JP2002160970A - グラファイトシートの積層方法 - Google Patents

グラファイトシートの積層方法

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JP2002160970A
JP2002160970A JP2000357272A JP2000357272A JP2002160970A JP 2002160970 A JP2002160970 A JP 2002160970A JP 2000357272 A JP2000357272 A JP 2000357272A JP 2000357272 A JP2000357272 A JP 2000357272A JP 2002160970 A JP2002160970 A JP 2002160970A
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graphite sheet
graphite
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sheets
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Akira Taomoto
昭 田尾本
Tatsuo Yokozuka
達男 横塚
Yoshimasa Oki
芳正 大木
Soji Tsuchiya
宗次 土屋
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導性、柔軟性を維持しながら、複数枚の
グラファイトシートを積層した厚いグラファイトシート
を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、グラファイトシートの表面に
溶液状の樹脂を塗布し、2枚以上のグラファイトシート
を張り合わせることにより、柔軟性に優れ、熱抵抗が小
さい特性を持つ、積層した厚いグラファイトシ−トを提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2枚以上のグラフ
ァイトシートの積層方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グラファイトシートとして、黒鉛粉末を
バインダー樹脂と混合してシートに、あるいは膨張黒鉛
を圧延してシート状にするものが知られている。また、
ポリイミドフィルムを原料として熱処理及び圧延処理に
よって柔軟性のあるグラファイトシートを直接的に得る
方法がすでに特公平1−49642号公報に記載されて
いる。これらのグラファイトシートは電気伝導性、熱伝
導性といった特性に優れている。特にポリイミドフィル
ムを原料としたものは、高品質で折れ曲げに強く柔軟性
に富んでおり、熱伝導性に優れたグラファイトシートが
得られる。
【0003】一方、近年、電子機器の小型化、高性能化
が進むにつれて、高密度に集積されたCPUなどから発
生する熱問題、微細な制御を必要とする半導体製造装置
においても熱問題が重要な検討項目になってきている。
熱については放熱性のみならず、いかに場所による温度
ばらつきを低減するかという均熱性が重要である。
【0004】これまでは、熱伝導性に優れたアルミ板や
銅板などの金属板が適当に加工されたり、冷却ファンと
組み合わせたりして放熱対策がなされているのが現状で
ある。
【0005】かかる状況下で、グラファイトシートは、
金属板と比較すると熱伝導性がよく、軽く柔軟性がある
などの特長を有するために、電子機器や装置、設備の熱
伝導材として期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グラフ
ァイトシートを熱伝導材として使用する場合、熱源の発
熱量の増大とともに伝達熱量が増加し、厚いグラファイ
トシートが必要となる。さらに、機械的強度の点におい
ても、使用方法によっては、破断強度、引っ張り強度な
どが十分でない場合がある。
【0007】このような要求に対して、ポリイミドフィ
ルムを原料としたグラファイトシートには、厚いものが
ないため、複数枚重ねて使用することになる。この場合
には、複数枚のグラファイトシートを一体化するため
に、高分子フィルムで包む方法が提案されている。しか
しながら、グラファイトシート表面を発熱源や冷却部と
接触させて使用すると、表面の高分子フィルムの熱伝導
度が小さいため、高分子フィルムの厚さが大きくなるに
