JP2002155461A - 耐熱性布帛およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性布帛およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高温下でも高い剛性を有し、かつ、
耐薬品性にも高い耐熱性布帛を提供せんとするものであ
る。 【解決手段】本発明の耐熱性布帛は、耐熱性繊維を主と
する布帛であって、該布帛の繊維の少なくとも交点が無
機バインダーにより固着されていることを特徴とするも
のであり、かかる耐熱性布帛の製造方法は、耐熱性繊維
を主とする布帛に、珪酸ナトリウム水溶液を含浸した
後、二酸化炭素が存在する雰囲気下で乾燥し、該布帛の
繊維同士の少なくとも交点を酸化珪素で固着することを
特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐熱性およ
び耐薬品性を兼ね備える上に、高温下での形態保持性に
優れた耐熱性布帛に関する。とりわけ本発明の耐熱性布
帛は、高温下、薬品存在下で使用されるのに好適な、プ
リーツ型バグフィルターの濾布に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばゴミ焼却炉、石炭ボイラ
ー、金属溶融炉などから排出されるダストを集塵するた
めのフィルターとして、周知のようにバグフィルターが
用いられてきた。特に、上記に例示したような炉では、
排ガスの温度が130℃〜250℃の高温であることか
ら、フィルター濾材に耐熱性が要求される。また、用途
によっては、排ガス中には薬品も含まれるため、耐薬品
性も要求される。従来、このような耐熱性、耐薬品性の
要求される濾布には、ポリフェニレンサルファイド(以
下PPSという)繊維、メタアラミド繊維、ポリイミド
繊維、フッ素繊維あるいはガラス繊維などの素材を用い
て、基布とウェブを積層し、ニードルパンチや噴射水流
等によって繊維を絡合させることによって得られるフェ
ルトが用いられてきた。
【0003】近年、濾過効率のアップならびに集塵機の
小型化の目的から、濾材の濾過面積を大きくすることが
求められるようになり、濾材にプリーツ加工を施すこと
によって濾過面積を増大することが考えられてきた。と
ころが、従来のフェルトでは剛性が不足するので、プリ
ーツ加工ができないとともに、プリーツの形状を維持す
ることができない問題点があった。
【0004】かかる問題を解決する一手法を提供するも
のとして、PPS繊維からなる不織布に、合成樹脂を含
浸して、剛性を高めた濾布が、特開平11−15877
6号公報で提案された。また、USP6103643で
も同様な濾布が提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この合
成樹脂含浸不織布には、含浸されている樹脂が合成樹脂
であるため、高温下では剛性が低下し、プリーツの形態
保持性に不満が残るとともに、耐薬品性に不満が残ると
いう問題があった。
【0006】さらには、この合成樹脂含浸不織布は高温
下で長時間暴露されると、強度劣化が促進されるという
問題があった。
【0007】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑
み、高温下でも高い剛性を有し、かつ、耐薬品性も高い
耐熱性布帛を提供せんとするものである。
【0008】さらには、高温下で長時間暴露されても強
度劣化の少ない耐熱性布帛を提供せんとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の耐熱性布帛は、耐熱性繊維を主
とする布帛であって、該布帛の繊維の少なくとも交点が
無機バインダーにより固着されていることを特徴とする
ものであり、かかる耐熱性布帛の製造方法は、耐熱性繊
維を主とする布帛に、珪酸ナトリウム水溶液を含浸した
後、二酸化炭素が存在する雰囲気下で乾燥し、該布帛の
繊維同士の少なくとも交点を酸化珪素で固着することを
特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり高温
下でも高い剛性を有し、かつ、耐薬品性にも高い耐熱性
布帛について、鋭意検討し、耐熱性繊維製布帛を、無機
バインダーを用いて固着してみたところ、意外にも、か
かる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0011】さらには、耐熱性繊維布帛に、無機バイン
ダーが含浸され、該布帛の繊維の少なくとも交点が無機
