JP2002161162A - 発泡体、発泡体の製造方法、建築用パネル、および発泡体の設置方法 - Google Patents

発泡体、発泡体の製造方法、建築用パネル、および発泡体の設置方法

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JP2002161162A JP2000358163A JP2000358163A JP2002161162A JP 2002161162 A JP2002161162 A JP 2002161162A JP 2000358163 A JP2000358163 A JP 2000358163A JP 2000358163 A JP2000358163 A JP 2000358163A JP 2002161162 A JP2002161162 A JP 2002161162A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロースファイバに代わる断熱材として、
経時的沈下を生じずに、長期にわたって断熱効果を維持
できる発泡体を提供する。 【解決手段】 発泡体は、廃紙の含有量が50重量%〜
70重量%、ポリプロピレン樹脂の含有量が30重量%
〜50重量%である。発泡体は廃紙を含有しているの
で、廃紙の成分であるセルロースの繊維一本一本がネッ
トのように支え合うことで、発泡体のしぼみが抑えられ
るとともに、中に空気が閉じこめられる。したがって、
内部の気泡により断熱効果が得られるとともに、経時的
な沈下が生じないので、従来のセルロースファイバと異
なり、長期にわたって断熱効果を維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡体、発泡体の
製造方法、建築用パネル、および、建築物を構成する構
成部の内部に発泡体を設置する発泡体の設置方法に関す
る。
【0002】
【背景の技術】従来、住宅の断熱材には、例えば、繊維
質のグラスウール、ロックウールや、発泡プラスチック
系のウレタンフォームなどが用いられている。また、近
年では、古新聞などのリサイクル古紙を粉砕してつくら
れるセルロースファイバが、断熱材として注目を浴びて
いる(例えば、特開平9−131708号公報に記載の
セルロースファイバー組成物など)。
【0003】セルロースファイバは綿形状であり、繊維
自体に無数の空気胞を持つとともに、絡み合った繊維間
にも空気を抱えることから、断熱性能・吸音性能に優れ
るという特徴がある。さらに、セルロースファイバは、
ファイバ自体を6〜8%の水分に保つ調湿作用を有して
いる。このようなセルロースファイバは、主に、乾式の
吹込み工法(ブローイング工法)により、建築物の天井
や壁の内部に施工されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、吹込み工法に
よりセルロースファイバを吹き込んで施工する場合に
は、吹込み堆積物が経時的に沈下するために、施工部分
の上部に隙間が生じ、断熱性能が低下する、という問題
が生じていた。
【0005】本発明の課題は、セルロースファイバに代
わる断熱材として、経時的沈下を生じずに、長期にわた
って断熱効果を維持できる発泡体、発泡体の製造方法、
建築用パネル、および発泡体の設置方法を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明である発泡体は、廃紙の含有量
が50重量%〜70重量%、ポリプロピレン樹脂の含有
量が30重量%〜50重量%であることを特徴とする。
【0007】請求項1記載の発明によれば、ポリプロピ
レン樹脂が発泡することにより形成される発泡体に、廃
紙が含まれているので、廃紙の成分であるセルロースの
繊維一本一本がネットのように支え合うことで、発泡体
のしぼみが抑えられるとともに、中に空気が閉じこめら
れる。したがって、内部の気泡により断熱効果が得られ
るとともに、経時的な沈下が生じないので、従来のセル
ロースファイバと異なり、長期にわたって断熱効果を維
持できる。また、経時的に沈下するセルロースファイバ
に比べて、絡み合った繊維間に、より安定して空気を抱
えることができるので、より確実に断熱性を確保でき
る。
【0008】また、発泡体の材料として廃紙を利用する
ので、資源の有効活用に貢献できる。また、はがきや切
手、コピー紙、その他、雑誌、文庫本など、あらゆる廃
紙を材料とすることができるので、資材の調達が比較的
容易である。
【0009】なお、廃紙の含有量を50重量%〜70重
量%、ポリプロピレン樹脂の含有量を30重量%〜50
重量%としたのは、ポリプロピレン樹脂の含有量が30