従って熱抵抗が大きくなる。このため、できるだけ薄い
高分子フィルムを使用することが望ましいが、10μm
以下の高分子フィルムは取り扱いが困難である。
【0008】また、複数のグラファイトシートの間を両
面粘着テープ等で張り合わせる方法があるが、両面粘着
テープの厚さが厚く、熱伝導度が低いため、大きな熱抵
抗の原因となる。
【0009】従って、熱抵抗の増加が少なくなるよう
に、複数枚のグラファイトシートを張り合わせる方法の
実現が待望されている状況にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、グラファイトシートの表面に溶液状の樹
脂を塗布し、2枚以上のグラファイトシートを張り合わ
せることにより、厚いグラファイトシートを得ることを
特徴とするグラファイトシートの積層方法である。
【0011】塗布する樹脂膜としては、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等からなるものでよい。塗
布方法としては、ディッピング、スピンコート、スクリ
ーン印刷、刷毛塗り等の方法が望ましい。グラファイト
シートとしてはポリイミドフィルムを原料としたものが
熱伝導性、柔軟性に優れているので高性能化に向いてい
る。このような構成により、熱抵抗の増加を少なくしな
がら、2枚以上のグラファイトシートを積層した厚いグ
ラファイトシートが実現される。
【0012】さらに、グラファイトシートの最外層を樹
脂コーティングすることにより、積層グラファイトシー
トの表面を絶縁化することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明請求項1記載の発明は、ポ
リイミドフィルムを原料としたグラファイトシートの表
面の片面または両面に、溶液状の樹脂を塗布し、2枚以
上のグラファイトシートを張り合わせるグラファイトシ
ートの積層方法である。このような構成により、柔軟性
を保ちつつ熱抵抗の増加を少なくしながら、厚いグラフ
ァイトシートを実現することができる。
【0014】請求項2に記載のように、塗布する樹脂膜
としてエポキシ樹脂を用いることにより、柔軟性を保ち
つつ熱抵抗の増加を少なくしながら、厚いグラファイト
シートを実現することができる。
【0015】また、請求項3に記載のように、塗布する
樹脂膜としてポリイミド樹脂を用いることができる。こ
のようなポリイミド樹脂膜は、柔軟性を保ちつつ熱抵抗
の増加を少なくしながら、耐熱性に優れた特長をもった
厚いグラファイトシートを実現することができる。
【0016】請求項4に記載のように、塗布する樹脂膜
としてフッ素樹脂を用いることができる。このようなフ
ッ素樹脂膜は、柔軟性を保ちつつ熱抵抗の増加を少なく
しながら、耐薬品性に優れた特長をもった厚いグラファ
イトシートを実現することができる。
【0017】樹脂膜の塗布方法としては、請求項5に記
載のように、ディッピング、スピンコート、スクリーン
印刷、刷毛塗りのいずれかを使用することが望ましい。
【0018】請求項6に記載のように、樹脂膜の厚さが
10μm以下であることが望ましい。というのは、グラ
ファイトシートの柔軟性、熱伝導性の高さなどの優れた
特性を発現させるためには、樹脂膜は薄いものが好まし
いからである。
【0019】請求項7に記載のように、グラファイトシ
ートの端面及びシートの縁に沿って溶液状の樹脂を塗布
し、2枚以上のグラファイトシートを張り合わせること
ができる。この場合には、グラファイトシートの中央部
には樹脂膜がないため、熱抵抗の増加なしでグラファイ
トシートの積層が可能となる。
【0020】請求項8に記載のように、グラファイトシ
ートがポリイミドフィルムを原料として不活性ガス中で
室温から昇温して1000℃から1600℃の温度範囲
までで焼成する予備処理工程と、前記予備処理工程後室
温から昇温して温度2500℃以上の温度まで焼成して
つくられるグラファイトシートを用いることが望まし
い。このようなグラファイトシートを使用することによ
り、可撓性及び柔軟性に優れ、熱伝導性の高いという特
長をもった、グラファイトシートを積層することができ
る。
【0021】このようにして作成したグラファイトシー
トを使用することにより、可撓性、柔軟性に優れた熱伝
導材料として、厚さが厚く、伝達熱量が大きく、機械的
強度の点でも折り曲げ強度、引っ張り強度が大きなグラ
ファイトシートの実現が可能となる。
【0022】このような構成により、高分子フィルムで
包む方法に比較して、熱伝導率の小さな材質の層の厚さ
