JP2002158447A - 多層配線板の製造方法および多層配線板 - Google Patents

多層配線板の製造方法および多層配線板

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JP2002158447A JP2001271690A JP2001271690A JP2002158447A JP 2002158447 A JP2002158447 A JP 2002158447A JP 2001271690 A JP2001271690 A JP 2001271690A JP 2001271690 A JP2001271690 A JP 2001271690A JP 2002158447 A JP2002158447 A JP 2002158447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い多層
配線板を提供する。 【解決手段】 層間接続用のランドを有する配線パター
ンと、該配線パターンとの層間接続用のランドを有する
被接続体の、いずれかのランド上に導体ポストが形成さ
れ、少なくとも、該導体ポストの先端表面または相対す
るランドの表面に半田層が形成され、該導体ポストと相
対するランドとを接着剤層を介して、密着・加圧・加熱
の工程を経て半田接合させた層間接続部を有する多層配
線板であって、密着・加圧・加熱の工程を経る前に、半
田層が熱処理されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、層間の電気的接続
と接着を同時に行う多層配線板の製造方法およびその方
法により得られる多層配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の高機能化、並びに、軽
薄短小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さら
には高密度実装化が進んできており、これらの電子機器
に使用される半導体パッケージは、従来にも増して、益
々、小型化かつ多ピン化が進んできている。
【0003】従来の回路基板はプリント配線板と呼ば
れ、ガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸させた積層
板からなる、ガラスエポキシ板に貼り付けられた銅箔を
パターニングした後、複数枚重ねて積層接着し、ドリル
で貫通穴を開けて、この穴の壁面に銅めっきを行ってビ
アを形成し、層間の電気接続を行った配線基板の使用が
主流であった。しかし、搭載部品の小型化、高密度化が
進み、上記の配線基板では配線密度が不足して、部品の
搭載に問題が生じるようになってきている。
【0004】このような背景により、近年、ビルドアッ
プ多層配線板が採用されている。ビルドアップ多層配線
板は、樹脂のみで構成される絶縁層と、導体とを積み重
ねながら成形される。ビア形成方法としては、従来のド
リル加工に代わって、レーザー法、プラズマ法、フォト
法等多岐にわたり、小径のビアホールを自由に配置する
ことで、高密度化を達成するものである。層間接続部と
しては、ブライドビア(Blind Via)やバリー
ドビア(Buried Via:ビアを導電体で充填し
た構造)等があり、ビアの上にビアを形成するスタック
ドビアが可能な、バリードビアホールが、特に注目され
ている。バリードビアホールとしては、ビアホールをめ
っきで充填する方法と、導電性ペースト等で充填する場
合とに分けられる。一方、配線パターンを形成する方法
として、銅箔をエッチングする方法(サブトラクティブ
法)、電解銅めっきによる方法(アディティブ法)等が
あり、配線密度の高密度化に対応可能なアディティブ法
が特に注目され始めている。
【0005】特開平10−84186号公報では、配線
層のパターンに対応した位置に設けた孔に、導電体を埋
め込んだ接着性絶縁体の表面に、離型性支持板の表面に
形成された導電性配線パターンを転写して、前記接着性
絶縁体の表面に配線層を形成すると同時に、バイア接続
を行う配線基板が開示されており、ビア内を導電体(導
電性ペースト)で充填する(バリードビア)ため、ビア
の上にビアを形成するスタックドビアが可能なうえ、配
線パターンを電解めっき等で形成する(アディティブ
法)ため、微細な配線パターンを形成することができ、
高密度化ができるとしている。しかしながら、この方法
では、層間の電気的接続を導電性ペーストで行っている
ため、信頼性が十分ではない。また、微細なビアに導電
性ペーストを埋め込む高度な技術や、離型性支持板の表
面に形成された配線パターンと、接着性絶縁体に形成さ
れたビアと、もう一方の配線パターンとを、同時に位置
合せ積層する高度な技術も必要となり、さらなる微細化
に対応することが困難である。
【0006】特開平11−251703号公報では、導
電性組成物によって充填されたビアを有する絶縁体層
と、導電組成物の一方または両方の面の上に形成された
導電性のバッファー層と、導電性のバッファー層上に形
成された配線パターンとを備え、導電性のバッファー層
は、導電性組成物、配線パターンのいずれか一方または
両方と、合金または金属間化合物を形成している回路基
板が記載されている。この方法は、導電性ペーストと配
線パターンの接続信頼性向上を狙ったものである。しか
しながら、この方法においても、金属間化合物を形成す
る導電性バッファー層、導電性組成物、配線パターンの
表面が、十分に清浄化されていないと、導電性バッファ
ー層が濡れ拡がることができず、半田接合が不十分にな
り、信頼性の高い電気的接続が得られない。
【0007】文献「テープ状フィルムの一括積層方式に
よる多層配線板の開発」(エレクトロニクス実装学会
誌,vol.1,No.2(1998))に開示された技
術においては、接続用電極表面に、Au−Sn合金を用
いて、電気的接続を試みているが、Au−Sn合金が全
面にぬれ拡がらないため、Au−Snの間に熱硬化性接
着剤を挟んだ部分的な接合となり、信頼性が十分ではな
