JP2002156666A - 光反射方法、光反射素子及びこれを用いた反射型表示素子 - Google Patents

光反射方法、光反射素子及びこれを用いた反射型表示素子

Info

Publication number
JP2002156666A
JP2002156666A JP2000353539A JP2000353539A JP2002156666A JP 2002156666 A JP2002156666 A JP 2002156666A JP 2000353539 A JP2000353539 A JP 2000353539A JP 2000353539 A JP2000353539 A JP 2000353539A JP 2002156666 A JP2002156666 A JP 2002156666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
wettability
material layer
media
reflecting element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000353539A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiro Inoue
智博 井上
Okitoshi Kimura
興利 木村
Hiroshi Fujimura
浩 藤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000353539A priority Critical patent/JP2002156666A/ja
Publication of JP2002156666A publication Critical patent/JP2002156666A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光利用効率の高い光反射方法及び光反射素子
を作製し、これを用いて、視野角が広く、明るく、高コ
ントラストの新規な反射型表示素子を提供する。 【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する2枚の基
板間に、光反射特性の異なる2種の相溶しない媒体が収
容され、少なくとも一方の基板の媒体に接する側の面
に、外部刺激により電荷の出入りが生じ濡れ性が変化す
る材料層が設置されており、その層の濡れ性の制御によ
り、2種の媒体のうち一方が前記層表面に親和すること
により入射光に対して反射光が変化する光反射素子にお
いて、濡れ性が変化する材料層が設置されている基板に
対向する方の基板面に、濡れ性の変化に必要な電荷量以
上の電荷の蓄積・放出が可能な材料層が設置されている
ことを特徴とする光反射素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光反射方法、光反
射素子及びこれを用いた反射型表示素子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在、反射光、透過光、発光を利用する
光制御素子が表示素子を中心としてそれぞれ実用化され
ている。具体的には、CRT、プラズマディスプレイ、
ELディスプレイ、蛍光表示管等の自発光型のものと、
液晶やDMDのようにライトバルブの機能を有する非発
光デバイスを用いた透過型や反射型表示素子(液晶ディ
スプレイ、液晶プロジェクター)があり、それぞれ実用
化されている。一方、近年の情報システムの発展によ
り、長時間にわたるVDT(Visual Data
Terminal)作業が急増しており、疲労を考慮す
ると非発光型の表示画面が望ましい。また、反射型ディ
スプレイは、省エネルギーの面からも好ましいので、最
近、液晶ディスプレイを中心に、CRTに取って代わる
勢いで開発と普及が進んできた。しかし、液晶表示には
視野角が限られるという原理的問題があり、偏光板や位
相差板を使用すると明るさが不足する点は反射型表示に
とって致命的であった。更に、偏光板、位相差板を使用
しない方式ならば明るさは得られるが(例、ポリマー分
散液晶、コレステリック液晶選択反射)、白黒のコント
ラストが十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光利用効率
の高い光反射方法、光反射素子及びこれを用いた、視野
角が広く、明るく、高コントラストの新規な反射型表示
素子を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題は、次の1)〜
15)の発明(以下、本発明1〜15という)によって
解決される。 1) 光反射特性の異なる少なくとも2種の相溶しない
媒体を、外部刺激により濡れ性が変化する物質表面に接
触させ、その物質の濡れ性を制御して2種の媒体のうち
一方を選択的に前記物質表面に親和させることにより入
射光に対して反射光を変化させる光反射方法。 2) 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間
に、光反射特性の異なる2種の相溶しない媒体が収容さ
れ、少なくとも一方の基板の媒体に接する側の面に、外
部刺激により濡れ性が変化する材料層が設置されてお
り、その層の濡れ性の制御により、2種の媒体のうち一
方が選択的に前記層表面に親和することにより入射光に
対して反射光が変化する構造を有することを特徴とする
光反射素子。 3) 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間
に、光反射特性の異なる2種の相溶しない媒体が収容さ
れ、少なくとも一方の基板の媒体に接する側の面に、外
部刺激により電荷の出入りが生じ濡れ性が変化する材料
層が設置されており、その層の濡れ性の制御により、2
種の媒体のうち一方が選択的に前記層表面に親和するこ
とにより入射光に対して反射光が変化する光反射素子に
おいて、濡れ性が変化する材料層が設置されている基板
に対向する方の基板面に、濡れ性の変化に必要な電荷量
以上の電荷の蓄積・放出が可能な材料層が設置されてい
ることを特徴とする光反射素子。 4) 電荷の蓄積・放出が可能な材料層が、可視光に対
