JP2002155458A - 極細繊維分散不織布、その製法、その製造装置、及びそれを含むシート材料 - Google Patents
極細繊維分散不織布、その製法、その製造装置、及びそれを含むシート材料Info
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Abstract
散不織布、その製法、その製造装置、及び前記極細繊維
分散不織布を含むシート材料を提供する。 【解決手段】 極細繊維分散不織布は、繊維径が4μm
以下で繊維長が3mm以下の極細繊維を分散した状態で
含み、付着物の付着率が0.5mass%以下である。
製法は、極細繊維の集合体を圧縮気体の作用によりノズ
ルから気体中に噴出させて極細繊維に分割させ、極細繊
維を分散させる工程、分散した極細繊維を集積して繊維
ウエブを形成する工程、及び繊維ウエブを結合させる工
程を含む。
Description
布、その製法、その製造装置、及び前記極細繊維分散不
織布を含むシート材料に関する。
法、あるいは繊維ウエブの結合方法を適宜組み合わせる
ことにより、各種機能を付与することができるため、各
種用途に適用されている。
らなる不織布は、濾過性能に優れているため、液体や気
体用のフィルタとして好適に使用することができる。ま
た、繊維径が小さいことによって柔軟性にも優れている
ため、衣料用の芯地としても好適に使用することができ
る。
る不織布を製造する1つの方法として、ある溶剤に対し
て溶解除去可能な樹脂成分(海成分)中に、この溶剤に
対して溶解除去が困難な樹脂成分(島成分)が分散した
繊維(いわゆる海島型繊維)を使用して、カード法やエ
アレイ法などにより繊維ウエブを形成し、次いでニード
ルや水流の作用によって繊維同士を絡合させて絡合繊維
ウエブを形成した後、海島型繊維の海成分を溶剤で溶解
除去することにより、島成分からなる極細繊維を発生さ
せる方法がある。この方法によれば、繊維径が4μm以
下の極細繊維からなる不織布を製造することができる
が、極細繊維が束となった状態にあり、太い繊維との差
があまりないため、濾過性能や柔軟性などの点において
不十分なものであった。
を解消する不織布の製造方法として、繊維径が4μm以
下の極細繊維を分散させたスラリーから極細繊維を抄き
上げて繊維ウエブを形成した後、繊維ウエブを結合する
方法がある。
細繊維が分散した不織布を得ることができるが、スラリ
ーから極細繊維を抄き上げて形成した繊維ウエブは、繊
維同士が密着した見掛密度の高いものであるため、例え
ばフィルタとして使用した場合には圧力損失が高いもの
であった。
決するためになされたものであり、極細繊維が分散した
不織布、すなわち、極細繊維分散不織布であって、しか
も極細繊維同士の密着の程度が低い不織布を提供するこ
とを目的とする。本発明者らは鋭意研究の結果、スラリ
ーから抄き上げて形成した繊維ウエブの見掛密度が高い
のは、以下の理由によることを見出した。すなわち、極
細繊維を分散させるために界面活性剤を使用したり、極
細繊維同士を固定するために糊剤などを使用しているの
で、極細繊維表面に界面活性剤や糊剤が付着してしま
い、この付着した界面活性剤や糊剤が極細繊維同士の密
着性を高める作用があること、及びスラリーから抄き上
げて繊維ウエブを形成する際に、極細繊維を分散させて
いる溶媒(例えば、水)が除去されるが、この溶媒は繊
維ウエブの厚さ方向に移動して除去されるため、この溶
媒の移動に伴って極細繊維が繊維ウエブの厚さ方向と直
交する方向に配置して密着しやすい、ということを見出
した。本発明はこのような知見に基づいてなされたもの
である。
維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維を分
散した状態で含み、付着物の付着率が0.5mass%
以下であることを特徴とする、極細繊維分散不織布に関
する。このように、本発明の極細繊維分散不織布におい
ては、界面活性剤や糊剤などの付着物量が極めて少ない
ため、極細繊維同士の密着性が低くなる。そのため、本
発明の極細繊維分散不織布は、適度な量と大きさの空隙
を有し、圧力損失も低くなる。また、本発明の極細繊維
分散不織布において、極細繊維は束の状態にはなく、分
散した状態にあるため、極細繊維を含んでいることによ
る諸特性(濾過性、柔軟性など)にも優れている。従っ
て、本発明の極細繊維分散不織布は、適度な量と大きさ
の空隙を有し、圧力損失も低くなり、極細繊維を含んで
いることによる諸特性(濾過性、柔軟性など)も有す
る。
維長が3mm以下の極細繊維の集合体若しくはそれらの
集合体群、及び/又は、機械的に分割して繊維径が4μ
m以下で繊維長が3mm以下の極細繊維を発生可能な分
割性繊維、若しくはそれらの集合体を、圧縮気体の作用
によりノズルから気体中に噴出させて、前記極細繊維集
合体若しくはそれらの集合体群を極細繊維に分割させ、
及び/又は、分割性繊維若しくはそれらの集合体を極細
繊維に分割させ、そしてそれらの極細繊維を分散させる
工程、分散した極細繊維を集積して繊維ウエブを形成す
る工程、及び前記繊維ウエブを結合させる工程、を含む
ことを特徴とする、極細繊維分散不織布の製造方法にも
関する。
の製造方法では、従来のように極細繊維を分散させる媒
体として溶媒を使用せずに、気体中に極細繊維を分散さ
せるので、溶媒を分散媒体として使用した場合に必要な
界面活性剤や糊剤などを使用する必要がない。従って、
極細繊維が分散した不織布に付着した付着物の付着率が
0.5mass%以下の不織布、すなわち極細繊維の密
着の程度の低い不織布を容易に製造することができる。
また、極細繊維集合体(特には、極細繊維の束状集合
体)若しくはそれらの集合体群及び/又は、極細繊維発
生可能分割性繊維若しくはそれらの集合体を圧縮気体の
作用により、ノズルから気体中に噴出させて、前記極細
繊維集合体若しくはそれらの集合体群を極細繊維に分割
させ、及び/又は、分割性繊維若しくはそれらの集合体
を極細繊維に分割させ、そしてそれらの極細繊維を分散
させて極細繊維分散不織布を製造するため、極細繊維が
充分に分散した不織布を容易に製造することができる。
下で繊維長が3mm以下の極細繊維の集合体若しくはそ
れらの集合体群、及び/又は、機械的に分割して繊維径
が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維を発生可
能な分割性繊維、若しくはそれらの集合体を、圧縮気体
の作用により気体中に噴出させることのできるノズル、
(2)前記ノズルへ圧縮気体を供給する手段、(3)前
記極細繊維の集合体若しくはそれらの集合体群、及び/
又は、極細繊維発生可能分割性繊維若しくはそれらの集
合体が前記ノズルから圧縮気体の作用により気体中に噴
出され、気体中で分散させる分散室、(4)前記分散室
の気体中に分散した極細繊維を集積する支持体、及び
(5)前記支持体上のウエブを加熱する加熱融着手段を
含有することを特徴とする、極細繊維分散不織布の製造
装置にも関する。
で繊維長が3mm以下の極細繊維を分散した状態で含
み、付着物の付着率が0.5mass%以下である極細
繊維分散不織布の層少なくとも1層を含有することを特
徴とする、シート材料にも関する。
分散不織布の層(以下、極細繊維分散不織布層)を含む
ので、前記極細繊維分散不織布層における、界面活性剤
や糊剤などの付着物量が極めて少ないため、極細繊維分
散不織布層における極細繊維同士の密着性が低くなる。
そのため、極細繊維分散不織布層は、適度な量と大きさ
の空隙を有し、圧力損失も低くなる。また、極細繊維分
散不織布層において、極細繊維は束の状態にはなく、分
散した状態にあるため、極細繊維を含んでいることによ
る諸特性(濾過性、柔軟性など)にも優れている。従っ
て、本発明のシート材料は、適度な量と大きさの空隙を
有し、圧力損失も低くなり、極細繊維を含んでいること
による諸特性(濾過性、柔軟性など)も有する。
過性や柔軟性など各種特性に優れているように、繊維径
が4μm以下の極細繊維を含んでいる。極細繊維の繊維
径が小さければ小さい程、各種特性に優れているため、
極細繊維の繊維径は3μm以下であるのが好ましく、2
μm以下であるのがより好ましい。一般的には、繊維径
が細くなればなる程、繊維が柔らかくなるので、極細繊
