JP2000118375A - トルク勾配推定装置及びアンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

トルク勾配推定装置及びアンチロックブレーキ制御装置

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JP2000118375A
JP2000118375A JP10290855A JP29085598A JP2000118375A JP 2000118375 A JP2000118375 A JP 2000118375A JP 10290855 A JP10290855 A JP 10290855A JP 29085598 A JP29085598 A JP 29085598A JP 2000118375 A JP2000118375 A JP 2000118375A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 演算量を少なくしてトルク勾配を推定する。 【解決手段】 処理手段(ハイパスフィルタ)11は、
所定のサンプル時間τ毎に検出された車輪速度を、車輪
の加速度との定常成分が除去されるように処理する。ト
ルク勾配推定手段12は、処理手段11によりハイパス
フィルタ処理された車輪速度の時系列データから制動ト
ルク勾配を推定する。このように車輪速度を、車輪の加
速度との定常成分が除去されるように処理するので、ト
ルク勾配を推定ために従来必要であった未知係数(オフ
セット項)を省略することができるので、トルク勾配の
推定のための演算量を少なくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルク勾配推定装
置及びアンチロックブレーキ制御装置に係り、詳細に
は、車輪速の時系列データからスリップ速度に対するト
ルクの勾配を推定するトルク勾配推定装置及び制動トル
クの勾配に基づいて車輪に作用するブレーキ力を制御す
るアンチロックブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、所定のサンプリング周期毎に車輪
速度の時系列データを検出し、検出した車輪速度の時系
列データに基づいて、車輪速度の変化の履歴及び車輪加
速度の変化の履歴を演算し、これらの演算値に基づいて
制動トルク勾配(制動トルクのスリップ速度に対する勾
配)を推定し、推定した制動トルク勾配に基づいて車輪
に作用するブレーキ力を制御するアンチロックブレーキ
制御装置が提案されている(特願平8−218828号
公報)。
【0003】ところで、このアンチロックブレーキ制御
装置は、制動トルクをスリップ速度の一次関数で近似し
た車輪及び車体運動方程式に基づいて、制動トルク勾配
を推定するものである。上記一次関数は、2つの未知係
数の内の1つが制動トルク勾配となっている。
【0004】しかしながら、上記一次関数は2つの未知
係数を含んでいるので、制動トルク勾配の推定のための
演算量が多く必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実に
鑑み成されたもので、演算量を少なくしてトルク勾配を
推定することの可能なトルク勾配推定装置及びアンチロ
ックブレーキ制御装置を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため第1
の発明は、所定のサンプル時間毎に車輪速度を検出する
検出手段と、前記検出手段により検出された車輪速度
を、車輪の加速度の定常成分が除去されるように、処理
する処理手段と、車輪及び車体各々の運動方程式から得
られかつ車輪の加速度を用いた運動方程式から車輪加速
度の定常項を省略して得られるトルク勾配を未知数とし
て含む関係式と前記処理手段により処理された車輪速度
の時系列データとに基づいて、トルクの勾配を推定する
推定手段と、を備えている。
【0007】第2の発明は、所定のサンプル時間毎に車
輪速度を検出する検出手段と、前記検出手段により検出
された車輪速度を、車輪の加速度の定常成分が除去され
るように、処理する処理手段と、車輪及び車体各々の運
動方程式から得られかつ車輪の加速度を用いた運動方程
式から車輪加速度の定常項を省略して得られるトルク勾
配を未知数として含む関係式と前記処理手段により処理
された車輪速度の時系列データとに基づいて、制動トル
クの勾配を推定する推定手段と、前記推定手段により推
定された制動トルク勾配が基準値を含む所定範囲の値と
なるように車輪に作用するブレーキ力を制御する制御手
段と、を備えている。
【0008】なお、上記第1の発明又は第2の発明にお
いて、前記処理手段は、1次以上のハイパスフィルタで
構成することができる。更に、該処理手段は、例えば、
車輪の加速度の定常的な値がオフセット値とみなすこと
の可能なハイパスフィルタで構成することができる。
