JP4534397B2 - 耐熱性布帛およびその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた耐熱性および耐薬品性を兼ね備える上に、高温下での形態保持性に優れた耐熱性布帛に関する。とりわけ本発明の耐熱性布帛は、高温下、薬品存在下で使用されるのに好適な、プリーツ型バグフィルターの濾布に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばゴミ焼却炉、石炭ボイラー、金属溶融炉などから排出されるダストを集塵するためのフィルターとして、周知のようにバグフィルターが用いられてきた。特に、上記に例示したような炉では、排ガスの温度が130℃〜250℃の高温であることから、フィルター濾材に耐熱性が要求される。また、用途によっては、排ガス中には薬品も含まれるため、耐薬品性も要求される。従来、このような耐熱性、耐薬品性の要求される濾布には、ポリフェニレンサルファイド(以下PPSという)繊維、メタアラミド繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維あるいはガラス繊維などの素材を用いて、基布とウェブを積層し、ニードルパンチや噴射水流等によって繊維を絡合させることによって得られるフェルトが用いられてきた。
【0003】
近年、濾過効率のアップならびに集塵機の小型化の目的から、濾材の濾過面積を大きくすることが求められるようになり、濾材にプリーツ加工を施すことによって濾過面積を増大することが考えられてきた。ところが、従来のフェルトでは剛性が不足するので、プリーツ加工ができないとともに、プリーツの形状を維持することができない問題点があった。
【0004】
かかる問題を解決する一手法を提供するものとして、PPS繊維からなる不織布に、合成樹脂を含浸して、剛性を高めた濾布が、特開平11−158776号公報で提案された。また、USP6103643でも同様な濾布が提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この合成樹脂含浸不織布には、含浸されている樹脂が合成樹脂であるため、高温下では剛性が低下し、プリーツの形態保持性に不満が残るとともに、耐薬品性に不満が残るという問題があった。
【0006】
さらには、この合成樹脂含浸不織布は高温下で長時間暴露されると、強度劣化が促進されるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、高温下でも高い剛性を有し、かつ、耐薬品性も高い耐熱性布帛を提供せんとするものである。
【0008】
さらには、高温下で長時間暴露されても強度劣化の少ない耐熱性布帛を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の耐熱性布帛は、ポリフェニレンサルファイド繊維を主とする布帛であって、該布帛の繊維の少なくとも交点が無機バインダーにより固着されていることを特徴とするものであり、かかる耐熱性布帛の製造方法は、耐熱性繊維を主とする布帛に、珪酸ナトリウム水溶液を含浸した後、二酸化炭素が存在する雰囲気下で乾燥し、該布帛の繊維同士の少なくとも交点を酸化珪素で固着することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまり高温下でも高い剛性を有し、かつ、耐薬品性にも高い耐熱性布帛について、鋭意検討し、耐熱性繊維製布帛を、無機バインダーを用いて固着してみたところ、意外にも、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0011】
さらには、耐熱性繊維布帛に、無機バインダーが含浸され、該布帛の繊維の少なくとも交点が無機バインダーにより固着された耐熱性布帛は、高温下で長時間暴露されても強度劣化が著しく改善することを見いだしたものである。
【0012】
本発明は、合成樹脂バインダーでは無く、無機バインダーを用いるところに、本発明の最大のポイントを有するものであり、かかる無機バインダーを用いたからこそ、優れた耐熱性と耐薬品性を同時に満足する布帛を提供することができたものである。
【0013】
