JP2002159276A - 不均質蒟蒻及びその製法 - Google Patents
不均質蒟蒻及びその製法Info
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- JP2002159276A JP2002159276A JP2000359332A JP2000359332A JP2002159276A JP 2002159276 A JP2002159276 A JP 2002159276A JP 2000359332 A JP2000359332 A JP 2000359332A JP 2000359332 A JP2000359332 A JP 2000359332A JP 2002159276 A JP2002159276 A JP 2002159276A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 食用蒟蒻及びその製法、殊に不均質蒟蒻及び
その製法を提供する。 【解決手段】 この不均質蒟蒻は各種の形状に成型され
た基材蒟蒻と、該基材蒟蒻を封入している充填蒟蒻とを
有しており、基材蒟蒻と充填蒟蒻の少なくとも一方に繊
維性が誘導されている。蒟蒻部分への繊維性の誘導は蒟
蒻を冷凍処理することにより蒟蒻を構成するグルコマン
ナン分子内・分子間に水和していた水分子を氷結させ、
これによって蒟蒻全体に微細な亀裂を生じさせると同時
にグルコマンナン分子内・分子間の相互作用を増加さ
せ、次いで解凍処理により氷結していた水を蒟蒻の外部
に導くことにより行われる。
その製法を提供する。 【解決手段】 この不均質蒟蒻は各種の形状に成型され
た基材蒟蒻と、該基材蒟蒻を封入している充填蒟蒻とを
有しており、基材蒟蒻と充填蒟蒻の少なくとも一方に繊
維性が誘導されている。蒟蒻部分への繊維性の誘導は蒟
蒻を冷凍処理することにより蒟蒻を構成するグルコマン
ナン分子内・分子間に水和していた水分子を氷結させ、
これによって蒟蒻全体に微細な亀裂を生じさせると同時
にグルコマンナン分子内・分子間の相互作用を増加さ
せ、次いで解凍処理により氷結していた水を蒟蒻の外部
に導くことにより行われる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食用蒟蒻及びその製
法に係り、殊に不均質蒟蒻及びその製法に係る。
法に係り、殊に不均質蒟蒻及びその製法に係る。
【0002】
【従来の技術】食用蒟蒻は蒟蒻芋の磨砕物から調製する
場合もあるが、一般的には蒟蒻芋を洗浄し、皮を剥ぎ、
乾燥させ、薄片化させ、再度乾燥させた後に荒挽し (荒
粉)、場合により篩処理することにより精粉となし、温
湯 (約 55℃) に該温湯に対して 10 容量% の蒟蒻粉を
徐々に投入し、撹拌した後に放冷させると共に蒟蒻粉に
水を充分に吸収させ、次いで上記温湯の量の約 1.5 倍
量の微温湯を数回に分けて添加しながら混練し、糊状と
なって充分にコロイド化した時点で凝固剤、例えば石灰
乳 (消石灰 5g に対して水を 350ml 添加して溶解させ
たもの) 又は炭酸ナトリウム溶液 (炭酸ナトリウム 10g
に対して水を 350ml 添加して溶解させたもの) を添加
して撹拌し、大型の型内に注入して加熱し、或る程度固
化した時点で型から取り出して所定の大きさに切り、消
石灰含有温湯 (消石灰 4g に対して温湯を 100 リット
ル添加して溶解させたもの、温度約 50℃) 中に投入
し、15 -30 分間加熱し、その後清水中に移して灰汁を
抜くことにより調製される。
場合もあるが、一般的には蒟蒻芋を洗浄し、皮を剥ぎ、
乾燥させ、薄片化させ、再度乾燥させた後に荒挽し (荒
粉)、場合により篩処理することにより精粉となし、温
湯 (約 55℃) に該温湯に対して 10 容量% の蒟蒻粉を
徐々に投入し、撹拌した後に放冷させると共に蒟蒻粉に
水を充分に吸収させ、次いで上記温湯の量の約 1.5 倍
