JP2002161257A - 耐汚染性フィルム - Google Patents

耐汚染性フィルム

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JP2002161257A
JP2002161257A JP2000361042A JP2000361042A JP2002161257A JP 2002161257 A JP2002161257 A JP 2002161257A JP 2000361042 A JP2000361042 A JP 2000361042A JP 2000361042 A JP2000361042 A JP 2000361042A JP 2002161257 A JP2002161257 A JP 2002161257A
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stain
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Norikazu Takizuka
典和 滝塚
Eiji Harada
英治 原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種基材や各種構造物に対して優れた耐汚染
性と汚染除去性を付与し、良好な外観を維持することが
できる耐汚染性フィルムを提供する。 【解決手段】 耐汚染性フィルムは、プラスチックフィ
ルムの表面に金属酸化物を含有する塗膜を有し、裏面に
粘着層を有している。金属酸化物としては、酸化珪素等
が使用される。金属酸化物の平均粒径は10〜100n
mであることが好ましい。塗膜は、金属酸化物、ラジカ
ル重合性官能基を二つ以上有するビニル系単量体及び光
重合開始剤からなるコーティング剤を塗布して硬化させ
たものである。また、塗膜は、金属酸化物、ラジカル重
合性官能基を二つ以上有するビニル系単量体、光重合開
始剤、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を有する重合
体並びにイソシアネート硬化剤からなるコーティング剤
を塗布して硬化させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機ガラス、プラ
スチック、鋼板、タイル等の各種基材や、窓、ショーウ
インドウ、電話ボックス、看板、自動販売機、家電製
品、車両等の各種構造物に貼り付けて使用される耐汚染
性フィルムに関するものである。さらに詳しくは、優れ
た耐汚染性と汚染除去性を付与することができる耐汚染
性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ショーウインドウの窓ガラス、自動車の
窓ガラス、建築用の窓ガラスなどの表面には、ガラスの
保護などを目的として透明なプラスチックフィルムが貼
着される場合がある。このようなプラスチックフィルム
は、特に屋外で使用される場合には耐候性、耐久性など
の性能が要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年大気汚
染等の環境変化に伴い、空気中や雨水に含まれる塵埃や
汚染物質が多くなり、その結果屋外における各種構造物
は以前に比べて汚染され易くなると共に、その汚れを除
去し難いなどの問題が生じている。特に、各種構造物の
汚染はその美観を損ね、またその汚染除去に関しては、
例えば高層ビルの外側の窓ガラスや看板の清掃作業等に
おいては多大な労力とそのための費用を必要とする。
【0004】本発明はこのような従来技術に存在する問
題点に着目してなされたものである。その目的とすると
ころは、各種基材や各種構造物に対して優れた耐汚染性
と汚染除去性を付与し、良好な外観を維持することがで
きる耐汚染性フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、第1の発明の耐汚染性フィルムは、プラスチックフ
ィルムの表面に金属酸化物を含有する塗膜を有し、裏面
に粘着層を有することを特徴とするものである。
【0006】第2の発明の耐汚染性フィルムは、第1の
発明において、金属酸化物の平均粒径が10〜100n
mであるものである。第3の発明の耐汚染性フィルム
は、第1又は第2の発明において、金属酸化物を含有す
る塗膜が、金属酸化物、ラジカル重合性官能基を二つ以
上有するビニル系単量体及び光重合開始剤からなるコー
ティング剤を塗布して硬化させたものである。
【0007】第4の発明の耐汚染性フィルムは、第1又
は第2の発明において、金属酸化物を含有する塗膜が、
金属酸化物、ラジカル重合性官能基を二つ以上有するビ
ニル系単量体、光重合開始剤、ヒドロキシル基及びカル
ボキシル基を有する重合体並びにイソシアネート硬化剤
からなるコーティング剤を塗布して硬化させたものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐汚染性フィルム
の実施形態について順次詳細に説明する。耐汚染性フィ
ルムは、プラスチックフィルムの表面に金属酸化物を含
有する塗膜を有し、裏面に粘着層を有するものである。
【0009】まず、プラスチックフィルムについて説明
する。プラスチックフィルムは耐汚染性フィルムの基材
となるもので特に限定はされないが、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ
ウレタンフィルム又はアクリル樹脂フィルムが透明性、
フィルム貼付施工性の面で好ましく使用される。ここ
で、ポリエチレンテレフタレートフィルムにおいては、
易接着処理を施したポリエチレンテレフタレートフィル
ムがコーティング剤との密着性を高められるために好ま
しく使用される。
【0010】プラスチックフィルムの厚みはフィルムの
透明性の面で10〜500μmが好ましく、更に貼付施
工性の面で25〜200μmが特に好ましい。また、本
発明の耐汚染性フィルムにおいて使用されるプラスチッ
クフィルムにおいては、各種光線のカットや耐光性の向
上を目的に、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、光安定剤等
が配合されたフィルムを使用することもできる。更に、
必要により顔料、染料等の着色剤が配合されたフィルム
をも使用することができる。
【0011】次に、プラスチックフィルムの表面に形成
される金属酸化物を含有する塗膜について説明する。塗
膜に含有される金属酸化物は粒子状のものであって、そ
の粒子に吸着水を有するものが好ましい。そのような吸
着水を有する金属酸化物としては、酸化珪素、酸化アル
ミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アンチ