さらに、かかる無機バインダーを用いたからこそ、大きな剛性を付与することができたものである。すなわち、高温下においても、大きな剛性を維持するとともに、該高温下に長期間放置されても、剛性の低下が極めて少なく、各種物性をそのまま維持することができるという特徴を発揮せしめ得たものである。
【0014】
かかる無機バインダーとしては、セメントや水ガラスなどのいずれの無機バインダーをも用いることができるが、水ガラスが好適に用いられる。かかる水ガラスとは、式1に示す珪酸ナトリウム水溶液のことであり、式2の反応式によって反応後は、ガラスすなわち酸化硅素となるものである。
【0015】
(上記式中、nは1以上の整数であり、通常1〜5である。また、xは1以上の整数であり、水溶液の濃度によりいかようにも調整できる。)
従って、水ガラスをバインダーとして用いて布帛に含浸し、二酸化炭素が存在する雰囲気下で乾燥し、反応した後には、繊維同士の少なくとも交点が酸化珪素によって固着されることになる。ここで、二酸化炭素が存在する雰囲気下とは、通常の大気または空気を含むものである。かかる大気中(空気中)には、1%程度の二酸化炭素(CO2 )を含むものであり、密閉系でなければ、該反応が完結するまで、周囲から十分に供給されるものであるからである。
【0016】
かくして得られた酸化珪素には、炭酸ナトリウムという不純物が含まれるが、本発明の目的である該耐熱性繊維を主体とする布帛の該繊維同士を固着、固定する上からは、この不純物は全く問題にはならない。酸化珪素とはすなわちガラスであるので、耐熱性も高く、耐薬品性も高いことは言うまでもなく、本発明の目的を申し分なく達成することができるものである。
【0017】
これら無機バインダーは、布帛を構成する繊維同士の少なくとも交点に固着されており、繊維と繊維の相対運動を抑制するので、布帛に剛性を付与することができる。固着の状態は、繊維と繊維の交点に水掻き状に固着していても、点状に固着していても構わないが、水掻き状に固着している方が物理的な変形に対する抵抗力が高いために好ましい。
【0018】
本発明に用いる耐熱性繊維を主とする布帛は、織物、編物、不織布などいずれの組織の布帛構造のものであっても、剛性を有し、耐熱性および耐薬品性を同時に満足するものであり、フィルター濾材として用いることができるが、不織布であるのが、フィルターの捕集効率を高くする上から好ましい。
【0019】
かかる不織布は、短繊維不織布、すなわちカーディング法やエアーレイド法、または長繊維不織布、すなわちスパンボンド法やトウ開繊法のいずれで製造されたものでも良く、抄紙法によるペーパーでも差し支えない。また、絡合方法は、ニードルパンチ法、水流交絡法もしくは熱接着法など、いずれの方法をも好ましく用いられる。これらの中でも好ましく用いられる不織布としては、ニードルパンチタイプや水流交絡タイプの短繊維不織布や熱接着タイプのスパンボンド不織布がよい。
【0020】
本発明に用いられる布帛を構成する繊維の種類は、高温下で使用されることを考えると、耐熱性繊維が必須となる。ここで、耐熱性繊維とは、融点が230℃以上または融点が存在しない繊維のことである。排ガス温度が130℃〜250℃程度になることを考えると、融点が250℃以上もしくは融点が存在しない繊維が望ましい。かかる耐熱性繊維としては、望ましくは、PPS繊維、メタアラミド繊維,パラアラミド繊維などのアラミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと呼ぶ)繊維、ポリイミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、炭素繊維などの耐熱性有機繊維に加え、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維から選ばれる少なくとも1種以上の繊維が用いられるが、本発明においては少なくともPPS繊維が用いられる。
【0021】
