JP2002160694A - 船外機、船外機の診断支援システム、およびコンピュータを船外機の診断支援システムとして動作させるプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
船外機、船外機の診断支援システム、およびコンピュータを船外機の診断支援システムとして動作させるプログラムを記録した記録媒体Info
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Abstract
ひいてはエンジン不調等の原因を容易に診断することが
できる船外機を提供する。 【解決手段】 所定のサンプリング周期(例えば1分)
ごとに所定の記録時間(例えば13分)分の最新の運転
状態データとしてエンジン回転数とスロットル開度等を
記録する。この運転状態データを適宜診断支援システム
にて受信し、運転状態データが変化しておらず略一定で
推移している部分を定常状態で運転された運転状態デー
タとする。そして、この運転状態データに含まれるエン
ジン回転数とスロットル開度等との関係から航行負荷
(ボートロード)が適性範囲にあるかを検討することに
より、船外機、艇体およびプロペラのマッチングが適性
であるかを診断する。
Description
船外機および船外機の診断支援システムに関する。
は、ユーザーによって種々の艇体及びプロペラに組み合
わせて使用される。また、1つの艇体に複数の船外機が
取り付けられる場合もある。
ロペラの径やピッチ、船外機の数等によって各船外機の
エンジンにかかる航行負荷(ボートロード)は変動す
る。
多岐にわたり、各ユーザーの使用形態によって積み荷等
を含む船体重量が異なることからも船外機のエンジンに
かかる負荷は変動する。さらに、高頻度で使用する運転
速度等が異なれば、船外機のエンジンに求められる特性
も異なる。
さらにユーザの使用形態等のマッチングが悪いと、船外
機の性能ポテンシャルが充分に発揮されない。具体的に
は、運転フィーリングが損なわれたり、エンジン回転数
の不適正な変動や燃費悪化等を引き起こし、ひいては船
外機のエンジンに不調を生じる場合がある。
このような船外機に対する艇体やプロペラ等のマッチン
グは、専門知識を有する測定者が航走中の船舶に乗船し
て航行状態とともにエンジン回転数等を読み取るなどし
なければ判断することが困難であったため、実際上、各
ユーザー艇におけるマッチングの良否を適切に判断する
ことができなかった。
も、これがエンジン自体の故障による不調なのか、マッ
チングが悪いために引き起こされたエンジン以外に原因
がある不調なのかを見分けることは困難であり、このた
め、故障原因の特定に多大な時間を要するという問題が
あった。
あり、その第1の目的は、容易にマッチングの診断を行
うことができ、ひいてはエンジン不調等の原因を容易に
診断することができる船外機を提供することである。
外機についての診断を容易に行うことができる船外機の
診断支援システムを提供することである。
は、駆動軸を介して接続されたプロペラを推進駆動する
エンジンと、前記エンジンのエンジン回転数を検出する
エンジン回転数センサと、前記エンジンの運転状態を示
す所定の運転状態指標値を検出する運転状態指標検出手
段と、所定の記録時間にわたって所定のサンプリング周
期ごとに複数の時点における前記エンジン回転数と前記
運転状態指標値とを運転状態データとして適宜出力可能
な状態で記憶する運転状態記憶手段と、を備えたことを
特徴とするものである。
手段に記憶された運転状態データを適宜出力させること
により、所定のサンプリング周期ごとの複数の時点にお
ける運転状態データが得られる。そして、運転状態デー
タが変化しておらず略一定で推移しているか否かから運
転状態が定常状態にあるかを判断することができ、この
ような定常状態で運転された運転データが抽出できれ
ば、運転状態データに含まれるエンジン回転数と運転状
態指標値との関係から航行負荷(ボートロード)が適性
範囲にあるかを検討することにより、船外機、艇体およ
びプロペラのマッチングが適性であるかを診断すること
ができる。
ても、かかる不調がマッチング不良によるものか、エン
ジン自体に問題があるかを容易に診断することができ
る。
得られることから、各ユーザーの使用形態も診断するこ
とができる。
サンプリング周期は2分以下、さらに好ましくは1分以
下であることが望ましい。
される各サンプリング周期の間において急加減速されて
いないことを確認することができるため、より確実に定
常状態の運転状態データを抽出することができ、これに
基づいて上記診断を的確に実施することができる。
あることが望ましい。
隔をおいた時点の運転状態データが得られることから、
両者を比較することにによって運転状態が定常状態にあ
るのか緩加減速中にあるのかを識別することができるた
め、より確実に定常状態の運転状態データを抽出するこ
とができ、これに基づいて上記診断を的確に実施するこ
とができる。
のサンプリング周期が到来するごとに前記運転状態デー
タを更新しながら、常時、前記所定の記録時間分の前記
運転状態データを記憶するように構成することが望まし
い。
データを得ることができため、最新の運転状態から上記
診断を行うことができる。
場合であっても、停止直前の運転状態が得られるため、
停止原因の究明に寄与することができる。
ながら記憶する場合、前記所定の記録時間は2分以上で
あることが望ましい。
高速航行したのち、港湾内等ではアイドリング状態で所
定の停船位置に至り停船する。この港湾内等における航
行には通常2分間程度を要する。したがって、上述のよ
うに、停船前の2分以上にわたる運転状態データを記憶
すれば、船舶が港湾内等に至る前における船外機のエン
ジンにボートロードが直接作用している高速航行時の運
転状態データを得ることができるため、この高速航行時
における定常状態の運転状態データに基づいて上記診断
をより的確に実施することができる。
ることがさらに望ましい。このようにすると、高速航行
時における定常状態の運転データが得られる可能性が高
まる。
する場合には、前記エンジンの各部位における故障状態
を検出する故障検出手段を備え、前記運転状態記憶手段
は、故障状態が検出されたときに前記運転状態データの
更新を停止するように構成されることが望ましい。
らかの故障状態を検出した場合であっても、エンジンを
停止することなく、その故障状態に至る直前の運転状態
データを残すことができるため、故障原因の究明に寄与
することができる。
運転状態記憶手段は、前記エンジン回転数が予め設定さ
れた第1の所定回転数以上または越えたときに前記運転
状態データの更新を開始する一方、前記エンジンの回転
数が第2の所定回転数以下または未満になったときに前
記運転状態データの更新を停止するように構成されるこ
とが望ましい。
になったときの運転状態データのみを記録することがで
き、マッチング等の診断を効率的に行うことができる。
なお、これら第1の所定回転数および第2の所定回転数
は、同じ回転数としても異なる回転数としてもよい。
分に低い値、たとえばアイドリング回転数より低い値に
設定すると、マッチング等の診断に有効なエンジンが運
転されている状態の運転状態データのみを記録すること
ができる。
ング回転数を超えるように設定すると、エンジンに航行
負荷(ボートロード)が作用した状態における運転状態
データのみを記録することができるため、効率的であ
る。
滑走状態にあるときに相当するエンジン回転数の下限値
近傍に設定すると、船舶が滑走状態にあるときの運転状
態データのみを記録することができるため、滑走状態に
おける運転状態から船外機、艇体およびプロペラのマッ
チングが適性であるかを診断する場合には、特に効率的
である。
者等によって操作される記録停止スイッチを備え、前記
運転状態記憶手段は、前記記録停止スイッチにおいて記
録停止命令の入力を受けた際には、前記運転状態データ
の更新を停止するように構成することが望ましい。
令を入力することによって、使用者等が診断を希望する
状態における運転状態データを残すことができる。具体
的には、滑走時等の定常状態のほか、加減速時等の状態
変化時の運転状態データを意図的に選択して残すことが
できる。
介して接続されたプロペラを推進駆動するエンジンと、
前記エンジンのエンジン回転数を検出するエンジン回転
数センサと、前記エンジンの運転状態を示す所定の運転
状態指標値を検出する運転状態指標検出手段と、エンジ
ンの運転時において、エンジン回転数および前記運転状
態指標値の組み合わせが、予め複数に区分したエンジン
回転領域および予め複数に区分した運転状態指標値域を
組み合わせてなる複数の運転領域区分のいずれにあるの
かを識別して、各運転領域区分ごとに累積運転時間を運
転状態データとして適宜出力可能に記憶する運転状態記
憶手段と、を備えたことを特徴とするものである。
ンジン回転領域と複数に区分した運転状態指標値域とを
組み合わせてなるものであるから、それぞれ所定の航行
負荷(ボートロード)のもとでの運転状態を示してい
る。したがって、このような船外機によると、運転状態
記憶手段に記憶された運転状態データを適宜出力させる
ことにより、どのような航行負荷(ボートロード)のも
とで、どの程度運転されたのかを容易に判断することが
でき、これにより、各使用者(ユーザ)の使用形態と船
外機、船体およびプロペラ等とのマッチングを診断する
ことができる。
周期ごとの運転状態データを記録するとともに、前述し
たように運転領域区分ごとの累積運転時間を運転状態デ
ータとして記録することが望ましい。
よる船外機の使用形態の履歴を把握しながら、現在のマ
ッチングを合わせて検討しうることから、より各使用者
および各船外機に応じた適切な診断を行うことができ
る。
領域区分ごとに累積運転時間を記憶する場合には、エン
ジン回転数および前記運転状態指標値の組み合わせが各
運転領域区分に所定時間以上継続して留まった場合にの
み、累積運転時間に加えるようにすることが望ましい。
前記運転状態指標値の組み合わせが必ずしも航行負荷
(ボートロード)を表さない加速時や減速時等の過渡状
態にある運転時間を前記累積運転時間からなくして、定
常状態にある場合の運転時間のみを累積することができ