重量%未満では、発泡体の形状を安定して維持できず、
一方、廃紙の含有量が50重量%未満では、廃紙の含有
量が少なくなりすぎるので、資源の有効利用の観点から
好ましくないためである。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
泡体において、密度が20kg/m3〜100kg/m3
あることを特徴とする。
【0011】発泡体の密度を20kg/m3〜100kg
/m3としたのは、密度が20kg/m3未満では、発泡体
の内部において気泡が占める体積が大きくなりすぎて発
泡体の強度が弱くなり、一方、密度が100kg/m3
越えると、気泡が占める体積が小さくなりすぎて充分な
断熱効果を得ることができないからである。請求項2記
載の発明によれば、発泡体の強度を確保しつつ、充分な
断熱作用を有する発泡体を提供できる。
【0012】請求項3記載の発明である発泡体の製造方
法は、廃紙を粉砕する粉砕工程と、粉砕された廃紙と、
ポリプロピレン樹脂とを混合する混合工程と、この混合
工程で得られた混合物を、水蒸気で加熱して押し出し発
泡する発泡工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明によれば、粉砕された
廃紙とポリプロピレン樹脂とを混合し、押し出し発泡す
ることで発泡体を製造するので、廃紙中のセルロースの
繊維一本一本がネットのように支え合うことで、発泡体
のしぼみが抑えられるとともに、発泡体中に空気が閉じ
こめられる。したがって、発泡体内部の気泡により断熱
効果が得られるとともに、発泡体に経時的な沈下が生じ
ないので、長期にわたって断熱効果を維持できる発泡体
を提供できる。また、発泡体は、経時的に沈下するセル
ロースファイバに比べ、絡み合った繊維間に、より安定
して空気を抱えることができるので、より確実に断熱性
を確保できる。
【0014】また、発泡体の材料として廃紙を利用する
ので、資源の有効活用に貢献できる。また、はがきや切
手、コピー紙、その他、雑誌、文庫本など、あらゆる廃
紙を材料とすることができるので、資材の調達が比較的
容易である。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
泡体の製造方法において、粉砕工程では、200メッシ
ュ〜400メッシュの篩を通過する大きさに廃紙を粉砕
することを特徴とする。
【0016】篩の目の大きさを200メッシュ〜400
メッシュとしたのは、200メッシュ未満では、粉砕物
が大きくなりポリプロピレン樹脂と均一に混合されにく
く、一方、400メッシュを越えると、廃紙を細かく粉
砕するのにかかる製造コストが増加するためである。請
求項4記載の発明によれば、廃紙を適度な大きさの微粒
粉に粉砕して、ポリプロピレン樹脂と均一に混合できる
ので、押し出し発泡により、均質な発泡体を得ることが
できる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載の発泡体の製造方法において、粉砕工程は、廃紙を
切断する第1の工程と、第1の工程で得られた切断物
に、でんぷんと水を加えて粉砕する第2の工程と、を含
むことを特徴とする。
【0018】請求項5記載の発明によれば、廃紙を切断
してでんぷんと水を加えることで粉砕しやすくし、その
後に粉砕するので、廃紙の切断のみによって微粒物を得
るのに比べ、より効果的に均質な微粒物を得ることがで
きる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項3〜5のい
ずれかに記載の発泡体の製造方法において、発泡工程で
混合物を加熱する温度は、170℃〜190℃であるこ
とを特徴とする。
【0020】混合物を加熱する温度を、170℃〜19
0℃としたのは、170℃未満では、ポリプロピレン樹
脂が溶解発泡せず、空気を含んだセル構造になりにくい
ため、良好な断熱性能が得られないためであり、また、
190℃を越えると、ポリプロピレン樹脂が熱劣化しセ
ル構造がこわれやすく、断熱性能が低下するためであ
る。請求項6記載の発明によれば、ポリプロピレン樹脂
が溶解発泡して、空気を含んだセル構造が確保されるの
で、良好な断熱性能を得ることができる。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項3〜6のい
ずれかに記載の発泡体の製造方法において、発泡工程で
押し出し発泡する際の圧力は、0.51MPa〜0.71
MPaであることを特徴とする。
【0022】押し出し発泡する際の圧力を、0.51M
