JP2002162860A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2002162860A
JP2002162860A JP2000361459A JP2000361459A JP2002162860A JP 2002162860 A JP2002162860 A JP 2002162860A JP 2000361459 A JP2000361459 A JP 2000361459A JP 2000361459 A JP2000361459 A JP 2000361459A JP 2002162860 A JP2002162860 A JP 2002162860A
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fixing roll
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roll
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JP2000361459A
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English (en)
Inventor
Shinpei Takagi
慎平 高木
Toyofumi Inoue
豊文 井上
Michio Take
道男 武
Tomohiro Takeda
智裕 武田
Satoshi Yoshida
聡 吉田
Takahisa Fujii
隆寿 藤井
Masahiro Uchida
正博 内田
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成プロセスの高速化を図りつつ、低温
での画像定着性の向上及び耐オフセット性の向上を十分
に図ることが可能な画像形成方法を提供する。 【解決手段】 熱定着ロールと圧力ロールとにより転写
体上に転写されたトナー像を定着させる際に、(1)現
像剤として少なくとも結着樹脂、磁性粉、及びワックス
を含み、ガラス転移点温度Tg(単位:℃)が55≦T
g≦70であり、かつ軟化温度Tm(単位:℃)が65
00/Tg≦Tm≦10000/Tgである磁性1成分
現像剤を用い、(2)熱定着ロールの外径Hdを25〜
50mmとし、(3)熱定着ロールの回転速度Psを2
00mm/sec以上とし、(4)熱定着ロールと圧力
部材とのNip部における圧力Pnを9.8×10-2
19.6×10-2MPaとすると共に、(5)転写体が
Nip部を通過するNip部通過時間Dt(単位:ms
ec)をTg/2.0≦Dt≦40とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電担持体上に形
成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、これを
転写体上に転写して熱定着させる画像形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンターや複写機などの画
像形成装置において、静電担持体上に形成された静電潜
像を現像してトナー像を形成し、これを転写体上に転写
して定着させる際に、トナー像の定着方式として熱定着
ロール方式が広く採用されている。この熱定着ロール方
式では、トナー像が転写された転写体を熱定着ロールと
圧力ロールとの間のNip部に導き、加圧・加熱してト
ナー像を定着させる。
【0003】しかしながら、画像形成プロセスの高速化
の要求に伴い、画像形成装置が高速化されると、当然熱
定着ロールを速く回転させる必要があり、トナー像を定
着させるための時間が短くなる。そして、定着時間が短
くなるとオフセットなどの問題が生じうる。
【0004】この定着時間の短縮に対応するために、単
位時間当たりの加熱量を増加させることが考えられる
が、消費エネルギーを低減し、装置の小型化を図り、ま
たホットオフセットの発生を抑制する観点からは、単位
時間当たりの加熱量の増加は好ましくない。
【0005】そこで、現像剤の特性を改善して定着時間
の短縮に対応することが行われる。例えば、特開平11
−282198号公報(以下、「文献1」という)に
は、160℃、190℃におけるトナーの粘弾性特性を
規定することにより、高速系の定着システムに対応させ
る技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た文献1に開示の技術では、トナーの粘弾性特性を規定
しているものの、定着プロセスの諸条件を含めた画像形
成プロセス全体として規定していないため、低温下にお
いてトナー像の定着が悪くなったり、またオフセットが
発生したりすることがあった。
【0007】本発明は、上記した問題点を解決するため
になされたものであり、画像形成プロセスの高速化を図
りつつ、低温での画像定着性の向上及び耐オフセット性
の向上を十分に図ることが可能な画像形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像形成方
法は、静電担持体上に静電潜像を形成する工程と、現像
剤を用いて静電担持体上にトナー像を形成する工程と、
転写体上にトナー像を転写する工程と、熱定着ロールと
熱定着ロールに圧着される圧力部材とにより転写体上に
転写されたトナー像を定着させる工程と、を含む画像形
成方法において、(1)現像剤として少なくとも結着樹
脂、磁性粉、及びワックスを含み、ガラス転移点温度T
g(単位:℃)が55≦Tg≦70であり、かつ軟化温
度Tm(単位:℃)が6500/Tg≦Tm≦1000
0/Tgである磁性1成分現像剤を用い、(2)熱定着
ロールの外径Hdを25〜50mmとし、(3)熱定着
ロールの回転速度Psを200mm/sec以上とし、
(4)熱定着ロールと圧力部材とのNip部における圧
力Pnを9.8×10-2〜19.6×10-2MPaとす
ると共に、(5)転写体がNip部を通過するNip部
通過時間Dt(単位:msec)をTg/2.0≦Dt
≦40とする、ことを特徴とする。
【0009】この画像形成方法では、定着プロセスの諸
条件を含めて画像形成プロセス全体として現像剤の粘弾
性特性を規定しているため、画像形成プロセスの高速化
を図りつつ、低温での画像定着性の向上及び耐オフセッ
