JP2002158196A - シリコンウエハー鏡面研磨用研磨板及びシリコンウエハーの鏡面研磨方法 - Google Patents

シリコンウエハー鏡面研磨用研磨板及びシリコンウエハーの鏡面研磨方法

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JP2002158196A
JP2002158196A JP2000349882A JP2000349882A JP2002158196A JP 2002158196 A JP2002158196 A JP 2002158196A JP 2000349882 A JP2000349882 A JP 2000349882A JP 2000349882 A JP2000349882 A JP 2000349882A JP 2002158196 A JP2002158196 A JP 2002158196A
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polishing
silicon wafer
mirror
plate
wafer
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JP2000349882A
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English (en)
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Noboru Kinoshita
暢 木下
Yoshitaka Yamamoto
良貴 山本
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンウエハー面内での表面粗さバラツ
キが小さい、即ち鏡面研磨均一性に優れたシリコンウエ
ハー鏡面研磨用研磨板及びシリコンウエハーの鏡面研磨
方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 シリコンウエハー研磨面との当接面全
域が略均一に粗面化されたプラスチック板からなるシリ
コンウエハー鏡面研磨用研磨板を構成し、前記シリコン
ウエハー鏡面研磨用研磨板を研磨装置またはラッピング
装置の定磐上に固定し、シリコンウエハーと前記シリコ
ンウエハー鏡面研磨用研磨板との間に研磨剤スラリーを
供給しながら前記シリコンウエハーを鏡面研磨するシリ
コンウエハーの鏡面研磨方法を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハー
の鏡面研磨に用いる研磨板、及びこの研磨板を用いてシ
リコンウエハーを鏡面研磨する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンウエハーの鏡面研磨方法
としては、研磨剤としてコロイダルシリカやシリカスラ
リーを、研磨用クロスとして不織布タイプまたはスウェ
ードタイプの、いわゆる、軟質クロスを用いて行う方法
が知られている。しかしながら、この鏡面研磨方法で
は、軟質クロスを用いるため、エッジ部ダレが生じ、ま
た高平坦度が得られ難いため、年々厳しくなるウエハー
外周部における縁ダレ(edge exclusion)の規格に適合
しないようになっている。
【0003】このため、研磨クロスを、より硬質の発泡
ポリウレタン製パッドに変更してシリコンウエハーを鏡
面研磨することがなされているが、シリカ砥粒がシリコ
ンよりも硬質なため、シリコンウエハーにスクラッチ傷
が入りやすくなり、また、研磨速度が著しく小さくなる
という、新たな問題点が生じている。また、上記の問題
点を解決するため、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム等の軟質砥粒を含有する研磨用スラリー
と、IC 1000 、MHS 15A(いずれもロデールニッ
タ(株)製)等の発泡タイプの硬質パッドとを用いて、
シリコンウエハーを鏡面研磨することが試みられてい
る。しかし、このシリコンウエハーの鏡面研磨方法であ
っても、研磨速度や平坦性の向上に限界があり、研磨加
工コストが嵩むという問題点があった。
【0004】そこで、本発明者等は、特願 2000 − 174
079 号の明細書において、プラスチック板を定盤上に固
定した研磨装置またはラッピング装置によってシリコン
ウエハーを鏡面研磨する方法を提案した。このシリコン