るため、船外機がどのような航行負荷(ボートロード)
のもとで、どの程度運転されたのかを正確に判断するこ
とができる。
態指標検出手段は、前記エンジンへの吸気量を調節する
スロットル弁のスロットル開度を前記運転状態指標値と
して検出するスロットル開度センサを含むものとして構
成することができる。
るエンジン回転数によって航行負荷(ボートロード)を
想定することができることから、これによって船外機、
船体およびプロペラ等のマッチングを診断することがで
きる。具体的には、船外機ごとにその特性に応じたスロ
ットル開度とエンジン回転数の関係の適正範囲を正常状
態基準データとして求めておき、船外機に記憶された運
転状態データをこの正常状態基準データに当てはめてマ
ッチングが適正状態にあるか否かを判断すればよい。
エンジンの混合気の空燃比を前記運転状態指標値として
検出する空燃比センサを含むものとして構成してもよ
い。
るエンジン回転数によって航行負荷(ボートロード)を
想定することができることから、上述したスロットル開
度による場合と同様にしてマッチングを診断することが
できる。この空燃比センサとしては具体的にはエンジン
に供給される混合気から燃料と空気との割合を直接検出
するセンサや、エンジンからの排ガスにおける酸素量を
検出することで間接的に空燃比を検出するセンサ等を挙
げることができる。
して用いることは、当該船外機が、特定回転域にてエン
ジンを空燃比に応じたフィードバック制御している場合
には特に有効である。
エンジンから水中に至る排ガスの排出経路において該排
ガスの背圧を前記運転状態指標値として検出する背圧セ
ンサを含むものとして構成してもよい。
エンジン回転数によって航行負荷(ボートロード)を想
定することができることから、上述したスロットル開度
による場合と同様にしてマッチングを診断することがで
きる。
エンジンに送られる吸気の吸気負圧を前記運転状態指標
値として検出する吸気負圧センサを含むものとして構成
してもよい。
るエンジン回転数によって航行負荷(ボートロード)を
想定することができることから、上述したスロットル開
度による場合と同様にしてマッチングを診断することが
できる。
ともエンジンの種類を特定可能なエンジン識別情報が適
宜出力可能に記憶されていることが望ましい。
手段から運転状態データとともにエンジン識別情報を出
力することで、エンジン識別情報によってエンジンの種
類を特定することができることから、エンジンの種類に
応じて航行負荷(ボートロード)の適正範囲等を想定し
て、的確なマッチングの診断を容易に行うことができ
る。
は、このような船外機の診断を支援する診断支援システ
ムであって、前記船外機の運転状態記憶手段から前記エ
ンジン識別情報および運転状態データを受信する受信手
段と、エンジンの種類別に各エンジンにおいて検出され
る運転状態データのデータ形式を記憶するデータ形式記
憶手段と、受信したエンジン識別情報に該当するエンジ
ンの種類における前記データ形式に基づいて、受信した
運転状態データを画面表示する表示手段とを備えたこと
を特徴とするものである。
によって収集・記憶される運転状態データは異なる。た
とえば診断の対象とする船外機の各エンジンにおいて何
が運転状態指標値とされているかはエンジンが備えるセ
ンサの種類、各センサにおける適正出力値の範囲等によ
ってことなる。また、エンジンの種類によって前記サン
プリング周期や記録時間、さらにエンジン回転数および
運転状態指標を組み合わせた運転領域区分が異なる。
システムによれば、エンジンの種類別に運転データのデ
ータ形式が記憶されており、船外機から受信したエンジ
ン識別情報により、適合するデータ形式に基づいて運転
状態データが画面表示されるため、船外機、船体、プロ
ペラ等のマッチングを判断する判断者はエンジンの種類
に応じた適切な表示を参照することができ、これにより
容易にマッチングの判断を行うことができる。
ては、エンジンの種類別に前記運転状態データの正常状
態基準データを記憶する正常状態基準データ記憶手段を
備え、前記表示手段は、受信した運転状態データととも
に、受信したエンジン識別情報に該当するエンジンの種
類における前記正常状態基準データを画面表示するよう
に構成されることが望ましい。
によって運転状態データの正常状態が異なる。このよう
な船外機に対して、上記診断支援システムによれば、エ
ンジンの種類別に運転データの正常状態基準データが記
憶されており、船外機から受信した運転状態データとと
もに、エンジン識別情報に適合する正常状態基準データ
が画面表示されるため、判断者はこの正常状態基準デー
タを参照して容易に適切な診断を行うことができる。
ムにおいては、受信したエンジン識別情報に該当するエ
ンジンの種類における前記正常状態基準データに基づい
て、受信した運転状態データが正常状態を示しているか
否かを診断する診断手段をさらに備え、その診断結果も
画面表示することが望ましい。
断結果を参照して診断者はさらに容易に診断を行うこと
ができる。
は、コンピュータを船外機の診断支援システムとして動
作させるべく、コンピュータに対して前記船外機の運転
状態記憶手段から前記エンジン識別情報および運転状態
データを受信する受信処理と、エンジンの種類別に各エ
ンジンにおいて検出される運転状態データのデータ形式
を記憶する記憶処理と、受信したエンジン識別情報に該
当するエンジンの種類における前記データ形式に基づい
て、受信した運転状態データを画面表示する表示処理と
を実行させるためのプログラムを記録したものである。
種類別に前記運転状態データの正常状態基準データを記
憶する正常状態基準データ記憶処理とを実行させる一
方、前記表示手段として、受信した運転状態データとと
もに、受信したエンジン識別情報に該当するエンジンの
種類における前記正常状態基準データを画面表示させる
ためのプログラムを記録したものである。
コンピュータを上述した船外機の診断支援システムとし
て好適に動作させることができる。
は、上述した船外機の診断を支援する診断支援システム
であって、前記船外機の運転状態記憶手段に記憶された
前記エンジン識別情報および運転状態データをネットワ
ーク回線を介して受信する受信手段と、エンジンの種類
別に各エンジンにおいて検出される運転状態データのデ
ータ形式を記憶するデータ形式記憶手段と、エンジンの
種類別に予め設定された担当者が使用する担当者端末の
アドレスを記憶するアドレス記憶手段と、受信したエン
ジン識別情報に該当するエンジンの種類における前記デ
ータ形式に基づいて、受信したエンジン識別情報に該当
するエンジンの種類に応じた担当者の担当者端末に対
し、受信した運転状態データを転送する転送手段とを備
えたことを特徴とするものである。
てエンジンの性格が異なるため、船体やプロペラとのマ
ッチングを診断するにあたっては、搭載されるエンジン
の種類に応じた専門知識を有する担当者が診断を行うこ
とが望ましい。このような担当者としては、船外機を開
発した開発者等がエンジンの種々の限界特性等を把握し
ていることからより望ましい。しかしながら船外機等は
一旦販売されれば海や湖にあって、従来、マッチング等
の診断のために適切な担当者が現地に赴くことは少な
く、この結果、適切なマッチングがなされているかを正
確に判断することはできなかった。
テムによると、船外機からエンジン識別情報と運転状態
データとはネットワーク回線を介して診断支援システム
に受信され、エンジン識別情報に該当するエンジンの種
類に応じた担当者の担当者端末に対し、そのエンジンの
種類に適合するデータ形式に基づいて転送されるため、
開発製造元等に置かれた診断支援システムから船外機が
遠く離れた世界各地の海や湖等にあっても、容易に診断
を受けることができる。また、診断を行う担当者が使用
する担当者端末に診断の材料となる運転状態データが転
送されるため、担当者が船外機がある現地や診断支援シ
ステムの近くにいなくても診断を行うことができるた
め、担当者の負担が軽減される。さらに、このように軽
い負担で診断を行うことができることから、診断するに
より適当な船外機を開発した開発者等を担当者としうる
可能性が高まる。
ては、エンジンの種類別に前記運転状態データの正常状
態基準データを記憶する正常状態基準データ記憶手段を
備え、前記転送手段は、受信した運転状態データととも
に、受信したエンジン識別情報に該当するエンジンの種
類における前記正常状態基準データを転送するように構
成されることが望ましい。
診断すべきエンジンの種類における正常状態基準データ
が転送されるため、診断を行う担当者が複数種類のエン
ジンを担当している場合であっても、担当者は診断すべ
きエンジンの種類における正常状態を確実に把握するこ
とができ、これにより容易にマッチング等の診断を行う
ことができる。
発明の実施形態にかかる船外機および船外機の診断シス
テムについて説明する。
発明にかかる船外機の全体を説明する。
態の説明図であり、同図(A)はエンジンの燃料供給系
の構成図、同図(B)は同図(A)のエンジンの縦断面
図、同図(C)はこの船外機の側面図である。図2は、
同エンジンの冷却系の構成図である。
で搭載されるエンジン2と、エンジン2の下端面に接続
されエンジン2を支持するガイドエキゾースト3と、ガ
イドエキゾスート3の下端面に接続されるアッパーケー
ス4およびロアケース5とから構成され、その下部にプ
ロペラ6が取り付けられるようになっている。
2サイクルエンジンであり、6つの気筒#1〜#6は平
面視でVバンクをなすように横置きでかつ縦方向に2列
に配設された状態でシリンダボディ7内に形成されてい
る。最上段の気筒#1内には、気筒#1内に供給される
混合気の空燃比を検出する空燃比センサ46が設けられ
ている。
(図示しない)が摺動自在に嵌合配置され、各ピストン
はクランク軸10に連結されている。このクランク軸1
0には、クランク軸の回転によって発電する発電機13
5が設けられている。また、このクランク軸10には、
クランク軸10の回転角(エンジン回転数)を検出する
エンジン回転数センサ43が設けられている。
ド8が連結固定されており、このシリンダヘッド8に
は、電磁力で開閉動作されるソレノイド式のインジェク
