JP2002156333A - 表面検査装置 - Google Patents

表面検査装置

Info

Publication number
JP2002156333A
JP2002156333A JP2000348180A JP2000348180A JP2002156333A JP 2002156333 A JP2002156333 A JP 2002156333A JP 2000348180 A JP2000348180 A JP 2000348180A JP 2000348180 A JP2000348180 A JP 2000348180A JP 2002156333 A JP2002156333 A JP 2002156333A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
data
detection
manufacturing
inspection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000348180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3675334B2 (ja
Inventor
Akira Kazama
彰 風間
Yasuo Kushida
靖夫 櫛田
Tsuneo Suyama
恒夫 陶山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP2000348180A priority Critical patent/JP3675334B2/ja
Publication of JP2002156333A publication Critical patent/JP2002156333A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3675334B2 publication Critical patent/JP3675334B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高信頼性の自動検査を実現するための調整作
業を効率化し、短時間で確実に作動できる表面検査装置
を提供すること。 【解決手段】 表面検査装置は、鋼板表面を観測するセ
ンサ部20、センサ部20における観測結果とその観測
条件に基づいて鋼板10の表面の欠陥を検出する検出部
30、前記観測結果及び観測条件を記録し、任意に再生
する記録/再生部40、記録/再生部40が再生する観
測結果及び観測条件に基づいて鋼帯表面を再度検査及び
検出部30における検出結果を確認する予備検出部50
とを備えており、記録/再生部40が記録を再生するこ
とで、過去の検査状態を再現、または創成できるため、
表面検査装置の自動化のための調整作業を効率化できる
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面検査装置に
関するもので、特に鉄鋼、銅、アルミニウム等の金属の
熱間、冷間製造プロセスにおける表面検査技術に係る。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼、銅、アルミニウムなどの製造プロ
セスにおいては、材料自身の内部にある不純物の偏析
や、圧延加工中に生じる疵等が原因で、製品表面に欠陥
が現れる。これらの欠陥には様々な種類があり、特に重
大な欠陥の存在は、製品の信頼性に大きな影響を及ぼす
ため、確実に検出しなければならない。
【0003】従来の鉄鋼、銅、アルミニウム等の表面に
生じた欠陥の検出は、検査員が目視により行っていた。
しかし、この方法は検査員に大きな負担をかけると同時
に、製造ラインの高速化の妨げとなっていた。
【0004】そのため、最近ではレーザやCCDカメラ
を用いた光学的方法により、表面を自動的に検査する表
面検査装置が普及してきており、こうした装置を用いて
欠陥を検出する技術が数多く提案されている。ただし、
表面検査装置は、温度、質量、膜厚といった絶対量の計
測装置とは異なり絶対基準が無いことから、装置の所望
の性能を発揮させるためには、多くの欠陥種と程度につ
いて目視との整合をとり、表面検査装置の検査基準の調
整を行う必要がある。すなわち、検査基準が高すぎると
過剰な検出を行うことになり、逆に低すぎると十分な検
出が出来ず、装置の信頼性を得ることが出来ない。この
ため、適正な感度と弁別能力の調整が表面検査装置の実
用化のための鍵となっている。
【0005】一般に表面検査装置の調整は、次のような
手順により行われる。
【0006】(1)製品の欠陥部分を切り出したサンプ
ルを用いて、表面検査装置の感度及び弁別ルールを調整
する。
【0007】(2)有る程度の調整が済んだ段階で実際
の操業に試用する。
【0008】(3)表面検査装置による検査と目視検査
とを同時に行い、装置の性能を見極める。
【0009】(4)または、試用で検査した製品を再度
ゆっくりと目視検査して、表面検査装置による検査結果
と照合する。
【0010】しかし、上記(1)のような、製品から切
り出したサンプルによる試験では、その表面が酸化した
り、塗油膜の状態が時間と共に変化し易いなどの性質か
ら、表面検査装置の感度及び弁別ルールを完全に確立す
るのは困難であり、有る程度の調整までで妥協せざるを
得ない。そこで次に上記(2)のように、実際の操業に
試用して、プロセス下で検査の試験を行うことになる。
しかし、鋼板製造プロセスは通常ライン化され、連続的
で途切れがないため、上記(3)のような、製品を目視
検査しながらの照合では、製品を停止または減速させる
必要がある。そのため、このような目視検査は操業を阻
害する原因となる。一方、上記(4)のように操業を阻
害しないよう、製造ライン内では表面検査装置による検
査のみを行い、後で製造した製品を別な場所で展開して
目視検査を行い照合する方法も行われているが、時間的
にも人的にも多くの手間を要する。更に、鋼板表面に出
現する欠陥は多種多様であり、上記何れの方法において
も表面検査装置の調整を完了するには非常に多くの試験
運転が必要である。その結果、多くの表面検査装置は十
分な調整が行われずに、検査員の単なる補助としてのみ
機能していることが多い。
【0011】例えば特開平5−322791号にその例
が記載されている。この提案による表面検査装置の構成
図を図5に示す。図示するように表面検査装置は、表面
及び裏面検査部100a、100b、表面及び裏面オペ
レータ支援部200a、200b、制御部300、及び
監視部400から構成されている。上記表面及び裏面検
査部100a、100bは、金属などの被検査物500
が連続走行する検査工程ラインの上流に設けられてお
り、被検査物500の走行方向に対して並列する6台の
イメージセンサ(図示省略)によりそれぞれ構成されて
いる。
【0012】また、上記表面及び裏面オペレータ支援部
200a、200bは、オペレータが欠陥の目視検査を
行う検査工程ラインの下流に設けられており、データを
編集する支援部コントローラ210a、210b、オペ
レータに対してデータを表示するCRT220a、22
0b、及びオペレータの入力操作により欠陥の目視検査
結果を目視データとして出力するタッチパネル230
a、230bから構成されている。
【0013】更に、上記制御部300は、表面及び裏面
検査部100a、100bからの検出信号に基いて欠陥
の検出データを作成する表面及び裏面検出部310a、
310b、表面及び裏面検出部310a、310bによ
り作成された検出データを欠陥の長さに基づいて判別す
る長さ判別部320a、320b、長さ判別部320
a、320bから出力される検出データをロギングする
検出コントロール部330、及びタッチパネル230
