JP2002160332A - 空気不透過性フッ素系複合シート - Google Patents

空気不透過性フッ素系複合シート

Info

Publication number
JP2002160332A
JP2002160332A JP2000361778A JP2000361778A JP2002160332A JP 2002160332 A JP2002160332 A JP 2002160332A JP 2000361778 A JP2000361778 A JP 2000361778A JP 2000361778 A JP2000361778 A JP 2000361778A JP 2002160332 A JP2002160332 A JP 2002160332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite sheet
fibers
fluororesin
web
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000361778A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutoshi Yamamoto
勝年 山本
Jun Asano
純 浅野
Shinichi Chaen
伸一 茶圓
Tomohisa Konishi
智久 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2000361778A priority Critical patent/JP2002160332A/ja
Publication of JP2002160332A publication Critical patent/JP2002160332A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacturing Of Multi-Layer Textile Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 テント材や型枠材などとして有用な、空気不
透過性、軽量性、可撓性に優れているほか、離型性、表
面平滑性、撥水撥油性、耐水性、耐汚染性、耐食性、耐
薬品性、生物難付着性、難燃性、他材との接着強度など
にも優れ、また、耐候性にも優れており、着色も容易で
なフッ素樹脂系の複合シートを提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂フィルムと、分枝を有するフ
ッ素樹脂ステープルファイバーを含む熱融着性ウェブ
と、織布または編布からなる基布とがこの順で結合した
複合シートであって、該フッ素樹脂フィルムと熱融着性
ウェブとの結合が熱融着による結合であり、該ウェブと
基布との結合がウェブ中の繊維が基布に投錨的に交絡し
た結合であり、かつ基布に交絡したウェブ中の繊維同士
が熱融着することにより形成されている空気不透過性フ
ッ素系複合シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気不透過性でし
かも着色が自在な機械的強度が大きく、離型性にもすぐ
れるフッ素系複合シートに関する。この複合シートは建
築物の内装材、テント用シート材、型枠、搬送ベルト、
各種ライニング材などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】テント用シート材などには通気性が求め
られる場合もあるが、逆に埃や臭い、汚染された空気や
蒸気などを遮断することが望まれる場合もある。いずれ
の場合も強度と防水性や耐汚染性が要求されるが、空気
不透過性のシート材としては、(1)ガラスクロスなど
の基布にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など
のフッ素樹脂フィルムを接着した複合シート(ラミネー
トシート)、または(2)ガラスクロスなどの基布にP
TFEの粒子などのフッ素系樹脂粒子を水性分散液の形
で含浸させたのち溶融して基布の目をPTFEで埋めた
シートが知られている。
【0003】しかし上記(1)のシート材は、ガラスク
ロスなどの基布との接着力が小さく、たとえばこのシー
ト材を内側にライニングした場合、薬液や温度変化など
によって容易に剥離してしまうという問題がある。