を薄くできるため、熱抵抗の増加を小さくすることがで
き、グラファイトシートの優れた熱伝導性への影響を小
さくできる。さらにこのような構成では、積層したグラ
ファイトシート同士の間の密着性が良いため、粘着材や
接着材を使用することが必要なく、作業性が良好であ
る。また、グラファイトシートの最外層を樹脂コーティ
ングすることにより、積層グラファイトシートの表面を
絶縁化することができる。以下、本発明の各実施の形態
に即して、より詳細に説明をしていく。
【0023】(実施の形態1)本発明第1の実施の形態
では、出発原料のポリイミドフィルムとして、東レ・デ
ュポン社製(商品名カプトン)の厚さ75μmのものを
用いて実験を行った。予備熱処理として、窒素雰囲気中
で最高処理温度を1200℃まで上げた後、室温まで温
度を下げて取り出した。さらに高温熱処理として、Ar
ガス雰囲気下で、最高処理温度2700℃まで上昇させ
た後に、室温まで温度を下げて焼成を行った。この後に
圧延を行い作成したグラファイトシートは、繰り返し折
り曲げが可能な可撓性及び柔軟性があり、厚さは約10
0μmであった。
【0024】以上に示したグラファイトシートの作成条
件は、代表例であり、確実にグラファイト化され繰り返
し折り曲げが可能な可撓性及び柔軟性があるのであれ
ば、かかる条件に限定されるものでないことはもちろん
である。
【0025】こうして得られたグラファイトシートの片
面に、エポキシ樹脂(スリーボンド社製二液性エポキシ
配合樹脂、本剤2022,硬化剤2104)により、樹
脂膜の塗布を行った。エポキシ樹脂を刷毛塗りした後、
グラファイトシート2枚を張り合わせ、100℃で1時
間保持して硬化させた。このようにして積層したグラフ
ァイトシートの厚さは208μmであり、柔軟性があ
り、グラファイトシート同士がはがれることはなかっ
た。
【0026】積層したグラファイトシートの熱伝導特性
を評価するために、発熱源とヒートシンクとの間にグラ
ファイトシートを挟み、発熱源とヒートシンクとの温度
差を測定した。
【0027】本第1の実施の形態では、2×1.5cm
の大きさの発熱源とヒートシンクとの間に、2×1.5
cmの大きさのグラファイトシートを2枚重ねたもの、
およびグラファイトシート2枚を上記したように積層し
たものを各々挟んで固定した。固定はM3ビスにより、
締め付けトルクを1MPaとして固定した。発熱源に4
Wの電力を投入して発熱させ、定常状態になった時点で
の発熱源とヒートシンクとの温度差を測定した。
【0028】その結果は、グラファイトシートのみ2枚
重ねた場合には、発熱源とヒートシンクとの温度差は
9.8℃であり、エポキシ樹脂膜で積層したグラファイ
トシートでは10.4℃と、温度差の増大は0.6℃で
あった。
【0029】また、積層したグラファイトシートは、単
独のグラファイトシートと同様な可撓性及び柔軟性を保
っており、表及び裏方向に各々100回湾曲させた場合
でも剥離や亀裂などの破損は全く発生しなかった。
【0030】従って、本実施の形態によるエポキシ樹脂
により積層したグラファイトシートは、グラファイトシ
ート本来の熱伝導性、可撓性及び柔軟性を保ったまま、
厚さの厚いグラファイトシートを実現したものであると
いえる。
【0031】なお、本実施の形態のグラファイトシート
を電子機器装置内に取り付けるために、切断、トリミン
グ、取り付け穴あけ等の加工をする場合には、グラファ
イトシートに加工すると同じ扱いですむことはもちろん
である。
【0032】(実施の形態2)第2の実施の形態では、
第1の実施の形態と同様にして得られたグラファイトシ
ートの両面に、エポキシ樹脂(スリーボンド社製二液性
エポキシ配合樹脂、本剤2022,硬化剤2104)を
メチルエチルケトンで1:2に希釈して、ディッピング
により塗布した後、2枚のグラファイトシートを張り合
わせてから、100℃で1時間保持して硬化させた。こ
のようにして積層したグラファイトシート上の厚さは2
14μmであり、柔軟性があり、グラファイトシート同
士がはがれることはなかった。また、表面は絶縁性があ
り、グラファイト粉の脱離はみられなかった。
【0033】このようにして積層したグラファイトシー
トの熱伝導特性を評価するために、第1の実施の形態と
同様にして、発熱源とヒートシンクとの間にグラファイ
トシートを挟み、発熱源とヒートシンクとの温度差を測
定した。
【0034】その結果は、グラファイトシートのみ2枚
重ねた場合には発熱源とヒートシンクとの温度差は9.