a、230bから出力される目視データをロギングする
入力コントロール部340から構成されている。
【0014】そして、上記監視部400は、検出データ
と目視データとを比較すると共に、被検査物500の材
質、寸法等を示す製品データを管理する監視部コントロ
ーラ410、検出データと目視データとの比較結果、及
び製品データを表示または印字するCRT430、検査
表印字部420、及び監視員の入力操作により製品デー
タを出力するキーボード440から構成されている。
【0015】なお、上記支援部コントローラ210a、
210b、検出コントロール部330、入力コントロー
ル部340、及び監視部コントローラ410は互いにL
ANケーブル600で接続されている。
【0016】次に上記表面検査装置の動作について説明
する。まず表面及び裏面検査部100a、100bの1
台のイメージセンサが1回のスキャンで欠陥による光の
反射吸収量の変動を検出し、表面及び裏面検出部310
a、310bへそれぞれ出力する。そして表面及び裏面
検出部310a、310bは光の反射吸収量と幅方向の
大きさを示す検出データを作成し、この検出データを長
さ判別部320a、320bへ出力する。長さ判別部3
20a、320bでは所定の数の検出データから欠陥の
長さを判別し、この長さの情報を含んだ検出データを作
成する。この検出データには欠陥の状態に加えて、欠陥
を検出したイメージセンサの設置位置と欠陥の存在する
距離地点の情報が含まれている。この検出データを受け
る検出コントロール部330は、長さ判別部320a、
320bにより作成された検出データの距離地点の情報
を補正して支援部コントローラ210a、210bに出
力する。支援部コントローラ210a、210bは受け
た検出データを編集し、CRT220a、220bがオ
ペレータの目視検査の参考情報として検出データを表示
する。入力コントロール部340は、タッチパネル23
0a、230bから出力された目視データに含まれる距
離地点の情報を補正すると共に、この目視データをロギ
ングする。ここで、この目視データとは、オペレータに
より判断された目視検査結果であり、種類と大きさに分
類した欠陥の状態、イメージセンサ設置位置に対応した
欠陥の存在位置、及び欠陥の距離地点の情報が含まれて
いる。そして、監視部コントローラ410は、優先順位
によって検出データと目視データとを比較し、その比較
結果を出力する。
【0017】上記構成及び動作によれば、表面及び裏面
検査部100a、100bからの検査データ及び欠陥部
の画像を、オペレータ支援部200a、200bでオペ
レータに提示し、オペレータは自分自身の目視検査結果
をも判断要素としながら、欠陥判定結果をタッチパネル
230a、230bより入力して、監視部400が最終
的な検査結果を作成する。そのため、オペレータの目視
検査の負担を軽減でき、また検出データと目視データと
の相関性が認識できる。しかしこの方法は、自動検査と
目視検査との照合方法の1つを示唆するものではある
が、あくまで十分な調整が完成しない場合の検査装置の
不完全な性能を補完する運用方法であり、完全な自動検
査を実施するものではない。そのため、前に述べたよう
に自動検査を実現するためには非常に多くの欠陥につい
て、装置の検査結果と目視結果との照合が必要であり、
かつ装置側では繰り返し試験を行い、性能評価及び調整
を行う必要がある。しかし、その性能評価と調整には以
下のような問題点が存在する。
【0018】(1)検査装置の出力は、センサからの原
信号の内欠陥または欠陥の候補として抽出された部分を
何らかの方法で加工した結果であり、原信号は二度と再
現されない。このため目視検査との照合をする段階で不
整合が生じても、信号を加工したどの段階に問題があっ
たかを特定できない。場合によってはセンサの原信号自
体に問題があったかもしれないが、追求不可能である。
【0019】(2)目視では検出されたが、検査装置で
は未検出の欠陥があって、その原因を突き止めようとし
た場合、従来の方法では検査装置側には何も手がかりが
残らないので、未検出の原因を特定できない。
【0020】(3)一度通過した製品を複数回同じ状態
で検査装置の設置された製造ライン内を通過させること
はほとんど不可能であり、そのため特に発生頻度の低い
欠陥に対する検査装置の調整は非常に困難である。
【0021】(4)数多くの欠陥種、程度について、実
際の欠陥の十分なサンプル数を採取するには非常に多く
の手間がかかる。
【0022】(5)目視検査、欠陥サンプルの切り出し
などに多くの人員を要する。
【0023】(6)製造しながら目視検査を行うには、
製造ラインを減速または停止させる必要がある場合があ
り、生産性を阻害する。
【0024】上記問題点を解決するには、従来は十分な
手間をかけて非常に多くの製品による多くの確認作業を
実施する以外に方法がなかった。しかしながら、例えば
鋼板の冷間圧延プロセスにおいては、少なくとも20種
類の欠陥が存在し、かつ各々の欠陥はその程度により5
段階程度のグレードに分類される。すなわち、検査装置
には20×5=100程度の弁別能力が要求される。ま
た、欠陥種とグレードの弁別の信頼性を向上させるため
には、例えば各欠陥種とグレード毎に100個程度のサ
ンプルが必要となる。加えて製品の品種毎に性能確認が
必要なため、3品種を製造しているのであれば、装置の
調整に必要な欠陥サンプル数は100×100×3=3
0000個に達する。
【0025】現在の製造技術では、例えば自動車の外板
用の冷延鋼板を製造する場合、1000m乃至2000
mの製品1本につき高々10個程度の欠陥が発生するの
みである。そのため、検査装置の調整を十分にするため
の統計的母集団を得るためには3000本以上の製品に
ついて、装置による試験的検査及び目視による確認作業
を行わなくてはならない。加えて、欠陥部分のみなら
ず、実際は欠陥のようでありながら欠陥ではない部分
が、欠陥の数倍以上存在している場合もある。検査装置
はこれらについて、欠陥ではないという判別をする必要
があるので、こうした部位のサンプルについての検査及
び目視確認も必要である。
【0026】以上の作業は膨大であり、サンプルの母集
団が得られない場合は結局前述のような不十分な運用を
せざるを得ない。あるいは検査装置が信頼性の高い結果
を出力しはじめるのに長い時間がかかることになる。
【0027】更に、検査装置が製造プロセスに設置され
てから調整するためには、有る程度生産性を犠牲にして
の調整作業が必要となる場合が多く、生産を優先すれ
ば、検査装置の調整には長い時間を要することとなる。
【0028】そして、上記検査装置を自動化するための
調整方法を効率化する方法についての提案はこれまでな
されていなかった。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の表面検査装
置において、自動検査を実現するためには、非常に多く
の製品についての検査装置と目視による検査結果とを照
合して、検査装置を調整する必要があった。しかしなが
ら、調整のために必要なサンプル数は膨大であり、製品
の生産性を犠牲にするという問題があった。
【0030】また、完全な自動検査を実現するために十
分な調整を行うのは事実上困難であり、表面検査装置は
目視検査を行う検査員の補助的役割を果たすにすぎず、
その性能を十分に発揮できないという問題があった。
【0031】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、その目的は、調整作業を効率化し、短時間で高信
頼性の自動検査を実現できる表面検査装置を提供するこ
とにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載した表面検査装置は、被検査体を製造するプロセスで