バインダーにより固着された耐熱性布帛は、高温下で長
時間暴露されても強度劣化が著しく改善することを見い
だしたものである。
【0012】本発明は、合成樹脂バインダーでは無く、
無機バインダーを用いるところに、本発明の最大のポイ
ントを有するものであり、かかる無機バインダーを用い
たからこそ、優れた耐熱性と耐薬品性を同時に満足する
布帛を提供することができたものである。
【0013】さらに、かかる無機バインダーを用いたか
らこそ、大きな剛性を付与することができたものであ
る。すなわち、高温下においても、大きな剛性を維持す
るとともに、該高温下に長期間放置されても、剛性の低
下が極めて少なく、各種物性をそのまま維持することが
できるという特徴を発揮せしめ得たものである。
【0014】かかる無機バインダーとしては、セメント
や水ガラスなどのいずれの無機バインダーをも用いるこ
とができるが、水ガラスが好適に用いられる。かかる水
ガラスとは、式1に示す珪酸ナトリウム水溶液のことで
あり、式2の反応式によって反応後は、ガラスすなわち
酸化硅素となるものである。
【0015】 珪酸ナトリウム水溶液:Na2 O・nSiO2 ・xH2 O (式1) 珪酸ナトリウムの反応式:Na2 O・nSiO2 +CO2 →Na2 CO3 +nSiO2 (式2) (上記式中、nは1以上の整数であり、通常1〜5であ
る。また、xは1以上の整数であり、水溶液の濃度によ
りいかようにも調整できる。) 従って、水ガラスをバインダーとして用いて布帛に含浸
し、二酸化炭素が存在する雰囲気下で乾燥し、反応した
後には、繊維同士の少なくとも交点が酸化珪素によって
固着されることになる。ここで、二酸化炭素が存在する
雰囲気下とは、通常の大気または空気を含むものであ
る。かかる大気中(空気中)には、1%程度の二酸化炭
素(CO2 )を含むものであり、密閉系でなければ、該
反応が完結するまで、周囲から十分に供給されるもので
あるからである。
【0016】かくして得られた酸化珪素には、炭酸ナト
リウムという不純物が含まれるが、本発明の目的である
該耐熱性繊維を主体とする布帛の該繊維同士を固着、固
定する上からは、この不純物は全く問題にはならない。
酸化珪素とはすなわちガラスであるので、耐熱性も高
く、耐薬品性も高いことは言うまでもなく、本発明の目
的を申し分なく達成することができるものである。
【0017】これら無機バインダーは、布帛を構成する
繊維同士の少なくとも交点に固着されており、繊維と繊
維の相対運動を抑制するので、布帛に剛性を付与するこ
とができる。固着の状態は、繊維と繊維の交点に水掻き
状に固着していても、点状に固着していても構わない
が、水掻き状に固着している方が物理的な変形に対する
抵抗力が高いために好ましい。
【0018】本発明に用いる耐熱性繊維を主とする布帛
は、織物、編物、不織布などいずれの組織の布帛構造の
ものであっても、剛性を有し、耐熱性および耐薬品性を
同時に満足するものであり、フィルター濾材として用い
ることができるが、不織布であるのが、フィルターの捕
集効率を高くする上から好ましい。
【0019】かかる不織布は、短繊維不織布、すなわち
カーディング法やエアーレイド法、または長繊維不織
布、すなわちスパンボンド法やトウ開繊法のいずれで製
造されたものでも良く、抄紙法によるペーパーでも差し
支えない。また、絡合方法は、ニードルパンチ法、水流
交絡法もしくは熱接着法など、いずれの方法をも好まし
く用いられる。これらの中でも好ましく用いられる不織
布としては、ニードルパンチタイプや水流交絡タイプの
短繊維不織布や熱接着タイプのスパンボンド不織布がよ
い。
【0020】本発明に用いられる布帛を構成する繊維の
種類は、高温下で使用されることを考えると、耐熱性繊
維が必須となる。ここで、耐熱性繊維とは、融点が23
0℃以上または融点が存在しない繊維のことである。排
ガス温度が130℃〜250℃程度になることを考える
と、融点が250℃以上もしくは融点が存在しない繊維
が望ましい。かかる耐熱性繊維としては、望ましくは、
PPS繊維、メタアラミド繊維,パラアラミド繊維など
のアラミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン(以下P
TFEと呼ぶ)繊維、ポリイミド繊維、全芳香族ポリエ
ステル繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維、炭素繊維などの耐熱性
有機繊維に加え、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維