ウエハーの鏡面研磨方法は、研磨速度に優れることは勿
論のこと、鏡面研磨後のウエハー形状、特に、平坦性に
優れると共にウエハー外周部におけるエッジ部ダレがな
い高精度の形状を得ることができ、しかも、スクラッチ
傷の発生がなく、研磨加工コストも廉価であるという特
徴を有するものである。しかしながら、このシリコンウ
エハーの鏡面研磨方法にあっても、シリコンウエハー面
内での表面粗さのバラツキが大きいという問題点があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における前記問題点に鑑みてなされたものであり、その
解決のため具体的に設定した課題は、研磨速度に優れる
ことは勿論のこと、鏡面研磨後のウエハー形状、特に、
平坦性に優れると共にウエハー外周部におけるエッジダ
レがない高精度の形状を得ることができ、スクラッチ傷
の発生がなく、研磨加工コストも廉価であり、しかも、
シリコンウエハー面内での表面粗さバラツキが小さい、
即ち鏡面研磨均一性に優れたシリコンウエハー鏡面研磨
用研磨板及びシリコンウエハーの鏡面研磨方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、プラスチック板のシ
リコンウエハー当接面、即ち研磨作用面の表面性状を制
御すると、前記課題を効果的に解決し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、請求項1に係る
シリコンウエハー鏡面研磨用研磨板は、シリコンウエハ
研磨面との当接面全域が略均一に粗面化されたプラスチ
ック板からなるシリコンウエハー鏡面研磨用研磨板とし
た。このシリコンウエハー鏡面研磨用研磨板によれば、
研磨材スラリー中の砥粒が研磨作用面に保持され、しか
も均一に保持されるため、研磨速度が向上し、シリコン
ウエハー面内において表面粗さのバラツキが少なく、研
磨均一性に優れた鏡面研磨が可能となる。
【0007】そして、請求項2に係るシリコンウエハー
鏡面研磨用研磨板においては、前記の粗面化された面の
表面粗さRaが 100nm以上であることが好ましい。こ
れは、表面粗さが 100nm以上であると、研磨材スラリ
ー中に含まれる砥粒がシリコンウエハー研磨面との当接
面、即ち、研磨板の研磨作用面に効果的に固定されるの
で好ましい。そしてまた、請求項3に係るシリコンウエ
ハー鏡面研磨用研磨板においては、番手が# 800(JIS
R 6001に定める研磨材の粒度、以下同じ)、または#80
0 よりも番手が小さい砥粒が固定された砥石状ドレッサ
ーにてドレッシングされ、粗面化されてなることが好ま
しい。このようにしてプラスチック板の表面をドレッシ
ングすると、シリコンウエハの鏡面研磨に好適な凹凸形
状をプラスチック板表面に付与することができるので好
ましい。
【0008】そしてまた、請求項4に係るシリコンウエ
ハー鏡面研磨用研磨板においては、前記プラスチック板
の材質が、ポリカーボネート、塩化ビニル、エポキシ、
ポリエチレンテレフタレート、テフロン、ポリエチレ
ン、アクリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、
ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサル
フォン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リベンズイミダゾール、ポリアリレート、ポリメチルペ
ンテン、ポリアミドイミドおよびポリエーテルエーテル
ケトンからなる群から選ばれた少なくとも1種であるこ
とが好ましい。これらの材質は汎用性があり廉価であ
り、これらの材質にて形成された研磨板は鏡面研磨加工
性に優れるので好ましい。
【0009】また、請求項5に係るシリコンウエハーの
鏡面研磨方法は、前記シリコンウエハー鏡面研磨用研磨
板を研磨装置またはラッピング装置の定磐上に固定し、
シリコンウエハーと前記シリコンウエハー鏡面研磨用研
磨板との間に研磨剤スラリーを供給しながら前記シリコ
ンウエハーを鏡面研磨することとした。このシリコンウ
エハーの鏡面研磨方法によれば、研磨速度に優れること
は勿論のこと、鏡面研磨後のウエハー形状、特に、平坦
性に優れると共にウエハー外周部におけるエッジダレが
ない高精度の形状を得ることができ、スクラッチ傷の発
生がなく、研磨加工コストも廉価であり、しかも、シリ
コンウエハー面内での表面粗さ分布が小さい、即ち研磨
均一性に優れたシリコンウエハーの鏡面研磨が可能とな
