JP4491183B2 - 積層繊維シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層繊維シートに関する。特に、濾過性能が優れているため、液体又は気体の濾過材として好適に使用できる積層繊維シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維シート、特に不織布は構成繊維、繊維ウエブの形成方法、及び繊維ウエブの結合方法を適宜組み合わせることにより、各種機能を付与できるため、各種用途に適用されている。
【0003】
例えば、湿式法により得られる不織布は地合いが優れており、濾過性能に優れているため、液体や気体用の濾過材として好適に使用することができ、また、分離性能にも優れているため、セパレータ(例えば、電池用セパレータ)として好適に使用することができる。
【0004】
しかしながら、湿式法により得られる不織布は製造時における繊維の分散媒体が通常水であるため、この水中から繊維を抄き上げる際に、繊維が密着して密度の高い状態となるため、各種用途に適用する場合に障害となる場合があった。例えば、前述のような濾過材として使用する場合には、圧力損失が高くなりすぎる場合があり、電池用セパレータとして使用する場合には、イオン透過性が悪くなる場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、湿式法により形成した不織布のように、繊維の密着の程度が高くなく、各種用途に適合させることのできる積層繊維シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層繊維シートは、「下記の(1)要件Aを満足する不織布層と要件Bを満足する不織布層とを有する、(2)要件Aを満足する不織布層と要件Cを満足する不織布層とを有する、(3)要件Cを満足する不織布層を2層有する、(4)要件Aを満足する不織布層と要件Dを満足する不織布層とを有する、又は(5)要件Cを満足する不織布層と要件Dを満足する不織布層とを有する積層繊維シートであって、平均繊維径の点において相違する隣接した繊維シート層領域を含むことを特徴とする積層繊維シート。

A:繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維からなり、付着物の付着率が0.5mass%以下である不織布
B:繊維径が4μmを超え、50μm以下であり、繊維長が10mm以下の細繊維からなり、付着物の付着率が0.5mass%以下である不織布
C:繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維と、繊維径が4μmを超え、50μm以下であり、繊維長が10mm以下の細繊維とからなる、付着物の付着率が0.5mass%以下である不織布
D:カード不織布」である。
【0007】
このように、本発明の積層繊維シートは少なくとも1層が付着物の付着率が0.5mass%以下と界面活性剤や糊剤などの付着物量が極めて少ない不織布(上記A〜C)から構成されているため、繊維同士の密着性が低いものである。つまり、従来のような湿式法により得られる不織布は、繊維を分散させるために界面活性剤を使用し、繊維同士を固定するために糊剤などを使用していることによって繊維同士の密着性が高くなるのに対して、本発明においては付着物量が極めて少ないため、繊維同士が密着しにくく、密度の高い状態であることができる。
【0008】
また、本発明の積層繊維シートは、平均繊維径の点において相違する隣接した繊維シート層領域を含んでいることによって、各種用途に適合させることができる。例えば、濾過材として使用すると、優れた濾過性能と低圧力損失とを両立できる濾過材であり、電池用セパレータとして使用すると、優れた分離性能と高いイオン透過性とを両立できる電池用セパレータである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の要件Aを満足する不織布は、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維(以下、「極細繊維A」と表記する)からなり、付着物の付着率が0.5mass%以下である不織布(以下、「不織布A」と表記する)である。この不織布Aは濾過性、分離性、隠蔽性、或いは柔軟性など各種特性に優れているように、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維Aから構成されている。
【0010】
この極細繊維Aの繊維径は小さければ小さい程、各種特性に優れているため、極細繊維Aの繊維径は3μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのがより好ましい。なお、極細繊維Aの繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.01μm程度が適当である。
【0011】
本発明における「繊維径」は、繊維の横断面形状が円形である場合には、その直径をいい、繊維の横断面形状が非円形である場合には、横断面積と面積の同じ円の直径をいう。
【0012】
不織布Aを構成する極細繊維Aの繊維長は、極細繊維Aの分散性に優れているように、3mm以下である。より好ましい繊維長は2mm以下である。極細繊維Aの繊維長の下限は特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当である。また、繊維長が均一であるように、切断された極細繊維Aであるのが好ましい。
【0013】
本発明における「繊維長」は、JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
【0014】
この極細繊維Aはどのような成分から構成されていても良く、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリスチレン系樹脂(例えば、結晶性ポリスチレン、非晶性ポリスチレンなど)、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの有機成分、ガラス、炭素、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ワラストナイトなどの無機成分から構成することができる。
【0015】
なお、不織布Aの形態を保つために、極細繊維A同士が結合している必要があるが、極細繊維Aが融着可能であると、極細繊維Aの融着によって形態を保つことができ、極細繊維Aが脱落しにくいため好適である。この融着可能な極細繊維Aは、極細繊維Aの表面を構成する成分の少なくとも一部が熱可塑性樹脂から構成されていれば良い。例えば、極細繊維Aの表面を構成する成分が、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂、或いはポリ塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの非晶性の熱可塑性樹脂で構成されていれば良い。
【0016】
この融着可能な極細繊維Aが2種類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が融着したとしても、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維持することができるため好適である。この2種類以上の成分から構成されている場合の極細繊維Aの横断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイドバイサイド型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができ、特に芯鞘型、偏芯型、或いは海島型であるのが好ましい。
【0017】
本発明の極細繊維Aは不織布Aの地合いが優れているように、個々の極細繊維Aの直径が繊維軸方向において、実質的に同じであるのが好ましい。このような直径が繊維軸方向において実質的に同じである極細繊維Aは、例えば、紡糸口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し出して複合する複合紡糸法で得た海島型繊維の海成分を除去して得ることができる。
【0018】
また、極細繊維Aは未延伸状態であることもできるが、強度的に優れているように、延伸状態にあるのが好ましい。
【0019】
なお、本発明の不織布Aは、繊維径、繊維長、及び/又は成分の相違する極細繊維Aを2種類以上含んでいても良い。
【0020】
本発明の不織布Aにおいては、極細繊維A同士が密着しにくいように、不織布Aに付着した付着物(界面活性剤や糊剤など)の付着率が0.5mass%以下と、極めて少ない量である。この付着物の付着率が少なければ少ない程、前記効果に優れているため、順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下であるのが好ましく、理想的には0mass%である。なお、付着物量が少ないことによって、汚染物質を発生させる確率が極めて低くなるという、副次的効果を奏する。このことは、汚染物質が問題となる用途、例えば、濾過材用途、電池用セパレータに使用する場合に大きな意味をもつ。
【0021】
本発明における「付着物の付着率」は、付着物の質量の不織布の質量に対する百分率をいう。つまり、次の式により得られる値をいう。
A=(ms/mf)×100