ト性の向上を十分に図ることができる。
【0010】本発明に係る画像形成方法では、現像剤の
体積平均粒子径が5.0〜12.0μmであると好まし
い。体積平均粒径が5μmより小さくなると、現像剤の
現像性が低下し、且つカブリが極めて多くなって画像濃
度の低下を引き起こす傾向にある。一方、体積平均粒径
が12μmよりも大きくなると、細線及びドット再現性
が悪化する傾向にある。
【0011】また本発明に係る画像形成方法では、熱定
着ロールはフッ素系の樹脂層を有し、樹脂層の厚さが1
0〜50μmであると好ましい。フッ素系の樹脂層を有
することで、トナー像の耐オフセット性が向上される
が、樹脂層の厚さが10μmよりも小さいと、摩耗によ
って熱定着ロールの寿命が短くなる傾向にある。また樹
脂層の厚さが50μmよりも大きいと、熱伝導性が悪化
し、熱定着ロール表面の温度ムラによる定着不良が発生
したり、加熱時の温度上昇が遅くなる傾向にある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明に係る画像形成方法の好適な実施形態について詳細に
説明する。
【0013】図1は、本実施形態に係る画像形成方法を
好適に実施することが可能な、プリンタや複写機などの
画像形成装置が備える画像形成部10を概略的に示す構
成図である。また図2は、画像形成部10が有する定着
装置16を概略的に示す構成図である。
【0014】画像形成部10は、感光体(潜像担持体)
11、感光体11を帯電させる帯電装置12、画像デー
タに基づいて変調されたレーザビームを出力する露光装
置13、露光装置13による露光により感光体11上に
形成された静電潜像をトナー像に現像する現像装置1
4、感光体11上に形成されたトナー像を紙などの転写
体P上に転写するための転写ロール15、転写体上に転
写されたトナー像を定着させる定着装置16、及び感光
体11上に残留するトナーなどを除去する除去装置17
を備えている。
【0015】定着装置16は、図2に示すように、転写
体P上のトナー像21を加熱・加圧して定着させるもの
であって、中空円筒状の熱定着ロール22と、この熱定
着ロール22内に設けられた加熱部材23と、熱定着ロ
ール22の外周表面に近接して設けられた熱定着ロール
22の外周表面温度を検知するための温度センサー24
と、熱定着ロール22に対向して配置された圧力ロール
(圧力部材)25とを有している。
【0016】熱定着ロール22は、芯金26と、芯金2
6の表面に設けられたトナー像21のオフセット現象を
防ぐための樹脂チューブ層27とを有する。芯金26を
形成する材料としては、一般に剛性に優れた鉄、ステン
レスや、熱伝導性に優れたアルミニウム等が使用される
が、他の金属等を使用してもよい。
【0017】樹脂チューブ層27を構成する樹脂として
は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)及び
四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体に代表さ
れるフッ素系耐熱樹脂を好適に用いることができる。こ
れらの中で、耐熱性、加工性の点からPFAが最も好ま
しい。なお、芯金26との密着性を向上させるために、
樹脂チューブ層27の内面にプライマー処理等を施すと
好ましい。このように、熱定着ロール22は樹脂チュー
ブ層27を有することで、離型剤を用いることなく耐オ
フセット性の向上が図られる。
【0018】ここで、樹脂チューブ層27の厚さは10
μm〜50μmであると好ましく、10〜40μmである
とより好ましい。樹脂チューブ層27の厚さが10μm
より小さいと、摩耗によって熱定着ロール22の寿命が
短くなる傾向にある。また樹脂チューブ層27の厚さが
50μmよりも大きいと、熱伝導性が悪化し、熱定着ロ
ール22表面の温度ムラによる定着不良が発生したり、
加熱時の温度上昇が遅くなってウオーミングアップ時間
が長くなる傾向にある。
【0019】加熱部材23は、例えばコルツランプまた
はセラミックヒーター等により構成され、温度センサー
24により検知された熱定着ロール22の外周表面温度
に基づいて、加熱状態を制御する電気回路に接続されて
いる。温度センサー24は、例えば熱電対またはサーミ
スタ等の感熱抵抗素子により構成されている。
【0020】圧力ロール25は、例えば金属製のコアロ
ール28をシリコーンゴム29等で被覆したものにより
形成され、熱定着ロール22との間を転写体Pが通過し
得るように配置されている。
【0021】かかる構成の画像形成装置10において、
図1に示すように、感光体11は支持体19を中心とし
て所定の回転速度で矢印Aの方向に回転することが可能
であり、これと同期して転写ロール15、定着装置16
の熱定着ロール22、圧力ロール25が回転することが
可能である。
【0022】次に、上記した構成の画像形成装置を用い
た本実施形態に係る画像形成方法について説明する。
【0023】まず、帯電装置12により帯電された感光
体11上に静電潜像を形成する。例えば、画像形成装置
が複写機であれば、図示しない読み取り部で読み取った
画像データに基づいて変調されたレーザビームを、露光
装置13から感光体11上に出力して静電潜像を形成す
る。また、画像形成装置がプリンタであれば、パソコン
などから送られてくる画像データに基づいて変調された
レーザビームを、露光装置13から感光体11上に出力
して静電潜像を形成する。
【0024】次に、現像剤を用いて現像装置14により
静電潜像を現像して感光体11上にトナー像を形成す
る。現像剤(トナー)は、少なくとも結着樹脂、磁性
粉、及びワックスを含有する磁性1成分現像剤を使用す
る。
【0025】本実施形態では、現像剤のガラス転移点温
度Tgは55〜70℃とする。ガラス転移点温度Tgが
55℃よりも低いときは、現像剤の粘性が下がり過ぎて
しまうため、熱定着ロール22に現像剤が付着しやすく
なってオフセットが発生しやすくなると共に、現像剤の
熱保管性が著しく低下する。また、ガラス転移点温度T
gが70℃よりも高いときは、現像剤の弾性が上がり過
ぎて低温定着性が悪化すると共に、製造時の現像剤の粉
砕性が悪化してしまう。なお、ガラス転移点温度Tgは
58〜65℃とすると好ましい。
【0026】また本実施形態では、現像剤の軟化温度T