い。ここで、熱硬化性接着剤の硬化層をエポキシ系接着
剤で設けられているが、具体的には、エポキシ樹脂とし
てビスフェノールA型もしくはクレゾールノボラック型
であり、硬化剤として、フェノールノボラック樹脂とあ
るが、その機能は層間接着のみであり、金属表面の酸化
膜の除去や、還元といった金属表面の清浄化機能に関す
る記載はない。
【0008】また、特開平11−204939号公報で
は、接続用電極として、Sn−Pbはんだ等、Snを主
成分とする合金を用いて300℃以下の温度で、電気的
な接続を行う方法が記載されているが、接合表面を清浄
化しないと、半田接合することは不可能である。一方、
配線パターンは、銅箔をエッチングにより形成するサブ
トラクティブ法であるため、さらなる配線パターンの微
細化に対応することが困難である。
【0009】特開平8−195560号公報では、両面
または片面に導電体回路層を有する絶縁体層と導電体回
路層を有しない絶縁体層とを所定数積み重ねた積層体
を、加圧・成形し、同時に所定の少なくとも上下二つの
導電体回路層を、電気的に接続させるプリント回路基板
の製造方法において、絶縁体層をいずれもガラス繊維を
含まないシート状の絶縁体樹脂層で形成し、導電体回路
層の所定場所上に、導電体回路層間の電気的接続用の導
電体からなる突起(金属塊)を設けておき、積層体をプ
レス治具板を用いて、プレスを行うものであり、プレス
圧力によって絶縁体樹脂層を突起が突き破り、対向する
導電体回路層に当接・圧着させる製造方法が記載されて
いる。また、さらに突起の先端部に、絶縁体樹脂層の樹
脂硬化温度より、高い溶融温度を有する半田層を設けて
おき、熱および圧力で絶縁体樹脂層を突起で突き破り、
半田層を導電体回路層に接続させた後、この状態で温度
を半田の溶融温度まで上昇し、半田層を溶融させて、突
起を導電体回路層に接続させた後、冷却して半田層を固
化させる製造方法が記載されている。この製造方法によ
ると、導電体からなる突起(金属塊)により層間接続を
行うため、ビア(突起)の上にビア(突起)を形成する
スタックドビアが可能となり、層間接続部の高密度化を
図ることができる。また、絶縁体樹脂層にビアを形成し
ておく必要がないため、簡便にかつ品質よく製作できる
利点もある。しかしながら、上記の前者の方法では、電
気的接続が物理的接触だけであり、信頼性が低いことが
予想される。後者の方法では、突起先端の半田層と導電
体回路層の表面が十分に清浄化、すなわち、表面酸化膜
の除去や還元がされていないと、半田が濡れ拡がること
ができないため、半田接合することは不可能である。
【0010】特開昭62−222696号公報では、基
板上に導体層と絶縁層とを交互に積層して多層配線基板
の導体配線を形成する多層配線基板の製造方法におい
て、前記導体配線を形成する面に所望の配線パターン形
状と略同形状にパターニングされた下地金属層を形成す
る工程と、少なくとも前記下地金属層以外に絶縁層を形
成する工程と、前記絶縁層をめっきレジストとして、前
記下地金属層上に無電解めっきを行って前記導体配線を
形成する工程とからなる製造方法が記載されている。こ
の発明の最大の特徴は、無電解めっきにより配線パター
ンを形成するところにあり、これにより導体配線を均一
な厚みで形成することができるだけでなく、アディティ
ブ法であるため、微細な導体配線を形成することができ
る。しかしながら、無電解めっきによる導体配線形成で
は、導体配線を所望の厚みに形成するまでに時間を要す
るため、生産性の向上が図れないという重大な課題があ
る。さらに、下地金属層を所望の配線パターン形状と略
同形状にパターニングするが、絶縁層と導体配線との間
に隙間が形成されないようにするには、下地金属層の寸
法(幅)を配線パターン形状よりも大きくする必要があ
るため、隣接する導体配線のスペースを狭くすることが
できず、回路密度の向上に障害が生じるという重大な課
題もある。
【0011】一般に、半田接合のためには、半田表面と
相対する電極の、金属表面の酸化物等の汚れを除去する
と共に、半田接合時の金属表面の再酸化を防止して、半
田の表面張力を低下させ、金属表面に溶融半田が濡れ易
くする、半田付け用フラックスが使用される。このフラ
ックスとしては、ロジン等の熱可塑性樹脂系フラックス
に、酸化膜を除去、還元する活性剤等を加えたフラック
スが用いられている。しかしながら、このフラックスが
残存していると、高温、多湿時に熱可塑性樹脂が溶融
し、活性剤中の活性イオンも遊離する等、電気絶縁性の
低下やプリント配線の腐食等の問題が生じる。そのため
現在は、半田接合後の残存フラックスを洗浄除去しなけ
ればならない。よって、前述の特開平8−195560
号公報、特開平11−251703号公報、特開平11
−204939号公報で記載された多層プリント基板、
回路基板、多層回路基板の半田接合のために、この様な
半田付け用のフラックスを用いても、確実に半田接合は
できるが、絶縁信頼性を得ることができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、半導体チッ
プを搭載する多層配線板における、層間接続のこのよう
な現状の問題点に鑑み、確実に層間接続でき、且つ信頼
性の高い多層配線板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、層間接
続用のランドを有する配線パターンと、配線パターンと
の層間接続用のランドを有する被接続体の、いずれかの
ランド上に導体ポストが形成され、少なくとも、導体ポ
ストの先端表面または相対するランドの表面に半田層が
形成され、導体ポストと相対するランドとを接着剤層を
介して、密着・加圧・加熱の工程を経て半田接合させた
層間接続部を有する多層配線板であって、密着・加圧・
加熱の工程を経る前に、該半田層が熱処理されることを
特徴とする多層配線板を基本とし、半田層の熱処理は、
真空中または不活性雰囲気中にて行うことが好ましく、
あるいは、半田層に用いる半田の融点以上の温度にて熱
処理を行うことが好ましく、あるいは、半田層の表面に
フラックスまたは表面清浄化機能を有する樹脂を塗布し