ここで、Aは付着物の付着率(%)、msは付着物の付着質量(g)、mfは不織布の質量(g)を、それぞれ意味する。また、「付着物」とは、不織布を熱水に15分間浸漬することによって得られる抽出物と、不織布を熱メタノール溶液に15分間浸漬することによって得られる抽出物の、両方の抽出物を意味する。前者の抽出物として、糊剤(例えば、アクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアルギン酸ソーダ、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなど)があり、後者の抽出物として、界面活性剤(親水基と親油基の両方を有する化合物、例えば、ノニオン系界面活性剤)がある。
【0022】
なお、界面活性剤や糊剤の付着した不織布に対して、水流などを作用させたとしても、付着物の付着率を0.5mass%以下とすることは困難である。
【0023】
このような不織布Aの見掛密度は極細繊維Aが密着した状態にないため、0.005g/cmという非常に低い見掛密度であることもできる。なお、不織布Aが採りうる見掛密度は、0.005〜0.8g/cm程度である。この不織布Aは極細繊維Aが分散しており、地合いが優れているため、不織布Aの目付は1g/mという非常に低い目付であることもできる。なお、不織布Aの採りうる目付は1〜100g/m程度である。
【0024】
本発明における「見掛密度」は、目付(g/cm)を厚さ(cm)で除した値であり、「目付」はJIS L1085:1998.6.2に規定された方法で測定した単位面積あたりの質量の値をいい、「厚さ」はJIS L1085:1998、6.1(厚さ)に規定されているA法により得られる値をいう。
【0025】
本発明の要件Bを満足する不織布は、繊維径が4μmを超え、50μm以下であり、繊維長が10mm以下の細繊維(以下、「細繊維B」と表記する)からなり、付着物の付着率が0.5mass%以下である不織布(以下、「不織布B」と表記する)である。この不織布Bは比較的太い細繊維Bから構成されているため、積層繊維シートに対して適度な強度、寸法安定性、保型性、或いは厚さ保持性を付与することができる。なお、不織布B層を含む積層繊維シートを濾過材用途に使用した場合には、圧力損失を低くすることができ、通気性や通液性を高めることができる。また、前述のような不織布A層を含む積層繊維シートを構成する層の1つとして不織布B層を含んでいる場合には、不織布Aの支持材或いは保持材として作用することができる。
【0026】
この細繊維Bの繊維径が4μm以下であると、積層繊維シートに対して適度な強度、寸法安定性、保型性、或いは厚さ保持性を付与することが難しくなり、不織布B層を含む積層繊維シートを濾過材用途に使用した場合には、圧力損失を低くしたり、通気性や通液性を高めることが難しくなる傾向があるためである。他方、細繊維Bの繊維径が50μmを超えると、積層した繊維シートの濾過性、分離性、隠蔽性、或いは柔軟性などの各種特性を低下させる恐れがあるため、細繊維Bの繊維径は4μmを超え、50μm以下である。より好ましい繊維径は8μm〜45μmであり、更に好ましい繊維径は10μm〜40μmである。
【0027】
不織布Bを構成する細繊維Bの繊維長は、細繊維Bの分散性に優れているように10mm以下である。より好ましい繊維長は8mm以下であり、更に好ましい繊維長は5mm以下である。細繊維Bの繊維長の下限は特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当である。また、繊維長が均一であるように、切断された細繊維Bであるのが好ましい。
【0028】
この細繊維Bはどのような成分から構成されていても良く、前述のような極細繊維Aと同様の成分から構成することができる。
【0029】
なお、不織布Bの形態を保つために、細繊維B同士が結合している必要があるが、細繊維Bが融着可能であると、細繊維Bの融着によって形態を保つことができ、細繊維Bが脱落しにくいため好適である。この融着可能な細繊維Bは、細繊維Bの表面を構成する成分の少なくとも一部が熱可塑性樹脂から構成されていれば良い。例えば、細繊維Bの表面を構成する成分が、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂、或いはポリ塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの非晶性の熱可塑性樹脂で構成されていれば良い。
【0030】
この融着可能な細繊維Bが2種類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が融着したとしても、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維持することができるため好適である。この2種類以上の成分から構成されている場合の細繊維Bの横断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイドバイサイド型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができ、特に芯鞘型、偏芯型、或いは海島型であるのが好ましい。
【0031】
また、細繊維Bは未延伸状態であることもできるが、強度的に優れているように、延伸状態にあるのが好ましい。
【0032】
なお、本発明の不織布Bは、繊維径、繊維長、及び/又は成分の相違する細繊維Bを2種類以上含んでいても良い。
【0033】
本発明の不織布Bにおいては、細繊維B同士が密着しにくいように、不織布Bに付着した付着物(界面活性剤や糊剤など)の付着率が0.5mass%以下と、極めて少ない量である。この付着物の付着率が少なければ少ない程、前記効果に優れているため、順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下であるのが好ましく、理想的には0mass%である。なお、付着物量が少ないことによって、汚染物質を発生させる確率が極めて低くなるという、副次的効果を奏する。このことは、汚染物質が問題となる用途、例えば、濾過材用途、電池用セパレータに使用する場合に大きな意味をもつ。
【0034】
このような不織布Bの見掛密度は細繊維Bが密着した状態にないため、0.005g/cmという非常に低い見掛密度であることもできる。なお、不織布Bが採りうる見掛密度は、0.005〜0.6g/cm程度である。この不織布Bは細繊維Bが分散しており、地合いが優れているため、不織布Bの目付は5g/mという非常に低い目付であることもできる。なお、不織布Bの採りうる目付は5〜300g/m程度である。
【0035】
本発明の要件Cを満足する不織布は、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維(以下、「極細繊維C」と表記する)と、繊維径が4μmを超え、50μm以下であり、繊維長が10mm以下の細繊維(以下、「細繊維C」と表記する)とからなる、付着物の付着率が0.5mass%以下である不織布(以下、「不織布C」と表記する)である。この不織布Cは、濾過性、分離性、隠蔽性、液体保持性、或いは柔軟性など各種特性と、適度な強度、寸法安定性、保型性、或いは厚さ保持性とを両立できるように、前述のような極細繊維Cと細繊維Cとから構成されている。
【0036】
この不織布Cを構成する極細繊維Cの繊維径は、濾過性、分離性、隠蔽性、液体保持性、液体保持性、或いは柔軟性など各種特性に優れているように4μm以下であり、3μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのがより好ましい。なお、極細繊維Cの繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.01μm程度が適当である。
【0037】
不織布Cを構成する極細繊維Cの繊維長は、極細繊維Cの分散性に優れているように、3mm以下である。より好ましい繊維長は2mm以下である。極細繊維Cの繊維長の下限は特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当である。また、繊維長が均一であるように、切断された極細繊維Cであるのが好ましい。
【0038】
この極細繊維Cはどのような成分から構成されていても良く、前述のような極細繊維Aと同様の成分から構成することができる。
【0039】
なお、極細繊維Cが融着可能であると、極細繊維Cの融着によって極細繊維Cが脱落しにくく、しかも不織布Cの形態を保つことができるため好適である。この融着可能な極細繊維Cは、極細繊維Cの表面を構成する成分の少なくとも一部が熱可塑性樹脂から構成されていれば良い。例えば、極細繊維Cの表面を構成する成分が、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂、或いはポリ塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの非晶性の熱可塑性樹脂で構成されていれば良い。
【0040】
この融着可能な極細繊維Cが2種類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が融着したとしても、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維持することができるため好適である。この2種類以上の成分から構成されている場合の極細繊維Cの横断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイドバイサイド型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができ、特に芯鞘型、偏芯型、或いは海島型であるのが好ましい。