mは6500/Tg〜10000/Tgとする。軟化温
度Tmが6500/Tgよりも低いときは、現像剤の粘
性が下がり過ぎてしまうため、熱定着ロール22に現像
剤が付着しやすくなってオフセットが発生しやすくな
る。また、軟化温度Tmが10000/Tgよりも高い
ときは、現像剤が熱をかけても軟化し難いため、低温定
着性が悪化してしまう。なお、軟化温度Tmは7500
/Tg〜9500/Tgとすると好ましく、7800/
Tg〜9000/Tgとするとより好ましい。
【0027】本実施形態において使用する現像剤が含む
結着樹脂としては、公知の樹脂を使用することができ
る。例えば、1又は2以上のビニルモノマーのホモポリ
マー又はコポリマーである。代表的なビニルモノマーと
しては、スチレン、p-クロルスチレン、ビニルナフタレ
ン、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブ
チレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類、例え
ば、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニ
ル、ぎ酸ビニル、ステアリン酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル等のビニルエステル類、例えば、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n-オクチ
ル、アクリル酸2-クロルエチル、アクリル酸フェニル、
メチル-α-クロルアクリレート、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のエチレン
性モノカルボン酸及びそのエステル類、例えば、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の
エチレン性モノカルボン酸置換体、例えば、マレイン酸
ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等
のエチレン性カルボン酸及びそのエステル類、例えば、
ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイ
ソプロペニルケトン等のビニルケトン類、例えば、ビニ
ルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル
エチルエーテル等の如きビニルエーテル類、例えば、ビ
ニリデンクロリド、ビニリデンクロルフロリド等のビニ
リデンハロゲン化物、例えば、N-ビニルピロール、N-ビ
ニルカルバゾール、N-ビニルインドール、N-ビニルピロ
リドン等のN-ビニル化合物類等が挙げられる。この中で
も、現像剤の定着特性及び保管安定性を考慮すると、ス
チレン/アクリル酸の共重合体や、ポリエステル樹脂、
あるいはこれらの混合系を用いると好ましい。特に本実
施形態のように、プロセススピードが200mm/se
c以上の中高速機であれば、定着性の観点からポリエス
テル樹脂が最も好ましい。
【0028】本実施形態において使用する現像剤が含む
磁性粉としては、公知の磁性体を使用することができ
る。この磁性粉は着色剤としても機能する。磁性粉とし
ては、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の金属及びこれ
らの合金、Fe3O4, γ-Fe2O3,コバルト添加酸化鉄等の金
属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェライト等の各種フ
ェライト、マグネタイト、ヘマタイト等が挙げられる。
更に、それらの表面をシランカップリング剤、チタネー
トカップリング剤等の表面処理剤で処理したもの、ある
いはポリマーコーテイングしたもの等も使用することが
できる。
【0029】この磁性粉の混合割合は、現像剤全量10
0重量%に対して30〜70重量%であると好ましく、
35〜65重量%であるとより好ましい。磁性粉の混合
割合が30重量%より少ないと、現像装置14が有する
現像剤担持体のマグネットによるトナーの拘束力が低下
し、トナー飛散、カブリが発生する傾向にある。一方、
磁性粉が70重量%を越えると、現像剤担持体からトナ
ーが飛翔しづらくなり、画像濃度が低下する傾向にあ
る。また、これらの磁性粉の平均粒径としては、結着樹
脂への良好な分散性を得るためには0.05〜0.35
μmとすると好ましい。
【0030】本実施形態では、耐オフセット性をより良
好にするために、現像剤に離型剤としてワックスを添加
する。使用可能なワックスとしては、低分子量ポリエチ
レン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリン
ワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワ
ックス、カルナバワックス、モンタン酸エステルワック
スなどの脂肪酸ワックス等が挙げられる。中でも低分子
量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンワックス等の
脂肪族炭化水素系ワックスが好ましい。低分子量ポリエ
チレンワックスを使用することにより、トナー像の定着
後のこすり画像強度に優れた現像剤を得ることができ、
自動原稿紙送り装置や、複写機内の紙送りローラー等に
よりコピー原稿の画像表面が擦られて発生する汚れや、
画像にじみ等の画質の低下を防ぐことができる。また、
低分子量ポリプロピレンワックスを用いると、高温での
熱定着ロール22と現像剤の離型性を向上することがで
き、ホットオフセットを防止することができる。これら
のワックスは単独で、又は必要に応じて複数種併用して
も良い。
【0031】このように、現像剤にワックスを添加して
熱定着ロール22からの離型性を高めることにより、紙
などの転写体Pが熱定着ロール22を通過した後、ロー
ルに巻き付くのを防止するために設けられる剥離爪の熱
定着ロール22への押し付け圧、または剥離爪の数を低
減することが可能となる。その結果、剥離爪による転写
体Pの先端部に画像欠陥を生じたり、剥離爪と接触する
熱定着ロール22の表面層が摩耗することを抑制したり
することが可能となる。特に、離型性は優れているが、