タ(燃料噴射弁)13および点火プラグ14が装着され
ている。各気筒#1〜#6は、それぞれ掃気ポート(図
示せず)によりクランク室12に連通され、また、気筒
#1〜#6には排気ポート15が接続されている。
ポート15は左集合排気通路16に、右バンクの排気ポ
ート15は右集合排気通路17に合流されている。前記
左右の集合排気通路の一方には、排気ガス中の酸素濃度
から空燃比を検出する空燃比センサ(O2センサ)11
2が設けられている。これら左右の集合排気通路16,
17は、エンジン2を搭載して支持する搭載台部材(ガ
イドエキゾースト3)を貫通し、その下面側のアッパー
ケース4内に形成された消音機能を有する膨張室(マフ
ラー)64に開口している。膨張室64は、プロペラ6
のボス部の排気口に連通しており、膨張室64に導かれ
た排気はこのプロペラ6のボス部から水中に排出される
ようになっている。膨張室64には排ガスの圧力(背
圧)を検出する背圧センサ38が設けられている。
吸気マニホールドから分岐する吸気通路19が接続され
ている。該吸気通路19には、逆流防止用のリード弁2
0が配設され、また、リード弁20の下流側には、エン
ジン内にオイルを供給し潤滑するためのオイルポンプ2
1が接続され、リード弁20の上流側には吸気量を調節
するためのスロットル弁22が配設されている。また、
この吸気通路19内の圧力(吸気負圧)を検出する吸気
負圧センサ121、吸気通路19内の温度を検出する吸
気温センサ44が設けられ、スロットル弁22には、ス
ロットル開度を検出するスロットル開度センサ45が設
けられている。
は、船体側に設置されており、手動式の第1の低圧燃料
ポンプ25を介して燃料ホース(燃料配管)131で船
外機1側と接続されている。この燃料タンク23内の燃
料はこの燃料ホース131を通って船外機1側に供給さ
れ、燃料フィルタ26にて燃料中に混入した水が分離さ
れた後、第2の低圧燃料ポンプ27に送られる。この燃
料フィルタ26には分離した水の量を検出する水検出セ
ンサ55が設けられている。
ン2のクランク室12のパルス圧により駆動されるダイ
ヤフラム式ポンプであり、気液分離機能を有する燃料タ
ンクであるベーパーセパレータタンク29に燃料を送り
こむ。ベーパーセパレータタンク29内には、電動モー
タにより駆動される燃料予圧ポンプ30が配設されてお
り、燃料を加圧し予圧配管31を経て左右各バンクの高
圧燃料ポンプ32a,32bに送る。この予圧配管31
とベーパーセパレータタンク29間には予圧圧力調整弁
39が設けられている。
間に設けた共通の例えばカム等からなるポンプ駆動装置
40により左右それぞれのプランジャ40a,40bを
介して交互に駆動されるようになっている。このポンプ
駆動装置40は、ベルト(図示しない)によりクランク
軸10に連結され、クランク回転に同期して各高圧燃料
ポンプ32a,32bを駆動する。
は、各気筒#1〜#6に沿って縦方向に配設された燃料
供給レール33a,33bに接続ホース(高圧燃料配
管)49を介して接続されている。この接続ホース49
には、燃料圧力(燃圧)を検出する燃圧センサ47が設
けられている。また、高圧燃料ポンプ32a,32bと
接続ホース49の間には高圧圧力調整弁35および燃料
冷却器(図示しない)が設けられ、戻り配管37介して
ベーパーセパレータタンク29に接続されている。
オイルタンク50は、船体側に設置され、船外機1側と
オイルホース132で接続されている。このサブオイル
タンク50に蓄えられたオイルは、オイルホース132
を介して船外機1側のオイル汲上げポンプ41により船
外機1側に配設されたメインオイルタンク51に導入さ
れる。このメインオイルタンク51には、オイル量を検
出するオイルレベルセンサ56が設けられている。
ランク軸10の回転により駆動されるポンプであり、エ
ンジン潤滑用のオイルをメインオイルタンク51から吸
気通路19内にオイルを供給するようになっている。
は、フィルタ52,プリミックス用オイルポンプ53、
チェック弁54を介してベーパーセパレータタンク29
に供給されるように構成されている。プリミックス用オ
イルポンプ53は、電磁ソレノイドで駆動する方式のも
のや電動モータにより駆動するタイプのポンプを採用す
ることができる。
はエンジン2により駆動される冷却水ポンプ18が設け
られており、ロアケース5に形成された冷却水取入口5
aから冷却水供給通路150に外部の水を冷却水として
吸い上げ、矢印付破線のようにエンジン2内のウォータ
ージャケット151を循環して各気筒#1〜#6を冷却
してから冷却水排出通路152に至る。そして、この冷
却水排出通路152から、一部はアッパーケース4内の
水壁63を形成してからアッパーケース4下部から外部
に排出される一方、大部分は前記膨張室64を通ったの
ちプロペラ6のボス部から排気ガスとともに水中に放出
するようになっている。なお水壁63はアッパーケース
4内に形成される排気系の膨張室(マフラー)64を取
り囲み、走行時水面上に位置するアッパーケース4の排
気ガスによる過熱を防止するようになっている。
上で開動作するサーモスタット153が設けられる一
方、冷却水供給通路150と冷却水排出通路152とは
プレッシャーコントロールバルブ154を介して互いに
連通している。このプレッシャーコントロールバルブ1
54は冷却水供給通路43内の圧力が予め設定した所定
圧力を上回ったときに開き、冷却水は冷却水供給通路か
ら冷却水排出通路に流れるようになっている。この構成
により、エンジン始動時等においてウォータージャケッ
ト151内の水温が所定温度に達するまでは、前記サー
モスタットが閉じて冷却水供給通路150内の圧力を高
め、新しい冷却水を冷却水供給通路150から冷却水排
出通路152に流し、新しい冷却水がウォータージャケ
ット151内に供給されて過冷却となることを防止する
ようになっている。
却水の温度を検出する冷却水温度センサー48および冷
却水の圧力を検出する冷却水圧力センサー155が設け
られている。
134は、船体側に設けられており、バッテリーケーブ
ル133を介して船外機1側に接続されている。このバ
ッテリ134は、船体側でユーザにより種々の電気器具
等が接続されて電力が消費されうるものである。
ン2の運転状態や船外機1の状態を示す各種センサから
の検出信号が入力される。
数)を検出するエンジン回転数センサ43、スロットル
弁22の開度を検出するスロットル開度センサ45,最
上段の気筒#1内の空燃比を検出する空燃比センサ4
6、排ガスの酸素濃度を検出する空燃比センサ(O2セ
ンサ)112、排気圧力を検出する背圧センサ38,吸
気通路19内の吸気負圧を検出する吸気負圧センサ12
1、燃料圧力(燃圧)を検出する燃圧センサ47、エン
ジンの冷却水の温度を検出する冷却水温センサ48、エ
ンジンの冷却水の圧力を検出する冷却水圧力センサ15
5、さらに、燃料フィルタ26で分離した水の量を検出
する水検出センサ55,オイルタンク51のオイル量を
検出するオイルレベルセンサ56、シリンダボディ温度
センサ57,吸気通路19内の温度を検出する吸気温セ
ンサ44,エンジンの姿勢を検出するトリムセンサ2
8,パルサーセンサ110,ノックセンサ111、およ
び外気温度センサ等の検出信号が入力される。
を制御マップに基づき演算処理し、制御信号をインジェ
クタ13,点火プラグ、予圧燃料ポンプ30,プリミッ
クス用オイルポンプ53、オイル汲上げポンプ41およ
び排気バルブ駆動モータ62に伝送して制御するように
なっている。
らの給電ケーブル136および船体側のバッテリ134
につながるバッテリケーブル133が接続され、エンジ
ン運転時には発電機135が発生した電力を船体側のバ
ッテリ134に送電するようになっている。また、EC
U42は、前記バッテリ134との接続により、バッテ
リ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段として機能する
ようになっている。
ロペラ、ユーザの使用形態等とのマッチング診断、船外
機と船体との艤装(リギング)の診断、さらに故障診断
について説明する。
めの運転状態データを適宜外部の診断支援システムに出
力可能になっており、このような機能は主としてECU
42が担うようになっている。すなわちECU42は上
述したエンジン1の運転制御に並行して診断に供するた
めの運転状態データの記録を行うものである。
構成について、図3を参照して説明する。
ウェア的には、CPU140と、CPU140内に設け
られたRAM141およびROM142と、タイマー1
43と、EEPROM144と、電源回路145と、入
力インタフェース146と、出力インターフェース14
7と、コネクタ148とを備えている。
を作業領域としてROM142等に記録されたプログラ
ムを実行することで、後述する種々の処理の中核をなす
ものである。なお内部RAM141のデータは船外機1
のメインスイッチがOFFされ、バッテリ134からの
電力供給が止まれば失われる。タイマー143はこの船
外機1(エンジン2)が運転を開始してからの累積運転
時間をカウントするとともに、後述する種々の処理にお
いて用いられる時間をカウントする。EEPROM14
4は不揮発性の書き込み可能なメモリであり、種々の運
転状態データやエンジン2の種類を示すエンジン識別情
報等が記憶される。
側部から引き出して通信ケーブル等を接続可能となって
おり、後述する診断支援システムにECU42に記録さ
れた運転状態データ等を出力する際や診断支援システム
から種々の入力を受ける際に、入力インタフェース14
6および出力インタフェース147とともに用いられる
ものである。また、このコネクタ149は船外機1外の
診断支援システム等から電力供給を受け、電源回路14
5が電力によってECU42を船体側のバッテリ134
によらずに動作可能となっている。
プリングデータ記録処理を停止させる記録停止命令を使
用者が入力するための記録停止スイッチ160が接続さ
れている。
定のサンプリング周期ごとに種々のセンサーの出力値等
を運転状態を記録するサンプリングデータ記録機能(運
転状態記憶手段)と、エンジンの運転領域区分ごとに累