維が絡まりやすくなり、均一に分散させることが困難に
なって、極細繊維を含有することの利点を得ることが困
難になるが、本発明の極細繊維分散不織布では、極細繊
維が均一に分散しているため、極細繊維の繊維径が小さ
くなるのに従って、前記の各種特性が向上する。なお、
極細繊維の繊維径の下限は特に限定するものではない
が、0.01μm程度が適当である。
断面形状が円形である場合にはその直径をいい、繊維の
横断面形状が非円形である場合には横断面積と面積の同
じ円の直径をいう。
細繊維は分散性に優れているように、その繊維長は3m
m以下である。すなわち、繊維長が3mmを越えるよう
な極細繊維であると、極細繊維の自由度が低く、分散性
が低下する。より好ましい繊維長は2mm以下である。
なお、極細繊維の繊維長の下限は特に限定するものでは
ないが、0.1mm程度が適当である。また、繊維長が
均一であるように、3mm以下の長さに切断された極細
繊維であるのが好ましい。
L1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ス
テープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
(例えば、有機成分又は無機成分)から構成することが
でき、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコー
ル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系
樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリスチレン系樹
脂(例えば、結晶性ポリスチレン、非晶性ポリスチレン
など)、芳香族ポリアミド系樹脂、又はポリウレタン系
樹脂などの有機成分、あるいは、ガラス、炭素、チタン
酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、ホウ酸ア
ルミニウム、ワラストナイトなどの無機成分から構成す
ることができる。一般的には、極細繊維が有機成分から
なると、無機成分からなる場合よりも剛性が低く、柔ら
かいため、極細繊維が絡まりやすくなり、均一に分散す
ることが困難になるので、極細繊維を含有することの利
点を得ることが困難になるが、本発明の極細繊維分散不
織布では、極細繊維が均一に分散しているため、極細繊
維が有機成分からなることによる利点(例えば、嵩高
性、風合い又は弾力性)を向上させることができる。
不織布形態を保つために、繊維同士が結合している必要
があるが、極細繊維が融着可能であると、極細繊維の融
着によって不織布形態を保つことができ、極細繊維の脱
落も生じにくいため好適である。この融着可能な極細繊
維は、極細繊維表面を構成する成分の少なくとも一部が
熱可塑性樹脂から構成されていることができる。例え
ば、極細繊維表面を構成する成分が、ポリオレフィン系
樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂
などの結晶性の熱可塑性樹脂、あるいはポリ塩化ビニル
系樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニト
リル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの非晶性
の熱可塑性樹脂であることができる。
種類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が
融着したとしても、少なくとも1種類の成分によって繊
維形態を維持することができるため好適である。この2
種類以上の成分から構成されている場合の極細繊維の横
断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイド
バイサイド型、多重バイメタル型、又はオレンジ型であ
ることができる。
不織布の地合いが優れているように、各極細繊維が、そ
の繊維軸方向において直径が実質的に変化しない(すな
わち、実質的に同じ直径を有している)のが好ましい。
このように、個々の極細繊維において繊維軸方向に直径
が実質的に同一で変化していない極細繊維、例えば、紡
糸口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し出して
複合する複合紡糸法で得た海島型繊維の海成分を除去し
て得ることができる。一般的に、前記の海島型繊維の海
成分を除去して極細繊維を形成する場合は、島成分から
誘導された各極細繊維が束状集合体として存在して極細
繊維が相互に接近しているために絡みやすく、均一に分
散させることが困難になるので、極細繊維を含有するこ
との利点を得ることが困難になるが、本発明の極細繊維
分散不織布では、束状の極細繊維集合体であっても均一
に分散させることができるため、極細繊維を含有するこ
との利点を得ることができる。また、海島型繊維から海
成分を除去して形成した束状の極細繊維集合体は、一般
に凝集しやすいため、分散させるのが困難であるが、本
発明においては分散させることができるので、極細繊維
を含有することの利点を得ることができる。
態であることもできるが、強度的に優れているように、
延伸状態にあるのが好ましい。
少なくとも、前述のような極細繊維が分散しているた
め、極細繊維を含んでいることによる効果を発揮でき
る。この極細繊維分散不織布における極細繊維の含有量
は、極細繊維を含んでいることによる効果を発揮するこ
とができるように、20mass%以上であるのが好ま
しく、50mass%以上であるのがより好ましく、1
00mass%であるのが最も好ましい。
前記の極細繊維以外の繊維として、(1)繊維径が4μ
mを越えるが繊維長が3mm以下の繊維(以下、太繊維
と称する)、(2)繊維径が4μm以下であるが繊維長
が3mmを越える繊維(以下、長繊維と称する)、ある
いは(3)繊維径が4μmを越え、しかも繊維長が3m
mを越える繊維(以下、太長繊維と称する)を使用する
ことができる。これらの中でも、繊維長が3mmを越え
る長繊維及び太長繊維は分散性が悪く、極細繊維の分散
性を損なう場合があるため、繊維長が3mm以下の太繊
維を使用するのが好ましい。
限は特に限定するものではないが、極細繊維との繊維径
の差が大きすぎると、極細繊維分散不織布の地合いを損
ねる場合があるため、太繊維の繊維径の上限は50μm
程度であるのが好ましい。
に、繊維長は2mm以下であるのが好ましい。下限は特
に限定するものではないが、0.1mm程度が適当であ
る。また、前記の太繊維も均一な長さであるように、3
mm以下の長さに切断されたものであるのが好ましい。
構成することができる。すなわち、例えば、ポリアミド
系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂など)、ポリスチレン系樹脂(結晶性ポリスチレン、
非晶性ポリスチレンなど)、芳香族ポリアミド系樹脂、
ポリウレタン系樹脂などの有機成分、ガラス、炭素、チ
タン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、ホウ
酸アルミニウム、ワラストナイトなどの無機成分から構
成することができる。
は、太繊維の融着によって本発明による極細繊維分散不
織布の不織布形態を維持することができる。この融着可
能な太繊維は、太繊維表面を構成する成分の少なくとも
一部を熱可塑性樹脂から構成することができる。例え
ば、太繊維表面を構成する成分が、ポリオレフィン系樹
脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂な
どの結晶性の熱可塑性樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系
樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリ
ル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの非晶性の
熱可塑性樹脂であることができる。
類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が融