摩耗のしやすいフッ素系の樹脂チューブ層27を表層部
に有する熱定着ロール22を使用する際に好適となり、
熱定着ロール22の寿命が延長されて長期間にわたって
安定的に画像形成を行うことができる。
【0032】本実施形態で使用するワックスは、DSC
(differential scanning calorimetry:示差走査熱量
計)における熱量吸収ピークが70℃〜160℃である
と好ましく、100〜150℃であるとより好ましい。
この温度領域に熱吸収ピークを持つワックスを使用する
と、低温域での離型性が改善されるとともに、剥離爪に
よる剥離爪傷跡の発生を抑制することができるため、結
着樹脂の低温定着性を損なうことなく広い定着可能温度
領域を確保することができる。熱量吸収ピークが70℃
より低いと熱保存性が悪化し、一方、熱量吸収ピークが
150℃より高いと低温域での離型性が低下する。な
お、本実施形態においてDSCにおける熱吸収ピークと
は、DSC−50(島津製作所製)を用いて昇温温度1
0℃/minで測定したときの熱量吸収量が最大になっ
た温度である。
【0033】本実施形態におけるワックスの使用量は、
現像剤樹脂成分100重量%に対して0.1〜20重量
%であると好ましく、2〜10重量%であるとより好ま
しい。使用量が0.1重量%よりも少ないと、現像剤の
離型性向上の効果が低下する傾向にある。一方、使用量
が20重量%を超えると、現像剤の帯電性及び熱保存性
が低下する傾向にある。
【0034】また本実施形態では、色調を調整するため
に現像剤に着色剤を添加しても良い。使用可能な着色剤
としては、特に制限はなく、それ自体公知の着色剤を挙
げることができ、目的に応じて適宜選択することができ
る。着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ラン
プブラックや、デュポンオイルレッド、オリエントオイ
ルレッド、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッドの
5、112、123、139、144、149、166、177、178、222、4
8:1、48:2、48:3、53:1、57:1、81:1や、C.I.ピ
グメントオレンジの31、43や、キノリンイエロー、クロ
ームイエロー、C.I.ピグメントイエローの12、14、17、
93、94、97、138、174、180、188や、ウルトラマリンブ
ルー、アニリンブルー、カルコイルブルー、メチレンブ
ルークロライド、銅フタロシアニン、C.I.ピグメントブ
ルーの15、60、15:1、15:2、15:3や、C.I.ピグメン
トグリーンの7や、マラカイトグリーンオキサレート、
ニグロシン染料などが挙げられる。これら着色剤は単独
で、あるいは複数組み合わせて用いることも可能であ
る。これらはあらかじめフラッシング分散処理されたも
のであってもよい。
【0035】また本実施形態では、帯電制御を目的とし
て現像剤に種々の物質を添加してもよい。例えば、フッ
素系界面活性剤、サリチル酸、鉄錯体のような鉄系染
料、クロム錯体のようなクロム系染料、マレイン酸を単
量体成分として含む共重合体のごとき高分子酸、4級ア
ンモニウム塩、ニグロシンなどのアジン系染料などを
0.1〜10.0重量%の範囲で添加してもよい。な
お、結着樹脂が十分な帯電制御機能を有している場合に
は帯電制御剤を添加する必要はない。
【0036】本実施形態では、現像剤は体積平均粒径が
5〜12μmであると好ましく、6〜10μmであるとよ
り好ましい。体積平均粒径が5μmより小さくなると、
現像剤の現像性が低下し、且つカブリが極めて多くなっ
て画像濃度の低下を引き起こす傾向にある。一方、体積
平均粒径が12μmよりも大きくなると、細線及びドッ
ト再現性が悪化する傾向にある。
【0037】また現像剤は、全トナー粒子中に5μm以
下の粒子が15〜60個数%含まれると好ましく、20
〜45個数%含まれるとより好ましい。5μm以下のト
ナー粒子が15個数%よりも少なくなると、トナーの粉
砕、分級後の得率が著しく低下し、トナーコストの点で
不利であり、また高画質化また現像に有効なトナー粒子
数が少なくなる傾向にある。一方、60個数%を越える
とカブリが多く発生する傾向にある。
【0038】本実施形態では、現像剤は公知の如何なる
方法により製造してもよいが、特に、混練、粉砕方式に
よると好ましい。すなわち、上記した結着樹脂、磁性
粉、ワックス、着色剤等を混練機を用いて溶融混練し、
冷却させて粉砕し、これを分級してトナー粒子を得た
後、必要に応じて外添剤と混合すると好ましい。
【0039】ここで、再び本実施形態に係る画像形成方
法の説明に戻る。感光体11上に形成された静電潜像を
現像してトナー像を形成した後、紙などの転写体P上に
そのトナー像を転写する。トナー像の転写は、感光体1
1と転写ロール15との間に転写体Pを搬送することで
行う。
【0040】最後に、熱定着ロール22と熱定着ロール
22に圧着される圧力ロール25とのNip部30に転
写体Pを搬送し、加熱・加圧して転写体P上にトナー像
を定着させる。
【0041】ここで、熱定着ロール22の回転速度(す
なわち、感光体11の回転速度)Psは200mm/s
ec以上とする。このように、熱定着ロール22の回転
速度が200mm/sec以上である中高速の画像形成
プロセスにおいて、本実施形態にかかる画像形成方法は
顕著な作用効果を有する。ここで、熱定着ロール22の
回転速度は200〜500mm/secであると好まし
い。熱定着ロール22の回転速度が500mm/sec
を越えると、感光体22上のトナーに作用する遠心力が
増加してトナーの飛び散りが生じたり、転写体P上への
定着が悪くなって画質が低下する傾向にある。なお、熱
定着ロール22の回転速度は200〜400mm/se
cであるとより好ましく、200〜350mm/sec
であると更に好ましく、205〜300mm/secで
あると特に好ましい。
【0042】また、熱定着ロール22の外径Hdは25
〜50mmとする。熱定着ロール22の外径Hdが25
mmを下まわると、ロール素管の機械的強度が低下し、
軸方向のブレを生じ易くなってトナー像の定着性の低下
や、圧力ロール25とのNip部30の面積が取れず、
現像剤に充分に熱を与えることができなくなる等の問題
が生じる。また、熱定着ロール22の外径Hdが50m
mを越えると、熱容量の大きい加熱部材23が必要とな
ると共に定着装置16自体が大きくなるため、低消費電
力、省スペースの観点から好ましくない。なお、熱定着
ロール22の外径Hdは30〜40mmとすると好まし
い。
【0043】また、熱定着ロール22と圧力ロール25
とのNip部30での圧力Pnは、9.8×10-2〜1
9.6×10-2MPa(1.0〜2.0kgf/cm2
とする。Nip部30での圧力が9.8×10-2MPa
より小さいと、圧力が不十分で溶融した現像剤を充分に
転写体Pに染みこますことができない。また、Nip部
30での圧力が19.6×10-2MPaより大きいと、
熱定着ロール22と溶融した現像剤が充分に分離され
ず、熱定着ロール22へのトナーのオフセットが発生し
やすくなる。また、定着装置16にかかる負荷が増大し
て不具合を生じるおそれが高くなる。なお、Nip部3
0での圧力は、13.7×10-2〜17.6×10-2
Pa(1.4〜1.8kgf/cm2)とすると好まし
い。
【0044】また、転写体Pが熱定着ロール22と圧力
ロールのNip部30を通過するNip部通過時間Dt
は、Tg/2〜40mmsecとする。Nip部通過時
間Dtが現像剤のガラス転移点温度Tgの1/2未満で
あると、Nip部30を通過する時間が短くなりすぎ
て、転写体Pに充分に熱を与えることができずに定着不
良が発生する。一方、Nip部通過時間Dtが40mm
secを越えると、オフセットが発生し易くなり、また
熱定着ロール22の耐久性が低下する。
【0045】このように、以上の工程を経ることで転写
体P上に画像が形成される。
【0046】次に、本実施形態に係る画像形成方法の作
用効果について説明する。
【0047】本実施形態では、上記した通り現像剤とし
て磁性1成分現像剤を用い、熱定着ロール22の回転速
度Ps、熱定着ロール22の外径Hd、Nip部30に
おける圧力Pn、及びNip部通過時間Dtを規定し
て、定着プロセスの諸条件を含めて画像形成プロセス全
体としてガラス転移点温度Tgと軟化温度Tmとにより
現像剤の粘弾性特性を規定しているため、画像形成プロ
セスの高速化を図りつつ、低温での画像定着性の向上を
十分に図ることができる。
【0048】また、通常の耐オフセット性の向上のみな
らず、加熱部材23がオーバーシュートした場合におけ
る耐ホットオフセット性の向上をも十分に図ることがで
きる。また現像剤の熱保管性を高めることができる。
【0049】さらに、紙などの転写体Pが熱定着ロール
22を通過した後、ロールに巻き付くのを防止するため
に設けられる剥離爪の熱定着ロール22への押し付け
圧、または剥離爪の数を低減することができ、その結
果、剥離爪による転写体Pの先端部に画像欠陥を生じた
り、剥離爪と接触する熱定着ロール22の表面層が摩耗
することを抑制することが可能となる。特に、離型性は
優れているが、摩耗のしやすいフッ素系の樹脂チューブ
層27を表層部に有する熱定着ロール22を使用する際
に好適となり、熱定着ロール22の寿命が延長されて長
期間にわたって安定的に画像形成を行うことができる。
【0050】以下、実施例、比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定される
ものではない。
【0051】
【実施例】[実施例1] (1)現像剤A ・ポリエステル樹脂A 45.5重量部 (ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付
加物/ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3mo
l付加物/3価のフェノールノボラックのエチレンオキ
サイド5.5mol付加物/テレフタル酸 /無水トリメリ
ット酸/ジメチルテレフタレート) MI(Melt Index):9.0g/10min、ガラス転
移点:59.0℃、THF可溶分のピーク分子量:56
00、酸価:7.4mgKOH/g、水酸基価:9.0
mgKOH/g ・磁性粉 50重量部 (商品名:MTH009F 戸田工業製) ・負帯電性帯電制御剤 1.0重量部 (Fe含有アゾ系染料、商品名:T77、保土谷化学工
業社製) ・ポリプロピレンワックス 3.0重量部 (商品名 : P200 三井化学社製) ・ポリエチレンワックス 0.5重量部 (商品名 : PE130 クラリアントジャパン社製) 上記材料をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これ
を設定温度150℃のエクストルーダーにより熱混練し
た。冷却後、粗粉砕、微粉砕し、50%体積径D50が
6.3μmの粉砕物を得た。
【0052】さらにこの粉砕物を分級して、D50(体
積粒径):6.5μm、5μm以下粒子量:39.5個数
%、12.7μm以上の粒子量:0.10体積%の分級
トナーを得た。得られた分級トナー100重量部に対し
て、粒径12nmのシリコーンオイル処理シリカ1.2
重量部をヘンシェルミキサーで外添させ、現像剤Aを得
た。現像剤Aの特性は表1に示す通りである。
【0053】(2)熱定着ロール 外径35mm、厚さが1.6mmの円筒状のアルミニウ
ム製芯金26を、エッチングにより内面がプライマー処
理された厚さ30μmのPFAチューブ27で被覆して
熱定着ロール22を作成した。
【0054】(3)圧力ロール 外径25mmの金属製コアロール28の外周に、肉厚6
mmのHTV(高温加硫)シリコーンゴム層(JIS K630
1による硬さ53°)29を設け、このシリコーンゴム
層29上をエッチングにより内面がプライマー処理され
た厚さ50μmのPFAチューブで被覆して圧力ロール
を作成した。
【0055】(4)トナー像定着 熱定着ロール22内部に加熱部材23として850Wの
ハロゲンランプを挿入し、ついで熱定着ロール22と圧
力ロール25とを圧接するように配置し、ハロゲンラン
プを点灯させ、温度センサー24及び図示しない温度コ
ントローラーを用いて熱定着ロール22の表面温度を制
御した。次いで、熱定着ロール22と圧力ロール25の
Nip部30での圧力Pnを15.7×10-2MPa
(1.6kgf/cm2)とし、用紙PがNip部30
を通過するNip部通過時間Dtを34.1mmsec
とし、熱定着ロール22の回転速度を205mm/se
cとして、現像剤Aを用いて0.8mmg/cm2 の密
度の未定着トナー像が転写された用紙PをNip部30
に通してトナー像の定着を行った。
【0056】[実施例2] (1)現像剤B ・スチレンアクリル樹脂A 45.5重量部 (スチレン−nブチルアクリレート共重合体、組成比8
0:20) (重量平均分子量: 約140000、Tg:62℃) ・磁性粉 50重量部 (商品名:MTH009F 戸田工業製) ・負帯電性帯電制御剤 1.0重量部 (Fe含有アゾ系染料、商品名:T77、保土谷化学工業
社製) ・ポリプロピレンワックス 3.0重量部 (商品名 : P200 三井化学社製) ・ポリエチレンワックス 0.5重量部 (商品名 : PE130 クラリアントジャパン社製) 上記材料をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これ
を設定温度150℃のエクストルーダーにより熱混練し
た。冷却後、粗粉砕、微粉砕し、50%体積径D50が
7.3μmの粉砕物を得た。
【0057】さらにこの粉砕物を分級して、D50(体
積粒径):7.6μm, 5μm以下粒子量:31.0個数
%、 12.7μm以上の粒子量:0.30体積%の分級
トナーを得た。得られた分級トナー100重量部に対し
て、粒径12nmのシリコーンオイル処理シリカ1.0
重量部をヘンシェルミキサーで外添させ、現像用Bを得
た。現像剤Bの特性は表1に示す通りである。
【0058】(2)トナー像定着 実施例1と同様の熱定着ロール22と圧力ロール25を
用い、熱定着ロール22内部に加熱部材23として85
0Wのハロゲンランプを挿入し、ついで熱定着ロール2
2と圧力ロール25とを圧接するように配置し、ハロゲ
ンランプを点灯させ、温度センサー24及び図示しない
温度コントローラーを用いて熱定着ロール22の表面温
度を制御した。次いで、熱定着ロール22と圧力ロール
25のNip部30での圧力Pnを15.7×10-2
Pa(1.6kgf/cm2)とし、用紙PがNip部
30を通過する時間Dtを34.1mmsecとし、熱
定着ロール22の回転速度を205mm/secとし
て、現像剤Bを用いて0.8mmg/cm2 の密度の未
定着トナー像が形成された用紙PをNip部30に通し
てトナー像の定着を行った。
【0059】[実施例3] (1)現像剤C ・ポリエステル樹脂B 45.5重量部 (ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3mol付
加物/ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mo
l付加物/フェノールノボラックのエチレンオキサイド
5.5mol付加物/テレフタル酸/無水トリメリット
酸/ジメチルテレフタレート) MI:3.5g/10min、ガラス転移点;57.0
℃、THF可溶分のピーク分子量:5600、酸価:
8.5mgKOH/g、水酸基価:9.1mgKOH/
g) ・磁性粉 50重量部 (商品名:MTR009F 戸田工業製) ・負帯電性帯電制御剤 1.0重量部 (Fe含有アゾ系染料、商品名:T77、保土谷化学工業
社製) ・ポリプロピレンワックス 3.0重量部 (商品名 : P200 三井化学社製) ・ポリエチレンワックス 0.5重量部 (商品名 : PE130 クラリアントジャパン社製) 上記実施例1と同様にし、トナー粒子及び現像剤を得
た。トナーの粒度分布としてはD50(体積粒径):
7.5μm、5μm以下粒子量:38.0個数%、12.
7μm以上の粒子量:0.05体積%のトナー粒子を得
た。得られた分級トナー100重量部に対して、粒径1
2nmのシリコーンオイル処理シリカ1.0重量部をヘ
ンシェルミキサーで外添させ、現像剤Cを得た。現像剤
Cの特性は表1に示すとおりである。
【0060】(2)熱定着ロール 外径45mm、厚さが2.0mmの円筒状のアルミニウ
ム製芯金26を、エッチングにより内面がプライマー処
理された厚さ30μmのPFAチューブ27で被覆して
熱定着ロール22を作成した。
【0061】(3)圧力ロール 外径25mmの金属製コアロール28の外周に肉厚6m
mのHTV(高温加硫)シリコーンゴム層(JIS K6301
による硬さ53°)29を設け、このシリコーンゴム層
29上をエッチングにより内面がプライマー処理された
厚さ50μmのPFAチューブで被覆して圧力ロール2
5を作成した。
【0062】(4)トナー像定着 熱定着ロール22内部に加熱部材23として1000W
のハロゲンランプを挿入し、ついで熱定着ロール22と
圧力ロール25とを圧接するように配置し、ハロゲンラ
ンプを点灯させ、温度センサー24及び図示しない温度
コントローラーを用いて熱定着ロール22の表面温度を
制御した。次いで、熱定着ロール22と圧力ロール25
のNip部30での圧力Pnを17.6×10-2MPa
(1.8kgf/cm2)とし、用紙PがNip部30
を通過するNip部通過時間Dtを40.0mmsec
とし、熱定着ロール22の回転速度Psを250mm/
secとして、現像剤Cを用いて0.8mmg/cm2
の密度の未定着トナー像が形成された用紙PをNip部
30に通し、トナー像の定着を行った。
【0063】[実施例4] (1)現像剤D ・ポリエステル樹脂C 45.5重量部 (ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3mol付
加物/ビスフェノールAのエチレンオキサイド3mol
付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸) MI:0.3g/10min、ガラス転移点:67.0
℃、THF可溶分のピーク分子量:6000、酸価:1
3.7mgKOH/g、水酸基価:18mgKOH/g ・磁性粉 50重量部 (商品名:MTH009F 戸田工業製) ・負帯電性帯電制御剤 1.0重量部 (Fe含有アゾ系染料、商品名:T77、保土谷化学工
業社製) ・ポリプロピレンワックス 3.0重量部 (商品名 : P200 三井化学社製) ・ポリエチレンワックス 0.5重量部 (商品名 : PE130 クラリアントジャパン社製) 上記実施例1と同様にし、トナー粒子及び現像剤を得
た。トナーの粒度分布としてはD50(体積粒径):
6.7μm、5μm以下粒子量:28.0個数%、12.