てから熱処理を行うことが、よりいっそう好ましい。更
には、半田層の熱処理が、半田層の表面に表面清浄化機
能を有する接着剤からなる接着剤層を形成してから行わ
れることが好ましい。
【0014】本発明において、導体ポストは電解めっき
により形成された銅からなることが好ましく、半田層は
電解めっきにより形成されることが好ましい。
【0015】本発明において、接着剤層に用いる接着剤
は、表面清浄化機能を有することが好ましく、あるい
は、第1の好ましい接着剤として、少なくとも1つ以上
のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)と、その硬化
剤として作用する樹脂(B)とを必須成分とするものが
用いられ、さらには、フェノール性水酸基を有する樹脂
(A)が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノ
ールノボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニ
ルフェノール樹脂から選ばれる、少なくとも1種である
ことが好ましく、また、フェノール性水酸基を有する樹
脂(A)が、接着剤に20wt%以上80wt%以下で
含まれることが好ましい。また、第2の好ましい接着剤
として、エポキシ樹脂(C)と、イミダゾール環を有し
且つエポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用する化合物
(D)とを必須成分とするものが用いられ、さらには、
硬化剤として作用する化合物(D)が、接着剤に1wt
%以上10wt%以下で含まれることが好ましい。
【0016】また、本発明は、前記多層配線板の製造方
法により、得られることを特徴とする多層配線板であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら
限定されるものではない。図1は、本発明の実施形態で
ある多層配線板の製造方法の第1の例を説明するための
図で、図1(f)は得られる多層配線板の構造を示す断
面図である。
【0018】本発明の多層配線板の製造方法としては、
まず、金属箔101と絶縁膜102からなる2層構造体
を用意し、絶縁膜102にビア103を形成する(図1
(a))。2層構造体は、金属箔101上に樹脂ワニス
を印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗
布することにより得ることができる。さらには、市販の
樹脂付銅箔(例えば、ポリイミド付銅箔)のような2層
構造体を用意しても良い。また、2層構造体は、ガラス
エポキシ両面銅張積層板の一方の銅箔を全面エッチング
して得ることもできる。
【0019】ビア103の形成方法は、この製造方法に
適する方法であれば、どのような方法でも良く、レーザ
ー、プラズマによるドライエッチング、ケミカルエッチ
ング等が挙げられる。レーザーとしては、炭酸ガスレー
ザー、紫外線レーザー、エキシマレーザー等を使用する
ことができる。絶縁膜102がガラスエポキシのように
補強繊維を含む場合には、樹脂とガラスクロスを貫通し
てビア103を形成することができる炭酸ガスレーザー
を使用することが好ましい。絶縁膜102がポリイミド
等の補強繊維を含まない場合には、より微細なビア10
3を形成できる紫外線レーザーを使用することが好まし
い。また、絶縁膜102を感光性樹脂とした場合には、
絶縁膜102を選択的に感光し、現像することでビア1
03を形成することもできる。
【0020】次に、金属箔101を電解めっき用リード
(給電用電極)として、導体ポスト104を電解めっき
により形成する(図1(b))。この電解めっきによ
り、絶縁膜102のビア103が形成されている部分
に、導体ポスト104が形成される。電解めっきにより
導体ポスト104を形成すれば、導体ポスト104の先
端の形状を自由に制御することができる。導体ポスト1
04の材質としては、この製造方法に適するものであれ
ばどのようなものでも良く、例えば、銅、ニッケル、
金、錫、銀、パラジウム等が挙げられる。さらには、銅
を用いることで、低抵抗で安定した導体ポスト104が
得られる。
【0021】次に、導体ポスト104の表面(先端)
に、半田層105を形成する(図1(c))。半田層1
05の形成方法としては、無電解めっきにより形成する
方法、金属箔101を電解めっき用リード(給電用電
極)として電解めっきにより形成する方法、半田を含有
するペーストを印刷する方法が挙げられる。印刷による
方法では、印刷用マスクを導体ポスト104に対して、
精度良く位置合せする必要があるが、無電解めっきや電
解めっきによる方法では、導体ポスト104の表面以外
に半田層105が形成されることがないため、導体ポス
ト104の微細化・高密度化にも対応しやすい。特に、
電解めっきによる方法では、無電解めっきによる方法よ
りも、めっき可能な金属が多種多様であり、また薬液の
管理も容易であるため、非常に好適である。半田層10
5の材質としては、SnやIn、もしくはSn、Ag、
Cu、Zn、Bi、Pd、Sb、Pb、In、Auの少
なくとも二種からなる半田を使用することが好ましい。
より好ましくは、環境に優しいPbフリー半田である。
なお、図1(c)では、導体ポスト104の表面に半田
層105を形成する例を示したが、半田層105を形成
する目的は、導体ポスト104と被接続体120のラン
ド107bとを半田接合させることであるため、ランド
107bに半田層105を形成しても構わない。もちろ
ん、導体ポスト104とランド107bの両表面に半田
層105を形成しても構わない。
【0022】次に、半田層105に熱処理を行う(図示
せず)。電解めっきまたは無電解めっきにより得られた
半田層105は、半田を構成する各金属が結晶として析
出しただけであり、適切な熱処理を行うことにより、半
田として機能するようになる。半田層105に行う熱処
理としては、熱処理による半田表面の酸化を防ぐため
に、真空中または不活性雰囲気(例えば、窒素等)中に