【0041】
本発明の極細繊維Cは不織布Cの地合いが優れているように、極細繊維Cの直径が繊維軸方向において、実質的に同じであるのが好ましい。このような直径が繊維軸方向において実質的に同じである極細繊維Cは、例えば、紡糸口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し出して複合する複合紡糸法で得た海島型繊維の海成分を除去して得ることができる。
【0042】
また、極細繊維Cは未延伸状態であることもできるが、強度的に優れているように、延伸状態にあるのが好ましい。
【0043】
なお、本発明の不織布Cは、繊維径、繊維長、及び/又は成分の相違する極細繊維Cを2種類以上含んでいても良い。
【0044】
本発明の要件Cを満足する不織布Cは、前述のような極細繊維Cに加えて、繊維径が4μmを超え、50μm以下であり、繊維長が10mm以下の細繊維(以下、「細繊維C」と表記する)を含んでいる。この細繊維Cを含んでいることによって、積層繊維シートに対して適度な強度、寸法安定性、保型性、或いは厚さ保持性を付与することができる。なお、不織布C層を含む積層繊維シートを濾過材用途に使用した場合には、圧力損失を低くすることができ、通気性や通液性を高めることができる。また、前述のような不織布A層を含む積層繊維シートを構成する層の1つとして不織布C層を含んでいる場合には、不織布Aの支持材或いは保持材として作用することができる。
【0045】
この細繊維Cの繊維径が4μm以下であると、適度な強度、寸法安定性、保型性、或いは厚さ保持性を付与することが難しく、積層繊維シートを濾過材用途に使用した場合には圧力損失を低くすることが困難であり、50μmを超えると、前述のような極細繊維Cとの繊維径の差があまりにも大きすぎて、不織布Cの構造上のバランスが保てなくなるため、細繊維Cの繊維径は4μmを超え、50μ以下である。より好ましい繊維径は6〜40μmであり、更に好ましい繊維径は8〜30μmである。
【0046】
不織布Cを構成する細繊維Cの繊維長は、細繊維Cの分散性に優れているように10mm以下である。より好ましい繊維長は8mm以下であり、更に好ましい繊維長は5mm以下である。細繊維Cの繊維長の下限は特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当である。また、繊維長が均一であるように、切断された細繊維Cであるのが好ましい。
【0047】
この細繊維Cはどのような成分から構成されていても良く、前述のような極細繊維Aと同様の成分から構成することができる。
【0048】
なお、この細繊維Cが融着可能であると、細繊維Cの融着によって不織布Cの形態を保つことができ、細繊維Cが脱落しにくいため好適である。この融着可能な細繊維Cは、細繊維Cの表面を構成する成分の少なくとも一部が熱可塑性樹脂から構成されていれば良い。例えば、細繊維表面を構成する成分が、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂、或いはポリ塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの非晶性の熱可塑性樹脂で構成されていれば良い。
【0049】
この融着可能な細繊維Cが2種類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が融着したとしても、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維持することができるため好適である。この2種類以上の成分から構成されている場合の細繊維Cの横断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイドバイサイド型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができ、特に芯鞘型、偏芯型、或いは海島型であるのが好ましい。
【0050】
また、細繊維Cは未延伸状態であることもできるが、強度的に優れているように、延伸状態にあるのが好ましい。
【0051】
なお、本発明の不織布Cは、繊維径、繊維長、及び/又は成分の相違する細繊維Cを2種類以上含んでいても良い。
【0052】
本発明の不織布Cは上述のような極細繊維Cと細繊維Cとから構成されているが、濾過性、分離性、隠蔽性、液体保持性、或いは柔軟性など各種特性と、適度な強度、寸法安定性、保型性、或いは厚さ保持性とのバランスがより優れているように、不織布Cの平均繊維径は0.1〜8μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましい。また、不織布Cにおける平均繊維径が上記範囲内にあるように、極細繊維Cと細繊維Cとの質量比率は(極細繊維C):(細繊維C)=10〜90:90〜10であるのが好ましく、20〜80:80〜20であるのがより好ましい。
【0053】
本発明における「平均繊維径」は次のようにして得られる値をいう。
(1)繊維シートを構成する繊維の中で、繊維径及び/又は比重の異なる繊維ごとに分類する。
(2)前記繊維径及び/又は比重の異なる繊維を、それぞれX繊維(繊維径:径dμm、比重:ρg/cm、繊維シートの目付あたりにおけるX繊維の質量:Zg/m)、X繊維(繊維径:dμm、比重:ρg/cm、繊維シートの目付あたりにおけるX繊維の質量:Zg/m)、・・・、X繊維(繊維径:径dμm、比重:ρg/cm、繊維シートの目付あたりにおけるX繊維の質量:Zg/m)とする。
(3)繊維シートの目付あたりにおける全繊維の全体積(Vt(cm))を次の式により算出する。
Vt=Z/ρ+Z/ρ+・・+Z/ρ
(4)繊維シートの目付あたりにおける全繊維の総繊維長(Lt(cm))を次の式により算出する。
Lt=4×10×(1/π)×(N+N+・・+N
ここで、N=Z/(d ・ρ)、N=Z/(d ・ρ)、N=Z/(d ・ρ)をそれぞれ意味する。
(5)前記(3)及び(4)の結果をもとに、繊維の単位長さあたりの平均断面積(Sav(cm))を次の式により算出する。
Sav=Vt/Lt
(6)前記(5)の結果をもとに、平均繊維径(dav(μm))を次の式により算出する。
dav=2×10×√(S/π)
【0054】
本発明の不織布Cにおいては、極細繊維C及び/又は細繊維Cが密着しにくいように、不織布Cに付着した付着物(界面活性剤や糊剤など)の付着率が0.5mass%以下と、極めて少ない量である。この付着物の付着率が少なければ少ない程、前記効果に優れているため、順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下であるのが好ましく、理想的には0mass%である。なお、付着物量が少ないことによって、汚染物質を発生させる確率が極めて低くなるという、副次的効果を奏する。このことは、汚染物質が問題となる用途、例えば、濾過材用途、電池用セパレータに使用する場合に大きな意味をもつ。
【0055】
このような不織布Cの見掛密度は極細繊維C及び細繊維Cが密着した状態にないため、0.005g/cmという非常に低い見掛密度であることもできる。なお、不織布Cが採りうる見掛密度は、0.005〜0.7g/cm程度である。この不織布Cは極細繊維C及び細繊維Cが分散しており、地合いが優れているため、不織布Cの目付は2g/mという非常に低い目付であることもできる。なお、不織布Cの採りうる目付は2〜200g/m程度である。
【0056】
本発明の要件Dを満足する不織布(以下、「不織布D」と表記する)はカード不織布である。
【0057】
本発明の積層繊維シートは上述のような(1)要件Aを満足する不織布層と要件Bを満足する不織布層とを有する、(2)要件Aを満足する不織布層と要件Cを満足する不織布層とを有する、(3)要件Cを満足する不織布層を2層有する、(4)要件Aを満足する不織布層と要件Dを満足する不織布層とを有する、又は(5)要件Cを満足する不織布層と要件Dを満足する不織布層とを有する積層繊維シートであり、かつ平均繊維径の点において相違する隣接した繊維シート層領域を含むため、各種用途に適合するものである。例えば、濾過材として使用すると、優れた濾過性能と低圧力損失とを両立できる濾過材であり、電池用セパレータとして使用すると、優れた分離性能と高いイオン透過性とを両立できる電池用セパレータである。
【0058】
本発明の積層繊維シートは前述のような繊維シートからなる層を有していれば良く、その層の数は用途によって適宜設定することができ、特に限定するものではない。
【0059】
また、平均繊維径の点において相違する隣接した繊維シート層領域を含んでいれば良く、隣接した繊維シート層の全てが平均繊維径の点で相違している必要はない。しかしながら、隣接した繊維シート層の全てが平均繊維径の点で相違しているのが好ましく、特に、積層繊維シートの一方の表面を構成する繊維シート層から他方の表面を構成する繊維シート層にかけて、隣接する繊維シートの平均繊維径が順に大きく又は小さくなっているのが好ましい。このような状態となっていることによって、前述のような各種効果がより優れているためである。このような場合、その平均繊維径の差は一定であっても不規則であっても良い。