用いられ、前記被検査体の表面に発生する欠陥をセンサ
を用いて光学的に検査する表面検査装置であって、前記
センサの出力と製造条件に対応するデータとに基づい
て、欠陥の有無を検出する検出装置と、前記センサから
出力される少なくとも一部の検出データ、及び製造条件
に対応するデータを記録するデジタル方式の記録装置
と、前記記録装置に記録されたデータを再生して出力す
る再生装置とを具備し、前記再生装置で再生したデータ
を、前記検出装置における前記センサからのデータ、及
び製造条件に対応するデータに代えて入力、または別の
検出装置に入力することにより、製造時の検査状況を再
現することを特徴としている。
【0033】また、この発明の請求項2に記載した表面
検査装置は、被検査体を製造するプロセスで用いられ、
前記被検査体の表面に発生する欠陥をセンサを用いて光
学的に検査する表面検査装置であって、前記センサの出
力と製造条件に対応するデータとに基づいて、欠陥の有
無を検出する検出装置と、複数の模擬信号が記録された
デジタル方式の記録装置と、前記記録装置に記録された
模擬信号を再生して出力する再生装置とを具備し、前記
再生装置から出力された模擬信号を、前記検出装置にお
ける前記センサからのデータ、及び製造条件に対応する
データに代えて入力することにより、製造時と同様な検
査状況を含む任意の検査状況を創成することを特徴とし
ている。
【0034】更に、この発明の請求項3に記載した表面
検査装置は、被検査体を製造するプロセスで用いられ、
前記被検査体の表面に発生する欠陥をセンサを用いて検
査する表面検査装置であって、前記センサの出力と製造
条件に対応するデータとに基づいて、欠陥の有無を検出
する検出装置と、前記センサから出力される少なくとも
一部の検出データ、製造条件に対応するデータ、または
模擬信号を記録するデジタル方式の記録装置と、前記記
録装置に記録されたデータまたは模擬信号を再生して出
力する再生装置とを具備し、前記再生装置で再生したデ
ータまたは模擬信号と、前記センサから出力される少な
くとも一部の検出データまたは前記製造条件に対応する
データとを混合して、前記検出装置における前記センサ
からのデータ、及び製造条件に対応するデータに変えて
入力することにより、製造時と同様な検査状況を含む任
意の検査状況を創成することを特徴としている。
【0035】請求項4に記載したように、請求項1乃至
3いずれか1項記載の表面検査装置において、前記被検
査体は、鋼板、条鋼、または鋼管であることを特徴とし
ている。
【0036】請求項1のような表面検査装置によれば、
記録装置に過去のセンサの出力及び製造条件に対応する
データを記録し、この記録されたデータを再生装置によ
り再生することで、検出装置において過去の製造時の検
査状況を再生している。そのため、実際の製造とは無関
係に、過去の検査結果の是非を確認できる。また、検査
装置における欠陥検出の弁別ルールなどを変えてのシミ
ュレーションを行うことで、表面検査装置の評価及び調
整を効率よく行うことが出来る。よって表面検査装置の
高信頼性の自動検査を行うための調整期間を大幅に短縮
できる。
【0037】請求項2のような表面検査装置によれば、
記録装置にセンサの出力及び製造条件に対応する模擬信
号を記録し、この記録されたデータを再生装置により再
生することで、検出装置において新たな検査状況を創成
している。そのため、実際に欠陥の発生を待たずに、様
々な欠陥種についての欠陥検出のシミュレーションを行
うことが出来る。そのため、表面検査装置の評価及び調
整を効率よく行うことが出来、表面検査装置の高信頼性
の自動検査を行うための調整期間を大幅に短縮できる。
【0038】請求項3のような表面検査装置によれば、
記録装置にセンサの出力及び製造条件に対応する模擬信
号を記録し、この記録されたデータを再生装置により再
生し、かつ実際に測定した信号とを混合することで、検
出装置において新たな検査状況を創成している。そのた
め、請求項2と同様に実際に欠陥の発生を待たずに、様
々な欠陥種についての欠陥検出のシミュレーションを行
うことが出来る。更に実際の製造装置の動作と疑似欠陥
とを組み合わせることで、装置全体の調整を効率化でき
るため、表面検査装置の高信頼性の自動検査を行うため
の調整期間を大幅に短縮できる。
【0039】請求項4のように、この発明は、鋼板、条
鋼、または鋼管の製造プロセスに適用できる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、
共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0041】この発明の一実施形態に係る表面検査装置
について図1を用いて説明する。図1は鋼板の表面検査
装置の概略図である。図示するように、表面検査装置は
大きく4つの部位に大別でき、それらは、鋼板表面を観
測するセンサ部20、センサ部20における観測結果と
その観測条件に基づいて鋼板表面の欠陥を検出する検出
部30、前記観測結果及び観測条件を記録し、任意に再
生可能な記録/再生部40、記録/再生部40が再生す
る観測結果及び観測条件に基づいて鋼板表面を再度検査
する予備検出部50である。
【0042】欠陥を検出すべき鋼板10は、ロール11
上に戴置、搬送されており、このロール11には鋼板1
0の搬送距離を測定するためのパルスジェネレータ12
が設けられている。また、鋼板製造時に様々な処理を行
うための製造装置側コンピュータ13が設けられてい
る。
【0043】センサ部20は、鋼板10の表面に光を照
射する光源21と、光源21によって照らされた鋼板1
0上の検査線14の位置を観測するセンサ22とを備え
ている。光源21は例えば光ファイバを櫛状に並べた投
光器であり、センサ22はラインセンサカメラである。
【0044】検出部30は、光源21が出力する光量信
号60、パルスジェネレータが出力するパルスジェネレ
ータ信号61及び製造装置コンピュータが出力する製造
信号62等の様々な外部信号を受ける外部信号入力装置
31、この外部信号入力装置31を経て入力される外部
信号及びセンサ部20が出力するセンサ信号63から、
鋼板10表面の欠陥を検出する検出装置32、検出装置
32による検出結果を表示する表示装置33とを備えて
いる。
【0045】また記録/再生部40は、光源21が出力
する光量信号60、パルスジェネレータが出力するパル
スジェネレータ信号61、製造装置コンピュータが出力
する製造信号62等の様々な外部信号及びセンサ部20
が出力するセンサ信号63をデジタル信号へ変換する入
力信号変換器41、これらの信号を記録、再生する記録
/再生装置42、記録/再生装置42を制御する制御装
置43、記録/再生装置42が再生するデジタル信号を
原信号の形に変換して出力する出力信号変換器44、擬
似的な外部信号及びセンサ信号を生成するための編集用
コンピュータ45とを備えている。なお、記録/再生装
置42は例えば複数のチャネルを有したデジタル記録装
置である。
【0046】更に予備検出部50は、記録/再生部40
の出力信号変換器44が出力する原信号の内、再生光量
信号60’、再生パルスジェネレータ信号61’、再生
製造信号62’等の再生外部信号を受ける予備外部信号
入力装置51、この予備外部信号入力装置51を経て入
力される再生外部信号、及び出力信号変換器43が出力
する再生センサ信号63’から鋼板表面の欠陥を再度検
出する、または検出部30の検出結果を確認する予備検
出装置52、予備検出装置52による検出結果を表示す
る予備表示装置53とを備えている。
【0047】次に上記構成の表面検査装置の動作につい
て説明する。
【0048】まず、鋼板10がロール11上に戴置、搬
送される。センサ部20の光源21は鋼板10の検査線