積運転時間を記録する累積運転時間記録機能(運転状態
記憶手段)と、種々のセンサーの出力値等からエンジン
2の各部位が故障状態に陥っていないかを検出する故障
検出機能(故障検出手段)とを備えている。また、この
ECU42は、後述する診断支援システムによる各種診
断に供するため、エンジンの種類を特定可能なエンジン
識別情報を適宜出力可能な状態で記憶する機能(運転状
態記憶手段)を備えている。これら各機能は、CPU等
のECU42が備える各ハードウェア要素によって実現
されている。
録時間にわたって所定のサンプリング周期ごとに複数の
時点におけるエンジン回転数と、スロットル開度、空燃
比、排ガスの背圧、吸気の吸気負圧等の運転状態指標値
と、バッテリ電圧、燃料圧、冷却水温度および冷却水圧
力等とを運転状態データとして記録する機能である。こ
のサンプリングデータ記録機能は、原則として最新の前
記記録時間分の運転状態データを所定のサンプリング周
期が到来するごとに更新しながら記録するようになって
いる。
ば、エンジン回転数等が変化していない部分をもって航
行状態が定常状態にあることを確認することができ、こ
の定常状態における運転状態データを、船外機、船体お
よびプロペラ等のマッチングや船外機と船体とのリギン
グや船外機等における故障状態を診断する基礎データと
して扱うことができる。
分、サンプリング周期は1分としており、1分おきに1
3時点での運転状態データを記録する。
得る可能性を高めるため、また定常状態であることを確
認するためには長い方がよい。この記録時間を15秒以
上とすれば、15秒の間隔をおいた時点での運転状態デ
ータが得られるため、定常状態にあるのか緩加減速中に
あるのかを識別することができる。また、記録時間を2
分以上、さらに好ましくは5分以上とすれば、エンジン
運転中に運転状態データを更新し続けても、エンジン停
止後(停船後)において、船舶が沖合で滑走状態中の定
常状態にある運転状態データを得られる可能性が高く、
より望ましい。
にあることを確認するためには短い方がよい。このサン
プリング周期を2分以下、さらにこの実施形態のように
1分以下とすれば、各サンプリング周期の間において急
加減速されていないことを確認することができ、より好
ましい。
いてエンジン回転数とともにその値を判別することによ
って、この船外機が取り付けられた船舶の航行負荷(ボ
ートロード)を診断可能なエンジンの運転状態を示すセ
ンサー出力値等である。このような運転状態指標値とし
ては、上述したようにスロットル開度、空燃比、排ガス
の背圧、吸気の吸気負圧等を挙げることができる。
または吸気負圧等に対するエンジン回転数をみれば、そ
れぞれ航行負荷(ボートロード)を想定することができ
ることから、これによって船外機、船体およびプロペラ
等のマッチングを診断することができる。
ットル開度とエンジン回転数との関係を概念的に示して
いる。縦軸のスロットル開度はスロットル開度センサか
らの電圧による出力値をそのまま示している。この図に
示すように定常状態におけるスロットル開度とエンジン
回転数の関係は、船外機ごとに性能ポテンシャルを充分
に発揮するため、推奨される正常範囲が決まっているも
のである。
ル開度を大きくする)とエンジン回転数は上がるもので
あるが、この上がり方が程度が正常範囲より大きすぎる
場合、すなわち同図において正常範囲より右下側にある
場合には、航行負荷(ボートロード)が適正値より小さ
すぎる軽荷状態であると分かる。一方、スロットル開度
に対するエンジン回転数の上がり方の程度が正常範囲よ
り小さすぎる場合、すなわち同図において正常範囲より
左上側にある場合には、航行負荷(ボートロード)が適
正値より大きすぎる重荷状態であると分かる。
ン)に対して船体が小さすぎる、積み荷を含む船体が軽
すぎる、プロペラが小さすぎる、あるいはプロペラが摩
耗等によって小さくなっているなど、船外機、船体、プ
ロペラさらに使用形態とのマッチング不良が考えられ
る。
ンジン)に対して船体が大きすぎる、積み荷を含む船体
が重すぎる、プロペラが大きすぎるなど、船外機、船
体、プロペラさらに使用形態とのマッチング不良が考え
られる。
で4000rpmあたりでグラフが急激に立ち上がって
いるのは、船舶が滑走状態になり、航行負荷(ボートロ
ード)が減少するからである。
関係を概念的に示している。この図に示すように定常状
態における背圧とエンジン回転数との関係も、船外機ご
とに性能ポテンシャルを充分に発揮するため、推奨され
る正常範囲が決まっている。具体的にはエンジン回転数
が低いときには低速であるから背圧は正値をとっている
が、エンジン回転数が上がって船速が増すと、プロペラ
のボス部の排気口がプロペラの後流に引っ張られて負圧
となる。そしてさらにエンジン回転数が上がれば排気ガ
ス量が増すために再び正値となる。
な関係に対し、エンジン回転数に対して背圧が負側(マ
イナス側)に外れている場合、すなわち同図において正
常範囲より下側にある場合には、エンジン回転数に対し
て船速が上がりすぎていることを示しており、航行負荷
(ボートロード)が適正値より小さすぎる軽荷状態であ
ると分かる。一方、背圧とエンジン回転数との正常な関
係に対し、エンジン回転数に対して背圧が正側(プラス
側)に外れている場合、すなわち同図において正常範囲
より上側にある場合には、エンジン回転数に対して船速
が十分に上がっていないことを示しており、航行負荷
(ボートロード)が適正値より大きすぎる重荷状態であ
ると分かる。これにより、スロットル開度とエンジン回
転数との場合と同様にして船外機、船体、プロペラさら
に使用形態とのマッチングを診断することができる。
との関係を概念的に示している。この図に示すように定
常状態における吸気負圧とエンジン回転数との関係も、
船外機ごとに性能ポテンシャルを充分に発揮するため、
推奨される正常範囲が決まっている。具体的には、吸気
負圧は上述した背圧とエンジンの燃焼部を介して上流側
と下流側に位置していることから、上述した背圧と同様
にして航行負荷(ボートロード)を判断し、船外機、船
体、プロペラさらに使用形態とのマッチングを診断する
ことができる。
回転数の関係においても、空燃比は上述した吸気負圧の
影響を受けるものであるから、上述した吸気負圧等と同
様にして航行負荷(ボートロード)を判断し、船外機、
船体、プロペラさらに使用形態とのマッチングを診断す
ることができる。なお、空燃比はエンジンに供給される
混合気から燃料と空気との割合を直接検出するセンサ
や、エンジンからの排ガスにおける酸素量を検出するこ
とで間接的に空燃比を検出するセンサ等によって検出さ
れるいずれの値を用いてもよい。また空燃比とエンジン
回転数との関係においてマッチングを診断する場合に
は、船外機のエンジンが空燃比に応じてフィードバック
制御されているときにおいて特に有効である。
における燃圧(燃料圧力)とエンジン回転数との関係を
みれば、船外機と船体との燃料系におけるリギングの良
否を診断することができる。すなわち、燃圧はエンジン
回転数によって若干変動するものの、エンジンが定常状
態で運転中であれば燃圧は略一定の適正範囲(正常範
囲)に収まるものであるから、燃圧がこの適正範囲から
外れていれば、この原因が燃料系のリギングにある可能
性を疑うことができる。
状態であるのに燃圧が正常範囲より低い場合には、エン
ジンに必要十分な燃料が供給されにくい状態となってい
ることが推察される。このような具体的な原因として
は、燃料ホース131の長さが長すぎる、燃料ホース1
31の径が小さすぎる、船体側で燃料タンク23の位置
等が低すぎる、燃料系にユーザが装着したフィルタや燃
料経路切替弁等のアクセサリが不適切であるなどによ
り、燃料を送り込む際の流動抵抗が大きいことが考えら
れ、このような原因を推察するとともに、不適切な艤装
(リギング)状態にあることを診断することができる。
ンジン回転数との関係をみれば、船外機と船体との電気
系におけるリギングの良否を診断することができる。す
なわち、船外機1が備える発電機135の発電能力はエ
ンジン回転数によって変動し、一般にエンジン回転数が
上がれば発電量が増し、エンジン回転数が下がれば発電
量が減るものであるが、正常な状態であればエンジン回
転数に応じた適正範囲にある。このため、エンジン回転
数が略一定の定常状態にあるにもかかわらず、バッテリ
電圧が適正範囲を外れていれば、この原因が電気系のリ
ギングにある可能性を疑うことができる。
態にあるのにバッテリ電圧が正常範囲より低い場合に
は、電力が適正量以上に何処かで消費されていることが
考えられる。このような具体的な原因としては、船外機
側の発電能力に対して、船体側で種々の電気器具等に電
気を使いすぎている場合がある。また、エンジンが低速
運転中で定常状態にあるのにバッテリ電圧が正常範囲よ
り低い場合には、高速運転時の充電が十分になされてい
ないことが考えられる。このような具体的な原因として
は、バッテリの容量が小さすぎる、バッテリが劣化して
いる、あるいは十分に充電できるだけの高速運転があま
りなされていない場合などがある。また、エンジンが運
転中であるのに、バッテリ単体でのバッテリ電圧が検出
される場合には、発電機の異常(故障)や、ケーブルの
断線等の故障が推察される。
リ電圧とエンジン回転数との関係をみれば、船外機と船
体との電気系におけるリギングの良否や、電気系の故
障、さらにはユーザの使用形態と船外機とのマッチング
等を診断することができる。
ジン回転数との関係をみれば、船外機と船体との冷却系
における故障等を診断することができる。すなわち、冷
却水温度はエンジンの運転開始直後は低いが、エンジン
運転開始からある程度の時間が経過したのちは、エンジ
ン回転数が定常状態にあれば、略一定の適正範囲に収ま
るものであるから、冷却水温度がこの適正範囲から外れ
ていれば、この原因が冷却系の異常(故障)にある可能
性を疑うことができる。
状態にあるのに冷却水温度が正常範囲より高い場合に
は、冷却水を取り込む冷却水取入口5aのゴミ詰まり
や、冷却水ポンプ18内のインペラが摩耗しているなど
の原因で、必要なだけの冷却水が取り込まれていない場
合がある。また、エンジンが低速運転中で定常状態にあ
るのに冷却水温度が正常範囲より低い場合には、サーモ
スタット153が固着したりゴミを噛むなどの原因によ
り、冷却水が必要以上にエンジン2を循環して過冷却に
なっていることが考えられる。また、エンジン回転数が
変動しているにもかかわらず冷却水温度が正常範囲より
大きくずれたまま変動しない場合には冷却水温度センサ
48の異常(故障)が考えられる。
ジン回転数との関係をみても、船外機と船体との冷却系
における故障等を診断することができる。すなわち、冷
却水を供給する冷却水ポンプ18はエンジン2のクラン
ク軸10によって駆動されるため、冷却水圧力はエンジ
ン回転数によって変動するが、定常状態で正常であれ
ば、冷却水圧力はエンジン回転数に応じた適正範囲にあ
る。図7は、エンジン回転数と冷却水圧との関係を示し
ている。エンジン回転数が略一定の定常状態にあるにも
かかわらず、冷却水圧力が適正範囲を外れていれば、冷
却系に異常(故障)がある可能性を疑うことができる。
にエンジン回転数によらず冷却水圧が正常範囲より高い
場合や、エンジンが中高速運転中に冷却水圧が正常範囲
より低い場合は、サーモスタット153が固着したりゴ
ミを噛むなどの異常(故障)をきたしている場合があ
る。また、エンジン2が中高速運転中でのみ冷却水圧力
が正常範囲より低い場合には、冷却水を取り込む冷却水
取入口5aのゴミ詰まりや、冷却水ポンプ18内のイン
ペラが摩耗している場合がある。また、エンジン回転数
が変動しているにもかかわらず冷却水圧力が正常範囲よ
りずれたまま変動しない場合には冷却水圧力センサ15
5の異常(故障)が考えられる。
能においては、後述するように、運転状態データとして
上記エンジン回転数と、運転状態指標値としてのスロッ
トル開度および空燃比(排ガスの酸素濃度)と、燃圧、
バッテリー電圧、冷却水温度を記録するようになってい
る。
時において、エンジン回転数および前記運転状態指標値
の組み合わせが、複数に区分した運転領域区分のいずれ
にあるのかを識別して、各運転領域区分ごとの累積運転
時間に加算していくものである。
ついて予め複数に区分したエンジン回転領域と、運転状
態指標値を予め複数に区分した運転状態指標値域とを組
み合わせてなるものである。したがって、各運転領域区
分は、エンジン回転数と運転状態指標値とを組み合わせ
てなるものであるから、それぞれおよそ所定の航行負荷
(ボートロード)のもとでの運転状態を示している。
と、記録された各運転領域区分後との累積運転時間を適
宜出力させることにより、どのような航行負荷(ボート
ロード)のもとで、どの程度運転されたのかを容易に判
断することができ、これにより、各使用者(ユーザ)の
使用形態と船外機、船体およびプロペラ等とのマッチン
グを診断することができる。
転状態指標値としては、スロットル開度、空燃比、排ガ
スの背圧、吸気の吸気負圧等を挙げることができるが、
この実施形態においては、後述するように、運転状態指
標値として、スロットル開度を用いるようになってい
る。
等が明らかな異常値を示している場合などに、故障状態
を検出したことをサンプリングデータ記録機能等に提供
するとともに、故障の項目を示す故障コードを生成し、
これを不揮発性メモリ(EEPROM144)に故障検
出時刻(累積運転時間の積算値)とともに故障記録デー
タとして適宜出力可能に記録するものである。
示している場合とは、バッテリ電圧が0である場合や、
冷却水温度が異常に高まりオーバーヒートが起こりうる
直前の状態を検出した場合など、通常起こり得ない状態
を示す値である場合である。このような異常は、センサ
の故障のほか、種々の故障が含まれる。
ータ記録機能によるサンプリングデータ記録処理につい
て、図8に示すフローチャートを参照しながら説明す
る。
ンスイッチがONされることによって開始される(ステ
ップS10)。
が判断される(ステップS12)。具体的には、エンジ
ン2のアイドリング回転数より小さい所定の回転数(例
えば350rpm)をしきい値として記憶しておき、エ
ンジン回転数センサ43によって検出されるエンジン回
転数が、このしきい値を上回っているか否かによってエ
ンジン2が運転中であるか否かが判断される。
S12でNO)メインスイッチがOFFされたか否かが
判断され(ステップS14)、OFFされれば(ステッ
プS14でYES)、サンプリングデータ記録処理を終
了する。ONされたままであれば(ステップS14でN
O)、ステップS12に戻りエンジン2が運転されるま
で繰り返す。
12でYES)、運転状態データがECU140のRA
M141に記録される(ステップS16)。上述したよ
うに、この実施形態では、この運転状態データとして、
エンジン回転数、スロットル開度、空燃比、バッテリ電
圧、燃料圧および冷却水温度が含まれる。
継続しているかが上記ステップS12と同様にして判断
され(ステップS18)。エンジン2が運転中(運転を
継続している状態)であれば(ステップS18でYE
S)、故障検出を示す故障コードが表れているか否かが
判断され(ステップS20)、故障が検出されていなけ
れば(ステップS20でNO)、記録停止入力の有無が
判断され(ステップS22)、記録停止入力がなければ
(ステップS22でNO)、前回の運転状態データの記
録から所定のサンプリング周期(この実施形態では1
分)が経過したか否かが判断される(ステップS2
4)。所定のサンプリング周期が経過していなければ
(ステップS24でNO)、所定のサンプリング周期が
経過するまでステップS18〜S24を繰り返す。
(ステップS24でYES)、ステップS16に戻っ
て、そのときの運転状態データがRAM141に記録さ
れる。この実施形態では上述したように所定の記録時間
として13分間が設定され、13分間分の1分おき13
セットの運転状態データが記録されるように構成されて
いる。このため、すでに13分間(13セット)の運転
状態データ記録されていれば、13分前の古いデータは
破棄する代わりに現在の運転状態データを記憶すること
で運転状態データを更新し、常時、最新の13分間の運
転データが記録されるようになっている。
タを更新しながら記憶している途中で、エンジンが運転
停止する(ステップS18でNO)、故障が検出される
(ステップS20でYES)、または記録停止入力がな
される(ステップS22でYES)のいずれかに該当す
れば、RAM141に記録されている運転状態データを
EEPROM144に転送して記憶させ(ステップS2
6)、サンプリングデータ記録処理を終了する。こうし
て運転状態データをEEPROM144に記憶させてお
くことにより、メインスイッチがOFFにされ、RAM
141への電力供給が絶たれることでRAM141のデ
ータが消失しても、不揮発性のEEPROM144から
運転状態データを出力することができるようになってい
る。
止されれば運転状態データの更新を終了することによ
り、停船前の最新の運転状態データを残すことができ
る。
ータの更新を終了することにより、故障が生じる直前の
運転状態データを残すことができる。
状態データの更新を終了することにより、ユーザが希望
する時点の直前の運転状態データを残すことができる。
運転状態データは、後述するように適宜診断システムに
出力され、船外機、船体、プロペラ、さらにはユーザの
使用形態とのマッチング診断や、リギング(艤装)診
断、さらに故障原因の診断等に供される。
によって記録された運転状態データの一例である。
エンジン回転数(Engine speed)[rpm]、第2列は
燃料圧力(Fuel pressure)[MPa]、第3列はバッ
テリー電圧(Battery)[V]、第4列は空燃比(Oxyge
n sensor)[V]、第5列はスロットル開度(TPS volt
age)[V]、第6列は冷却水温(Water)[度]をそれ
ぞれ示している。また各行は、第2行目から最下行に向
かって順に新しい運転状態データを示しており、第2行
目が13分前、第3行目が12分前、…最下行が1分前
(最新)のデータを示している。
態データの前半(略上半分)はエンジンが高速回転状態
にあり、たとえば沖合等を走行していた状態であろうこ
とを示し、後半(略下半分)は、エンジンが低速回転で
ほぼアイドリング状態にあり、たとえば港湾等に帰って
きて低速で船着き場に走行していた状態であろうことを
示している。
800rpmの3分間は、エンジン回転数が略一定であ
るからほぼ定常状態を示していると考えられる。したが
って、このときのエンジン回転数に対し、燃圧、バッテ
リー電圧、空燃比、スロットル開度および冷却水温度を
みれば、上述した各項目ごとの種々の診断を行うことが
できる。また、これら各項目の相関関係をみれば、さら
に詳細に船外機を含む船舶がどのような状態にあったの
かを判断することも可能である。
表示すれば、より容易に船外機の状態等を把握すること
が可能になる。
理によって記録されたエンジン回転数とスロットル開度
との関係の時間変化を示すグラフの一例である。
常状態にある部分を容易に把握することができるととも
に、スロットル開度に対するエンジン回転数の関係を視
覚的に容易に把握することができる。
において、エンジン回転数に対するスロットル開度が適
正範囲にあることから、船外機、船体およびプロペラは
適切なマッチングがなされていると診断できる。
よって記録されたエンジン回転数と、バッテリ電圧およ
び燃料圧力との関係を示すグラフの一例である。
常状態をとっている場合において種々のエンジン回転数
に対する各項目の値を、時間軸をとらずにプロットした
グラフを作成すれば、各エンジン回転数において、各項
目の値がどのように推移するかが容易に把握できる。
速から高速までバッテリ電圧がほぼ正常な範囲の一定値
にあることから電気系について適正なリギングがなされ
ていると診断でき、またエンジン回転数に追随して燃圧
がやや高まりながらもほぼ正常な範囲に収まっているこ
とから燃料系について適正なリギングがなされていると
診断できる。
理によって記録されたスロットル開度に対するエンジン
回転数および冷却水温度の関係を示すグラフの一例であ
る。
ジン回転数とスロットル開度との関係を求めれば、どの
程度のスロットル開度で船舶が非滑走状態から滑走状態
に至ったかを容易に把握することができ、これにより簡
単に航行負荷(ボートロード)を把握し、船外機と船体
とのマッチングを簡便に判断することができる。
を識別した上で、冷却水温度をみれば、より船舶の運転
状態を詳細に検討することが可能となる。
350rpmというごく低い回転数で判別することによ
りエンジン2が運転中であるかどうかを判断し、エンジ
ン運転中は原則としてサンプリングデータ記録処理を行
うようにしたが、例えばアイドリング回転数より高い回
転数で判別することとすれば、エンジン2がアイドリン
グ回転以上(たとえば1000rpm)で運転中の運転
状態データのみを記録することも可能である。また、滑
走状態においてとりうるエンジン回転数の下限値(たと
えば3000rpm)で判別することとすれば、船舶が
滑走状態にあるときの運転状態データのみを記録するこ
とも可能である。
データ記録処理のフローチャートである。この処理手順
は、上述した図8の場合と、ステップS12およびステ
ップS18を除き同一であり、これらステップS12,
ステップS18もエンジン回転数と比較する所定回転数
が異なるだけである。
数を適宜設定することにより、所定の運転状態にある場
合の運転データのみを容易に記録することができる。
録機能による累積運転時間記録処理について、図14に
示すフローチャートを参照しながら説明する。
ッチがONされることによって開始される(ステップS
50)。
が判断される(ステップS52)。具体的には、エンジ
ン2のアイドリング回転数より小さい所定の回転数(例
えば350rpm)をしきい値として記憶しておき、エ
ンジン回転数センサ43によって検出されるエンジン回
転数が、このしきい値を上回っているか否かによってエ
ンジン2が運転中であるか否かが判断される。
S52でNO)メインスイッチがOFFされたか否かが
判断され(ステップS54)、OFFされれば(ステッ
プS54でYES)、累積運転時間記録処理を終了す
る。ONされたままであれば(ステップS54でN
O)、ステップS12に戻りエンジン2が運転されるま
で繰り返す。
52でYES)、現在の運転領域区分が識別される(ス
テップS56)。この実施形態においては、上述したよ
うに、運転状態指標値としてスロットル開度を用いるた
め、この運転領域区分は、複数に区分したエンジン回転
領域と複数に区分したスロットル開度領域とを組み合わ
せてなるものである。したがって、現在の運転領域区分
は、現在のエンジン回転数とスロットル開度の組み合わ
せが、2次元的に複数に区分された運転領域区分のいず
れの領域に該当するかによって識別される。
ば、これがRAM141に一時記憶される(ステップS
58)。
継続しているかが上記ステップS52と同様にして判断
され(ステップS60)、エンジン2が運転中(運転を
継続している状態)であれば(ステップS60でYE
S)、さらに上記ステップS56と同様にして現在の運
転領域区分が識別され(ステップS62)、現在の運転
領域区分がRAM141に一時記憶されている運転領域
区分から変わったか否かが判断される(ステップS6
4)。
ップS64でNO)、ステップS58における運転領域
区分のRAM141への一時記憶から所定時間(例えば
30秒)が経過したか否かが判断される(ステップS6
6)。経過していなければ(ステップS66でNO)、
所定時間を経過するまでステップS60〜S66を繰り
返す。
6でYES)、EEPROM144上に構成されている
運転領域区分後との累積運転時間記録(運転状態データ
の一部)において、所定時間(30秒間)にわたって変
化しなかった現在の運転領域区分に、この所定時間を累
積運転時間として加える(ステップS68)。そして再
びステップS58に戻って、上記処理を繰り返す。
区分が変わった場合には(ステップS64でYES)、
ステップS58に戻って、再び現在の運転領域区分をR
AM141に一時記憶し直してから上記処理を繰り返
す。
2の運転が停止されれば(ステップS60でNO)、こ
の累積運転時間記録処理を終了する。
区分が変化しなかった場合に限り、この運転時間をEE
PROM144上の累積運転時間に加えるようにしてい
るため、加速時や減速時等の運転状態の過渡期を除いた
定常状態における運転時間のみで各運転領域区分の累積
運転時間を構成することができるようになっている。こ
れにより、過渡期に生じやすい不適正な航行負荷(ボー
トロード)を示すデータを排除することができる。
運転状態データは、後述するように適宜診断システムに
出力され、船外機、船体、プロペラ、さらにはユーザの
使用形態とのマッチング診断や、リギング(艤装)診
断、さらに故障原因の診断等に供される。
は、所定時間が経過するごとにEEPROM144上の
累積運転時間記録を書き換えたが、エンジン運転中はR
AM141上に記録しておき、エンジン停止後において
まとめてEEPROM144を書き換えるようにしても
よい。この場合、予めメインスイッチがONされた際等
において、累積運転時間記録を含むEEPROM144
上の運転状態データをRAM141上に転送しておき、
エンジン停止後においてRAM141上の運転状態デー
タをEEPROM144に転送して書き換えるようにし
てもよい。
って記録された運転状態データの一例である。
500rpmごとに複数に区分けした各エンジン回転数
領域を示し、各行は運転状態指標値としてスロットル開
度をエンジン回転角センサ43の出力値で0.5V、対
応する角度で10°ごとに複数に区分けした各運転状態
指標領域を示している。
様に、エンジン回転数とスロットル開度との間には適正
な航行負荷(ボートロード)であるマッチングが適正な
正常範囲(推奨使用領域)があり、この領域から外れて
いれば、不適正な航行負荷(ボートロード)で運転され
たものと診断しうる。
〜80°度でエンジン回転数が3500〜4000rp
mの定常状態にあった累積運転時間が2.1時間も記録
されており、荷重荷での運転がなされたことを示す。ま
た、スロットル開度が50〜60°でエンジン回転数が
5500〜6000rpmの定常状態にあった累積運転
時間が2.9時間も記録されており、過軽荷での運転が
なされたことを示す。
転時間を示す運転状態データを記録すれば、船外機、船
舶、プロペラのマッチングが適正あるいは不適正な状態
でどの程度の時間運転がなされたのかを判断することが
できる。また、これにより各ユーザの使用形態を推察し
て、各ユーザの使用形態とのマッチングも診断すること
ができる。さらに、記録された運転領域区分がすべて正
常範囲(推奨使用領域)にあっても各ユーザがどのよう
な運転領域区分で使用しているかが分かり、高速運転に
適したエンジンや低速運転に適したエンジンなど、エン
ジンの種類ごとの特性に応じた使用がなされているかも
判断することができる。
データを記録可能な船外機に対して、記録された運転状
態データに基づき船外機の診断を行う診断支援システム
について説明する。
の構成を説明するための構成説明図である。
ムは、それぞれ独立して使用可能な2段階の診断支援シ
ステムから構成されている。すなわち、船外機1に直接
接続して診断を行うパーソナルコンピュータ等からなる
第1段目の診断支援システム200と、この第1段目の
診断支援システム200にネットワーク回線300を介
して接続されて診断を行うサーバコンピュータ等からな
る第2段目の診断支援システム400である。
ついて説明する。
外機1がある海や湖等の現場に持ち込んで行う診断(簡
易診断)を支援するものであり、現場近くで船舶および
船外機のメンテナンス等を行うサービスショップ等が使
用する。この診断支援システム200は、ハード的には
現場に持ち込みやすいように形態可能なノート型パーソ
ナルコンピュータ等から構成され、機能的には、受信手
段201と、データ形式記憶手段202と、正常状態基
準データ記憶手段203と、表示手段204等を備えて
いる。
ブル230を介して船外機1に記録された運転状態デー
タおよびエンジン識別情報等を受信するものである。こ
の受信手段201は、船外機1(ECU42)に対して
運転状態データ等の出力指示等を行う送信機能も備えて
いる。また通信ケーブル230は、船外機1のECU4
2が備えるコネクタ148に接続され、船外機1のエン
ジン2が停止状態にあってもECU42が動作可能なよ
うに電力供給を行うことができるように構成されてい
る。
エンジンについて、種類別に各エンジンにおいて検出さ
れる運転状態データのデータ形式を記憶するものであ
る。具体的には、たとえば、エンジンの種類によって異
なりうる運転状態指標値(たとえばスロットル開度)
や、設けられたセンサによる運転状態データの項目数
や、各運転状態データの出力値の範囲、さらにサンプリ
ングデータ記録処理におけるサンプリング周期や記録時
間、累積運転時間記録処理における運転領域区分や運転
状態指標の種類等に応じて、適切なデータ形式(表示フ
ォーマット)が記憶される。
ンジンの種類によって異なる運転状態データの正常値の
範囲等を正常状態基準データとして記憶するものであ
る。
情報に該当するエンジンの種類を特定し、特定したエン
ジン種類に応じた適切な上記データ形式を用いて、受信
した運転状態データをモニタ等に表示するとともに、特
定したエンジン種類に応じた正常状態基準データをモニ
タ等に表示するものである。
ナルコンピュータ上に構成するためのプログラムはCD
−ROM等の記録媒体250に記録されており、適宜パ
ーソナルコンピュータ内にインストールして、診断支援
システム200が構成されるようになっている。なお、
エンジン種類によって異なるデータ形式や正常状態基準
データ等は全てをインストールすることなく、必要に応
じて必要なエンジン種類のデータを記録媒体250から
参照するようにしてもよい。
00による診断支援の手順においては、まず、船外機1
の上面等のカバーを開けてコネクタ148が取り出さ
れ、ここに診断支援システム(パーソナルコンピュー
タ)200に接続された通信ケーブル230が接続され
る。
げられ、モニタ(表示手段)205に表示された所定の
メニュー画面等において、診断者が船外機1からの運転
状態データ等のダウンロードを指示すれば、診断支援シ
ステム200から船外機1のECU42に運転状態デー
タの送信要求がなされ、診断支援システム200はEC
U42から記録された運転状態データ、故障記録データ
とともにエンジン識別情報を受信する。
テム200は当該船外機1に搭載されているエンジン2
の種類を識別し、さらに診断者から各種の項目について
の画面表示が指示されると、識別したエンジン種類に応
じたデータ表示形式で受信した運転状態データを画面表
示する。この例としては、サンプリングデータ記録処理
において記録された運転状態データは、上述した図9〜
図12、累積運転時間記録処理において記録された運転
状態データとしては上述した図15を挙げることができ
る。
転状態データとともに、識別したエンジン種類に応じた
正常状態基準データを画面表示する。この例としては、
上述した図4〜図7を挙げることができる。
うして船外機1が記録した運転状態データを船外機が備
えるエンジンの種類に応じた適切なデータ形式で表示す
ることで、診断者は容易に診断を行うことができる。
準データを画面表示するため、診断者は、この正常状態
基準データを参照して記録された運転状態データを容易
に診断することができる。
診断者からの指示により、船外機1のECU42が記録
している故障記録データを画面表示させたり、現在の各
種センサの出力値やエンジンの状態をモニターする機能
も備えている。
cord)と、現在の各種センサの出力値(Diagnosis)の
画面出力例である。この例においては、現在各種センサ
は全て正常に動作しており、また故障記録はないことが
分かる。
Monitor)の画面出力例である。この例においては、エ
ンジン2は停止していることのほか、各種のエンジン2
の状態を示すセンサの出力値等がリアルタイムに出力さ
れている。
このようなエンジン2の状態を出力したまま、ECU4
2から点火プラグ14にテスト用の制御信号を送らせ、
画面表示やエンジン傍で点火音を確認することにより点
火が正常に行われているかをテストしたり、エンジン2
の1つの気筒を休止した状態でエンジンを運転させ、そ
のときのエンジン回転数の変化等を画面表示で確認する
ことにより、休止した気筒が正常に動作しているか否か
をテストする機能等を備えている。
テム200による診断は、海や湖等の現場近くで行われ
るものであるから、診断者が必ずしも診断の対象とする
船外機等について十分な知識がない場合があり、このた
め十分な診断が行えず、故障や不具合の牽引が解明でき
ない場合もあり得る。そこで、このような場合には、第
2段目の診断支援システム400によってさらなる診断
が行われる。
について説明する。
外機1がある海や湖等の現場から離れた場所等において
行われる診断(詳細診断)を支援するものである。この
第2段目の診断支援システム400は、上述したように
現場では解明できなかった診断を詳細に行うものである
から、船外機1についてより高度な知識と経験を有する
船外機1を開発、製造した製造メーカ等が使用する。
にはインターネット等のネットワーク回線300に接続
された大型コンピュータからなるサーバコンピュータ等
によって構成され、機能的には、受信手段401と、デ
ータ形式記憶手段402と、アドレス記憶手段403
と、正常状態基準データ記憶手段404と、転送手段4
05等を備えている。
種類の船外機を開発、設計した各船外機の特性等につい
て熟知している専門家に、具体的な診断を行わせるもの
であり、このため、このような専門家を担当者として各
担当者が使用する担当者端末410,420…と通信回
線等で接続されている。
上述した第1段目の診断支援システム200から、ネッ
トワーク回線300を介して船外機1が記録した運転状
態データおよびエンジン識別情報等を受信するものであ
る。
エンジンについて、種類別に各エンジンにおいて検出さ
れる運転状態データのデータ形式を記憶するものであ
る。具体的には、上述したデータ形式記憶手段202と
同様に構成される。
に、各種類の船外機を開発、設計した専門家(担当者)
が使用する担当者端末410,420…にデータ等を転
送するために必要なアドレスを、エンジンの種類別に記
憶するものである。なお、このアドレスとしては、各担
当者端末410,420…を特定し、データ転送を行い
うる情報であれば、任意の公知の情報を採用することが
できる。
ンジンの種類によって異なる運転状態データの正常値の
範囲等を正常状態基準データとして記憶するものであ
る。この正常状態基準データ記憶手段404は、船外機
を開発した製造メーカ等において用いられるものであ
り、船外機1について高度な診断を行うため、上述した
サービスショップ等が使用する第1段目の診断支援シス
テム200における正常状態基準データよりも、詳細な
ものであることが望ましい。
情報に該当するエンジンの種類に応じた担当者(専門
家)の担当者端末410,420…のアドレスを用い
て、該担当者端末410,420…に対し、このエンジ
ンの種類に応じた適切な上記データ形式を用いて受信し
た運転状態データを転送するとともに、このエンジンの
種類に応じた前記正常状態基準データを転送するもので
ある。
00においては、まず第1段目の診断支援システム20
0から運転状態データ、故障記録データとともにエンジ
ン識別情報を受信する。診断支援システム400は、こ
のエンジン識別情報によりエンジン2の種類を識別し、
識別されたエンジン種類の正常状態データとともに、識
別したエンジン種類に応じたデータ表示形式で受信した
運転状態データを識別されたエンジン種類の担当者の担
当者端末410,420…に対して転送する。
診断すべきエンジンの種類における正常状態基準データ
が転送されるため、診断を行う担当者が複数種類のエン
ジンを担当している場合であっても、担当者は診断すべ
きエンジンの種類における正常状態を確実に把握するこ
とができ、これにより容易にマッチング、リギング及び
故障等の診断を行うことができる。
ング、リギング、故障原因等の診断が行われれば、この
診断結果は、電話、FAX、電子メール等、種々の情報
送信手段を介して現場に送られる。
支援システム400を介して第1段目の診断支援システ
ム200に返送するため、転送手段は前記転送手段40
5は、担当者端末410,420…から送られる診断結
果を受信する機能を有し、また前記受信手段401は、
この診断結果をネットワーク回線300を介して、第1
段目の診断支援システム200に送信する機能を有する
ように構成することが望ましい。
が、本発明にかかる船外機および船外機の診断支援シス
テムは、上記実施形態に限定されるものではなく、以下
のように構成してもよい。
の診断支援システム200を停船中の船舶の船外機に接
続して診断を行うようにしたが、第1段目の診断支援シ
ステムを船舶上に設置し、航行中に診断を行ってもよ
い。
に蓄えられた運転状態データを第1段目の診断支援シス
テム(パーソナルコンピュータ)200に送り、ここか
らネットワーク回線300を介して第2段目の診断支援
システム400に送るようにしたが、船外機1にデータ
送信機能を有する携帯電話等を接続し、この携帯電話等
からネットワーク回線300を介して直接に第2段目の
診断支援システム400に運転状態データ等を送信する
ようにしてもよい。
データやエンジン識別情報は、EEPROM144に記
憶させたが、不揮発性の書き込み可能なメモリであれば
EEPROMに限らず種々の任意のメモリを用いること
ができる。
ング周期を1分とし、記録時間を13分として1分ごと
に13個の運転状態データを記録するようにしたが、サ
ンプリング周期や記録時間は船外機の種類や目的等に応
じて適宜設定すればよい。たとえば、サンプリング周期
を1秒としてもよい。このようにすると、細かい運転状
態の変化を捉えることができることからより確実に定常
状態を見極めることができる。また、メモリ容量が許せ
ば、記録時間を8時間程度に設定することが望ましい。
このようにすると、小型船舶の一般的な航行時間の全体
をカバーすることができることから、航行開始から停船
までのすべての状態を把握し、この中からより確実に定
常状態を抽出することができる。
データとして記録する値は、種々のセンサからの出力さ
れる電圧値等をそのまま用いたが、適宜ユーザ等が理解
しやすい値に変換して記録するようにしてもよい。
高圧燃料ポンプ32a,32bの吐出側である高圧の接
続ホース49に設けたが、高圧燃料ポンプ32a,32
bの上流側である低圧の予圧配管31等に設けてもよ
い。
よれば、所定のサンプリング周期ごとの複数の時点にお
ける運転状態データを出力可能に記憶するため、運転状
態データが変化しておらず略一定で推移しているか否か
から運転状態が定常状態にあるかを判断することがで
き、このような定常状態で運転された運転データが抽出
できれば、運転状態データに含まれるエンジン回転数と
運転状態指標値との関係から航行負荷(ボートロード)
が適性範囲にあるかを検討することにより、船外機、艇
体およびプロペラのマッチングが適性であるかを容易に
診断することができる。また、エンジン不調等が生じた
場合であっても、かかる不調がマッチング不良によるも
のか、エンジン自体に問題があるかを容易に診断するこ
とができる。さらに、実際に航行中の運転状態データが
得られることから、各ユーザーの使用形態も診断するこ
とができる。
ンジン回転領域および運転状態指標値域を組み合わせて
なる各運転領域区分ごとに累積運転時間を記憶するた
め、各運転領域区分に対応する航行負荷(ボートロー
ド)のもとで、どの程度運転されたのかを容易に判断す
ることができ、これにより、各使用者の使用形態と船外
機、船体およびプロペラ等とのマッチングを診断するこ
とができる。
ステムによれば、船外機から運転状態データとともにエ
ンジン識別情報を受信し、受信したエンジン識別情報に
より、適合するデータ形式に基づいて運転状態データを
診断者に提示するため、判断者は船外機、船体、プロペ
ラ等のマッチングの診断を容易に行うことができる。
機の診断支援システムとし動作させるプログラムを記録
した記録媒体によれば、コンピュータを上述した船外機
の診断支援システムとして好適に実現することができ
る。
構成説明図であり、(A)はエンジンの燃料供給系の構
成図、(B)は(A)のエンジンの縦断面図、(C)は
この船外機の側面図である。
す説明図である。
ある。
図である。
図である。
である。
運転状態データの一例である。
るエンジン回転数とスロットル開度の変化の一例を示す
グラフである。
れたエンジン回転数と、バッテリ電圧および燃料圧力と
の関係を示すグラフの一例である。
れたエンジン回転数と、スロットル開度および冷却水温
との関係を示すグラフの一例である。
ーチャートである。
る。
態データの一例である。
全体構成図である。
値の画面出力例である。
段) 47 空燃比センサ(運転状態指標値検出手段) 48 冷却水温度センサ 56 オイルレベルセンサ 112 空燃比(O2)センサ(運転状態指標値検出手
段) 121 吸気負圧センサ(運転状態指標値検出手段) 131 燃料ホース 133 バッテリケーブル 134 バッテリ 135 発電機 144 EEPROM 148 コネクタ 149 通信ケーブル 155 冷却水圧力センサ 160 記録停止スイッチ 200 第1段目の診断支援システム 201 受信手段 202 データ形式記憶手段 203 正常状態基準データ記憶手段 204 表示手段(モニタ) 230 通信ケーブル 250 CD−ROM(記録媒体) 300 ネットワーク回線 400 第2段目の診断支援システム 401 受信手段 402 データ形式記憶手段 403 アドレス記憶手段 404 正常状態基準データ記憶手段 405 転送手段 410,420 担当者端末
Claims (21)
- 【請求項1】 駆動軸を介して接続されたプロペラを推
進駆動するエンジンと、 前記エンジンのエンジン回転数を検出するエンジン回転
数センサと、 前記エンジンの運転状態を示す所定の運転状態指標値を
検出する運転状態指標検出手段と、 所定の記録時間にわたって所定のサンプリング周期ごと
に複数の時点における前記エンジン回転数と前記運転状
態指標値とを運転状態データとして適宜出力可能な状態
で記憶する運転状態記憶手段と、を備えたことを特徴と
する船外機。 - 【請求項2】 前記所定のサンプリング周期は2分以下
であることを特徴とする請求項1記載の船外機。 - 【請求項3】 前記所定の記録時間は15秒以上である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の船外機。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の船外機
において、 前記運転状態記憶手段は、前記所定のサンプリング周期
が到来するごとに前記運転状態データを更新しながら、
常時、前記所定の記録時間分の前記運転状態データを記
憶するように構成されたことを特徴とする船外機。 - 【請求項5】 前記所定の記録時間は2分以上であるこ
とを特徴とする請求項4記載の船外機。 - 【請求項6】 請求項4または5に記載の船外機におい
て、 前記エンジンの各部位における故障状態を検出する故障
検出手段を備え、 前記運転状態記憶手段は、故障状態が検出されたときに
前記運転状態データの更新を停止するように構成された
ことを特徴とする船外機。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の船外機
において、前記運転状態記憶手段は、前記エンジン回転
数が予め設定された第1の所定回転数以上または越えた
ときに前記運転状態データの更新を開始する一方、前記
エンジンの回転数が第2の所定回転数以下または未満に
なったときに前記運転状態データの更新を停止するよう
に構成されたことを特徴とする船外機。 - 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載の船外機
において、 使用者等によって操作される記録停止スイッチを備え、 前記運転状態記憶手段は、前記記録停止スイッチにおい
て記録停止命令の入力を受けた際には、前記運転状態デ
ータの更新を停止するように構成されたことを特徴とす
る船外機。 - 【請求項9】 駆動軸を介して接続されたプロペラを推
進駆動するエンジンと、 前記エンジンのエンジン回転数を検出するエンジン回転
数センサと、 前記エンジンの運転状態を示す所定の運転状態指標値を
検出する運転状態指標検出手段と、 エンジンの運転時において、エンジン回転数および前記
運転状態指標値の組み合わせが、予め複数に区分したエ
ンジン回転領域および予め複数に区分した運転状態指標
値域を組み合わせてなる複数の運転領域区分のいずれに
あるのかを識別して、各運転領域区分ごとに累積運転時
間を運転状態データとして適宜出力可能に記憶する運転
状態記憶手段と、を備えたことを特徴とする船外機。 - 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載の船外
機において、前記運転状態記憶手段は、エンジンの運転
時において、エンジン回転数および前記運転状態指標値
の組み合わせが、予め複数に区分したエンジン回転領域
および予め複数に区分した運転状態指標値域を組み合わ
せてなる複数の運転領域区分のいずれにあるのかを識別
して、各運転領域区分ごとに累積運転時間を運転状態デ
ータとして記憶するように構成されたことを特徴とする
船外機。 - 【請求項11】 前記運転状態指標検出手段は、前記エ
ンジンへの吸気量を調節するスロットル弁のスロットル
開度を前記運転状態指標値として検出するスロットル開
度センサを含むことを特徴とする請求項1〜10のいず
れかに記載の船外機。 - 【請求項12】 前記運転状態指標検出手段は、前記エ
ンジンの混合気の空燃比を前記運転状態指標値として検
出する空燃比センサを含むことを特徴とする請求項1〜
11のいずれかに記載の船外機。 - 【請求項13】 前記運転状態指標検出手段は、前記エ
ンジンから水中に至る排ガスの排出経路において該排ガ
スの背圧を前記運転状態指標値として検出する背圧セン
サを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに
記載の船外機。 - 【請求項14】 前記運転状態指標検出手段は、前記エ
ンジンに送られる吸気の吸気負圧を前記運転状態指標値
として検出する吸気負圧センサを含むことを特徴とする
請求項1〜13のいずれかに記載の船外機。 - 【請求項15】 前記運転状態記憶手段には、少なくと
もエンジンの種類を特定可能なエンジン識別情報が適宜
出力可能に記憶されていることを特徴とする請求項1〜
14のいずれかに記載の船外機。 - 【請求項16】 請求項15記載の船外機の診断を支援
する診断支援システムであって、 前記船外機の運転状態記憶手段から前記エンジン識別情
報および運転状態データを受信する受信手段と、 エンジンの種類別に各エンジンにおいて検出される運転
状態データのデータ形式を記憶するデータ形式記憶手段
と、 受信したエンジン識別情報に該当するエンジンの種類に
おける前記データ形式に基づいて、受信した運転状態デ
ータを画面表示する表示手段とを備えたことを特徴とす
る船外機の診断支援システム。 - 【請求項17】 請求項16記載の船外機の診断を支援
する診断支援システムにおいて、 エンジンの種類別に前記運転状態データの正常状態基準
データを記憶する正常状態基準データ記憶手段を備え、 前記表示手段は、受信した運転状態データとともに、受
信したエンジン識別情報に該当するエンジンの種類にお
ける前記正常状態基準データを画面表示するように構成
されたことを特徴とする船外機の診断支援システム。 - 【請求項18】 請求項15記載の船外機の診断を支援
する診断支援システムとして、コンピュータに、 前記船外機の運転状態記憶手段から前記エンジン識別情
報および運転状態データを受信する受信処理と、 エンジンの種類別に各エンジンにおいて検出される運転
状態データのデータ形式を記憶する記憶処理と、 受信したエンジン識別情報に該当するエンジンの種類に
おける前記データ形式に基づいて、受信した運転状態デ
ータを画面表示する表示処理とを実行させるためのプロ
グラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
体。 - 【請求項19】 請求項18記載のコンピュータ読み取
り可能な記録媒体において、コンピュータに、 エンジンの種類別に前記運転状態データの正常状態基準
データを記憶する正常状態基準データ記憶処理とを実行
させる一方、 前記表示手段として、受信した運転状態データととも
に、受信したエンジン識別情報に該当するエンジンの種
類における前記正常状態基準データを画面表示させるた
めのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な
記録媒体。 - 【請求項20】 請求項15記載の船外機の診断を支援
する診断支援システムであって、 前記船外機の運転状態記憶手段に記憶された前記エンジ
ン識別情報および運転状態データをネットワーク回線を
介して受信する受信手段と、 エンジンの種類別に各エンジンにおいて検出される運転
状態データのデータ形式を記憶するデータ形式記憶手段
と、 エンジンの種類別に予め設定された担当者が使用する担
当者端末のアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、 受信したエンジン識別情報に該当するエンジンの種類に
おける前記データ形式に基づいて、受信したエンジン識
別情報に該当するエンジンの種類に応じた担当者の担当
者端末に対し、受信した運転状態データを転送する転送
手段とを備えたことを特徴とする船外機の診断支援シス
テム。 - 【請求項21】 請求項20記載の船外機の診断を支援
する診断支援システムにおいて、 エンジンの種類別に前記運転状態データの正常状態基準
データを記憶する正常状態基準データ記憶手段を備え、 前記転送手段は、受信した運転状態データとともに、受
信したエンジン識別情報に該当するエンジンの種類にお
ける前記正常状態基準データを転送するように構成され
たことを特徴とする船外機の診断支援システム。
Priority Applications (2)
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