Pa〜0.71MPaとしたのは、0.51MPa未満では、
混合物と水蒸気の混合が不足し良好な発泡体にならない
ためであり、0.71MPaを越えると、水蒸気が過剰に
なり、成形体ができにくくなるためである。請求項7記
載の発明によれば、混合物と水蒸気とを適度に混合し
て、良好な発泡体を得ることができる。
【0023】請求項8記載の発明である建築用パネル
は、請求項1または2記載の発泡体、または、請求項3
〜7のいずれかに記載の発泡体の製造方法により製造さ
れた発泡体を、内部に備えていることを特徴とする。
【0024】ここで、建築用パネルとは、建築物に設け
られるパネルである。前記建築用パネルとしては、例え
ば、框材を組んでなる枠体と、この枠体の片面もしくは
両面に貼り付けられた面材とを備えたパネルなどが挙げ
られる。前記パネルの枠体内には、必要に応じて補助桟
材が組み付けられている。前記パネルは、従来より周知
のパネル工法における建築物の、床や壁、屋根などを構
成するものである。
【0025】請求項8記載の発明によれば、内部に前記
発泡体を備えているので、建築物に建築用パネルを設置
するだけで、断熱処理を施すことができる。また、例え
ば、壁などに建築用パネルを立てて設置する場合でも、
建築用パネル内部で発泡体が経時的に沈下しないので、
長期にわたって断熱効果を維持できる。
【0026】請求項9記載の発明は、請求項1または2
記載の発泡体、または、請求項3〜7のいずれかに記載
の発泡体の製造方法により製造された発泡体を、建築物
を構成する構成部の内部に設置する発泡体の設置方法で
あって、前記構成部の内部の幅長さよりも幅長さが大き
い前記発泡体を、前記構成部の内部に押し込むことを特
徴とする。
【0027】ここで、構成部とは、建築物の少なくとも
一部となる部分を意味する。前記構成部としては、例え
ば、壁、床、天井などが挙げられるが、これらの例に限
定されるものではない。また、幅長さの基準となる幅方
向は、横方向に限らず、上下方向や斜め方向も含むもの
とする。
【0028】請求項9記載の発明によれば、構成部の内
部の幅長さよりも幅長さが大きい発泡体を、構成部の内
部に押し込むので、発泡体を構成部の内部の幅一杯に配
置できる。したがって、高い断熱効果を得ることができ
る。詳しく説明すると、例えば、スチレンフォーム断熱
材などは、圧縮強度が200kPa(2kgf/cm2)程度あ
るので、構成部の内部に押し込むのが困難であるが、請
求項1または2記載の発泡体、または、請求項3〜7の
いずれかに記載の発泡体の製造方法により製造された発
泡体は、圧縮強度が20kPa(0.2kgf/cm 2)程度で
あるので、構成部の内部に容易に押し込むことができ
る。したがって、前記発泡体を構成部の内部に押し込ん
で設置することで、高い断熱効果を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明の一実施の形態例の発泡体は、廃紙
と、ポリプロピレン樹脂とを含有して構成されるもので
ある。
【0030】発泡体の材料となる廃紙は、例えば、はが
き、切手、コピー紙等、繊維状にできるものであれば良
い。また、ポリプロピレン樹脂には、廃材、バージン材
ともに使用できる。具体的には、例えば、出光PP H
700などが使用され、また、融点170℃〜200℃
のグレードのものが好ましい。
【0031】また、発泡体には、廃紙が50重量%〜7
0重量%含まれており、また、ポリプロピレン樹脂が3
0重量%〜50重量%含まれている。また、発泡体の密
度は、20kg/m3〜100kg/m3に設定されてい
る。
【0032】次に、本発明の一実施の形態例の発泡体の
製造方法について、説明する。発泡体の製造方法は、廃
紙を粉砕する粉砕工程と、粉砕された廃紙とポリプロピ
レン樹脂とを混合する混合工程と、混合工程で得られた
混合物を、水蒸気で加熱して押し出し発泡する発泡工程
と、を含んでいる。
【0033】(1)粉砕工程 粉砕工程は、第1の工程と、第2の工程と、を含んでい
る。
【0034】まず、第1の工程において、はがきなどの
廃紙を細かく切断する。次に、第2の工程において、第
1の工程で得られた切断物に、でんぷんと水を加えて造
粒物にする。でんぷんには、例えば、トウモロコシ由来
のでんぷんなど、各種のでんぷんを使用でき、具体的に
は、ホーネンコーポレーション製のでんぷんなどが用い
られる。でんぷんは、廃紙に含有されるセルロース中、
1〜3重量%分だけ混合され、凝固剤として機能する。
【0035】次に、得られた造粒物を、例えば、ボール
ミルなどの粉砕器により粉砕する。その後、粉砕物を、
200〜400メッシュ、好ましくは300メッシュの