14に光を照射し、その位置をセンサ22が観測する。
このセンサ22で得られたセンサ信号63は、検出部3
0の検出装置32へ送られる。また、光源21の光量レ
ベルを示す光量信号60、鋼板10の搬送距離を知るた
めのパルスジェネレータ信号61、及び鋼板製造に必要
な製造装置側コンピュータ13からの製造信号62等の
外部信号が、検出部30の外部信号入力装置31を介し
て検出装置32へ送られる。検出装置32ではこれらの
信号から、鋼板10の欠陥の検出処理が行われる。
【0049】同時に、センサ信号63、及び光量信号6
0、パルスジェネレータ信号61、製造信号62等の外
部信号は記録/再生部40へも送られる。これらの信号
はまず入力信号変換器41へ入力される。入力信号変換
器41は、例えばセンサ信号63はアナログ信号、パル
スジェネレータ信号61はデジタル信号、光量信号60
はリレー接点信号といったようにそれぞれ異なる仕様の
信号を、全てデジタル信号に変換する。こうしてデジタ
ル信号化された各信号は記録/再生装置42に記録され
る。このように、実際の検査において検出部30の検出
装置32に入力される全ての信号が、記録/再生装置4
2に所定の時間分記録される。
【0050】記録の終了後、記録/再生装置42は記録
を再生して予備検出部50へ送出する。記録/再生装置
42が再生した各デジタル信号は、まず出力信号変換器
44で各々の原信号と同様の仕様の信号に変換される。
それらの信号は、実際の検査の際と同様に、再生光量信
号60’、再生パルスジェネレータ信号61’、及び再
生製造信号62’は予備外部信号入力装置51を介して
予備検出装置52へ入力され、再生センサ信号63’は
直接予備検査装置52へ入力される。予備検出装置52
では、これらの信号に基づいて当該信号に相当する鋼板
の欠陥検査を行う。
【0051】上記表面検査装置における記録/再生装置
42を制御装置43で操作することで、以下の作業が可
能となる。
【0052】(1)任意の検査箇所の記録データを再生
することで、当該検査状態の再現が可能であり、予備表
示装置で欠陥部分の画像を目視しながら、検出部の検出
装置の検査結果とを照合する。
【0053】(2)予備検査装置内では例えばセンサ信
号を2値化するなどの処理が行われるが、2値化のしき
い値を変えるなど、検出条件を自由に変えて、繰り返し
再現試験をする。
【0054】(3)編集用コンピュータ45を用いて、
記録されたセンサ信号を加工するか、または新たに作成
して、仮想的な欠陥信号を再生することで、実際にはサ
ンプルを集め難い欠陥に対する検出シミュレートをおこ
なう。
【0055】(4)編集用コンピュータ45を用いて、
記録された外部信号を加工するか、または新たに作成し
て、様々な検査状況のシミュレートを行う。
【0056】上記のような装置及び方法によれば、実際
の鋼板10の表面の欠陥検出処理に必要な全ての信号
を、記録/再生装置42にて記録している。そしてその
記録を再生して予備検出装置52へ出力している。その
ため、(1)、(2)に記載したように、検査装置本体
とは無関係に予備検出装置52を用いて、表面検査装置
の性能の評価と調整を進めることが出来る。また、現在
の調整で、表面検査装置が見過ごした欠陥があっても、
原信号を再生することで再調整が可能となる。更に、製
造を阻害することなく欠陥サンプルの信号を次々に収集
可能であり、加えて、(3)、(4)に記載したよう
に、疑似信号を用いて実際には発生し難い欠陥に対する
シミュレーションを行うことで、実際の欠陥の発生を待
つことなく調整を進められる。また、所望の製造条件に
おけるシミュレーションを行うことで、製造装置全体を
実際にその条件に変更することを必要としない。そし
て、予備検出部50で得られた調整の結果は、例えば図
示しないネットワークを通じて、直ちに実際の検出部の
設定に反映させることが可能である。よって、従来は膨
大な手間と時間を要した表面検査装置の性能評価と調整
の大幅な効率化を図ることが出来、時間の短縮を図るこ
とが出来る。
【0057】次に、上記実施形態に係る表面検査装置の
第1の応用例として、図1の表面検査装置を、鋼板の途
切れることのない冷間圧延プロセスに適用場合について
説明する。
【0058】すなわち、図示しないランプの光をバンド
ルファイバーに入射し、ファイバーを鋼板10の幅方向
に並べた構造の光源21によって、シート状に鋼板10
の表面の検査線14を照らす。センサ22には4096
画素子のラインセンサカメラを用いている。このセンサ
22の出力は検査線14の1次元イメージをアナログ信
号として、検出部30の検出装置32へ送られる。ま
た、パルスジェネレータ12から送られるパルスジェネ
レータ信号61等の種々の外部信号は、外部信号入力装
置31を介して検出装置32へ入力される。そして、検
出装置32はこれらの信号から画像を構成し、現段階に
おける感度及び欠陥の弁別ルールに基づいて、鋼板10
の欠陥を検出する。オペレータは当該検出結果を表示装
置33により知ることが出来る。
【0059】しかし、現段階における表面検出装置の感
度及び弁別ルールは未完成であるため、当該検出結果が
適当か否かを確認する必要がある。一方で、冷間圧延プ
ロセスでは、製造ラインにおいて製品が途切れることが
ない。そのため、検出結果の確認のために検出装置32
の検出動作を停止させることは、鋼板10の品質検査に
重大な影響を及ぼす。そのため、出来るだけ製造に影響
を及ぼさないように検査装置の調整を進めて、より信頼
性を上げなければならない。
【0060】そこで、鋼板10の製造装置及び検出部3
0により行われている、現在製造中の鋼板についての欠
陥検出処理とは無関係に、記録/再生部40及び予備検
出装置50を用いて本表面検査装置の評価及び調整を行
う。
【0061】センサ信号63及び種々の外部信号は、検
出部30のみならず、当該信号をデジタル信号に変換す
る記録/再生部40の入力信号変換器41を介して、記
録/再生装置42に記録される。ここで、例えば鋼板1
0の幅は最大2000mm、搬送速度は毎分0乃至20
0mである。流れ方向分解能は2mmであり、センサ2
2の輝度分解能は256階調である。従って、1000
mmあたり2Mbytes(=4096画素×500ラ
イン×1byte)、1000mの製品につき2Gby
tesのセンサ信号63が記録/再生装置42に記録さ
れる。記録/再生装置42は他に、パルスジェネレータ
12等からの外部信号も同期的にデジタル記録する。
【0062】そして、記録/再生装置42に記録された
信号を、出力信号変換器44を介して予備検出部50へ
出力する。オペレータは、これらの信号に基づいて予備
検出装置52が構成した鋼板10の表面の画像を予備表
示装置53により見ることが出来る。そして、検出装置
32の検出結果が適当であったかどうかを確認出来る。
更に、予備検出装置52の感度及び弁別ルールを様々に
変えて欠陥検出のシミュレーションを行うことで、表面
検査装置の調整を行う。また、記録/再生装置42に
は、実際のセンサ信号63及び種々の外部信号だけでな
く、編集用コンピュータ45により作成された、擬似的
な欠陥を表す欠陥信号を制御装置43を介して記録出来
る。そのため、発生頻度の少ない欠陥種については、こ
の疑似欠陥信号を用いたシミュレーションを行うこと
で、欠陥検出のための弁別ルールを容易に確立出来る。
この予備検出部50による調整は、鋼板10の製造プロ
セス及び検出部30とは無関係に行われている。すなわ
ち、予備検出部50による調整が行われている間も、鋼
板10の製造は行われており、該鋼板10の表面の欠陥
検出も検出部30によって行われており、上記調整によ
り鋼板10の製造が妨げられることはない。
【0063】以上のような表面検査装置の調整方法を、
同様な検査装置を従来の方法で調整した場合と比較し
て、表1に示すような調整作業の効率化効果が得られ
た。
【0064】
【表1】
【0065】表1は、表1右端の検出率を得るために要
した各種の手間をまとめたものである。例えば、従来方
法で欠陥の検出率70%を得るためには、総調整期間に
10ヶ月を要した。一方、本実施形態による装置と方法
では、検査装置による自動検査実用化の目安である検出
率95%を得た上で、総調整期間は2ヶ月で済んだ。調
整期間の短縮に成功した要因は、表1の「コイル数」、
「実欠陥数」、及び「疑似欠陥数」の相違である。従来
方法では実欠陥サンプルの収集にも手間がかかるが、そ
れ以上に試験にも手間がかかる。なぜなら試験は製造を
停止してセンサ22の下部にサンプルをおいて実施する
必要があるからである。センサ22を製造ラインの横に
引き出せるような工夫をしてある場合でも、手間は同様
である。疑似欠陥による試験も、例えば鋼板10にヤス
リで欠陥らしく加工した疑似欠陥サンプルを数多く用意
する必要がある。一方で本発明の装置と方法では、実欠
陥の信号と、例えばそれらをパソコンの一般的な画像編
集用のソフトウェアにて加工した疑似欠陥信号とを用い
て繰り返し試験することで、従来方法より大幅に少ない
手間で、かつ短時間に調整を進めることが出来る。
【0066】表1における疑似欠陥数の差は、製造で発
生が予想される欠陥に対する検査装置の信頼性評価に大
きく影響し、結果として本発明による方法では高い検出
率を得ることが出来る。
【0067】また、欠陥のあった製品を再度通過させて
検査装置の性能を確認する作業や、目視のために製造プ
ロセスを減速するなどの製造阻害も激減させることが出
来た。加えて、顧客の使用段階において、過去の調整状
態で見逃した欠陥があったことが判明しても、該当記録
を再生して、最適な検査条件に再設定することが出来、
以降の欠陥流出をくい止めることが出来る。このような
状況には、従来方法では全く対応不可能であった。これ
は、欠陥検出に必要な信号の全てを記録/再生装置42
に記録し、この記録を再生することで、予備表示装置5
3に当該信号に相当する鋼板10の表面の画像を得るこ
とが出来、あたかも過去に検出を行った鋼板を再度通過
させているのと同様の状況を再現できるからである。
【0068】次に、表面検査装置の第2の応用例とし
て、熱間圧延プロセスに適用した場合について、図2を
用いて説明する。
【0069】図2は鋼板の熱間圧延プロセスにおける表
面検査装置の概念図である。熱間圧延プロセスは、冷間
圧延プロセスと異なり、一般に数百m乃至数km毎に製
品が途切れて圧延される。このようなプロセスでは、鋼
板が通過していない時間は表面検査装置は稼働していな
い。そこで、表面検査装置の調整にそれ自身を用いてい
る。そのため、熱間圧延プロセスにおける表面検査装置
の構成は、図2に示すように、第1の応用例で説明した
冷間圧延プロセスで用いた予備検出部50を必要としな
い。その他の構成は第1の応用例と同様であるため、説
明を省略する。
【0070】表面検査装置は、鋼板10の通過中はセン
サ信号63及びパルスジェネレータ信号61等の外部信
号を受けて、検出装置32で鋼板10の表面の欠陥検出
を行うと同時に、当該信号を記録/再生装置42に記録
する。
【0071】次に、一製品が通過し、鋼板10が途切れ
ている間の様子を図3に示す。鋼板10のない時間は、
センサ信号63及び外部信号は検出部30及び記録/再
生部40へは入力されない。そのかわり、鋼板10が通
過している際に記録された記録/再生装置42からの各
々の再生信号、または編集用コンピュータ45で作成し
た疑似欠陥信号等が検出部30へ入力される。そしてオ
ペレータは検出部30において、第1の応用例で説明し
たように、欠陥検出の確認及び調整を進める。
【0072】熱間圧延プロセスでは、図示しない鋼板の
巻き取り装置付近に目視検査場所があり、例えば圧延ロ
ールの異常が鋼板に転写して発生する周期性の欠陥につ
いての情報等が、当該鋼板の通過後数分以内に得られ
る。もし検出装置32がその欠陥を検出していなかった
り、あるいは過剰なグレードで検出していた場合、至近
の鋼板のない時間に当該鋼板の記録を再生して確認作業
を行う。こうして熱間圧延プロセスでも検査装置の性能
評価と調整を効率的に行うことが出来る。
【0073】鋼板の熱間圧延プロセスでは、スケールと
呼ばれる酸化物の層が鋼板の表面に急速に成長するた
め、圧延プロセス直後に検査した結果と、鋼板が冷えて
スケールが成長しきった状態での目視検査の結果とでは
整合が取りにくい。すなわち、冷えて表面の状態がプロ
セス中とは大きく異なった切り出しサンプルによる調整
はほとんど意味がないので、検査時の信号を再生可能な
本システムは有効性が特に高いということができる。ま
た、品種毎に専用化が進んでいる冷間と異なり、材料の
品種や厚みが多様であり、検査条件も多様となる。ま
た、鋼板の表面温度なども検査条件の重要な項目である
ので、本発明の装置構成にて、温度条件に依存した2値
化しきい値のシミュレート等が可能となり、調整作業が
効率化出来る。
【0074】次に、表面検査装置の第3の応用例を図4
を用いて説明する。図4は、実際の製造装置からの信号
と、記録/再生装置からの信号とを混合して使用してい
るものである。
【0075】製造装置からの信号には、何らかの通信回
線を通じての鋼板製造番号、ロールの回転数を拾うパル
スジェネレータ信号、鋼板と次の鋼板とを接合している
溶接点部分のトラッキング信号、切断機からの信号など
があり、多種多様である。本発明の装置では、疑似欠陥
信号に限らず、製造装置からのこうした信号に対するシ
ミュレーションも可能であるが、検査装置の動作検証に
は、製造装置からの信号は実信号を取り入れたほうが手
間が省ける場合が多い。
【0076】図4はその応用例であり、鋼板製造の最終
工程に近い、鋼板切断装置付近に表面検査装置を設置し
ており、図示するように、鋼板10の切断機15の手前
の位置に、表面検査装置のセンサ部20が設けられてい
る。装置の仕様は第2の応用例に示したものとほぼ同様
であるが、2台のセンサ22、22’を用いて板幅方向
の分解能を向上させている。センサ22、22’は、例
えば4096画素のラインセンサカメラである。この2
台のセンサ22、22’の出力のうち、センサ22から
のセンサ信号63は鋼板10の表面の実欠陥データとし
て検出部30の検出装置32へ入力される。しかし、も
う一方のセンサ22’から出力されるセンサ信号65
は、外部信号入力装置31を介して検出装置32へ入力
される。すなわち、センサ22’のセンサ信号65は鋼
板10の実欠陥データとしては使用せず、外部信号とし
て使用する。検出装置32へはセンサ22から鋼板10
の検査線14における半分のデータ量しか入力されない
ため、残りの半分のデータとしては、記録/再生部40
からの疑似欠陥信号63’が入力される。上記のよう
に、一方のセンサ信号63のみを実欠陥データとして検
出装置32へ入力し、他方のセンサ信号65を外部信号
として扱う理由は、カメラは鋼板10の表面の平均明る
さをも検知し、図示しない回線にて表面検査装置が光源
21の明るさの制御を行っており、この機能を実際に動
作させるためである。
【0077】また、製造装置からの信号には、パルスジ
ェネレータ信号61、切断機信号64、及び製造装置側
コンピュータからの製造番号や検査条件の設定値などの
信号62がある。これら外部信号は製造条件などによっ
て様々にタイミングと順序が変わるので、表面検査装置
全体の調整には早い段階で図の如く実際の信号を取り入
れた方が不具合の発見と修正がより早く行える。
【0078】特に、鋼板の切断機15付近では、鋼板の
不要部分のカット長さが製品ごとに変動するため、製品
と次の製品との区切りについての取り扱いが複雑であ
る。表面検査の結果をカット前後のどちらの製品に組み
込むのか、あるいは欠陥部分のみをカットしてしまうの
かによって、検査装置が最終的に出力する欠陥情報を変
えねばならないからである。更に、欠陥が大きく、カッ
ト前後の両製品にまたがってしまう場合は、表面検査装
置が鋼板の搬送速度を減速させる信号を出力したり、欠
陥検出結果を鋼板のカット分だけ削除したりといった複
雑な処理が必要であり、欠陥検出結果の取り扱いも難し
い。
【0079】このように、製造装置と直結した、全体と
しての動作確認は、実際の欠陥を待っていてもなかなか
実施できない。そこで2台のセンサからのセンサ信号の
うちの1つについては記録/再生装置からの疑似欠陥信
号に置き換え、切断機付近での動作確認を実施すること
で、実際の欠陥発生を待つことなく短期間で動作の確認
と不具合の修正を完了出来る。
【0080】上記のように、表面検査装置に記録/再生
部を設け、この記録/再生部に過去の観測データまたは
疑似データを記録させ、該データを再生することによ
り、過去、または擬似的な観測状況を再生、または創成
することができる。この観測状況を用いて欠陥検出のた
めの表面検査装置の感度及び弁別ルールの調整を行うこ
とで、自動検査のための調整作業を効率化でき、短時間
で自動検査を実現できる。
【0081】なお、本実施形態においては、センサ信号
と検査装置に必要な他の外部信号とを記録/再生する装
置を有し、記録した信号を任意に再生可能であることが
重要であり、センサ部30にはどの様な構成を用いても
良い。しかしながら、記録/再生装置42は任意データ
の再生、加工、新たな記録という作業を効率的に行うた
め、デジタル方式であることが必須である。更に、装置
構成においては、予備検出部50に全く別な検査装置を
用意しても良い。このような構成では、例えば既存の検
査装置を生かしたまま、新規に開発を進めている装置の
性能確認も容易である。もちろん、記録/再生装置と媒
体を別途用意すれば、予備検出部が現在の検査装置と直
結している必要はなく、全く別な場所で記録を再生し、
調整を行っても良い。また、本実施形態にでは鋼板の製
造プロセスを例に挙げて説明したが、鋼板に限らず条
鋼、鋼管などの製造プロセスにも適用できるのは言うま
でもなく、勿論、金属材料の製造プロセスにのみ限定さ
れるものでもなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で
適宜変形して実施することが出来る。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、高信頼性の自動検査を実現するための調整作業を効
率化し、短時間で確実に作動できる表面検査装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態及びその第1の応用例に
係る表面検査装置について説明するためのもので、表面
検査装置の概念図。
【図2】この発明の一実施形態の第2の応用例に係る表
面検査装置について説明するためのもので、熱間圧延プ
ロセスにおいて、鋼板通過中の表面検査装置の概念図。
【図3】この発明の一実施形態の第2の応用例に係る表
面検査装置について説明するためのもので、熱間圧延プ
ロセスにおいて、鋼板非通過中の表面検査装置の概念
図。
【図4】この発明の一実施形態の第3の応用例に係る表
面検査装置について説明するためのもので、鋼板切断機
付近の表面検査装置の概念図。
【図5】従来の表面検査装置について説明するためのも
ので、表面検査装置の機能ブロック図。
【符号の説明】
10…鋼板 11…ローラ 12…パルスジェネレータ 13…製造装置側コンピュータ 14…検査線 15…切断機 20…センサ部 21…光源 22、22’…センサ 30…検出部 31…外部信号入力装置 32…検出装置 33…表示装置 40…記録/再生部 41…入力信号変換器 42…記録/再生装置 43…制御装置 44…出力信号変換器 45…編集用コンピュータ 50…予備検出部 51…予備外部信号入力装置 52…予備検出装置 53…予備表示装置 60、60’…光量信号 61、61’…パルスジェネレータ信号 62、62’…製造信号 63、63’、65…センサ信号 64…切断機信号 100a、100b…検査部 200a、200b…オペレータ支援部 210a、210b…支援部コントローラ 220a、220b、430…CRT 230a、230b…タッチパネル 300…制御部 310a、310b…検出部 320a、320b…長さ判別部 330…検出コントロール部 340…入力コントロール部 400…監視部 410…監視部コントローラ 420…検査表印字部 440…キーボード 500…被検査物 600…LANケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 陶山 恒夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G051 AA37 AA44 AB07 CA03 CA11 CB01 DA13 EA11 EA12 EA14 EB01 EC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体を製造するプロセスで用いら
    れ、前記被検査体の表面に発生する欠陥をセンサを用い
    て光学的に検査する表面検査装置であって、 前記センサの出力と製造条件に対応するデータとに基づ
    いて、欠陥の有無を検出する検出装置と、 前記センサから出力される少なくとも一部の検出デー
    タ、及び製造条件に対応するデータを記録するデジタル
    方式の記録装置と、 前記記録装置に記録されたデータを再生して出力する再
    生装置と を具備し、 前記再生装置で再生したデータを、前記検出装置におけ
    る前記センサからのデータ、及び製造条件に対応するデ
    ータに代えて入力、または別の検出装置に入力すること
    により、製造時の検査状況を再現することを特徴とする
    表面検査装置。
  2. 【請求項2】 被検査体を製造するプロセスで用いら
    れ、前記被検査体の表面に発生する欠陥をセンサを用い
    て光学的に検査する表面検査装置であって、 前記センサの出力と製造条件に対応するデータとに基づ
    いて、欠陥の有無を検出する検出装置と、 複数の模擬信号が記録されたデジタル方式の記録装置
    と、 前記記録装置に記録された模擬信号を再生して出力する
    再生装置と を具備し、 前記再生装置から出力された模擬信号を、前記検出装置
    における前記センサからのデータ、及び製造条件に対応
    するデータに代えて入力することにより、製造時と同様
    な検査状況を含む任意の検査状況を創成することを特徴
    とする表面検査装置。
  3. 【請求項3】 被検査体を製造するプロセスで用いら
    れ、前記被検査体の表面に発生する欠陥をセンサを用い
    て検査する表面検査装置であって、 前記センサの出力と製造条件に対応するデータとに基づ
    いて、欠陥の有無を検出する検出装置と、 前記センサから出力される少なくとも一部の検出デー
    タ、製造条件に対応するデータ、または模擬信号を記録
    するデジタル方式の記録装置と、 前記記録装置に記録されたデータまたは模擬信号を再生
    して出力する再生装置とを具備し、 前記再生装置で再生したデータまたは模擬信号と、前記
    センサから出力される少なくとも一部の検出データまた
    は前記製造条件に対応するデータとを混合して、前記検
    出装置における前記センサからのデータ、及び製造条件
    に対応するデータに変えて入力することにより、製造時