【0004】また上記(2)のシート材では、基布の両
面にPTFEの溶融層が形成されるため、他の材料と接
着剤で接合する場合そのままでは接着強度が不充分であ
り、接着のためには接着面を脱フッ素処理する必要があ
るという問題がある。
【0005】さらに、従来のフッ素系材料を使用したシ
ート材では、着色性などの意匠性の面からも、顔料粒子
の分離や染料成分の分解が起きやすいため、着色が制限
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、空気不透過
性でしかも着色が自在で、機械的強度が大きく、離型性
も良好なフッ素系複合シートを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、フッ
素樹脂フィルムと、分枝を有するフッ素樹脂ステープル
ファイバーを含む熱融着性ウェブと、織布または編布か
らなる基布とがこの順で結合した複合シートであって、
該フッ素樹脂フィルムと熱融着性ウェブとの結合が熱融
着による結合であり、該ウェブと基布との結合がウェブ
中の繊維が基布に投錨的に交絡した結合であり、かつ基
布に交絡したウェブ中の繊維同士が熱融着することによ
り形成されている空気不透過性フッ素系複合シートに関
する。
【0008】熱融着される分枝を有するフッ素樹脂ステ
ープルファイバー、すなわち熱融着する前の分枝を有す
るフッ素樹脂ステープルファイバーとしては、半焼成P
TFEのステープルファイバー、焼成または半焼成のビ
ニルエーテル変性PTFEのステープルファイバーまた
はエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETF
E)のステープルファイバーが好ましい。
【0009】また熱融着前の熱融着性ウェブは、分枝を
有するフッ素樹脂ステープルファイバーとして、半焼成
PTFEのステープルファイバー、ビニルエーテル変性
PTFEのステープルファイバーおよびETFEのステ
ープルファイバーの少なくとも2種の混合繊維を含んで
いてもよい。
【0010】熱融着前の熱融着性ウェブは、分枝を有す
るフッ素樹脂ステープルファイバーのみから構成されて
いてもよいし、分枝を有するフッ素樹脂ステープルファ
イバー以外のフッ素樹脂繊維および/または非フッ素樹
脂繊維を含んでいてもよい。
【0011】熱融着前の分枝を有するフッ素樹脂ステー
プルファイバー以外のフッ素樹脂繊維および/または非
フッ素樹脂繊維は熱溶融性樹脂繊維であることが好まし
い。
【0012】基布の片面に交絡されている熱融着性ウェ
ブの交絡量としては、25〜1000g/m2、好まし
くは50〜500g/m2である。
【0013】空気不透過性を付与するフッ素樹脂フィル
ムとしては、PTFE、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)またはエチレン−テトラフルオ
ロエチレン共重合体(ETFE)などの熱融着性のフッ
素樹脂フィルムが好ましい。フッ素樹脂フィルムの厚さ
は、5〜2000μm、好ましくは5〜500μmであ
る。
【0014】また、フッ素樹脂フィルムおよび/または
熱融着性ウェブを構成するステープルファイバーまたは
繊維の少なくとも1種が顔料で着色されているか、フッ
素樹脂フィルムと熱融着性ウェブの間に、着色フィルム
または模様もしくは絵柄フィルムが介在し結合している
場合は、意匠性の高い製品が提供できる。
【0015】基布を構成する繊維としては、ガラス繊
維、カーボン繊維、金属繊維、ポリイミド繊維、パラア
ラミド繊維、メタアラミド繊維、これらを複合した複合
繊維またはこれらの混合繊維が好ましい。
【0016】かかる複合シートは、分枝を有するフッ素
樹脂ステープルファイバーを含む熱融着性ウェブを織布
または編布からなる基布の少なくとも片面に機械力によ
り投錨的に交絡結合したのち、該ウェブに含まれる繊維
の最低溶融温度以上に加熱してウェブ中の繊維同士を熱
融着した後、フッ素樹脂フィルムをウェブ上に置き、加
熱加圧するか、またはウェブと基布とを交絡結合した後
フッ素樹脂フィルムをウェブ上に置き、3者を同時に加
熱加圧することにより製造できる。
【0017】本発明はまた、かかる複合シートと基材と
を接着されてなる複合材、さらにこの複合材を用いて作
製された構造物にも関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、本来は結合しに