これらの耐熱性繊維には、耐薬品性が余り良好でない繊維もあるが、水ガラスなどの無機バインダーを含浸固化するにあたり、無機バインダーは繊維同士の交点に固着するだけでなく、かかる繊維の表面に無機の皮膜を形成するために、薬品による劣化を抑制することができる。しかし、さらに良好な耐薬品性を発揮するためには、耐熱性繊維そのものも高い耐薬品性を有しているものを使用することがより望ましく、たとえばPPS繊維、メタアラミド繊維,パラアラミド繊維などのアラミド繊維、PTFE繊維、ポリイミド繊維、ガラス繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維がある。また、これらの耐熱性繊維同士を混繊、混綿、交織、積層などの通常用いられる方法によって混ぜることも差し支えないし、これらの耐熱性繊維を主として、本発明の効果を阻害しない範囲において、さらに、耐熱性を有しない繊維と混ぜることも差し支えない。
【0022】
これらの耐薬品性を有する繊維材料のうち、特に好ましいのはPPS繊維である。PPS繊維は、PTFE繊維には及ばないものの、極めて優れた耐薬品性を示すものであり、しかもコストも安い繊維であり、本発明に好ましく用いられる。また、このPPS繊維を主として、他の繊維を混ぜることも差し支えない。例えば、PPS繊維を主としてガラス繊維を30重量%程度混ぜることや、PPS繊維を主としてパラ系アラミド繊維を30重量%程度混ぜることにより、170℃程度の高温下での剛性が、PPS繊維100重量%の場合より高くなる。このように、使用される環境如何によっては、PPS繊維を主として、他の繊維を混ぜることも差し支えないが、耐薬品性を良好に維持するためには、主成分であるPPS繊維を50重量%以上とすることが好ましい。PPS繊維が50重量%未満であると、半分以上は他の繊維となり、薬品にさらされるなどの厳しい環境下で長時間使用する間に耐薬品性に劣る繊維の劣化が生じ、布帛自体の強度や剛性が損なわれる可能性がある。
PPS繊維を50重量%以上含む布帛は、フィルターとしての特性から不織布であるのが好ましく、かつ、その繊維同士の交点が酸化珪素で固着されていることが耐薬品性の点で好ましい。
【0023】
本発明の耐熱性布帛は、250℃の常圧下で10日間処理した後の引張り強度保持率が50%以上であることが好ましい。引張り強度保持率が50%未満では、高温下で用いるフィルターの寿命が、強度劣化により短くなることがある。ここで、250℃の熱処理に使用する装置としては、熱風乾燥機が好ましく用いられる。
【0024】
以上説明した耐熱性と耐薬品性を同時に有する布帛の製造方法は以下の通りである。
【0025】
すなわち、ポリフェニレンサルファイド繊維を主成分とする布帛に、珪酸ナトリウム水溶液を含浸した後、二酸化炭素を含有する雰囲気下で乾燥し、該布帛の繊維同士の少なくとも交点を酸化珪素で固着することにより、本発明の耐熱性布帛は製造される。
【0026】
すなわち、前記式1に示した、珪酸ナトリウム水溶液は、常温で、ある程度の粘度を有する液体である。従って、ディップ・マングルやスプレーやコーティングなどの通常の布帛仕上げ加工機械によって、布帛に塗布および含浸させることができる。好ましくはディップ・マングルによって含浸加工される。また、珪酸ナトリウム水溶液は水で簡単に薄めることができるため、布帛への酸化珪素付着量を適宜制御することができる。
【0027】
次に珪酸ナトリウム水溶液が含浸された耐熱性布帛を乾燥する必要がある。乾燥にも、ピンテンターや縦型ノンタッチドライヤーなどの通常の布帛仕上げ加工機械がそのまま使用できる。
【0028】
ここで、珪酸ナトリウム水溶液の固化の反応式は、式2に示した通り、二酸化炭素が必要であるが、通常の空気中に含有される二酸化炭素の含有量でも、水を乾燥させる100℃以上の雰囲気下では、式2に示した反応を進めるためには充分である。すなわち、通常用いられる周知の布帛仕上げ加工機械と加工プロセスによって、十分繊維同士の交点を酸化珪素で固着させることができるのである。
【0029】
本発明の耐熱性布帛の用途は特に限定されないが、たとえばフィルター濾材として好ましく用いられ、特にプリーツ型バクフィルター用濾布として好ましく用いられる。
【0030】
【実施例】
以下実施例で具体的に説明する。ここに示した実施例は、本発明の実施形態の一例を示したに過ぎず、他にも多くの実施の形態はある。なお、実施例および比較例で作製した耐熱性布帛の高温下の剛性、耐熱性、耐薬品性は、以下の方法で測定したものである。