モン等が挙げられる。この中でも酸化珪素が塗膜表面に
高い親水性を付与でき、耐汚染性と汚染除去性を特に高
めることができるため好ましい。金属酸化物により、塗
膜表面に微細な凹凸を形成することができ、汚染物に対
しての接触面積を減少させることができる。しかも、吸
着水によって塗膜表面に親水性能を発現でき、油性の汚
染物質が付着し難く、また雨水が水膜状になって汚染物
質が濃縮し難く、汚染物質の除去も容易になる。従っ
て、耐汚染性と汚染除去性を向上させることができる。
【0012】また、金属酸化物の平均粒径は10〜10
0nmであることが望ましい。この平均粒径が10nm
未満の場合には塗膜の耐汚染性と汚染除去性が低下する
傾向にあり、100nmを越える場合には塗膜の透明性
が損なわれる傾向がある。
【0013】さらに、シランカップリング剤によって表
面改質された金属酸化物、特に酸化珪素は、製造時にお
ける塗膜形成のためのコーティング剤中での分散安定性
に優れ、塗膜の透明性と耐汚染性、汚染除去性に特に優
れる点から最も好ましい。シランカップリング剤として
は、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、エチルトリメトキシシラン,ジエチルジエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0014】コーティング剤中の金属酸化物の配合量
は、全固形分中1〜30重量%で配合されるのが好まし
い。金属酸化物が1重量%未満の場合には、金属酸化物
を添加した効果が十分に発揮されず、塗膜の耐汚染性と
汚染除去性の効果が不十分である。一方、金属酸化物が
30重量%を越える場合には、塗膜の柔軟性が損なわれ
る傾向が見られる。塗膜の耐汚染性、汚染除去性及び柔
軟性を両立させるためには、金属酸化物はコーティング
剤の全固形分に対して2〜20重量%であることが特に
好ましい。
【0015】次に、金属酸化物を含有する塗膜は、金属
酸化物、ラジカル重合性官能基を二つ以上有するビニル
系単量体及び光重合開始剤からなるコーティング剤を塗
布して硬化させたものが好ましい。そこで、コーティン
グ剤に使用されるラジカル重合性官能基を二つ以上有す
るビニル系単量体について説明する。ラジカル重合性官
能基を二つ以上有するビニル系単量体は、紫外線等の活
性エネルギー線を照射して発生するラジカルによって緻
密な重合架橋が行われ、このようにして得られる塗膜は
非常に強靱なものとなる。
【0016】ラジカル重合性官能基を二つ以上有するビ
ニル系単量体としては例えば、1,3−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベ
ンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンエト
キシトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プ
ロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ホスファゼン系6官能(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0017】また、前記ラジカル重合性官能基を二つ以
上有するビニル系単量体に、分子中に二つ以上のアクリ
ロイル基を有するアクリル系オリゴマーを加えてもよ
く、例えばウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシ
アクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオ
リゴマー等が好ましく使用される。これらは1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、ビ
ニル系単量体中にアクリル系オリゴマーは20重量%以
下が好ましい。アクリル系オリゴマーが20重量%を越
える場合には、塗膜の耐汚染性及び汚染除去性が低下す
る傾向がある。
【0018】前記ラジカル重合性官能基を二つ以上有す
るビニル系単量体の中でも特に、アクリレート系単量体
は硬化反応性が高い点で好ましい。また、前記ラジカル
重合性官能基を二つ以上有するビニル系単量体に、ラジ
カル重合性の単官能ビニル系単量体を加えて使用するこ
ともできる。ラジカル重合性の単官能ビニル系単量体と
しては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の炭素数1
〜12の直鎖又は分岐状、環状のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、
スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よいが、単官能ビニル系単量体はビニル系単量体中に2
0重量%以下が好ましい。単官能ビニル系単量体が20
重量%を越える場合には、塗膜の耐汚染性、汚染除去性
及び耐水性が低下する傾向がある。
【0019】次に、コーティング剤で使用される光重合
開始剤について説明する。光重合開始剤としては、一般
の紫外線硬化型樹脂に使用されている各種の光重合開始
剤が使用できる。例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル等のベンゾイン又はベンゾインアル
キルエーテル類、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸
等の芳香族ケトン類、ベンジルジメチルケタール、ベン
ジルジエチルケタール等のベンジルケタール類、アセト
フェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン
等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2
−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノ
ン等のアントラキノン類、3,3’,4,4’−テトラ
−(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン
等の過酸化結合含有化合物等が挙げられる。
【0020】これらの中で、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン等のアセト
フェノン類、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベン
ジルジメチルケタール等のベンジルケタール類、3,
3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルペルオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン等の過酸化結合含有化合物等が