    と同様な検査状況を含む任意の検査状況を創成すること
    を特徴とする表面検査装置。
  4. 【請求項4】 前記被検査体は、鋼板、条鋼、または鋼
    管であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項
    記載の表面検査装置。
JP2000348180A 2000-11-15 2000-11-15 表面検査装置 Expired - Fee Related JP3675334B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000348180A JP3675334B2 (ja) 2000-11-15 2000-11-15 表面検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000348180A JP3675334B2 (ja) 2000-11-15 2000-11-15 表面検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002156333A true JP2002156333A (ja) 2002-05-31
JP3675334B2 JP3675334B2 (ja) 2005-07-27

Family

ID=18821803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000348180A Expired - Fee Related JP3675334B2 (ja) 2000-11-15 2000-11-15 表面検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3675334B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004058296A (ja) * 2002-07-25 2004-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 印刷検査のシミュレーション装置および印刷検査のシミュレーション方法
JP2004096742A (ja) * 2002-08-13 2004-03-25 Hitachi Kokusai Electric Inc 物体検出方法及び物体検出装置並びに監視システムのメンテナンス方法及び物体検出装置のメンテナンス方法
JP2005043235A (ja) * 2003-07-23 2005-02-17 Fuji Xerox Co Ltd 印刷物検査装置、及び印刷物検査プログラム
JP2007083300A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 材質記録装置
JP2007303992A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Ikegami Tsushinki Co Ltd 感度ファイル自動設定装置及びそれを備えた物品の外観検査装置
JP2008026072A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Mec:Kk 欠陥検査装置及び欠陥検査方法
US7382896B2 (en) 2002-08-13 2008-06-03 Hitachi Kokusai Electric Inc. Object detection method and apparatus which perform object detection using set parameters
JP2008238274A (ja) * 2007-02-28 2008-10-09 Jfe Steel Kk 熱間圧延における近赤外線カメラを用いた熱延金属帯の品質判定方法、熱延金属帯の製造方法
JP2009078289A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Jfe Steel Kk 熱間圧延における近赤外線カメラを用いた熱延金属帯の欠陥検出方法およびそれを用いた熱延金属帯の製造方法
JP2010112846A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Jfe Steel Corp 表面検査装置の調整方法および装置
JP2010112847A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Jfe Steel Corp 熱間圧延鋼板の表面欠陥検査装置
US9950347B2 (en) 2013-02-22 2018-04-24 Korsch Ag Individual sorting device for sorting tablets, system with such an individual sorting device and with a tableting device, and method for checking an individual sorting device
US10386309B2 (en) 2015-06-02 2019-08-20 Sapotech Oy Method and apparatus for determining features of hot surface
WO2023166937A1 (ja) * 2022-03-02 2023-09-07 オムロン株式会社 ワークの傷検出のシミュレーションを実行する装置、当該シミュレーションを実行する方法、および、当該シミュレーションを実現するプログラム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04301550A (ja) * 1991-03-28 1992-10-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 表面疵検査方法
JPH05322791A (ja) * 1991-12-27 1993-12-07 Sumitomo Metal Ind Ltd 疵検査装置
JPH0955929A (ja) * 1995-08-17 1997-02-25 Sumitomo Metal Ind Ltd 画像記録再生装置
JPH1164046A (ja) * 1997-08-22 1999-03-05 Ando Electric Co Ltd 信号記録再生装置
JPH11331766A (ja) * 1998-05-15 1999-11-30 Omron Corp 設備ロギング装置
JP2000250621A (ja) * 1999-03-03 2000-09-14 Omron Corp ロギング装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04301550A (ja) * 1991-03-28 1992-10-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 表面疵検査方法
JPH05322791A (ja) * 1991-12-27 1993-12-07 Sumitomo Metal Ind Ltd 疵検査装置
JPH0955929A (ja) * 1995-08-17 1997-02-25 Sumitomo Metal Ind Ltd 画像記録再生装置
JPH1164046A (ja) * 1997-08-22 1999-03-05 Ando Electric Co Ltd 信号記録再生装置
JPH11331766A (ja) * 1998-05-15 1999-11-30 Omron Corp 設備ロギング装置