【0009】(第1の発明のトルク勾配の推定原理)各
車輪の車輪運動及び車体運動は次式の運動方程式によっ
て記述される。
【0010】
【数1】 ただし、Fi ’は、第i輪に発生した制動力、Tbiは踏
力に対応して第i輪に加えられたブレーキトルク、Mは
車両質量、Rc は車輪の有効半径、Jは車輪慣性、vは
車体速度である(図8参照)。なお、・は時間に関する
微分を示す。(1) 式、(2) 式において、Fi ’はスリッ
プ速度(v/Rc −ωi )の関数として示されている。
【0011】ここで、車体速度を等価的な車体の角速度
ωv で表すと共に、制動トルクRci ’をスリップ速
度の1次関数(傾きki 、y切片Ti )として記述す
る。
【0012】 v = Rc ωv (3) Rc i ’(ωv −ωi )=ki ×(ωv −ωi )+Ti (4) さらに、(3) 、(4) 式を(1) 、(2) 式へ代入し、車輪速
度ωi 及び車体速度ω v をサンプル時間τ毎に離散化さ
れた時系列データωi [k] 、ωv [k] (kはサンプル時
間τを単位とするサンプル時刻、k=1,2,.....)として
表すと次式を得る。
【0013】
【数2】 ここで、(5) 、(6) 式を連立し、車体の等価角速度ωv
を消去すると、
【0014】
【数3】 を得る。
【0015】ところで、スリップ速度3rad/s という条
件下でRc Mg/4(gは重力加速度)の最大制動トル
クの発生を仮定すると、
【0016】
【数4】 を得る。ここで、具体的な定数として、τ=0.005 (se
c) 、Rc =0.3 (m) 、M=1000(kg)を考慮すると、max
(ki ) =245 となる。従って、
【0017】
【数5】 となり、(7) 式は(8) 式のように近似することができ
る。
【0018】
【数6】 このように整理することにより、(8) 式は未知係数
i 、fi に関し、線形の形で記述することが可能とな
る。即ち、(8) 式は、制動トルクをスリップ速度の一次
関数で近似した車輪及び車体運動方程式となる。そし
て、(8) 式にオンラインのパラメータ同定手法を適用す
ることにより、スリップ速度に対する制動トルク勾配k
i を推定することもできる。
【0019】ところで、上記(8) 式を、車輪の加速度に
着目して整理すると、
【0020】
【数7】 となる。(9) 式からki とfi の同定は、車輪加速度の
特性根−ki /jとオフセット−fi /τを推定すると
解釈することもできる。
【0021】ところで、車輪速信号を、車輪の加速度の
定常成分が除去されるように処理すると、即ち、車輪速
信号をハイパスフィルタに入れる(ハイパスフィルタ処
理)と、オフセット項(−fi /τ)を0にすることが
できる。例えば、減速度一定で制動しているときには一
次以上のハイパスフィルタ(車輪の加速度の定常的な値
がオフセット値とみなすことの可能なハイパスフィル
タ)を入れることによりオフセット項を省略することが
できる。従って、車輪速信号をハイパスフィルタに入れ
ることによりfi =0と仮定することが可能となる。よ
って、車輪速信号をハイパスフィルタに入れて、トルク
勾配を推定する場合には、(8) 式は、次のように変形す
ることができる。即ち、車輪及び車体各々の運動方程式
から得られかつ車輪の加速度を用いた運動方程式から車
輪加速度の定常項を省略して得られるトルク勾配を未知
数として含む関係式に変形することができる。
【0022】
【数8】 ただし、ωhi[k] はハイパスフィルタ処理後の車輪速度
である。
【0023】そして、以下のステップ1及びステップ2
を繰り返すことにより、検出された車輪速度の時系列デ
ータωi [k] から制動トルク勾配の時系列データを推定
することができる。
【0024】
【数9】 とおく。なお、(10)式のφi [k] は、1サンプル時間で
の車輪速度の変化に関する物理量であり、(12)式は、1
サンプル時間の車輪速度の変化の1サンプル時間での変
化に関する物理量である。
【0025】
【数10】 という漸化式からθの推定値
【0026】
【数11】 即ち、制動トルクの勾配を推定する。ただし、λは過去
のデータを取り除く度合いを示す忘却係数(例えばλ=
0.98)であり、”T ”は行列の転置を示す。
【0027】なお、(13)式の左辺は、車輪速度の変化に
関する物理量の履歴及び車輪速度の変化の変化に関する
物理量の履歴を表す物理量である。
【0028】以上のように、制動トルク勾配を推定ため
に従来必要であった未知係数fi を省略することができ
るので、制動トルク勾配の推定のための演算量を少なく
することができる。よって、制動トルク勾配の推定精度
が向上することが期待できる。なお、制動トルクに代え
て駆動トルクを適用することもできる。ここに示した推
定法は最小自乗法を適用したものであるが、補助変数法