る。
【0010】そして、請求項6に係るシリコンウエハー
の鏡面研磨方法においては、鏡面研磨前のシリコンウエ
ハーの表面粗さRaが 150nm以下であることとした。
このように、鏡面研磨前のシリコンウエハーの表面粗さ
Raが 150nm以下であれば、研磨面のダメージ層が薄
く容易に鏡面が得られ、また、シリコンウエハーと砥粒
とのメカノケミカル反応が効果的に進行して良好な研磨
ができるため好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。ただし、この実施の形態は、発明の趣旨
をより良く理解させるため具体的に説明するものであ
り、特に指定のない限り、発明内容を限定するものでは
ない。
【0012】〔構成〕 「シリコンウエハー鏡面研磨用研磨板」この実施形態に
係るシリコンウエハー鏡面研磨用の研磨板は、シリコン
ウエハーの研磨面との当接面の全域、即ち研磨作用面が
粗面化され、微細な凹凸が略均一に形成された、例えば
ポリカーボネート樹脂製のプラスチック板から形成され
ている。そして、プラスチック製研磨板の研磨作用面
が、略均一に粗面化され、微細な凹凸が略均一に形成さ
れているため、研磨材スラリー中の砥粒が研磨作用面に
均一に保持され、研磨速度が向上し、シリコンウエハー
面内において表面粗さのバラツキの少ない均一性に優れ
た鏡面研磨が可能となり、しかも、鏡面研磨後のウエハ
ー形状、特に、平坦性に優れると共にウエハー外周部に
おけるエッジダレがない高精度の形状を得ることがで
き、しかもスクラッチ傷の発生もない。
【0013】前記の粗面化され、微細な凹凸が略均一に
形成された面の表面粗さRaは 100nm以上であること
が好ましい。ここに、表面粗さRaとは、接触指針型表
面粗さ計等で測定される凸部と凹部の段差の平均をい
う。表面粗さが 100nm以下であると、研磨材スラリー
中に含まれる砥粒が研磨板の研磨作用面に効率よく固定
されないため、研磨速度が低下し、また、鏡面研磨均一
性も向上しない。また、表面粗さRaの上限値、即ち前
記段差の最大値は特に制限されるものではなく、プラス
チック板の強度面からみてその厚みの1/2以下が好ま
しく、更には、プラスチック板への粗面化加工を考慮す
ると、例えば 500μm以下であるのが好ましく、更に
は、凹部の幅W(即ち、頂部と頂部の幅)よりも小さい
粒径を有して凹部に位置する砥粒は、定盤とシリコンウ
エハーとの相対的な回転運動により研磨作用面に運ばれ
て保持され砥粒として機能するため、例えば 1000 nm
以下であるのが好ましい。
【0014】前記の粗面化の方法は、特に制限されるも
のではないが、例えば、ダイヤモンド粒子、炭化珪素粒
子、ジルコニア粒子、あるいはアルミナ粒子等の、番手
が#800 、または#800 よりも番手が小さい砥粒が固定
された砥石状ドレッサーを用いてプラスチック板表面を
ドレッシングする方法を例示することができる。即ち、
このような番手のドレッサー用砥粒を用いて、例えば3
分間、好ましくは 10 分間程度プラスチック板の表面を
ドレッシングすると、シリコンウエハーの鏡面研磨に好
適な凹凸形状をプラスチック板表面に略均一に付与する
ことができる。ドレッサー用砥粒の番手が#800 を越え
ると、シリコンウエハーの鏡面研磨に好適な表面粗さR
aが 100nm以上の凸凹をプラステック板に形成させる
ことが困難となるので好ましくない。
【0015】用いるプラスチック板の厚みについても制
限されるものではないが、定盤上への固定作業のやり安
さや、プラスチック板の摩耗による交換頻度を低減させ
る意味で、1mm程度以上のプラスチック板を用いるこ
とが好ましい。また、前記研磨板の研磨作用面に形成さ
れた凹部の幅(即ち、頂部と頂部の幅)Wも特に制限さ
れるものではない。研磨材スラリー中の砥粒は、その一
次粒子径が前記凹部の幅Wよりも小さくなるような平均
一次粒子径を有するものが好ましい。前記砥粒の平均一
次粒子径が前記凹部の幅Wよりも大きいと、前記砥粒が
前記研磨板の研磨作用面上に効率よく固定されず、只単
に転動するのみであり、研磨効率が低下する。
【0016】前記プラスチック板の材質としては、特に
限定されるものではないが、例えば、ポリカーボネー
ト、塩化ビニル、エポキシ、ポリエチレンテレフタレー
ト、テフロン、ポリエチレン、アクリル、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニ
レンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリサル
ホン、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリベンズイミダゾール、ポリアリ
レート、ポリメチルペンテン、ポリアミドイミドおよび
ポリエーテルエーテルケトンからなる群から選ばれた少
なくとも1種が汎用性があって廉価であり、鏡面研磨加
工性に優れるので好ましく、特に、プラスチック板の価
格と研磨速度の向上の点で、ポリカーボネートあるいは
塩化ビニルがより好ましい。
【0017】「シリコンウエハーの鏡面研磨方法」この
実施形態で使用する研磨装置あるいはラッピング装置と
しては、従来シリコンウエハー加工で使用されていた定
盤回転式の片面もしくは両面研磨装置あるいはラッピン
グ装置が使用でき、上記研磨装置あるいはラッピング装
置の定盤上に前記シリコンウエハー鏡面研磨用研磨板を
粘着材を用いて貼着するか、あるいは機械的に固定す
る。これらのプラスチック板は、そのまま、上記研磨装
置あるいはラッピング装置の定盤に固定しても良いが、
定盤とプラスチック板の間に従来の研磨パッドのような
発泡シートやゴム等のような弾性シートを挟んで固定し
ても良い。
【0018】また、ウエハー全体形状を維持させるため
に、従来から研磨やラッピング前に実施されているよう
に、研磨装置あるいはラッピング装置の定盤上にプラス
チック板を固定した後、定盤修正装置や定盤修正リング
を用いてプラスチック板の研磨作用面の形状制御を適切
に行っておく。このような研磨板を固定した研磨装置あ
るいはラッピング装置によって、従来の研磨あるいはラ
ッピング条件下でシリコンウエハーを鏡面研磨する。シ
リコンウエハーと前記研磨板とを接触させて研磨する際
の研磨加工圧は、特段制限されるものではなく、通常
4.9〜 39.2 kPa( 50 〜 400gf/cm2)程度で充
分であるが、研磨加工圧は大きいほど砥粒と真実接触点
での圧力が高くなり研磨速度が向上するので好ましい。
その他の研磨条件については、従来のシリコンウエハー
の研磨条件を何ら変更することなく適用することができ
る。
【0019】この実施形態に係るシリコンウエハーの鏡
面研磨方法は、前記の研磨板をシリコンウエハーの研磨
面に接触させ、この接触させた両面間に、砥粒と、水等
の分散媒とを少なくとも含有する研磨剤スラリーを供給
しながら前記シリコンウエハーを鏡面研磨する。前記の
砥粒の材質には特に制限はない。砥粒としては、炭酸カ
ルシウム砥粒や炭酸バリウム砥粒といったシリコンウエ
ハーよりも軟質の砥粒を使用すると、スクラッチ傷が発
生しないので好適である。シリカや酸化セリウム等の硬
質の砥粒を使用するとスクラッチ傷が発生しやすいの
で、研磨剤スラリーの砥粒濃度、砥粒の凝集粒子の大き
さ、あるいは研磨荷重等の研磨条件の設定には、十分な
予備テストが必要となる。従って、上記軟質砥粒を含有
する研磨材スラリーを使用することが好ましい。
【0020】前記砥粒の粒径は、特に制限されるもので
はなく、通常、砥粒として用いられる粒径、例えば平均
一次粒子径が 0.1〜 10 μm程度のものを好適に使用す
ることができ、前記研磨板の研磨作用面に形成された凹
凸の幅(即ち、頂部と頂部の幅)Wよりも小さくなるよ
うな平均一次粒子径を有するものが好ましい。前記砥粒
の平均一次粒子径が前記凹部の幅Wよりも大きいと、上
述したように、前記砥粒が前記研磨板の研磨作用面上に
固定されず、研磨効率が低下する。
【0021】また、上記の研磨剤スラリーには、砥粒の
分散安定性を向上せしめるために、必要に応じてメタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ポ
リカルボン酸等の界面活性剤等が添加されていてもよ
い。研磨剤スラリー中における上記砥粒の含有率は、特
に制限されるものではないが、好ましい含有率として
は、 1〜 20 重量%程度である。砥粒の含有量が少なす
ぎると研磨速度が低下し過ぎて実用性に欠け、また、砥
粒の含有量が多すぎると研磨加工に寄与しない粒子が多
くなり、材料コストが上昇して鏡面研磨コストの上昇を
招くので好ましくない。
【0022】鏡面研磨に用いるシリコンウエハーは、特
に制限されるものではないが、例えば、従来公知のラッ
ピング法や研削法により表面加工されたものを例示する
ことができ、中でも# 2000 の砥石を用いて表面粗さR
aが 150nm以下となるよう表面加工されたものが好ま
しい。その理由は、このようなシリコンウエハーはダメ