取り扱いがし易く、重合開始能が高いため特に好まし
い。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0021】光重合開始剤の添加量は、前記ラジカル重
合性ビニル系単量体に対して0.05〜5重量%である
ことがラジカル重合性ビニル系単量体の硬化性の面で好
ましい。光重合開始剤が0.05重量%未満の場合には
硬化反応性が十分でないために塗膜の耐汚染性、汚染除
去性、耐水性及び耐溶剤性が低下し、光重合開始剤が5
重量%を越える場合には塗膜に黄変を生じる傾向があ
る。塗膜の耐汚染性、汚染除去性、耐水性、耐溶剤性及
び柔軟性を達成し、更に黄変を生じない良好な塗膜を得
るためには、光重合開始剤の添加量は、前記ラジカル重
合性ビニル系単量体に対して0.1〜3重量%であるこ
とが特に好ましい。
【0022】次に、コーティング剤で使用されるヒドロ
キシル基及びカルボキシル基含有重合体について説明す
る。ヒドロキシル基及びカルボキシル基含有重合体は、
イソシアネート硬化剤と硬化反応させるために必要なヒ
ドロキシル基含有ビニル系単量体と、イソシアネート硬
化反応を活性化するために必要なカルボキシル基含有ビ
ニル系単量体及び硬化反応性基を有しないビニル系単量
体との共重合によって得られる。この重合体としては、
ヒドロキシル基及びカルボキシル基含有アクリル共重合
体が、イソシアネート硬化剤との相溶性が良く、無色透
明な塗膜が得られる点から好ましい。
【0023】ヒドロキシル基含有ビニル系単量体として
は例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロ
ラクトン付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートのエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加
物等が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】カルボキシル基含有ビニル系単量体として
は例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、メサコン
酸、マレイン酸、フマル酸、ω−カルボキシ−ポリカプ
ロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0025】また、硬化反応性基を有しないビニル系単
量体が、ヒドロキシル基及びカルボキシル基含有重合体
の水酸基価と酸価を適正な範囲に調整すると共に、重合
体の溶解性を高め、かつコーティング剤の粘度上昇を抑
制するために添加される。そのようなビニル系単量体と
しては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の炭素数1
〜12の直鎖又は分岐状、環状のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレート類、スチレン、アクリロニ
トリル等が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】ヒドロキシル基及びカルボキシル基含有重
合体中においては、水酸基価が50〜150mgKOH
/gであることが好ましい。水酸基価が50mgKOH
/g未満の場合には架橋が不十分となるために、塗膜の
耐水性と耐溶剤性、耐汚染性及び汚染除去性が劣る傾向
にある。一方、水酸基価が150mgKOH/gを越え
る場合には、塗膜の架橋密度が高くなりすぎて塗膜の柔
軟性と密着性が劣る傾向にある。塗膜の耐汚染性、汚染
除去性、耐水性、耐溶剤性、柔軟性及び密着性を十分に
達成するためには、前記重合体における水酸基価は50
〜130mgKOH/gが特に好ましい。
【0027】また、重合体中においては、酸価が1〜2
5mgKOH/gであることが好ましい。酸価が1mg
KOH/g未満の場合にはイソシアネート硬化剤との反
応性が低下するために塗膜の耐溶剤性が劣る傾向があ
り、酸価が25mgKOH/gを越えるとコーティング
剤のポットライフが著しく低下する傾向がある。硬化反
応性とコーティング剤のポットライフを十分に両立させ
るためには、酸価は5〜20mgKOH/gが特に好ま
しい。
【0028】前記重合体を得るための重合方法は、公知
の方法を用いることができるが、工業的な面とコーティ
ング剤としての配合のし易さから、一般的に行われる有
機溶媒中におけるラジカル溶液重合法が好適である。
【0029】溶液重合に使用できる有機溶媒としては、
例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳
酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレングリコールエチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエ
ーテルアセテート等のグリコール系溶媒、トルエン、キ
シレン、ソルベッソ#100〔エッソ社製、商品名〕等
の芳香族炭化水素系溶媒等から選ばれる1種以上が使用
できる。
【0030】次に、コーティング剤で使用されるイソシ
アネート硬化剤について説明する。イソシアネート硬化
剤としては、イソシアネート基を1分子中に2個以上含
有するポリイソシアネート化合物が使用される。例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ジジクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネ
ート等のイソシアネートモノマーと呼ばれる化合物、こ
れらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロ
ールプロパンのアダクト体のようなポリイソシアネート
誘導体、更には前述のポリイソシアネート誘導体のイソ
シアネート基をアミン、オキシム等でブロック化された
ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。ここ
で、ブロックイソシアネート硬化剤をコーティング剤に
使用する場合には、硬化時にブロック化剤の脱離に13
0℃以上の温度が必要となるため、使用されるプラスチ
ックフィルムの耐熱性を十分考慮する必要がある。
【0031】イソシアネート硬化剤の配合量は、ヒドロ
キシル基及びカルボキシル基含有重合体中のヒドロキシ
ル基に対するイソシアネート硬化剤中のイソシアネート
基及びブロックイソシアネート基の総モル比が0.5〜
2.0の範囲になることが好ましい。このモル比が0.
