される値をいう。
【0023】
また、本発明において基板の種類、サイズ、厚さ等は特に制限されない。基板の種類としては、ガラス、セラミック、シリコン、カーボン、プラスチック、ポリカーボネート、またはアルミ等の金属などが挙げられる。中でもガラス基板が平坦性、平滑性、機械的強度、コスト面などから他の材質と比べよい。ガラス基板の材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、または結晶化ガラス等のガラスセラミックスなどが挙げられる。平滑度の点では、結晶化ガラスよりもアモルファスガラスが好ましく、特に機械的強度や、耐衝撃性、耐振動性等の点からアルミノシリケートガラスなどの化学強化ガラスが好ましい。
【0024】
アルミノシリケートガラスとしては、SiO :58〜75重量%、Al :5〜23重量%、Li O:3〜10重量%、Na O:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラス(化学強化ガラスA)や、Ti :5〜30モル%、CaO:1〜45モル%、MgO+CaO:10〜45モル%、Na O+Li O:3〜30モル%、Al :0〜15モル%、SiO :35〜60モル%を含有する化学強化ガラス(化学強化ガラスB)等が好ましい。このような組成のアルミノシリケートガラス等は、化学強化することによって、抗折強度が増加し、圧縮応力層の深さも深く、ヌープ硬度にも優れる。尚、表面うねりWaの制御のし易さの点では、ヤング率の大きい前述でいう化学強化ガラスBが好ましい。
【0025】
本発明の基板では、耐衝撃性、耐振動性等の向上を目的として、ガラス基板の表面に低温型イオン交換法による化学強化処理を施すことがある。ここで、化学強化方法としては、従来より公知の化学強化法であれば特に制限されないが、例えば、ガラス転移点の観点から転移温度を超えない領域でイオン交換を行う低温型化学強化法などが好ましい。化学強化に用いるアルカリ溶融塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、或いはそれらを混合した硝酸塩などが挙げられる。
【0026】
なお、化学強化ガラスは平滑度を高めるために、一般にポリッシング工程を複数の段階を経て所望の表面粗さを得るが、ラッピング工程で整えられた平坦度やうねりをポリッシング工程で使用する研磨パッドの弾性や定盤精度(合致度)により、悪化してしまう要因がある。一方、結晶化ガラスの場合は、機械的強度が比較的大きいので比較的粒度の細かいダイヤモンドペレットを使用しているので、ある程度の平滑性を有し、平坦度を出しているため、ポリッシング工程の負荷が少なく、比較的うねりの小さいものが得られやすい。
【0027】
本発明では、ガラス基板の製造工程の違いにより、うねりWa,微小うねり(Ra′、wa)の小さい表面状態を形成しにくい化学強化ガラスにおいても、ある一定の研磨条件にすることによって、うねりWa、微小うねり(Ra′, wa)の小さいガラス基板表面を得ることができる。本発明ではポリッシング工程前のガラス基板の平坦度をある一定の値(4μm)以下にして、かつポリッシング工程で使用する研磨剤の粒径を平均粒径が1.0μm以下で研磨することによって、化学強化ガラスにおいてもうねりWa、微小うねり(Ra′, wa)が小さいガラス基板を得ることができる。
【0028】
ここで好ましい軟質ポリシャの硬度は、62〜72(Asker−C)、さらに好ましくは、66〜70(Asker−C)のものを使用することが望ましい。軟質ポリシャの硬度が小さい(やわらかい)62未満の場合、研磨時のパッドが変形しやすくなり、うねり、微小うねりが悪化する。硬度が大きい(硬い)72を超えると高い平滑性が得られない。使用する研磨砥粒の平均粒径を1.0μm以下にしているのは、平滑な表面が得られないからである。
【0029】
また、本発明では、ポリッシング工程の簡略化(上記平坦度をラッピング工程で形成した後、硬質ポリシャによる1次ポリッシュをせずに、軟質ポリシャによる精密研磨を行なうこと)によって、製造コストの低減とともに、うねりWa、微小うねり(Ra′, wa)が小さいガラス基板が得られることがわかった。この場合、ポリッシング工程前(ラッピング工程の後)の表面粗さを、Raで0.4μm以下、Rmaxで5.0μm以下、好ましくは、Raで0.3μm以下、Rmaxで3.0μm以下にしておくことがうねり、微小うねりの低減には望ましい。また、従来の一次ポリッシュ工程を行なっても構わない。その場合、一次ポリッシュ工程後の表面粗さをRaで1.5μm以下、Rmaxで20μm以下にしておくことが望ましい。
【0030】
また、うねり、微小うねりは、研磨工程時のガラス基板に対する加工面圧にも影響があり、研磨時のガラス基板に対する加工面圧は、40〜150g/cm2の範囲にすることがよい。さらにこのましくは 、50〜80g/cm2の範囲が望ましい。加工面圧が小さすぎる(40g/cm2未満)と、研磨能力が劣るので好ましくなく、加工面圧が大きすぎる(150g/cm2超)と研磨パッドの変形によりうねり、微小うねりが大きくなるので好ましくない。
【0031】
また、うねり、微小うねりは、研磨工程時のガラス基板に対する研磨砥粒の流量にも影響があり、研磨時のガラス基板に対する研磨砥粒の流量は、50cc/sec以上とすることが好ましい。研磨砥粒の流量が少ない(50cc/sec未満)と、ガラス基板主表面に研磨砥粒が行き渡らずに、ポリシャが直接ガラス基板に接触して研磨されることが発生し、うねり、微小うねりが悪化するので好ましくない。
【0032】
また、うねり、微小うねりは、ポリッシング工程終了時の定盤の回転数にも影響がある。ポリッシング工程での研磨停止前の定盤の回転数を研磨加工時の回転数よりも低減することによって、研磨停止時における研磨パッドの弾性が安定し、基板表面のうねり、微小うねりを低減することができる。