て熱処理を行うことが好ましい。さらには、半田層10
5の表面にフラックスまたは表面清浄化機能を有する樹
脂を塗布してから熱処理を行うことにより、半田表面の
酸化膜や汚れを除去することができるため、よりいっそ
う好ましい。熱処理の温度としては、半田の融点以上の
温度であることが好ましい。さらには、絶縁膜102が
樹脂からなる場合には、400℃以下の温度で熱処理を
行うことが好ましい。400℃を超える温度では、樹脂
の熱分解等により、絶縁膜102としての機能を果たさ
なくなるからである。表面清浄化機能を有する樹脂とし
ては、表面清浄化機能を有する接着剤と同じ組成物を用
いることができる。
【0023】前記半田層105の表面にフラックスまた
は表面清浄化機能を有する樹脂を塗布する工程の代わり
に、表面清浄化機能を有する接着剤からなる接着剤層1
08を形成してから熱処理を行うとより好ましい。熱処
理後の該表面清浄化機能を有する接着剤は、接着剤層と
してそのまま使用することができる。表面清浄化機能を
有する接着剤についての詳細は後述の通りであるが、フ
ラックス又は表面清浄化機能を有する樹脂を塗布して熱
処理を行う場合、該フラックスならびに表面清浄化機能
を有する樹脂が残存していると、高温、多湿時に熱可塑
性樹脂が溶融し、活性剤中の活性イオンも遊離するな
ど、電気絶縁性の低下やプリント配線の腐食などの問題
が生じる恐れがある。また、その後の工程の接着剤層1
08の形成における成型不良や、接続体110と被接続
体120の接着不良を引き起こす恐れがあるため、該フ
ラックスならびに表面清浄化機能を有する樹脂を洗浄し
て除去する必要がある。
【0024】次に、金属箔101を選択的にエッチング
することにより、ランド107aを有する配線パターン
106を形成し、絶縁膜102の表面に接着剤層108
を形成する(図1(d))。これにより接続体110を
得ることができる。既に半田層の表面に表面清浄化機能
を有する接着剤樹脂からなる接着剤層を形成している場
合は、絶縁膜の表面に接着剤層を形成しなくても良い。
接着剤層108の形成は、使用する樹脂に応じて適した
方法で良く、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バー
コート等の方法で直接塗布したり、ドライフィルムタイ
プの樹脂を真空ラミネート、真空プレス等の方法で積層
する方法が挙げられる。接着剤層108の機能は、詳細
には後述の通りであるが、金属の表面清浄化機能と接着
機能の2機能である。前者は半田接合を実現するために
必要な機能であり、後者は接続体110と被接続体12
0とを接着するために必要な機能であり、両者とも欠く
事はできない。なお、図1(d)では、絶縁膜102の
表面に接着剤層108を形成する例を示したが、被接続
体120の表面に接着剤層108を形成しても構わな
い。もちろん、絶縁膜102と被接続体120の両表面
に形成しても構わない。
【0025】次に、接続体110と被接続体120とを
位置合わせする(図1(e))。位置合わせは、接続体
110および被接続体120に予め形成されている位置
決めマークを、画像認識装置により読み取り位置合わせ
する方法、位置合わせ用のピン等で位置合わせする方法
等を用いることができる。
【0026】最後に、接続体110と被接続体120と
を積層する(図1(f))。積層方法としては、例え
ば、真空プレスを用いて、導体ポスト104が、接着剤
層108を排除して、半田層105によりランド107
bと半田接合するまで加圧し、更に加熱して接着剤層1
08を硬化させて、接続体110と被接続体120とを
接着することができる。
【0027】以上の工程により、ランド107bと導体
ポスト104とを半田層105にて半田接合し、各層間
を接着剤層108にて接着した多層配線板130を得る
ことができる。なお、図1(f)では、被接続体120
に対して接続体110を1層のみ積層した例を示した
が、図1(f)で得られた多層配線板130の上にさら
にもう1層または2層以上積層して、より層数の多い多
層配線板を得ることもできる。
【0028】図2は、本発明の実施形態である多層配線
板の製造方法の第2の例を説明するための図で、図2
(f)は得られる多層配線板の構造を示す断面図であ
る。
【0029】本発明の多層配線板の製造方法の第2の例
が第1の例と異なるのは、金属箔101を選択的にエッ
チングして、ランド107aを有する配線パターン10
6を形成する代わりに、金属板201を電解めっき用リ
ード(給電用電極)として、電解めっきによりランド2
07aを有する配線パターン206を形成する点であ
り、基本的な製造方法はほとんど同じである。以下、第
2の例について、第1の例と異なる部分のみ詳細に説明
する。
【0030】まず、金属板201上にパターニングされ
ためっきレジスト(図示せず)を形成し、続いて、金属
板201を電解めっき用リード(給電用電極)として、
ランド207aを有する配線パターン206を電解めっ
きにより形成した後、めっきレジストを除去する(図2
(a))。この電解めっきにより、金属板201上のめ
っきレジストが形成されていない部分に、ランド207
aを有する配線パターン206が形成される。ランド2
07aを有する配線パターン206の材質としては、例
えば、銅、ニッケル、金、錫、銀、パラジウム等が挙げ
られる。さらには、銅を用いることで、低抵抗で安定し
たランド207aを有する配線パターン206が得られ
る。金属板201の材質は、この製造方法に適するもの
であればどのようなものでも良いが、特に、使用される
薬液に対して耐性を有するものであって、最終的にエッ
チングにより除去可能であることが必要である。そのよ
うな金属板201の材質としては、例えば、銅、銅合
金、42合金、ニッケル等が挙げられる。一方、めっき
レジストは、例えば、金属板201上に紫外線感光性の
ドライフィルムレジストをラミネートし、ネガフィルム
等を用いて選択的に感光し、その後現像することにより
形成できる。
【0031】次に、ランド207aを有する配線パター
ン206上に絶縁膜202を形成し、続いて、絶縁膜2
02にビア203を形成する(図2(b))。絶縁膜2
02を構成する樹脂は、この製造方法に適するものであ
ればどのようなものでも使用できる。また、絶縁膜20
2の形成は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、
樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方
法で直接塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真
空ラミネート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙
げられる。特に、市販されている樹脂付銅箔は入手が容
易であり、真空ラミネートによりランド207aを有す
る配線パターン206の凹凸を埋め込みながら成形し、
最後に銅箔をエッチングすれば、絶縁膜202の表面が
ランド207aを有する配線パターン206の凹凸に影
響されることなく、非常に平坦になる。また、絶縁膜2
02の表面には銅箔表面の微細な粗化形状が転写される
ため、図2(d)に示す接着剤層208との密着性を確
保することができる。一方、ビア203の形成方法は、
第1の例と同様である。
【0032】次に、金属板201を電解めっき用リード
(給電用電極)として、導体ポスト204を電解めっき
により形成し、続いて、導体ポスト204の表面(先
端)に半田層205を形成する(図2(c))。導体ポ
スト204および半田層205の形成方法は、第1の例
と同様である。
【0033】次に、半田層205に熱処理を行う(図示
せず)。半田層205の熱処理については、第1の例と
同様である。
【0034】次に、絶縁膜202の表面に接着剤層20
8を形成する(図2(d))。接着剤層208の形成方
法は、第1の例と同様である。
【0035】次に、接続体210と被接続体220とを
位置合わせをする(図2(e))。位置合わせ方法は、
第1の例と同様である。
【0036】最後に、接続体210と被接続体220と
を積層し、金属板201をエッチングにより除去する
(図2(f))。積層方法は、第1の例と同様である。
金属板201とランド207aを有する配線パターン2
06の材質が異なる場合には、ランド207aを有する
配線パターン206を侵食・腐食しない薬液を用いて、
金属板201をエッチングすればよい。金属板201と
ランド207aを有する配線パターン206の材質が同
じ場合には、金属板201をエッチングする際に、ラン
ド207aを有する配線パターン206が侵食・腐食さ
れるため、金属板201とランド207aを有する配線
パターン206との間に、金属板201をエッチングす
る際に、使用する薬液に対して耐性を有するレジスト金
属層(図示せず)を、予め形成しておく。これにより、
金属板201をエッチングしても、レジスト金属層があ
るため、ランド207aを有する配線パターン206は
侵食・腐食されることはない。その後、ランド207a
を有する配線パターン206を侵食・腐食しない薬液を
用いてレジスト金属層をエッチングにより除去する(も
ちろん除去せず、残しておいてもよい)。
【0037】具体的に説明すると、金属板201の材質
が銅、レジスト金属層の材質がニッケル、錫または半田
の場合、市販のアンモニア系エッチング液を使用して金
属板201をエッチングすることができる。金属板20
1の材質が銅、レジスト金属の材質が金の場合、塩化第
二鉄溶液、塩化第二銅溶液を含め、ほとんどのエッチン
グ液を使用して金属板201をエッチングすることがで
きる。ランド207aを有する配線パターン206の材
質が銅、レジスト金属層の材質がニッケル、錫または半
田の場合、市販の半田・ニッケル剥離剤(例えば、三菱
ガス化学製、Pewtax)を使用してレジスト金属層
をエッチングすることができる。ランド207aを有す
る配線パターン206の材質が銅、レジスト金属層の材
質が金の場合、ランド207aを有する配線パターン2
06を浸食・腐食させることなく、レジスト金属層をエ
ッチングすることは困難である。この場合には、レジス
ト金属層を除去せず、残しておいてもよい。
【0038】以上の工程により、ランド207bと導体
ポスト204とを半田層205にて半田接合し、各層間
を接着剤層208にて接着した多層配線板230を得る
ことができる。なお、図2(f)では、被接続体220
に対して接続体210を1層のみ積層した例を示した
が、図2(f)で得られた多層配線板230の上に、さ
らにもう1層または2層以上積層して、より層数の多い
多層配線板を得ることもできる。
【0039】本発明に用いる接着剤層は、表面清浄化機
能を有しており、且つ絶縁信頼性の高い接着剤であると
ころに最も特徴がある。表面清浄化機能としては、例え
ば、半田表面や被接続金属表面に存在する酸化膜の除去
機能や、酸化膜の還元機能である。この接着剤層の表面
清浄化機能により、半田と接続するための表面との濡れ
性が十分に高まる。そのため、接着剤層は、金属表面を
清浄化するために、半田と接続するための表面に、必ず
接触している必要がある。両表面を清浄化することで、
半田が、被接合表面に対して濡れ拡がろうとする力が働
き、その半田の濡れ拡がりの力により、半田接合部にお
ける接着剤層が排除される。これより、接着剤層を用い
た半田接合には、樹脂残りが発生しにくく、且つその電
気的接続信頼性は高いものとなる。
【0040】本発明に用いる第1の好ましい接着剤は、
少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂
(A)と、その硬化剤として作用する樹脂(B)とを必
須成分としており、フェノール性水酸基を有する樹脂
(A)の、フェノール性水酸基は、その表面清浄化機能
により、半田および金属表面の酸化物等の汚れの除去あ
るいは、酸化物を還元し、半田接合のフラックスとして
作用する。更に、その硬化剤として作用する樹脂(B)
により、良好な硬化物を得ることができるため、半田接