5未満の場合には塗膜の架橋度が不足するために耐汚染
性、汚染除去性、耐水性及び耐溶剤性が劣り、モル比が
2.0を越える場合には未反応イソシアネート基が多く
残存するために塗膜の耐水性が低下する傾向がある。塗
膜物性の面から特に好ましいモル比は、0.8〜1.5
の範囲である。
【0032】次に、コーティング剤成分の配合割合につ
いて説明する。コーティング剤は、金属酸化物、ラジカ
ル重合性官能基を二つ以上有するビニル系単量体及び光
重合開始剤からなるコーティング剤(以後、コーティン
グ剤Aと称する)と、金属酸化物、ラジカル重合性官能
基を二つ以上有するビニル系単量体、光重合開始剤、ヒ
ドロキシル基及びカルボキシル基含有重合体及びイソシ
アネート硬化剤からなるコーティング剤(以後、コーテ
ィング剤Bと称する)のいずれかを使用する。
【0033】コーティング剤Aの配合割合は、(1)金
属酸化物1〜30重量%、(2)ラジカル重合性官能基
を二つ以上有するビニル系単量体65〜98重量%、
(3)光重合開始剤0.05〜5重量%の範囲が好まし
い。
【0034】金属酸化物の配合割合が1重量%未満であ
るか、又はラジカル重合性官能基を二つ以上有するビニ
ル系単量体の配合割合が98重量%を越える場合には、
塗膜の耐汚染性と汚染除去性の効果が十分に認められな
い。逆に、金属酸化物の配合割合が30重量%を越える
か、又はラジカル重合性官能基を二つ以上有するビニル
系単量体の配合割合が65重量%未満である場合には、
塗膜の柔軟性が損なわれる傾向がある。また、光重合開
始剤の配合割合が0.05重量%未満の場合には硬化が
不十分となり、塗膜の耐汚染性、汚染除去性、耐水性、
耐溶剤性が低下し、逆に光重合開始剤の配合割合が5重
量%を越える場合には塗膜に黄変を生じる傾向がある。
【0035】コーティング剤Aの架橋反応は、紫外線等
の活性エネルギー線照射によるビニル系単量体のラジカ
ル重合性基に基づくものである。このため、コーティン
グ剤Aから得られる塗膜は架橋度が特に緻密で強靱であ
ることから、特に耐擦傷性に優れた塗膜が得られ、この
ような性能が特に必要とされる用途に好適に使用され
る。
【0036】コーティング剤Bの配合割合は、(1)金
属酸化物1〜30重量%、(2)ラジカル重合性官能基
を二つ以上有するビニル系単量体30〜65重量%、
(3)光重合開始剤0.02〜3重量%、(4)ヒドロ
キシル基及びカルボキシル基含有重合体25〜45重量
%、(5)イソシアネート硬化剤5〜15重量%の範囲
が好ましい。
【0037】金属酸化物の配合割合が1重量%未満であ
る場合には、塗膜の耐汚染性と汚染除去性の効果が十分
に認められない。逆に、金属酸化物の配合割合が30重
量%を越える場合には、塗膜の柔軟性が損なわれる傾向
がある。また、光重合開始剤の配合割合が0.02重量
%未満の場合には硬化が不十分となり、塗膜の耐汚染
性、汚染除去性、耐水性、耐溶剤性が低下し、逆に光重
合開始剤の配合割合が3重量%を越える場合には塗膜に
黄変を生じる傾向がある。
【0038】また、ラジカル重合性官能基を二つ以上有
するビニル系単量体の配合割合が65重量%を越える
か、ヒドロキシル基及びカルボキシル基含有アクリル共
重合体の配合割合が25重量%未満であるか、又はイソ
シアネート硬化剤が5重量%未満である場合には、フィ
ルムを折り曲げた際に塗膜にクラックや剥離を生じる傾
向がある。逆に、ラジカル重合性官能基を二つ以上有す
るビニル系単量体の配合割合が30重量%未満である
か、ヒドロキシル基及びカルボキシル基含有重合体が4
5重量%を越えるか、又はイソシアネート硬化剤が15
重量%を越える場合には塗膜の耐汚染性と汚染除去性が
低下する傾向がある。
【0039】コーティング剤Bの架橋反応は、紫外線等
の活性エネルギー線照射によるビニル系単量体のラジカ
ル重合性基に基づく反応と共に、イソシアネート基と重
合体中のヒドロキシル基による常温硬化反応とが複合化
されたものである。このため、コーティング剤Bから得
られる塗膜はイソシアネート硬化由来の柔軟性が付与さ
れると共に、硬化時の体積収縮や残存応力を緩和し易い
といったことから、フィルムが折り曲げられた際の塗膜
の追随性と密着性が特に優れたフィルムが得られ、この
ような性能が特に必要とされる用途に好適に使用され
る。
【0040】前記コーティング剤は配合した状態でその
ままコーティングできる場合もあるが、コーティング条
件に適するように各種溶媒にて希釈して使用することも
できる。使用できる溶媒はコーティング剤成分に対して
十分な溶解性を有するものが好ましく、例えばメチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエ
ステル系溶媒、イソプロパノール、ブタノール等のアル
コール系溶媒、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
ト等のグリコール系溶媒、トルエン、キシレン、ソルベ
ッソ#100〔エッソ社製、商品名〕等の芳香族炭化水
素系溶媒等から選ばれる1種以上である。
【0041】また、コーティング時の乾燥性から、沸
点、蒸発速度の遅い溶媒の使用は避けた方がよく、沸点
が160℃以下の溶媒の使用が好ましい。更に、耐汚染
性フィルムにおいて使用されるコーティング剤には、必
要により顔料、染料等の着色剤、レベリング剤等の各種
添加剤を使用することもできる。
【0042】次に、耐汚染性フィルムのコーティング方
法について説明する。コーティング法は、ダイレクトグ
ラビア法、オフセットグラビア法、マイクログラビア法
等がプラスチックフィルムの工業的連続コーティングが
行える点で好ましく採用される。コーティングはプラス
チックフィルムの片面にのみ行い、コーティング膜厚は
乾燥硬化膜厚で5〜50μmが好ましい。乾燥硬化膜厚
が5μm未満の場合には塗膜の平滑性に問題が発生し易
く、50μmを越える場合には塗膜に黄変を生じたり、
塗膜中での残留溶媒が多くなることからプラスチックフ
ィルムに臭気が残る場合がある。塗膜の平滑性、黄変及