8℃であり、エポキシ樹脂コーティングで積層したグラ
ファイトシートの場合は11.2℃と、温度差の増大は
1.4℃であった。
【0035】(実施の形態3)第3の実施の形態では、
第2の実施の形態と同様にして得られたグラファイトシ
ートの両面に、エポキシ樹脂(スリーボンド社製二液性
エポキシ配合樹脂、本剤2022,硬化剤2104)を
メチルエチルケトンで1:2に希釈して、ディッピング
により塗布した後、3枚のグラファイトシートを張り合
わせてから、100℃で1時間保持して硬化させた。こ
のようにして積層したグラファイトシート上の厚さは3
20μmであり、柔軟性があり、グラファイトシート同
士がはがれることはなかった。また、表面は絶縁性があ
り、グラファイト粉の脱離はみられなかった。
【0036】このようにして積層したグラファイトシー
トの熱伝導特性を評価するために、第1の実施の形態と
同様にして、発熱源とヒートシンクとの間にグラファイ
トシートを挟み、発熱源とヒートシンクとの温度差を測
定した。
【0037】その結果は、グラファイトシートのみ3枚
重ねた場合には発熱源とヒートシンクとの温度差は1
4.6℃であり、エポキシ樹脂コーティングで3枚積層
したグラファイトシートの場合は16.5℃と、温度差
の増大は1.9℃であった。
【0038】(実施の形態4)第4の実施の形態では、
第2の実施の形態と同様にして得られたグラファイトシ
ートの両面に、エポキシ樹脂(スリーボンド社製二液性
エポキシ配合樹脂、本剤2022,硬化剤2104)を
メチルエチルケトンで1:2に希釈して、ディッピング
により塗布した後、5枚のグラファイトシートを張り合
わせてから、100℃で1時間保持して硬化させた。こ
のようにして積層したグラファイトシート上の厚さは5
34μmであり、柔軟性があり、グラファイトシート同
士がはがれることはなかった。また、表面は絶縁性があ
り、グラファイト粉の脱離はみられなかった。
【0039】このようにして積層したグラファイトシー
トの熱伝導特性を評価するために、第1の実施の形態と
同様にして、発熱源とヒートシンクとの間にグラファイ
トシートを挟み、発熱源とヒートシンクとの温度差を測
定した。
【0040】その結果は、グラファイトシートのみ5枚
重ねた場合には発熱源とヒートシンクとの温度差は2
4.1℃であり、エポキシ樹脂コーティングで5枚積層
したグラファイトシートの場合は26.9℃と、温度差
の増大は2.8℃であった。
【0041】(実施の形態5)第5の実施の形態では、
第1の実施の形態と同様にして得られたグラファイトシ
ートの片面に、エポキシ樹脂(スリーボンド社製二液性
エポキシ配合樹脂、本剤2022,硬化剤2104)を
メチルエチルケトンで1:3に希釈して、スピンコート
により塗布した後、2枚のグラファイトシートを張り合
わせてから100℃で1時間保持して硬化させた。この
ようにして積層したグラファイトシートの厚さは210
μm であり、柔軟性があり、グラファイトシート同士が
はがれることはなかった。
【0042】このようにしてエポキシ樹脂コーティング
したグラファイトシートの熱伝導特性を評価するため
に、第1の実施の形態と同様にして、発熱源とヒートシ
ンクとの間にグラファイトシートを挟み、発熱源とヒー
トシンクとの温度差を測定した。
【0043】その結果は、グラファイトシートのみ2枚
重ねた場合には発熱源とヒートシンクとの温度差は9.
8℃であり、エポキシ樹脂で積層したグラファイトシー
トの場合は10.5℃と、温度差の増大は0.7℃であ
った。
【0044】(実施の形態6)第6の実施の形態では、
第1の実施の形態と同様にして得られたグラファイトシ
ートの両面に、ポリイミドワニス(東レ社製トレニース
#3000)をジメチルアセトアミドで1:3に希釈し
て、ディッピングにより塗布した後、2枚のグラファイ
トシートを張り合わせてから、120℃で10分、22
0℃で10分、300℃で30分保持して熱処理を行っ
た。このようにして積層したグラファイトシートの厚さ
は220μm であり、柔軟性があり、グラファイトシー
ト同士がはがれることはなかった。また、表面は絶縁性
があり、グラファイト粉の脱離はみられなかった。
【0045】このようにして積層したグラファイトシー
トの熱伝導特性を評価するために、第1の実施の形態と
同様に、発熱源とヒートシンクとの間にグラファイトシ
ートを挟み、発熱源とヒートシンクとの温度差を測定し
た。
【0046】その結果は、グラファイトシートのみ2枚
重ねた場合には発熱源とヒートシンクとの温度差は9.
8℃であり、ポリイミド樹脂により積層したグラファイ
トシートの場合は12.2℃と、温度差の増大は2.4
℃であった。
【0047】(実施の形態7)第7の実施の形態では、
第1の実施の形態と同様にして得られたグラファイトシ
ートの片面に、ポリイミドワニス(東レ社製セミコファ
インSP−110)を、スクリーン印刷により塗布した
後、2枚のグラファイトシートを張り合わせてから、8
0℃、150℃、200℃、350℃で各30分保持し
て熱処理を行った。このようにして積層したグラファイ
トシートの厚さは206μm であり、柔軟性があり、グ
ラファイトシート同士がはがれることはなかった。
【0048】このようにしてポリイミド樹脂により積層
したグラファイトシートの熱伝導特性を評価するため
に、第1の実施の形態と同様にして、発熱源とヒートシ
ンクとの間にグラファイトシートを挟み、発熱源とヒー
トシンクとの温度差を測定した。
【0049】その結果は、グラファイトシートのみ2枚
重ねた場合には発熱源とヒートシンクとの温度差は9.