着したとしても、少なくとも1種類の他の成分によって
繊維形態を維持することができるため好適である。太繊
維が2種類以上の成分から構成されている場合、太繊維
の横断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サ
イドバイサイド型、多重バイメタル型、又はオレンジ型
であることができる。
よいが、強度的に優れているように、延伸状態にあるの
が好ましい。
前述のような極細繊維が分散しているため、極細繊維を
含んでいることによる各種特性を発揮することができ
る。すなわち、極細繊維が束の状態で存在していないた
め、極細繊維を含んでいることによる各種特性を発揮す
ることができる。
極細繊維同士が密着しにくいように、極細繊維分散不織
布に付着した付着物(界面活性剤や糊剤など)の付着率
が0.5mass%以下と、極めて少ない量である。こ
の付着物の付着率が少なければ少ない程、前記効果に優
れているため、付着率は、好ましくは0.3mass%
以下、より好ましくは0.1mass%以下、更により
好ましくは0.08mass%以下、更により好ましく
は0.06mass%以下、更により好ましくは0.0
4mass%以下、更により好ましくは0.02mas
s%以下である。
ては、付着物の付着率が低いため、極細繊維分散不織布
使用中に付着物が脱離する危険性が極めて低いことによ
って、様々な好ましい効果をもたらす。例えば、一般的
に、通常の不織布をフィルタとして使用した場合、濾過
前の流体中に含まれている塵埃をフィルタで物理的に除
去することができても、フィルタ(不織布)自体が汚染
物質を発生すると、フィルタとしての役割が半減してし
まう。これに対して、本発明の極細繊維分散不織布、あ
るいは、前記極細繊維分散不織布層少なくとも1層を含
有する本発明によるシート材料は、付着物量が少なく、
付着物が脱離する可能性が極めて低いため、フィルタと
して好適に使用することができる。
布の質量に対する付着物の質量の百分率をいう。すなわ
ち、次の式(1): A=(ms/mf)×100 (1) 〔ここで、Aは付着物の付着率(%)、msは付着物の
付着質量(g)、mfは極細繊維分散不織布の質量
(g)を、それぞれ意味する〕により得られる値をい
う。
て、例えば、湿式法によって界面活性剤や糊剤を用いて
繊維ウエブを形成し、その繊維ウエブに対して、水流な
どを作用させたとしても、付着物の付着率を0.5ma
ss%以下とすることは困難である。
極細繊維分散不織布を熱水(例えば、80〜100℃の
水)に15分間浸漬することによって得られる抽出物
(以下、熱水抽出物と称する)、及び極細繊維分散不織
布を熱メタノール溶液に15分間浸漬することによって
得られる抽出物(以下、熱メタノール抽出物と称する)
の両方が含まれる。熱水抽出物として、糊剤(例えば、
アクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアルギン
酸ソーダ、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコールなど)があり、熱メタ
ノール抽出物として、界面活性剤(親水基と親油基の両
方を有する化合物、例えば、ノニオン系界面活性剤)が
ある。
る必要はなく、極細繊維が分散した層を2層以上含んで
いることができる。極細繊維が分散した層2層以上を備
えていると、様々な特性を付与することができる。例え
ば、極細繊維の存在量の異なる極細繊維が分散した層を
2層以上備えていることによって、濾過性能を高めるこ
とができる。
する繊維(極細繊維、太繊維など)は、繊維(極細繊
維、太繊維など)の融着によって結合しているのが好ま
しい。繊維(極細繊維、太繊維など)の融着によって結
合していると、極細繊維の配置が乱れることなく結合さ
れ、極細繊維が密着しておらず、適度な空隙を保った状
態で結合した状態にあるからである。また、極細繊維が
絡合していると極細繊維が密着した状態となりやすいた
め、極細繊維は絡合していないのが好ましい。
分散した極細繊維の層のみから構成することもできる
が、極細繊維が分散した不織布だけでは強度的に弱い傾
向があるため、補強するための補強層を備えていること
ができる。この補強層を構成する補強材としては、例え
ば、通常の糸、ネット、織物、編物、繊維ウエブ、又は
通常の不織布などを挙げることができる。
は、極細繊維が密着した状態にないため、0.005g
/cm3という非常に低い見掛密度であることもでき
る。なお、本発明の極細繊維分散不織布の見掛密度は、
0.005〜0.1g/cm3程度であることができ
る。本明細書における「見掛密度」は、目付(g/cm
2)を厚さ(cm)で除した値であり、「厚さ」は無荷
重時における厚さをいう。「目付」はJIS L108
5:1998,6.2に規定する方法で測定した単位面
積あたりの質量をいう。
れているため、この極細繊維分散不織布の目付は1g/
m2という非常に低い目付であることもできる。なお、
本発明の極細繊維分散不織布の目付は、1〜100g/
m2程度であることができる。
を含んでいることによる各種特性(例えば、濾過性能、
柔軟性、払拭性、及び/又は隠蔽性など)に優れている
ため、本発明の極細繊維分散不織布の形態で、あるい
は、前記極細繊維分散不織布層少なくとも1層を含むシ
ート材料の形態で、例えば、気体又は液体用フィルタ
(ヘパフィルタ、バグフィルタ、カートリッジフィルタ
など)、脱臭フィルタ用基材、消臭フィルタ用基材、マ
スク用基材(手術用、産業用など)、フィルタプレス、
手術用ドレープ、手術用ガウン、おむつカバーリング、
電池用セパレータ、吸水シート(加湿器用など)などの
各種用途に使用することができる。
の方法によって製造することができる。まず、繊維径が
4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維の集合体
(特には、束状の集合体)若しくはそれらの集合体群
(特には、複数の束状集合体を束状で含む集合体群)、
及び/又は、機械的に分割して繊維径が4μm以下で繊
維長が3mm以下の極細繊維を発生可能な分割性繊維、
若しくはそれらの集合体(特には、束状の集合体)を準
備する。なお、前記極細繊維集合体若しくはそれらの集
合体群、及び/又は、極細繊維発生可能分割性繊維若し
くはそれらの集合体として、付着物(界面活性剤、又は
糊剤など)の付着率が0.5mass%以下(好ましく
は0.3mass%以下、より好ましくは0.1mas
s%以下、更により好ましくは0.08mass%以
下、更により好ましくは0.06mass%以下、更に
より好ましくは0.04mass%以下、更により好ま
しくは0.02mass%以下)の前記極細繊維集合体
若しくはそれらの集合体群、及び/又は、極細繊維発生
可能分割性繊維若しくはそれらの集合体を使用すると、
本発明の極細繊維分散不織布の製造が容易になる。
体若しくはそれらの集合体群、又は、極細繊維発生可能
分割性繊維若しくはそれらの集合体は、例えば、繊維径
が4μm以下で繊維長が3mm以下の市販極細繊維集合
体若しくはそれらの集合体群、又は、極細繊維発生可能
分割性繊維若しくはそれらの集合体を用意した後、アセ
トンなどの溶媒により、付着物の付着率が0.5mas
s%以下となるまで洗浄して得ることができる。あるい
は、付着物の付着率の少ない極細繊維集合体若しくはそ
れらの集合体群は、例えば、複合紡糸法や混合紡糸法に
より製造した海島型繊維又は海島型繊維の群の海成分
を、抽出除去して得ることができる。また、海島型繊維
から海成分を抽出除去した後に、アセトンなどの溶媒に
より洗浄すれば、より付着物量を少なくすることができ
る。なお、付着物を除去すると、極細繊維表面に静電気
が発生しやすくなり、極細繊維が相互に反発して分散し
やすくなる。
合体群中の極細繊維が絡んだ状態にあると、後述のよう
な圧縮気体の作用によっても、極細繊維を均一に分散さ
せるのが困難になる傾向があったり、圧縮気体を何度も
作用させる必要が生じるため、極細繊維集合体若しくは
それらの集合体群中の極細繊維は絡んだ状態にないのが
好ましい。例えば、機械的に分割可能な分割性繊維をビ
ーターなどによって叩解した極細繊維集合体や、ビータ