から選ばれる少なくとも1種以上の繊維が用いられる。
【0021】これらの耐熱性繊維には、耐薬品性が余り
良好でない繊維もあるが、水ガラスなどの無機バインダ
ーを含浸固化するにあたり、無機バインダーは繊維同士
の交点に固着するだけでなく、かかる繊維の表面に無機
の皮膜を形成するために、薬品による劣化を抑制するこ
とができる。しかし、さらに良好な耐薬品性を発揮する
ためには、耐熱性繊維そのものも高い耐薬品性を有して
いるものを使用することがより望ましく、たとえばPP
S繊維、メタアラミド繊維,パラアラミド繊維などのア
ラミド繊維、PTFE繊維、ポリイミド繊維、ガラス繊
維から選ばれる少なくとも1種の繊維を用いるのが好ま
しい。また、これらの耐熱性繊維同士を混繊、混綿、交
織、積層などの通常用いられる方法によって混ぜること
も差し支えないし、これらの耐熱性繊維を主として、本
発明の効果を阻害しない範囲において、さらに、耐熱性
を有しない繊維と混ぜることも差し支えない。
【0022】これらの耐薬品性を有する繊維材料のう
ち、特に好ましいのはPPS繊維である。PPS繊維
は、PTFE繊維には及ばないものの、極めて優れた耐
薬品性を示すものであり、しかもコストも安い繊維であ
り、本発明に好ましく用いられる。また、このPPS繊
維を主として、他の繊維を混ぜることも差し支えない。
例えば、PPS繊維を主としてガラス繊維を30重量%
程度混ぜることや、PPS繊維を主としてパラ系アラミ
ド繊維を30重量%程度混ぜることにより、170℃程
度の高温下での剛性が、PPS繊維100重量%の場合
より高くなる。このように、使用される環境如何によっ
ては、PPS繊維を主として、他の繊維を混ぜることも
差し支えないが、耐薬品性を良好に維持するためには、
主成分であるPPS繊維を50重量%以上とすることが
好ましい。PPS繊維が50重量%未満であると、半分
以上は他の繊維となり、薬品にさらされるなどの厳しい
環境下で長時間使用する間に耐薬品性に劣る繊維の劣化
が生じ、布帛自体の強度や剛性が損なわれる可能性があ
る。PPS繊維を50重量%以上含む布帛は、フィルタ
ーとしての特性から不織布であるのが好ましく、かつ、
その繊維同士の交点が酸化珪素で固着されていることが
耐薬品性の点で好ましい。
【0023】本発明の耐熱性布帛は、250℃の常圧下
で10日間処理した後の引張り強度保持率が50%以上
であることが好ましい。引張り強度保持率が50%未満
では、高温下で用いるフィルターの寿命が、強度劣化に
より短くなることがある。ここで、250℃の熱処理に
使用する装置としては、熱風乾燥機が好ましく用いられ
る。
【0024】以上説明した耐熱性と耐薬品性を同時に有
する布帛の製造方法は以下の通りである。
【0025】すなわち、耐熱性繊維を主成分とする布帛
に、珪酸ナトリウム水溶液を含浸した後、二酸化炭素を
含有する雰囲気下で乾燥し、該布帛の繊維同士の少なく
とも交点を酸化珪素で固着することにより、本発明の耐
熱性布帛は製造される。
【0026】すなわち、前記式1に示した、珪酸ナトリ
ウム水溶液は、常温で、ある程度の粘度を有する液体で
ある。従って、ディップ・マングルやスプレーやコーテ
ィングなどの通常の布帛仕上げ加工機械によって、布帛
に塗布および含浸させることができる。好ましくはディ
ップ・マングルによって含浸加工される。また、珪酸ナ
トリウム水溶液は水で簡単に薄めることができるため、
布帛への酸化珪素付着量を適宜制御することができる。
【0027】次に珪酸ナトリウム水溶液が含浸された耐
熱性布帛を乾燥する必要がある。乾燥にも、ピンテンタ
ーや縦型ノンタッチドライヤーなどの通常の布帛仕上げ
加工機械がそのまま使用できる。
【0028】ここで、珪酸ナトリウム水溶液の固化の反
応式は、式2に示した通り、二酸化炭素が必要である
が、通常の空気中に含有される二酸化炭素の含有量で
も、水を乾燥させる100℃以上の雰囲気下では、式2
に示した反応を進めるためには充分である。すなわち、
通常用いられる周知の布帛仕上げ加工機械と加工プロセ
スによって、十分繊維同士の交点を酸化珪素で固着させ
ることができるのである。
【0029】本発明の耐熱性布帛の用途は特に限定され
ないが、たとえばフィルター濾材として好ましく用いら
れ、特にプリーツ型バクフィルター用濾布として好まし
く用いられる。
【0030】
【実施例】以下実施例で具体的に説明する。ここに示し
た実施例は、本発明の実施形態の一例を示したに過ぎ
ず、他にも多くの実施の形態はある。なお、実施例およ
び比較例で作製した耐熱性布帛の高温下の剛性、耐熱