び残留溶媒の問題から乾燥硬化膜厚は10〜30μmの
範囲が特に好ましい。
【0043】また、コーティングに際しては、プラスチ
ックフィルムに対するコーティング剤の濡れ性や、プラ
スチックフィルムと塗膜との密着性を向上させるため
に、予めプラスチックフィルムにコロナ放電等の前処理
を施してもよい。
【0044】コーティングされたプラスチックフィルム
は次に熱風乾燥炉にて揮発性溶媒の蒸発乾燥を行う。乾
燥炉温度は50〜140℃が好ましく、アクリル樹脂フ
ィルムを使用する場合には熱変形のおそれがあるため
に、乾燥炉温度は50〜80℃が好ましい。乾燥時間は
10秒以上、好ましくは30秒以上が望ましい。
【0045】乾燥されたプラスチックフィルムは次に高
圧水銀灯、低圧水銀灯、ハロゲンランプ、キセノンラン
プ等から発せられる活性エネルギー線照射により硬化さ
れる。ここではビニル系単量体のラジカル重合性官能基
による硬化反応が主となる。活性エネルギー線はコーテ
ィング剤で使用される光重合開始剤の吸収波長範囲であ
れば特に限定はされないが、300〜600nmに最大
波長を有する紫外線が最適であり、0.1〜5J/cm
2のエネルギーにて硬化を行うことが好ましい。
【0046】また、紫外線等の活性エネルギー線照射は
空気中で照射を行ってもよいが、酸素による硬化障害を
防止するために、不活性ガス雰囲気下で照射を行うこと
が好ましい。
【0047】コーティング剤Aの塗膜は、紫外線等の活
性エネルギー線照射による硬化で反応は完結され、塗膜
はすぐに実用に耐えられるものとなる。一方、コーティ
ング剤Bの塗膜は、紫外線等の活性エネルギー線照射に
よるラジカル反応に基づく硬化反応は完結されてタック
感のない塗膜が得られるが、イソシアネート基とヒドロ
キシル基との反応はその後徐々に進行するため、実使用
に耐え得る塗膜となるためには常温で48時間、好まし
くは72時間程度のエージングを必要とする。エージン
グは特に熱等を加える必要はなく、常温に静置しておく
だけでよい。
【0048】次に、耐汚染性フィルムの裏面に設けられ
る粘着層について説明する。粘着層の形成に使用される
粘着剤としては特に制限されないが、アクリル系粘着剤
がフィルム施工後の透明性、外観性の面で好ましく使用
される。また、再剥離の必要がある場合には粘着剤が基
材に残ることがなく、また剥離できる程度の粘着力を有
する粘着剤の使用が好ましい。これに対し、再剥離を必
要としない場合には、粘着力の高い粘着剤又は接着剤を
使用することができる。
【0049】また、プラスチックフィルムが貼着される
基材の耐色性、耐光性を向上させたり、各種光線をカッ
トすることを目的に粘着層中に赤外線吸収剤、紫外線吸
収剤、光安定剤等を配合してもよい。また必要に応じて
顔料、染料等の着色剤を配合してもよい。
【0050】粘着層の形成方法については、ダイレクト
グラビア法、オフセットグラビア法、マイクログラビア
法等によるコーティング法がプラスチックフィルムの工
業的連続製造が行える点で好ましく採用される。粘着剤
のコーティングはプラスチックフィルムの耐汚染性コー
ティングを行った反対面、つまり裏面に行われる。粘着
剤膜厚は5〜50μmが好ましく、貼付施工性と貼付後
の外観性の面から10〜30μmが特に好ましい。
【0051】また、粘着剤のコーティングに際しては、
基材に対するコーティング剤の濡れ性や、基材と粘着層
との密着性を向上させるために、あらかじめ基材にコロ
ナ放電等の前処理を施してもよい。
【0052】粘着層が形成されたプラスチックフィルム
は、次に熱風乾燥炉にて粘着剤中に含まれる揮発性溶媒
の蒸発乾燥が行われる。乾燥炉温度は50〜140℃が
好ましく、アクリル樹脂フィルムを使用する場合には熱
変形のおそれがあるために、乾燥炉温度は50〜80℃
が好ましい。乾燥時間は10秒以上、好ましくは30秒
以上が望ましい。
【0053】粘着剤をコーティングされたフィルムはポ
リエチレンテレフタレート等の離型プラスチックフィル
ムや、離型処理を施された離型紙を貼り合わせることで
粘着加工が完了する。あるいは、離型フィルム又は離型
紙に直接粘着剤のコーティングを行い、これを耐汚染性
コーティングされたフィルムの耐汚染性コーティングを
されていない面に貼り合わせて、粘着剤を転写させる方
法も採用することができる。
【0054】なお、イソシアネート硬化型のアクリル系
粘着剤を使用する場合には、実使用できる粘着層を得る
ために常温で48時間、好ましくは72時間程度のエー
ジングを行うことが好ましい。
【0055】本発明の耐汚染性フィルムによれば優れた
耐汚染性と汚染除去性を発揮することができるが、その
機構については以下のように考えられる。まず第一に、
金属酸化物の効果について説明する。金属酸化物はその
粒子により硬化後の塗膜表面に微細な凹凸形状を形成
し、この凹凸形状が汚染物に対しての接触面積を減少さ
せ、汚染物質が付着し難く、また汚染物質の除去を容易
にしているものと考えられる。
【0056】また、金属酸化物の中でも特に酸化珪素
は、酸化珪素粒子表面に有する吸着水に基づいて塗膜に
帯電防止性が発現し、電荷を帯びた汚染微粒子が付着し
難くなっていると考えられる。更に、酸化珪素の吸着水
によって、塗膜表面に親水性が発現することで特に油性
の汚染物質が付着し難く、或いは塗膜表面に水膜を形成
しやすいといった性質から、雨水等に含まれる汚染物質
が凝縮することなく、均一に分散することから、付着し
た汚れが目立ち難く、また汚染物質が水で流れ落ち易く
なるものと考えられる。
【0057】加えて、ラジカル重合性官能基を二つ以上
有するビニル系単量体を主体とした塗膜は、極めて緻密
な架橋構造を形成するために、塗膜内部への汚染物質の
侵入が阻止され、仮に塗膜表面に汚染物質が付着しても
水によるシャワーリング程度で簡単に汚染物質を除去で
きるものと考えられる。これに対し、従来のフッ素樹脂
やシリコーン樹脂では、基材の特に水平部分に残った水
滴中で汚染物質が濃縮され、汚れが点状やしみ状となっ
て残り、その除去性も悪い。