(高温下の剛性)
図1に示す要領で測定する。すなわち、長さ方向(3+4)を200mm、幅方向(5)を20mmに切り抜いた試験布帛1を作成した後、この試験布帛1の片端100mm(3)を試験台2の上面に固定し、残りの片端100mm(4)を試験台2から突き出した形で、170℃の雰囲気中に1時間放置した時、該試験布帛1の試験台2から突き出た部分の軟化による垂れ落ち具合いを測定する。すなわち、この時の垂れ落ちた片端の端部と試験台の上面を含む水平面との鉛直方向の距離を垂れ下がり長さ(6)として評価した。この垂れ下がり長さ(6)が、少ない方が高温下の剛性が高いことを意味する。
(耐熱性:長期耐熱性)
上述の高温下の剛性と同様に、試験布帛の長さ方向を200mm、幅方向を20mmに切り抜いた後、該試験布帛の片端100mmを台の上面に固定し、もう一方の片端100mmを試験台から突き出した形で、170℃の雰囲気中に1時間ではなく、500時間放置した時、試験布帛の試験台から突き出た部分が軟化し垂れ落ちる。この時の垂れ落ちた片端の端部と試験台の上面を含む水平面との鉛直方向の距離を垂れ下がり長さを耐熱性とした。すなわち、この500時間処理した垂れ下がり長さと、上記の高温下の剛性の垂れ下がり長さの差が小さい方が耐熱性が高いことになる。
(耐薬品性)
試験布帛を、メチルエチルケトン溶剤中で500hr処理する。処理した布帛を上記高温下の剛性と同様にして測定した垂れ下がり長さを耐薬品性とした。測定した500hr処理後の垂れ下がり長さと、処理前の垂れ下がり長さの差が小さい方が、耐薬品性が高いことになる。
【0031】
また、高温下での強度保持率の測定方法を以下に示す。
(高温下での強度保持率)
試験布帛を、250℃の熱風乾燥機中で10日間処理する。処理した布帛を幅5cm、つかみ間隔10cm、引張り速度10cm/分で引張り試験し、破断強度を測定する。一方、250℃10日間の処理を行っていない布帛を同様に引張り試験し、破断強度を測定する。(処理後の破断強度/処理前の破断強度)×100(%)を%単位で算出し、高温下での強度保持率とする。
【0032】
実施例1
PPS繊維の短繊維(東レ製「トルコン」)の短繊維、2.2dtex、51mmカット品をオープナーで開綿した後にカードで開繊し、得られたウェブをニードルパンチによって、目付250g/m2の不織布とした。ニードルパンチ後の不織布をカレンダーロールによって厚さ1.2mmの不織布とした。
この不織布に、珪酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を含浸し、マングルで絞った後、乾燥機で190℃の加熱空気中で10分間乾燥し、無機固形分重量が不織布繊維重量の35%となる剛性を有する布帛とした。
この剛性を有する布帛の高温下の剛性、耐熱性、耐薬品性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0033】
実施例2
PPS繊維(東レ製「トルコン」)の短繊維、2.2dtex、51mmカット品を80重量%と、パラ系アラミド繊維(東レデュポン製「ケブラー」)1.7dtex、51mmカット品20重量%を混綿し、得られたウェブをニードルパンチによって目付250g/m2 の不織布とした。ニードルパンチ後の不織布をカレンダーロールによって、厚さ1.2mmの不織布とした。
この不織布に、実施例1と全く同様にして、珪酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を含浸、加熱空気中で乾燥し、剛性を有する布帛とした。
この剛性を有する布帛の高温下の剛性、耐熱性、耐薬品性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0034】
比較例1
実施例1と全く同様に厚さ1.2mmの不織布を作製した。
【0035】
この不織布に、エポキシ樹脂(大日本インキ製「ディックファインEN0270」)を含浸し、マングルで絞った後、乾燥機で190℃の加熱空気中で10分間乾燥し、樹脂固形分重量が不織布繊維重量の35%となる剛性を有する布帛とした。