ージ層が薄く容易に鏡面が得られ、また、必ずしも明確
ではないが、シリコンウエハーと上記砥粒とのメカノケ
ミカル反応が進みやすいからである。
【0023】〔作用効果〕このような実施形態の研磨板
を定盤上に固定した研磨装置あるいはラッピング装置と
上記研磨用スラリーとを用いたシリコンウエハーの鏡面
研磨のメカニズムは、必ずしも明確ではないが、次のよ
うに考えられる。即ち、この実施の形態で使用する研磨
板のシリコンウエハーとの当接面は、粗面化され、微細
な凹凸が略均一に形成されているので、この凹部に研磨
材スラリー中の砥粒が分散保持され、また、凹部の幅W
よりも小さい砥粒は、定盤とシリコンウエハーとの相対
的な回転運動によりて研磨作用面に運ばれて保持される
ため、砥粒の転動が有効に防止される。その結果、研磨
加工圧力がシリコンウエハーと砥粒との間の界面に効果
的に作用することとなり、鏡面研磨速度が大幅に向上す
る。
【0024】また、一般にプラスチック板表面は水との
濡れ性が悪く、水を主溶媒として含む研磨剤スラリーを
プラスチック板上に供給すると、研磨剤スラリー中の砥
粒が玉状になり均一に広がりにくく、その為、鏡面研磨
の均一性が低下するが、この実施の形態では、プラスチ
ック板製の研磨板の研磨作用面に凹凸が多数ほぼ均一に
形成されているので、供給される研磨剤スラリー中の砥
粒が研磨作用面に均一に広がり、研磨作用面における砥
粒の分布が均一になるため、シリコンウエハーの全面に
おいて、表面粗さの分布の少ない均一性に優れた鏡面研
磨が可能となる。
【0025】また、プラスチック製の研磨板は、従来シ
リコンウエハーの鏡面研磨に用いられていた研磨パッド
のように弾性がほとんどないために、鏡面研磨で得られ
るウエハー形状は、プラスチック製の研磨板の研磨作用
面形状がシリコンウエハーに転写される。更に、プラス
チック製研磨板の研磨作用面は鏡面研磨加工前に、あら
かじめ、定盤修正装置や修正リングを用いて適切な高精
度形状にされているために、この実施の形態で得られる
鏡面研磨シリコンウエハーは、高精度の平坦度、平面度
とを有し、さらには、ウエハー外周部におけるエッジだ
れのないものとなる。
【0026】
【実施例】(実施例1) 「シリコンウエハー鏡面研磨用研磨板」厚みが 5mmの
市販ポリカーボネート板(表面粗さRa≒0)を機械的
回転研磨装置の定盤に、両面テープにて定盤上に張り付
けた後、#800 のダイヤモンド砥粒が固定されたドレッ
サーにより前記ポリカーボネート板の研磨作用面全面に
微細、かつ均一な凹凸を形成して、実施例1のシリコン
ウエハー鏡面研磨用研磨板とした。このポリカーボネー
ト板の研磨作用面の表面粗さRaは、接触指針型表面粗
さ計により測定したところ 140nmであった。
【0027】「研磨剤スラリーの調整」平均1次粒径が
0.5μmの炭酸カルシウム微粒子 0.3kgと、純水 9.7
kgとを混合し、超音波分散機にて 20 分間、解砕分散
処理して炭酸カルシウム砥粒を含有する研磨剤スラリー
を調整した。
【0028】「研磨試験」上記研磨剤スラリーを上記シ
リコンウエハー鏡面研磨用研磨板上に供給しながら、研
磨加工圧 19.6 kPa( 200gf/cm2 )、定盤回転
数 60 rpm、研磨剤スラリー供給量 500ml/分、研
磨時間 30 分の研磨条件下で、直径が 100mmの(10
0)シリコンウエハーを研磨した。なお、このシリコン
ウエハーは、# 2000 のダイヤモンド砥石を用いて表面
粗さが 140nmとなるよう研削されたものである。研磨
試験の結果を表1に示した。
【0029】なお、研磨速度は、重量法(研磨前後のウ
ェハの重量減を測定し、研磨時間から厚さ換算)により
測定し、表面粗さは、図1に示されるように、接触指針
型表面粗さ計によりウエハー表面1の中心2から 20 m
mの距離の8点(ウエハー中心近傍の計測点3)、 40
mmの距離の8点(ウエハー周辺部の計測点4)を計測
し、その平均を求めた。また、エッジ部ダレは、接触指
針型表面粗さ計により計測し、平坦度は、研磨後のシリ
コンウエハーの中心から 25 mmの点を中心とした 15
mm× 15 mmの範囲における裏面を基準としたLTV
(平坦度)を静電容量式平坦度測定器にて測定した。ス
クラッチ傷の有無は光学的顕微鏡観察による。
【0030】(実施例2)#800 のダイヤモンド砥粒を
#600 の砥粒に変えた他は、実施例1に準じて、シリコ
ンウエハー鏡面研磨用研磨板を作製した。このポリカー