性、耐薬品性は、以下の方法で測定したものである。 (高温下の剛性)図1に示す要領で測定する。すなわ
ち、長さ方向(3+4)を200mm、幅方向(5)を
20mmに切り抜いた試験布帛1を作成した後、この試
験布帛1の片端100mm(3)を試験台2の上面に固
定し、残りの片端100mm(4)を試験台2から突き
出した形で、170℃の雰囲気中に1時間放置した時、
該試験布帛1の試験台2から突き出た部分の軟化による
垂れ落ち具合いを測定する。すなわち、この時の垂れ落
ちた片端の端部と試験台の上面を含む水平面との鉛直方
向の距離を垂れ下がり長さ(6)として評価した。この
垂れ下がり長さ(6)が、少ない方が高温下の剛性が高
いことを意味する。 (耐熱性:長期耐熱性)上述の高温下の剛性と同様に、
試験布帛の長さ方向を200mm、幅方向を20mmに
切り抜いた後、該試験布帛の片端100mmを台の上面
に固定し、もう一方の片端100mmを試験台から突き
出した形で、170℃の雰囲気中に1時間ではなく、5
00時間放置した時、試験布帛の試験台から突き出た部
分が軟化し垂れ落ちる。この時の垂れ落ちた片端の端部
と試験台の上面を含む水平面との鉛直方向の距離を垂れ
下がり長さを耐熱性とした。すなわち、この500時間
処理した垂れ下がり長さと、上記の高温下の剛性の垂れ
下がり長さの差が小さい方が耐熱性が高いことになる。 (耐薬品性)試験布帛を、メチルエチルケトン溶剤中で
500hr処理する。処理した布帛を上記高温下の剛性
と同様にして測定した垂れ下がり長さを耐薬品性とし
た。測定した500hr処理後の垂れ下がり長さと、処
理前の垂れ下がり長さの差が小さい方が、耐薬品性が高
いことになる。
【0031】また、高温下での強度保持率の測定方法を
以下に示す。 (高温下での強度保持率)試験布帛を、250℃の熱風
乾燥機中で10日間処理する。処理した布帛を幅5c
m、つかみ間隔10cm、引張り速度10cm/分で引
張り試験し、破断強度を測定する。一方、250℃10
日間の処理を行っていない布帛を同様に引張り試験し、
破断強度を測定する。(処理後の破断強度/処理前の破
断強度)×100(%)を%単位で算出し、高温下での
強度保持率とする。
【0032】実施例1 PPS繊維の短繊維(東レ製「トルコン」)の短繊維、
2.2dtex、51mmカット品をオープナーで開綿
した後にカードで開繊し、得られたウェブをニードルパ
ンチによって、目付250g/m2の不織布とした。ニ
ードルパンチ後の不織布をカレンダーロールによって厚
さ1.2mmの不織布とした。この不織布に、珪酸ナト
リウム水溶液(水ガラス)を含浸し、マングルで絞った
後、乾燥機で190℃の加熱空気中で10分間乾燥し、
無機固形分重量が不織布繊維重量の35%となる剛性を
有する布帛とした。この剛性を有する布帛の高温下の剛
性、耐熱性、耐薬品性を評価した。得られた結果を表1
に示す。
【0033】実施例2 PPS繊維(東レ製「トルコン」)の短繊維、2.2d
tex、51mmカット品を80重量%と、パラ系アラ
ミド繊維(東レデュポン製「ケブラー」)1.7dte
x、51mmカット品20重量%を混綿し、得られたウ
ェブをニードルパンチによって目付250g/m2 の不
織布とした。ニードルパンチ後の不織布をカレンダーロ
ールによって、厚さ1.2mmの不織布とした。この不
織布に、実施例1と全く同様にして、珪酸ナトリウム水
溶液(水ガラス)を含浸、加熱空気中で乾燥し、剛性を
有する布帛とした。この剛性を有する布帛の高温下の剛
性、耐熱性、耐薬品性を評価した。得られた結果を表1
に示す。
【0034】比較例1 実施例1と全く同様に厚さ1.2mmの不織布を作製し
た。
【0035】この不織布に、エポキシ樹脂(大日本イン
キ製「ディックファインEN0270」)を含浸し、マ
ングルで絞った後、乾燥機で190℃の加熱空気中で1
0分間乾燥し、樹脂固形分重量が不織布繊維重量の35
%となる剛性を有する布帛とした。この剛性を有する布
帛の高温下の剛性、耐熱性、耐薬品性を評価した。得ら
れた結果を表1に示す。
【0036】比較例2 実施例2と全く同様に厚さ1.2mmの不織布を作製し
た。この不織布に、エポキシ樹脂(大日本インキ製「デ
ィックファインEN0270」)を含浸し、マングルで
絞った後、乾燥機で190℃の加熱空気中で10分間乾
燥し、樹脂固形分重量が不織布繊維重量の35%となる
剛性を有する布帛とした。この剛性を有する布帛の高温
下の剛性、耐熱性、耐薬品性を評価した。得られた結果