また、ポリッシング工程で使用する研磨砥粒は、上記の平均粒径のものであれば特に限定されないが、例えば、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化マンガン、コロイダルシリカなどが挙げられる。
【0033】
また、本発明の情報記録媒体用基板(磁気ディスク用ガラス基板)は、磁気記録媒体用基板、光磁気ディスク用基板、光ディスク用基板などの電子工学用ディスク基板として利用できる。中でも情報記録媒体の記録再生時に、媒体表面にヘッドスライダーが走行して行なう磁気ヘッドによる記録再生を行なう磁気記録媒体や、光ピックアップレンズ(ソリッドイマージョンレンズ等)を備えたヘッドスライダーによる記録再生を行なう光磁気ディスクなどに使用される基板に対して、本発明の情報記録媒体用基板(磁気ディスク用ガラス基板)が適している。なぜなら、基板表面のうねり、微小うねりがヘッドスライダーの浮上高さに影響するからである。特に情報記録媒体用基板が、磁気記録媒体用基板、例えば、磁気抵抗型ヘッド(巨大(大型)磁気抵抗型ヘッド)で記録再生する磁気抵抗型ヘッド用の磁気ディスク用基板として好適に利用できる。
【0034】
また情報記録媒体用基板上に少なくとも記録層が形成した情報記録媒体、特に、記録層が磁性層とする磁気記録媒体にすることによって、基板表面のうねり、微小うねりによるタッチダウンハイトの悪化、モジュレーションの悪化を防ぐことができるので、高記録密度の記録再生が可能となる。例えば、本発明の情報記録媒体は、本発明の情報記録媒体用基板(磁気ディスク用ガラス基板)上に少なくとも磁性層等の記録層を形成したものである。
例えば、磁気記録媒体では、通常、所定の平坦度、表面粗さを有し、必要に応じ表面の化学強化処理を施した磁気ディスク用基板上に、下地層、磁性層、保護層、潤滑層を順次積層して製造する。
【0035】
磁気記録媒体における下地層は、磁性層に応じて選択される。
下地層としては、例えば、Cr、Mo,Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料からなる下地層等が挙げられる。Coを主成分とする磁性層の場合には、磁気特性向上等の観点からCr単体や、Cr合金であることが好ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造とすることもできる。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、CrV/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層等が挙げられる。
【0036】
磁気記録媒体における磁性層の材料は特に制限はない。
磁性層としては、例えば、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPtやCoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtTaNb、CoCrPtSiOなどの磁性膜が挙げられる。磁性層は、磁性膜を非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割してノイズの低減を図った多層構成としてもよい。
【0037】
磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)又は巨大(大型)磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)対応の磁性層としては、Co系合金に、Y、Si、希土類元素、Hf、Ge、Sn、Znから選択される不純物元素、またはこれらの不純物元素の酸化物が含有させたものなども含まれる。
また、磁性層としては、上記のほか、フェライト系、鉄−希土類系や、SiO 、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子が分散された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、磁性層は、面内型、垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
【0038】
磁気記録媒体における保護層の材料にも特に制限はない。
保護層としては、例えば、Cr膜、Cr合金膜、カーボン膜、ジルコニア膜、シリカ膜などが挙げられる。これらの保護膜は、下地層、磁性層等とともにインライン型スパッタリング装置で連続して形成できる。また、これらの保護膜は、単層としてもよく、或いは同一又は異種の膜からなる多層構成としてもよい。
【0039】
本発明では、上記保護層上に、あるいは、上記保護層に替えて他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr膜の上にテトラアルコキシシランをアルコール系の溶媒に希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散させて塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO )膜を形成してもよい。
【0040】
磁気記録媒体における潤滑層にも特に制限はない。
潤滑層は、例えば、液体潤滑剤であるパーフルオロポリエーテルをフレオン系などの溶媒で希釈し、媒体表面にディップ法、スピンコート法、スプレイ法によって塗布し、必要に応じ加熱処理を行って形成する。
【0041】
また、本発明は、磁気記録媒体のモジュレーションや、タッチダウンハイトが所望な特性になるように磁気記録媒体用基板表面を管理できる方法を提供する。