など他のオンライン同定法を用いることも可能である。
【0029】(第2の発明のABS制御の原理)ブレー
キ力は、路面と接するタイヤのトレッドの表面を介して
路面に作用するが、実際には、このブレーキ力は路面と
車輪との間の摩擦力を媒介として路面からの反力(制動
トルク)として車体に作用する。車体がある速度で走行
している時、ブレーキ力をかけていくと車輪と路面との
間にスリップが生じるが、このときに路面からの反力と
して作用する制動トルクは、次式で表されるスリップ速
度ωs (角速度換算)に対して図2のように変化する。
【0030】ωs = ωv − ωi ただし、ωv は車体速度(等価的に角速度で表現したも
の)、ωi は第i輪(iは車輪番号、i=1,2,3,4 ・・
・(4輪車であれば、i=1,2,3,4 (以下、4輪車を例
にとる))の角速度に換算した車輪速度である。
【0031】図2に示すように、制動トルクは、最初は
スリップ速度の増大と共に増加し、スリップ速度ω0
に最大値fi0に達し、ω0 より大きいスリップ速度では
スリップ速度の増大と共に減少する。なお、スリップ速
度ω0 は車輪と路面との間の摩擦係数が最大値の時のス
リップ速度に相当する。
【0032】従って、図2から明らかなように、スリッ
プ速度に対する制動トルクの勾配(以下「制動トルク勾
配」という)は、ωs <ω0 で正(>0)、ωs =ω0
で0、ωs >ω0 で負(<0)となる。すなわち、制動
トルク勾配が正の時は車輪が路面にグリップしている状
態、制動トルク勾配が0の時はピークμの状態、制動ト
ルク勾配が負の時は車輪がロックされている状態、とい
うように制動トルク勾配に応じて車輪運動の動特性が変
化する。
【0033】そして、第2のの発明では、車体速度を推
定せず、車輪速度の時系列データのみから現時点の制動
トルク勾配を上記のように推定し、推定した制動トルク
勾配が基準値を含む所定範囲の値となるように車輪に作
用するブレーキ力を制御する。これによって、基準値を
含む所定範囲の制動トルク勾配に対応した車輪運動の状
態を保持できる。また、基準値をピークμに対応する0
に設定すれば、車両の走行する路面状態によりピークμ
となるスリップ速度が変化したとしても、ピークμで制
動トルク勾配が0となることは変わらないので、制動ト
ルク勾配を0にするように制御すれば完全にピークμ追
従が可能となる。また、車体速度推定部が不要となるの
でブレーキ力の増減を繰り返す必要がなく安定な走行が
可能となる。
【0034】制御トルク勾配をフィードバック制御する
制御系は、PID制御等により各車輪ごとに設計しても
よいが、現代制御理論の適用により全輪の統合系として
システマティックに設計することも可能である。この場
合、全輪の干渉等も設計に考慮されるためよりきめ細か
い制御が実現できる。
【0035】ところで、ABS制御系はタイヤの特性の
強い非線形特性を有するシステムであり、単純に現代制
御理論を適用することはできない。そこで、この非線形
特性は見かけ上等価的なプラント変動としてみなすこと
ができる点に着眼し、このプラント変動を許容するよう
な制御系設計を現代制御理論の一つであるロバスト制御
理論の適用により達成し、4輪の干渉等も設計に考慮し
たきめ細かな制御系設計を行った。以下に制御系設計の
詳細を記す。
【0036】各車輪の車輪運動および車体運動は次式の
運動方程式によって記述される。
【0037】
【数12】 ただし、Fi は第i輪に発生した制動トルクでスリップ
速度(ωv −ωi )の関数として示されている。また、
bi’はブレーキペダルを車輪ロック直前まで踏み込ん
だ場合の踏力に対応したブレーキトルク、ubiは該ブレ
ーキトルクが作用した状態で車輪がロック状態に陥らず
にピークμ追従を行うように車輪に作用されるブレーキ
トルク(操作量)である。また、Mは車両質量、Rcは
車輪の有効半径、ωv は車体速度(等価的に角速度で表
現したもの)である。そして、(16)式は各車輪の制動ト
ルク勾配ki は、スリップ速度の関数であることを示す
出力方程式である。
【0038】ところで、Fi 、Gi は図3(a)、図3
(b)に各々示すようにωοでそれぞれピークおよび0
となるスリップ速度の非線形関数であり、これらは実線
によって示した直線20、23と所定範囲以内の変動と
いう形式によって表すことができる。ここで、スリップ
速度のωοからの擾乱をxi とすると Fi =(fi +Wfifi)xi +fi0 (17) Gi =(gi +Wgigi)xi (18) と表すことができる。
【0039】ここで、fi は図3(a)の直線20の傾
き、gi は図3(b)の直線23の傾きを示す。また、
fi、Wgiは変動を基準化するための重み係数であり、
図3(a)の破線21、破線22及び図3(b)の破線
24、25は非線形変動の上下限を各々表しており、△
fi、△giを±1とすることに対応している。
【0040】すなわち、(17)式は平衡点ω0 周りの攪乱
i に対する各車輪の制動トルクの非線形変動を、図3
(a)の直線20を含む破線21から破線22の範囲以
内の変動で表した線形モデルである。また、(18)式は平
衡点ω0 周りの攪乱xi に対する各車輪の制動トルク勾
配の非線形変動を、図3(b)の直線23を含む破線2
4から破線25の範囲以内の変動で表した線形モデルで
ある。
【0041】さらに、(17)、(18)式を(14)、(15)、(16)
式に代入し、平衡点(ωο)周りの状態方程式として記
述すると、次式を得る。
【0042】
【数13】 ただし、
【0043】
【数14】 また、
【0044】
【数15】 である。ここで、xはω0 周りの各車輪のスリップ速度
攪乱、yはω0 周りの各車輪の制動トルク勾配、uはω
0 周りの各車輪の操作量((14)式のubiに相当)を表し
ている。
【0045】ここで、(21)式の構造をもつ任意の△(−
1≦△fi、△gi≦1)を許容する制御系設計を行うこと
により、4輪の干渉を考慮に入れたABS制御系の設計
ができる。この設計は、ロバスト制御の一手法であるμ
設計法の適用により容易に行うことが可能である。
【0046】すなわち、(21)式の構造を持つ任意のΔ
(−1≦△fi、△gi≦1)を許容する制御系をいわゆる
μ設計法を用いて設計することにより、以下のコントロ
ーラを導出する。
【0047】
【数16】
【0048】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態に係るABS制御装置を詳細に説明する。
【0049】本実施の形態に係るABS制御装置の構成
を図1に示す。
【0050】図1に示すように、本実施の形態に係るA
BS制御装置は、所定のサンプル時間τ毎に車輪速度を
検出する車輪速検出手段10と、該車輪速検出手段10
により検出された車輪速度を、車輪の加速度との定常成
分が除去されるように処理(ハイパスフィルタ処理)す
る処理手段(1次以上(本実施の形態では1次)のハイ
パスフィルタ)11と、処理手段11によりハイパスフ
ィルタ処理された車輪速度の時系列データから制動トル
ク勾配を推定するトルク勾配推定手段12と、該トルク
勾配推定手段12で推定された制動トルク勾配に基づい
てABS制御のための各車輪毎の操作信号を演算するA
BS制御手段14と、該ABS制御手段14により演算
された操作信号に基づいて各車輪毎にブレーキ圧を操作
することによりABS制御を行うABS制御弁16と、
から構成される。
【0051】図1の車輪速検出手段10は、例えば、図
4(a)の構成により実現できる。図4(a)に示すよ
うに、車輪速検出手段10は、所定数の歯が等間隔に切
られかつ車輪と共に回転するように取り付けられたシグ
ナルロータ30と、車体に固定されたピックアップコイ
ル32と、該ピックアップコイル32の内部に磁束を貫
通させるように配置された永久磁石34と、ピックアッ
プコイル32に接続されると共にサンプル時間τ毎に該
ピックアップコイル32に発生した交流電圧の周波数を
検出して出力する周波数検出器36と、から構成され
る。
【0052】車輪の回転と共にシグナルロータ30が回
転すると、シグナルロータ30とピックアップコイル3
2の間のエアギャップが回転速度に応じた周期で変化す
る。このため、ピックアップコイル32を貫通する永久
磁石34の磁束が変化しピックアップコイル32に交流
電圧が発生する。ここで、ピックアップコイル32に発
生した交流電圧の時間的変化を図4(b)に示す。
【0053】図4(b)に示すように、ピックアップコ
イル32に発生した交流電圧は、シグナルロータ30の
回転速度が低速時には周波数が低くなりシグナルロータ
30の回転速度が高速時には周波数が高くなる。この交
流電圧の周波数はシグナルロータ30の回転速度、すな
わち車輪速度に比例するため、周波数検出器36の出力
信号は、サンプル時間τ毎の車輪速度に比例する。
【0054】なお、図4(a)の車輪速検出手段10は
第1輪〜第4輪のすべてに取り付けられ、各車輪毎に周
波数検出器36の出力信号から第i輪(iは車輪番号、
i=1,2,3,4 )の車輪速度の時系列データωi [k] (k
はサンプル時刻;k=1 、2、..... ) が検出される。
【0055】次に、ABS制御弁16の構成を図5を用
いて説明する。
【0056】図5に示すように、ABS制御弁16は、
右前輪用の制御ソレノイドバルブ132(以下、「バル
ブSFR」)と、左前輪用の制御ソレノイドバルブ13
4(以下、「バルブSFL」)と、右後輪用の制御ソレ
ノイドバルブ140(以下、「バルブSRR」)と、左
後輪用の制御ソレノイドバルブ142(以下、「バルブ
SRL」)と、を含んで構成される。
【0057】バルブSFR、バルブSFL、バルブSR
R、バルブSRLは、各々、増圧側バルブ132a、1
34a、140a、142a及び減圧側バルブ132
b、134b、140b、142bを備えると共に、そ
れぞれフロントホイールシリンダ144、146、及び
リヤホイールシリンダ148、150に接続されてい
る。
【0058】増圧側バルブ132a、134a、140
a、142a及び減圧側バルブ132b、134b、1
40b、142bは、それぞれバルブの開閉を制御する
SFRコントローラ131、SFLコントローラ13
3、SRRコントローラ139、SRLコントローラ1
41に接続されている。
【0059】SFRコントローラ131、SFLコント
ローラ133、SRRコントローラ139、SRLコン
トローラ141は、ABS制御手段14から送られてき
た各車輪毎の操作信号に基づいて、各制御ソレノイドバ
ルブの増圧側バルブと減圧側バルブの開閉を制御する。
【0060】ここで、ABS制御弁16を含むシステム
油圧回路の構成を図6を用いて詳細に説明する。
【0061】図6に示すように、システム油圧回路に
は、マスターシリンダー系及びパワーサプライ系のブレ
ーキフルードを蓄えるリザーバー100が設けられてい
る。このリザーバー100には、内部に蓄えられたブレ
ーキフルードの液面低下を検出するレベルウォーニング
スイッチ102と、パワーサプライ系の異常高圧時にブ
レーキフルードをリザーバー100へリリーフするため
のリリーフバルブ104が設けられている。
【0062】また、リザーバー100のリリーフバルブ
104側から配設された配管には、リザーバー100か
らブレーキフルードを汲み上げ、高油圧のフルードを吐
出するポンプ106が設けられ、さらにフルード吐出側
には、該ポンプで発生させた油圧(パワーサプライ系)
を蓄圧するアキュームレーター108と該アキュームレ
ータ108の油圧を検出する圧力センサー110とが設
けられている。この圧力センサー110は、アキューム
レーター110の油圧に基づいてポンプ106の制御信
号を出力し、低圧時にはウォーニング信号(ABS、T
RC制御の禁止信号)を出力する。
【0063】また、アキュームレータ108の高油圧側
の配管には、アキュームレーター110の油圧低圧時に
ポンプ106の制御信号を出力すると共に油圧低圧時の
ウォーニング信号(ABS、TRC制御の禁止信号)を
出力する圧力スイッチ112が設けられている。
【0064】また、リザーバー100から延設された他
の配管には、ブレーキペダル118にかかった踏力に応
じた油圧を発生させるマスターシリンダー114が接続
されている。このマスターシリンダー114とブレーキ
ペダル118との間には、アキュームレーター110の
高油圧を踏力に応じた油圧に調圧・導入しブレーキの助
勢力を発生させるブレーキブースター116が配置され
ている。
【0065】このブレーキブースター116には、アキ
ュームレーターの高油圧側の配管とリザーバー100か
ら直接延設された配管とが接続されており、ブレーキペ
ダル118の踏み込み量が一定値以下の場合、リザーバ
ー100からの通常の油圧が導入され、踏み込み量が一
定値を越えるとアキュームレーター108からの高油圧
が導入される。
【0066】また、マスターシリンダー114からは該
マスターシリンダーの油圧(マスタ圧)を前後輪に各々
供給するためのフロント用マスタ圧配管164及びリヤ
用マスタ圧配管166が設けられている。そして、フロ
ント用マスタ圧配管164及びリヤ用マスタ圧配管16
6には、前後輪で適正な制動力の配分となるようにリヤ
系統のブレーキ油圧を調圧するP&Bバルブ120が介
在されている。なお、P&Bバルブ120は、フロント
系統欠損時にはリヤ系統の調圧を中止する。
【0067】また、P&Bバルブ120から延びたフロ
ント用マスタ圧配管164には、パワーサプライ系の油
圧が低下した場合にフロントホイールシリンダー油圧を
増圧して高い制動力を確保するための増圧装置122が
設けられている。この増圧装置122には、ブレーキブ
ースター116のブースター室に接続されたブースター
配管168が接続されており、このブースター配管16
8と増圧装置122との間には、圧力リミッター124
及び差圧スイッチ126が介在されている。
【0068】圧力リミッター124は、システム正常時
にブレーキブースター116の助勢力限界以上の入力付
加に対し、増圧装置122及び差圧スイッチ126を作
動させないようにブースター室との経路を閉じる。ま
た、差圧スイッチ126はマスターシリンダー114と
ブースター室との油圧差を検出する。
【0069】このブースター配管168には、上述した
右前輪用の制御ソレノイドバルブ132(「バルブSF
R」)の増圧側バルブ132aと、左前輪用の制御ソレ
ノイドバルブ134(「バルブSFL」)の増圧側バル
ブ134aが接続されている。さらにバルブSFRの減
圧側バルブ132b及びバルブSFLの減圧側バルブ1
34bには、リザーバー100から直接延設された低圧
配管162が接続されている。
【0070】バルブSFR及びバルブSFLの圧力供給
側の配管には、切り換えソレノイドバルブ136(以
下、「バルブSA1」)及び切り換えソレノイドバルブ
138(以下、「バルブSA2」)が各々接続されてお
り、このバルブSA1及びバルブSA2には、さらに増
圧装置122の増圧側配管が接続されている。そして、
バルブSA1の圧力供給側の配管は、左前輪のブレーキ
ディスク152にブレーキ圧を加えるフロントホイール
シリンダー144に接続されており、バルブSA2は、
右前輪のブレーキディスク154にブレーキ圧を加える
フロントホイールシリンダー146に接続されている。
【0071】バルブSA1及びバルブSA2は、通常の
ブレーキモード時には、増圧装置122からの圧力が、
各々フロントホイールシリンダー144、146にかか
るように弁を切り換え、ABS制御モード時には、バル
ブSFR及びバルブSFLからの圧力が各々フロントホ
イールシリンダー144、146にかかるように弁を切
り換える。すなわち、前輪では、通常ブレーキモードと
ABS制御モードとの切り換えは左右輪毎に独立して行
うことが可能となっている。
【0072】また、ブースター配管168には、切り換
えソレノイドバルブ130(以下、「SA3」)を介し
て、上述した右後輪用の制御ソレノイドバルブ140
(「バルブSRR」)の増圧側バルブ140aと、左後
輪用の制御ソレノイドバルブ142(「バルブSR
L」)の増圧側バルブ140bが接続されている。さら
にバルブSRRの減圧側バルブ140b及びバルブSR
Lの減圧側バルブ142bには、リザーバー100から
直接延設された低圧配管162が接続されている。
【0073】バルブSRRの圧力供給側の配管は、右後
輪のブレーキディスク156にブレーキ圧を加えるリヤ
ホイールシリンダー148に接続されており、バルブS
RLは、左後輪のブレーキディスク158にブレーキ圧
を加えるリヤホイールシリンダー150に接続されてい
る。
【0074】バルブSA3は、通常のブレーキモード時
には、リヤ用マスタ圧配管166からのマスタ圧が、バ
ルブSRL及びバルブSRRにかかるように弁を切り換
え、ABS制御モード時には、ブースター配管168の
高油圧がバルブSRL及びバルブSRRにかかるように
弁を切り換える。すなわち、後輪では、通常ブレーキモ
ードとABS制御モードとの切り換えは左右まとめて行
われる。
【0075】次に、本実施の形態の作用を説明する。な
お、ABSモード時には、図6のバルブSA1及びバル
ブSA2が増圧装置122側の弁を閉じバルブSFR及
びバルブSFL側の弁を開ける。また、バルブSA3が
リヤ用マスタ圧配管166側の弁を閉じブースター配管
168側の弁を開ける。
【0076】まず、車輪速検出手段10が、各輪各々に
ついてサンプル時間τ毎に車輪速を検出し、各車輪毎の
車輪速度の時系列データωi [k] を出力する。処理手段
11は、各車輪毎の車輪速度の時系列データωi [k] を
ハイパスフィルタ処理する。
【0077】次に、トルク勾配推定手段12が、上記ス
テップ1において、ハイパスフィルタ処理された車輪速
度の時系列データωhi [k]に基づき(10)式、(12)式を計
算し、次に上記ステップ2において(13)式の漸化式から
制動トルク勾配を推定する。このステップ1及びステッ
プ2を順次繰り返すことにより、推定された制動トルク
勾配の時系列データを得る。
【0078】そして、ABS制御手段14が図7のフロ
ーチャートの流れで処理を行う。
【0079】図7に示すように、ABS制御手段14
は、トルク勾配推定手段12が推定した各サンプル時刻
の制動トルク勾配を用いて各サンプル時刻における各車
輪の操作量u(ui :i=1、2、3、4)を演算する
(ステップ200)。
【0080】すなわち、(14)式〜(18)式から(19)式、(2
0)式の状態方程式を導出し、(19)式、(20)式で現れる(2
1)式の構造を持つ任意のΔ(−1≦△fi、△gi≦1)を
許容する制御系をいわゆるμ設計法を用いて設計するこ
とにより、(23)式、(24)式のコントローラを導出する。
そして、(24)式のxc にコントローラの状態値を、同式
のyにトルク勾配推定手段12が推定した制動トルク勾
配の値を代入することによりABS制御弁16の操作量
uを得る。
【0081】次に、車輪番号iを1に設定し(ステップ
202)、第i輪の操作量ui が正の基準値+eより大
きいか否かを判定する(ステップ204)。操作量ui
が正の基準値+eより大きい場合(ステップ204肯定
判定)、第i輪のABS制御弁の操作信号を、増圧信号
に設定する(ステップ206)。
【0082】操作量ui が正の基準値+eより大きくな
い場合(ステップ204否定判定)、操作量ui が負の
基準値−eより小さいか否かを判定する(ステップ20
8)。操作量ui が負の基準値−eより小さい場合(ス
テップ208肯定判定)、第i輪のABS制御弁の操作
信号を、減圧信号に設定する(ステップ210)。
【0083】操作量ui が負の基準値−eより小さくな
い場合(ステップ208否定判定)、すなわち、操作量
i が負の基準値−e以上であってかつ正の基準値+e
以下の場合には、第i輪のABS制御弁の操作信号を、
保持信号に設定する(ステップ212)。
【0084】このように第1輪の操作量u1 についての
操作信号を設定すると、車輪番号iを1だけインクリメ
ントし(ステップ214)、次にiが4を越えているか
否かを判定する(ステップ216)。iが4を越えてい
ない場合(ステップ216否定判定)、ステップ204
に戻り、同様にしてインクリメントした車輪番号iの操
作量ui について操作信号の設定を行う。
【0085】車輪番号iが4を越えた場合(ステップ2
16肯定判定)、すなわち、第1輪〜第4輪すべてのA
BS制御弁の操作信号が設定されると、設定された操作
信号をABS制御弁16へ送出する(ステップ21
8)。なお、以上のような操作信号の設定及び操作信号
の送出は、各サンプル時刻毎に行われる。
【0086】このように各車輪毎の操作信号が送出され
ると、ABS制御弁16では、図5のSFRコントロー
ラ131、SFLコントローラ133、SRRコントロ
ーラ139、SRLコントローラ141が、各操作信号
に応じてバルブSFR、バルブSFL、バルブSRR、
バルブSRLの開閉の制御を行う。
【0087】すなわち、増圧信号のときは増圧側バルブ
を開き、減圧側バルブを閉じる。これによって、図6の
ブースター配管168の高油圧が対応するホイールシリ
ンダに加えられて制動力が増加する。逆に、減圧信号の
ときは増圧側バルブを閉じ、減圧側バルブを開く。これ
によって、図6の低圧配管162の低油圧が対応するホ
イールシリンダに加えられて制動力が減少する。また、
保持信号のときは増圧側バルブ及び減圧側バルブを同時
に閉じる。これによって、対応するホイールシリンダに
加えられた油圧が保持されて制動力が保持される。
【0088】以上説明したように本実施の形態では、制
動トルク勾配を推定ために従来必要であった未知係数f
i を省略することができるので、制動トルク勾配の推定
のための演算量を少なくすることができる。よって、制
動トルク勾配の推定精度が向上することが期待できる。
【0089】即ち、図9(B)に示すように、タイヤ発
生力特性に余裕がある制動の時、即ち、ホイールシリン
ダ油圧が0.5Pb以下の非常に弱い制動の時、図9
(A)に示すように、車輪速度及び車体速度が徐々に減
少する。そして、本実施の形態における新推定法及び従
来推定法ともにμ勾配推定値50Nms/rad付近と
なっており、新推定法及び従来推定法ともにタイヤ発生
力に余裕が残されていることを示している。
【0090】また、図10(B)に示すように、タイヤ
発生力限界付近の制動の時、即ち、車輪がロックするぎ
りぎりの時、図10(A)に示すように、車輪速度及び
車体速度が徐々に減少する。そして、本実施の形態にお
ける新推定法及び従来推定法ともにμ勾配推定値20N
ms/rad付近となっており、新推定法及び従来推定
法ともにタイヤ発生力に余裕がなくタイヤ発生力限界に
近いことを示している。
【0091】また、上記のように推定した制動トルク勾
配に基づいて、車輪に作用するブレーキ力を制御するの
で、精度のよいアンチロックブレーキ制御を期待でき
る。
【0092】なお、本実施の形態では、車輪速の時系列
データのみから制動トルク勾配を推定し、この制動トル
ク勾配が0となるようにABS制御を行うので、車両の
走行する路面状態によりピークμとなるスリップ速度が
変化したとしても、安定にABS制御を行うことができ
る。
【0093】また、本実施の形態では、車体速度を推定
する必要が無いので、従来のように、車体速度の推定の
ために車輪速度から求めた速度vw と実車体速度vv*
が一致もしくは近い値になるまでブレーキ力の増圧減圧
を比較的低周波で繰り返したり、基準速度と比較する車
体速度が実際の車体速度と大きく異なる場合等で、車輪
が長時間ロック状態に陥るとか復帰のためブレーキ力を
極端に減少させてしまうなどの問題を回避でき、快適な
ABS制御を実現できる。
【0094】さらに、本実施の形態では、タイヤの特性
の強い非線形特性を有するシステムに対し単純に現代制
御理論を適用するのでなく、この非線形特性を見かけ上
等価的なプラント変動としてみなすことができる点に着
眼し、このプラント変動を許容するようなABS制御系
設計をロバスト制御理論の適用により達成したので、4
輪の干渉等も考慮されたきめ細かなABS制御を実現で
きる。
【0095】以上が、本発明の実施の形態であるが、上
記例にのみ限定されるものではない。例えば、上記実施