【0058】以上の実施形態により発揮される効果を以
下にまとめて記載する。 ・ 実施形態で説明した耐汚染性フィルムによれば、塗
膜は金属酸化物を含有し、その表面に微細な凹凸形状が
形成されることから、各種基材や各種構造物に対して優
れた耐汚染性と汚染除去性を発揮でき、良好な外観を維
持することができる。
【0059】・ 金属酸化物の平均粒径が10〜100
nmであることにより、塗膜の耐汚染性と汚染除去性を
向上させることができると共に、塗膜の透明性を発揮さ
せることができる。
【0060】・ 塗膜が金属酸化物、ラジカル重合性官
能基を二つ以上有するビニル系単量体及び光重合開始剤
からなるコーティング剤を塗布して硬化させたものであ
ることにより、塗膜は架橋度が緻密で強靱となって、優
れた耐擦傷性を発揮することができる。
【0061】・ 塗膜は金属酸化物、ラジカル重合性官
能基を二つ以上有するビニル系単量体、光重合開始剤、
ヒドロキシル基及びカルボキシル基を有する重合体並び
にイソシアネート硬化剤からなるコーティング剤を塗布
して硬化させて形成することができる。この場合、イソ
シアネート基とヒドロキシル基による硬化反応に基づ
き、塗膜には柔軟性が付与されると共に、硬化時の体積
収縮や残存応力を緩和することができる。従って、プラ
スチックフィルムが折り曲げられた際の塗膜の追随性と
密着性に優れている。
【0062】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて本
発明をさらに具体的に説明する。 (製造例1、金属酸化物ゾルの製造例)ナスフラスコ中
に酸化珪素ゾルのメチルイソブチルケトン分散体である
MIBK−ST〔日産化学工業(株)製、商品名〕40
0g、シランカップリング剤としてA−163〔メチル
トリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製、商品名〕
16gを仕込み、加熱して80℃の温度で4時間保持す
ることにより、固形分20重量%のシランカップリング
剤処理された酸化珪素ゾルを得た。 (製造例2、ヒドロキシル基及びカルボキシル基含有ア
クリル共重合体の製造例)撹拌装置、温度計、還流管及
び滴下ロートを装備した反応容器に、トルエン500
g、酢酸イソブチル500gを仕込み、加熱して約11
0℃で還流状態を保持した。そこへ、メチルメタクリレ
ート610g、ブチルアクリレート190g、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート190g、メタクリル酸1
0g及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート20gを混合したものを、滴下ロートから還流状態
を保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終了後、1時
間反応を続け、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート2gと酢酸イソブチル20gを混合したもの
を加え、更に1時間反応を行ってヒドロキシル基及びカ
ルボキシル基含有アクリル共重合体溶液を得た。得られ
た共重合体溶液の固形分は50.0重量%、水酸基価8
0mgKOH/g、酸価7mgKOH/g及び数平均分
子量は約5000であった。 (製造例3、コーティング剤Aの製造例)製造例1で得
られた酸化珪素ゾル175g、ラジカル重合性官能基を
二つ以上有するビニル単量体である1,4−ブタンジオ
ールジアクリレート40g、トリメチロールプロパント
リアクリレート55g、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート30g、単官能ビニル系単量体であるブチ
ルアクリレート15g、光重合開始剤である2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−
オン2g、レベリング剤であるBYK−358〔ビック
ケミー社製、商品名〕0.5gを混合してコーティング
剤Aを得た。コーティング剤Aにおいて、レベリング剤
を除いた各成分の固形分割合は、酸化珪素19.8重量
%、ラジカル重合性ビニル単量体79.1重量%及び光
重合開始剤1.1重量%であった。 (製造例4、コーティング剤Bの製造例)製造例1で得
られた酸化珪素ゾル150g、ラジカル重合性官能基を
二つ以上有するビニル単量体であるペンタエリスリトー
ルトリアクリレート45g、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート61g、光重合開始剤である2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1
−オン2g、製造例2で得られたヒドロキシル基及びカ
ルボキシル基含有アクリル共重合体溶液144g、イソ
シアネート硬化剤であるデュラネートTHA−100
〔旭化成工業(株)製、商品名、ヘキサメチレンジイソ
シアネートの縮合体〕20g、レベリング剤であるBY
K−358〔ビックケミー社製、商品名〕0.5g、及
び希釈溶媒であるシクロヘキサノン40gを攪拌混合す
ることにより、コーティング剤Bを調製した。
【0063】このコーティング剤Bにおいて、レベリン
グ剤を除いた各成分の固形分割合は、酸化珪素13.0
重量%、ラジカル重合性ビニル単量体46.1重量%、
光重合開始剤0.9重量%、ヒドロキシル基及びカルボ
キシル基含有アクリル共重合体31.3重量%及びイソ
シアネート硬化剤8.7重量%であった。尚、ヒドロキ
シル基及びカルボキシル基含有アクリル共重合体中のヒ
ドロキシル基に対するイソシアネート硬化剤中のイソシ
アネート基のモル比は1.0であった。 (実施例1)50μm厚のポリエチレンテレフタレート
フィルムであるコスモシャインA4300〔東洋紡
(株)製、商品名〕の片面(表面)に、コーティング剤
Aをマイクログラビアによって、膜厚15〜20μmで