JP2000250621A (ja) * 1999-03-03 2000-09-14 Omron Corp ロギング装置

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004058296A (ja) * 2002-07-25 2004-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 印刷検査のシミュレーション装置および印刷検査のシミュレーション方法
US7382896B2 (en) 2002-08-13 2008-06-03 Hitachi Kokusai Electric Inc. Object detection method and apparatus which perform object detection using set parameters
JP2004096742A (ja) * 2002-08-13 2004-03-25 Hitachi Kokusai Electric Inc 物体検出方法及び物体検出装置並びに監視システムのメンテナンス方法及び物体検出装置のメンテナンス方法
JP2005043235A (ja) * 2003-07-23 2005-02-17 Fuji Xerox Co Ltd 印刷物検査装置、及び印刷物検査プログラム
JP4507523B2 (ja) * 2003-07-23 2010-07-21 富士ゼロックス株式会社 印刷物検査装置、及び印刷物検査プログラム
JP2007083300A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 材質記録装置
JP4712607B2 (ja) * 2006-05-12 2011-06-29 池上通信機株式会社 感度ファイル自動設定装置及びそれを備えた物品の外観検査装置
JP2007303992A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Ikegami Tsushinki Co Ltd 感度ファイル自動設定装置及びそれを備えた物品の外観検査装置
JP2008026072A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Mec:Kk 欠陥検査装置及び欠陥検査方法
JP2008238274A (ja) * 2007-02-28 2008-10-09 Jfe Steel Kk 熱間圧延における近赤外線カメラを用いた熱延金属帯の品質判定方法、熱延金属帯の製造方法
JP2009078289A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Jfe Steel Kk 熱間圧延における近赤外線カメラを用いた熱延金属帯の欠陥検出方法およびそれを用いた熱延金属帯の製造方法
JP2010112846A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Jfe Steel Corp 表面検査装置の調整方法および装置
JP2010112847A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Jfe Steel Corp 熱間圧延鋼板の表面欠陥検査装置
US9950347B2 (en) 2013-02-22 2018-04-24 Korsch Ag Individual sorting device for sorting tablets, system with such an individual sorting device and with a tableting device, and method for checking an individual sorting device
EP2958741B1 (de) * 2013-02-22 2019-07-24 Korsch AG Einzelsortiervorrichtung zur sortierung von tabletten, system mit einer solchen einzelsortiervorrichtung und mit einer tablettiervorrichtung und verfahren zur überprüfung einer einzelsortiervorrichtung
US10386309B2 (en) 2015-06-02 2019-08-20 Sapotech Oy Method and apparatus for determining features of hot surface
WO2023166937A1 (ja) * 2022-03-02 2023-09-07 オムロン株式会社 ワークの傷検出のシミュレーションを実行する装置、当該シミュレーションを実行する方法、および、当該シミュレーションを実現するプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3675334B2 (ja) 2005-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3675334B2 (ja) 表面検査装置
EP0279654B1 (en) Method of and means for inspecting workpieces traveling along a production line
US6842656B1 (en) Method and device for the process-optimizing regulation of parameters in a production process
JP2000028547A (ja) 鋼板の表面欠陥検査装置
CN113578972B (zh) 一种热轧产品质量追溯方法及装置
KR100838722B1 (ko) 열간압연공정에서의 스트립표면 결함부 검색장치
KR101478185B1 (ko) 스트립 피스의 표면 검사 방법 및 그 장치
CN106970145A (zh) 带钢内部缺陷检测装置的传感器调节方法及装置
JP2003329600A (ja) 鋼板の品質管理方法
JPH04238592A (ja) 結束棒鋼自動検数装置
EP0354782A2 (en) Image processor for detecting incomplete articles
US6542240B2 (en) Method of identifying defective roll on a strip processing line
JPS618610A (ja) 鋼板表面検査装置
KR200236696Y1 (ko) 콘크리트 구조물의 크랙 검출 및 영상처리장치
JP2004150908A (ja) 非破壊検査方法およびそのシステム
JPH0989809A (ja) 冷延鋼板のエッジ割れ欠陥検出方法
JPH04224017A (ja) 疵原因ロールの検出方法
JP2002090306A (ja) 表面検査装置の自己診断方法
JPH05249051A (ja) 分塊圧延材の溶削不良検知装置
JP2535257B2 (ja) ストリップの表面欠陥検査装置
JP2002090307A (ja) 表面欠陥検査装置の検査結果表示方法及び表面欠陥検査装置
KR100836451B1 (ko) 열간압연공정에서 롤마크 표면결함 감소방법
JPH0663985B2 (ja) 表面欠陥検査装置
JPH0466225A (ja) 熱間圧延鋼片の表面欠陥検査方法および装置
JPH03118913A (ja) 電解洗浄ラインにおける疵情報に基ずく次工程での金属板表面検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees