JP2001306105A - 制御系設計方法 - Google Patents

制御系設計方法

Info

Publication number
JP2001306105A
JP2001306105A JP2000124619A JP2000124619A JP2001306105A JP 2001306105 A JP2001306105 A JP 2001306105A JP 2000124619 A JP2000124619 A JP 2000124619A JP 2000124619 A JP2000124619 A JP 2000124619A JP 2001306105 A JP2001306105 A JP 2001306105A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
control system
parameter
model
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000124619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4503780B2 (ja
Inventor
Makiyuki Nakayama
万希志 中山
Tomonori Matsubara
智典 松原
Hisaya Fujioka
久也 藤岡
Yutaka Yamamoto
裕 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2000124619A priority Critical patent/JP4503780B2/ja
Publication of JP2001306105A publication Critical patent/JP2001306105A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4503780B2 publication Critical patent/JP4503780B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作量から制御量までの特性が非線形要素を
有し,前記非線形要素の特性がパラメータの変動によっ
て変化する制御対象の,前記制御量を望ましい目標値に
一致させる従来の制御系の設計手法では,ロバスト安定
を確保する場合に,ゲインが低く設定されてしまい,即
応性に欠けていた。 【解決手段】 本発明は,前記パラメータの変動しうる
範囲で前記パラメータを変動させたときの前記操作量と
対応する前記制御量の変動範囲を求め,それに基づいて
非線形モデルを作成することにより,上述の課題を解決
することを図ったものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,例えば鉄鋼製品の
板幅制御にみられるような,操作量から制御量までの特
性が非線形要素を有し,前記非線形要素の特性がパラメ
ータの変動によって変化する制御対象の,前記制御量を
望ましい目標値に一致させる制御系の設計方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年鉄鋼製品の寸法精度に対する要求は
益々強いものとなってきた。鉄鋼製品において,寸法と
して注目されるのは,板厚と板幅である。両者を比較す
ると,板厚制御については数多くの制御系の構築がなさ
れているのに対し,板幅制御についてのそれは少ない。
その一因として,板幅制御については,制御系に適した
モデルが知られていないことが挙げられる。板幅に関す
るモデルは提案されてはいるものの,そのパラメータは
不確定であり,また動作点変動の大きさと比較して強い
非線形性を有している。このような鉄鋼製品の板幅制御
に限らず,従来の制御系設計手法では,非線形特性をも
つ制御対象について,ある代表点で線形化したモデルを
用いたり,単に入出力関係の非線形特性を考慮したモデ
ル化を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,ある代
表点で線形化したモデルを用いたり,単に入出力関係の
非線形特性を考慮するために,従来の制御系設計手法で
は,摂動することが明らかにないとわかっている不必要
なところまでもモデル化して設計に反映していた。変動
領域が大きい形でモデル化する場合,それに対してロバ
スト制御系を設計すると,その変動領域内の最も安定性
の悪い点でも安定性が確保されるようなゲインが設定さ
れる。従って,変動領域の中に現実にはあり得ないが安
定性が悪い点が存在すると,必要以上に低いゲインが設
定されることになる。その結果,安定性は確保できるも
のの,即応性が著しく劣化する制御系が構成されてい
た。本発明は,このような従来の技術における課題を解
決するために,制御対象が非線形を持ち,かつそのパラ
メータが変動する場合においても,安定性を確保しつ
つ,即応性を向上させるような制御系の設計方法を提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに,本発明は,操作量から制御量までの特性が非線形
要素を有し,前記非線形要素の特性がパラメータの変動
によって変化する制御対象の,前記制御量を望ましい目
標値に一致させるべく,前記非線形要素を記述した非線
形モデルを作成し,前記非線形モデルを含んだ形で制御
対象全体をモデル化し,前記制御対象全体のモデルに対
してロバスト制御設計手法を適用して制御系を設計する
ための制御系設計方法であって,前記パラメータの変動
しうる範囲で前記パラメータを変動させたときの,前記
操作量と対応する前記制御量の変動範囲を求め,前記求
められた前記制御量の変動範囲を,前記操作量及び前記
制御量それぞれについて,与えられた平衡点からの偏差
同士の関係に基づいて変換する処理をコンピュータを用
いて行い,前記変換後の変動範囲を全て含むように,前
記操作量の偏差から前記制御量の偏差へのゲインについ
ての摂動でモデル化することにより前記非線形要素を記
述した非線形モデルを作成し得るようにしてなる制御系
設計方法として構成されている。本発明では,操作量か
ら制御量までの特性が非線形要素を有し,前記非線形要
素の特性がパラメータの変動によって変化する制御対象
の,前記制御量を望ましい目標値に一致させるべく,前
記非線形要素を記述した非線形モデルを作成し,前記非
線形モデルを含んだ形で制御対象全体をモデル化し,前
記制御対象全体のモデルに対してロバスト制御設計手法
を適用して制御系を設計するにあたって,前記パラメー
タの変動しうる範囲で前記パラメータを変動させたとき
の,操作量と対応する制御量の変動範囲が求められ,求
められた前記制御量の変動範囲が,前記操作量及び前記
制御量それぞれについて,与えられた平衡点からの偏差
同士の関係に基づいて変換される。そして,前記変換後
の変動範囲を全て含むように,前記操作量の偏差から前
記制御量の偏差へのゲインについての摂動でモデル化す
ることにより,前記非線形要素を記述した非線形モデル
が作成される。このように作成された非線形モデルは,
考えられるパラメータ変動により摂動する入出力のゲイ
ン特性をカバーしながら,不必要な領域まで考慮しない
必要最小限の摂動領域の非線形モデルである。従って,
得られた非線形モデルを含んだ形で制御対象全体をモデ
ル化してから,前記制御対象全体のモデルに対してロバ
スト制御設計手法を適用して制御系を設計すれば,制御
対象が非線形を持ち,かつそのパラメータが変動する場
合においても,安定性を確保しつつ,即応性を向上させ
るような制御系を得ることが可能となる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して,本発
明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。
なお,以下の実施の形態は,本発明の具体的な例であっ
て,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。本発明に係る制御系の設計方法は,操作量から制御
量までの特性が非線形要素を有し,前記非線形要素の特
性がパラメータの変動によって変化する制御対象の,前
記制御量を望ましい目標値に一致させる制御系の設計方
法である。この実施の形態では,熱間圧延プロセスにお
ける板幅制御に関して制御系を設計する例を説明する。
本発明に係る制御系の設計方法を用いて,制御系の設計
を行う際の基本的な手順は,図1に示す通りである。す
なわち,前記パラメータの変動しうる範囲で前記パラメ
ータを変動させたときの,前記操作量と対応する前記制
御量の変動範囲を求め(S1),前記求められた前記制
御量の変動範囲を,前記操作量及び前記制御量それぞれ
について,与えられた平衡点からの偏差同士の関係に基
づいて変換し(S2),前記変換後の変動範囲を全て含
むように,前記操作量の偏差から前記制御量の偏差への
ゲインについての摂動でモデル化することにより前記非
線形要素を記述した非線形モデルを作成し(S3),前
記非線形モデルを含んだ形で前記制御対象全体をモデル
化し(S4),前記制御対象全体のモデルに対してロバ
スト制御設計手法を適用して制御系を設計する(S
5)。
【0006】その詳細を以下に説明する。図2は,第i
スタンドと第(i+1)スタンドとの間の張力操作によ
る板幅制御系の構成を示す図である。図2(a)は側方
から制御系をながめた図であり,図2(b)は上面から
制御系をながめた図である。この制御系において用いら
れる,図2に表された記号やその他の記号の意味をまと
めると,σは後方張力,σf は前方張力,Hはローラの
入側板厚,hはローラの出側板厚,ld は接触弧長,K
m は変形抵抗,Tは絶対温度,t0 は非時間依存歪補正
量,tはスタンド間滞在時間,rは圧下率,P,Q,
α,βは定数である。はじめに,板幅制御系の構成及び
仕様を示し,板幅の非線形モデルを示す。制御系に対す
る仕様は,まず(1)第(i+1)スタンドの出側板幅