コーティングを行い、80℃の温風で約30秒間強制乾
燥を行った。次いで、120W/cmの高圧水銀灯で窒
素雰囲気下、3J/cm2の紫外線を照射して硬化を行
った。
【0064】次に、前記フィルムのコーティングされて
いない面(裏面)に、アクリル系粘着主剤であるコーポ
ニール8815〔日本合成化学(株)製、商品名〕20
0g、硬化剤コロネートL−55E〔日本ポリウレタン
工業(株)製、商品名〕4g、及び酢酸エチル150g
を混合した粘着剤をマイクログラビアにて、膜厚15〜
20μmでコーティングを行い、80℃の温風で約30
秒間強制乾燥を行った。その上にポリエチレンテレフタ
レート製の離型フィルムを貼り付けて、常温で72時間
エージングを行い、耐汚染性フィルムAを得た。
【0065】次に、清浄な透明ガラス板の片面に耐汚染
性フィルムAの粘着面を貼り付け、これを試験片として
耐汚染性、汚染除去性を評価した。それらの結果を表1
に示した。
【0066】尚、耐汚染性及び汚染除去性は次の基準に
従って評価を行った。 水性マジック汚染性(耐汚染性及び汚染除去性):水性
マジックで耐汚染性コーティング膜上に線を引き、室温
で5分間乾燥させた後、ネル布でマジックを拭き取った
後の表面状態を目視観察し、次の基準に従って評価し
た。
【0067】 ○:マジックが完全に拭き取られ、痕跡が残っていな
い。 △:マジックの痕跡が僅かに残る。 ×:マジックの痕跡がはっきりと残る。
【0068】油性マジック汚染性(耐汚染性及び汚染除
去性):油性マジックで耐汚染性コーティング膜上に線
を引き、室温で5分間乾燥させた後、ネル布でマジック
を拭き取った後の表面状態を目視観察し、次の基準に従
って評価した。
【0069】 ○:マジックが完全に拭き取られ、痕跡が残っていな
い。 △:マジックの痕跡が僅かに残る。 ×:マジックの痕跡がはっきりと残る。
【0070】屋外汚染性(耐汚染性及び汚染除去性):
試験片を60°の角度を設けて、耐汚染性コーティング
面が上になる状態で屋外に暴露し、経時的な汚染度合い
を目視で観察し、次の基準に従って評価した。
【0071】 ◎:全く汚染が認められない。 ○:汚染が僅かに認められるが、水によるシャワーリン
グで簡単に汚染が除去できる。
【0072】 △:著しい汚染が認められ、水によるシャワーリングで
汚染が除去できず、濡らした雑巾で拭けば汚染が除去で
きる。 ×:著しい汚染が認められ、濡らした雑巾でも汚染が除
去できない。 (実施例2)50μm厚のポリエチレンテレフタレート
フィルムであるコスモシャインA4300〔東洋紡
(株)製、商品名〕の表面に、コーティング剤Bをマイ
クログラビアによって、膜厚15〜20μmでコーティ
ングを行い、100℃の温風で約30秒間強制乾燥を行
った。次いで、120W/cmの高圧水銀灯で窒素雰囲
気下、2.5J/cm2の紫外線を照射して硬化を行っ
た。
【0073】次に、前記フィルムのコーティングされて
いない裏面に、実施例1と同様の方法で粘着剤のコーテ
ィングを行い、常温で72時間エージングを行い、耐汚
染性フィルムBを得た。
【0074】次に、清浄な透明ガラス板の片面に耐汚染
性フィルムBの粘着面を貼り付け、これを試験片として
耐汚染性及び汚染除去性を評価した。その結果を表1に
示した。 (実施例3)実施例1と同様の方法で得られた耐汚染性
フィルムAを白色塗装鋼板上に貼り付け、耐汚染性及び
汚染除去性を評価した。その結果を表2に示した。 (実施例4)実施例2と同様の方法で得られた耐汚染性
フィルムBを白色塗装鋼板上に貼り付け、耐汚染性及び
汚染除去性を評価した。その結果を表2に示した。 (比較例1)ラジカル重合性官能基を二つ以上有するビ
ニル単量体である1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート20g、トリメチロールプロパントリアクリレート
84g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート4
0g、光重合開始剤である2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニル−1−プロパン−1−オン3g、製造例
2で得られたヒドロキシル基及びカルボキシル基含有ア
クリル共重合体溶液180g、イソシアネート硬化剤で
あるデュラネートTHA−100〔旭化成工業(株)
製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネートの縮合
体〕25g、レベリング剤であるBYK−358〔ビッ
クケミー社製、商品名〕0.5g、希釈溶媒であるシク
ロヘキサノン50gを攪拌混合することにより、金属酸
化物を含有しないコーティング剤Cを調製した。コーテ
ィング剤Cにおいて、レベリング剤を除いた各成分の固
形分割合は、ラジカル重合性ビニル単量体55.0重量
%、光重合開始剤1.1重量%、ヒドロキシル基及びカ
ルボキシル基含有アクリル共重合体34.4重量%及び
イソシアネート硬化剤9.5重量%であった。
【0075】次に、50μm厚のポリエチレンテレフタ
レートフィルムであるコスモシャインA4300〔東洋
紡(株)製、商品名〕の表面に、コーティング剤Cをマ
イクログラビアによって、膜厚15〜20μmでコーテ
ィングを行い、100℃の温風で約30秒間強制乾燥を
行った。次いで、120W/cmの高圧水銀灯で窒素雰
囲気下、2.5J/cm2の紫外線を照射して硬化を行
った。
【0076】続いて、前記フィルムのコーティングされ
ていない裏面に、実施例1と同様の方法で粘着剤のコー
ティングを行い、常温で72時間エージングを行い、フ
ィルムCを得た。
【0077】次いで、清浄な透明ガラス板の片面にフィ
ルムCの粘着面を貼り付け、これを試験片として耐汚染
性及び汚染除去性を評価した。その結果を表1に示し
た。 (比較例2)比較例1と同様の方法で得られたフィルム
Cを白色塗装鋼板上に貼り付け、耐汚染性及び汚染除去
性を評価した。その結果を表2に示した。 (比較例3)フィルムが貼られていない、実施例1及び