【0060】
なお、前記領域においては、隣接する繊維シート平均繊維径の点において相違していれば良く、その程度は特に限定するものではない。一般的には、隣接する繊維シート間における平均繊維径の差は0.1〜20μmであるのが好ましく、0.1〜10μmであるのがより好ましく、0.1〜5μmであるのが更に好ましい。
【0061】
本発明の積層繊維シートは隣接する繊維シート層間の繊維が互いに絡合しているのが好ましい。このように絡合していることによって、繊維シート間における剥離が生じにくくなるためである。なお、この絡合は流体流(特に水流)及び/又はニードルによって実施することができる。前者の流体流により絡合していると、比較的密な絡合構造になりやすく、後者のニードルにより絡合していると、比較的粗な絡合構造になりやすいため、適用用途によって、適宜選択することができる。なお、絡合の程度は平均繊維径の点において相違する隣接した繊維シート層領域が消失しない限り特に限定するものではなく、実験的に絡合条件を確認することができる。
【0062】
本発明の積層繊維シートは構成繊維(極細繊維A、細繊維B、極細繊維C、細繊維C、及び/又は不織布Dの構成繊維)が融着しているのが好ましい。構成繊維が融着していることによって、積層繊維シートの形態が安定するとともに、構成繊維の脱落が生じにくくなり、しかも極細繊維A及び/又は極細繊維Cの配置が乱れることなく結合できるため、繊維同士が密着しておらず、適度な空隙を保った状態であることができるためである。なお、構成繊維全てが融着している必要はなく、一部の構成繊維が融着しているだけでも前記効果を奏する。
【0063】
本発明の積層繊維シートは熱成型されているのが好ましい。熱成型されていることによって、各種用途に適合しやすいという効果を奏する。その形状は用途によって異なるため、特に限定するものではないが、例えば、平板状、ジグザグ状、袋状、円筒状、お椀状などを挙げることができる。
【0064】
本発明の積層繊維シートは前述の通り、(1)要件Aを満足する不織布層と要件Bを満足する不織布層とを有する、(2)要件Aを満足する不織布層と要件Cを満足する不織布層とを有する、(3)要件Cを満足する不織布層を2層有する、(4)要件Aを満足する不織布層と要件Dを満足する不織布層とを有する、又は(5)要件Cを満足する不織布層と要件Dを満足する不織布層とを有する積層繊維シートであり、かつ平均繊維径の点において相違する隣接した繊維シート層領域を含むものである。
【0065】
(1)不織布Aからなる層と不織布Bからなる層とを含む積層繊維シート。この積層繊維シートは濾過性、分離性、隠蔽性、或いは柔軟性など各種特性に加えて、適度な強度、寸法安定性、保型性、或いは厚さ保持性を有するものである。また、付着物量が少ないため、汚染物質の発生を好まない用途、例えば、濾過材用途や電池用セパレータ用途に好適に使用できる。この積層繊維シートにおいては、積層繊維シートの一方の表面を構成する繊維シート層から他方の表面を構成する繊維シート層にかけて、隣接する繊維シートの平均繊維径が順に大きく又は小さくなっているのが好ましい。また、前述のように、隣接する繊維層間の繊維が流体流及び/又はニードルによって互いに絡合しているのが好ましく、絡合に加えて又は替えて構成繊維が融着しているのが好ましい。なお、熱成型されているのも好適な実施態様である。
【0066】
(2)不織布Aからなる層と不織布Cからなる層とを有する積層繊維シート。この積層繊維シートは適度な密度勾配と細孔径分布を有する。
(3)不織布Cのみからなる積層繊維シート。この積層繊維シートは濾過性、分離性、隠蔽性、液体保持性、或いは柔軟性など各種特性と、適度な強度、寸法安定性、保型性、或いは厚さ保持性との両立性に特に優れている。特に濾過材用途に使用すると、優れた濾過性能と低い圧力損失を両立することができる。この積層繊維シートにおいては、積層繊維シートの一方の表面を構成する繊維シート層から他方の表面を構成する繊維シート層にかけて、隣接する繊維シートの平均繊維径が順に大きく又は小さくなっているのが好ましい。また、前述のように、隣接する繊維層間の繊維が流体流及び/又はニードルによって互いに絡合しているのが好ましく、絡合に加えて又は替えて構成繊維が融着しているのが好ましい。なお、熱成型されているのも好適な実施態様である。
【0067】
(4)不織布Dからなる層と不織布Aからなる層とを含む積層繊維シート。この積層繊維シートは濾過性、分離性、隠蔽性、或いは柔軟性など各種特性に加えて、形態保持性に優れており、特に濾過材用途に好適に使用することができる。この積層繊維シートにおいては、隣接する繊維層間の繊維が流体流及び/又はニードルによって互いに絡合しているのが好ましく、絡合に加えて又は替えて構成繊維が融着しているのが好ましい。なお、熱成型されているのも好適な実施態様である。
【0068】
この積層繊維シートにおいては、更に不織布Cからなる層を備えているのが好ましい。この積層繊維シートは濾過性能や液体保持性が更に向上するとともに、優れた形態保持性を有し、濾過材として使用した場合には、低圧力損失の濾過材とすることができる。この積層繊維シートにおいては、積層繊維シートの一方の表面を構成する繊維シート層から他方の表面を構成する繊維シート層にかけて、隣接する繊維シートの平均繊維径が順に大きく又は小さくなっているのが好ましく、不織布D、不織布C、不織布Aの順に積層した状態にあり、順に平均繊維径が小さくなるのが好ましい。
【0069】
(5)不織布Dからなる層と不織布Cからなる層とを含む積層繊維シート。この積層繊維シートは濾過性、分離性、隠蔽性、液体保持性、或いは柔軟性など各種特性と、適度な強度、寸法安定性、保型性、或いは厚さ保持性との両立性に特に優れている。特に濾過材用途に使用すると、優れた濾過性能と低い圧力損失を両立することができる。この積層繊維シートにおいては、積層繊維シートの一方の表面を構成する繊維シート層から他方の表面を構成する繊維シート層にかけて、隣接する繊維シートの平均繊維径が順に大きく又は小さくなっているのが好ましい。また、前述のように、隣接する繊維層間の繊維が流体流及び/又はニードルによって互いに絡合しているのが好ましく、絡合に加えて又は替えて構成繊維が融着しているのが好ましい。なお、熱成型されているのも好適な実施態様である。
【0070】
本発明の積層繊維シートは繊維が密着しておらず、しかも平均繊維径の点において相違する隣接した繊維シート層領域を含んでいるため、各種用途に適用することができる。例えば、気体用濾過材(例えば、ヘパフィルタ用濾過材、ウルパフィルタ用濾過材、インテークフィルタ用濾過材、ケミカルフィルタ用濾過材、脱臭フィルタ用濾過材、消臭フィルタ用濾過材、バグフィルタ用濾過材など)、液体用濾過材(例えば、カートリッジフィルタ用濾過材、アフィニティー分離用濾過材、イオン交換フィルタ用濾過材など)、マスク用濾過材(手術用、産業用など)として使用すると、高効率かつ低圧力損失の濾過材として使用することができる。この他にも、フィルタプレス、手術用ドレープ、手術用ガウン、おむつカバーリング、電池用セパレータ、吸水シート(加湿器用など)、触媒担持材料などの各種用途に使用することができる。
【0071】
なお、本発明の積層繊維シートは各種用途に適合するように、各種後処理が施されていても良い。例えば、コロナ放電などの帯電処理、フッ素ガス処理、プラズマ処理、硫酸処理などの親水化処理、撥水処理などを挙げることができる。
【0072】
また、各種機能を付加するために、各種粉体が固着していても良い。例えば、脱臭粉体、イオン交換樹脂粉体、重金属吸着粉体、ケミカル除去粉体、アフィニティー分離粉体、脱ガス粉体などを挙げることができる。
【0073】
本発明の積層繊維シートは、例えば、個々の繊維シートを形成した後に、繊維シートを積層し、繊維シート間を、例えば、流体流及び/又はニードルによる絡合、繊維シートを構成する繊維による融着、エマルジョン、サスペンジョン、或いは溶液状のバインダによる接着、或いはこれらを併用して製造することができる。或いは、不織布D、不織布A〜Cの基となる繊維ウエブA〜C、或いは不織布Dの基となる繊維ウエブD上に、不織布A〜Cの基となる繊維ウエブA〜C及び/又は不織布Dの基となる繊維ウエブDを積層し、繊維ウエブA〜Cから不織布A〜Cを形成、及び/又は不織布Dを形成すると同時に、例えば、流体流及び/又はニードルによる絡合、繊維ウエブA〜D及び/又は不織布Dを構成する繊維による融着、エマルジョン、サスペンジョン、或いは溶液状のバインダによる接着、或いはこれらを併用し、繊維シート間を結合して製造することができる。以下、前者の方法をもとに説明するが、積層する段階が異なるだけで、全く同様にして製造することができる。
【0074】
まず、不織布Aの製造方法について説明すると、まず、付着物の付着率が0.5mass%以下(順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下、であるのが好ましい)の極細繊維Aの集合体を用意する。この集合体は前述のような極細繊維Aが集合したものであり、その数は特に限定されるものではない。また、その集合状態も特に限定されるものではないが、例えば、規則正しく一定方向に極細繊維Aが配向した束状態、ランダムに配向した凝集状態、などを挙げることができる。これらの中でも、束状態であると、後述の圧縮気体の作用による分散性に優れているため好適である。なお、極細繊維Aが絡んだ状態にあると、後述のような圧縮気体の作用によっても、極細繊維Aを個々の極細繊維Aに開繊し、均一に分散させるのが困難になる傾向があるため、極細繊維Aは絡んだ状態にないのが好ましい。例えば、機械的に分割可能な分割性繊維をビーターなどによって叩解した極細繊維の集合体、ビーターなどによって叩解したパルプ、或いはフラッシュ紡糸法により得られた極細繊維は、極細繊維同士が絡んだ状態にあるため使用しないのが好ましい。なお、圧縮気体の作用によって極細繊維Aを発生し、極細繊維Aが絡んだ状態となる、極細繊維A発生可能繊維(例えば、全芳香族ポリアミド繊維、溶剤抽出法により得られたセルロース繊維など)の集合体は使用することができる。