モジュレーションにあっては磁気記録媒体用基板の主表面を非接触レーザー干渉法によって測定した微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′と、前記磁気記録媒体用基板の主表面上に少なくとも磁性層を形成したときの該磁気記録媒体のモジュレーションとの相関関係を求め、求めた相関関係から前記磁気記録媒体が所望のモジュレーションとなるように、前記磁気記録媒体用基板の微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′を決定する構成とする。但し、Ra′は、 で定義するRa′とする。
【0042】
磁気記録媒体用基板表面を表すパラメータとして、数多くあるが、モジュレーションとの関係を数多くの実験を重ね調べた結果、基板表面の微小うねりRa′と相関関係があることを突き止めた。モジュレーションは、例えば、トラック1〜2周分の変調を測定するので、微小うねりの全体的な平均高さ(平均値)を示すRa′を選定することが好ましい。そして、で定義した微小うねりの最大高さ(最大値)waは、基板表面上に形成されたイレギュラーな突起に依存するので、モジュレーションとの相関をとる場合にはあまり適していない。
【0043】
またモジュレーションと特に相関関係がある微小うねりの周期は、2μm〜4mmである。より好ましい相関関係を得るには、微小うねりの周期は2μm〜650μmである。また、モジュレーションには、磁気ディスクを成膜する際にできるスパッタ要因のモジュレーション(Long Time Modulation)と、基板の微小うねりが要因のShort Time Modulationとがあり、磁気ディスクのモジュレーションは、このLong Time ModulationとShort Time Modulationを合計したTotal Modulationで評価される。
ここでモジュレーションは基板表面の微小うねりの要因によるShort Time Modulationと密接な関係があり、Short Time Modulationを選定するとよい。Short Time Modulationの測定は、例えば、オシロスコープによって測定され、1/50〜1/4周程度の波形を測定することによって得られる。好ましくは、1/50〜1/15周程度が望ましい。Long Time Modulationは、同様にオシロスコープによって測定され、1周以上の波形を測定することによって得られる。そして、モジュレーションが良好となる磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体が得られる。
【0044】
また、タッチダウンハイトにあっては磁気記録媒体用基板の主表面を非接触レーザー干渉法によって測定した微小うねりの最大高さ(最大値)waと、前記磁気記録媒体用基板の主表面上に少なくとも磁性層を形成したときの磁気記録媒体のタッチダウンハイトとの相関関係を求め、求めた相関関係から磁気記録媒体が所望のタッチダウンハイトとなるように、磁気記録媒体用基板の微小うねりの最大高さ(最大値)waを決定する構成とする。
【0045】
但し、waは、 式で定義するwaとする。磁気記録媒体用基板表面を表すパラメータとして、数多くあるが、タッチダウンハイトとの関係を数多くの実験を重ね調べた結果、基板表面の微小うねりの最大高さ(最大値)waと相関関係があることを突き止めた。タッチダウンハイトは、検査ヘッドの浮上量と磁気ディスクの回転速度の関係をあらかじめヘッド浮上量測定装置によって測定することにより、磁気ディスクの回転速度からそのときの検査ヘッドの浮上量を知ることができる。
【0046】
この磁気ディスクの突起が検査ヘッドに衝突し始めるときのヘッドの浮上量をタッチダウンハイトとする。なお、タッチダウンハイトは、表面に存在する突起高さに略等しいものとなる。このような特性から、微小うねりの最大高さ(最大値)waを選定することが好ましい。また上述と同様に、微小うねりの周期は、2μm〜4mm、より好ましくは2μm〜650μmである。また、基板表面にはパーティクルなどの異常突起などがあり微小うねりの最大高さ(最大値)waを、測定点測定ポイントxi’において異常突起の測定値を除外したものとすることにより、よりタッチダウンハイトとの相関が得られるので好ましい。
【0047】
具体的には全測定ポイントにおけるxi’のヒストグラムをとったときに、全測定ポイント値の分布において95%以内に入っている測定ポイント値を抽出した値(95%PV値)(全測定結果から5%外れている測定ポイント値を除外して得られた値)とする。尚、抽出するデータ範囲(除外するデータ範囲)は、基板の表面状態に合わせて、適宜調整することができる。例えば98%以内に入っている測定ポイント値を抽出(2%外れている測定ポイント値を除外)したり、90%以内に入っている測定ポイント値を抽出(10%外れている測定ポイント値を除外)しても良い。また微小うねりの最大高さ(最大値)waの測定領域は、ヘッドスライダー(磁気ヘッド)のスライダー面の面積よりも小さい領域とすることが好ましい。
【0048】
ヘッドスライダーの面積よりも大きい領域を測定すると、ヘッドスライダーが磁気ディスク上を浮上走行する際、表面のうねりの周期が大きいとヘッドに追従することになるが、タッチダウンハイトとは関係のないうねりの周期が大きいものも含まれるからである。
また記磁気記録媒体用基板は、該基板の主表面が、前記微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′と、前記測定ポイントにおいて異常突起を示す測定ポイント値を除外して得られた値又は、前記95%PV値との間に相関関係のある表面状態であると、あえて、演算処理する必要もなく、又、微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′によって、モジュレーションとタッチダウンハイトを設計、及び基板の表面管理が可能となるので好ましい。
こうして、タッチダウンハイトが良好な磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体が得られる。