合後の洗浄除去が必要なく、高温、多湿雰囲気でも電気
絶縁性を保持し、接合強度、信頼性の高い半田接合を可
能とする。
【0041】本発明において第1の好ましい接着剤に用
いる、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有す
る樹脂(A)としては、フェノールノボラック樹脂、ア
ルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、およ
び、ポリビニルフェノール樹脂から選ばれるのが好まし
く、これらの1種以上を用いることができる。
【0042】本発明において第1の好ましい接着剤フェ
ノール性水酸基を有する樹脂(A)の、硬化剤として作
用する樹脂(B)としては、エポキシ樹脂やイソシアネ
ート樹脂等が用いられる。具体的にはいずれも、ビスフ
ェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノ
ールノボラック系、ビフェノール系、ナフトール系やレ
ソルシノール系等のフェノールベースのものや、脂肪
族、環状脂肪族や不飽和脂肪族等の骨格をベースとして
変性されたエポキシ化合物やイソシアネート化合物が挙
げられる。
【0043】本発明において第1の好ましい接着剤に用
いる、フェノール性水酸基を有する樹脂(A)は、接着
剤中に、20wt%以上80wt%以下で含まれること
が好ましい。20重量%未満であると、金属表面を清浄
化する作用が低下し、半田接合できなくなってしまう恐
れがあり、また、80重量%より多いと、十分な硬化物
が得られず、接合強度と信頼性が低下する恐れがある。
硬化剤として作用する樹脂(B)の配合量としては、エ
ポキシ基当量またはイアネート基当量が、化合物(A)
のフェノール性水酸基当量、あるいはカルボキシル基当
量の0.5倍以上、1.5倍以下が好ましい。0.5倍
未満であると、十分な硬化物が得られず信頼性が低下す
る恐れがある。また、1.5倍より多いと、半田および
金属表面の酸化物などの汚れを除去する作用が低下し、
半田接合の信頼性が低下する恐れがある。また、接着剤
層に用いる樹脂に、硬化触媒、着色料や、無機充填材、
各種のカップリング剤等を添加しても良い。
【0044】本発明に用いる第2の好ましい接着剤は、
エポキシ樹脂(C)と、イミダゾール環を有し且つエポ
キシ樹脂(C)の硬化剤として作用する化合物(D)と
を、必須成分としており、化合物(D)のイミダゾール
環は、三級アミンの不対電子に起因する表面清浄化機能
により、半田および金属表面の酸化物等の汚れの除去あ
るいは、酸化膜を還元し、半田接合のフラックスとして
作用する。更に、イミダゾール環は、エポキシ樹脂
(C)をアニオン重合する際の硬化剤としても作用する
ため、良好な硬化物を得ることができ、半田接合後の洗
浄除去が必要なく、高温、多湿雰囲気でも電気絶縁性を
保持し、接合強度、信頼性の高い半田接合を可能とす
る。
【0045】本発明において第2の好ましい接着剤に用
いる化合物(D)の添加量は、1wt%以上10wt%
以下であることが好ましい。化合物(D)の添加量が1
wt%未満では表面清浄化機能が弱くなったり、また、
エポキシ樹脂(C)を充分に硬化させることができなく
なる恐れがある。また、化合物(D)の添加量が10w
t%より多い場合は、硬化反応が急激に進行し、半田接
合時における接着剤層の流動性が低下し、半田接合を阻
害する恐れがある。さらに、得られる硬化物が脆くな
り、十分な強度の半田接合部が得られなくなる恐れがあ
る。より好ましくは、化合物(D)の添加量は1wt%
以上5wt%以下である。
【0046】本発明において第2の好ましい接着剤で用
いる化合物(D)と組み合わせて用いるエポキシ樹脂
(C)としては、ビスフェノール系、フェノールノボラ
ック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノー
ル系、ナフトール系やレゾルシノール系等の、フェノー
ルベースのエポキシ樹脂や、脂肪族、環状脂肪族や不飽
和脂肪族等の骨格をベースとして変性されたエポキシ化
合物が挙げられる。
【0047】本発明において第2の好ましい接着剤で用
いる化合物(D)としては、イミダゾール、2−メチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチル
イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、ビス(2−エチル−4
−メチル−イミダゾール)、2−フェニル−4−メチル
−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−
4、5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シ
アノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−フェニルイミダゾール、あるいはトリアジン付
加型イミダゾール等が挙げられる。また、これらをエポ
キシアダクト化したものや、マイクロカプセル化したも
のも使用できる。これらは単独で使用しても2種類以上
を併用しても良い。
【0048】本発明において第2の好ましい接着剤で用
いるエポキシ樹脂(C)の配合量は、接着剤の30〜9
9wt%が好ましい。30wt%未満であると、十分な
硬化物が得られなくなる恐れがある。接着剤層に用いる
樹脂に、シアネート樹脂、アクリル酸樹脂、メタクリル
酸樹脂、マレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹
脂を配合しても良い。また、接着剤層に用いる樹脂に、
硬化触媒、着色料や、無機充填材、各種のカップリング
剤等を添加しても良い。
【0049】
【実施例】以下、実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。
【0050】[接着剤ワニスの調整] 調整例1 m,p−クレゾールノボラック樹脂(PAS−1、日本