【0075】
この極細繊維Aの集合体として、繊維径、繊維長、或いは成分の点で異なる極細繊維Aの集合体を組み合わせて使用しても良い。
【0076】
このような極細繊維Aの集合体は、例えば、複合紡糸法又は混合紡糸法により製造した海島型繊維の海成分を除去することによって、島成分からなる極細繊維Aを発生させたり、スーパードロー法で製造することができる。なお、2成分以上からなる極細繊維Aは海島型繊維を紡糸する際に島成分が2成分以上となるように樹脂を供給したり、スーパードロー法により製造する際に、2成分以上の樹脂を供給して製造することができる。また、好適である束状態の極細繊維Aの集合体は、複合紡糸法又は混合紡糸法により製造した海島型繊維の海成分を除去することによって、得ることができる。
【0077】
なお、スーパードロー法により製造した場合には、例えば、アセトン、エタノール、或いはメタノールなどの溶媒によって付着物の付着率が0.5mass%以下となるまで洗浄する。一方、海島型繊維の海成分を抽出して形成した極細繊維Aの集合体は付着物の付着率が0.5mass%以下の状態にあるが、この海島型繊維の海成分を抽出して形成した極細繊維Aの集合体であっても、アセトン、エタノール、或いはメタノールなどの溶媒によって洗浄し、付着物量を更に少なくするのが好ましい。
【0078】
このように界面活性剤や糊剤などの付着物の付着率が低いことによって、後述のノズルと極細繊維Aとの摩擦によって静電気が発生し、極細繊維A相互が反発しあって、均一に分散しやすいという効果も奏する。
【0079】
次いで、極細繊維Aの集合体をノズルへ供給するとともに、圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出し、極細繊維Aの集合体から極細繊維Aを発生させ、分散させる。
【0080】
このノズルは極細繊維Aの供給側から噴出側へ向かって、一定の横断面積を有するものであっても良いし、連続的に又は不連続的に横断面積が小さくなるものであっても良いし、連続的に又は不連続的に横断面積が大きくなるものであっても良いし、連続的に又は不連続的に横断面積が大きくなった後に小さくなるものであっても良いし、或いは連続的に又は不連続的に横断面積が小さくなった後に大きくなるものであっても良い。
【0081】
なお、ノズルへ供給される圧縮気体の流れが渦巻き状であると、極細繊維A同士が絡み合って毛玉を発生させたり、均一分散させることが困難になる傾向があるため、ノズルへ供給される圧縮気体の流れは実質的に層流であるのが好ましい。このように実質的に層流である圧縮気体を供給できるノズルとして、例えば、ベンチュリー管を挙げることができる。
【0082】
また、ノズルの噴出部の前方に、極細繊維Aの集合体及び/又は極細繊維Aと衝突して、個々の極細繊維Aの発生を促進したり、発生した極細繊維Aの分散を促進するために、衝突部材を設けるのが好ましい。この衝突部材はどのような形状であっても良いが、前記効果に優れるように、平板状衝突部材、釣鐘状の衝突部材、円錐状の衝突部材、釣鐘状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、或いは円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、などを使用するのが好ましく、釣鐘状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、又は円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材がより好ましい。
【0083】
このような衝突部材は噴出された極細繊維Aと衝突できるように、ノズル噴出口の前方に配置されていれば良いが、極細繊維Aの開繊性及び分散性に優れているように、この衝突部材の平坦部(例えば、突起部と衝突部を有する衝突部材においては衝突部のノズル噴出口側表面、円錐状の衝突部材の場合は円錐の底面、釣鐘状の衝突部材の場合は釣鐘の底面)とノズル噴出口との最短距離が1〜100mmであるように設置するのが好ましく、5〜40mmであるように設置するのがより好ましく、5〜30mmであるように設置するのが更に好ましく、10〜30mmであるように設置するのが更に好ましく、10〜20mmであるように設置するのが最も好ましい。
【0084】
また、釣鐘状の衝突部材、円錐状の衝突部材、釣鐘状の突起部と平板状の衝突部とが一体化された衝突部材、或いは円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化された衝突部材からなる場合、極細繊維Aの開繊性及び分散性に優れているように、釣鐘状、円錐状、或いは突起部の軸がノズル噴出口の中心と一致するように配置するのが好ましい。また、これら衝突部材を設置する場合には、繊維の開繊性及び分散性に優れているように、釣鐘状、円錐状、或いは突起部の頂点がノズル噴出口と対向するように設置するのが好ましい。
【0085】
この圧縮気体はどのような気体を利用しても良いが、空気を用いるのが製造上好適である。また、圧縮気体は極細繊維Aの集合体から極細繊維Aを発生させるとともに、極細繊維Aの分散を十分に行なうことができるように、ノズル噴出口における気体通過速度が100m/sec以上であるのが好ましい。同様の理由で、圧縮気体の圧力は2kg/cm以上であるのが好ましい。なお、この「気体通過速度」は、ノズルから噴出された気体の1気圧における流量(m/sec)を、ノズル噴出口における横断面積(m)で除した値をいう。
【0086】
また、ノズルから噴出された極細繊維Aを分散させる分散媒体としての気体は、特に限定されるものではないが、空気であるのが製造上好適である。
【0087】
次いで、この分散した極細繊維Aを集積して極細繊維ウエブAを形成する。この極細繊維Aの集積は、例えば、多孔性のロールやネットなどの支持体を利用して実施することができる。なお、極細繊維Aは自然落下させて集積しても良いし、支持体の下方から気体を吸引して集積しても良い。気体を吸引して集積する場合、吸引力を強くすると、極細繊維A同士が密着した状態となりやすいため、所望用途に応じて適宜設定するのが好ましい。
【0088】
次いで、この極細繊維ウエブAを結合して不織布Aを製造することができる。この結合方法は不織布Aを構成する繊維が密着しない方法であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、極細繊維Aを融着する方法、エマルジョン、ラテックス、或いは溶液状のバインダーにより接着する方法、水流などの流体流やニードルにより絡合する方法、などを単独で、或いは併用して結合することができる。これらの中でも極細繊維Aを融着させる方法であると、極細繊維が密着していない状態を維持した状態で結合でき、しかも付着物量を増やすこともないため好適である。
【0089】
以上は、不織布Aの基本的な製造方法であるが、極細繊維Aがより均一に分散しやすいように、極細繊維Aの集合体を圧縮気体の作用によりノズルから気体中へ噴出させる前に、ミキサーなどを利用して極細繊維Aの集合体をほぐすのが好ましい。また、極細繊維ウエブAを形成した後、極細繊維ウエブAを結合する前に、極細繊維ウエブAを再度ノズルに供給し、極細繊維Aをノズルから気体中に再噴出させて再分散させ、再度、極細繊維ウエブAを形成することを繰り返し行っても良い。
【0090】
次に、本発明の不織布Aの製造方法について、本発明の不織布Aを製造することのできる製造装置の模式的断面図である図1をもとに説明する。
【0091】
まず、極細繊維Aの集合体は混合装置10によって適度に解される。
【0092】
次いで、圧縮気体導入口20からノズル30へ圧縮気体を導入することによって、前記解された極細繊維Aの集合体はノズル30へ供給される。この解された極細繊維Aの集合体は圧縮気体導入口20から導入された圧縮気体の作用によって、ノズル30から勢いよく気体40へと噴出される。この気体40へ噴出される際に、ノズル30内と気体40との気圧差、噴出された圧縮気体と気体40との間に形成される乱流、圧縮気体の膨張力、或いはノズル30の噴出口前方に設けた衝突部材45との衝突、などの相互作用によって、極細繊維A(70)を発生し、分散する。
【0093】
この気体40中に分散した極細繊維A(70)は多孔性の支持体50上に集積して、極細繊維ウエブA(80)を形成する。この製造装置においては、支持体50の下方に位置する気体吸引装置60によって気体を吸引できる。
【0094】
このように形成した極細繊維ウエブA(80)はそのまま熱融着装置90へ供給され、この熱融着装置90の熱の作用により極細繊維Aが融着して不織布A(83)を形成する。そして、この不織布A(83)は巻き取り装置100により巻き取られる。
【0095】
次に、不織布Bの製造方法について説明する。まず、付着物の付着率が0.5mass%以下(順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下、であるのが好ましい)の細繊維Bの集合体を用意する。この集合体は前述のような細繊維Bが集合したものであり、その数は特に限定されるものではない。また、その集合状態も特に限定されるものではないが、例えば、規則正しく一定方向に細繊維Bが配向した束状態、ランダムに配向した凝集状態、などを挙げることができる。これらの中でも、束状態であると、後述の圧縮気体の作用による分散性に優れているため好適である。なお、細繊維Bが絡んだ状態にあると、後述のような圧縮気体の作用によっても、細繊維Bを均一に分散させるのが困難になる傾向があるため、細繊維Bは絡んだ状態にないのが好ましい。この細繊維Bの集合体として、繊維径、繊維長、或いは成分の点で異なる細繊維Bの集合体を組み合わせて使用しても良い。このような細繊維Bの集合体は、例えば、市販の繊維を、例えば、アセトン、エタノール、或いはメタノールなどの溶媒によって付着物の付着率が0.5mass%以下となるまで洗浄して得ることができる。このように界面活性剤や糊剤などの付着物の付着率が低いことによって、後述のノズルと細繊維Bとの摩擦によって静電気が発生し、細繊維B相互が反発しあって、均一に分散しやすいという効果も奏する。
【0096】
本発明の不織布Bは上述のような細繊維Bの集合体を使用すること以外は不織布Aと全く同様にして製造することができる。つまり、(1)前述のような細繊維Bの集合体を圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出させて、細繊維Bの集合体から細繊維Bを発生させ、分散させる工程、(2)分散した細繊維Bを集積して細繊維ウエブBを形成する工程、(3)細繊維ウエブBを結合させる工程、により不織布Bを製造することができる。
【0097】
次に、不織布Cの製造方法について説明すると、前述の極細繊維Aの集合体と同様の極細繊維Cの集合体、及び前述の細繊維Bの集合体と同様の細繊維Cの集合体とを用意し、これら極細繊維Cの集合体と細繊維Cの集合体を使用すること以外は不織布Aと全く同様にして製造することができる。つまり、(1)前述のような極細繊維Cの集合体と細繊維Cの集合体を圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出させて、極細繊維Cの集合体から極細繊維Cを発生させ、分散させると同時に、細繊維Cの集合体から細繊維Cを発生させ、分散させる工程、(2)分散した極細繊維C及び細繊維Cを集積して混合繊維ウエブCを形成する工程、(3)混合繊維ウエブCを結合させる工程、により不織布Cを製造することができる。
【0098】
なお、不織布Cの製造方法においては、極細繊維Cと細繊維Cとの質量比率を適宜調整(好ましくは、(極細繊維C):(細繊維C)=10〜90:90〜10)し、不織布Cの平均繊維径が0.1〜8μmとなるように、極細繊維Cの集合体と細繊維Cの集合体を配合するのが好ましい。
【0099】
また、極細繊維Cの集合体と細繊維Cの集合体の配合比率を、連続的に又は不連続的に変化させながらノズルへ供給しても良い。このようにすると、極細繊維Cの量と細繊維Cの量が連続的又は不連続的に変化する不織布Cを製造することができる。
【0100】
そして、不織布Dは常法により製造することができる。
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
カード不織布は、常法のカード法によって製造することができる。
【0106】
次いで、平均繊維径の点において相違する、(1)不織布Aと不織布Bとを有する、(2)不織布Aと不織布Cとを有する、(3)不織布Cと不織布Cとを有する、(4)不織布Aと不織布Dとを有する、又は(5)不織布Cと不織布Dとを有するように、所望特性にしたがって選択し、積層する。なお、3種類以上の繊維シートを選択した場合には、一方の表面を構成する繊維シート層から他方の表面を構成する繊維シート層にかけて、隣接する繊維シートの平均繊維径が順に大きく又は小さくなるように積層するのが好ましい。
【0107】
次いで、例えば、流体流(好ましくは水流)及び/又はニードルによる絡合、繊維シートを構成する繊維による融着、エマルジョン、サスペンジョン、或いは溶液状のバインダーによる接着、或いはこれらを併用し、積層した繊維シートの繊維シート間を結合して、本発明の積層繊維シートを製造することができる。なお、流体流(好ましくは水流)及び/又はニードルによる絡合は、積層繊維シートを構成する繊維が密着しすぎないように、各用途に応じて適宜調整すれば良く、絡合条件は特に限定するものではない。また、積層繊維シートを構成する繊維により融着する場合、繊維シート間の融着が強固であるように、構成繊維が密着しすぎない程度の圧力を加えても良い。この場合の圧力も各用途に応じて適宜調整すれば良く、圧力条件は特に限定するものではない。また、繊維シート間を融着させるのと同時又は別に、熱成型し、各種用途に適合する形状とすることもできる。
【0108】
以上は、個々の繊維シートを製造した後に積層して積層繊維シートを製造する方法であるが、繊維シートを形成するのと同時に積層繊維シートを製造する場合には、前述のような不織布A、不織布B、或いは不織布Cの基となる極細繊維ウエブA、細繊維ウエブB、或いは混合繊維ウエブCを、不織布A、極細繊維ウエブA、不織布B、細繊維ウエブB、不織布C、混合繊維ウエブC、或いは不織布D(場合により不織布Dの基となる繊維ウエブD)の上に形成又は積層した後に、上述と同様に、例えば、流体流(好ましくは水流)及び/又はニードルによる絡合、繊維シートを構成する繊維による融着、エマルジョン、サスペンジョン、或いは溶液状のバインダーによる接着、或いはこれらを併用して、繊維ウエブから不織布又は繊維シートを形成するのと同時に、積層繊維シートを製造することができる。
【0109】
なお、本発明の積層繊維シートが各種用途に適合するように、各種後処理を実施することができる。例えば、コロナ放電などの帯電処理、フッ素ガス処理、プラズマ処理、硫酸処理などの親水化処理、撥水処理などを挙げることができる。
【0110】
また、各種機能を付加するために、各種粉体が固着していても良い。例えば、脱臭粉体、イオン交換樹脂粉体、重金属吸着粉体、ケミカル除去粉体、アフィニティー分離粉体、脱ガス粉体などを挙げることができる。
【0111】
また、各種機能を付加するために、各種粉体が固着させることができる。例えば、脱臭粉体、イオン交換樹脂粉体、重金属吸着粉体、ケミカル除去粉体、アフィニティー分離粉体、脱ガス粉体などを固着させることができる。
【0112】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0113】
【実施例】
(各種繊維の準備)
(極細繊維A1)
ポリ乳酸からなる海成分中に、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとからなる島成分が25個存在する、複合紡糸法により得た海島型繊維(繊度:1.7dtex、長さ:1mmに切断されたもの)を用意した。この海島型繊維を10mass%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、海成分であるポリ乳酸を加水分解により抽出除去した後、風乾して、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとが混在した極細繊維A1(繊維径:2μm、切断繊維長:1mm、フィブリル化していない、延伸されている、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する、付着物の付着率:0.02mass%未満、横断面形状:海島型)が束状となった、極細繊維A1の束状集合体を用意した。
【0114】
(極細繊維A2)
ポリ乳酸からなる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が25個存在する、複合紡糸法により得た海島型繊維(繊度:1.7dtex、長さ:1mmに切断されたもの)を用意した。この海島型繊維を10mass%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、海成分であるポリ乳酸を加水分解により抽出除去した後、風乾して、ポリプロピレン極細繊維A2(繊維径:2μm、切断繊維長:1mm、フィブリル化していない、延伸されている、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する、付着物の付着率:0.02mass%未満、横断面形状:海島型)が束状となった、極細繊維A2の束状集合体を用意した。
【0115】
(極細繊維A3)
ポリ乳酸からなる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が25個存在する、複合紡糸法により得た海島型繊維(繊度:6.0dtex、長さ:1mmに切断されたもの)を用意した。この海島型繊維を10mass%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、海成分であるポリ乳酸を加水分解により抽出除去した後、風乾して、ポリプロピレン極細繊維A3(繊維径:4μm、切断繊維長:1mm、フィブリル化していない、延伸されている、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する、付着物の付着率:0.02mass%未満、横断面形状:海島型)が束状となった、極細繊維A3の束状集合体を用意した。