の形態では、制動トルク勾配を0又は0に近い値とする
ようにピークμ追随するように設計したが、制動トルク
勾配を0以外の基準値に制御するように設計することも
可能である。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、トルク勾
配を推定ために従来必要であった未知係数(オフセット
項)を省略することができるので、トルク勾配の推定の
ための演算量を少なくすることができ、トルク勾配の推
定精度が向上することが期待できる、という効果を有す
る。
【0097】また、本発明は、上記のように推定した制
動トルク勾配に基づいて、車輪に作用するブレーキ力を
制御するので、精度のよいアンチロックブレーキ制御を
期待できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るアンチロックブレー
キ制御装置の構成を示す図である。
【図2】スリップ速度と、制動トルク及び制動トルク勾
配との関係を示す図である。
【図3】スリップ速度の関数としての制動トルクFi
び制動トルク勾配Gi の変化を示す図であって、(a)
は制動トルクFi の変動の上限下限を、(b)は制動ト
ルク勾配Gi の変動の上限下限を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る車輪速検出手段の構成を説
明するための図であって、(a)は車輪速検出手段の構
成図、(b)はピックアップコイルに発生する交流電圧
の時間的変化を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るABS制御弁の構成を示す
図である。
【図6】本実施の形態に係るABS制御弁を含むシステ
ム油圧回路の構成を示す図である。
【図7】本実施の形態に係るABS制御の流れを示すフ
ローチャートである。
【図8】本実施の形態に係るABS制御が適用される車
両の力学モデルを示す図である。
【図9】本実施の形態及び従来の推定方法における余裕
のある制動時の実験結果を示したグラフである。
【図10】本実施の形態及び従来の推定方法におけるタ
イヤ発生力限界付近の制動時の実験結果を示したグラフ
である。
【符号の説明】
10 車輪速検出手段 11 処理手段 12 トルク勾配推定手段 14 ABS制御手段 16 ABS制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山口 裕之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 菅井 賢 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 浅海 周 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3D046 BB28 EE01 HH36 HH39 HH46 KK06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のサンプル時間毎に車輪速度を検出
    する検出手段と、 前記検出手段により検出された車輪速度を、車輪の加速
    度の定常成分が除去されるように、処理する処理手段
    と、 車輪及び車体各々の運動方程式から得られかつ車輪の加
    速度を用いた運動方程式から車輪加速度の定常項を省略
    して得られるトルク勾配を未知数として含む関係式と前
    記処理手段により処理された車輪速度の時系列データと
    に基づいて、トルクの勾配を推定する推定手段と、 を備えたトルク勾配推定装置。
  2. 【請求項2】 前記処理手段は、1次以上のハイパスフ
    ィルタで構成した請求項1記載のトルク勾配推定装置。
  3. 【請求項3】 前記処理手段は、車輪の加速度の定常的
    な値がオフセット値とみなすことの可能なハイパスフィ
    ルタで構成した請求項2記載のトルク勾配推定装置。
  4. 【請求項4】 所定のサンプル時間毎に車輪速度を検出
    する検出手段と、 前記検出手段により検出された車輪速度を、車輪の加速
    度の定常成分が除去されるように、処理する処理手段
    と、 車輪及び車体各々の運動方程式から得られかつ車輪の加
    速度を用いた運動方程式から車輪加速度の定常項を省略
    して得られるトルク勾配を未知数として含む関係式と前
    記処理手段により処理された車輪速度の時系列データと
    に基づいて、制動トルクの勾配を推定する推定手段と、 前記推定手段により推定された制動トルク勾配が基準値
    を含む所定範囲の値となるように車輪に作用するブレー
    キ力を制御する制御手段と、 を備えたアンチロックブレーキ制御装置。
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