ーなどによって叩解したパルプや、あるいはフラッシュ
紡糸法により得られた極細繊維集合体などは、極細繊維
同士が絡んだ状態にあるため使用しないのが好ましい。
なお、圧縮気体の作用によって機械的に分割して、繊維
径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維を発生
可能な極細繊維発生可能分割性繊維若しくはそれらの集
合体(例えば、全芳香族ポリアミド繊維若しくはそれら
の集合体、溶剤抽出法により得られたセルロース繊維若
しくはそれらの集合体など)は使用することができる。
また、前記の太繊維若しくはそれらの集合体を使用する
場合も、アセトン洗浄などを予め実施して付着物の付着
率の少ない状態とするのが好ましい。
若しくはそれらの集合体群、及び/又は、極細繊維発生
可能分割性繊維若しくはそれらの集合体(場合により、
更に太繊維若しくはそれらの集合体)をノズルへ供給す
るとともに、それらに圧縮気体を作用させることによ
り、ノズルから気体中に噴出させ、前記極細繊維集合体
若しくはそれらの集合体群から極細繊維に分割し、それ
らの極細繊維を分散させ、及び/又は極細繊維発生可能
分割性繊維若しくはそれらの集合体から極細繊維を発生
させ、それらの極細繊維を分散させる。なお、太繊維若
しくはそれらの集合体を含んでいる場合には、太繊維を
分散させるか、あるいは集合体から太繊維を分割し、そ
して分散させる。
流であるのが好ましい。層流であると、極細繊維同士の
絡みが生じにくいため、極細繊維が分散しやすくなる。
一般的に、ノズル中を通過する繊維の繊維径が4μm以
下(特には2μm以下)と細く、剛性が低い(柔らか
い)場合、束状の極細繊維集合体若しくはそれらの集合
体群(特に、海島型繊維の島成分から誘導される束状極
細繊維集合体若しくはそれらの集合体群)の場合、ある
いは極細繊維が有機成分からなり剛性が低い(柔らか
い)場合には、絡みやすくなる。しかし、このような場
合でも、ノズルを通過する気体の流れを実質的に層流と
することによって、絡みを抑制することができる。な
お、ノズルとしてベンチュリー管を使用することによ
り、ノズルを通過する気体の流れを実質的に層流とする
ことができる。
供給側から噴出側に向かって(流れ方向に)、一定の横
断面積を有するものであることもできるが、流れ方向に
連続的に又は不連続的に横断面積が小さくなるか大きく
なるものであることも、流れ方向に連続的に又は不連続
的に横断面積が大きくなった後に小さくなるように変化
するものであることも、あるいは流れ方向に連続的に又
は不連続的に横断面積が小さくなった後に大きくなるよ
うに変化するものであることもできる。また、前記ノズ
ル噴出口から噴出させた束状の極細繊維集合体(若しく
はそれらの集合体群)及び/又は極細繊維発生可能繊維
(若しくはそれらの集合体)を、前記ノズル噴射口の前
方に設けられた衝突部材(例えば、邪魔板)に衝突さ
せ、束状の極細繊維集合体若しくはそれらの集合体群及
び/又は極細繊維発生可能分割性繊維(若しくはそれら
の集合体)からの極細繊維の発生効率及び発生した極細
繊維の分散効率を向上させることができる。特に、ノズ
ル中における気体の流れを実質的に層流とする場合に
は、極細繊維を分散させる作用が乏しいため、衝突部材
(例えば、邪魔板)を設けて分散を促進するのが好まし
い。
とができ、空気を用いるのが極細繊維分散不織布の製造
上好適である。また、圧縮気体は、前記極細繊維集合体
若しくはそれらの集合体群を充分に分散することがで
き、及び/又は極細繊維発生可能分割性繊維若しくはそ
れらの集合体を極細繊維に分割して充分に分散させるこ
とができるように、ノズルの噴出口における気体通過速
度が100m/sec以上であるのが好ましい。この
「気体通過速度」は、ノズルから噴出された気体の1気
圧における流量(m3/sec)を、ノズル噴出口にお
ける横断面積(m2)で除した値をいう。また、圧縮気
体の圧力は、前記極細繊維集合体若しくはそれらの集合
体群を充分に分散、及び/又は極細繊維発生可能分割性
繊維若しくはそれらの集合体を極細繊維に分割し、充分
に分散させることができるように、2kg/cm2以上
であるのが好ましい。
集合体若しくはそれらの集合体群を充分に分散し、及び
/又は極細繊維発生可能分割性繊維若しくはそれらの集
合体を極細繊維に分割し、充分に分散させる分散媒体と
しての気体は、特に限定されるものではないが、空気で
あるのが極細繊維分散不織布の製造上好適である。
の集合体群、及び/又は、極細繊維発生可能分割性繊維
若しくはそれらの集合体における付着物の付着率が低い
と、ノズルとそれらとの摩擦によって静電気が発生しや
すく、極細繊維同士が反発しあって、より密着しにくい
状態で集積できる、という効果を奏する。
り太繊維も含む)を集積して、繊維ウエブを形成する。
この極細繊維の集積は、例えば、多孔性のロールやネッ
トなどの支持体を利用して実施することができる。な
お、極細繊維は自然落下させて集積することができ、あ
るいは支持体の下方から気体を吸引して集積することが
できる。後者の場合、吸引力を強くすると、スラリーか
ら極細繊維を抄き上げた場合と同様に、極細繊維が密着
した状態になりやすいため、吸引力は適宜調節する必要
がある。
て極細繊維分散不織布を製造することができる。この結
合方法は特に限定されるものではないが、例えば、繊維
(極細繊維及び/又は太繊維)を融着させる方法、エマ
ルジョンやラテックスなどのバインダーにより接着する
方法、水流などの流体流により絡合する方法、などを単
独で、あるいは併用する方法がある。これらの中でも繊
維を融着させる方法であると、極細繊維が密着していな
い状態を維持した状態で結合することができるため好適
である。なお、水流などの流体流により絡合する方法
は、流体流の圧力によって極細繊維が密着した状態にな
りやすいため、避けた方が好ましい。
本的な製造方法であるが、極細繊維が均一に分散しやす
いように、前記極細繊維集合体若しくはそれらの集合体
群、及び/又は、極細繊維発生可能分割性繊維の集合体
を圧縮気体の作用によりノズルから気体中へ噴出させる
前に、ミキサーなどを利用してより本数の少ない極細繊
維集合体(又は集合体群)及び/又は、より本数の少な
い極細繊維発生可能分割性繊維の集合体に小分けした
り、分散させたり、混合するのが好ましい。
後、繊維ウエブを結合する前に、支持体上に集積した繊
維ウエブを再度ノズルに供給し、極細繊維をノズルから
気体中に噴出させて再分散させてから、再度支持体上に
集積させて繊維ウエブを形成する操作を繰り返し行うこ
とができる。
以上の極細繊維、及び/又は太繊維を含む極細繊維分散
不織布が得られるように、前記極細繊維集合体若しくは
それらの集合体群、又は、極細繊維発生可能分割性繊維
若しくはそれらの集合体を併用することができる。ま
た、繊維径の点において異なる極細繊維を含む繊維集合
体若しくはそれらの集合体群、繊維径の点において異な
る極細繊維を発生可能な分割性繊維若しくはそれらの集
合体及び/又は繊維径の点において異なる太繊維、若し
くはそれらの集合体の配合量を、連続的に又は不連続的
に変化させながらノズルへ供給することもできる。この
ように変化させると、繊維径の違いによって、見掛密度
の異なる層又は領域を、厚さ方向に有する極細繊維分散
不織布を製造することができる。
エブを形成する際に、分散した極細繊維を補強材(例え
ば、糸、ネット、織物、編物、繊維ウエブ、又は通常の
不織布など)の上に集積させて、積層体を形成すること
もできる。このように積層体とすることにより、極細繊
維分散不織布の強度を向上させることができるため、本
発明の極細繊維分散不織布を強度を必要とする用途に適
用することができる。なお、本発明による極細繊維分散
不織布を形成した後に、その極細繊維分散不織布を前記
のような補強材(例えば、糸、ネット、織物、編物、繊
維ウエブ、通常の不織布、又はフィルムなど)と一体化
して積層体とすることによって、同様の効果を奏するこ
とができる。
による極細繊維分散不織布に対して後加工を実施するこ
とができる。例えば、不織布に帯電処理、撥水処理、又
は親水化処理などを実施することができる。
に用いることのできる製造装置について、その具体的態
様を示す図1に沿って説明する。なお、繊維径が4μm
以下で繊維長が3mm以下の極細繊維の集合体(特に束
状集合体)を用いる場合について説明する。図1は、本
発明による極細繊維分散不織布製造装置の1態様の模式
的説明図である。
m以下の極細繊維の束状集合体を、場合により太繊維若
しくはそれらの集合体と共に、ミキサーなどの混合装置
10に装入して、その中で束状集合体を、より小さい束
状集合体に分割したり、極細繊維を分散させたり、解か
したり、あるいは混合する。
た極細繊維及び/又は束状の極細繊維集合体(場合によ
り太繊維及び/又はその集合体も)は、混合装置10か
ら供給管11を介してノズル30へ供給される。移送に
は、混合装置10に設けた搬送用気体供給装置(図示せ
ず)から供給される適当な搬送用気体を用いることもで
きる。供給管11へは、ノズル30の手前で、圧縮気体
導入口20から圧縮気体が導入される。この圧縮気体の
作用によって、前記の束状の極細繊維集合体(場合によ
り太繊維及び/又はその集合体も)は、混合装置10か
ら供給管11を介してノズル30へ移動し、更にノズル
30から勢いよく、分散室40内の気体40a中へと噴
出される。この気体40aへ噴出される際に、ノズル3
0内と気体40aとの気圧差、及び噴出された圧縮気体
と気体40aとの間に形成される乱流などの相互作用に
よって、束状の極細繊維集合体から極細繊維70が発生
し、分散室40内で分散する。更に、ノズル30から噴
出した極細繊維70を分散室40の壁部45に衝突させ
ることによって分割及び分散を促進することもできる。
この場合、前記壁部45は、衝突部材として作用するこ
とができる。また、前記ノズル30の噴出口と前記壁部
45との間に、別途に衝突部材を設けることもできる。
前記ノズル30の噴出口と衝突部材の平坦部(衝突部)
との距離は好ましくは1〜100mm、より好ましくは
5〜40mm、より好ましくは5〜30mm、より好ま
しくは10〜30mm、最も好ましくは10〜20mm
である。
細繊維70は、分散室40内を降下し、分散室40の底
部に設けたネットからなる支持体50上に集積して繊維
ウエブ80を形成する。本発明の不織布製造装置におい
ては、図1に示すとおり、分散室40の底部の支持体5
0の下方に気体吸引装置60を設けることができ、この
気体吸引装置60によって分散室40内の気体40aを
吸引し、極細繊維70の集積を促進することができる。
分散室40の内部と分散室40の外側とは、気密にする
ことができるし、気密にしないこともできる。
0はエンドレスベルト状で回転し、供給管12,13の
方向(図1の矢印aの方向)へ繊維ウエブ80を搬送す
る。続いて、繊維ウエブ80は、供給管12及び13を
介して、再度、ノズル31,32へ供給される。図1に
示す態様のように、2つのノズルに再供給することがで
きるだけでなく、1つのノズルに再供給するか、あるい
は3つ以上のノズルに再供給することもできる。あるい
は、充分な分散が行われている場合には、後述する熱融
着装置90へ移送して結合工程に直接に送ることもでき
る。
ズル31,32の手前で、それぞれ、圧縮気体導入口2
1,22から圧縮気体が導入されるので、この圧縮気体
の作用によって、繊維ウエブ80から供給される極細繊
維(場合により太繊維も)が、供給管12,13を介し
てノズル31,32へ移動し、更にノズル31,32か
ら勢いよく、分散室41,42内の気体41a,42a
中へと噴出される。この際に、同様に極細繊維71,7
2は均一に分散する。更に、各ノズル31,32から噴
出した極細繊維71,72を分散室41,42の壁部4
6,47に衝突させることによって分散を促進すること
もできる。この場合、前記壁部46,47は、衝突部材
として作用することができる。また、前記ノズル31,
32の噴出口と前記壁部46,47との間に、別途に衝
突部材を設けることもできる。
中に分散した極細繊維71,72は、それぞれ分散室4
1,42内を降下し、分散室41,42の底部に共通し
て設けたネットからなる支持体51上に集積する。すな
わち、分散室41内の気体41a中に分散した極細繊維
71は、分散室41内を降下して支持体51上に集積し
て単層繊維ウエブ81を形成した後、エンドレスベルト
状の支持体51と共に、分散室42の方向(図1の矢印
bの方向)へ搬送される。また、分散室42内の気体4
2a中に分散した極細繊維72は、分散室42内を降下
して、支持体51上の単層繊維ウエブ81の上に更に集
積して積層繊維ウエブ82を形成する。もっとも、こう
して形成される積層繊維ウエブ82は、単層の繊維ウエ
ブ80を構成する極細繊維を再度分散させているため、
明確な2層構造が存在するものではない。本発明の不織
布製造装置においては、図1に示すとおり、分散室4
1,42の底部の支持体51の下方にも気体吸引装置6
1を設けることができ、この気体吸引装置61によって
分散室41,42内の気体41a,42aを吸引し、極
細繊維71,72の集積を促進することができる。ま
た、支持体51及び気体吸引装置61は、図1に示すと
おり、複数の分散室に対して共通に設けることもでき、
あるいは複数の分散室のそれぞれに対して独立に別個に
設けることもできる。
により、この積層繊維ウエブ82を熱融着装置90へと
搬送し、この熱融着装置90にて熱の作用により極細繊
維及び場合により太繊維が融着して熱融着不織布83を
形成することができる。そして、この熱融着不織布83
は巻き取り装置100により巻き取られる。
維分散不織布層少なくとも1層を含有する。すなわち、
本発明によるシート材料は、前記の極細繊維分散不織布
層の単独層からなるか、あるいは前記の極細繊維分散不
織布層1層又はそれ以上と別の補強層1層又はそれ以上
とを含む。補強層としては、通常の糸層、ネット層、織
物層、編物層、繊維ウエブ層、又は通常の不織布層など
を挙げることができる。前記の極細繊維分散不織布層と
補強層との積層体は、例えば、補強層の上に極細繊維分
散繊維ウエブを集積し、繊維ウエブと補強層とを結合し
て製造するか、あるいは補強層と極細繊維分散不織布層
とを適当な結合手段によって結合して製造することがで
きる。本発明によるシート材料は、前記の極細繊維分散
不織布層を含有するので各種特性(例えば、濾過性能、
柔軟性、払拭性、及び/又は隠蔽性など)に優れている
ため、例えば、気体又は液体用フィルタ(ヘパフィル
タ、バグフィルタ、カートリッジフィルタなど)、脱臭
フィルタ用基材、消臭フィルタ用基材、マスク用基材
(手術用、産業用など)、フィルタプレス、手術用ドレ
ープ、手術用ガウン、おむつカバーリング、電池用セパ
レータ、吸水シート(加湿器用など)などの各種用途に
使用することができる。
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
エチレンとポリプロピレンとからなる島成分が25個存
在し、複合紡糸法により得た海島型繊維(繊度=1.7
dtex;繊維長1mmに切断されたもの)を用意し
た。この海島型繊維を10mass%水酸化ナトリウム
水溶液中に浸漬して、海成分であるポリ乳酸を加水分解
により抽出除去した後、風乾して、それぞれの各極細繊
維内に高密度ポリエチレンとポリプロピレンとが混在し
た極細繊維(繊維径=2μm;繊維長=1mm;フィブ
リル化していない;延伸されている;繊維軸方向におい
て実質的に同じ直径を有する;付着物の付着率=0.0
2mass%未満;断面形状=円形(極細繊維の断面形
状=海島型)が束状となった極細繊維Aの集合体を得
た。
中に、結晶性ポリスチレンからなる島成分が61個存在
し、複合紡糸法により得た海島型繊維(繊度=2dte
x;繊維長0.5mmに切断されたもの)を用意した。
この海島型繊維を10mass%水酸化ナトリウム水溶
液中に浸漬して、海成分である共重合ポリエステルを加
水分解により抽出除去した後、風乾して、結晶性ポリス
チレンからなる極細繊維(繊維径=1.1μm;繊維長
=0.5mm;フィブリル化していない;延伸されてい
る;繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する;付
着物の付着率=0.02mass%未満)が束状となっ
た極細繊維Bの集合体を得た。
を用いて、本発明による極細繊維分散不織布を調製し
た。すなわち、束状の極細繊維A集合体と束状の極細繊
維B集合体とを、25:75の質量比でミキサー10に
供給して、解すとともに混合した後、噴出口における横
断面形状が円形(直径=3.2mm)で連続的に先細り
の先細ノズル30に供給するとともに、先細ノズル30
の手前に設けられた圧縮気体導入口20から圧縮空気
(圧力=6kg/cm2)を導入し、前記先細ノズル3
0(層流が形成される)から前記混合物を分散室40の
空気中に噴出(先細ノズル30の噴出口における気体通
過速度=1600m/s)して、極細繊維70を分散室
40内で分散させた。
ネットからなる支持体50上に載置しておいた不織布基
材(目付が30g/m2のポリエステル繊維製スパンボ
ンド不織布;図示せず)上に集積させた。なお、集積さ
せる際には、支持体の下に設置されたサクションボック
ス60により空気を吸引(吸引速度=2m3/min)
した。
スパンボンド不織布基材を、温度130℃に設定された
オーブン90に直接に供給し、3分間熱処理を実施し
て、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極細繊維の高
密度ポリエチレン成分によって、極細繊維同士を熱融着
させて極細繊維分散不織布層を形成すると共に、極細繊
維分散不織布層とスパンボンド不織布基材とを熱融着さ
せ、目付40g/m2、厚さ1.1mmの複合不織布を
製造した。なお、極細繊維分散不織布層の目付は10g
/m2、厚さは1mm、見掛密度は0.01g/cm3で
あった。また、極細繊維分散不織布層を熱水中に15分
間浸漬して抽出した付着物と、熱メタノール中に15分
間浸漬して抽出した付着物との総付着物質量の、極細繊
維分散不織布層の質量に対する百分率(付着物の付着
率)は0.02mass%未満であった。
ルター性能〔風速=5.3cm/s;試験粒子=DOP
(フタル酸ジ(2−エチルヘキシジル))〕を調べたと
ころ、0.3μm粒子に対する捕集効率は99.98%
となり、目標値の99.97%を上回ると共に、圧力損
失も175Paの低い値を示し、目標値の400Pa以
下を満たした。
繊維Aの集合体と束状の極細繊維Bの集合体とを、2
5:75の質量比で混合した後、ノニオン系界面活性剤
(極細繊維Aの集合体と極細繊維Bの集合体のトータル
質量に対して10mass%)を付与した。
クリルアミドを含むスラリー中に投入し、ミキサーによ
り極細繊維に分割し、分散した。次いで、このスラリー
を希釈して希釈化スラリーを形成した。
らなる支持体上に載置しておいた不織布基材(目付が3
0g/m2のポリエステル繊維製スパンボンド不織布)
上に抄き上げた後、この極細繊維が分散した状態で集積
した層を担持するスパンボンド不織布基材を温度130
℃に設定されたオーブンに供給し、3分間熱処理を実施
して、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極細繊維の
高密度ポリエチレン成分によって、極細繊維同士を熱融
着させて極細繊維分散不織布層を形成すると共に、極細
繊維分散不織布層とスパンボンド不織布基材とを熱融着
させ、目付50g/m2、厚さ0.3mmの複合不織布
を製造した。なお、極細繊維分散不織布層の目付は20
g/m2、厚さは0.2mm、見掛密度は0.1g/c
m3であった。なお、極細繊維分散不織布層を熱水中に
15分間浸漬して抽出した付着物と、熱メタノール中に
15分間浸漬して抽出した付着物との総付着物質量の、
極細繊維分散不織布層の質量に対する百分率(付着物の
付着率)は1.5mass%であった。
ルター性能〔風速=5.3cm/s;試験粒子= DO
P〕を調べたところ、0.3μm粒子に対する捕集効率
は98%と、目標値の99.97%を下回り、しかも圧
力損失は目標値の400Pa以下に対して560Paと
高い値を示した。この極細繊維分散不織布層を電子顕微
鏡で観察したところ、極細繊維Aの束状集合体及び極細
繊維Bの束状集合体のそれぞれの一部は分散しておら
ず、極細繊維が束になった状態にあった。
の束状集合体と、アセトンで洗浄して付着物(主として
繊維油剤)を除去したポリエステル極細繊維〔帝人
(株)製;繊度=0.11dtex;繊維径=3.2μ
m;繊維長=3mm;フィブリル化していない;延伸さ
れている;繊維軸方向において実質的に同じ直径を有す
る;付着物の付着率=0.02mass%未満〕の集合
体とを、60:40の質量比でミキサーに供給して、解
すとともに混合した後、噴出口における横断面形状が円
形(直径=7mm)の円筒状エジェクターに供給すると
ともに、円筒状エジェクターの手前に設けられた圧縮気
体導入口から圧縮空気(圧力:6kg/cm 2)を導入
して、前記円筒状エジェクター(うず巻流が形成され
る)から前記混合物を空気中に噴出(円筒状エジェクタ
ーの噴出口における気体通過速度=160m/s)し
て、極細繊維を発生させ、分散させた。
トからなる支持体上に載置しておいた不織布基材(目付
が30g/m2のポリエステル繊維製スパンボンド不織
布)上に集積させた。なお、集積させる際には、支持体
の下に設置されたサクションボックスにより空気を吸引
(2m3/min)した。
積した層を担持するスパンボンド不織布基材を、温度1
30℃に設定されたオーブンに供給し、3分間熱処理を
実施して、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極細繊
維の高密度ポリエチレン成分によって、極細繊維同士及
び極細繊維とスパンボンド不織布基材とが熱融着し、目
付が50g/m2、厚さが3mmの複合不織布を製造し
た。なお、極細繊維分散不織布層の目付は20g/
m2、厚さは2.9mm、見掛密度は0.007g/c
m3であった。なお、極細繊維分散不織布層を熱水中に
15分間浸漬して抽出した付着物と、熱メタノール中に
15分間浸漬して抽出した付着物との総付着物質量の、
極細繊維分散不織布層の質量に対する百分率(付着物の
付着率)は0.02mass%未満であった。この複合
不織布は極細繊維分散不織布層を含むものであったた
め、濾過性能や柔軟性に優れるものであった。
ポリ−4−メチルペンテンからなる島成分が約3900
個存在し、混合紡糸法により得た海島型繊維(繊度=
8.8dtex;繊維長0.5mmに切断されたもの)
を用意した。この海島型繊維を10mass%水酸化ナ
トリウム水溶液中に浸漬して、海成分である共重合ポリ
エステルを加水分解により抽出除去した後、風乾して、
ポリ−4−メチルペンテンからなる極細繊維(繊維径=
0.4μm;繊維長=0.5mm;フィブリル化してい
ない;延伸されている;付着物の付着率=0.02ma
ss%未満)が束状となった極細繊維Cの集合体を得
た。また、実施例1と同様にして製造した極細繊維Aの
束状集合体を用意した。
維Cの束状集合体とを、50:50の質量比で混合し、
ミキサーに供給して、解すとともに混合した後、噴出口
における横断面形状が円形(直径=8.5mm)のベン
チュリー管〔ベンチュリー管の繊維供給側における横断
面形状=円形(直径=3mm)〕に供給するとともに、
ベンチュリー管の手前に設けられた圧縮気体導入口から
圧縮空気(圧力=6kg/cm2)を導入して、前記ベ
ンチュリー管(層流を形成)から前記混合物を空気中に
噴出(ベンチュリー管の噴出口における気体通過速度=
118m/s)し、前記ベンチュリー管の噴出口前方に
設けた邪魔板に衝突させて、極細繊維を分散させた。前
記ベンチュリー管の噴出口と邪魔板との距離は15mm
であった。
トからなる支持体上に載置しておいた不織布基材(目付
が30g/m2のポリエステル繊維製スパンボンド不織
布)上に集積させた。なお、集積させる際には、支持体
の下に設置されたサクションボックスにより空気を吸引
(2m3/min)した。
層を担持するスパンボンド不織布基材を、温度130℃
に設定されたオーブンに供給し、3分間熱処理を実施し
て、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極細繊維の高
密度ポリエチレン成分によって、極細繊維同士及び極細
繊維とスパンボンド不織布基材とが熱融着し、目付40
g/m2、厚さ0.9mmの複合不織布を製造した。な
お、極細繊維分散層の目付は10g/m2、厚さは0.
8mm、見掛密度は0.013g/cm3であった。な
お、極細繊維分散層を熱水中に15分間浸漬して抽出し
た付着物と、熱メタノール中に15分間浸漬して抽出し
た付着物との総付着物質量の、極細繊維分散層の質量に
対する百分率(付着物の付着率)は0.02mass%
未満であった。
含むものであったため、濾過性能や柔軟性に優れるもの
であった。
の束状集合体、及び実施例3と同様にして形成した極細
繊維Cの束状集合体とを用意した。次いで、極細繊維A
の束状集合体と極細繊維Cの束状集合体とを5:95の
質量比率で混合し、ミキサーに供給して、解すとともに
混合した後、噴出口における横断面形状が円形(直径=
8.5mm)のベンチュリー管〔極細繊維供給口におけ
る横断面形状が円形(直径=3mm)の円錐台状〕に供
給するとともに、ベンチュリー管の手前に設けられた圧
縮気体導入口から圧縮空気(圧力=6kg/cm2)を
導入して、前記ベンチュリー管(層流を形成)から前記
混合物を空気中に噴出(ベンチュリー管の噴出口におけ
る気体通過速度=118m/s)し、前記ベンチュリー
管の噴出口前方に設けた邪魔板に衝突させて、極細繊維
を分散させた。前記ベンチュリー管の噴出口と邪魔板と
の距離は15mmであった。
トからなる支持体上に載置しておいた不織布基材(目付
が30g/m2のポリエステル繊維製スパンボンド不織
布)上に集積させた。なお、集積させる際には、支持体
の下に設置されたサクションボックスにより空気を吸引
(2m3/min)した。
層を担持するスパンボンド不織布基材を、温度130℃
に設定されたオーブンに供給し、3分間熱処理を実施し
て、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極細繊維の高
密度ポリエチレン成分によって、極細繊維同士及び極細
繊維と不織布基材とが熱融着し、目付40g/m2、厚
さ0.8mmの複合不織布を製造した。なお、極細繊維
分散不織布層の目付は10g/m2、厚さは0.7m
m、見掛密度は0.014g/cm3であった。なお、
極細繊維分散不織布層を熱水中に15分間浸漬して抽出
した付着物と、熱メタノール中に15分間浸漬して抽出
した付着物との総付着物質量の、極細繊維分散不織布層
の質量に対する百分率(付着物の付着率)は0.02m
ass%未満であった。この複合不織布はサブミクロン
の極細繊維が分散した層を含むものであったため、濾過
性能や柔軟性に非常に優れるものであった。なお、この
極細繊維分散不織布層の表面の電子顕微鏡写真を図2に
示す。図2から明らかなように、極細繊維の束状集合体
が極細繊維に分割され、均一に分散していた。
の束状集合体、及び実施例3と同様にして形成した極細
繊維Cの束状集合体とを用意した。次いで、これら極細
繊維A,Cの束状集合体に対して、繊維油剤としてラウ
リルホスフェートカリウム塩(竹本油脂製)を、極細繊
維A,Cの束状集合体の合計重量に対して0.6mas
s%の量で付与した。
じ操作により、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極
細繊維の高密度ポリエチレン成分によって、極細繊維同
士及び極細繊維と不織布基材とが熱融着し、目付40g
/m2、厚さ0.8mmの複合不織布を製造した。な
お、極細繊維分散不織布層の目付は10g/m2、厚さ
は0.7mm、見掛密度は0.014g/cm3であっ
た。なお、極細繊維分散不織布層を熱水中に15分間浸
漬して抽出した付着物と、熱メタノール中に15分間浸
漬して抽出した付着物との総付着物質量の、極細繊維分
散不織布層の質量に対する百分率(付着物の付着率)は
0.6mass%であった。この極細繊維分散不織布層
の表面を電子顕微鏡で観察した(図3)。図3から明ら
かなとおり、極細繊維A,Cの束状集合体の一部は分割
しておらず、極細繊維が束になった状態にあった。
の束状集合体、及び実施例3と同様にして形成した極細
繊維Cの束状集合体とを用意した。次いで、極細繊維A
の束状集合体と極細繊維Cの束状集合体とを25:75
の質量比率で混合し、ミキサーに供給して、解すととも
に混合した後、実施例2と同じ操作により、高密度ポリ
エチレン−ポリプロピレン極細繊維の高密度ポリエチレ
ン成分によって、極細繊維同士及び極細繊維と不織布基
材とが熱融着し、目付が40g/m2で、厚さが0.8
mmの複合不織布を製造した。なお、極細繊維分散不織
布層の目付は10g/m2、厚さは0.7mm、見掛密
度は0.014g/cm3であった。また、極細繊維分
散不織布層を熱水中に15分間浸漬して抽出した付着物
と、熱メタノール中に15分間浸漬して抽出した付着物
との総付着物質量の、極細繊維分散不織布層の質量に対
する百分率(付着物の付着率)は0.02mass%未
満であった。この複合不織布はサブミクロンの極細繊維
が分散した極細繊維分散不織布層を含むものであったた
め、濾過性能や柔軟性に優れるものであった。この極細
繊維分散不織布層の表面を電子顕微鏡で観察した(図
4)。図4から明らかなとおり、極細繊維分散不織布層
内には完全に分割されていない束状の極細繊維集合体が
若干存在するものの、ほぼ極細繊維の束状集合体が極細
繊維に分割され、均一に分散していることが明らかとな
った。
の束状集合体、及び実施例3と同様にして形成した極細
繊維Cの束状集合体とを用意した。次いで、極細繊維A
の束状集合体と極細繊維Cの束状集合体とを25:75
の質量比率で混合し、ミキサーに供給して、解すととも
に混合した後、実施例4と同じ操作により、高密度ポリ
エチレン−ポリプロピレン極細繊維の高密度ポリエチレ
ン成分によって、極細繊維同士及び極細繊維と不織布基
材とが熱融着し、目付が40g/m2で、厚さが0.8
mmの複合不織布を製造した。なお、極細繊維分散不織
布層の目付は10g/m2、厚さは0.7mm、見掛密
度は0.014g/cm3であった。また、極細繊維分
散不織布層を熱水中に15分間浸漬して抽出した付着物
と、熱メタノール中に15分間浸漬して抽出した付着物
との総付着物質量の、極細繊維分散不織布層の質量に対
する百分率(付着物の付着率)は0.02mass%未
満であった。この複合不織布はサブミクロンの極細繊維
が分散した層を含むものであったため、濾過性能や柔軟
性に非常に優れるものであった。この極細繊維分散不織
布層の表面を電子顕微鏡で観察した(図5)。図5から
明らかなとおり、極細繊維の束状集合体が極細繊維に分
割され、均一に分散していることが明らかとなった。
性剤や糊剤などの付着物量が極めて少ないため、極細繊
維同士の密着性が低いものである。そのため、適度な空
隙を有し、圧力損失も低いものである。また、極細繊維
は束の状態にはなく、分散した状態にあるため、極細繊
維を含んでいることによる諸特性(濾過性、柔軟性な
ど)にも優れている。
維を分散させる媒体として溶媒を使用せずに、気体中に
極細繊維を分散させる方法であり、溶媒を分散媒体とし
て使用した場合に必要な界面活性剤や糊剤などを使用す
る必要がないため、極細繊維分散不織布層に付着した付
着物の付着率が0.5mass%以下の不織布、すなわ
ち極細繊維の密着の程度の低い不織布を容易に製造する
ことができる。
集合体群及び/又は極細繊維発生可能分割性繊維若しく
はそれらの集合体を圧縮気体の作用により、ノズルから
気体中に噴出させているため、極細繊維が均一に分散し
た不織布を容易に製造することができる。
る。
維分散不織布層の表面の状態を示す図面に変わる電子顕
微鏡写真である。
維分散不織布層の表面の状態を示す図面に変わる電子顕
微鏡写真である。
維分散不織布層の表面の状態を示す図面に変わる電子顕
微鏡写真である。
維分散不織布層の表面の状態を示す図面に変わる電子顕
微鏡写真である。
20,21,22・・・圧縮気体導入口;30,31,
32・・・ノズル;40,41,42・・・分散室;4
0a,41a,42a・・・気体;45,46,47・
・・分散室の壁部;50,51・・・支持体;60,6
1・・・気体吸引装置;70,71,72・・・極細繊
維;80・・・繊維ウエブ;81・・・単層繊維ウエ
ブ;82・・・積層繊維ウエブ;83・・・熱融着不織
布;90・・・熱融着装置;100・・・巻き取り装
置。
Claims (17)
- 【請求項1】 繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以
下の極細繊維を分散した状態で含み、付着物の付着率が
0.5mass%以下であることを特徴とする、極細繊
維分散不織布。 - 【請求項2】 付着物の付着率が0.08mass%以
下である、請求項1記載の極細繊維分散不織布。 - 【請求項3】 極細繊維が実質的に絡合していない、請
求項1又は2に記載の極細繊維分散不織布。 - 【請求項4】 前記極細繊維の繊維径が2μm以下であ
る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の極細繊維分散
不織布。 - 【請求項5】 前記極細繊維が海島型繊維の海成分を除
去して得た島成分からなる、請求項1〜4のいずれか一
項に記載の極細繊維分散不織布。 - 【請求項6】 前記極細繊維が有機成分からなる、請求
項1〜5のいずれか一項に記載の極細繊維分散不織布。 - 【請求項7】 前記極細繊維が融着している、請求項1
〜6のいずれか一項に記載の極細繊維分散不織布。 - 【請求項8】 繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以
下の極細繊維の集合体若しくはそれらの集合体群、及び
/又は、機械的に分割して繊維径が4μm以下で繊維長
が3mm以下の極細繊維を発生可能な分割性繊維、若し
くはそれらの集合体を、圧縮気体の作用によりノズルか
ら気体中に噴出させて、前記極細繊維集合体若しくはそ
れらの集合体群を極細繊維に分割させ、及び/又は、分
割性繊維若しくはそれらの集合体を極細繊維に分割さ
せ、そしてそれらの極細繊維を分散させる工程、分散し
た極細繊維を集積して繊維ウエブを形成する工程、及び
前記繊維ウエブを結合させる工程、を含むことを特徴と
する、極細繊維分散不織布の製造方法。 - 【請求項9】 繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以
下の極細繊維の集合体若しくはそれらの集合体群、及び
/又は、機械的に分割して繊維径が4μm以下で繊維長
が3mm以下の極細繊維を発生可能な分割性繊維、若し
くはそれらの集合体を、それら以外の繊維若しくはそれ
らの集合体と共に、ノズルから噴出させる、請求項8に
記載の製造方法。 - 【請求項10】 前記極細繊維の集合体が束状集合体で
ある、請求項8又は9に記載の製造方法。 - 【請求項11】 前記極細繊維の集合体若しくはそれら
の集合体群、及び/又は、極細繊維発生可能分割性繊維
若しくはそれらの集合体を前記ノズルへ供給する前に、
それらの付着物除去工程を実施する、請求項8〜10の
いずれか一項に記載の製造方法。 - 【請求項12】 前記ノズルを通過する気体の流れが実
質的に層流である、請求項8〜11のいずれか一項に記
載の製造方法。 - 【請求項13】 前記極細繊維の集合体若しくはそれら
の集合体群、及び/又は、極細繊維発生可能分割性繊維
若しくはそれらの集合体をノズルから噴出させた後、前
記ノズル噴射口の前方に設けられた衝突部材に衝突させ
る、請求項8〜12のいずれか一項に記載の製造方法。 - 【請求項14】 (1)繊維径が4μm以下で繊維長が
3mm以下の極細繊維の集合体若しくはそれらの集合体
群、及び/又は、機械的に分割して繊維径が4μm以下
で繊維長が3mm以下の極細繊維を発生可能な分割性繊
維、若しくはそれらの集合体を、圧縮気体の作用により
気体中に噴出させることのできるノズル、(2)前記ノ
ズルへ圧縮気体を供給する手段、(3)前記極細繊維の
集合体若しくはそれらの集合体群、及び/又は、極細繊
維発生可能分割性繊維若しくはそれらの集合体が前記ノ
ズルから圧縮気体の作用により気体中に噴出され、気体
中で分散させる分散室、(4)前記分散室の気体中に分
散した極細繊維を集積する支持体、及び(5)前記支持
体上のウエブを加熱する加熱融着手段を含有することを
特徴とする、極細繊維分散不織布の製造装置。 - 【請求項15】 繊維径が4μm以下で繊維長が3mm
以下の極細繊維を分散した状態で含み、付着物の付着率
が0.5mass%以下である極細繊維分散不織布の層
少なくとも1層を含有することを特徴とする、シート材
料。 - 【請求項16】 補強層を更に有する、請求項15に記
載のシート材料。 - 【請求項17】 繊維径が4μm以下で繊維長が3mm
以下の極細繊維の集合体若しくはそれらの集合体群、及
び/又は、機械的に分割して繊維径が4μm以下で繊維
長が3mm以下の極細繊維を発生可能な分割性繊維、若
しくはそれらの集合体を、圧縮気体の作用によりノズル
から気体中に噴出させて、前記極細繊維集合体若しくは
それらの集合体群を極細繊維に分割させ、及び/又は、
分割性繊維若しくはそれらの集合体を極細繊維に分割さ
せ、そしてそれらの極細繊維を分散させる工程、分散し
た極細繊維を補強材上に集積して繊維ウエブを形成する
工程、及び前記繊維ウエブを結合させると共に、補強材
とも結合させる工程、を含むことを特徴とする、極細繊
維分散不織布層含有シート材料の製造方法。
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---|---|---|---|---|
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-
2001
- 2001-09-10 JP JP2001273347A patent/JP4744747B2/ja not_active Expired - Fee Related
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