【0049】
(実施例1)
(1)粗ラッピング工程
まず、溶融ガラスを、上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスして、直径66mmφ、厚さ1.2mmの円盤状のアルミノシリケートガラスからなるガラス基板を得た。
なお、この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状のガラス基板を得てもよい。
【0050】
なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO :58〜75重量%、Al :5〜23重量%、Li O:3〜10重量%、Na O:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化用ガラス(例えば、SiO :63.5重量%、Al :14.2重量%、Na O:10.4重量%、Li O:5.4重量%、ZrO :6.0重量%、Sb :0.4重量%、As :0.1重量%含有するアルミノシリケートガラス)を使用した。
【0051】
次いで、ガラス基板にラッピング工程を施した。このラッピング工程は、寸法精度及び形状精度の向上を目的としている。ラッピング工程は、ラッピング装置を用いて行い、砥粒の粒度を#400でおこなった。
詳しくは、はじめに、粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重Lを100kg程度に設定して、内転ギアと外転ギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μm(JIS B 0601で測定)程度にラッピングした。
【0052】
(2)形状加工工程
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を開けると共に、外周端面も研削して直径を65mmφとした後、外周端面及び内周面に所定の面取り加工を施した。このときのガラス基板端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度であった。
【0053】
(3)端面鏡面加工工程
次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面の表面粗さを、Rmaxで1μm、Raで0.3μm程度に研磨した。
上記端面鏡面加工を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
【0054】
(4)ラッピング工程
次に、砥粒の粒度を#1000に変え、ガラス基板表面をラッピングすることにより、平坦度3μm、表面粗さをRmaxが2μm程度、Raが0.2μm程度とした(Rmax、RaはAFMで測定、平坦度は、平坦度測定装置で測定したもので、基板表面の最も高い部位と、最も低い部位との上下方向(表面に垂直な方向)の距離(高低差)である。)。
上記ラッピング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
【0055】
(5)ポリッシング工程
次に、ポリッシング工程を施した。このポリッシング工程は、上述したラッピング工程で残留した傷や歪みの除去を目的とするもので、研磨装置を用いて行った。
詳しくは、ポリシャ(研磨布)として軟質ポリシャ硬度68(Asker−C)を用い、以下の研磨条件でポリッシング工程を実施した。
研磨液:酸化セリウム(平均粒径1.0μm)(遊離砥粒)+水
加工圧:200kg(面圧:66g/cm
研磨時間:80min
除去量:50μm
研磨加工時
上定盤回転数:20rpm
下定盤回転数:26rpm
キャリアの回転数(公転):3rpm
キャリアの回転数(自転):3rpm
【0056】
研磨停止前
上定盤回転数:4rpm
下定盤回転数:10rpm
キャリアの回転数(公転):3rpm
キャリアの回転数(自転):3rpm
上記ポリッシング工程を終えたガラス基板を、ケイフッ酸、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。
【0057】
(6)化学強化工程
次に、洗浄工程を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は、化学強化処理液を化学強化処理槽に入れ、保持部材で保持したガラス基板を化学強化処理液に浸漬して行う。なお、ガラス基板の保持部材は、ガラス基板の配列方向に等間隔でV溝を複数個形成した3本の支柱を、その両端面で連結部材で連結して形成されている。複数のガラス基板は、各ガラス基板が3本の支柱の同一平面内にあるV溝によって3点支持されて保持され、支柱の延在する方向に複数枚配列されている。
【0058】
化学強化の具体的方法は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400℃に加熱し、300℃に予熱された洗浄済みのガラス基板を約3時間浸漬して行った。この浸漬の際に、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように保持部材で保持して行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板表層のリチウムイオン、ナトリウムイオンは、化学強化溶液中のナトリウムイオン、カリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板は強化される。
【0059】
ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100〜200μmであった。
上記化学強化を終えたガラス基板を、20℃の水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。これにより、微小クラックが入った不良品を除去することができる。
上記化学強化工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。
【0060】
上記の工程を経て得られたガラス基板の主表面の微小うねり平均高さ( 平均値)Ra′を多機能ディスク干渉計(MicroXAM:PHASE SHIFT TECHNOLOGY社製)及び、うねり平均高さ( 平均値)Wa を多機能ディスク干渉計(OPTIFLAT:PHASE SHIFT TECHNOLOGY社製)で、表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)(5μmエリア角の測定)で、平坦度を多機能ディスク干渉計(OPTIFLAT:PHASE SHIFT TECHNOLOGY社製)で、基板の内周端面(ID)及び外周端面(OD)側の端部形状(Ski-Jump、Roll-Off)を表面粗さ測定器サーフテスト SV-624:ミツトヨ社製で測定したところ、
Ra′=0.026マイクロインチ(0.6604 nm )(MicroXAM)
Wa=0.517nm(OPTIFLAT)
Ra=0.908nm(AFM)
Rmax=7.537nm(AFM)
Rp=3.874nm(AFM)
平坦度(Flatness)=0.983μm
Ski-Jump(ID)=0.023μm
Roll-Off(ID)=0.006μm
Ski-Jump(OD)=0.030μm
Roll-Off(OD)=−0.039μm
であった。(尚、MicroXAMは、基板主表面内において0°、90°、180°、270°での各ID側、MD側(記録再生領域の中観点)、OD側の各12点測定した平均値である。)
【0061】
尚、上述のSki−Jump,Roll−Offは以下のように測定されたものである。磁気ディスク用基板の中心を通り、主表面に垂直な面で磁気ディスク用基板を切断した断面を考える。この断面において主表面(輪郭線)上の記録エリア内に2点の基準点を設定し、中心から近い順にR1,R2とする。また、記録エリアの外周端部からさらに外周に一定の距離のマージンをとった輪郭線上の点R3を設定する。次に点R1と点R2とを結び、その延長線を描く。そうしたときに、点R2と点R3との領域において、基板の輪郭線上の点と、直線R1R2(又はその延長線)との距離を測る。その距離が最も大きいところの基板の輪郭線上の点がスキージャンプ(Ski−Jump)点であり、その距離の値がスキージャンプ(Ski−Jump)の値である。また、点R3がロールオフ(Roll−Off)点であり、点R3と直線R1R2(又はその延長線)との距離がロールオフ(Roll−Off)の値である。
【0062】
(7)磁気ディスク製造工程
上述した工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板の両面に、インライン型スパッタリング装置を用いて、NiAlのシード層、CrMo下地層、CoCrPtTa磁性層、水素化カーボン保護層を順次成膜し、さらにディップ法によりパーフルオロポリエーテル潤滑層を成膜して磁気ディスクを得た。
得られた磁気ディスクについてタッチ・ダウン・ハイト(TDH)試験を実施したところ、7nm以下と良好な値を示した。また、グライドテストを実施したところ、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面の突起にかすること)や、クラッシュ(ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められなかった。また、サーマル・アスペリティの原因となる突起によって、磁性層等の膜に欠陥が発生していないことも確認した。
【0063】
また、この磁気ディスクに対し、オシロスコープによってモジュレーションを測定したところ、Long Time Modulationで1.5〜2%、Short Time Modulationで3.5〜4%で、Total Modulationが5〜6%と良好な値を示していた。
なお、Long Time Modulationは、インライン型スパッタリング装置における基板の搬送方向にできるモジュレーション(スパッタ要因のモジュレーション)を示し、Short Time Modulationは、基板の微小うねりによるモジュレーションを示す。以下、簡単にモジュレーションの測定方法ついて説明する。(以降のモジュレーションの測定結果は、以下の測定方法によって得られたものである。)
【0064】
▲1▼電磁変換特性測定機(グージック テクニカル エンタープライズ社)に磁気ディスクをセットし、磁気ヘッドを磁気ディスク上にロード後、MFパターン(ハードディスクドライブで使用する高周波数の半分の周波数)を書き込む。
▲2▼読み出し信号をアナログのオシロスコープに入力する。
▲3▼Spindle Index Pulse(スピンドルモーターにディスクが1周回転するたびに発生するパルス)にてトリガーをかける。
▲4▼Long Time Modulationを測定する場合は2周分の、Short Time Modulationを測定する場合は、1/30周程度の波形が表示できるように横軸(時間軸)を調整する。
▲5▼波形が適当な大きさになるように縦軸(電圧軸)を調整する。
▲6▼カーソルを表示させ、波形の山部分のVp−p値(この値をAとする)と、谷部分のVp−p値(この値をBとする)を測定する。
▲7▼下記の値をLong(Short)Time Modulationの値とした。
モジュレーションM=(A/((A+B)/2)−1)×100
【0065】
(比較例1)
上記のポリッシング工程を、第1研磨工程と第2研磨工程(ファイナル研磨工程)の2段階研磨を行い、以下の条件にしたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス基板を作製した。
第1研磨工程