篩でふるい、粉砕物を得る。
【0036】(2)混合工程 次に、粉砕工程で得られた粉砕された状態の廃紙(セル
ロース)を、ポリプロピレン樹脂と混合する。廃紙とポ
リプロピレン樹脂とを混練し、ペレット状に形成する。
【0037】(3)発泡工程 次に、混合工程で得られた混合物であるペレットを、水
蒸気で加熱して押し出し発泡する。発泡する際には、混
合物を二軸スクリューなどにより混和して、水蒸気で1
70℃〜190℃、好ましくは180℃に加熱し、ま
た、0.51MPa〜0.71MPaに加圧する。押し出し
速度および押し出し金型の形状をコントロールするなど
して、発泡物の密度を20kg/m3〜100kg/m3
設定する。
【0038】以上のように、本発明の一実施の形態例で
ある発泡体、および発泡体の製造方法によれば、ポリプ
ロピレン樹脂が溶けて水蒸気と圧力とで発泡体が形成さ
れる。発泡体は廃紙を含んでいるので、廃紙に含まれる
セルロース繊維一本一本がネットのように支え合うこと
で、急冷による発泡体のしぼみが抑えられるとともに、
発泡体の内部に空気が閉じこめられる。
【0039】したがって、発泡体内部の気泡により断熱
効果が得られるとともに、経時的な沈下が生じないの
で、従来のセルロースファイバと異なり、長期にわたっ
て断熱効果を維持できる。また、絡み合った繊維間に安
定して空気を抱えることができるので、確実に断熱性を
確保できる。
【0040】また、材料には、廃紙や、ポリプロピレン
樹脂の廃材を利用するので、資源の有効活用に貢献でき
る。また、はがきや切手、コピー紙、その他、雑誌、文
庫本など、あらゆる廃紙を材料とすることができるの
で、資材の調達が比較的容易である。
【0041】また、発泡体の密度は、20kg/m3〜1
00kg/m3の範囲内に設定されているので、発泡体の
強度を確保しつつも、充分な断熱作用を有する発泡体を
提供できる。
【0042】また、粉砕工程において、200メッシュ
〜400メッシュの篩を通過する大きさに廃紙を粉砕す
るので、粉砕された廃紙をポリプロピレン樹脂と均一に
混合してペレットを形成できる。したがって、押し出し
発泡により、均質な発泡体を得ることができる。
【0043】また、粉砕工程において、廃紙を切断して
でんぷんと水とにより造粒物にし、その後に粉砕するの
で、廃紙の切断のみによって微粒物を得るのに比べ、よ
り効果的に均質な微粒物を得ることができる。
【0044】また、発泡工程において、混合物を170
℃〜190℃に加熱するので、ポリプロピレン樹脂が溶
解発泡して、空気を含んだセル構造が確保されるので、
良好な断熱性能を得ることができる。
【0045】また、発泡工程において、混合物を0.5
1MPa〜0.71MPaに加圧するので、ペレットと水蒸
気とを適度に混合して、良好な発泡体を得ることができ
る。
【0046】なお、上述の発泡体の製造方法において
は、粉砕工程において、でんぷんと水とで廃紙を造粒物
にしてから粉砕するものとしたが、これに限らず、廃紙
を切断して直接粉砕物を得るものとしても良いし、その
他、従来より周知の粉砕方法により廃紙を粉砕するもの
としても良い。
【0047】また、粉砕された廃紙とポリプロピレン樹
脂とを混合してペレット状にしてから発泡するものとし
たが、この方法に限定されるものではなく、廃紙と樹脂
とを互いに混合して発泡できれば良い。例えば、粉砕さ
れた状態の廃紙と、ポリプロピレン樹脂とを、スクリュ
ー押し出し機を利用して混合しつつ、押し出し発泡を行
うものとしても良い。
【0048】また、上述の発泡体を、パネル工法におい
て用いられる建築用パネルの内部に備えられる構成とす
れば、前記建築用パネルを用いて建築物を構築するだけ
で、断熱処理を施すことができる。なお、パネル工法に
おける建築用パネルは、建築物を構成する構成部となる
ものであり、框材を組んでなる枠体と、枠体内に組み付
けられる補助桟材と、枠体の片面もしくは両面に貼り付
けられた面材とを備えて構成されている。
【0049】さらに、内部に発泡体が設けられた壁パネ
ルを、壁に立てて設置する場合にも、壁パネル内部で発
泡体が経時的に沈下しないので、長期にわたって断熱効
果を維持できる。
【0050】また、上述の発泡体の圧縮強度は、20k
Pa程度であるので、建築用パネルの枠体内部の幅長さよ
りも幅長さが大きい発泡体を、枠体内部に押し込んで設
置することができる。このようにすれば、枠体内部の幅
一杯に発泡体を配置でき、高い断熱効果を得ることがで
きる。
【0051】なお、発泡体を建築物の構成部に設置する
例として、建築用パネルの枠体内部に発泡体を設置する
例について説明したが、これに限らず、例えば、2×4