量の微温湯を数回に分けて添加しながら混練し、糊状と
なって充分にコロイド化した時点で凝固剤、例えば石灰
乳 (消石灰 5g に対して水を 350ml 添加して溶解させ
たもの) 又は炭酸ナトリウム溶液 (炭酸ナトリウム 10g
に対して水を 350ml 添加して溶解させたもの) を添加
して撹拌し、大型の型内に注入して加熱し、或る程度固
化した時点で型から取り出して所定の大きさに切り、消
石灰含有温湯 (消石灰 4g に対して温湯を 100 リット
ル添加して溶解させたもの、温度約 50℃) 中に投入
し、15 -30 分間加熱し、その後清水中に移して灰汁を
抜くことにより調製される。
【0003】一般的な蒟蒻製品としては角型のもの及び
丸型のものがあり、特殊蒟蒻製品としては糸蒟蒻、白滝
及び凍り蒟蒻があり、又変り蒟蒻としては蒟蒻芋の皮、
唐辛子、胡麻、青海苔、海藻 (ヒジキ、ワカメ等) 等を
封入したものがある。尚、蒟蒻自体は消化吸収率が低
く、栄養的価値は少ないが、弾力のある歯触りが好まれ
て各種の料理の食材とされ、又便秘の改善にも有効とさ
れている。
丸型のものがあり、特殊蒟蒻製品としては糸蒟蒻、白滝
及び凍り蒟蒻があり、又変り蒟蒻としては蒟蒻芋の皮、
唐辛子、胡麻、青海苔、海藻 (ヒジキ、ワカメ等) 等を
封入したものがある。尚、蒟蒻自体は消化吸収率が低
く、栄養的価値は少ないが、弾力のある歯触りが好まれ
て各種の料理の食材とされ、又便秘の改善にも有効とさ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題乃至発明の目的】しかし
ながら、食材として市販されている蒟蒻製品は水分含有
量の相違により弾力性が異なるが、蒟蒻自体としては均
質なものであり、調味しても味の染み具合が悪いので、
舌触り及び歯触り以外に格別の食感を呈するものをもた
らすことはできない。
ながら、食材として市販されている蒟蒻製品は水分含有
量の相違により弾力性が異なるが、蒟蒻自体としては均
質なものであり、調味しても味の染み具合が悪いので、
舌触り及び歯触り以外に格別の食感を呈するものをもた
らすことはできない。
【0005】従って、本発明の目的は従来の蒟蒻とは歯
触り、舌触り、食感等において全く異なる蒟蒻及びその
製法を提供することにある。即ち、本発明は、従来均質
であった蒟蒻を不均質なものとなし、これによって所期
の目的を達成することにある。
触り、舌触り、食感等において全く異なる蒟蒻及びその
製法を提供することにある。即ち、本発明は、従来均質
であった蒟蒻を不均質なものとなし、これによって所期
の目的を達成することにある。
【0006】
【課題を解決し目的を達成する手段】本発明による不均
質蒟蒻は各種の形状に成型された基材蒟蒻と、該成型基
材蒟蒻を封入している充填蒟蒻とを有しており、上記の
基材蒟蒻と充填蒟蒻の少なくとも一方に繊維性が誘導さ
れていることを特徴としている。
質蒟蒻は各種の形状に成型された基材蒟蒻と、該成型基
材蒟蒻を封入している充填蒟蒻とを有しており、上記の
基材蒟蒻と充填蒟蒻の少なくとも一方に繊維性が誘導さ
れていることを特徴としている。
【0007】ここにおいて「繊維性の誘導」とは、ざら
ついた歯触り感、軋るような噛み感、噛み切り難さ等を
蒟蒻に賦与することを意味する。この繊維性の賦与は冷
凍処理することにより蒟蒻を構成しているグルコマンナ
ン分子内・分子間に水和していた水分子を氷結させ、こ
れによって蒟蒻全体に微細な亀裂を生じさせると同時に
グルコマンナン分子内・分子間の相互作用を増加させ、
次いで解凍処理により氷結していた水を蒟蒻の外部に導
くことにより行われる。
ついた歯触り感、軋るような噛み感、噛み切り難さ等を
蒟蒻に賦与することを意味する。この繊維性の賦与は冷
凍処理することにより蒟蒻を構成しているグルコマンナ
ン分子内・分子間に水和していた水分子を氷結させ、こ
れによって蒟蒻全体に微細な亀裂を生じさせると同時に