ボネート板の研磨作用面の表面粗さRaは、接触指針型
表面粗さ計により測定したところ 260nmであった。次
いで、このシリコンウエハー鏡面研磨用研磨板を用いた
他は、実施例1に準じ、研磨試験を実施した。研磨試験
の結果を表1に示した。
【0031】(実施例3)#800 のダイヤモンド砥粒を
#400 の砥粒に変え、ポリカーボネート板を塩化ビニル
板に変えた他は、実施例1に準じて、シリコンウエハー
鏡面研磨用研磨板を作製した。この塩化ビニル板の研磨
作用面の表面粗さRaは、接触指針型表面粗さ計により
測定したところ 890nmであった。次いで、このシリコ
ンウエハー鏡面研磨用研磨板を用いた他は、実施例1に
準じ、研磨試験を実施した。研磨試験の結果を表1に示
した。
【0032】(実施例4)#800 のダイヤモンド砥粒を
#200 の砥粒に変え、ポリカーボネート板を塩化ビニル
板に変えた他は、実施例1に準じて、シリコンウエハー
鏡面研磨用研磨板を作製した。この塩化ビニル板の研磨
作用面の表面粗さRaは、接触指針型表面粗さ計により
測定したところ 1500 nmであった。次いで、このシリ
コンウエハー鏡面研磨用研磨板を用いた他は、実施例1
に準じ、研磨試験を実施した。研磨試験の結果を表1に
示した。
【0033】(実施例5)#800 のダイヤモンド砥粒を
# 60 の砥粒に変えた他は、実施例1に準じて、シリコ
ンウエハー鏡面研磨用研磨板を作製した。このポリカー
ボネート板の研磨作用面の表面粗さRaは、接触指針型
表面粗さ計により測定したところ 4300 nmであった。
次いで、このシリコンウエハー鏡面研磨用研磨板を用い
た他は、実施例1に準じ、研磨試験を実施した。研磨試
験の結果を表1に示した。
【0034】(実施例6)炭酸カルシウム砥粒の平均1
次粒子径を 0.1μmとした他は、実施例3に準じ、研磨
試験を実施した。研磨試験の結果を表1に示した。
【0035】(実施例7)炭酸カルシウム砥粒の平均1
次粒子径を 1.0μmとした他は、実施例4に準じ、研磨
試験を実施した。研磨試験の結果を表1に示した。
【0036】(実施例8)研磨材スラリー中の砥粒の材
質を炭酸バリウムに変えた他は、実施例1に準じ、研磨
試験を実施した。研磨試験の結果を表1に示した。
【0037】(比較例1)実施例1に用いたポリカーポ
ネート板を、その研磨作用面を粗面化処理することなく
研磨板として用いた他は、実施例1に準じて、研磨試験
を実施した。研磨試験の結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明では、請求項1に係
るシリコンウエハー鏡面研磨用研磨板は、シリコンウエ
ハー研磨面との当接面全域が略均一に粗面化されたプラ
スチック板からなるシリコンウエハー鏡面研磨用研磨板
としたことにより、研磨材スラリー中の砥粒が研磨作用
面に保持され、しかも均一に保持されるため、研磨速度
が向上し、シリコンウエハー面内において表面粗さのバ
ラツキが少なく、研磨均一性に優れた鏡面研磨ができ
る。
【0040】そして、請求項2に係るシリコンウエハー
鏡面研磨用研磨板では、前記粗面化された面の表面粗さ
Raが 100nm以上であることにより、研磨材スラリー
中に含まれる砥粒がシリコンウエハー研磨面との当接
面、即ち、研磨板の研磨作用面に効果的に固定され、研
磨速度が向上するとともに、鏡面研磨の均一性が向上す
る。そしてまた、請求項3に係るシリコンウエハー鏡面
研磨用研磨板では、番手が#800 未満の砥粒が固定され
た砥石状ドレッサーにて粗面化されたことにより、シリ
コンウエハーの鏡面研磨に好適な凹凸形状をプラスチッ
ク板表面に付与することができる。
【0041】そしてまた、請求項4に係るシリコンウエ
ハー鏡面研磨用研磨板では、前記プラスチック板の材質
が、ポリカーボネート、塩化ビニル、エポキシ、ポリエ
チレンテレフタレート、テフロン、ポリエチレン、アク
リル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポリアセ
タール、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、
ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリベンズ
イミダゾール、ポリアリレート、ポリメチルペンテン、
ポリアミドイミドおよびポリエーテルエーテルケトンか
らなる群から選ばれた少なくとも1種であることによ
り、材質は汎用性がありかつ廉価であり、これらの材質