工法や在来工法などによる建築物の床や壁などの構成部
に、施工現場において発泡体を直接設置する場合に適用
しても良い。この場合にも、例えば、柱間の長さよりも
幅長さが大きい発泡体を柱間に押し込んで設置すること
で、高い断熱効果を得ることができる。
【0052】次に、図1および図2を参照して、上述の
発泡体の製造方法により製造された発泡体(以下、セル
ロースフォームと称する)と、各種の断熱材とを比較検
討する。
【0053】図1は、セルロースフォームと、各種の断
熱材との熱伝導率を示す表である。表中、Kの前に示し
た数値は、一平方メートル当たりの重量(kg)であり、
Sは、細繊維であることを意味する。
【0054】セルロースフォームの熱伝導率は、0.0
34W/m・Kであり、高性能のグラスウール(細繊維
グラスウール16KS、24KSなど)やロックウール
等とほぼ同等の断熱性能を有している。また、廃紙を原
料とするセルロースフォームとセルロースファイバとを
比較すると、セルロースフォームの方が熱伝導率が低
く、より良好な断熱効果を示している。
【0055】なお、紙の熱伝導率は、0.21W/m・
Kであり、紙を粉砕して300メッシュ以下にしたもの
の熱伝導率は、0.055W/m・Kである。これらに
比べてセルロースフォームの熱伝導率はより低い値であ
るので、廃紙を含有する発泡体とすることで、発泡体内
部に確保される気泡により、より良好な断熱作用が得ら
れることがわかる。
【0056】図2は、セルロースフォームと、各種の断
熱材との比較表である。表中、「VOC」の欄では、揮
発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の揮散
が比較的少ないものについて、丸印を付けている。
【0057】「VOC」、「安全性」の欄からもわかる
ように、環境や人体への影響を考慮すると、繊維系のグ
ラスウール、ロックウール等や、純石油系のウレタンフ
ォーム等に比較して、セルロースファイバや、セルロー
スフォームは、より望ましい断熱材である。
【0058】また、「リサイクル」の欄に示すように、
図2に示す八種の断熱材のうち、廃材を利用して製造で
きるのは、ポリスチレンフォーム、セルロースファイ
バ、セルロースフォームである。ポリスチレンフォーム
は、ポリスチレンを再利用でき、セルロースファイバ
は、廃紙を再利用できる。これに対し、セルロースフォ
ームでは、廃紙と、ポリプロピレン樹脂とを再利用する
ことができる。
【0059】さらに、「性能」の欄でも示すように、セ
ルロースフォームはセルロースファイバに比べて断熱性
能が高く、より断熱材に適した素材である。以上を考慮
すると、セルロースフォームは、断熱材としての性能が
高く、リサイクル性に富み、かつ、安全性が高いので、
次世代の断熱材として、より好ましい素材であると言え
る。
【0060】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、発泡体内
部の気泡により断熱効果が得られるとともに、経時的な
沈下が生じない。したがって、長期にわたって断熱効果
を維持できる。また、絡み合った繊維間に、より安定し
て空気を抱えることができ、より確実に断熱性を確保で
きる。また、廃紙を利用するので、資源の有効活用に貢
献できる。また、資材の調達が比較的容易である。
【0061】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、発泡
体の強度を確保しつつも、充分な断熱作用を有する発泡
体を提供できる。
【0062】請求項3記載の発明によれば、発泡体内部
の気泡により断熱効果が得られるとともに、発泡体に経
時的な沈下が生じない。したがって、長期にわたって断
熱効果を維持できる発泡体を提供できる。また、発泡体
は、絡み合った繊維間に安定して空気を抱えることがで
きるので、確実に断熱性を確保できる。また、廃紙を利
用するので、資源の有効活用に貢献できる。また、資材
の調達が比較的容易である。
【0063】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、廃紙
を適度な大きさの微粒粉に粉砕して、ポリプロピレン樹
脂と均一に混合でき、よって、押し出し発泡により、均
質な発泡体を得ることができる。
【0064】請求項5記載の発明によれば、請求項3ま
たは4記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこ
と、廃紙の切断のみによって微粒物を得るのに比べ、よ
り効果的に均質な微粒物を得ることができる。
【0065】請求項6記載の発明によれば、請求項3〜