くいフッ素樹脂の繊維を基布に強固に結合し、さらに接
着しにくいフッ素樹脂フィルムをも強固に結合させる点
にある。そのために本発明では、フッ素樹脂繊維として
有効な絡合が可能な分枝を有するステープルファイバー
を含む熱融着性のウェブを用い、ついでこのウェブを機
械力により投錨的に基布と交絡させて基布の孔と繊維を
しっかり絡ませる。その後、そのまま加熱(要すれば加
圧)し、あるいはフッ素樹脂フィルムを置いた後に一緒
に加熱(要すれば加圧)してウェブ中の繊維およびフッ
素樹脂フィルムの少なくとも一部を溶融して基布および
ウェブとの結合をさらに強固にしたものである。
【0019】分枝を有するフッ素樹脂ステープルファイ
バーおよびウェブとしては、WO96/10668号パ
ンフレット、WO97/26135号パンフレットなど
に記載されている分枝を有するフッ素樹脂ステープルフ
ァイバーおよびウェブが使用できる。フッ素樹脂として
はPTFE、ビニルエーテル変性PTFE、ETFEな
どがあげられる。PTFEは半焼成したものが相互の熱
融着性に優れている点から好ましい。また、ビニルエー
テル変性PTFEおよびETFEは熱溶融温度がPTF
Eよりも低いので、絡合後の加熱溶融温度を低くでき、
基布として融点の低いものが使用できる点、さらには繊
維間および基布との結合力が大きいので、同じ基布とウ
ェブ量であっても加熱溶融条件をコントロールすること
により、得られる複合シートの強度や通気度を制御でき
る点で好ましい。
【0020】熱融着性ウェブはこれらのフッ素樹脂ステ
ープルファイバーの1種または2種以上の混合物のみで
構成してもよいし、さらに熱溶融性の非フッ素系の樹脂
繊維または分枝を有さないフッ素樹脂繊維を混合しても
よい。比較的低温の融点をもつ非フッ素系の樹脂繊維を
混合するときは熱溶融による結合をこの非フッ素系の樹
脂繊維で行なうことができ、さらに基布の種類を広げる
ことができる。もちろん高融点の非フッ素系樹脂繊維、
または金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維
でもよい。
【0021】非フッ素系の樹脂としては、たとえば低融
点のものとしてはポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン類などがあげられ、高融点のものとして
はポリイミド、パラアラミド、メタアラミド、ポリフェ
ニレンスルファイド、フェノール樹脂、ポリエステルな
どがあげられる。分枝を有しないフッ素樹脂繊維または
非フッ素系繊維の混合量はウェブ全体の95重量%まで
である。
【0022】好ましい熱融着性ウェブとしては、前記分
枝を有するフッ素樹脂ステープルファイバーのみからな
るものである。また、PTFEを使用しかつ融着による
結合を強化する場合はETFEステープルファイバーを
5〜95重量%配合することが好ましい。
【0023】分枝を有するフッ素樹脂ステープルファイ
バーは、前記WO96/10668号パンフレット、W
O97/26135号パンフレットなどに記載されてい
る方法により製造できる。すなわち、フッ素樹脂のフィ
ルムを1軸延伸し、これを延伸方向にスプリットしてネ
ットワーク(網目)状のものにした後、網目を切断し、
また適当な長さに切断する方法である。得られたステー
プルファイバーは分枝を有するので極めて絡合性が高い
ものである。
【0024】この際、原料のフッ素樹脂フィルムを作製
する段階で顔料入りのフッ素樹脂ペレットを使用するこ
とにより、またはPTFEの乳化重合粉末に顔料を成形
助剤と共に押出すことにより、目的とするステープルフ
ァイバーを任意の色に着色することができる。顔料とし
ては通常のものが使用できる。
【0025】これらのステープルファイバーまたはステ
ープルファイバーと他の繊維との混合物をカード機など
を定法により用いてウェブを形成する。
【0026】ついでウェブを基布の片面または両面に機
械的に交絡させるが、その交絡方法としては、交絡の結
果、基布の孔にウェブ中の繊維が絡み合うこと、すなわ
ち投錨的に交絡することが重要である。したがって、交
絡方法としてはウォータージェット法、ニードルパンチ
法などが好ましい。
【0027】基布はステープルファイバーが投錨的に交
絡するための貫通孔を有することが必要である。したが
って織布または編布が好ましい。織り方や編み方は目的
や用途に応じて適宜選択すればよい。基布の繊維として
は、後述する加熱溶融処理に耐え、かつ強度の大きな布
を提供できるものが好ましい。具体的には、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維などの無機繊維、ポリイミド繊
維、パラアラミド繊維などの合成樹脂繊維が好ましい
が、融点の低い繊維をウェブに配合する場合や加熱処理
時間が短い場合などでは、メタアラミド繊維、ポリフェ
ニレンスルフィド繊維、フェノール樹脂繊維、ポリエス
テル繊維なども使用できる。
【0028】熱融着性ウェブの基布への交絡量は、ウェ
ブの繊維の種類や複合シートの使用目的や用途に応じて
設定すればよいが、通常、片面で25〜1000g/m
2、好ましくは50〜500g/m2である。
【0029】本発明の複合シートは、ウェブ中の熱融着
性繊維(ステープルファイバーなど)が基布の孔(目)
に充分に絡んだ状態で熱融着繊維を加熱加圧し、基布と
絡んだまま繊維の一部または全部を繊維同士で溶融結着
させるので、大きな結合力が得られる。したがって、加
熱は基布に絡んだ繊維の一部または全部が溶融する程度
の条件で行なうことが望ましい。
【0030】かくして得られるウェブと基布の結合体は
多孔性で通気性があり、通気性が望まれる用途において
有用であるが、多孔性であるため空気中や水中、薬液中
の汚染物質が孔に留まったり、危険な薬液が漏出してし
まう。本発明では、さらにウェブにフッ素樹脂フィルム
を熱融着によりラミネートして空気不透過性にしたもの
である。
【0031】こうした条件を満たす加熱加圧方法として
は、たとえば加熱した2枚の金属板でウェブと基布を挟
み所定時間加圧する方法、加圧ベルトと加熱ロールで任
意の距離をニップする方法などがあげられる。加熱温度
としてはフッ素樹脂フィルムおよびウェブを構成してい
る繊維の種類や量、基布の種類や厚さなどにより異なる
が、フッ素樹脂としてPTFEを使用する場合は330
〜400℃の範囲の温度を採用すればよい。加圧力は目
的とする厚さなどにより適宜選定すればよいが、0.0
1〜10MPa・Gの範囲で選定すればよい。加熱時間
は通常、10秒間〜30分間である。
【0032】このように加熱加圧することにより、フッ
素樹脂フィルムとウェブ、さらにウェブ中の繊維同士お
よび繊維と基布とを強力に結合することができ、空気不
透過性の複合シートが得られる。
【0033】本発明の複合シートの一方の表面を形成し
ているフッ素樹脂フィルムは基本的性質として透明性を
有しているので、前記のように顔料を添加して種々の意
匠性に優れたシートとすることができるし、ウェブを構
成する繊維を着色して意匠性を高めることもできる。さ
らに、フッ素樹脂フィルムとウェブとの間に、着色され
た、あるいは絵柄や文字が描かれた熱融着性のシートを
介在させると、透明なフッ素樹脂フィルムを通して複雑
な意匠を現出させることができる。
【0034】そうした意匠用の熱融着性フィルム材料と
しては、たとえばPFA、FEP、ETFE、PVd
F、PCTFEなどの溶融成形可能なフッ素樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル(PETやPBT)な
どの熱溶融性非フッ素系樹脂が利用できる。
【0035】本発明においては、空気不透過性は表面の
フッ素樹脂フィルム層のみから与えられ、残余の層は多
孔質体であるので、軽量性や可撓性にも優れている。し
たがって、所望の形状に加工できるほか、ライニング用
としても壁面に良く追随するので密着性や作業性に優れ
ている。
【0036】また、本発明の複合シートは空気不透過性
のほか、表面に存在するフッ素樹脂フィルムおよびフッ
素樹脂製のウェブの働きとして、離型性、表面平滑性、
撥水撥油性、耐水性、耐汚染性、耐食性、耐薬品性、生
物難付着性などがあり、また、基布をガラスクロスなど
の材料とするときは、難燃性や他材との接着強度の向上
などといった優れた性質を有している。
【0037】また本発明は、かかる複合シートの基布と
基材を接着して作製された複合材、さらにこの複合材で
作製した構造物にも関する。
【0038】本発明の複合シートは基布側に接着性に優
れた材料(たとえばガラスクロスなど)を使用すること
ができるので、基布と基材の接着は接着剤などを使用し
て容易に行なうことができ、しかも大きな接着強度が達
成できる。
【0039】基材としては、各種コンクリート成形品