実施例2で使用されたものと同一の清浄な透明ガラス板
で、耐汚染性及び汚染除去性を評価した。その結果を表
1に示した。 (比較例4)フィルムが貼られていない、実施例3及び
実施例4で使用されたものと同一の白色塗装鋼板で、耐
汚染性及び汚染除去性を評価した。その結果を表2に示
した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】 表1及び表2に示したように、実施例1から実施例4の
フィルムは本発明の耐汚染性フィルムであり、これらは
良好な耐汚染性と汚染除去性を有している。
【0080】これに対し、金属酸化物の配合されていな
いコーティング剤Cから得られたフィルムである比較例
1及び比較例2や、耐汚染性フィルムが貼られていない
比較例3及び比較例4では、水性マジック汚染性、油性
マジック汚染性、屋外汚染性においては汚染を受け易
く、また汚染除去が困難であった。特に、汚染物質が付
着した際に、汚染度合いが目立ち易い白色系の高明度の
基材においては、実施例3及び実施例4の耐汚染性フィ
ルムを貼り付けたことによる耐汚染性の効果は歴然であ
った。
【0081】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について以下に記載する。 ・ 金属酸化物は粒子状でその粒子に吸着水を有するも
のである請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の
耐汚染性フィルム。このように構成した場合、塗膜表面
に高い親水性を付与でき、耐汚染性と汚染除去性を特に
高めることができる。
【0082】・ 前記接着層は再剥離可能な粘着層によ
り構成されている請求項1から請求項4のいずれか一項
に記載の耐汚染性フィルム。このように構成した場合、
耐汚染性フィルムを対象物に貼着した後、その耐汚染性
フィルムを対象物から剥離することができる。
【0083】・ 金属酸化物はシランカップリング剤に
よって表面改質されたものである請求項1から請求項4
のいずれか一項に記載の耐汚染性フィルム。このように
構成した場合、製造時におけるコーティング剤中での分
散安定性に優れ、塗膜の透明性と耐汚染性、汚染除去性
に優れている。
【0084】・ ヒドロキシル基及びカルボキシル基を
有する重合体がヒドロキシル基及びカルボキシル基を有
するアクリル重合体である請求項4に記載の耐汚染性フ
ィルム。このように構成した場合、アクリル重合体はイ
ソシアネート硬化剤と相溶性が良いことから、無色透明
な塗膜を得ることができる。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば次
のような効果を発揮することができる。
【0086】第1の発明の耐汚染性フィルムによれば、
各種基材や各種構造物に対して優れた耐汚染性と汚染除
去性を付与し、良好な外観を維持することができる。第
2の発明の耐汚染性フィルムによれば、第1の発明の効
果に加え、塗膜の耐汚染性と汚染除去性を向上させると
共に、塗膜の透明性を発揮することができる。
【0087】第3の発明の耐汚染性フィルムによれば、
第1又は第2の発明の効果に加え、塗膜は架橋度が緻密
で強靱であることから、特に耐擦傷性に優れている。第
4の発明の耐汚染性フィルムによれば、第1又は第2の
発明の効果に加え、塗膜には柔軟性が付与されると共
に、硬化時の体積収縮や残存応力を緩和することがで
き、フィルムが折り曲げられた際の塗膜の追随性と密着
性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/16 C09D 5/16 7/12 7/12 175/04 175/04 201/00 201/00 Fターム(参考) 4F100 AA17B AA17H AA20B AA20H AK01A AK11B AK21B AK25B AK25C AK42A AK51B AK51C AK51H AR00C BA03 BA07 BA10B BA10C CA02B CA23B CA23C CA30B CC00B DE01B DE01H EH46 GB07 GB32 GB48 JK06 JL06 JL13C JN01 YY00B 4J004 AA10 AB01 CA03 CA06 CA07 CC02 CC03 CD05 CD06 DB02 FA10 4J038 CG032 CG142 CH122 DG192 DG272 DG282 DG292 FA121 FA151 GA03 GA06 HA216 HA446 JB18 KA03 KA20 NA05 PA17 PB05 PB07 PB09 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの表面に金属酸化
    物を含有する塗膜を有し、裏面に粘着層を有することを
    特徴とする耐汚染性フィルム。
  2. 【請求項2】 金属酸化物の平均粒径が10〜100n
    mである請求項1に記載の耐汚染性フィルム。
  3. 【請求項3】 金属酸化物を含有する塗膜が、金属酸化
    物、ラジカル重合性官能基を二つ以上有するビニル系単
    量体及び光重合開始剤からなるコーティング剤を塗布し
    て硬化させたものである請求項1又は請求項2に記載の
    耐汚染性フィルム。
  4. 【請求項4】 金属酸化物を含有する塗膜が、金属酸化
    物、ラジカル重合性官能基を二つ以上有するビニル系単
    量体、光重合開始剤、ヒドロキシル基及びカルボキシル
    基を有する重合体並びにイソシアネート硬化剤からなる
    コーティング剤を塗布して硬化させたものである請求項
    1又は請求項2に記載の耐汚染性フィルム。
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Cited By (5)

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