グルコマンナン分子内・分子間の相互作用を増加させ、
次いで解凍処理により氷結していた水を蒟蒻の外部に導
くことにより行われる。
【0008】本発明による不均質蒟蒻の製法 (第 1 方
法) は、蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物に水又は温湯を添加し
て混練し、凝固剤を添加して混練し、型内に注入し、加
熱してゲル化させ、冷凍し、次いで解凍した後にシート
状、紐状、粒状、団子状等の形状に成型するか、又は凝
固剤を添加した後にシート状、紐状、粒状、団子状等の
形状に成型し加熱してゲル化させ、冷凍し、次いで解凍
することにより基材蒟蒻を調製する工程と、蒟蒻粉又は
蒟蒻芋磨砕物に水又は温湯を添加して混練し、凝固剤を
添加して混練し、上記の成型基材蒟蒻と混合し、該混合
物を型内に導入し、加熱することにより蒟蒻芋含有後添
加物をゲル化させて充填蒟蒻を調製する工程とを備えて
いることを特徴としている。
法) は、蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物に水又は温湯を添加し
て混練し、凝固剤を添加して混練し、型内に注入し、加
熱してゲル化させ、冷凍し、次いで解凍した後にシート
状、紐状、粒状、団子状等の形状に成型するか、又は凝
固剤を添加した後にシート状、紐状、粒状、団子状等の
形状に成型し加熱してゲル化させ、冷凍し、次いで解凍
することにより基材蒟蒻を調製する工程と、蒟蒻粉又は
蒟蒻芋磨砕物に水又は温湯を添加して混練し、凝固剤を
添加して混練し、上記の成型基材蒟蒻と混合し、該混合
物を型内に導入し、加熱することにより蒟蒻芋含有後添
加物をゲル化させて充填蒟蒻を調製する工程とを備えて
いることを特徴としている。
【0009】本発明による不均質蒟蒻の製法の別法 (第
2 方法) は、蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物に水又は温湯を
添加して混練し、凝固剤を添加して混練し、型内に注入
し、加熱してゲル化させ、冷凍し、次いで解凍した後に
シート状、紐状、粒状、団子状等の形状に成型するか、
又は凝固剤を添加した後にシート状、紐状、粒状、団子
状等の形状に成型し加熱してゲル化させ、冷凍し、次い
で解凍することにより基材蒟蒻を調製する工程と、該基
材蒟蒻を蒟蒻粉にて塗して型に入れ、該型を凝固剤含有
水溶液中に入れて加熱することにより蒟蒻粉をゲル化さ
せて充填蒟蒻を調製する工程とを備えていることを特徴
としている。
2 方法) は、蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物に水又は温湯を
添加して混練し、凝固剤を添加して混練し、型内に注入
し、加熱してゲル化させ、冷凍し、次いで解凍した後に
シート状、紐状、粒状、団子状等の形状に成型するか、
又は凝固剤を添加した後にシート状、紐状、粒状、団子
状等の形状に成型し加熱してゲル化させ、冷凍し、次い
で解凍することにより基材蒟蒻を調製する工程と、該基
材蒟蒻を蒟蒻粉にて塗して型に入れ、該型を凝固剤含有
水溶液中に入れて加熱することにより蒟蒻粉をゲル化さ
せて充填蒟蒻を調製する工程とを備えていることを特徴
としている。
【0010】本発明による不均質蒟蒻の製法の更に他の
別法 (第 3 方法) は、蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物に多糖
類と水又は温湯とを添加して混練し、凝固剤を添加して
混練し、型内に注入し、加熱してゲル化させ、次いで型
から取出してシート状、紐状、粒状、団子状等の形状に
成型するか、又は凝固剤を添加した後にシート状、紐
状、粒状、団子状等の形状に成型し加熱してゲル化させ
ることにより基材蒟蒻を調製する工程と、蒟蒻粉又は蒟
蒻芋磨砕物に水又は温湯を添加して混練し、凝固剤を添
加して混練し、上記の成型基材蒟蒻と混合し、該混合物
を型内に導入し、加熱することにより蒟蒻芋含有後添加
物をゲル化させて充填蒟蒻を調製する工程と、得られた
成型蒟蒻を冷凍し、次いで解凍する工程とを備えている
ことを特徴としている。
別法 (第 3 方法) は、蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物に多糖
類と水又は温湯とを添加して混練し、凝固剤を添加して
混練し、型内に注入し、加熱してゲル化させ、次いで型
から取出してシート状、紐状、粒状、団子状等の形状に
成型するか、又は凝固剤を添加した後にシート状、紐
状、粒状、団子状等の形状に成型し加熱してゲル化させ
ることにより基材蒟蒻を調製する工程と、蒟蒻粉又は蒟
蒻芋磨砕物に水又は温湯を添加して混練し、凝固剤を添
加して混練し、上記の成型基材蒟蒻と混合し、該混合物
を型内に導入し、加熱することにより蒟蒻芋含有後添加
物をゲル化させて充填蒟蒻を調製する工程と、得られた
成型蒟蒻を冷凍し、次いで解凍する工程とを備えている
ことを特徴としている。
【0011】本発明方法において、基材蒟蒻又は充填蒟
蒻或いは両者の調製に際し呈味・呈色又は外観の向上目
的で従来変り蒟蒻調製のために使用されてきた蒟蒻芋の
皮、唐辛子、胡麻、青海苔、海藻 (ヒジキ、ワカメ
等)、野菜 (玉葱、韮等) 等の第3 成分を添加すること
もできる。
蒻或いは両者の調製に際し呈味・呈色又は外観の向上目
的で従来変り蒟蒻調製のために使用されてきた蒟蒻芋の
皮、唐辛子、胡麻、青海苔、海藻 (ヒジキ、ワカメ
等)、野菜 (玉葱、韮等) 等の第3 成分を添加すること
もできる。
【0012】上記の第 1 及び第 2 方法において基材蒟
蒻の調製に際しゲル化物を冷凍し、次いで解凍するのは
既述のように基材蒟蒻に繊維性を賦与するためであり、
この冷凍処理は例えば -5 乃至 -30℃ の冷凍庫内に所
要時間、例えば一夜放置することにより行うことがで
き、解凍処理は例えば流水にて行うことができる。従っ
て、第 1及び第 2方法によれば、弾力性を有する充填蒟
蒻により封入された繊維性基材蒟蒻を有する不均質蒟蒻
製品が得られることになる。尚、繊維性を有する基材蒟
蒻部分は製品蒟蒻を調理する場合に味の染みが早い。
蒻の調製に際しゲル化物を冷凍し、次いで解凍するのは
既述のように基材蒟蒻に繊維性を賦与するためであり、
この冷凍処理は例えば -5 乃至 -30℃ の冷凍庫内に所
要時間、例えば一夜放置することにより行うことがで
き、解凍処理は例えば流水にて行うことができる。従っ
て、第 1及び第 2方法によれば、弾力性を有する充填蒟
蒻により封入された繊維性基材蒟蒻を有する不均質蒟蒻
製品が得られることになる。尚、繊維性を有する基材蒟
蒻部分は製品蒟蒻を調理する場合に味の染みが早い。
【0013】上記の第 3 方法において基材蒟蒻の調製
に際して多糖類が使用されるのは、冷凍・解凍処理によ
り基材蒟蒻が繊維性を呈するのを抑制するためである。
この弾力性を有する基材蒟蒻が充填蒟蒻により封入され
た後に冷凍及び解凍が行われるので、この方法によれば
繊維性を呈している充填蒟蒻に弾力性を有する基材蒟蒻
が封入された不均質蒟蒻製品が得られることになり、第
1 及び第 2 方法により得られる不均質蒟蒻製品とは構
成が逆になる。尚、上記の多糖類としては種々のものを
使用し得るが澱粉、セルロース及びキサンタンガムを例
示することができる。
に際して多糖類が使用されるのは、冷凍・解凍処理によ
り基材蒟蒻が繊維性を呈するのを抑制するためである。
この弾力性を有する基材蒟蒻が充填蒟蒻により封入され
た後に冷凍及び解凍が行われるので、この方法によれば
繊維性を呈している充填蒟蒻に弾力性を有する基材蒟蒻
が封入された不均質蒟蒻製品が得られることになり、第
1 及び第 2 方法により得られる不均質蒟蒻製品とは構
成が逆になる。尚、上記の多糖類としては種々のものを
使用し得るが澱粉、セルロース及びキサンタンガムを例
示することができる。
【0014】
【実施例等】次に、製造例及び試験例により本発明を更
に詳細に且つ具体的に説明する。製造例 市販の蒟蒻粉 10g を水 400ml 中に添加し、ミキサー
[「ケンミックス (商標)」KM600、主軸回転数 140rpm、
歳差回転数 60rpm] により 2 時間混練し、次いで石灰
水 (水酸化カルシウム 1.5g を 100ml の水に溶解させ
たもの) を 20ml添加して更に 10 分間混練した後に、
型内に注入した。この型を 20 分間 湯煎にかけて該型
内の蒟蒻のゲル化を進行させ、次いで型から取出し約 1
時間水に晒して約 400ml 容の蒟蒻塊を得た。この蒟蒻
塊を透明合成樹脂フイルムに包み、-30℃ の冷凍庫内に
載置して一夜放置することにより凍結させ、その後この
冷凍蒟蒻塊を流水中で解凍した。
に詳細に且つ具体的に説明する。製造例 市販の蒟蒻粉 10g を水 400ml 中に添加し、ミキサー
[「ケンミックス (商標)」KM600、主軸回転数 140rpm、
歳差回転数 60rpm] により 2 時間混練し、次いで石灰
水 (水酸化カルシウム 1.5g を 100ml の水に溶解させ
たもの) を 20ml添加して更に 10 分間混練した後に、
型内に注入した。この型を 20 分間 湯煎にかけて該型
内の蒟蒻のゲル化を進行させ、次いで型から取出し約 1
時間水に晒して約 400ml 容の蒟蒻塊を得た。この蒟蒻
塊を透明合成樹脂フイルムに包み、-30℃ の冷凍庫内に
載置して一夜放置することにより凍結させ、その後この
冷凍蒟蒻塊を流水中で解凍した。
【0015】目視観察で判る程度に全体が繊維性を呈し
ている解凍蒟蒻塊をミンサーアタッチメントを取り付け
た上記のミキサー内に投入して処理することにより平均
直径が約 3mm の粒状基材蒟蒻を得た (収量約 250ml)。
ている解凍蒟蒻塊をミンサーアタッチメントを取り付け
た上記のミキサー内に投入して処理することにより平均
直径が約 3mm の粒状基材蒟蒻を得た (収量約 250ml)。
【0016】一方、市販の蒟蒻粉 10g を水 400ml 中に
添加し、上記のミキサーにより 2時間混練し、次いで上
記の石灰水を 20ml 添加して約 3 分間混練した。得ら
れたコロイド乃至ゾル 0.7 容量に対して 1 容量の上記
粒状基材蒟蒻を添加して充分に撹拌した後に、内径約 9
cm、深さ約 1.5cm の型内にミキサーの内容物を詰め
た。この型を 30 分間湯煎にかけて該型内の充填蒟蒻の
ゲル化を進行させ、次いで型から取出し約 1 時間水に
晒すことにより所望の不均質蒟蒻を得た。
添加し、上記のミキサーにより 2時間混練し、次いで上
記の石灰水を 20ml 添加して約 3 分間混練した。得ら
れたコロイド乃至ゾル 0.7 容量に対して 1 容量の上記
粒状基材蒟蒻を添加して充分に撹拌した後に、内径約 9
cm、深さ約 1.5cm の型内にミキサーの内容物を詰め
た。この型を 30 分間湯煎にかけて該型内の充填蒟蒻の
ゲル化を進行させ、次いで型から取出し約 1 時間水に
晒すことにより所望の不均質蒟蒻を得た。
【0017】試験例 上記の製造例により得られた円盤状不均質蒟蒻をスライ
スして 2 枚の円形状蒟蒻片となし、各蒟蒻片を更に 6
分割することにより 12 枚の不均質蒟蒻片となした。こ
れらの不均質蒟蒻片を圧力釜に投入し、水 700ml及び固
形コンソメスープの素 (味の素株式会社製のブイヨン)
5個 (計 25g 強) を添加して 15 分間加熱処理した。圧
力釜から引き上げた予備調味済み不均質蒟蒻片を放熱さ
せた後に、バターをひいたフライパンを使用して蒟蒻片
の両面に少し焦げ目がつく程度まで焼いて供試試料片と
なした。
スして 2 枚の円形状蒟蒻片となし、各蒟蒻片を更に 6
分割することにより 12 枚の不均質蒟蒻片となした。こ
れらの不均質蒟蒻片を圧力釜に投入し、水 700ml及び固
形コンソメスープの素 (味の素株式会社製のブイヨン)
5個 (計 25g 強) を添加して 15 分間加熱処理した。圧
力釜から引き上げた予備調味済み不均質蒟蒻片を放熱さ
せた後に、バターをひいたフライパンを使用して蒟蒻片
の両面に少し焦げ目がつく程度まで焼いて供試試料片と
なした。
【0018】得られた不均質蒟蒻片を対象として本発明
者を含む 12 名のパネラーが試食した。試食に際して
は、各自の好みによりステーキソース又は焼き鳥用のタ
レが調味料として使用された。各試食者の感想は下記の
通りであった. 試食者 A :味は少々濃かったが、歯応えにおいて蒟蒻と
は思えない。 試食者 B :食肉調理品と比較する場合に少し柔らかい。
食べた時に、もう少し重い感じで噛み切り難ければ、更
に肉の食感に近づくのではないか ? 試食者 C :内部に味が良く染みている。硬い箇所の歯応
えが良好。 試食者 D :味が充分に染みていて美味しかった。噛んだ
感じも食肉のミンチに似ている。 試食者 E :食肉の繊維部分のような適当な歯応えと、少
々脂身の多い食肉と似ている。もう少しツナギ (充填蒟
蒻) の量が少ない方が良かったのでは ? 試食者 F :噛んだ際の食感が少々硬い方が私には好まし
い。もう少しダマ (基材蒟蒻) が小さければブツブツ感
がなくなるのではないか ? 味は良く染みているが濃
い。 試食者 G :蒟蒻としては短い調理時間で味が良く染みて
いる。硬い部分が少々柔らかく且つダマは更に小粒の方
が良いのでは ? 試食者 H :蒟蒻の表面だけではなく内部まで味が良く染
みていた。食感としては貝類に近かった。 試食者 I :歯応えのある塊部分 (この場合は「基材蒟蒻
部分」を指す) の食感が良好。この調理蒟蒻はステーキ
ソースとの相性が良好である。 試食者 J :周りは硬く且つ中は柔らかく、程良い食感で
ある。蒟蒻とは思われない程内部まで味が良く染みてお
り、噛んでいて飽きがこない。 試食者 K :味は充分に染みている。調理食肉をイメージ
して比較すると、ダマが少々硬くブツブツ感が口に残
る。 発明者の考察 :試食者がミンチ処理しない調理食肉をイ
メージするか或いはハンバーグをイメージするかにより
感想のニュアンスが微妙に相違している。感想として共
通点が多いのは「基材蒟蒻の粒が更に小さい方が好まし
い」ことである。この粒の硬さに関しては評が分かれる
が、粒状に成型してから部分凍結させ、次いで解凍する
ことにより硬軟の微妙な調整が可能かも知れない。
者を含む 12 名のパネラーが試食した。試食に際して
は、各自の好みによりステーキソース又は焼き鳥用のタ
レが調味料として使用された。各試食者の感想は下記の
通りであった. 試食者 A :味は少々濃かったが、歯応えにおいて蒟蒻と
は思えない。 試食者 B :食肉調理品と比較する場合に少し柔らかい。
食べた時に、もう少し重い感じで噛み切り難ければ、更
に肉の食感に近づくのではないか ? 試食者 C :内部に味が良く染みている。硬い箇所の歯応
えが良好。 試食者 D :味が充分に染みていて美味しかった。噛んだ
感じも食肉のミンチに似ている。 試食者 E :食肉の繊維部分のような適当な歯応えと、少
々脂身の多い食肉と似ている。もう少しツナギ (充填蒟
蒻) の量が少ない方が良かったのでは ? 試食者 F :噛んだ際の食感が少々硬い方が私には好まし
い。もう少しダマ (基材蒟蒻) が小さければブツブツ感
がなくなるのではないか ? 味は良く染みているが濃
い。 試食者 G :蒟蒻としては短い調理時間で味が良く染みて
いる。硬い部分が少々柔らかく且つダマは更に小粒の方
が良いのでは ? 試食者 H :蒟蒻の表面だけではなく内部まで味が良く染
みていた。食感としては貝類に近かった。 試食者 I :歯応えのある塊部分 (この場合は「基材蒟蒻
部分」を指す) の食感が良好。この調理蒟蒻はステーキ
ソースとの相性が良好である。 試食者 J :周りは硬く且つ中は柔らかく、程良い食感で
ある。蒟蒻とは思われない程内部まで味が良く染みてお
り、噛んでいて飽きがこない。 試食者 K :味は充分に染みている。調理食肉をイメージ
して比較すると、ダマが少々硬くブツブツ感が口に残
る。 発明者の考察 :試食者がミンチ処理しない調理食肉をイ
メージするか或いはハンバーグをイメージするかにより
感想のニュアンスが微妙に相違している。感想として共
通点が多いのは「基材蒟蒻の粒が更に小さい方が好まし
い」ことである。この粒の硬さに関しては評が分かれる
が、粒状に成型してから部分凍結させ、次いで解凍する
ことにより硬軟の微妙な調整が可能かも知れない。
【0019】
【発明の効果】本発明による不均質蒟蒻は各種の形状に
成型された基材蒟蒻と、該基材蒟蒻を封入している充填
蒟蒻とにより構成されており、これらの基材蒟蒻と充填
蒟蒻の少なくとも一方に繊維性が誘導されている。この
不均質蒟蒻において繊維性が誘導された蒟蒻部分は調理
する場合に味の染み込みが早く、従って調理時間を短縮
することができる。尚、繊維性の賦与は冷凍処理により
蒟蒻を構成するグルコマンナン分子内・分子間に水和し
ていた水分子を氷結させ、これによって蒟蒻全体に微細
な亀裂を生じさせると同時にグルコマンナン分子内・分
子間の相互作用を増加させ、次いで解凍処理により氷結
していた水を蒟蒻の外部に導くことにより行われるもの
であり、従って処理も容易である。
成型された基材蒟蒻と、該基材蒟蒻を封入している充填
蒟蒻とにより構成されており、これらの基材蒟蒻と充填
蒟蒻の少なくとも一方に繊維性が誘導されている。この
不均質蒟蒻において繊維性が誘導された蒟蒻部分は調理
する場合に味の染み込みが早く、従って調理時間を短縮
することができる。尚、繊維性の賦与は冷凍処理により
蒟蒻を構成するグルコマンナン分子内・分子間に水和し
ていた水分子を氷結させ、これによって蒟蒻全体に微細
な亀裂を生じさせると同時にグルコマンナン分子内・分
子間の相互作用を増加させ、次いで解凍処理により氷結
していた水を蒟蒻の外部に導くことにより行われるもの
であり、従って処理も容易である。
Claims (6)
- 【請求項1】 各種の形状に成型された基材蒟蒻と、該
成型基材蒟蒻を封入している充填蒟蒻とを有しており、
上記の基材蒟蒻と充填蒟蒻の少なくとも一方に繊維性が
誘導されていることを特徴とする、不均質蒟蒻。 - 【請求項2】 成型基材蒟蒻がシート状、紐状、粒状又
は団子状を呈していることを特徴とする、請求項 1 に
記載の不均質蒟蒻。 - 【請求項3】 蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物に水又は温湯を
添加して混練し、凝固剤を添加して混練し、型内に注入
し、加熱してゲル化させ、冷凍し、次いで解凍した後に
シート状、紐状、粒状、団子状等の形状に成型するか、
又は凝固剤を添加した後にシート状、紐状、粒状、団子
状等の形状に成型し加熱してゲル化させ、冷凍し、次い
で解凍することにより基材蒟蒻を調製する工程と、蒟蒻
粉又は蒟蒻芋磨砕物に水又は温湯を添加して混練し、凝
固剤を添加して混練し、上記の成型基材蒟蒻と混合し、
該混合物を型内に導入し、加熱することにより蒟蒻芋含
有後添加物をゲル化させて充填蒟蒻を調製する工程とを
備えていることを特徴とする、不均質蒟蒻の製法。 - 【請求項4】 蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物に水又は温湯を
添加して混練し、凝固剤を添加して混練し、型内に注入
し、加熱してゲル化させ、冷凍し、次いで解凍した後に
シート状、紐状、粒状、団子状等の形状に成型するか、
又は凝固剤を添加した後にシート状、紐状、粒状、団子
状等の形状に成型し加熱してゲル化させ、冷凍し、次い
で解凍することにより基材蒟蒻を調製する工程と、該基
材蒟蒻を蒟蒻粉にて塗して型に入れ、該型を凝固剤含有
水溶液中に入れて加熱することにより蒟蒻粉をゲル化さ
せて充填蒟蒻を調製する工程とを備えていることを特徴
とする、不均質蒟蒻の製法。 - 【請求項5】 蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物に多糖類と水又
は温湯とを添加して混練し、凝固剤を添加して混練し、
型内に注入し、加熱してゲル化させ、次いで型から取出
してシート状、紐状、粒状、団子状等の形状に成型する
か、又は凝固剤を添加した後にシート状、紐状、粒状、
団子状等の形状に成型し加熱してゲル化させることによ
り基材蒟蒻を調製する工程と、蒟蒻粉又は蒟蒻芋磨砕物
に水又は温湯を添加して混練し、凝固剤を添加して混練
し、上記の成型基材蒟蒻と混合し、該混合物を型内に導
入し、加熱することにより蒟蒻芋含有後添加物をゲル化
させて充填蒟蒻を調製する工程と、得られた成型蒟蒻を
冷凍し、次いで解凍する工程とを備えていることを特徴
とする、不均質蒟蒻の製法。 - 【請求項6】 多糖類が澱粉、セルロース又はキサンタ
ンガムであることを特徴とする、請求項 5 に記載の不
均質蒟蒻の製法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000359332A JP2002159276A (ja) | 2000-11-27 | 2000-11-27 | 不均質蒟蒻及びその製法 |
EP01121794A EP1190626A1 (en) | 2000-09-20 | 2001-09-20 | Heterogeneous food product made from Konjak and manufacturing method therefor |
US09/960,985 US20030228405A1 (en) | 2000-09-20 | 2001-09-25 | Heterogeneous konjak and manufacturing method therefor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000359332A JP2002159276A (ja) | 2000-11-27 | 2000-11-27 | 不均質蒟蒻及びその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002159276A true JP2002159276A (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=18831110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000359332A Pending JP2002159276A (ja) | 2000-09-20 | 2000-11-27 | 不均質蒟蒻及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002159276A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011142881A (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-28 | Ajinomoto Co Inc | 低タンパク肉様食品の製造法 |
-
2000
- 2000-11-27 JP JP2000359332A patent/JP2002159276A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011142881A (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-28 | Ajinomoto Co Inc | 低タンパク肉様食品の製造法 |
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