7μm以上の粒子量:0.02体積%のトナー粒子を得
た。得られた分級トナー100重量部に対して、粒径1
2nmのシリコーンオイル処理シリカ1.0重量部をヘ
ンシェルミキサーで外添させ、現像剤Dを得た。現像剤
Dの特性は表1に示す通りである。
【0064】(2)トナー像定着 この現像剤Dを用い、実施例1と同一の条件にて評価を
行った。
【0065】[比較例1] (1)現像剤E ・ポリエステル樹脂D 45.5重量部 (ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3mol付
加物/ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mo
l付加物/テレフタル酸/フマル酸/無水トリメリット
酸/ドデセニルコハク酸縮合物) MI:2.0g/10min、ガラス転移点:72.0
℃、THF可溶分のピーク分子量:6000、酸価:1
3.0mgKOH/g、水酸基価:31.8mgKOH
/g ・磁性粉 50.0重量部 (商品名:MTH009F 戸田工業製) ・負帯電性帯電制御剤 1.0重量部 (Fe含有アゾ系染料、商品名:T77、保土谷化学工
業社製) ・ポリプロピレンワックス 3.0重量部 (商品名 : P200 三井化学社製) ・ポリエチレンワックス 0.5重量部 (商品名 : PE130 クラリアントジャパン社製) 上記実施例1と同様にし、トナー粒子及び現像剤を得
た。トナーの粒度分布としてはD50(体積粒径):
6.7μm、5μm以下粒子量:28.0個数%、12.
7μm以上の粒子量:0.02体積%のトナー粒子を得
た。得られた分級トナー100重量部に対して、粒径1
2nmのシリコーンオイル処理シリカ1.0重量部をヘ
ンシェルミキサーで外添させ、現像剤Eを得た。現像剤
Eの特性は表1に示す通りである。
【0066】(2)トナー像定着 この現像剤Eを用い、実施例1と同一の条件にて評価を
行った。
【0067】[比較例2] (1)現像剤F ・ポリエステル樹脂E 50重量部 (ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3mol付
加物/ビスフェノールAのエチレンオキサイド3mol
付加物/テレフタル酸) MI:28.0g/10min、ガラス転移点:54.
0℃、THF可溶分のピーク分子量:4100、酸価:
1.2mgKOH/g、水酸基価:50mgKOH/g ・磁性粉 50.0重量部 (商品名:MTH009F 戸田工業製) ・負帯電性帯電制御剤 1.0重量部 (Fe含有アゾ系染料、商品名:T77、保土谷化学工
業社製) ・ポリプロピレンワックス 3.0重量部 (商品名 : P200 三井化学社製) ・ポリエチレンワックス 0.5重量部 (商品名 : PE130 クラリアントジャパン社製) 上記実施例1と同様にし、トナー粒子及び現像剤を得
た。トナーの粒度分布としてはD50(体積粒径):
6.7μm、5μm以下粒子量:28.0個数%、12.
7μm以上の粒子量:0.02体積%のトナー粒子を得
た。得られた分級トナー100重量部に対して、粒径1
2nmのシリコーンオイル処理シリカ1.0重量部をヘ
ンシェルミキサーで外添させ、現像剤Fを得た。現像剤
Fの特性は表1に示す通りである。
【0068】(2)トナー像定着 この現像剤Eを用い、実施例1と同一の条件にて評価を
行った。
【0069】[比較例3] (1)熱定着ロール 外径25mm、厚さが2.0mmの円筒状のアルミニウ
ム製芯金26を、エッチングにより内面がプライマー処
理された厚さ30μmのPFAチューブ27で被覆して
熱定着ロール22を作成した。
【0070】(2)トナー像定着 上記した熱定着ロール22と実施例1と同一構成の圧力
ロール25を用い、Nip部30での圧力Pnを8.8
×10-2MPa(0.9kgf/cm2)とし、用紙P
がNip部30を通過するNip部通過時間Dtを2
4.4mmsecとし、熱定着ロール22の回転速度P
sを205mm/secとして、現像剤Aを用いて0.