この剛性を有する布帛の高温下の剛性、耐熱性、耐薬品性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0036】
比較例2
実施例2と全く同様に厚さ1.2mmの不織布を作製した。
この不織布に、エポキシ樹脂(大日本インキ製「ディックファインEN0270」)を含浸し、マングルで絞った後、乾燥機で190℃の加熱空気中で10分間乾燥し、樹脂固形分重量が不織布繊維重量の35%となる剛性を有する布帛とした。
この剛性を有する布帛の高温下の剛性、耐熱性、耐薬品性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1から明らかなように、実施例1と比較例1との比較、および実施例2と比較例2との比較から、実施例のものは、高温下の剛性、耐熱性、耐薬品性のいずれの項目も、比較例のものよりも優れていることがわかる。
【0039】
また、この剛性を有する布帛の高温下での強度保持率を評価した。得られた結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
表2から明らかなように、比較例1および比較例2では、高温下で長時間処理されると強度保持率が20%以下になってしまうのに対して、実施例1および実施例2では強度保持率が60%以上と高いことがわかる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の効果は、次の通りである。
(1)耐熱性、耐薬品性の良好な酸化珪素すなわちガラスによって、繊維同士を固着していることにより、高温下でも強い固着力を有するとともに、高温下かつ薬品存在下で長期間使用しても、繊維同士の固着が極めて劣化しにくい。
(2)従って、酸化珪素によって剛性付与された布帛は、高温下で高い剛性を発揮するとともに、高温下かつ薬品存在下で長期間使用しても、布帛の剛性劣化が極めて少ない。
(3)また、酸化珪素によって剛性付与された布帛は、高温下で長時間暴露されても強度劣化が少ない。
(4)酸化珪素によって剛性付与された布帛は、高温下で使用されるプリーツタイプのバグフィルターの濾布として、極めて寿命が長い。
すなわち、本発明によれば、ゴミ焼却炉、石炭ボイラーあるいは金属溶融炉などから排出される高温ダストを集塵するためのフィルター濾布、特にプリーツして用いられるフィルター濾布に好適に使用される布帛材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】布帛の高温下での垂れ下がり程度(剛性)を測定するための説明図である。
【符号の説明】
1:試験布帛
2:試験台
3:試験布帛の台上の長さ
4:試験布帛の突出長さ
5:試験布帛の幅
6:試験布帛の垂れ下がり長さ
Claims (7)
- ポリフェニレンサルファイド繊維を主とする布帛であって、該布帛の繊維の少なくとも交点が無機バインダーにより固着されていることを特徴とする耐熱性布帛。
- 該布帛に、無機バインダーが含浸されていることを特徴とする請求項1記載の耐熱性布帛。
- 該無機バインダーが、酸化珪素であることを特徴とする請求項1または2記載の耐熱性布帛。
- 該布帛が、ポリフェニレンサルファイド繊維を50重量%以上含む不織布であって、かつ、その繊維同士の交点が酸化珪素で固着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱性布帛。
- 250℃で10日間処理した後の引張り強度保持率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱性布帛。
- 該耐熱性布帛が、プリーツ型バグフィルター用濾布であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱性布帛。
- ポリフェニレンサルファイド繊維を主とする布帛に、珪酸ナトリウム水溶液を含浸した後、二酸化炭素が存在する雰囲気下で乾燥し、該布帛の繊維同士の少なくとも交点を酸化珪素で固着することを特徴とする耐熱性布帛の製造方法。
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