JP2002160618A - 路面状態推定装置 - Google Patents

路面状態推定装置

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JP2002160618A JP2000358453A JP2000358453A JP2002160618A JP 2002160618 A JP2002160618 A JP 2002160618A JP 2000358453 A JP2000358453 A JP 2000358453A JP 2000358453 A JP2000358453 A JP 2000358453A JP 2002160618 A JP2002160618 A JP 2002160618A
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勝宏 浅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制動時及び非制動時、良路走行時及び荒れた路
面走行時において精度よく路面状態を表す物理量を推定
する。 【解決手段】車輪速センサ10で検出された車輪速信号
は、μ勾配推定装置12及びμ勾配推定装置14の各々
に入力され、各々減速度運動モデル、回転振動モデルを
適用して車輪速信号に基づいて路面μ勾配が推定され、
推定された路面μ勾配の推定値が選択装置16に入力さ
れる。選択装置16は、減速走行信号が入力されていな
いとき(加速走行時、定常走行時、及びエンジンブレー
キによる減速時)には、μ勾配推定装置14で推定され
た第2の路面μ勾配の推定値を選択して選択された路面
μ勾配の推定値μAとして出力し、第1のμ勾配推定装
置12で推定された第1の路面μ勾配の推定値を選択さ
れなかった路面μ勾配の推定値μBとして出力する。選
択された推定値μAは、μB/μAを乗算することによ
り補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、路面状態推定装置
に係り、特に、制動時及び非制動時のいずれにおいても
精度よく路面μ勾配を推定することができる路面状態推
定装置、または、良路走行時及び荒れた路面等の振動系
路面走行時のいずれにおいても精度よく路面μ勾配を推
定することができる路面状態推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】特開平
11−78843号公報には、タイヤ(車輪)回転振動
モデル(回転振動モデル)に基づいて制動力勾配(スリ
ップ率またはスリップ速度と制動力との関係を表す曲線
の接線の傾き)を推定する車輪状態推定装置が記載され
ている。この車輪状態推定装置では、制動力勾配が大き
い程タイヤ回転振動の共振特性が尖鋭になることに着目
し、タイヤ回転振動の減衰係数を同定することによっ
て、制動力勾配を推定している。なお、このタイヤに制
動力を与えたときの制動力勾配は、タイヤに駆動力を与
えたときの駆動力勾配(スリップ率またはスリップ速度
と駆動力との関係を表す曲線の接線の傾き)と同様に、
タイヤと路面との間の滑り易さを表す物理量であり、タ
イヤのグリップ状態を表す路面μ勾配(スリップ率また
はスリップ速度と路面μとの関係を表す曲線の接線の傾
き)と等価な物理量である。
【0003】上記の技術では、エンジンブレーキでの減
速時のように制動力が小さい領域、すなわち制動力勾配
が大きい領域では制動力勾配(路面μ勾配)を精度良く
推定することができる。しかしながら、油圧ブレーキを
使用した減速時のように制動力が大きくなる制動時、す
なわち制動力勾配が小さくなる制動時には、タイヤ減速
度運動が支配的になることから、タイヤ回転振動が消滅
してしまう。このため、タイヤ回転振動が発生しない制
動時には、制動力勾配(路面μ勾配)を推定することが
できない、という問題が発生する。
【0004】一方、特開2000−118375号公報
には、車輪速信号から制動トルク勾配(制動力勾配に車
輪有効半径の2乗を乗じて求められる)を推定し、推定
された制動トルク勾配を0付近の目標値に追従制御する
ことにより制動力が最大になるように制御するアンチロ
ックブレーキ制御装置が記載されている。この装置で
は、下記の(1)式で表される車輪減速度運動モデル
(減速度運動モデル)に基づいて制動トルク勾配を推定
しており、車輪減速度運動が支配的となる限界制動領域
においては精度良く制動トルク勾配、従って制動力勾配
(路面μ勾配)を推定することができる。
【0005】
【数1】 ただし、νwは車輪速度(m/s)、wは路面外乱、k
は制動力勾配(Ns/m)、RCはタイヤ有効半径
(m)、Jは車輪慣性モーメントである。
【0006】ここで、速度60km/hで良路を走行し
ている時と荒れた路面を走行している時とにおける車輪
速の周波数特性、及び上記の車輪回転振動モデル及び車
輪減速度運動モデルにおける路面μ推定領域を図1に示
す。図から理解されるように、荒れた路面では、良路に
比較して車輪速の振動レベルが大きくなっている。そこ
で、良路と荒れた路面との周波数特性を更に詳細に比較
するために、荒れた路面の車輪速の振動レベルを変化さ
せることなく、図1に示した良路の車輪速の振動レベル
を約7倍に拡大して荒れた路面の周波数特性と重ね合わ
せた結果を図2に示す。
【0007】図2から理解されるように、荒れた路面の
走行では、路面の凹凸によりサスペンションの運動(上
下共振及び前後共振)が大きくなるため、20Hz以下
の周波数成分が増加している。このため、車輪速の周波
数帯域が相対的に低下し、車輪減速度運動モデルによる
路面μ勾配の推定値が低下することになる。
【0008】一方、回転共振特性は良路及び荒れた路面
で変化がないので、車輪回転振動モデルを適用すること
により良路及び荒れた路面の両方の走行に対してロバス
トな路面μ勾配の推定値を示す。
【0009】すなわち、車輪減速度運動モデルでは、荒
れた路面等の振動系路面ではサスペンション運動の影響
によって路面μ勾配を正確に推定することができない、
という問題がある。
【0010】本発明は、上記問題点を解消するためにな
されたもので、制動時及び非制動時のいずれにおいても
精度よく路面状態を表す物理量を推定することができる
路面状態推定装置、または、良路走行時及び荒れた路面
等の振動系路面走行時のいずれにおいても精度よく路面
状態を表す物理量を推定することができる路面状態推定
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、車輪速度を検出し、車輪速信号を出力する
車輪速センサと、車輪減速度運動モデルを適用して前記
車輪速信号に基づいて路面状態を表す第1の物理量を推
定する第1の物理量推定手段と、車輪回転振動モデルを
適用して前記車輪速信号に基づいて路面状態を表す第2
の物理量を推定する第2の物理量推定手段と、車両の走
行状態を検出する走行状態検出手段と、前記車両の走行
状態に基づいて第1の物理量及び第2の物理量のいずれ
か一方を選択する選択手段と、を含んで構成したもので
ある。
【0012】本発明によれば、車輪減速度運動モデル適
用して推定された第1の物理量、または車輪回転振動モ
デルを適用して推定された第2の物理量が、車両の走行
状態に応じて選択される。
【0013】選択された物理量は、選択されなかった物
理量を用いて補正することができる。これにより、車両
走行状態の変化により選択される物理量が変化し、物理
量推定に適用するモデルが切り換わったときにおいても
スムースな物理量の切り換えを行なうことができる。
【0014】選択された物理量の補正は、選択された物
理量に対する選択されなかった物理量の比、または選択
された物理量に対する選択されなかった物理量の差に基
づいて行なうことができる。比を用いる場合には、選択
された物理量に比を乗算することにより、差を用いる場
合には、選択された物理量に差を加算することにより、
選択された物理量を補正することができる。これらの比
及び差を演算するために、選択手段において物理量の選
択が変更されるまで、選択されなかった物理量を記憶保
持する記憶手段が設けられる。
【0015】走行状態検出手段では、車両が制動中か否
か、例えば、油圧ブレーキを使用した減速時か否かを走
行状態として検出したり、車輪の振動レベルを走行状態
として検出したり、車両が制動中か否か及び車輪の振動
レベルの両方を走行状態として検出することができる。
【0016】選択手段はこれらの走行状態に応じて、加
速走行時、定常走行時、エンジンブレーキを使用した減
速時には車輪回転振動モデルを適用して推定された第2
の物理量を選択し、油圧ブレーキを使用した減速時には
車輪減速度運動モデル適用して推定された第1の物理量
を選択することにより、加速走行時、定常走行時、及び
減速時のいずれにおいても精度よく路面状態を表す物理
量を推定することができる。
【0017】また、車輪速信号の振動レベルが所定値未
満の領域においては車輪減速度運動モデル適用して推定
された第1の物理量を選択し、車輪速信号の振動レベル
が所定値以上の領域においては車輪回転振動モデルを適
用して推定された第2の物理量を選択することにより良
路走行時及び荒れた路面等の振動系路面走行時のいずれ
においても精度よく路面状態を表す物理量を推定するこ
とができる。
【0018】そして、車輪速信号の振動レベルが所定値
以上の領域においては車輪回転振動モデルを適用して推
定された第2の物理量を選択し、車輪速信号の振動レベ
ルが所定値未満で、かつ油圧ブレーキを使用した減速時
には車輪減速度運動モデル適用して推定された第1の物
理量を選択し、その他の領域においては第1の物理量及
び第2の物理量のいずれかを選択することにより、加速
走行時、定常走行時、減速時、良路走行時、及び荒れた
路面等の振動系路面走行時のいずれにおいても精度よく
路面状態を表す物理量を推定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本実施の形態は、路面状態を表す物理量と
して路面μ勾配を推定するようにしたものである。
【0020】図3に示すように、本実施の形態は、所定
のサンプリング周期で車輪速度を検出し、車輪速の時系
列データを車輪速信号として出力する車輪速センサ10
と、車輪減速度運動モデルを適用して、車輪速信号に基
づいて第1の路面μ勾配を推定する第1のμ勾配推定装
置12と、車輪回転振動モデルを適用して、車輪速信号
に基づいて第2の路面μ勾配を推定する第2のμ勾配推
定装置14と、車両の走行状態を検出する車両走行状態
センサ18とを備えている。
【0021】第1のμ勾配推定装置12、第2のμ勾配
推定装置14、及び車両走行状態センサ18は、車両走
行状態センサ18で検出された走行状態に応じて、第1
のμ勾配推定値及び第2のμ勾配推定値のいずれか一方
を選択する選択装置16に接続されている。
【0022】下記の表1に示すように、回転振動モデル
に基づく路面μ勾配推定の有効範囲(○:有効、×:無
効)は、車輪速信号の振動レベルの大小に拘わらず、加
速走行時、定常走行時、及びエンジンブレーキによる減
速時には有効であり、油圧ブレーキによる減速時には無
効である。
【0023】
【表1】 このため、本実施の形態の車両走行状態センサ18は、
油圧ブレーキを使用した減速時か否かを検出し、油圧ブ
レーキを使用した減速時には減速走行信号を車両の走行
状態を示す信号として選択装置16に入力する。
【0024】選択装置16は、選択された路面μ勾配の
推定値μAを選択されなかった路面μ勾配μBを用いて
補正し、補正された路面μ勾配の推定値と振動レベル演
算回路22で演算された車輪速信号の振動レベルとから
路面μ判定テーブルを用いて、路面μを推定して出力す
る補正装置20に接続されている。この振動レベル演算
回路22では、車輪速信号を2乗してデシベル表現した
信号を振動レベル信号として出力する。
【0025】この補正装置20は、図4に示すように、
選択装置により選択された路面μ勾配の推定値μA、選
択されなかった路面μ勾配の推定値μB、及び振動レベ
ル演算回路22で演算された車輪速信号の振動レベルが
入力されると共に、判定した路面μを出力する入出力ポ
ート20A、選択された路面μ勾配の推定値μAに対す
る選択されなかった路面μ勾配の推定値μBの比μB/
μAを演算する比演算部20B、CPUで構成された制
御部20C、路面μ判定テーブルを用いて路面μを判定
するμ判定部20D、及び、比μB/μA及び選択され
なかった路面μ勾配の推定値μBを記憶保持する記憶装
置20Eをバスで接続して構成したマイクロコンピュー
タで構成されている。なお、記憶装置20Eでは、時間
に応じて値が変化する路面μ勾配の推定値が更新されて
記憶されていくが、走行状態の変化に応じて選択手段1
6での選択が変更されると、この変更に応じて記憶保持
する路面μ勾配の推定値は、第1の路面μ勾配の推定値
から第2の路面μ勾配の推定値へ、またはその逆に変更
される。
【0026】以下、本実施の形態の作用について説明す
る。車輪速センサ10で検出された車輪速信号は、第1
のμ勾配推定装置12及び第2のμ勾配推定装置14の
各々に入力され、各々減速度運動モデル、回転振動モデ
ルを適用して車輪速信号に基づいて路面μ勾配が推定さ
れ、推定された路面μ勾配の推定値が選択装置16に入
力される。
【0027】選択装置16には、車両の走行状態を示す
信号が入力されており、選択装置16は、減速走行信号
が入力されていないとき(加速走行時、定常走行時、及
びエンジンブレーキによる減速時)には、第2のμ勾配
推定装置14で推定された第2の路面μ勾配の推定値を
選択して選択された路面μ勾配の推定値μAとして出力
し、第1のμ勾配推定装置12で推定された第1の路面
μ勾配の推定値を選択されなかった路面μ勾配の推定値
μBとして出力する。
【0028】選択された路面μ勾配の推定値μA、及び
選択されなかった路面μ勾配の推定値μBは、補正装置
20の入出力ポート20Aを介して、比演算部2Bに入
力され、比μB/μAが演算されて記憶装置20Eに記
憶される。また、選択されなかった路面μ勾配の推定値
μBも同様に、記憶装置20Eに入力されて記憶され
る。なお、路面μ勾配の推定値は、時系列的に変化する
ので、比μB/μA及び選択されなかった路面μ勾配の
推定値μBも同様に時系列的に変化する。
【0029】車両走行状態が、加速走行時、定常走行、
またはエンジンブレーキによる減速状態から、油圧ブレ
ーキによる減速状態に変化すると選択装置16に減速走
行信号が入力されるので、選択装置16は、第1のμ勾
配推定装置12で推定された第1の路面μ勾配の推定値
を選択して選択された路面μ勾配の推定値μAとして出
力し、第2のμ勾配推定装置14で推定された第2の路
面μ勾配の推定値を選択されなかった路面μ勾配の推定
値μBとして出力する。
【0030】このように、回転振動モデルを適用して路
面μ勾配を推定している状態で、選択装置16により減
速度運動モデルを適用して推定した第1のμ勾配推定装
置12が選択されると、路面μ勾配の推定値は、図5に
示すように、回転振動モデルを適用して推定したた路面
μ勾配の推定値から減速度運動モデルを適用して推定し
た路面μ勾配の推定値に切り換えられる。
【0031】この切り換えと同時に制御部20Cは、選
択された路面μ勾配の推定値μAに、比演算部20Bで
演算された比μB/μAを乗算して補正し、補正した路
面μ勾配の推定値を出力する。この結果、図6に示すよ
うに、路面μ推定に適用するモデルが切り換えられても
路面μ勾配の推定値はスムースに切り換えられる。この
補正された路面μ勾配の推定値は、μ判定部20Dに入
力され、路面μ判定テーブルと車輪速信号の振動レベル
とを用いて路面μが判定され、入出力ポート20Aから
出力される。
【0032】減速度運動モデルを適用して路面μ勾配を
推定している状態で、油圧ブレーキによる減速状態を解
除すると、減速走行信号が入力されなくなるので(加速
走行時、定常走行時、及びエンジンブレーキによる減速
時のいずれか)、選択装置16は、第2のμ勾配推定装
置14で推定された第2の路面μ勾配の推定値を選択し
て選択された路面μ勾配の推定値μAとして出力し、第
1のμ勾配推定装置12で推定された第1の路面μ勾配
の推定値を選択されなかった路面μ勾配の推定値μBと
して出力するので、図7に示すように、減速度運動モデ
ルを適用した路面μ勾配の推定から回転振動モデルを適
用した路面μ勾配の推定に切り換えられる。
【0033】減速度運動モデルを適用して路面μ勾配を
推定しているときにおいても、選択装置で用いられてい
る走行条件が解除されるまで、選択されなかった路面μ
勾配の推定値μBは記憶装置に記憶されており、切り換
えられた時点で、選択された路面μ勾配の推定値に比μ
B/μAが乗算されて補正されるので、路面μ勾配の推
定値は図8に示すようにスムースに切り換えられる。
【0034】上記では、油圧ブレーキを使用した減速時
(制動時)か否かを検出して、路面μ勾配の推定値を選
択する例について説明したが、図2でも説明したよう
に、車輪速信号の振動レベルが大きくなると減速度運動
モデルによる路面μ勾配の推定値が低下することにな
り、下記の表2に示すように、減速度運動モデルに基づ
く路面μ勾配推定の有効範囲(○:有効、×:無効)
は、定常走行か油圧ブレーキを用いた減速状態に拘わら
ず、車輪速信号の振動レベルが所定値未満で有効であ
り、振動レベルが所定値以上では無効である。
【0035】
【表2】 このため、車両走行状態センサ18は、車輪速信号の振
動レベルを車両の走行状態を示す信号として検出するよ
うにしてもよい。
【0036】この場合には、車輪速信号の振動レベルが
所定値以上で走行している状態から車輪速信号の振動レ
ベルが所定値未満に低下すると、選択装置は、第2のμ
勾配推定装置14で推定された第2の路面μ勾配の推定
値の選択から第1のμ勾配推定装置12で推定された第
1の路面μ勾配の推定値の選択に切り換え、第1の路面μ
勾配の推定値を路面μ勾配の推定値μAとして出力し、
選択されなかった第2の路面μ勾配の推定値を路面μ勾
配の推定値μBとして出力する。
【0037】逆に、車輪速信号の振動レベルが所定値未
満で走行している状態から車輪速信号の振動レベルが所
定値以上に上昇すると、選択装置は、第1のμ勾配推定
装置12で推定された第1の路面μ勾配の推定値の選択
から第2のμ勾配推定装置14で推定された第2の路面
μ勾配の推定値の選択に切り換え、第2の路面μ勾配の
推定値を路面μ勾配の推定値μAとして出力し、選択さ
れなかった第1の路面μ勾配の推定値を路面μ勾配の推
定値μBとして出力する。
【0038】なお、この場合において、選択された路面
μ勾配の推定値は、上記で説明したのと同様に補正され
る。
【0039】上記では、油圧ブレーキを使用した減速時
か否か、車輪速信号の振動レベルが所定値以上か否かに
応じていずれか一方の路面μ勾配の推定値を選択する例
について説明したが、車輪速信号の振動レベルが所定値
以上の領域においては車輪回転振動モデルを適用して推
定された第2の物理量を選択し、車輪速信号の振動レベ
ルが所定値未満で、かつ油圧ブレーキを使用した減速時
には車輪減速度運動モデル適用して推定された第1の物
理量を選択し、その他の領域においては第1の物理量及
び第2の物理量のいずれかを選択するようにしてもよ
い。これにより、加速走行時、定常走行時、減速時、良
路走行時、及び荒れた路面等の振動系路面走行時のいず
れにおいても精度よく路面状態を表す物理量を推定する
ことができる。なお、この場合においても選択された路
面μ勾配の推定値の補正は、上記で説明したのと同様で
ある。
【0040】また、上記では、選択された路面μ勾配の
推定値μAに対する選択されなかった路面μ勾配の推定
値μBの比μB/μAを用いて選択された路面μ勾配の
推定値μAを補正する例について説明したが、選択され
た路面μ勾配の推定値μAに対する選択されなかった路
面μ勾配の推定値μBの差(μB−μA)を用いて、選
択された路面μ勾配の推定値μAに差(μB−μA)を
加算して補正するようにしてもよい。
【0041】なお、補正装置には、補正された路面μ勾
配または路面μに基づいて、ABS制御のための各車輪
毎の操作信号を演算するABS制御手段と、ABS制御
手段により演算された操作信号に基づいて各車輪毎にブ
レーキ圧を操作することによりABS制御を行うABS
制御弁とを接続することができる。
【0042】また、図3では、1つの車輪についての構
成を示したが、例えば4輪自動車等の複数の車輪を持つ
車両の場合には、各々の車輪について図示した構成が設
けられる。
【0043】さらに、上記では、路面μ判定テーブルを
用いて路面μを判定する例について説明したが、路面μ
を判定することなく路面μ勾配の推定値のまま出力する
ようにしてもよい。また、上記では路面μ勾配を推定す
る例について説明したが、制動力勾配や駆動力勾配等を
推定するようにしてもよい。
【0044】以上説明したように本実施の形態では、車
両走行状態に応じて最適な路面μ勾配、または路面μが
推定できるので、路面状態の警報を行う場合に誤警報す
ることが防止される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両の走行状態に応じて車輪減速度運動モデルを適用して
推定した第1の物理量または車輪回転振動モデルを適用
して推定した第2の物理量を選択するようにしたので、
制動時及び非制動時のいずれにおいても精度よく路面状
態を表す物理量を推定することができ、また、良路走行
時及び荒れた路面等の振動系路面走行時のいずれにおい
ても精度よく路面状態を表す物理量を推定することがで
きる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】良路を走行している時と荒れた路面を走行して
いる時とにおける車輪速の周波数特性、及びタイヤ回転
振動のモデル及び車輪減速度運動モデルにおける推定領
域を示す線図である。
【図2】図1における良路を走行している時の車輪速の
周波数特性を拡大した線図である。
【図3】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図4】図3の補正装置の詳細を示すブロック図であ
る。
【図5】回転振動モデルでの推定から減速度運動モデル
での推定に切り換わったときの路面μ勾配の推定値の変
化を示す線図である。
【図6】図5の路面μ勾配の推定値を比によって補正し
た状態を示す線図である。
【図7】減速度運動モデルでの推定から回転振動モデル
での推定に切り換わったときの路面μ勾配の推定値の変
化を示す線図である。
【図8】図7の路面μ勾配の推定値を比によって補正し
た状態を示す線図である。
【符号の説明】
10 車輪速センサ 12 第1の路面μ勾配推定装置 14 第2の路面μ勾配推定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小野 英一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 浅野 勝宏 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大沼 豊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小野沢 智 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 3D046 BB23 BB27 HH02 HH36 HH39 HH46

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪速度を検出し、車輪速信号を出力する
    車輪速センサと、 車輪減速度運動モデルを適用して前記車輪速信号に基づ
    いて路面状態を表す第1の物理量を推定する第1の物理
    量推定手段と、 車輪回転振動モデルを適用して前記車輪速信号に基づい
    て路面状態を表す第2の物理量を推定する第2の物理量
    推定手段と、 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、 前記車両の走行状態に応じて第1の物理量及び第2の物
    理量のいずれか一方を選択する選択手段と、 を含む路面状態推定装置。
  2. 【請求項2】前記選択手段で選択された物理量を、前記
    選択手段で選択されなかった物理量を用いて補正する補
    正手段を更に含む請求項1記載の路面状態推定装置。
  3. 【請求項3】前記補正手段は、前記選択手段で選択され
    た物理量に対する前記選択手段で選択されなかった物理
    量の比、または前記選択手段で選択された物理量に対す
    る前記選択手段で選択されなかった物理量の差に基づい
    て、前記選択手段で選択された物理量を補正する請求項
    2記載の路面状態推定装置。
  4. 【請求項4】前記走行状態検出手段は、車両が制動中か
    否かを検出し、前記選択手段は、車両が制動中のときは
    第1の物理量を選択し、かつ車両が非制動中のときは第
    2の物理量を選択する請求項1〜3のいずれか1項記載
    の路面状態推定装置。
  5. 【請求項5】前記走行状態検出手段は、車輪の振動レベ
    ルを検出し、前記選択手段は、車輪の振動レベルが所定
    値未満のときは第1の物理量を選択し、かつ車輪の振動
    レベルが所定値以上のときは第2の物理量を選択する請
    求項1〜4のいずれか1項記載の路面状態推定装置。
  6. 【請求項6】前記選択手段において選択された物理量が
    変更されるまで、選択されなかった物理量を記憶保持す
    る記憶手段を更に含む請求項1〜5のいずれか1項記載
    の路面状態推定装置。
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