(壁、ブロックなど);金属(鉄、アルミニウム、銅、
ステンレススチールなど)製品または部品;木質製品;
各種プラスチック成形品;ガラス製品などがあげられ
る。
【0040】つぎに以上の性質を利用した本発明の複合
シートの用途について説明する。
【0041】(1)難燃性と軽量性、さらには自由に着
色できるという性質を利用する用途 各種構造物の屋根材や外装材に有用である。 具体的用途:競技場、水泳遊戯プール、イベント会場、
仮設住居、温室栽培場、格納庫などの大型テント施設の
シート;そのほかアウトドア用の各種テント材
【0042】(2)表面平滑性、耐水性、難燃性、撥水
撥油性、意匠性を利用した用途 除雪や除氷が容易であるので寒冷地の屋根材や外装材に
有用である。 具体的用途:寒冷地の屋根材や瓦、アーケードの屋根材
【0043】(3)耐汚染性、表面平滑性、撥水撥油
性、意匠性を利用した用途 汚れが付きにくく除去しやすいので、汚れが発生付着し
やすい構造物の内装材、標識、看板として有用である。 具体的用途:トンネルの内張り、ガードレールの表面
材、看板、標識
【0044】(4)離型性、耐食性、耐薬品性、可撓性
を利用した用途 種々の型に追随できるので複雑な型枠として有用であ
る。具体的用途:管型コンクリート型枠、トンネル工事
用コンクリート型枠、高層建築用コンクリート型枠、水
中コンクリート型枠、樹脂注型用型枠、FRP用型枠な
【0045】(5)生物の難付着性、耐汚染性を利用し
た用途 藻や水生生物が付着しにくく除去しやすい性質、黴など
が付着しにくく除去しやすい性質から、水または湿気の
多い環境に使用する各種設備、器具の材料として有用で
ある。 具体的用途:漁槽、輸送用生簀などの水槽;嫌気性菌用
発酵槽などの各種発酵槽;植木鉢などの撥水性容器;厨
房設備の内装材などの水周り材料
【0046】(6)耐熱性、離型性、耐食性を利用した
用途 具体的用途:高温成形品や加工食品、粘調物品の搬送用
ベルトの表面材
【0047】(7)耐薬品性、撥水撥油性、耐食性を利
用した用途 具体的用途:各種薬液容器、輸送パイプラインのライニ
ングなど
【0048】(8)耐熱性、耐食性、耐薬品性を利用し
た用途 具体的用途:溶鉱炉や焼却炉の排ガス配管など
【0049】
【実施例】つぎに本発明の複合シートを実施例にしたが
って説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。
【0050】実施例1 (熱融着性ウェブの作製)PTFEファインパウダーか
ら常法により未焼成フィルムを作製し、337℃に加熱
した塩浴中で45秒間熱処理することにより半焼成フィ
ルムを得、350℃で25倍に一軸延伸した。この一軸
延伸フィルムを回転速度4500rpm、フィルム送り
速度1.5m/分で針刃ロールにより擦過解繊して分枝
およびループを有するPTFEステープルファイバーの
綿状物を製造した。得られたPTFEステープルファイ
バーの繊維長は概ね1〜100mmの間にあり、比表面
積は3.3m2/gであり、平均繊維径は10μmであ
った。
【0051】得られたPTFEステープルファイバーの
綿状物から目付250g/m2のウェブを作製した。
【0052】(基布との絡合処理)基布として縦48本
/インチおよび横48本/インチの織密度を有するガラ
ス繊維の二重織りの織布を用い、この上に前記PTFE
のウェブを載せ、ウォータージェットニードル法により
後述の条件下でPTFEステープルファイバーとガラス
繊維織布との絡合物を製造した。
【0053】(ウォータージェットニードルの条件)ウ
ォータージェットニードルの吐出し孔の配置は、孔径の
異なる4列の吐き出し孔(吐出し孔径は順に150μ
m、130μm、120μmおよび100μm)が幅方
向に約1mm間隔の配列で長手方向に配置されたもので
あり、それぞれの列の吐き出し圧力条件をつぎのとおり
に変更しながら3回処理した。
【0054】 吐き出し孔径(μm) 圧力条件(kgf/cm2) 1回目 150 15 130 20 120 35 100 55 2回目 150 70 130 85 120 85 100 85 3回目 150 85 130 85 120 100 100 100
【0055】(ウェブと基布の加熱加圧処理)得られた
PTFEウェブとガラス繊維織布との絡合物を金型の汚
れを防ぐために360℃に加熱した2枚の金属板(有効
加熱面積200mm×250mm)で挟み、面圧力0.
25MPa(2.5kgf/cm2)にて10分間ヒー
トプレスした。
【0056】(フッ素樹脂フィルムの複合)上記で得ら
れた熱処理ウェブ基布複合体のPTFEウェブ側にPF
Aフィルム(厚さ0.5mm)を重ね、加圧面温度34
0℃のプレス機により面圧力0.1MPa(1.0kg
f/cm2)にて5分間加熱加圧して本発明の複合シー
トを作製した。得られた複合シートは可撓性に富み、P
FAフィルム表面は平滑であった。
【0057】ついで、このPFA表面層とPTFEウェ
ブ層の180度剥離における強度をASTM D638
に準じ引張速度300cm/分にて測定した(2cm幅
の5サンプル)。その結果、いずれのサンプルでも剥離
は生じず、PFA層(フィルム)が破断した(破断強
度:22N/m(220kg/cm2)。
【0058】実施例2 実施例1で作製した熱処理ウェブ基布複合体のPTFE
ウェブ側にPTFEフィルム(厚さ0.25mm)を重
ね、加圧面温度350℃のプレス機により面圧力0.2
MPa(2.0kgf/cm2)にて5分間加熱加圧し
て本発明の複合シートを作製した。得られた複合シート
は可撓性に富み、PTFEフィルム表面は平滑であっ
た。
【0059】ついで、このPTFE表面層とPTFEウ
ェブ層の180度剥離における強度を実施例1と同様に
して測定した(引張速度300cm/分、2cm幅の5
サンプル)結果、剥離強度は1.5〜2.5N/m(1
5〜25kg/cm2)であった。
【0060】実施例3 実施例1で作製した複合シートをその基布側で木質積層
板にエポキシ樹脂系接着剤により接着し、複合材を作製
した。この複合材を切断し、PFAフィルム層側が内側
になるように組合せて、縦20cm、横5cm、高さ2
0cmのコンクリート型枠用箱体を作製した。
【0061】この箱体に実施例1と同様にして調合した
セメントを約2リットル注入し、硬化させ、24時間後
に箱体から硬化したセメント成形物を取り出した。取出
しは極めて容易であり、しかもセメント成形物表面は平
滑であった。
【0062】
【発明の効果】本発明の複合シートは空気不透過性、軽
量性、可撓性に優れているほか、表面に存在するフッ素
樹脂フィルムおよびフッ素樹脂製のウェブの働きとし
て、離型性、表面平滑性、撥水撥油性、耐水性、耐汚染
性、耐食性、耐薬品性、生物難付着性などがあり、ま
た、基布をガラスクロスなどの材料とするときは、難燃
性や他材との接着強度の向上などといった優れた性質を
有しており、さらに耐候性にも優れており、着色も容易
である。
フロントページの続き (72)発明者 茶圓 伸一 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 小西 智久 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4F100 AB01C AD11C AG00C AK01B AK04A AK17A AK17B AK18A AK18B AK21B AK47C AK49C AL01A AL01B AL06B AT00E BA03 BA04 BA05 BA10A BA10C BA10E CA13A CA13B CA13D DG01B DG03B DG06B DG12C DG13C DG18B DG18C EC03A EC03B EC09C EJ48B GB08 HB00D JB01 JB02 JB06 JB07 JC00 JD02 JJ07 JK01 JK06 JK15 JK17 JL03 JL06 JL09 JL10D JL11 JL12B JL14 YY00A YY00C 4L032 AA05 AA08 AB00 AB01 AB07 BD01 BD03 DA00 DA02 EA00 EA06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂フィルムと、分枝を有するフ
    ッ素樹脂ステープルファイバーを含む熱融着性ウェブ
    と、織布または編布からなる基布とがこの順で結合した
    複合シートであって、該フッ素樹脂フィルムと熱融着性
    ウェブとの結合が熱融着による結合であり、該ウェブと
    基布との結合がウェブ中の繊維が基布に投錨的に交絡し
    た結合であり、かつ基布に交絡したウェブ中の繊維同士
    が熱融着することにより形成されている空気不透過性フ
    ッ素系複合シート。
  2. 【請求項2】 分枝を有するフッ素樹脂ステープルファ
    イバーが、半焼成ポリテトラフルオロエチレンのステー
    プルファイバーである請求項1記載の複合シート。
  3. 【請求項3】 分枝を有するフッ素樹脂ステープルファ
    イバーが、焼成または半焼成のビニルエーテル変性ポリ
    テトラフルオロエチレンのステープルファイバーである
    請求項1記載の複合シート。
  4. 【請求項4】 分枝を有するフッ素樹脂ステープルファ
    イバーが、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
    のステープルファイバーである請求項1記載の複合シー
    ト。
  5. 【請求項5】 熱融着性ウェブが、半焼成ポリテトラフ
    ルオロエチレンのステープルファイバー、ビニルエーテ
    ル変性ポリテトラフルオロエチレンのステープルファイ
    バーおよびエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
    のステープルファイバーの少なくとも2種の混合繊維を
    含む請求項1記載の複合シート。
  6. 【請求項6】 熱融着性ウェブが、分枝を有するフッ素
    樹脂ステープルファイバーのみからなる請求項1〜5の
    いずれかに記載の複合シート。
  7. 【請求項7】 熱融着性ウェブが、分枝を有するフッ素
    樹脂ステープルファイバー以外のフッ素樹脂繊維および
    /または非フッ素樹脂繊維を含む請求項1〜5のいずれ
    かに記載の複合シート。
  8. 【請求項8】 分枝を有するフッ素樹脂ステープルファ
    イバー以外のフッ素樹脂繊維および/または非フッ素樹
    脂繊維が熱溶融性樹脂繊維である請求項7記載の複合シ
    ート。
  9. 【請求項9】 フッ素樹脂フィルムが、ポリテトラフル
    オロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
    (アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロ
    エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体またはエ
    チレン−テトラフルオロエチレン共重合体のフィルムで
    ある請求項1〜8のいずれかに記載の複合シート。
  10. 【請求項10】 基布の片面に交絡されている熱融着性
    ウェブの交絡量が、25〜1000g/m2である請求
    項1〜9のいずれかに記載の複合シート。
  11. 【請求項11】 フッ素樹脂フィルムの厚さが5〜20
    00μmである請求項1〜10のいずれかに記載の複合
    シート。
  12. 【請求項12】 フッ素樹脂フィルムの厚さが5〜50
    0μmである請求項1〜10のいずれかに記載の複合シ
    ート。
  13. 【請求項13】 基布を構成する繊維が、ガラス繊維、
    カーボン繊維、金属繊維、ポリイミド繊維、パラアラミ
    ド繊維、メタアラミド繊維、これらを複合した複合繊維
    またはこれらの混合繊維である請求項1〜12のいずれ
    かに記載の複合シート。
  14. 【請求項14】 フッ素樹脂フィルムおよび/または熱
    融着性ウェブを構成するステープルファイバーまたは繊
    維の少なくとも1種が顔料で着色されている請求項1〜
    13のいずれかに記載の複合シート。
  15. 【請求項15】 フッ素樹脂フィルムと熱融着性ウェブ
    の間に、着色フィルムまたは模様もしくは絵柄フィルム
    が介在し結合している請求項1〜14のいずれかに記載
    の複合シート。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載の複
    合シートと基材が接着されてなる複合材。
  17. 【請求項17】 請求項16の複合材で作製された構造
    物。
JP2000361778A 2000-11-28 2000-11-28 空気不透過性フッ素系複合シート Pending JP2002160332A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000361778A JP2002160332A (ja) 2000-11-28 2000-11-28 空気不透過性フッ素系複合シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000361778A JP2002160332A (ja) 2000-11-28 2000-11-28 空気不透過性フッ素系複合シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002160332A true JP2002160332A (ja) 2002-06-04

Family

ID=18833167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000361778A Pending JP2002160332A (ja) 2000-11-28 2000-11-28 空気不透過性フッ素系複合シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002160332A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013517959A (ja) * 2010-01-21 2013-05-20 ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド 継ぎ目強度の大きい建築用ファブリック
WO2014054685A1 (ja) * 2012-10-03 2014-04-10 ダイキン工業株式会社 水生生物付着防止成形品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013517959A (ja) * 2010-01-21 2013-05-20 ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド 継ぎ目強度の大きい建築用ファブリック
WO2014054685A1 (ja) * 2012-10-03 2014-04-10 ダイキン工業株式会社 水生生物付着防止成形品
JP2014088553A (ja) * 2012-10-03 2014-05-15 Daikin Ind Ltd 水生生物付着防止成形品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210114333A1 (en) Prepregs, cores, composites and articles including repellent materials
US7757447B2 (en) Water management building wrap
US6852391B2 (en) Insulating composite materials and methods for producing and using same
US20070199654A1 (en) Layered plastic netting
KR20190088502A (ko) 가요성 복합재
WO2008022812A1 (de) Flexibles flachmaterial mit natursteinoberfläche
CN102145569A (zh) 一种岩棉保温装饰复合板的生产方法
EP1920913A1 (en) A lining assembly, a lining tube, a composite lining assembly and a solidified lining tube
KR100307299B1 (ko) 다층복합형frp방수시트및그제조방법
EP0515621B1 (en) Improved composite materials for architectural structural end use
CN110621491B (zh) 密封网状物
JP2002160332A (ja) 空気不透過性フッ素系複合シート
WO1991007278A1 (en) Thin seam sealing tape
JP2002161479A (ja) 空気不透過性フッ素系複合シート
JP2005193641A (ja) 空間布膜及びその製造方法
KR101352857B1 (ko) 차열층이 형성된 자착식 아스팔트 방수시트 및 이의 제조방법
KR20040091885A (ko) 난연성 복합 단열방수시트와 이를 이용한 방수공법
WO2002040758A1 (fr) Feuille composite contenant du fluor, permeable a l"air
JPH02200949A (ja) ポリオレフイン系合成樹脂よりなる割繊維織布又は孔あきシート若しくはフイルムを芯地とし、上下両面を不織布で被覆した強化防水シートを用いる塗膜脱気及び通水防水工法
KR200408350Y1 (ko) 폐 비닐을 이용한 합성수지 판재
JPH0615771A (ja) 防水シート
JP2708662B2 (ja) コンクリートパネル用内張材
KR20070052976A (ko) 폐 비닐을 이용한 합성수지 판재 및 그 제조방법
JPH0735033U (ja) 透湿性防水シート
KR101244534B1 (ko) 장식용 암석-천연 석재 단판 표면을 갖는 유연한 시트 물질 및 그의 제조 방법