【0116】
(細繊維B1)
ポリエチレンを鞘成分とし、ポリプロピレンを芯成分とする芯鞘型複合細繊維(繊維径:11.2μm、切断繊維長:3mm、延伸状態にある、チッソ(株)製)の束状集合体を、温度80℃の熱水及びエチルアルコール中で繊維油剤を十分除去し、付着物の付着率を0.02mass%未満とした、芯鞘型複合細繊維B1の束状集合体を用意した。
【0117】
(細繊維B2)
ポリエチレンを鞘成分とし、ポリプロピレンを芯成分とする芯鞘型複合細繊維(繊維径:21.6μm、切断繊維長:3mm、延伸状態にある、チッソ(株)製)の束状集合体を、温度80℃の熱水及びエチルアルコール中で繊維油剤を十分除去し、付着物の付着率を0.02mass%未満とした、芯鞘型複合細繊維B2の束状集合体を用意した。
【0118】
(極細繊維C1)
極細繊維A1の束状集合体と同じ束状集合体を極細繊維C1の束状集合体とした。
【0119】
(極細繊維C3)
極細繊維A3の束状集合体と同じ束状集合体を極細繊維C3の束状集合体とした。
【0120】
(細繊維C1)
細繊維B1の束状集合体と同じ集合体を細繊維C1の束状集合体とした。
【0121】
(細繊維C2)
細繊維B2の束状集合体と同じ集合体を細繊維C2の束状集合体とした。
【0122】
(実施例1)
細繊維B1の束状集合体をミキサーに供給して解すとともに混合した後、噴出口における横断面形状が円形(直径:8.5mm)のベンチュリー管へ圧縮気体導入口から圧縮空気(圧力:6kg/cm、実質的に層流)を導入することにより、前記解した細繊維B1の束状集合体をベンチュリー管へ供給して、前記ベンチュリー管から前記細繊維B1の束状集合体を空気中に噴出(ベンチュリー管の噴出口における気体通過速度:147m/s、噴出口からの噴出量:約0.5m/min.)し、前記ベンチュリー管の噴出口前方に設けた衝突部材(円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、衝突部材の衝突部のノズル噴出部側表面との距離:15mm)に衝突させて、細繊維B1を分散させた。
【0123】
次いで、この分散させた細繊維B1を、移動する支持体(ネット)上に載置しておいたポリエチレンテレフタレート繊維からなる湿式不織布(目付:10g/m、平均繊維径:10μm、)上に集積させ、細繊維ウエブB1−湿式不織布積層体を形成した。なお、集積させる際には、支持体の下に設置されたサクションボックスにより空気を吸引(0.7m/min.)した。
【0124】
次いで、極細繊維A1の束状集合体と極細繊維A2の束状集合体とを、50対50の質量比率でミキサーに供給して解すとともに混合した後、噴出口における横断面形状が円形(直径:8.5mm)のベンチュリー管へ圧縮気体導入口から圧縮空気(圧力:6kg/cm、実質的に層流)を導入することにより、前記解した極細繊維A1の束状集合体と極細繊維A2の束状集合体をベンチュリー管へ供給して、前記ベンチュリー管から前記極細繊維A1の束状集合体と極細繊維A2の束状集合体を空気中に噴出(ベンチュリー管の噴出口における気体通過速度:147m/s、噴出口からの噴出量:約0.5m/min.)し、前記ベンチュリー管の噴出口前方に設けた衝突部材(円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、衝突部材の衝突部のノズル噴出部側表面との距離:15mm)に衝突させて、極細繊維A1及び極細繊維A2を分散させた。
【0125】
次いで、この分散させた極細繊維A1及び極細繊維A2を、前記のようにして形成した細繊維ウエブB1−湿式不織布積層体の細繊維ウエブB1上に集積させ、極細繊維ウエブA1、A2−細繊維ウエブB1−湿式不織布積層体を形成した。なお、集積させる際には、支持体の下に設置されたサクションボックスにより空気を吸引(0.7m/min)した。
【0126】
次いで、前記極細繊維ウエブA1、A2−細繊維ウエブB1−湿式不織布積層体を、温度140℃に設定されたサクションドラムドライヤーに供給し、3分間熱処理を実施して、極細繊維A1の高密度ポリエチレン成分及び細繊維B1のポリエチレン成分を融着させ、不織布A1、A2−不織布B1−湿式不織布複合体を製造した。その後、不織布A1、A2−不織布B1−湿式不織布複合体から湿式不織布を剥離して、不織布A1、A2−不織布B1積層不織布(目付:160g/m、厚さ:3.2mm)を製造した。なお、不織布A1、A2の目付は80g/mで、平均繊維径は2μmであり、不織布B1の目付は80g/m、平均繊維径は11.2μmであった。また、不織布A1、A2、不織布B1ともに、付着物の付着率は0.02mass%未満であった。
【0127】
この不織布A1、A2−不織布B1積層不織布の不織布B1側を上流側とし、DOP(粒子径:0.3μm)、風速5.3cm/sec.の条件下でフィルター試験を行った結果、捕集効率が99.98%で圧力損失が235PaのHEPAフィルタレベルの性能を満足した。また、この不織布A1、A2−不織布B1積層不織布は良好な保型性を示し、プリーツ加工しやすいものであった。
【0128】
(実施例2)極細繊維C1の束状集合体、極細繊維C3の束状集合体、及び細繊維C2の束状集合体を、10:40:40の質量比でミキサーに供給したこと以外は、実施例1と全く同様にして、混合繊維ウエブC1−湿式不織布積層体を形成した。
【0129】
次いで、極細繊維A1の束状集合体と極細繊維A3の束状集合体とを、50対50の質量比でミキサーに供給したこと以外は、実施例1と全く同様にして分散させた極細繊維A1及び極細繊維A3を、前記のようにして形成した混合繊維ウエブC1−湿式不織布積層体の混合繊維ウエブC1上に集積させ、極細繊維ウエブA1、A3−混合繊維ウエブC1−湿式不織布積層体を形成した。
【0130】
次いで、前記極細繊維ウエブA1、A3−混合繊維ウエブC1−湿式不織布積層体を、温度140℃に設定されたプレス機により加圧して、極細繊維A1の高密度ポリエチレン成分、極細繊維C1の高密度ポリエチレン成分、及び細繊維C2のポリエチレン成分を融着させ、不織布A1、A3−不織布C1−湿式不織布複合体を製造した。その後、不織布A1、A3−不織布C1−湿式不織布複合体から湿式不織布を剥離して、不織布A1、A3−不織布C1積層不織布(目付:170g/m、厚さ:1.5mm)を製造した。なお、不織布A1、A3の目付は80g/m、平均繊維径は2.5μmであり、不織布C1の目付は90g/m、平均繊維径は4.2μmであった。また、不織布A1、A3、不織布C1ともに、付着物の付着率は0.02mass%未満であった。更に、この不織布A1、A3−不織布C1積層不織布は適度な密度勾配と細孔径分布を有し、液体用濾過材として適した構造を有していた。
【0131】
(実施例3)
ポリエステル繊維(繊維径:17.5μm、繊維長:51mm、油剤付着量:0.3%)をカード機により開繊して、繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブをアクリルエマルジョンバインダ浴中に浸漬し、前記バインダを含浸し、熱風ドライヤーで乾燥すると同時に前記バインダを架橋させて、バインダ接着不織布D(目付:75g/m、厚さ:0.6mm、繊維質量:バインダ質量=50:50、平均繊維径:17.5μm)を製造した。
【0132】
次いで、極細繊維A1の束状集合体と極細繊維A3の束状集合体とを、50対50の質量比でミキサーに供給したこと、及び支持体上に前記バインダ接着不織布Dを載置したこと以外は、実施例1と全く同様にして、極細繊維ウエブA1、A3−バインダ接着不織布積層体を形成した。
【0133】
次いで、前記極細繊維ウエブA1、A3−バインダ接着不織布積層体を、温度140℃に設定されたサクションドラムドライヤーに供給し、3分間熱処理を実施して、極細繊維A1の高密度ポリエチレン成分を融着させ、不織布A1、A3−バインダ接着不織布積層シート(目付:120g/m、厚さ:1.5mm)を製造した。なお、不織布A1、A3の目付は45g/m、平均繊維径は2.5μmであった。また、不織布A1、A3の付着物の付着率は0.02mass%未満であった。
【0134】
この不織布A1、A3−バインダ接着不織布積層シートの不織布A1、A3側を上流側とし、大気塵(0.3−0.5μm粒子)、風速10cm/sの条件下でフィルタ試験を行なった結果、捕集効率が95.3%で圧力損失が87Paの、捕集効率に優れ、圧力損失の低いものであった。また、この不織布A1、A3−バインダ接着不織布積層シートは良好な保型性を示し、プリーツ加工しやすいものであった。
【0135】
(実施例4)
混合繊維ウエブC1の目付が45g/mであること以外は、実施例2と全く同様の混合繊維ウエブC1−湿式不織布積層体を形成した。
【0136】
次いで、極細繊維C1の束状集合体、極細繊維C3の束状集合体、及び細繊維C1の束状集合体とを、10:40:40の質量比でミキサーに供給して解すとともに混合した後、噴出口における横断面形状が円形(直径:8.5mm)のベンチュリー管へ圧縮気体導入口から圧縮空気(圧力:6kg/cm、実質的に層流)を導入することにより、前記解した極細繊維C1の束状集合体、極細繊維C3の束状集合体、及び細繊維C1をベンチュリー管へ供給して、前記ベンチュリー管から空気中に噴出(ベンチュリー管の噴出口における気体通過速度:147m/s、噴出口からの噴出量:約0.5m/min.)し、前記ベンチュリー管の噴出口前方に設けた衝突部材(円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、衝突部材の衝突部のノズル噴出部側表面との距離:15mm)に衝突させて、極細繊維C1、極細繊維C3、及び細繊維C1とを分散させた。
【0137】
次いで、この分散させた極細繊維C1、極細繊維C3、及び細繊維C1を、前記混合繊維ウエブC1−湿式不織布積層体の混合繊維ウエブC1上に集積させ、混合繊維ウエブC2−混合繊維ウエブC1−湿式不織布積層体を形成した。なお、集積させる際には、支持体の下に設置されたサクションボックスにより空気を吸引(0.7m/min)した。
【0138】
次いで、前記混合繊維ウエブC2−混合繊維ウエブC1−湿式不織布積層体を、温度140℃に設定されたサクションドラムドライヤーに供給し、3分間熱処理を実施して、極細繊維C1の高密度ポリエチレン成分、細繊維C1のポリエチレン成分、及び細繊維C2のポリエチレン成分を融着させ、不織布C2−不織布C1−湿式不織布複合体を製造した。その後、不織布C2−不織布C1−湿式不織布複合体から湿式不織布を剥離して、不織布C2−不織布C1積層不織布(目付:90g/m、厚さ:1.8mm)を製造した。なお、不織布C1の目付は45g/m、平均繊維径は4.2μmであり、不織布C2の目付は45g/m、平均繊維径は4.1μmであった。また、不織布C1、不織布C2ともに、付着物の付着率は0.02mass%未満であった。
【0139】
この不織布C2−不織布C1積層不織布の不織布C1側を上流側とし、大気塵(0.3−0.5μm粒子)、風速10cm/sの条件下でフィルタ試験を行なった結果、捕集効率が93.0%で圧力損失が77Paの、捕集効率に優れ、圧力損失の低いものであった。また、この不織布C2−不織布C1積層不織布は良好な保型性を示し、適度な密度勾配を有するものであった。
【0140】
(実施例5)
実施例3と同様のバインダ接着不織布D(目付:75g/m、厚さ:0.6mm、繊維質量:バインダ質量=50:50、平均繊維径:17.5μm)を製造した。
【0141】
次いで、極細繊維C1の束状集合体、極細繊維C3の束状集合体、及び細繊維C2の束状集合体とを、10:40:40の質量比でミキサーに供給したこと、及び支持体上に前記バインダ接着不織布Dを載置したこと以外は、実施例1と全く同様にして、混合繊維ウエブC1−バインダ接着不織布積層体を形成した。
【0142】
次いで、前記混合繊維ウエブC1−バインダ接着不織布積層体を、温度140℃に設定されたサクションドラムドライヤーに供給し、3分間熱処理を実施して、極細繊維C1の高密度ポリエチレン成分及び細繊維C2のポリエチレン成分を融着させて、不織布C1−バインダ接着不織布融着積層シートを製造した。次いで、この不織布C1−バインダ接着不織布融着積層シートを水圧10kg/cmで水流絡合して、不織布C1−バインダ接着不織布融着絡合積層シート(目付:155g/m、厚さ:1.45mm)を製造した。なお、不織布C1の目付は80g/m、平均繊維径は4.2μmであった。また、不織布C1の付着物の付着率は0.02mass%未満であった。
【0143】
この不織布C1−バインダ接着不織布融着絡合積層シートの不織布C1側を上流側とし、大気塵(0.3−0.5μm粒子)、風速10cm/sの条件下でフィルタ試験を行なった結果、捕集効率が90.1%で圧力損失が84Paの、捕集効率に優れ、圧力損失の低いものであった。また、この不織布C1−バインダ接着不織布融着絡合積層シートは良好な保型性を示し、プリーツ加工しやすいものであった。
【0144】
(参考例)
細繊維B2の束状集合体をミキサーに供給したこと以外は、実施例1と同様にして、細繊維ウエブB2−湿式不織布D積層体を形成した。
【0145】
次いで、極細繊維C1の束状集合体、極細繊維C3の束状集合体、及び細繊維C1の束状集合体とを、10:40:40の質量比率でミキサーに供給したこと以外は、実施例1と同様にして、極細繊維C1、極細繊維C3、及び細繊維C1を、前記細繊維ウエブB2−湿式不織布D積層体の細繊維ウエブB2上に集積させ、混合繊維ウエブC2−前記細繊維ウエブB2−湿式不織布D積層体を形成した。
【0146】
次いで、前記混合繊維ウエブC2−前記細繊維ウエブB2−湿式不織布D積層体を、針密度80本/cmで絡合させた後、温度140℃に設定されたサクションドラムドライヤーに供給し、3分間熱処理を実施して、極細繊維C1の高密度ポリエチレン成分、細繊維C1のポリエチレン成分、及び細繊維B2のポリエチレン成分を融着させ、不織布C2−不織布B2−湿式不織布D複合体(目付:170g/m、厚さ:2.0mmを製造した。なお、不織布C2の目付は80g/m、平均繊維径は4.1μmであり、不織布B2の目付は80g/m、平均繊維径は21.6μmであり、湿式不織布Dの目付は10g/m、平均繊維径は10μmであった。また、不織布C2、不織布B2ともに、付着物の付着率は0.02mass%未満であった。
【0147】
この不織布C2−不織布B2−湿式不織布D複合体は、互いの繊維が層(厚さ)方向によく絡み合い、厚さ方向に孔径分布を有する、気体あるいは液体用濾過材として優れた構造を有していた。
【0148】
(比較例)
実施例3と全く同様に、バインダ接着不織布D(目付:75g/m、厚さ:0.6mm、繊維質量:バインダ質量=50:50、平均繊維径:17.5μm)を製造した。
【0149】
このバインダ接着不織布Dの大気塵(0.3−0.5μm粒子)、風速10cm/sの条件下でフィルタ試験を行なった結果、捕集効率が16%で圧力損失が12Paの、非常に捕集効率の悪いものであった。また、バインダ接着不織布Dから繊維油剤や界面活性剤、及びバインダの一部のオリゴマーが溶出するため、液体用濾過材や高性能空調用フィルタの濾過材として不適であった。
【0150】
【発明の効果】
本発明の積層繊維シートは繊維同士の密着性が低く、各種用途に適合させることができる。例えば、濾過材として使用すると、優れた濾過性能と低圧力損失を両立できる濾過材であり、電池用セパレータとして使用すると、優れた分離性能と高いイオン透過性を両立できる電池用セパレータである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の不織布A、不織布B、及び不織布Cを製造することのできる不織布製造装置の模式的断面図
【符号の説明】
10 混合装置
20 圧縮気体導入口
30 ノズル
40 気体
45 衝突部材
50 支持体
60 気体吸引装置
70 極細繊維A、細繊維B、極細繊維C及び細繊維C
80 極細繊維ウエブA、細繊維ウエブB、混合繊維ウエブC
83 不織布A、不織布B、不織布C
90 熱融着装置
100 巻き取り装置

Claims (8)

  1. 下記の(1)要件Aを満足する不織布層と要件Bを満足する不織布層とを有する、(2)要件Aを満足する不織布層と要件Cを満足する不織布層とを有する、(3)要件Cを満足する不織布層を2層有する、(4)要件Aを満足する不織布層と要件Dを満足する不織布層とを有する、又は(5)要件Cを満足する不織布層と要件Dを満足する不織布層とを有する積層繊維シートであって、平均繊維径の点において相違する隣接した繊維シート層領域を含むことを特徴とする積層繊維シート。

    A:繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維からなり、付着物の付着率が0.5mass%以下である不織布
    B:繊維径が4μmを超え、50μm以下であり、繊維長が10mm以下の細繊維からなり、付着物の付着率が0.5mass%以下である不織布
    C:繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細繊維と、繊維径が4μmを超え、50μm以下であり、繊維長が10mm以下の細繊維とからなる、付着物の付着率が0.5mass%以下である不織布
    D:カード不織布
  2. 要件Cを満足する不織布における、極細繊維と細繊維との質量比率が10〜90:90〜10であることを特徴とする、請求項1記載の積層繊維シート。
  3. 要件Cを満足する不織布の平均繊維径が0.1〜8μmであることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の積層繊維シート。
  4. 積層繊維シートの一方の表面を構成する繊維シート層から他方の表面を構成する繊維シート層にかけて、隣接する繊維シートの平均繊維径が順に大きく又は小さくなっていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の積層繊維シート。
  5. 隣接する繊維シート層間の繊維が互いに絡合していることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の積層繊維シート。
  6. 前記絡合が流体流及び/又はニードルによってなされたものであることを特徴とする、請求項5に記載の積層繊維シート。
  7. 積層繊維シートを構成している繊維が融着していることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の積層繊維シート。
  8. 熱成型されていることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の積層繊維シート。
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