5のいずれかに記載の発明と同様の効果が得られるのは
勿論のこと、ポリプロピレン樹脂が溶解発泡して、空気
を含んだセル構造が確保されるので、良好な断熱性能を
得ることができる。
【0066】請求項7記載の発明によれば、請求項3〜
6のいずれかに記載の発明と同様の効果が得られるのは
勿論のこと、混合物と水蒸気とを適度に混合して、良好
な発泡体を得ることができる。
【0067】請求項8記載の発明によれば、建築用パネ
ルを建築物に設置するだけで、断熱処理を施すことがで
きる。また、建築用パネル内部で発泡体が経時的に沈下
しないので、長期にわたって断熱効果を維持できる。
【0068】請求項9記載の発明によれば、発泡体を、
建築物の構成部内の幅一杯に配置でき、高い断熱効果を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の発泡体と、各
種断熱材との熱伝導率を示す表である。
【図2】本発明を適用した一実施の形態の発泡体と、各
種断熱材との比較表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 1:02 B09B 5/00 ZABZ Fターム(参考) 2E001 DD01 FA03 FA11 FA14 FA16 GA82 HC07 HD01 KA01 KA08 LA04 4D004 AA07 AA12 AC05 BA02 CA04 CA14 CA15 CA22 CA45 CB13 CB16 CB31 CC15 CC17 DA03 DA06 DA07 DA20 4F074 AA02 AA03 AA24 BA34 CA22 CC22X CC32Y CC34Y CC47 DA02 DA32 DA33 DA58

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃紙の含有量が50重量%〜70重量
    %、ポリプロピレン樹脂の含有量が30重量%〜50重
    量%であることを特徴とする発泡体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発泡体において、 密度が20kg/m3〜100kg/m3であることを特徴
    とする発泡体。
  3. 【請求項3】 廃紙を粉砕する粉砕工程と、 粉砕された廃紙と、ポリプロピレン樹脂とを混合する混
    合工程と、 この混合工程で得られた混合物を、水蒸気で加熱して押
    し出し発泡する発泡工程と、を含むことを特徴とする発
    泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の発泡体の製造方法におい
    て、 粉砕工程では、200メッシュ〜400メッシュの篩を
    通過する大きさに廃紙を粉砕することを特徴とする発泡
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の発泡体の製造方
    法において、 粉砕工程は、 廃紙を切断する第1の工程と、 第1の工程で得られた切断物に、でんぷんと水を加えて
    粉砕する第2の工程と、を含むことを特徴とする発泡体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載の発泡体
    の製造方法において、 発泡工程で混合物を加熱する温度は、170℃〜190
    ℃であることを特徴とする発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載の発泡体
    の製造方法において、 発泡工程で押し出し発泡する際の圧力は、0.51MPa
    〜0.71MPaであることを特徴とする発泡体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の発泡体、また
    は、請求項3〜7のいずれかに記載の発泡体の製造方法
    により製造された発泡体を、内部に備えていることを特
    徴とする建築用パネル。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の発泡体、また
    は、請求項3〜7のいずれかに記載の発泡体の製造方法
    により製造された発泡体を、建築物を構成する構成部の
    内部に設置する発泡体の設置方法であって、 前記構成部の内部の幅長さよりも幅長さが大きい前記発
    泡体を、前記構成部の内部に押し込むことを特徴とする
    発泡体の設置方法。
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