ポリシャ(研磨粉)として硬質ポリシャ(セリウムパッドMHC15:スピードファム社製)を用いた。
研磨液:酸化セリウム(粒径1.3μm)(遊離砥粒)+水
加工圧:300kg(面圧:100g/cm
研磨時間:30分
除去量:45μm
【0066】
研磨加工時
上定盤回転数:34rpm
下定盤回転数:40rpm
キャリア回転数(公転):3rpm
キャリア回転数(自転):3rpm
研磨停止前
上定盤回転数:14rpm
下定盤回転数:20rpm
キャリア回転数(公転):3rpm
キャリア回転数(自転):3rpm
第1研磨工程後のガラス基板の平坦度5μm、Rmaxが18nm程度、Raが1.6nm程度であった(Rmax,RaはAFMで測定)
【0067】
第2研磨工程(ファイナル研磨工程)
ポリシャとして軟質ポリシャを用いた。
研磨液:酸化セリウム(平均粒径1.0μm)(遊離砥粒)+水
加工圧:300kg(面圧:100g/cm
研磨時間:7分
除去量:5μm
定盤回転数・キャリア回転数は第1研磨工程と同じ。
【0068】
上述の工程を経て得られたガラス基板の主表面の微小うねり平均高さ( 平均値)Ra′を多機能ディスク干渉計(MicroXAM:PHASE SHIFT TECHNOLOGY社製:×10対物レンズ使用;測定波長2〜500μm;測定範囲554.34μm×617.87μm)及び、うねり平均高さ( 平均値)Wa を多機能ディスク干渉計(OPTIFLAT:PHASE SHIFT TECHNOLOGY社製)で、表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)(5μmエリア角の測定)で、平坦度を多機能ディスク干渉計(OPTIFLAT:PHASE SHIFT TECHNOLOGY社製)で、基板の内周端面(ID)及び外周端面(OD)側の端部形状(Ski-Jump、Roll-Off)を表面粗さ測定器サーフテスト SV-624:ミツトヨ社製で測定したところ、
Ra′=0.052マイクロインチ(1.3208 nm )(MicroXAM)
Wa=0.815nm(OPTIFLAT)
Ra=0.772nm(AFM)
Rmax=6.459nm(AFM)
Rp=2.885nm(AFM)
平坦度(Flatness)=1.051μm
Ski-Jump(ID)=0.006μm
Roll-Off(ID)=−0.029μm
Ski-Jump(OD)=0.082μm
Roll-Off(OD)=0.082μm
であった。(尚、MicroXAMは、基板主表面内において0°、90°、180°、270°での各ID側、MD側(記録再生領域の中観点)、OD側の各12点測定した平均値である。以下同様)
【0069】
実施例1と同様に、上述した工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板の両面に、インライン型スパッタリング装置を用いて、NiAlのシード層、CrMo下地層、CoCrPtTa磁性層、水素化カーボン保護層を順次成膜し、さらにディップ法によりパーフルオロポリエーテル潤滑層を成膜して磁気ディスクを得た。
グライドテストを実施したところ問題はなかったが、得られた磁気ディスクについてタッチ・ダウン・ハイト(TDH)試験を実施したところ、15nmとなり、良好な値が得られなかった。
また、この磁気ディスクのモジュレーションを測定したところ、Long Time Modulationで2%、Short Time Modulationで8%で、Total Modulationが10%となった。
【0070】
上述の実施例1、比較例1の結果から、基板主表面の表面粗さが実施例1と比較して比較例1の方がよいももの、うねりの平均高さ(平均値)Waが0.8nm(OPTIFLAT)、微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′が0.05マイクロインチ(1.27 nm )(MicroXAM)を超えると、うねりの影響でTDH(タッチダウンハイト)特性が悪く、磁気ヘッドの低浮上走行化が達成できない。また、基板のうねりによって磁気ヘッドの浮上安定性が悪化するので、基板要因のShort Time Modulationが悪化し、Total Modulationが悪化する。したがって、基板のうねりの平均高さ(平均値)Waは、0.8nm以下(OPTIFLAT)、微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′は0.05マイクロインチ(1.27 nm )以下(MicroXAM)が好ましいことが分かった。
【0071】
また、基板のうねりの発生は、ポリッシング工程時の研磨パッドの弾性及び1次研磨工程の定盤精度(合致度)の悪化(平坦度の悪化)により発生するものと考えられ、本発明のように、通常のポリッシング工程を2段階で行っていたのを、1回のポリッシング工程により鏡面仕上げした研磨工程の簡略化がうねりを低減することができたものと考える。
また、ポリッシング工程での研磨停止前の定盤の回転数を低減することによって、研磨停止時における研磨パッドの弾性が安定し、基板うねりを低減することができる。
【0072】
(実施例2〜5)
上述の実施例1におけるラッピング工程及びポリッシング工程の研削、研磨条件を調整してそれぞれうねりの平均高さWa、微小うねりの平均高さRa′の異なる磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
以下に、うねりの平均高さWa、微小うねりの平均高さRa′のみ示す。(他の表面粗さ(Ra,Rmax,Rp)、平坦度、Ski−Jump、Roll−Offは良好な値を示した。)
【0073】
実施例2
Wa(OPTIFLAT)=0.398nm
Ra′(MicroXAM)=0.020マイクロインチ (0.508 nm )
実施例3
Wa(OPTIFLAT)=0.421nm
Ra′(MicroXAM)=0.024マイクロインチ (0.6096 nm )
実施例4
Wa(OPTIFLAT)=0.823nm
Ra′(MicroXAM)=0.044マイクロインチ (1.1176 nm )
実施例5
Wa(OPTIFLAT)=0.613nm
Ra′(MicroXAM)=0.032マイクロインチ (0.8128 nm )
実施例1と同様に磁気ディスクを作製し、TDH(タッチダウンハイト)試験、モジュレーションの評価を行なったところ、うねりの平均高さWa、微小うねりの平均高さRa′が小さくなるに連れてTDH(タッチダウンハイト)は小さくなり、モジュレーションも良化した。
【0074】
(比較例2)
次に、上述のラッピング工程及びポリッシング工程を適宜調整して、ガラス基板を作製した。表面うねりWaを触針式の表面粗さ計(Tencor)で基準長さ100μmで測定したところ、Waで0.83nmであった。実施例1と同様に磁気ディスクを作製し、TDH試験、モジュレーションの評価をしたところ、記録再生領域の各全領域について測定できないため、TDHが13nmとなり、トータルモジュレーションも10%となった。
【0075】
(実施例6)
次に、上述の実施例1におけるラッピング工程及びポリッシング工程の研削、研磨条件を調整してそれぞれ微小うねりの平均高さRa′の異なる磁気ディスク用ガラス基板を4枚作製し、実施例1と同様に磁気ディスクを作製した。上述と同様のモジュレーションの測定方法により、各磁気ディスクの表裏面を測定し計8点について、微小うねりの平均高さRa′とShort Time Modulationとの関係(図3)、微小うねりの平均高さRa′とTotal Modulationとの関係(図4)を調べた。その結果、図3に示すように、基板表面の微小うねりの平均高さRa′とShort Time Modulationと相関があることが分かる。
【0076】
この結果から、基板表面の微小うねりの平均高さ( 平均値 ) Ra′を小さくすることによって、基板要因のモジュレーションであるShort Time Modulationを小さくすることができることがわかる。したがって、スパッタ要因のモジュレーションであるLong Time Modulationと、このShort Time Modulationとの合計で表されるTotal Modulationも、図4に示すように微小うねりの平均高さ( 平均値 )Ra′を小さくすることによって、Total Modulationも小さくなくことがわかる。したがって、例えば、Total Modulationが6%以下の磁気ディスクを作製したい場合は、磁気ディスク用基板の微小うねりの平均高さ( 平均値 )Ra′を0.015マイクロインチ(0.381 nm )以下にすれば良いことがわかる。微小うねりの平均高さ( 平均値 )Ra′の小さい基板を得るためには、上述した本発明の製造方法において、研磨する前の基板の平坦度が良いものを使用し、さらに研磨工程における砥粒の平均粒径が小さいものであって、軟質ポリシャの硬度を所定の範囲にすることによって容易に作製することができる。なお、Long Time Modulationは、インライン型スパッタリングからバッチ式(静置対向型)スパッタリングにすることによって、スパッタ要因によるモジュレーションを改善することができる。
【0077】
(実施例7)
次に、上述の実施例1におけるラッピング工程及びポリッシング工程の研削、研磨条件を調整してそれぞれ微小うねりの最大高さ(最大値)waの異なる磁気ディスク用ガラス基板(5種類)を25枚作製し、実施例1と同様に磁気ディスクを作製した。微小うねりの最大高さ(最大値)waとタッチダウンハイトとの関係を図5に示す。なお、横軸の微小うねりの最大高さ(最大値)waは、全測定ポイントにおけるxi’のヒストグラムをとったときに、全測定ポイント値の分布において95%以内に入っている測定ポイント値を抽出した値、即ち、全測定結果から5%はずれている測定ポイント値を除外した値(95%PV値)とした。図5に示すように微小うねりの最大高さ 最大値 wa(95%PV値)とタッチダウンハイトとの相関があることが分かる。
【0078】
この結果から、基板表面の微小うねりの最大高さ(最大値)wa(95%PV値)を小さくすることによって、タッチダウンハイトを小さくすることができることがわかる。したがって、例えば、タッチダウンハイトが9nm以下の磁気ディスクを作製した場合は、磁気ディスク用基板の微小うねりの最大高さ 最大値 wa(95%PV値)を約4.3nm以下にすればよいことが分かる。微小うねりの最大高さ 最大値 wa(95%PV値)の小さい基板を得るためには、上述した本発明の製造方法において、研磨する前の基板の平坦度の良いものを使用し、さらに研磨工程における砥粒の平均粒径が小さいものであって、軟質ポリシャの硬度を、所定の範囲にすることによって容易に作製することができる。(なお、タッチダウンハイトを9nm以下にするには、表面粗さの条件としてRpも9nm以下でなければならない。)
又、上述の実施例に記載された製造方法によって作製された基板を何枚か抽出し、上記の微小うねりの平均高さ(平均値)Ra′と、上記95%PV値の関係を調べたところ、図6のように相関関係があることが確かめられた。従ってこのように、Ra′と95%PV値との間に相関関係がある場合は、タッチダウンハイトの設計基板表面の管理は微小うねりの平均高さRa′で行うこともできる。
【0079】
(実施例8〜10)
次に、上述の実施例1における軟質パッドの硬度(Asker−C)が63(実施例8)、66(実施例9)、67(実施例10)ものに選定した他は、実施例1と同様に磁気ディスク用ガラス基板及び、磁気ディスクを作製した。その結果、微小うねり(95%PV値)が、それぞれ4.69nm(実施例8)、3.36nm(実施例9)、3.33nm(実施例10)となった。したがって、軟質パッドの硬度を調整することにより、微小うねりを調整することを確認した。また、実施例9及び、実施例10のタッチダウンハイトを測定したところ、7.5nmとなり、実施例7の微小うねりの最大高さ 最大値 wa(95%PV値)とタッチダウンハイトとの相関関係が確かであることが確認できた。
本発明は上述のものに限定されない。上述の実施例では、微小うねりの平均高さRa′と、95%PV値との間に相関関係のある基板を用いたが、これに限らず、微小うねりの平均値Ra′と95%PV値との間に相関関係のない基板を使用しても構わない。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では基板表面における表面うねりを面領域の測定ポイント測定したので、高密度の記録再生に対応できる情報記録媒体用基板(磁気ディスク用ガラス基板)及び情報記録媒体を選定することができる。また、基板表面における表面うねりが所定の値以下の情報記録媒体用基板なので、モジュレーションが良好になり、タッチダウンハイトも低減するので高密度記録再生が可能な情報記録媒体が得られる。
【0081】
また、本発明の研磨方法により上記により測定される表面うねりを所定の範囲に制御することが容易となる。
また、本発明の磁気記録媒体用基板表面管理することができにより、所望のモジュレーション特性、タッチダウンハイトが得られる磁気記録媒体を作製することができ、高記録密度化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面うねりの測定における各種測定値の定義を示す図。
【図2】うねり(Wa)、微小うねり(Ra′,wa)の測定原理を説明する摸式図。
【図3】微小うねりRa′とShort Time Modulationとの関係を示す図。
【図4】微小うねりRa′とTotal Modulationとの関係を示す図。
【図5】微小うねりの最大高さ 最大値 wa(95%PV値)とタッチダウンハイトとの関係を示す図。
【図6】微小うねりの最大高さ 最大値 wa(95%PV値)と微小うねりの平均高さRa′との関係を示す図。

Claims (5)

  1. 磁気ディスク用ガラス基板の作製方法であって、
    前記基板の主表面の記録再生領域における、ヘッドスライダー面の面積よりも小さい矩形領域において測定される微小うねりの最大高さ(最大値)waと、
    前記磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に少なくとも磁性層を形成したときの該磁気ディスクのタッチダウンハイトTとの相関関係を求め、
    求めた相関関係から前記磁気ディスクが所望のタッチダウンハイトである9nm以下となるように、前記磁気ディスク用ガラス基板の微小うねりの最大高さ(最大値)waを決定し、
    前記決定したwa が得られるように、磁気ディスク用ガラス基板を製造する磁気ディスク用ガラス基板の作製方法であり、
    前記微小うねりの最大高さ(最大値) wa は、うねりの周期が2μm〜4mmのものが得られる測定装置によって測定され、
    前記waは、前記、周期が2μm〜4mmの微小うねりについて、次の[数式]の関係式
    wa=MAX
    MAX:上記主表面の記録再生領域の矩形領域を測定した測定エリアにおいて全測定ポイントにおける測定曲線の最高点と最低点の高さの差の値
    によって求めたものであって、
    前記、周期が2μm〜4mmの微小うねりは、白色光またはレーザー光を用いて基板の主表面の記録再生領域を走査し、基板面からの反射光と基準面からの反射光とを合成し、合成点に生じた干渉縞より計算したものであり、
    前記微小うねりの最大高さ(最大値) wa は、
    異常突起の測定値を除外したものとすることによって、よりタッチダウンハイトとの相関が得られるよう、全測定ポイントにおける測定ポイント値のヒストグラムをとったときに、全測定ポイントの分布において、全測定結果から5%外れている異常突起の測定ポイント値を除外して得られた値(95%PV値)とする、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の作製方法。
  2. 請求項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の作製方法において、
    前記、周期が2μm〜4mmの微小うねりは、前記基板の主表面の記録再生領域における、50μm□〜4mm□の範囲内の適宜な矩形領域を選択したときに得られる微小うねりである、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の作製方法。
  3. 請求項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の作製方法において、
    選択される前記矩形領域は、554.34μm×617.87μmの矩形領域であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の作製方法。
  4. 請求項1乃至いずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の作製方法において、
    前記タッチダウンハイトを9nm以下とするために、表面粗さRpを9nmとする、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の作製方法。
  5. 請求項1乃至いずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の作製方法によって得られた磁気ディスク用ガラス基板上に、
    少なくとも磁性層を形成する、ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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