8mmg/cm2 の密度の未定着トナー像が形成された
用紙PをNip部30に通して、トナー像の定着を行っ
た。
【0071】[比較例4] (1)熱定着ロール 外径35mm、厚さが1.6mmの円筒状のアルミニウ
ム製芯金26を、エッチングにより内面がプライマー処
理された厚さ30μmのPFAチューブ27で被覆して
熱定着ロール22を作成した。
【0072】(2)圧力ロール 外径25mmの金属製コアロール28の外周に肉厚6m
mのHTV(高温加硫)シリコーンゴム層(JIS K6301
による硬さ40°)29を設け、このシリコーンゴム層
29上をエッチングにより内面がプライマー処理された
厚さ50μmのPFAチューブで被覆して圧力ロール2
5を作成した。
【0073】(3)トナー像定着 熱定着ロール22内部に加熱部材23として850Wの
ハロゲンランプを挿入し、ついで熱定着ロール22と圧
力ロール25とを圧接するように配置し、ハロゲンラン
プを点灯させ、温度センサー24及び図示しない温度コ
ントローラーを用いて熱定着ロール22の表面温度を制
御した。次いで、熱定着ロール22と圧力ローラ25の
Nip部30での圧力Pnを24.5×10-2MPa
(2.5kgf/cm2)とし、用紙PがNip部30
を通過するNip部通過時間Dtを48.8mmsec
とし、熱定着ロール22の回転速度を205mm/se
cとして、現像剤Aを用いて0.8mmg/cm2 の密
度の未定着トナー像が形成された用紙PをNip部30
に通し、トナー像の定着を行った。
【0074】上記した実施例及び比較例に示す現像剤の
特性の測定法は次に示す通りである。
【0075】(a)現像剤軟化温度 フローテスター(島津製作所製CFT−500C)を用い、荷重
10kgf/cm2、ノズルの直径1mm、ノズルの長
さ1mm、予熱80℃で約5分間、昇温速度6℃/分と
し、試料量約1gを測定記録した時、フローテスターの
プランジャ降下量−温度曲線におけるS字曲線の高さの
1/2における温度(1/2流出温度)を軟化点とし
た。
【0076】(b)ガラス転移点温度 ASTM D3418-82に定められた方法に準じて測定した。(D
SC法) (c)メルトインデックス ASTM D1238及びJIS K6760に定められた方法に準じて測
定した。メルトインデックス自体は測定条件によって変
化するものであるが、ここでは荷重を5.0kgf、1
50℃の条件で測定した。
【0077】(d)分子量 ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)
で測定した。
【0078】(e)酸価及び水酸基価 JIS K0070に定められた方法に準じて測定した。但しサ
ンプルが溶解しない場合は溶媒にジオキサン、 テトラ
ヒドロフラン等の溶媒を用いる。
【0079】(f)トナー粒度分布測定 コールターカウンター(TA-II型、アパーチャー径:1
00μm)にて測定した。
【0080】上記した各実施例及び比較例における画像
形成の評価法は次の通りである。
【0081】(g)最低定着温度 複写機(ABLE1405の改造機、富士ゼロックス社製)にて
定着温度を変えてテストした。坪量80g/cm2の紙
上に定着させたソリッド画像を2つ折りにし、その画像
欠損のレベルを目視によりグレード評価した。また、許
容レベルの最低定着温度を測定した。実用上問題がない
のは約185℃以下のものである。
【0082】(h)オフセット温度 複写機(ABLE1405の改造機、富士ゼロックス社製)にて
定着温度を変えてテストした。そのオフセットレベルを
目視により評価した。実用上問題がないのは約230℃
以上のものである。
【0083】(i)剥離爪傷跡消失温度 複写機(ABLE1405の改造機、富士ゼロックス社製)にて
定着温度を変えてテストした。画像先端部分のベタ黒画
像において発生する剥離爪傷が実使用上問題ならない定
着温度を示す。実用上問題がないのは約185℃以下の
ものである。
【0084】(j)熱定着ロールの表面状態 熱定着ロールの表面観察における○はトナーの付着がな
い場合、△はトナーが若干付着したが実用上問題がない
場合、×はトナーの付着 が発生して実用上問題がある
場合を意味する。
【0085】以上、上記した実施例1〜4、比較例1〜
4により得られた結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】表1によれば、本実施形態において規定し
た現像剤特性を有し、また本実施形態で規定したパラメ
ータで最適化され、フッ素系の樹脂チューブで被覆され
た熱定着ロール22を用いた画像形成方法によれば、プ
ロセススピードが200mm/sec以上である中高速
デジタル複写機またはプリンターにおいても、低温定着
性及び耐オフセット性に優れていると共に、長期にわた
り定着性能を損なうことなく画像形成を行い得ることが
わかる。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、画像形成プロセスの高
速化を図りつつ、低温での画像定着性の向上及び耐オフ
セット性の向上を十分に図ることが可能な画像形成方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る画像形成方法を好適に実施す
ることが可能な、複写機やプリンターなどの画像形成装
置が備える画像形成部を概略的に示す構成図である。
【図2】画像形成部が有する定着装置を概略的に示す構
成図である。
【符号の説明】
10…画像形成装置、11…感光体、12…帯電装置、
13…露光装置、14…現像装置、15…転写ロール、
16…定着装置、17…除去装置、19…支持体、21
…トナー像、22…熱定着ロール、23…加熱部材、2
4…温度センサー、25…圧力ロール、26…芯金、2
7…表面樹脂チューブ層、28…コアロール、29…シ
リコーンゴム、30…Nip部、P…転写体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武 道男 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 武田 智裕 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 吉田 聡 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 藤井 隆寿 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 内田 正博 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 CA14 EA03 FA06 2H033 AA02 AA09 BA58 BB12 BB33 BB34 BB37 CA39 CA40

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電担持体上に静電潜像を形成する工程
    と、現像剤を用いて前記静電担持体上にトナー像を形成
    する工程と、転写体上に前記トナー像を転写する工程
    と、熱定着ロールと該熱定着ロールに圧着される圧力部
    材とにより前記転写体上に転写された前記トナー像を定
    着させる工程と、を含む画像形成方法において、 前記現像剤として少なくとも結着樹脂、磁性粉、及びワ
    ックスを含み、ガラス転移点温度Tg(単位:℃)が5
    5≦Tg≦70であり、かつ軟化温度Tm(単位:℃)
    が6500/Tg≦Tm≦10000/Tgである磁性
    1成分現像剤を用い、 前記熱定着ロールの外径Hdを25〜50mmとし、 前記熱定着ロールの回転速度Psを200mm/sec
    以上とし、 前記熱定着ロールと前記圧力部材とのNip部における
    圧力Pnを9.8×10-2〜19.6×10-2MPaと
    すると共に、 前記転写体が前記Nip部を通過するNip部通過時間
    Dt(単位:msec)をTg/2.0≦Dt≦40と
    する、ことを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004054064A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Ricoh Co Ltd 画像形成方法
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