を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、実施例1と比較
例1との比較、および実施例2と比較例2との比較か
ら、実施例のものは、高温下の剛性、耐熱性、耐薬品性
のいずれの項目も、比較例のものよりも優れていること
がわかる。
【0039】また、この剛性を有する布帛の高温下での
強度保持率を評価した。得られた結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、比較例1および
比較例2では、高温下で長時間処理されると強度保持率
が20%以下になってしまうのに対して、実施例1およ
び実施例2では強度保持率が60%以上と高いことがわ
かる。
【0042】
【発明の効果】本発明の効果は、次の通りである。 (1)耐熱性、耐薬品性の良好な酸化珪素すなわちガラ
スによって、繊維同士を固着していることにより、高温
下でも強い固着力を有するとともに、高温下かつ薬品存
在下で長期間使用しても、繊維同士の固着が極めて劣化
しにくい。 (2)従って、酸化珪素によって剛性付与された布帛
は、高温下で高い剛性を発揮するとともに、高温下かつ
薬品存在下で長期間使用しても、布帛の剛性劣化が極め
て少ない。 (3)また、酸化珪素によって剛性付与された布帛は、
高温下で長時間暴露されても強度劣化が少ない。 (4)酸化珪素によって剛性付与された布帛は、高温下
で使用されるプリーツタイプのバグフィルターの濾布と
して、極めて寿命が長い。すなわち、本発明によれば、
ゴミ焼却炉、石炭ボイラーあるいは金属溶融炉などから
排出される高温ダストを集塵するためのフィルター濾
布、特にプリーツして用いられるフィルター濾布に好適
に使用される布帛材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】布帛の高温下での垂れ下がり程度(剛性)を測
定するための説明図である。
【符号の説明】
1:試験布帛 2:試験台 3:試験布帛の台上の長さ 4:試験布帛の突出長さ 5:試験布帛の幅 6:試験布帛の垂れ下がり長さ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性繊維を主とする布帛であって、該布
    帛の繊維の少なくとも交点が無機バインダーにより固着
    されていることを特徴とする耐熱性布帛。
  2. 【請求項2】該布帛に、無機バインダーが含浸されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の耐熱性布帛。
  3. 【請求項3】該無機バインダーが、酸化珪素であること
    を特徴とする請求項1または2記載の耐熱性布帛。
  4. 【請求項4】該布帛が、不織布であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱性布帛。
  5. 【請求項5】該耐熱性繊維が、アラミド繊維、ポリフェ
    ニレンサルファイド繊維、ガラス繊維、ポリテトラフル
    オロエチレン繊維およびポリイミド繊維から選ばれる少
    なくとも1種の繊維であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の耐熱性布帛。
  6. 【請求項6】該布帛が、ポリフェニレンサルファイド繊
    維を50重量%以上含む不織布であって、かつ、その繊
    維同士の交点が酸化珪素で固着されていることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱性布帛。
  7. 【請求項7】250℃で10日間処理した後の引張り強
    度保持率が50%以上であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の耐熱性布帛。
  8. 【請求項8】該耐熱性布帛が、プリーツ型バグフィルタ
    ー用濾布であることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    かに記載の耐熱性布帛。
  9. 【請求項9】耐熱性繊維を主とする布帛に、珪酸ナトリ
    ウム水溶液を含浸した後、二酸化炭素が存在する雰囲気
    下で乾燥し、該布帛の繊維同士の少なくとも交点を酸化
    珪素で固着することを特徴とする耐熱性布帛の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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