して透明である状態を持つ層であることを特徴とする
3)記載の光反射素子。 5) 外部刺激によりマイナス電荷が取り出される(酸
化される)ことにより水に対する濡れ性が増大する材料
層が基板面に設置されており、2種の媒体の一方が黒に
着色された水性媒体であり、対向する基板面に設置され
た電荷の蓄積・放出が可能な材料層が、発色消色能を有
するアノディク材料であることを特徴とする3)又は
4)記載の光反射素子。 6) 外部刺激によりマイナス電荷が取り出される(酸
化される)ことにより水に対する濡れ性が増大する材料
層が基板面に設置されており、2種の媒体の一方が黒以
外に着色された水性媒体であり、対向する基板面に設置
された電荷の蓄積・放出が可能な材料層が、発色消色能
を有するカソディク材料であることを特徴とする3)又
は4)記載の光反射素子。 7) 相溶しない2種の媒体の内、少なくとも1種が黒
に着色されていることを特徴とする2)〜6)の何れか
に記載の光反射素子。 8) 光反射特性の異なる2種の媒体の内、一方が黒に
着色されており、他方が白に着色されていることを特徴
とする2)〜7)の何れかに記載の光反射素子。 9) 濡れ性が変化する材料層を設置した基板が、光入
射側とは反対側の基板であることを特徴とする2)〜
8)の何れかに記載の光反射素子。 10) 基板と濡れ性が変化する材料層との間に電極が
設けられており、少なくとも光透過性基板側に設けられ
た電極は入射光に対して透明であることを特徴とする
2)〜9)の何れかに記載の光反射素子。 11) 外部刺激により濡れ性が変化する材料が導電性
高分子化合物からなることを特徴とする2)〜10)の
何れかに記載の光反射素子。 12) 導電性高分子化合物がポリチオフェンであるこ
とを特徴とする2)〜11)の何れかに記載の光反射素
子。 13) 外部刺激が電界であることを特徴とする2)〜
12)の何れかに記載の光反射素子。 14) 相溶しない2種の媒体の内、少なくとも一方が
帯電粒子を含有することを特徴とする2)〜13)の何
れかに記載の光反射素子。 15) 2)〜14)の何れかに記載の光反射素子を用
いたことを特徴とする反射型表示素子。
【0005】以下、上記本発明について詳細に説明す
る。図1に本発明の実施形態例を示す(本発明2に対
応)。外部刺激としては、電界、光、熱等があるが、素
子構成の簡素化や制御の容易さから電界が好ましい。こ
の場合、相溶しない2種の媒体のうち、少なくとも一方
に荷電粒子を含有させると、一方の媒体を基板表面に親
和させて集める際に、媒体が移動する補助的な駆動力と
なり、応答性の向上や一層の高コントラスト化に対して
効果的である。また、図1に示したように、濡れ性が変
化する材料層が光入射側と反対側の基板に設けられてい
れば、その基板は透明である必要がないので、前記材料
層の材料選択の幅が広がり濡れ性を変化させる機能を発
現させる上でも好ましい。
【0006】図1に示した光反射素子の動作について具
体的に説明すると、まず、対向する2枚の基板のうち、
光入射側と反対側(図中下側)の基板の媒体に接する側
の面に濡れ性が変化する材料層が設けられている。ここ
で光反射特性の異なる2種の相溶しない媒体として、白
色水性媒体と黒色油性媒体を用いると、濡れ性が変化す
る材料層を外部刺激により親油性とすることにより、図
1(a)に示したように、濡れ性が変化する材料層に黒
色油性媒体が親和して、白色水性媒体は光入射側に位置
することになるため入射光は反射され、表示であれば明
状態となる。一方、逆に濡れ性が変化する材料層を外部
刺激により親水性とすることにより、図1(b)に示し
たように、濡れ性が変化する材料層に白色水性媒体が親
和して、黒色油性媒体は光入射側に位置することになる
ため、入射光は反射されずに吸収され、表示であれば暗
状態となる。なお、この例では一方の基板面のみに濡れ
性が変化する材料層を設けてあるが、両方の基板に設け
てもよい。
【0007】次に図2として別の実施形態例を示す。こ
の例は、図1に示した例に比べて、上下に電極が設けら
れている点、及び、水性媒体と油性媒体の白黒が逆転し
ている点で相違する。この例の動作について説明する
と、まず(a)と(b)の状態における濡れ性が変化す
る材料層の違いは、(a)では水性媒体に対して親和性
(濡れ性)が高く、(b)では水性媒体に対して親和性
が低い(油性媒体に対して親和性が高い)状態になって
いることである。(a)における材料層の状態と(b)
における材料層の状態の切り替えは、外部回路を通じて
材料に電荷を送り込んだり引き抜いたりすることにより
行うことができる。セルの中には黒色水性媒体と着色油
性媒体(黒以外)が封入されており、(a)では、濡れ
性が変化する材料層は水性媒体に対して親和性が良いた
め、その表面には黒色水性媒体が親和している。従って
透明電極側には着色油性媒体が存在するため、その反射
光が現れることになる。この状態から外部回路を通じて
濡れ性が変化する材料層に電荷を注入することにより、
材料層を水性媒体から油性媒体に対して親和性が高いも
のに変化させると、材料層表面に着色油性媒体が親和
し、逆に透明電極側には黒色水性媒体が存在するため反
射光が現れないことになる。この例では水性媒体を黒と
したが、油性媒体が黒でも同様に切り替え可能である。
またこの例では濡れ性の変化する材料層は還元時に油性
媒体に対して親和性のよくなる材料層としたが、この逆
も可能である。
【0008】本発明の光反射素子は、濡れ性が変化する
材料層に電荷が出入りすることによってその特性が変化
することを利用しているため、この変化のし易さ、即ち
電荷の出入りのし易さが重要な項目となってくる。図2
の構成において、濡れ性が変化する材料層に電荷が出入
りするということは、対極においては当然の如くこの電
荷量と同量の逆電荷の出入り(蓄積/放出)が起こって
いることになるが、透明電極では電荷の出入りする機能
を備えていないため、実質上その表面に分極する電荷量
しか荷うことができない。通常濡れ性が変化する材料層
の特性変化に必要な電荷量は、透明電極上に安定に蓄積
できる電荷量より大きいため、外部刺激として透明電極
の分極が安定に存在できるレベルの電荷量しか与えなけ
れば、系は安定であるが濡れ性の変化は不充分という結
果になる。
【0009】逆に濡れ性の変化に充分な電荷量を注入し
た場合には、注入するためにより大きなエネルギーを与
える必要があると共に濡れ性の変化の応答速度も次第に
遅くなり、かつ透明電極上の分極はより大きなものとな
る(表面電位のレベルが高くなる)。このため電極近傍
の電気的状態を安定に保持することはできず、媒体成分
の電気化学反応(一般的には分解反応)を伴って分極を
解消しながら電荷を補償することになる。即ち、前者で
は電荷量が足らないため光反射のスイッチングが充分に
できない結果となり、後者では濡れ性の応答速度が次第
に遅なってくると共に、分解反応を伴うため初期動作は
確保できるが耐久性がないという結果になる。図3に、
この点を改良した本発明の実施形態例を示す。図2に示
した例との違いは、透明電極側に電荷の蓄積・放出が可
能な材料層を設置したことである。図3の構成とするこ
とにより、濡れ性が変化する材料層に出入りした電荷量
と同等の電荷量を透明電極側に設置してある材料層によ
って出し入れできるようになり、電極近傍の分極を回避
して、より応答速度の変化がなく耐久性にも優れた光反
射素子を提供できる。
【0010】本発明に使用される外部刺激により濡れ性
が変化する材料とは、電界、光、熱等によりその表面自
由エネルギー(表面張力)を変化させ得る材料である。
例えば、外部刺激が熱の場合としては、フッ化アルキル
基及び/又はシロキサン基含有重合体と親水性基含有重
合体からなる共重合体、ポリオレフィン系フィルム又は
シートの表面を化学処理してスルホン酸基を導入したも
のなどが挙げられる。また、外部刺激が光や電界の場合
としては、導電性高分子化合物が挙げられ、光照射によ
り、又は電界を印加することにより、電気化学的にイオ
ンをドープ、脱ドープして表面の濡れ性を簡単に可逆的
に変化させることができる。但し、前述のように、電界
で制御する方が素子構成の簡素化や制御の容易さから好
ましい。
【0011】導電性高分子化合物はその分子鎖に電荷が
出入りでき、それにより生じる内部分極は外部に存在す
る物質を取り込むことにより安定化する。この状態をド
ープ状態と呼び、この操作自体はドープ、あるいはドー
ピングと呼ばれている。ドープ状態は外部にあるドナー
性、あるいはアクセプター性物質に誘起されて、その状
態となる場合もあるし(化学ドーピング)、分子鎖自身
にエネルギー(電界、光など)を与えて外部にあるイオ
ン種を取り込みその状態となる場合もある(電気化学ド
ーピング、光ドーピング)。ドープ操作自体は後者の方
が制御し易いため、好ましくは後者の方法(電気化学ド
ーピング、光ドーピング)を用いる。導電性高分子化合
物が負に帯電して安定化している場合をn型ドープ状態
(還元状態、カチオンドープ状態)、正に帯電している
状態をp型ドープ状態(酸化状態、アニオンドープ状
態)と呼ぶ。これに対して導電性高分子化合物が正にも
負にも帯電していない状態をアンドープ状態(中性状
態)と呼んでいる。ドープ状態とアンドープ状態の変化
は可逆である。
【0012】導電性高分子化合物の場合、ドープ状態は
内部分極を有している状態であるから、その表面自由エ
ネルギー(表面張力)は大きくなる。従って水のような
大きな表面自由エネルギー(表面張力)を持つものに対
しても濡れ性が良く、一般的に言う接触角は小さいもの
となる。これに対してアンドープ状態は内部分極がドー
プ状態と比較して小さく、表面自由エネルギー(表面張
力)は相対的に小さくなる。従って水に濡れ難くなり、
接触角は大きな値となる。使用される導電性高分子化合
物としては、複素五員環化合物、縮合多環化合物、アミ
ン系化合物等の重合体が挙げられる。具体的にはポリピ
ロール、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリアズレ
ン、ポリアニリン、ポリジフェニルベンジジン、ポリイ
ソチオナフテン及びこれらの誘導体が挙げられるが、導
電性の高さや安定性からポリアニリン及びその誘導体、
ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその
誘導体が好ましく、最も好ましいのはポリチオフェンで
ある。
【0013】本発明に使用される2種の相溶しない反射
特性の異なる媒体とは、例えば水と油のように互いに媒
体状態で相分離するようなものであり、水性媒体、油性
媒体はそれぞれ、ベースとなる溶媒及び単一波長もしく
は複合波長の光の強度や波長を変化させ得る材料(例え
ば、顔料、染料などの色素)及び必要に応じて添加物よ
り構成されるものである。ベースとなる溶媒としては、
水、メタノール、エタノールなどのアルコール類;アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類;N−メチル
ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プ
ロトン性極性溶媒類;四塩化炭素、クロロホルムなどの
ハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチル
エーテルなどのエーテル類;イソペンタン、ベンゼンな
どの炭化水素類などが挙げられる。
【0014】波長や強度を変化させ得る材料は、上記溶
媒に均一に分散又は溶解できるものであれば公知の物質
を使用できるが、反射光の方向性及び強度を安定にでき
ることから、より光の隠蔽性が高い状態となるように媒
体を作製することが好ましく、具体的には、波長や強度
を変化させ得る材料を溶媒中により高濃度で混入させる
ことにより隠蔽性を高めることができる。このような波
長や強度を変化させ得る材料(異なる特性を有するも
の)を2種用意し、水と油のような二相分離する溶媒に
それぞれ1種づつを加えることにより、2種の相溶しな
い反射特性の異なる媒体を作製することができ、その
際、必要に応じて添加物を用いてもよい。
【0015】ここで反射光を出さないという面から、一
方の媒体は黒であることが好ましく、更に反射可視光が
入射可視光に対してぼぼ変化しない状態を他方の状態と
すれば、他方は白であることが好ましく、この構成にす
ることにより入射光のON(光が反射される状態)/O
FF(反射光が無い状態)が可能となる。また、濡れ性
が変化する材料層の濡れ性を変化させた時、表面に親和
するべき媒体が入れ替わるが、この入れ替わりをよりス
ムーズに行わせるため、作製されたそれぞれの二相分離
する媒体の比重は接近していることが好ましく、必要に
応じて添加物(媒体への溶解性がある電解質や有機物)
を用いて比重調整を行うことが好ましい。この比重との
兼ね合いもあるが、2種の媒体には適当量の電解質を溶
解させておくことが必要である。
【0016】接触角の面から見た濡れ性が変化する材料
層に対する水性媒体と油性媒体の好ましい関係は、濡れ
性が変化する材料層の表面自由エネルギー(表面張力)
が最も小さい場合に水性媒体との接触角が(理想的に
は)180度になり、濡れ性が変化する材料層の表面自
由エネルギー(表面張力)が最も大きい場合に水性媒体
との接触角が(理想的には)0度になることである。ま
た、油性媒体側から見た場合はこの逆で、濡れ性が変化
する材料層の表面自由エネルギー(表面張力)が最も小
さい場合に油性媒体との接触角が(理想的には)0度に
なり、濡れ性が変化する材料層の表面自由エネルギー
(表面張力)が最も大きい場合に油性媒体との接触角が
(理想的には)180度になることが好ましい。この理
想状態になるべく近くなるような水性媒体、油性媒体を
選択することが必要である。
【0017】特に通常油性媒体の表面張力は小さいため
接触角を大きくすることは難しいが、指標としては、表
面エネルギーが大きい状態にある濡れ性が変化する材料
層に油性媒体が接した時の界面張力が大きくなるような
油性媒体を選択することにより、濡れ性が変化する材料
層の表面自由エネルギー(表面張力)が最も大きい状態
において油性媒体との接触角をより大きくすることが可
能となる。濡れ性の制御により2種の媒体をよりスムー
ズに入れ替えるには、少なくとも一方の媒体に帯電粒子
を混入することが好ましい。これにより媒体を入れ替え
る時に与えるエネルギーによって濡れ性が変化する材料
層の設置してある電極側が正に分極するのであれば、そ
の時に親和するべき媒体に負帯電の粒子を、電極側が負
に分極するのであれば、その時に親和するべき媒体に正
帯電の粒子を混入することにより媒体の入れ替えをより
スムーズに行うことが可能となる。
【0018】図3の例で言えば、黒色水性媒体には負帯
電粒子を混入させることが好ましく、白色油性媒体には
正帯電粒子を混入させることが好ましい。本発明に使用
する電荷の蓄積・放出が可能な材料としては、無機材
料、有機材料何れでも良いが、少なくとも光が透過でき
る状態を持っているものであり(色が付いていても
可)、電荷の取り込み放出が可能なものである必要があ
る。具体的には酸化タングステン、酸化イリジウム、プ
ルシアンブルー系材料、ビオロゲン系材料、フロシアニ
ン系材料、導電性高分子化合物系材料等が使用できる。
設置する量は、濡れ性の変化に必要な電荷量以上の電荷
を蓄積・放出することができる分量とすることが好まし
い。これにより電極表面の分極を避けることができると
共に、充分な量を設置(1.5倍以上)すれば濡れ性を
変化させる材料層の電位の変動を抑えることもでき、ス
ムーズで安定した動作が可能となる。
【0019】上述した材料は、i)材料自身が還元され
る時(マイナス電荷が注入される時)はプラス電荷(プ
ラスイオン)を取り込み安定化し、ii)材料自身が酸化
される時は(マイナス電荷が引き抜かれる時)はマイナ
ス電荷(マイナスイオン)を取り込み安定化する。そし
て、i)、ii)どちらのシステムの酸化還元(電荷の出
し入れ)が安定に起こるかは材料によって異なるが、無
機材料はi)型、有機材料はii)型が多く、少数ではあ
るがi)、ii)共に安定に繰り返し動作するものも存在
する。材料の選択は、濡れ性が変化する材料が次のA)
B)の何れであるかにより多少異なる。 A)還元される時(マイナス電荷が注入される時)に濡
れ性が増大する材料 B)材料自身が酸化される時(マイナス電荷が引き抜か
れる時)に濡れ性が増大する材料
【0020】A)の時の、最も好ましい電荷の取り込み
放出が可能な材料の選択としては、 i)ii)共に安定である材料を選択すると共に、素子内
部でA)の材料が中性状態のときi)、ii)共に安定で
ある材料が還元状態であり、A)の材料が還元状態のと
きi)、ii)共に安定である材料が酸化状態であるよう
にすることである。これにより、より少量の電荷の取り
込み放出が可能な材料により本発明の目的を達成でき
る。次に好ましい態様は、i)又はii)の材料を使用す
ることになるが、i)の材料の場合は、A)の材料が還
元状態のときi)の材料は中性状態、ii)の材料の場合
は、A)の材料が還元状態のときii)の材料は酸化状態
となる様に素子構成をする必要があり、より好ましいの
は、A)の材料が還元状態のときi)の材料は中性状態
となるようにすることである。
【0021】B)の時の、最も好ましい電荷の取り込み
放出が可能な材料の選択としては、i)ii)共に安定で
ある材料を選択すると共に、素子内部でB)の材料が中
性状態のときi)ii)共に安定である材料が酸化状態で
あり、B)の材料が酸化状態のときi)ii)共に安定で
ある材料が還元状態であるようにすることである。その
結果、より少量の電荷の取り込み放出が可能な材料によ
り本発明の目的を達成できる。次に好ましい態様は、
i)又はii)の材料を使用することになるが、i)の材
料の場合は、B)の材料が酸化状態のときi)の材料は
還元状態、ii)の材料の場合は、B)の材料が酸化状態
のときii)の材料は中性状態となる様に素子構成をする
必要があり、より好ましいのは、B)の材料が酸化状態
のときi)の材料は還元状態となるようにすることであ
る。
【0022】電荷の蓄積・放出が可能な材料は一般的に
色を呈するものが多い。例えば前記酸化タングステン、
ポリビオロゲンでは還元反応で青、酸化反応で無色、酸
化イリジウム、プルシアンブルーでは還元反応で無色、
酸化反応で青、ポリチオフェンでは還元反応で赤、酸化
反応で青、ポリアニリンでは中性状態から酸化反応をす
るに従い、淡黄、緑、青、紺に変化し、ルテニウムジフ
タロシアニンでは還元状態から中性状態を経由し酸化状
態になるに従い、紫、青、緑、赤橙に変化する。何れの
化合物も、前記のように、基本的に透明(隠蔽性が無い
という意味)でさえあれば色が付いていても良いが、無
色である状態を持つものが好ましい。本発明では、これ
ら無色である状態を持つ材料の内、還元反応で着色する
ものをカソディク材料、酸化反応で着色する材料をアノ
ディク材料と呼ぶ。
【0023】反射光を出さないという面からは一方の媒
体は黒であることが好ましく、更に反射可視光が入射可
視光に対してほぼ変化しない状態を他方の状態とすれ
ば、他方は白であることが好ましい。この構成にするこ
とにより入射光のON(光が反射される状態)/OFF
(反射光が無い状態)が可能となることを先に述べた
が、このような条件においては電荷の蓄積・放出が可能
な材料は無色である状態を持つものであることが必要で
あり、外部刺激により電荷が取り出される(酸化又は還
元)ことにより水に対する濡れ性が増大する材料を使用
し、水性媒体が黒に着色されている場合には、電荷の蓄
積・放出が可能な材料はアノディク材料を用いることが
好ましく、水性媒体が光反射性の色(黒以外、好ましく
は白)に着色されている場合にはカソディク材料を用い
ることが好ましい。このような構成とすることにより、
光反射性媒体の反射特性をそのまま反映した光反射素子
を作製することができる。
【0024】基板については、光入射側では透明である
ことが必要であり、ガラス、透明プラスチックフィルム
などが用いられ、光入射側と反対側の基板には、上記透
明基板の他にAlやSUSなどの金属板が用いられる。
これらの媒体に接する面に濡れ性が変化する材料層を形
成する方法としては、濡れ性が変化する材料層が樹脂な
どの場合には塗布法を用いるが、導電性高分子化合物の
場合には、塗布法以外に導電性基板を用いた電界重合法
も用いられる。導電性基板としては、前記透明基板上に
In、SnO、ZnO、CdO、TiO、I
−Sn、SnO−Sbなどの酸化物半導体薄
膜、TiN、ZrNなどの導電性窒化物薄膜、Alなど
の金属薄膜を形成したもの、又はAlやSUSなどの導
電性金属板などが用いられる。
【0025】本発明の光反射素子を表示素子部材として
用いる場合には、図1に示したような光反射素子を単体
で用いるだけでなく、光反射素子の構成を微小な画素単
位として表示素子を構築することができる。例えば、図
4に示したように、媒体を収容する部分を画素単位で分
割し、画素毎に外部刺激によるON、OFFを加えるこ
とにより反射光をON、OFFして明暗のコントラスト
を制御すれば、これらの画素の組み合わせにより表示画
像が得られる。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。
【0027】実施例1 Pt電極を形成したガラス基板を陽極、Ni基板を陰極
とし、モノマーとしてチオフェン0.2mol/l、電
解質として(CNClO(過塩素酸テトラ
ブチルアンモニウム:TBAP)を0.1mol/l含
むアセトニトリル溶液中で、350mC/cmの定電
流電解を行い、ポリチオフェン薄膜を作製した。この状
態でポリチオフェン薄膜はClO がドープ状態にあ
り親水性である。このポリチオフェン薄膜を作用極とし
て、図5に示したように、TBAPを溶解した水/白色
油性媒体混合液中に浸漬した。更に、対極、参照極(S
CE)も浸漬した(これらは図示せず)。なお、白色油
性媒体は、表面を親油化処理したTiO(平均粒径
0.2μm、石原産業社製CR−50)をトルエン中に
分散したものである。電圧を印加しない状態ではポリチ
オフェンは前述のようにドープ状態で親水性であり、図
5(a)のようにポリチオフェン薄膜表面には透明水層
が親和し、容器の横部から入射した光はポリチオフェン
表面まで到達して黒色のポリチオフェンに吸収され、反
射光は大きく減少した。次に、ポリチオフェン薄膜に
0.3V(v.sSCE)を印加してClO を脱ド
ープすると親油性になり、図5(b)のようにポリチオ
フェン薄膜表面には白色油性媒体の白色層が親和して、
容器の横部から入射した光はポリチオフェン表面まで到
達せずに白色油性媒体の表面で反射され、反射光が得ら
れた。更にポリチオフェン薄膜に1.6V(v.sSC
E)を印加するとドープ状態で親水性となり、ポリチオ
フェン薄膜表面には透明水層が親和して初期の状態とな
った。以上のように、外部刺激により濡れ性を変化させ
て、反射光を制御できることが確認できた。
【0028】実施例2 実施例1で作製したポリチオフェン薄膜を形成したPt
/ガラス基板とポリチオフェン薄膜を形成しないITO
/ガラス基板を、図6に示したように1mmのギャップ
を取って対向させ、周縁部をシールして空セルを作製
し、セル内に電解質を含有した黒色水性媒体と白色油性
媒体を注入した。なお、用いた黒色水性媒体は、ポリビ
ニアルコールを分散剤として水中にカーボン粒子(平均
粒径0.2μm)を分散したもので、白色油性媒体は、
非イオン性界面活性剤ソルビタントリオレエートを分散
剤としてトルエン中にTiO粒子(平均粒径0.2μ
m)を分散したものである。このようにして作製したセ
ルにおいて、ポリチオフェン側を+、反対側を−として
1Vの電圧を印加すると、ポリチオフェン薄膜はドープ
状態で親水性となり、その表面には黒色水性媒体が親和
した〔図6(a)参照〕。次に、ポリチオフェン側を
−、反対側を+として1Vの電圧を印加すると、ポリチ
オフェン薄膜は脱ドープ状態で親油性となり、その表面
には白色油性媒体が親和した〔図6(b)参照〕。従っ
て、図6(a)の状態では、ポリチオフェン薄膜のない
基板への入射光は白色油性媒体によって反射されて明状
態となり、図6(b)の状態では、ポリチオフェン薄膜
のない基板への入射光は黒色水性媒体によって反射され
ずに吸収されて暗状態となった。この時、両状態とも視
野角依存性は認められず、更に両者の反射率から求めた
明暗のコントラストは7.0であり、光反射素子、光表
示素子としての基本動作が可能であることを確認でき
た。
【0029】実施例3 黒色水性媒体として、表面にカルボキシル基を結合させ
たカーボン粒子(+帯電性、平均粒径0.2μm)を水
中に分散したものを用い、白色油性媒体として、表面を
親油化処理したTiO粒子(−帯電性、平均粒径0.
2μm、石原産業社製CR−50)をトルエン中に分散
したものを用いた点以外は実施例2と同様してセルを作
製し、基本動作が可能かどうかを確認したところ、実施
例2と同様な結果が得られ、しかも両者の反射率から求
めた明暗のコントラストは7.8であって、更なるコン
トラスト向上が認められた。
【0030】実施例4 実施例1で作製したポリチオフェン薄膜を形成したPt
/ガラス基板とWO(酸化タングステン)を形成した
ITO/ガラス基板を図7に示したように1mmのギャ
ップを取って対向させ、周縁部をシールして空セルを作
製して、セル内に電解質を含有した白色水性媒体と黒色
油性媒体を注入した。なお、用いた黒色油性媒体とは、
クロロホルムにカーボン粒子(平均粒径0.2μm)を
分散したもので、白色水性媒体とは、ポリビニルアルコ
ールを分散剤として水中にTiO粒子(平均粒径0.
2μm)を分散したものである。このセルに対し、ポリ
チオフェン側を+、反対側を−として電圧を印加する
と、ポリチオフェン薄膜はドープ状態で親水性となり、
その表面には白色水性媒体が親和した〔図7(a)〕。
この時、WOにはカチオンが挿入されていると考えら
れる。次に、ポリチオフェン側を−、反対側を+として
電圧を印加すると、ポリチオフェン薄膜は脱ドープ状態
で親油性となり、その表面には黒色油性媒体が親和した
〔図7(b)〕。従って、図7(a)の状態では、ポリ
チオフェン薄膜のない基板(WO側)への入射光は黒
色油性媒体によって反射されずに吸収されて暗状態とな
り、図7(b)の状態では、ポリチオフェン薄膜のない
基板(WO側)への入射光は白色水性媒体によって反
射されて明状態となった。この時、両状態とも視野角依
存性は認められず、前記電圧印加操作を繰り返し500
回行っても明暗表示ははっきりしていた。
【0031】実施例5 黒色水性媒体として、ポリビニルアルコールを分散剤と
して水中にカーボン粒子(平均粒径0.2μm)を分散
したもの、白色油性媒体として、非イオン性界面活性剤
ソルビタントリオレエートを分散剤としてクロロホルム
中にTiO粒子(平均粒径0.2μm)を分散したも
のを使用した点以外は実施例4と同様にしてセルを作製
した。ポリチオフェン側を+、反対側を−として電圧を
印加すると、ポリチオフェン薄膜はドープ状態で親水性
となり、その表面には黒色水性媒体が親和した。この
時、WO基板側からは青色の表示が見えた。カチオン
が挿入されWOが発色しているためと考えられる。次
に、ポリチオフェン側を−、反対側を+として電圧を印
加すると、ポリチオフェン薄膜は脱ドープ状態で親油性
となり、その表面には白色油性媒体が親和した。従っ
て、ドープ状態では、ポリチオフェン薄膜のない基板
(WO側)への入射光は白色油性媒体によって反射さ
れ、かつWOの青色発色が見える明状態となり、脱ド
ープ状態では、ポリチオフェン薄膜のない基板(WO
側)への入射光は黒色水性媒体によって反射されずに吸
収されて暗状態となった。この時、両状態とも視野角依
存性は認められず、前記電圧印加操作を繰り返し500
回行っても明暗表示ははっきりしていた。
【0032】比較例1 WOを用いない点以外は実施例4と同様にしてセルを
作製し、実施例4と同じ電圧印加操作を行ったところ、
320回繰り返したところで明暗のコントラストが著し
く損なわれてしまった。
【0033】比較例2 WOを用いない点以外は実施例5と同様にしてセルを
作製し、実施例5と同じ電圧印加操作を行ったところ、
330回繰り返したところで明暗のコントラストが著し
く損なわれてしまった。
【0034】実施例6 黒色油性媒体の代わりに、赤色油性媒体を用いた点以外
は実施例4と同様にしてセルを作製したところ、明暗の
コントラストは実施例4の約半分となった。しかし、電
圧印加操作については500回繰り返した後も安定であ
った。
【0035】実施例7 WOの代わりにプルシアンブルーを用いる点以外は実
施例5と同様にしてセルを作製した。ポリチオフェン側
を+、反対側を−として電圧を印加すると、ポリチオフ
ェン薄膜はドープ状態で親水性となり、その表面には黒
色水性媒体が親和した。次に、ポリチオフェン側を−、
反対側を+として電圧を印加すると、ポリチオフェン薄
膜は脱ドープ状態で親油性となり、その表面には白色油
性媒体が親和した。従って、ドープ状態では、ポリチオ
フェン薄膜のない基板(プルシアンブルー側)への入射
光は白色油性媒体によって反射されて明状態となり、脱
ドープ状態では、ポリチオフェン薄膜のない基板(プル
シアンブルー側)への入射光は黒色水性媒体によって反
射されずに吸収されて暗状態となった。この時、両状態
とも視野角依存性は認められず、前記電圧印加操作を繰
り返し500回行っても明暗表示ははっきりしていた。
【0036】実施例8 WOの代わりにプルシアンブルーを用いる点以外は実
施例4と同様にしてセルを作製した。ポリチオフェン側
を+、反対側を−として電圧を印加すると、ポリチオフ
ェン薄膜はドープ状態で親水性となり、その表面には白
色水性媒体が親和した。次に、ポリチオフェン側を−、
反対側を+として電圧を印加すると、ポリチオフェン薄
膜は脱ドープ状態で親油性となり、その表面には黒色油
性媒体が親和し、プルシアンブルー側基板からは青色の
表示が観測された。従って、ドープ状態では、ポリチオ
フェン薄膜のない基板(プルシアンブルー側)への入射
光は黒色油性媒体によって反射されずに吸収されて暗状
態となり、脱ドープ状態では、ポリチオフェン薄膜のな
い基板(プルシアンブルー側)への入射光は白色水性媒
体によって反射され、かつプルシアンブルーの青色発色
による明状態となった。この時、両状態とも視野角依存
性は認められず、前記電圧印加操作を繰り返し500回
行っても明暗表示ははっきりしていた。
【0037】
【発明の効果】本発明1、2によれば、光の利用効率の
高い新規な光反射方法及び光反射素子を提供できる。本
発明3、4によれば、繰り返し特性に優れた光反射素子
を提供できる。本発明4、7、8によれば、明暗のはっ
きりした反射特性を持つ光反射素子を提供できる。本発
明5によれば、黒色水性媒体を使用する素子において、
本発明6によれば、黒色以外の水性媒体を使用する素子
において、より明暗のはっきりした反射特性を持つ素子
を提供できる。本発明8によれば、コントラストの向上
した光反射素子を提供できる。本発明9によれば、明る
さの向上した光反射素子を提供できる。本発明10〜1
3によれば、素子構成が簡素化され、濡れ性の制御が簡
便に行える光反射素子を提供できる。本発明14によれ
ば、応答性、明るさ、コントラストが向上し、よりスム
ーズに2種の媒体の入れ替えが可能な光反射素子を提供
できる。本発明15によれば、光の利用効率の高い繰り
返し特性に優れた新規な表示素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例を示す図。 (a) 濡れ性が変化する材料層側に黒色油性媒体が親
和している場合。 (b) 濡れ性が変化する材料層側に白色水性媒体が親
和している場合。
【図2】本発明の実施形態の別の例を示す図。 (a) 濡れ性が変化する材料層側に黒色水性媒体が親
和している場合。 (b) 濡れ性が変化する材料層側に着色油性媒体が親
和している場合。
【図3】本発明の実施形態の更に別の例を示す図。 (a) 濡れ性が変化する材料層側に黒色水性媒体が親
和している場合。 (b) 濡れ性が変化する材料層側に着色油性媒体が親
和している場合。
【図4】本発明の光反射素子を用いた反射型表示素子の
例を示す図。
【図5】実施例1の光反射素子を示す図。 (a) ポリチオフェン薄膜表面に透明水層が親和して
いる場合。 (b) ポリチオフェン薄膜表面に白色油性媒体層が親
和している場合。
【図6】実施例2の光反射素子を示す図。 (a) ポリチオフェン薄膜表面に黒色水性媒体が親和
している場合。 (b) ポリチオフェン薄膜表面に白色油性媒体が親和
している場合。
【図7】実施例4の光反射素子を示す図。 (a) ポリチオフェン薄膜表面に白色水性媒体が親和
している場合。 (b) ポリチオフェン薄膜表面に黒色油性媒体が親和
している場合。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反射特性の異なる少なくとも2種の相
    溶しない媒体を、外部刺激により濡れ性が変化する物質
    表面に接触させ、その物質の濡れ性を制御して2種の媒
    体のうち一方を選択的に前記物質表面に親和させること
    により入射光に対して反射光を変化させる光反射方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方が透明な対向する2枚の
    基板間に、光反射特性の異なる2種の相溶しない媒体が
    収容され、少なくとも一方の基板の媒体に接する側の面
    に、外部刺激により濡れ性が変化する材料層が設置され
    ており、その層の濡れ性の制御により、2種の媒体のう
    ち一方が選択的に前記層表面に親和することにより入射
    光に対して反射光が変化する構造を有することを特徴と
    する光反射素子。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方が透明な対向する2枚の
    基板間に、光反射特性の異なる2種の相溶しない媒体が
    収容され、少なくとも一方の基板の媒体に接する側の面
    に、外部刺激により電荷の出入りが生じ濡れ性が変化す
    る材料層が設置されており、その層の濡れ性の制御によ
    り、2種の媒体のうち一方が選択的に前記層表面に親和
    することにより入射光に対して反射光が変化する光反射
    素子において、濡れ性が変化する材料層が設置されてい
    る基板に対向する方の基板面に、濡れ性の変化に必要な
    電荷量以上の電荷の蓄積・放出が可能な材料層が設置さ
    れていることを特徴とする光反射素子。
  4. 【請求項4】 電荷の蓄積・放出が可能な材料層が、可
    視光に対して透明である状態を持つ層であることを特徴
    とする請求項3記載の光反射素子。
  5. 【請求項5】 外部刺激によりマイナス電荷が取り出さ
    れる(酸化される)ことにより水に対する濡れ性が増大
    する材料層が基板面に設置されており、2種の媒体の一
    方が黒に着色された水性媒体であり、対向する基板面に
    設置された電荷の蓄積・放出が可能な材料層が、発色消
    色能を有するアノディク材料であることを特徴とする請
    求項3又は4記載の光反射素子。
  6. 【請求項6】 外部刺激によりマイナス電荷が取り出さ
    れる(酸化される)ことにより水に対する濡れ性が増大
    する材料層が基板面に設置されており、2種の媒体の一
    方が黒以外に着色された水性媒体であり、対向する基板
    面に設置された電荷の蓄積・放出が可能な材料層が、発
    色消色能を有するカソディク材料であることを特徴とす
    る請求項3又は4記載の光反射素子。
  7. 【請求項7】 相溶しない2種の媒体の内、少なくとも
    1種が黒に着色されていることを特徴とする請求項2〜
    6の何れかに記載の光反射素子。
  8. 【請求項8】 光反射特性の異なる2種の媒体の内、一
    方が黒に着色されており、他方が白に着色されているこ
    とを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載の光反射素
    子。
  9. 【請求項9】 濡れ性が変化する材料層を設置した基板
    が、光入射側とは反対側の基板であることを特徴とする
    請求項2〜8の何れかに記載の光反射素子。
  10. 【請求項10】 基板と濡れ性が変化する材料層との間
    に、電極が設けられており、少なくとも光透過性基板側
    に設けられた電極は入射光に対して透明であることを特
    徴とする請求項2〜9の何れかに記載の光反射素子。
  11. 【請求項11】 外部刺激により濡れ性が変化する材料
    が導電性高分子化合物からなることを特徴とする請求項
    2〜10の何れかに記載の光反射素子。
  12. 【請求項12】 導電性高分子化合物がポリチオフェン
    であることを特徴とする請求項2〜11の何れかに記載
    の光反射素子。
  13. 【請求項13】 外部刺激が電界であることを特徴とす
    る請求項2〜12の何れかに記載の光反射素子。
  14. 【請求項14】 相溶しない2種の媒体の内、少なくと
    も一方が帯電粒子を含有していることを特徴とする請求
    項2〜13の何れかに記載の光反射素子。
  15. 【請求項15】 請求項2〜14の何れかに記載の光反
    射素子を用いたことを特徴とする反射型表示素子。
JP2000353539A 2000-11-20 2000-11-20 光反射方法、光反射素子及びこれを用いた反射型表示素子 Pending JP2002156666A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000353539A JP2002156666A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 光反射方法、光反射素子及びこれを用いた反射型表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000353539A JP2002156666A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 光反射方法、光反射素子及びこれを用いた反射型表示素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002156666A true JP2002156666A (ja) 2002-05-31

Family

ID=18826288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000353539A Pending JP2002156666A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 光反射方法、光反射素子及びこれを用いた反射型表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002156666A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100741075B1 (ko) 2005-03-18 2007-07-20 삼성에스디아이 주식회사 평판 표시 장치 및 이의 제조 방법
JP2007529094A (ja) * 2004-03-11 2007-10-18 バイエル・ベタイリグングスフェアヴァルトゥング・ゴスラー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング ポリチオフェンに基づく光学用途のための機能層
JP2007532942A (ja) * 2004-04-08 2007-11-15 リクアヴィスタ ビー. ヴィー. ディスプレイデバイス

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007529094A (ja) * 2004-03-11 2007-10-18 バイエル・ベタイリグングスフェアヴァルトゥング・ゴスラー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング ポリチオフェンに基づく光学用途のための機能層
JP2007532942A (ja) * 2004-04-08 2007-11-15 リクアヴィスタ ビー. ヴィー. ディスプレイデバイス
US7980909B2 (en) 2004-04-08 2011-07-19 Liquavista B.V. Display device
JP4849640B2 (ja) * 2004-04-08 2012-01-11 サムスン エルシーディー ネザーランズ アール アンド ディー センター ビー.ブイ. ディスプレイデバイス
KR100741075B1 (ko) 2005-03-18 2007-07-20 삼성에스디아이 주식회사 평판 표시 장치 및 이의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7746533B2 (en) Electrochromic devices utilizing very low band gap conjugated counter electrodes: preparation and use
JP5139323B2 (ja) エレクトロクロミック表示素子及びその製造方法
KR101649290B1 (ko) 전기변색 소자 및 그 제조 방법
US7557499B2 (en) Dual light emitting and electrochromic device
JP6246594B2 (ja) 安定したエレクトロクロミックモジュール
US7333257B2 (en) Device for contacting patterned electrodes on porous substrates
US7057789B2 (en) Display element
US7525716B2 (en) Display device and display apparatus
US7002723B2 (en) Display device
US20060082588A1 (en) Display device
CN101750830A (zh) 显示介质和显示装置
JP2014052510A (ja) エレクトロクロミック表示装置およびその駆動方法
JPWO2009031422A1 (ja) エレクトロクロミック表示素子の製造方法
Imamura et al. Bi-based electrochromic cell with mediator for white/black imaging
JP2002287173A (ja) エレクトロクロミック表示素子及びその製造方法
JP2002156666A (ja) 光反射方法、光反射素子及びこれを用いた反射型表示素子
JP4244569B2 (ja) エレクトロクロミック表示素子及びその製造方法、エレクトロクロミック表示装置
US20070257263A1 (en) Display device
Kondo et al. Novel electrochromic polymer for electronic paper
JP2002287172A (ja) エレクトロクロミック表示素子及びエレクトロクロミック表示装置
US4374610A (en) Dish shaped substrate for electrochromic displays
JP2006267831A (ja) カラー表示素子
CN117940844A (en) Electrochromic device with improved cycling stability
JPH0693066B2 (ja) エレクトロクロミツク表示素子
JP2005049539A (ja) 電析表示用電解液および電析型表示装置