8℃であり、ポリイミド樹脂により張り合わせたグラフ
ァイトシートの場合は10.7℃と、温度差の増大は
0.9℃であった。
【0050】(実施の形態8)第8の実施の形態では、
第1の実施の形態と同様にして得られたグラファイトシ
ートの片面に、フッ素樹脂(旭硝子社製サイトップCT
X−809)を刷毛塗りした後、2枚のグラファイトシ
ートを張り合わせてから、50℃で1時間、180℃で
1時間保持して硬化させた。このようにして積層したグ
ラファイトシートの厚さは210μm であり、柔軟性が
あり、グラファイトシート同士がはがれることはなかっ
た。
【0051】このようにしてフッ素樹脂により積層した
グラファイトシートの熱伝導特性を評価するために、第
1の実施の形態と同様にして、発熱源とヒートシンクと
の間にグラファイトシートを挟み、発熱源とヒートシン
クとの温度差を測定した。
【0052】その結果は、グラファイトシートのみ2枚
重ねた場合には発熱源とヒートシンクとの温度差は9.
8℃であり、フッ素樹脂により積層したグラファイトシ
ートの場合は11.2℃と、温度差の増大は1.4℃で
あった。
【0053】(実施の形態9)第9の実施の形態では、
グラファイトシートの作製方法として、予備熱処理を最
高処理温度を1600℃として行った以外は第1の実施
の形態と同様にして熱処理を行った。
【0054】高温熱処理後に得られたグラファイトシー
トについて圧延を行った結果、繰り返し折り曲げが可能
な可撓性及び柔軟性があり、厚さは約100μmであっ
た。
【0055】この様にして作製したグラファイトシート
について、第1の実施の形態から第8の実施の形態の方
法と同様にして積層グラファイトシートを作成したとこ
ろ、いずれも良好な特性を示した。
【0056】また、予備熱処理の最高処理温度を140
0℃として、上記と同様な実験を行った時も、上記と同
様な結果が得られた。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、グラファ
イトシートの表面に溶液状の樹脂を塗布し、2枚以上の
グラファイトシートを張り合わせることにより、柔軟性
に優れ、熱抵抗が小さい特性を持つ良品質の積層した厚
いグラファイトシ−トが得られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 201/00 C09J 201/04 201/04 C04B 35/54 A (72)発明者 大木 芳正 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 土屋 宗次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AD11A AD11C AK01B AK17B AK17G AK49B AK49G AK53B AK53G AT00A AT00C BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10C BA13 CB00 EH46B EH462 EJ421 EJ481 GB41 JA20B JA20G JJ01 JK13 JK17 YY00B YY00G 4G032 AA04 BA04 GA01 GA12 4J040 DC091 EC001 EH031 JA02 JB02 LA06 LA08 LA09 MA01 MB03 NA19 PA01 PA26 PA30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラファイトシートの表面に、溶液状の
    樹脂を塗布し、2枚以上のグラファイトシートを張り合
    わせるグラファイトシートの積層方法。
  2. 【請求項2】 樹脂がエポキシ樹脂を含む請求項1記載
    のグラファイトシートの積層方法。
  3. 【請求項3】 樹脂がポリイミド樹脂を含む請求項1記
    載のグラファイトシートの積層方法。
  4. 【請求項4】 樹脂がフッ素樹脂を含む請求項1記載の
    グラファイトシートの積層方法。
  5. 【請求項5】 樹脂の塗布方法がディッピング、スピン
    コート、スクリーン印刷又は刷毛塗りのいずれかである
    請求項1ないし4のいずれか記載のグラファイトシート
    の積層方法。
  6. 【請求項6】 塗布する樹脂の厚さが10μm以下であ
    る請求項1ないし5のいずれか記載のグラファイトシー
    トの積層方法。
  7. 【請求項7】 グラファイトシートの端面及び縁に沿っ
    て溶液状の樹脂を塗布し、2枚以上のグラファイトシー
    トを張り合わせる請求項1ないし6のいずれか記載のグ
    ラファイトシートの積層方法。
  8. 【請求項8】 グラファイトシートが、ポリイミドフィ
    ルムを原料として不活性ガス中で室温から昇温して10
    00℃から1600℃の温度範囲までで焼成する予備処
    理工程と、前記予備処理工程後室温から昇温して温度2
    500℃以上の温度まで焼成して製造されるグラファイ
    トシートである請求項1ないし7のいずれか記載のグラ
    ファイトシートの積層方法。
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