化薬(株)製,OH当量120)100gと、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂(RE−404S、日本化薬(株)
製、EP当量165)140gを、シクロヘキサノン6
0gに溶解し、硬化触媒としてトリフェニルフォスフィ
ン(北興化学工業(株)製)0.2gを添加し、接着剤
ワニス1を作製した。
【0051】調整例2 ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂(XD−1
000L、日本化薬製、エポキシ当量245)245g
を、シクロヘキサノン105gに溶解し、2−フェニル
−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(2
P4MHZ−PW、四国化成製)を5g添加し、接着剤
ワニス2を作製した。
【0052】<多層配線板の製造>銅箔(金属箔10
1、厚み18μm)、ポリイミド樹脂絶縁膜(絶縁膜1
02、厚み25μm)からなるフレキシブルプリント配
線用基板(住友ベークライト製、A1フレキ)のポリイ
ミド樹脂絶縁膜にUV−YAGレーザーを用いて、トッ
プ径:45μm、ボトム径が25μmのビア(ビア10
3)を形成した。ビア内部およびビア周辺部を過マンガ
ン酸樹脂エッチング液にて清浄化した後、裏面の銅箔を
電解めっき用リード(給電用電極)として電解銅めっき
を行ってビアを銅で充填し、銅ポスト(導体ポスト10
4)を形成した。ここで、銅ポストの直径が45μmと
なるよう、電解銅めっきの時間を調整した。次に、銅ポ
ストの表面に、Sn−Pb共晶半田層(半田層)を電解
めっきによって2.5μmの厚みで形成した。次に、銅
箔を選択的にエッチングして、層間接続用のランド(ラ
ンド107a)を有する配線パターン(配線パターン1
06)を形成した。
【0053】上記の工程を経たサンプルを12サンプル
作成し、表1の実施例1〜実施例6および比較例に示す
条件で、熱処理行ったサンプルを、各2サンプルずつ作
製した。
【0054】
【表1】
【0055】次に、実施例1、実施例4〜実施例6およ
び比較例について、得られた10サンプルに対して、バ
ーコートにより、上述の接着剤ワニス1を、絶縁膜の表
面、すなわちSn−Pb共晶半田層が形成された面に塗
布後、80℃で20分乾燥し、10μm厚の接着剤層
(接着剤層108)を形成した。これまでの工程によ
り、接続体(接続体110)を得ることができた。ま
た、実施例2については、熱処理の前に、接着剤ワニス
1により、半田層上に接着剤層108を形成し、実施例
3については、熱処理の前に、接着剤ワニス2により、
半田層上に接着剤層108を形成し比較例については、
半田層表面に市販のフラックスを塗布した。
【0056】一方、厚み12μm銅箔が両面に形成され
たFR−5相当のガラスエポキシ両面銅張積層板(住友
ベークライト製、ELC)を用い、銅箔を選択的にエッ
チングして配線パターン(図示せず)および層間接続用
のランド(ランド107b)を形成し、被接続体(被接
続体120)を得ることができた。層間接続用のランド
は、位置合わせ許容誤差を考慮して、300μm径とし
た。
【0057】次に、上述の工程により得られた接続体と
被接続体に予め形成されている位置決めマークを画像認
識装置により読み取り、両者を位置合わせし、100℃
の温度で仮圧着した。これを、プレスにより220℃の
温度で加熱加圧して、銅ポストが、接着剤層を貫通して
ランドと半田接合し、接着剤層により接続体と被接続体
とを接着した。
【0058】以上の工程により、実施例1〜実施例6お
よび比較例に示す熱処理行った多層配線板を、各2サン
プルずつ得ることができた。
【0059】<半田接合部の観察>得られた多層配線板
の半田接合部を観察するため、接続体および被接続体の
界面、すなわち、接着剤層で両者を引き剥がし、被接続
体のランド(ランド107b)の半田濡れ性を評価し
た。実施例1〜実施例6および比較例に示す熱処理を行
った各サンプルにおける、引き剥がし後のランドの表面
写真を図3に示す。
【0060】図3から、実施例1〜実施例6に示す熱処
理を半田層に対して行ったサンプルについては、半田層
がランドに対して良好に濡れ広がっていることがわか
る。一方、比較例に示す熱処理を行っていないサンプル
については、中心付近が半田接合しておらず、ランドの
銅が露出していることがわかる。このことから、半田層
に熱処理を行うことが有効であることは明白である。
【0061】
【発明の効果】本発明により、確実に層間接続でき、且
つ信頼性の高い多層配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による多層配線板の製造方
法の第1の例を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施形態による多層配線板の製造方
法の第2の例を示す断面図である。
【図3】 実施例1〜実施例6および比較例における半
田濡れ性を示す写真である。
【符号の説明】
101 金属箔 201 金属板 102、202 絶縁膜 103、203 ビア 104、204 導体ポスト 105、205 半田層 106、206 配線パターン 107a、207a ランド 107b、207b ランド 108、208 接着剤層 110、210 接続体 120、220 被接続体 130、230 多層配線板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 125/18 C09J 125/18 161/06 161/06 163/00 163/00 201/06 201/06 H05K 1/11 H05K 1/11 N 3/24 3/24 F 3/40 3/40 K (72)発明者 中村 謙介 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 加藤 正明 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 原 英貴 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 Fターム(参考) 4J040 DB091 EB041 EB061 EC022 EF002 HC22 JB02 KA12 KA16 LA06 LA11 MA02 MA10 NA20 PA30 5E317 AA24 BB01 BB02 BB12 BB18 CC15 CC33 CC52 CD32 GG03 GG09 GG11 5E343 AA02 AA07 AA12 BB08 BB24 BB34 BB54 BB61 BB71 CC01 CC03 DD43 EE21 ER33 GG01 5E346 AA06 AA12 AA15 AA16 AA35 AA43 BB01 BB16 CC02 CC08 CC09 CC13 CC32 CC40 CC41 DD01 DD22 EE02 EE05 EE13 EE18 FF07 FF14 FF19 FF35 FF36 GG01 GG15 GG17 GG25 GG28 HH07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層間接続用のランドを有する配線パター
    ンと、該配線パターンとの層間接続用のランドを有する
    被接続体の、いずれかのランド上に導体ポストが形成さ
    れ、少なくとも、該導体ポストの先端表面または相対す
    るランドの表面に半田層が形成され、該導体ポストと相
    対するランドとを接着剤層を介して、密着・加圧・加熱
    の工程を経て半田接合させた層間接続部を有する多層配
    線板の製造方法であって、密着・加圧・加熱の工程を経
    る前に、該半田層が熱処理されることを特徴とする多層
    配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 半田層の熱処理が、真空中または不活性
    雰囲気中にて行われることを特徴とする請求項1記載の
    多層配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 半田層の熱処理が、半田層に用いる半田
    の融点以上の温度にて行われることを特徴とする請求項
    1または2に記載の多層配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 半田層の熱処理が、半田層の表面にフラ
    ックス又は表面清浄化機能を有する樹脂を塗布した後に
    行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の多層配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 半田層の熱処理が、半田層の表面に表面
    清浄化機能を有する接着剤からなる接着剤層を形成して
    から行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の多層配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 接着剤層に用いる接着剤が、表面清浄化
    機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の多層配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 接着剤層に用いる接着剤が、少なくとも
    1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)と、
    その硬化剤として作用する樹脂(B)とを必須成分とす
    ることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の
    多層配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノ
    ボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニルフェ
    ノール樹脂より選ばれる、少なくとも1種であることを
    特徴とする、請求項7記載の多層配線板の製造方法。
  9. 【請求項9】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    が、接着剤に、20wt%以上80wt%以下で含まれ
    ることを特徴とする、請求項7又は8に記載の多層配線
    板の製造方法。
  10. 【請求項10】 接着剤層に用いる接着剤が、エポキシ
    樹脂(C)と、イミダゾール環を有し且つエポキシ樹脂
    (C)の硬化剤として作用する化合物(D)とを、必須
    成分とすることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか
    に記載の多層配線板の製造方法。
  11. 【請求項11】 硬化剤として作用する化合物(D)
    が、接着剤に、1wt%以上10wt%以下で含まれる
    ことを特徴とする、請求項10記載の多層配線板の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 導体ポストが、電解めっきにより形成
    された銅からなることを特徴とする請求項1〜11のい
    ずれかに記載の多層配線板の製造方法。
  13. 【請求項13】 半田層が、電解めっきにより形成され
    たことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の
    多層配線板の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の多
    層配線板の製造方法により、得られることを特徴とする
    多層配線板。
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