にて形成された研磨板は鏡面研磨加工性に優れ、安価に
研磨速度を向上することができる。
【0042】また、請求項5に係るシリコンウエハーの
鏡面研磨方法では、前記シリコンウエハー鏡面研磨用研
磨板を研磨装置またはラッピング装置の定磐上に固定
し、シリコンウエハーと前記シリコンウエハー鏡面研磨
用研磨板との間に研磨剤スラリーを供給しながら前記シ
リコンウエハーを鏡面研磨することにより、研磨速度に
優れることは勿論のこと、鏡面研磨後のウエハー形状、
特に、平坦性に優れると共にウエハー外周部におけるエ
ッジダレがない高精度の形状を得ることができ、スクラ
ッチ傷の発生がなく、研磨加工コストも廉価であり、し
かも、シリコンウエハー面内での表面粗さ分布が小さ
い、即ち研磨均一性に優れたシリコンウエハーの鏡面研
磨ができる。
【0043】そして、請求項6に係るシリコンウエハー
の鏡面研磨方法では、鏡面研磨前のシリコンウエハーの
表面粗さRaが 150nm以下であることにより、研磨面
のダメージ層が薄く容易に鏡面が得られ、また、シリコ
ンウエハーと砥粒とのメカノケミカル反応が効果的に進
行して良好な研磨ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例の接触指針型表面粗さ計
により計測するウエハー表面の計測点を示す平面説明図
である。
【符号の説明】
1 ウエハー表面 2 中心 3 ウエハー中心近傍の計測点 4 ウエハー周辺部の計測点

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコンウエハー研磨面との当接面全域が
    略均一に粗面化されたプラスチック板からなることを特
    徴とするシリコンウエハー鏡面研磨用研磨板。
  2. 【請求項2】前記粗面化された面の表面粗さRaが10
    0nm以上であることを特徴とする請求項1記載のシリ
    コンウエハー鏡面研磨用研磨板。
  3. 【請求項3】番手が#800 未満の砥粒が固定された砥石
    状ドレッサーにて粗面化されたことを特徴とする請求項
    1記載のシリコンウエハー鏡面研磨用研磨板。
  4. 【請求項4】前記プラスチック板の材質が、ポリカーボ
    ネート、塩化ビニル、エポキシ、ポリエチレンテレフタ
    レート、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、アクリ
    ル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポリアセタ
    ール、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタ
    レート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポ
    リイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリベンズイ
    ミダゾール、ポリアリレート、ポリメチルペンテン、ポ
    リアミドイミドおよびポリエーテルエーテルケトンから
    なる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項1記載のシリコンウエハー鏡面研磨用研磨
    板。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のシリコン
    ウエハー鏡面研磨用研磨板を研磨装置またはラッピング
    装置の定盤上に固定し、シリコンウエハーと前記シリコ
    ンウエハー鏡面研磨用研磨板との間に研磨剤スラリーを
    供給しながら前記シリコンウエハーを鏡面研磨すること
    を特徴とするシリコンウエハーの鏡面研磨方法。
  6. 【請求項6】鏡面研磨前のシリコンウエハーの表面粗さ
    Raが 150nm以下であることを特徴とする請求項5記
    載のシリコンウエハーの鏡面研磨方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008173733A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Fujitsu Ltd マイクロインジェクション用キャピラリ針、その製造方法および製造装置

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