ωi+1 が,第iスタンドの入側板幅Wi の定常的な変化
に関わらず,目標値ωref に追従することである。そし
て,第iスタンドの入側板幅Wi は時間関数として見る
と,定常値に0.1〜0.2〔Hz〕の帯域を持つ外乱
が加わったものととらえることができるので,(2)
0.1〜0.2〔Hz〕の帯域で第(i+1)スタンド
の出側板幅ω i+1 の第iスタンドの入側板幅Wi に対す
る感度を下げることも仕様とする。制御入力は,第(i
+1)スタンドにおける後方張力σi+1 への指令値σ
refであり,観測出力は第(i+1)スタンドの出側板
幅ωi+1 である。第(i+1)スタンドにおける後方張
力σi+1 とその指令値σref には, σi+1 (s)=PA (s)σref (s) PA (s)=1/(0.1s+1) の関係があり,観測には圧延の加速により単調に減少す
るむだ時間が存在する。
【0007】文献「熱延仕上ミルにおける板幅制御の開
発」(村田,東,升田,関根,小倉;材料とプロセス,
vol.9,pp.308-311,1996 )の仕上げミルにおける板幅の
(静的)モデルによると,第(i+1)スタンドの出側
板幅ωi+1 は, ωi+1 =N(σi+1 ,Wi ;θ) (1) で表される。N(・)の具体的な形は省略するが,静的
な関係式であり,θは次の通り他のパラメータの組であ
る。 θ=〔Ti ,ti ,Hi ,hi ,hi+1 ,ldi,l
d(i+1),Kmi,Km(i+1)〕 この実施の形態では,パラメータは以下の値をとるもの
とする。 ωref =1266〔mm〕,Wi (の定常値)∈〔12
63,1269〕〔mm〕,Ti ∈〔1223,129
3〕〔K〕,ti ∈〔3.0,5.2〕〔s〕,また,
i ,hi はそれぞれ35.0〔mm〕,23.15
〔mm〕をノミナル値とし,±10パーセントの不確定
性を考える。hi+1 ,ldi,ld(i+1),K mi,Km(i+1)
はそれぞれ15.21〔mm〕,36〔mm〕,36
〔mm〕,117.6〔N/mm2 〕,127.4〔N
/mm2 〕をノミナル値とし,±5%の不確定性を考え
る。上で示した仕様は,これらのパラメータの範囲でロ
バストに達成されなければならない。上述のパラメータ
の範囲で上式(1)は第iスタンドの入側板幅Wi に依
存しない関数N(・)を用いてほぼ正確に ωi+1 =N(σi+1 ;θ)+Wi (2) で近似することができる。N(・)の具体的な形を示す
代わりに,Wi =1266,残りのパラメータは最大又
は最小としたときの第(i+1)スタンドにおける後方
張力σi+1 と第(i+1)スタンドの出側板幅ωi+1
関係を図3に示す。図3の関係を求めるには,入側板幅
Wをノミナル値に固定して,張力から出側板幅への関係
式(1)を用い,上式(1)を構成しているパラメータ
を上限値か下限値に設定して,その時のスタンド間張力
から出側板幅偏差を演算する処理を各パラメータに対し
てコンピュータを用いて繰り返し行えばよい。この手順
が,上述の処理手順S1に対応する。以下では,上式
(2)を板幅モデルとする。
【0008】上式(2)の非線形性及びパラメータ不確
定性のもとでのトラッキング問題をロバスト制御問題に
帰着する。まず,積分補償によりωi+1 =ωref は平衡
点であるとする。θを固定すると(σi+1 ,ωi+1 )の
プロットは,第iスタンドの入側板幅Wi の変化にとも
ない上下にシフトする。これを模式的に示したのが図4
(a)である。第iスタンドの入側板幅Wi =126
3,1269に対する平衡点をそれぞれ黒丸と白丸とで
示した。これらの平衡点を安定化すればトラッキングが
達成される。ここでは,第iスタンドの入側板幅Wi
陽には用いない補償器を求めるため,第iスタンドの入
側板幅Wi による特性の変化を摂動としてとらえる:偏
差系を考え,平衡点を原点にシフトすれば,図4(b)
を得る。(σi+1 ⌒,ωi+1 ⌒)のプロットはノミナル
ゲイン+セクタ有界摂動でおおうことができる。すなわ
ち,α∈R,β>0を適切に選べば, ωi+1 ⌒=(α+ΔN )σi+1 ⌒ ΔN ∈{Δ│Δσ=φ(σ),φ:R→R,−βσ2
φ(σ)σ≦βσ2 ,∀σ∈R} とすることができる。ただし,便宜上⌒によって定常値
や目標値からの偏差を表しており,σi+1 ⌒は第(i+
1)スタンドにおける後方張力σi+1 の定常値(Wi
依存)からの,ωi+1 ⌒は第(i+1)スタンドの出側
板幅ωi+1 のその指令値ωref からの偏差を表す。さら
に,パラメータの不確定性を考慮するために,さまざま
なθに対して上述の手順(S2)をコンピュータにより
繰り返して得たものが図5である。図5の(σi+1 ⌒,
ωi+1 ⌒)のプロットを全ておおうα,βを選び,ΔN
に対してロバスト安定化すれば,第iスタンドの入側板
幅Wi の定常値,θの不確定性に対してロバストにトラ
ッキングが達成される。なお,セクタ有界の条件は必須
ではない。セクタ有界摂動も条件に含めたのは,制御系
設計の際に定式化が簡単になるからである。張力−幅の
2次元平面の領域は,極座標では無限円の平面と考えら
れる。その一部,つまり扇形でカバーできる領域という
のがセクタの意味である。そのような形状にすると,直
線間で定義が可能になる。複雑な形状を用いた場合,そ
れで一旦はカバーできても,実際に制御系を設計すると
きは,その形状の境界を直線で近似するなどしてカバー
するようにしないと,設計が困難になる。
【0009】ところで,板幅制御の難しさの主な原因の
一つはむだ時間の存在およびその変化にある。単調減少
むだ時間DL ∈Dを考える。Dは次のように定義され
る。 D={DL :ω→v,v(t)=ω(t−L(t)),
L(t)∈〔Lmin ,Lmax 〕,dL(t)/dt∈
〔−Ld ,0} ここでは,Lmin =1.5,Lmax =2.6,Ld
0.1とする。DL をL(t)=2.6に対する1次パ
デー近似Ps(s)と ΔL Δ L ={ΔL :ΔL =DL −Ps,DL ∈D } に分解し,ΔL を摂動としてとらえる。このような議論
をまとめた制御系の構成を図8に示す。dは第iスタン
ドの入側板幅Wi の外乱成分である。e1 ,e2 は評価
量であり,それぞれ偏差とその積分値である。Wpはe
1 とe2 とのバランスをとり,また周波数整形を行うた
めの重み関数である。ここでは,重み関数Wpを次のよ
うに与える。
【数1】 解くべき問題はそれぞれのクラスで任意のΔN ,ΔL
対して系を安定化し,dからeへの誘導ノルムの最悪値
を最小化するKの設計である。今までの議論から,これ
はIQCに基づく制御系設計として定式化でき,定数ス
ケールドH∞設計問題に帰着される。大域的に最適なK
を求めるのは困難であるが,ここでは,対応するLMI
を解く解析と,重みを固定したH∞設計を交互に繰り返
して(D−Kイタレーション)補償器を求めた。図8の
破線で囲んだ部分がコントローラであり,Wpは重み行
列,1/sは積分器,ΔLは観測できるむさ時間に関連
する偏差量である。つまりこのコンローラは変動するむ
だ時間がロール速度から計算可能で,このむだ時間に応
じた適応的なコントローラになっている。積分器は定常
偏差を解消するのに用いられ,Wpは目標値追従性を調
整するのに用いられる。e1とe2のいずれを重んじる
か,どの周波数成分を排除するかなどによって定められ
る。図8のNLは非線形モデル部である。張力から板幅
までの非線形成分を上述のようにしてモデル化したもの
であり,操作量である張力がどのように出側板幅に影響
を与えるかが表現されている。残りの部分はむだ時間を
パデー近似したもので,ノミナル値のパデー近似と観測
されるむだ時間との偏差分をΔLとして表現している。
つまり,コントローラ側と同じΔLが制御対象も当然含
んでいるというモデル化である。このむだ時間の部分
は,板幅制御系が制御対象の場合には,かならずむだ時
間が存在するので挿入しておくのが適当であるが,他の
制御対象の場合には必ずしも必要となるものではない。
【0010】このようにして設計した補償器とPI補償
器を第iスタンドの入側板幅Wi の外乱成分に対する応
答で比較する。ただし,PI補償器のパラメータは限界
感度法によって設定した。(コンピュータ)シミュレー
ションにおいてむだ時間の長さL(t)は
【数2】 とした。図9,図10にそれぞれ単位ステップ外乱及び
0.8〔rad/s〕の周期外乱(振幅1)に対する応
答を示す。PI補償器を用いた場合の応答(破線)と比
較して,本設計により補償器を用いた応答(実線)はお
おむね良好である。上述の通り,鉄鋼圧延プロセスの仕
上げミルにおいて,第iスタンドと第(i+1)スタン
ドとの間の張力を操作することにより,第(i+1)ス
タンドの出側板幅を制御する補償器を非線形モデルに基
づき設計した。構成された系において,出側板幅は入側
板幅の定常値の変化による動作点の変化およびモデルの
パラメータ変動に対してロバストに目標値に追従する。
なお,本実施の形態では,第iスタンドと第(i+1)
スタンドとの間の張力を操作したが,実装においてはス
タンド間張力の全体のバランスを考慮する必要がある。
また,前記実施の形態では,1操作量1制御量の制御対
象であったが,これに限られるものではなく,多入出力
の制御対象について適用することも可能である。この場
合,カバーする範囲の形状は,超平面でかこまれた領域
になる。また,前記実施の形態では,鉄鋼圧延プロセス
について本発明を適用したが,これに限られるものでは
なく,操作量から制御量までの特性が非線形要素を有
し,前記非線形要素の特性がパラメータの変動によって
変化する様々な制御対象に適用することが可能である。
また,ロバスト制御設計手法としては,IQC設計手法
の他,例えばLPV形式の設計手法など周知の設計手法
を用いればよい。
【0011】
【発明の効果】以上説明した通り,本発明に係る制御系
設計方法では,操作量から制御量までの特性が非線形要
素を有し,前記非線形要素の特性がパラメータの変動に
よって変化する制御対象の,前記制御量を望ましい目標
値に一致させるべく,前記非線形要素を記述した非線形
モデルを作成し,前記非線形モデルを含んだ形で制御対
象全体をモデル化し,前記制御対象全体のモデルに対し
てロバスト制御設計手法を適用して制御系を設計するに
あたって,前記パラメータの変動しうる範囲で前記パラ
メータを変動させたときの,操作量と対応する制御量の
変動範囲が求められ,求められた前記制御量の変動範囲
が,前記操作量及び前記制御量それぞれについて,与え
られた平衡点からの偏差同士の関係に基づいて変換さ
れ,そして,前記変換後の変動範囲を全て含むように,
前記操作量の偏差から前記制御量の偏差へのゲインにつ
いての摂動でモデル化することにより,前記非線形要素
を記述した非線形モデルが作成されるため,考えられる
パラメータ変動により摂動する入出力のゲイン特性をカ
バーしながら,不必要な領域まで考慮しない必要最小限
の摂動領域の非線形モデルを得ることができる。その結
果,制御対象が非線形を持ち,かつそのパラメータが変
動する場合においても,安定性を確保しつつ,即応性を
向上させるような制御系を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る制御系設計方法を
用いて制御系の設計を行う際の手順を示すフローチャー
ト。
【図2】 本発明の実施の形態に係る制御系設計方法を
適用する板幅制御系を説明するための図。
【図3】 板幅の非線形モデルを表す図。
【図4】 非線形性を考慮した摂動モデルの模式的な
図。
【図5】 非線形性・パラメータ不確定性を考慮した摂
動モデルを表す図。
【図6】 本発明の実施の形態に係る制御系設計方法に
より設計したフィードバック制御系を示す図。
【図7】 ステップ外乱に対する応答を,本発明の実施
の形態に係る制御系設計方法によって設計した補償器と
PI補償器とについて比較する図。
【図8】 周期外乱に対する応答を,本発明の実施の形
態に係る制御系設計方法によって設計した補償器とPI
補償器とについて比較する図。
【符号の説明】
NL…非線形モデル部 S1…制御量の変動範囲を求める S2…制御量の変動範囲を変換する S3…非線形モデルの作成 S4…制御対象全体をモデル化する S5…制御系の設計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 久也 京都府京都市左京区吉田本町 京都大学大 学院 情報学研究科内 (72)発明者 山本 裕 京都府京都市左京区吉田本町 京都大学大 学院 情報学研究科内 Fターム(参考) 4E024 AA08 BB01 BB02 BB03 GG01 5H004 GA02 GA08 GB03 HA07 HB07 KB01 KC18 KC35 KC55 LA03 LA11 9A001 BB02 GG21 HH32 JJ48 KK54

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作量から制御量までの特性が非線形要
    素を有し,前記非線形要素の特性がパラメータの変動に
    よって変化する制御対象の,前記制御量を望ましい目標
    値に一致させるべく,前記非線形要素を記述した非線形
    モデルを作成し,前記非線形モデルを含んだ形で制御対
    象全体をモデル化し,前記制御対象全体のモデルに対し
    てロバスト制御設計手法を適用して制御系を設計するた
    めの制御系設計方法であって,前記パラメータの変動し
    うる範囲で前記パラメータを変動させたときの,前記操
    作量と対応する前記制御量の変動範囲を求め,前記求め
    られた前記制御量の変動範囲を,前記操作量及び前記制
    御量それぞれについて,与えられた平衡点からの偏差同
    士の関係に基づいて変換する処理をコンピュータを用い
    て行い,前記変換後の変動範囲を全て含むように,前記
    操作量の偏差から前記制御量の偏差へのゲインについて
    の摂動でモデル化することにより前記非線形要素を記述
    した非線形モデルを作成し得るようにしてなる制御系設
    計方法。
JP2000124619A 2000-04-25 2000-04-25 制御系設計方法 Expired - Fee Related JP4503780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000124619A JP4503780B2 (ja) 2000-04-25 2000-04-25 制御系設計方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000124619A JP4503780B2 (ja) 2000-04-25 2000-04-25 制御系設計方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001306105A true JP2001306105A (ja) 2001-11-02
JP4503780B2 JP4503780B2 (ja) 2010-07-14

Family

ID=18634719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000124619A Expired - Fee Related JP4503780B2 (ja) 2000-04-25 2000-04-25 制御系設計方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4503780B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000118375A (ja) * 1998-10-13 2000-04-25 Toyota Central Res & Dev Lab Inc トルク勾配推定装置及びアンチロックブレーキ制御装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000118375A (ja) * 1998-10-13 2000-04-25 Toyota Central Res & Dev Lab Inc トルク勾配推定装置及びアンチロックブレーキ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4503780B2 (ja) 2010-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Benlatreche et al. Robust decentralised control strategies for large-scale web handling systems
US20020016640A1 (en) Multi-variable matrix process control
US8050792B2 (en) Method and device for optimization of flatness control in the rolling of a strip
JPH05197401A (ja) 制御方法及びその装置
JP2009208115A (ja) 圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置、圧延シミュレーション装置
US20080298963A1 (en) Method and device for controlling load reduction for a wind turbine rotor
KR0135586B1 (ko) 프로세스제어방법 및 그 장치
US20240004352A1 (en) Dynamic proportional-integral-derivative (pid) method for plate straightening based on changes in yield strength
Yang et al. Generalized gain margin for nonlinear systems
WO2002013984A1 (fr) Dispositif de commande pour train de laminage en en continu
Prinz et al. Online parameter estimation for adaptive feedforward control of the strip thickness in a hot strip rolling mill
JP2001306105A (ja) 制御系設計方法
JP3085499B2 (ja) 圧延機制御方法および装置
JP2012121063A (ja) タンデム圧延機の制御方法及び制御装置
JP3389903B2 (ja) 金属帯の圧延制御方法
US6847851B1 (en) Apparatus for improved general-purpose PID and non-PID controllers
JP2565600B2 (ja) 圧延機に於ける蛇行制御方法
JP2001030005A (ja) 板幅制御装置
JP3316992B2 (ja) 制御装置,制御方法及び圧延機の制御装置並びに圧延機の制御方法
JP3908702B2 (ja) 連続圧延機の板幅制御方法
JPH0871627A (ja) 制御装置
EP4235316A1 (en) Control device
JP2002321007A (ja) 板幅制御系の設計方法,その制御方法
JP7089335B2 (ja) 制御装置
JP3437415B2 (ja) 連続圧延機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100420

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140430

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees