JP2002363845A - 立体構造体及びその製造方法 - Google Patents

立体構造体及びその製造方法

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JP2002363845A
JP2002363845A JP2001172195A JP2001172195A JP2002363845A JP 2002363845 A JP2002363845 A JP 2002363845A JP 2001172195 A JP2001172195 A JP 2001172195A JP 2001172195 A JP2001172195 A JP 2001172195A JP 2002363845 A JP2002363845 A JP 2002363845A
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fiber
fibers
short fibers
ultrafine
dimensional structure
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JP2001172195A
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English (en)
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Akinori Minami
彰則 南
Daisuke Ito
大輔 伊藤
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 極細短繊維が分散した、極細短繊維同士の密
着の程度が低い繊維層を備えた立体構造体、及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の立体構造体100は、三次元的
な形状を有する立体支持体52,53と、この立体支持
体によって支持された、繊維径が4μm以下で繊維長が
3mm以下の極細短繊維71,72が分散した繊維層を
備えた立体構造体100であり、前記繊維層に付着した
付着物(粉体を除く)の付着率が0.5mass%以下
である。本発明の別の立体構造体は、三次元的な形状を
有する立体支持体と、この立体支持体によって支持され
た、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細短
繊維が分散した繊維層を備えた立体構造体であり、前記
繊維層は湿式法ではない方法により形成されたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は立体構造体及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】立体構造体として、例えば、不織布を蛇
腹状に折り加工した濾過材を使用したフィルタがある。
このフィルタは折り加工した濾過材を使用しているた
め、平板状の濾過材を使用したフィルタと比較して、圧
力損失を低くすることができ、しかも塵埃捕集量の多い
ものである。このようなフィルタにおいて、濾過精度を
高めるためには、濾過材を構成する不織布として、より
細い極細繊維を含む不織布を使用するのが好ましい。
【0003】このような極細繊維を含む不織布を製造す
る1つの方法として、ある溶剤により溶解除去可能な樹
脂成分(海成分)中に、この溶剤により溶解除去が困難
な樹脂成分(島成分)が分散した短繊維(いわゆる海島
型短繊維)を使用して、カード法やエアレイ法などによ
り繊維ウエブを形成し、次いでニードルや水流の作用に
よって繊維同士を絡合させて絡合繊維ウエブを形成した
後、海島型短繊維の海成分を溶剤で溶解除去することに
より、島成分からなる極細短繊維を発生させる方法があ
る。この方法によれば、極細短繊維からなる不織布を製
造することができるが、極細短繊維が束となった状態に
あり、太い繊維との差があまりないため、濾過精度など
の点において不十分なものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この極細短繊維が束と
なった状態であることを解消する不織布の製造方法とし
て、極細短繊維を分散させたスラリーから極細短繊維を
抄き上げて繊維ウエブを形成した後、繊維ウエブを結合
する方法がある。
【0005】この方法によれば、極細短繊維が分散した
不織布を得ることができるが、スラリーから極細短繊維
を抄き上げて形成した繊維ウエブは、繊維同士が密着し
た見掛密度の高いものであるため、この不織布を蛇腹状
に折り加工したとしても、圧力損失が高いものであっ
た。また、このように製造した不織布は極細短繊維を含
んでいるため、強度がなく、折り加工のように立体的な
構造物とする際の加工性が悪かったり、折り加工のよう
に立体的な構造物とする際に極細短繊維が損傷したり、
脱落しやすいなどの問題があった。
【0006】そこで、三次元的な形状を有する立体支持
体(例えば、太い繊維からなる不織布を蛇腹状に折り加
工したもの)によって、スラリー中に分散させた極細短
繊維を抄き上げて、立体支持体上に極細短繊維を含む繊
維層を形成することも考えられた。しかしながら、この
方法によって得られる繊維層も、繊維同士が密着した状
態にあるため、圧力損失が高いなどの問題を有するもの
であった。
【0007】本発明は上述のような従来の問題点を解決
するためになされたものであり、極細短繊維が分散し
た、極細短繊維同士の密着の程度が低い繊維層を備えた
立体構造体、及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、スラリーから抄き上げて形成した繊維層の密着性
が高く、見掛密度が高いのは、極細短繊維を分散させる
ために界面活性剤を使用したり、極細短繊維同士を固定
するために糊剤などを使用しているため、極細短繊維表
面に界面活性剤や糊剤が付着してしまい、この付着した
界面活性剤や糊剤が極細短繊維同士の密着性を高める作
用があること、及びスラリーから抄き上げて繊維層を形
成する際に、極細短繊維を分散させている溶媒(例え
ば、水)が除去されるが、この溶媒は繊維層の厚さ方向
に移動して除去されるため、この溶媒の移動に伴って極
細短繊維が繊維層の厚さ方向と直交する方向に配置して
密着しやすい、ということを見い出した。本発明はこの
ような知見に基づいてなされたものである。
【0009】つまり、本発明の立体構造体は、三次元的
な形状を有する立体支持体と、この立体支持体によって
支持された、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下
の極細短繊維が分散した繊維層を備えた立体構造体であ
り、前記繊維層に付着した付着物(粉体を除く)の付着
率が0.5mass%以下である。このように極細短繊
維が分散した繊維層は、界面活性剤や糊剤などの付着物
量が極めて少ないため、繊維同士の密着性が低く、適度
な空隙を有するものである。また、極細短繊維は束の状
態にはなく、分散した状態にあるため、極細短繊維を含
んでいることによる諸特性(濾過性、柔軟性など)にも
優れている。
【0010】本発明の別の立体構造体は、三次元的な形
状を有する立体支持体と、この立体支持体によって支持
された、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極
細短繊維が分散した繊維層を備えた立体構造体であり、
前記繊維層は湿式法ではない方法により形成されたもの
である。このように極細短繊維が分散した繊維層は、湿
式法ではない方法により形成されたものであるため、繊
維同士の密着性が低く、適度な空隙を有するものであ
る。また、極細短繊維は束の状態にはなく、分散した状
態にあるため、極細短繊維を含んでいることによる諸特
性(濾過性、柔軟性など)にも優れている。
【0011】本発明の立体構造体の製造方法は、少なく
とも、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細
短繊維、及び/又は繊維径が4μm以下で繊維長が3m
m以下の極細短繊維を発生可能な極細短繊維発生可能繊
維を、圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出さ
せて、前記極細短繊維を分散、及び/又は前記極細短繊
維発生可能繊維から極細短繊維を発生させ、分散させる
分散工程、分散した極細短繊維を三次元的な形状を有す
る立体支持体上に集積して、極細短繊維が分散した繊維
層を形成する集積工程、前記極細短繊維が分散した繊維
層を構成する繊維を立体支持体と結合させる結合工程、
とを含んでいる。このように、本発明の立体構造体の製
造方法は、極細短繊維を分散させる媒体として溶媒を使
用せず、気体中に極細短繊維を分散させる方法であり、
分散媒体として溶媒を使用した場合に必要な界面活性剤
や糊剤などを使用する必要がないため、極細短繊維が分
散した繊維層に付着した付着物(粉体を除く)の付着率
が0.5mass%以下の立体構造体を製造することが
できる。また、極細短繊維及び/又は極細短繊維発生可
能繊維を圧縮気体の作用により、ノズルから気体中に噴
出させているため、極細短繊維が分散した繊維層を備え
た立体構造体を製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の立体構造体は濾過性能や
柔軟性など各種特性に優れているように、繊維径が4μ
m以下の極細短繊維が分散した繊維層を備えている。極
細短繊維の繊維径が小さければ小さい程、各種特性に優
れているため、極細短繊維の繊維径は3μm以下である
のが好ましく、2μm以下であるのがより好ましい。な
お、極細短繊維の繊維径の下限は特に限定するものでは
ないが、0.01μm程度が適当である。
【0013】本発明における「繊維径」は、繊維の横断
面形状が円形である場合にはその直径をいい、繊維の横
断面形状が非円形である場合には横断面積と面積の同じ
円の直径をその繊維の繊維径とみなす。
【0014】本発明の立体構造体の繊維層を構成する極
細短繊維は分散性に優れているように、その繊維長は3
mm以下である。つまり、繊維長が3mmを越えるよう
な極細繊維であると、極細繊維の自由度が低く、分散性
が低下する。極細短繊維のより好ましい繊維長は2mm
以下である。なお、極細短繊維の繊維長の下限は特に限
定するものではないが、0.1mm程度が適当である。
また、繊維長が均一であるように、3mm以下の長さに
切断された極細短繊維であるのが好ましい。
【0015】本発明における「繊維長」は、JIS L
1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ス
テープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
【0016】本発明の極細短繊維はどのような成分から
構成されていても良く、例えば、ポリアミド系樹脂、ポ
リビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
アクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例え
ば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂な
ど)、ポリスチレン系樹脂(例えば、結晶性ポリスチレ
ン、非晶性ポリスチレンなど)、芳香族ポリアミド系樹
脂、ポリウレタン系樹脂などの有機成分、ガラス、炭
素、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜
鉛、ホウ酸アルミニウム、ワラストナイトなどの無機成
分から構成されていることができる。
【0017】なお、極細短繊維が分散した繊維層は後述
のような立体支持体と結合していれば、極細短繊維が脱
落しにくいものであるが、極細短繊維がより脱落しにく
く、この繊維層の形態を保つことができるように、極細
短繊維が融着可能であるのが好ましい。この融着可能な
極細短繊維は、極細短繊維表面を構成する成分の少なく
とも一部が熱可塑性樹脂から構成されていれば良い。例
えば、極細短繊維表面を構成する成分として、ポリオレ
フィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレ
ン系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂、或いはポリ塩化
ビニル系樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリ
ロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの
非晶性の熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
【0018】この融着可能な極細短繊維が2種類以上の
成分から構成されていると、1種類の成分が融着したと
しても、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維
持することができるため好適である。この2種類以上の
成分から構成されている場合、極細短繊維の横断面形状
は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイドバイサイ
ド型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができ
る。
【0019】本発明の極細短繊維は、極細短繊維が分散
した繊維層の地合いが優れているように、極細短繊維の
直径が繊維軸方向において、実質的に同じであるのが好
ましい。このような繊維軸方向において実質的に直径が
同じである極細短繊維は、例えば、紡糸口金部で海成分
中に口金規制して島成分を押し出して複合する複合紡糸
法により製造した海島型繊維の海成分を除去して得るこ
とができる。
【0020】また、本発明の極細短繊維は未延伸状態に
あることもできるが、強度的に優れているように、延伸
状態にあるのが好ましい。
【0021】本発明の立体構造体は、前述のような極細
短繊維が分散した繊維層を備えているため、極細短繊維
を含んでいることによる各種効果(例えば、濾過性能、
分離性能、柔軟性など)を発揮できるものである。この
繊維層における極細短繊維の含有量は、極細短繊維を含
んでいることによる各種効果を発揮できるように、20
mass%以上であるのが好ましく、50mass%以
上であるのがより好ましく、100mass%であるの
が最も好ましい。
【0022】本発明の極細短繊維が分散した繊維層を構
成する極細短繊維以外の繊維として、(1)繊維径が4
μmを越える、(2)繊維長が3mmを越える、の2つ
の条件のうち、少なくとも1つの条件を満足する繊維を
使用することができる。これらの中でも、(2)繊維長
が3mmを越える繊維は分散性が悪く、極細短繊維の分
散性を損なう場合があるため、(1)繊維径が4μmを越
えるという条件のみを満たす繊維(以下、太繊維とい
う)であるのが好ましい。
【0023】この太繊維の場合、繊維径の上限は特に限
定するものではないが、極細短繊維との繊維径の差が大
きすぎると、繊維層の地合を損ねる場合があるため、太
繊維の繊維径の上限は50μm程度であるのが好まし
い。
【0024】なお、太繊維も分散性に優れるように、繊
維長は3mm以下であるのが好ましく、2mm以下であ
るのがより好ましい。下限は特に限定するものではない
が、0.1mm程度が適当である。また、太繊維も3m
m以下の長さに切断されたものであるのが好ましい。
【0025】この太繊維も極細短繊維と同様の成分から
構成することができる。つまり、例えば、ポリアミド系
樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂など)、ポリスチレン系樹脂(結晶性ポリスチレン、
非晶性ポリスチレンなど)、芳香族ポリアミド系樹脂、
ポリウレタン系樹脂などの有機成分、ガラス、炭素、チ
タン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、ホウ
酸アルミニウム、ワラストナイトなどの無機成分から構
成することができる。
【0026】なお、この太繊維が融着可能で、太繊維の
融着によって繊維層の形態を維持していても良い。この
融着可能な太繊維は、太繊維表面を構成する成分の少な
くとも一部が熱可塑性樹脂からなれば良い。例えば、太
繊維表面を構成する成分が、ポリオレフィン系樹脂(例
えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂な
ど)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂など
の結晶性の熱可塑性樹脂、或いはポリ塩化ビニル系樹
脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル
系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの非晶性の熱
可塑性樹脂であれば良い。
【0027】この融着可能な太繊維が2種類以上の成分
から構成されていると、1種類の成分が融着したとして
も、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維持す
ることができるため好適である。太繊維が2種類以上の
成分から構成されている場合、太繊維の横断面形状は、
例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイドバイサイド
型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができ
る。
【0028】また、この太繊維は未延伸状態であっても
良いが、強度的に優れているように、延伸状態にあるの
が好ましい。
【0029】本発明の立体構造体は前述のような極細短
繊維が分散した繊維層を備えているため、極細短繊維が
分散していることによる各種特性を発揮することができ
る。つまり、極細短繊維が束の状態で存在しておらず、
分散しているため、濾過性能、分離性能、或いは柔軟性
などの各種特性に優れている。
【0030】本発明の立体構造体の一例においては、前
述のような極細短繊維が分散した繊維層は、極細短繊維
同士が密着しにくいように、極細短繊維の分散した繊維
層に付着した付着物(粉体を除く、界面活性剤や糊剤な
ど)の付着率が0.5mass%以下と、極めて少ない
量である。この付着物の付着率が少なければ少ない程、
繊維同士が密着しにくいため、順に、0.3mass%
以下、0.1mass%以下、0.08mass%以
下、0.06mass%以下、0.04mass%以
下、0.02mass%以下であるのが好ましい。この
ような付着物の低い付着率は従来の湿式法によっては得
ることのできないレベルである。
【0031】このように本発明の立体構造体を構成する
繊維層は付着物の付着率が低く、立体構造体から付着物
が脱離する危険性が極めて低いため、様々な好ましい効
果をもたらす。例えば、本発明の立体構造体をフィルタ
として使用した場合、濾過前の流体中の汚染物質を除去
することができても、フィルタ(立体構造体)自体から
汚染物質を発生すると、フィルタとしての機能が半減し
てしまうが、本発明の立体構造体を構成する繊維層は付
着物量が少なく、付着物が脱離する可能性が極めて低い
ため、フィルタとして好適に使用することができる。
【0032】この付着物の付着率は、付着物の質量の極
細短繊維が分散した繊維層の質量に対する百分率をい
う。つまり、次の式により得られる値をいう。 A=(ms/mf)×100 ここで、Aは付着物の付着率(%)、msは付着物の付
着質量(g)、mfは極細短繊維が分散した繊維層の質
量(g)を、それぞれ意味する。
【0033】なお、界面活性剤や糊剤の付着した極細短
繊維を含む繊維ウエブ(例えば、湿式繊維ウエブ)に対
して、水流などを作用させたとしても、付着物の付着率
を0.5mass%以下とすることは困難である。
【0034】また、「付着物」とは、極細短繊維が分散
した繊維層を熱水に15分間浸漬することによって得ら
れる抽出物と、極細短繊維が分散した繊維層を熱メタノ
ール溶液に15分間浸漬することによって得られる抽出
物の、両方の抽出物を意味する。前者の抽出物として、
糊剤(例えば、アクリルアミド、ポリアクリル酸ソー
ダ、ポリアルギン酸ソーダ、ポリエチレンオキサイド、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなど)
があり、後者の抽出物として、界面活性剤(親水基と親
油基の両方を有する化合物、例えば、ノニオン系界面活
性剤)がある。
【0035】本発明の立体構造体の他例においては、前
述のような極細短繊維が分散した繊維層は、極細短繊維
同士が密着しにくいように、湿式法ではない方法により
形成されたものである。そのため、この繊維層は湿式法
により形成した繊維層のように、界面活性剤や糊剤の存
在比率が高くないため、繊維同士が密着していない層で
ある。この湿式法(液体の媒体を繊維の分散媒体とする
方法)ではない方法により形成された繊維層は、気体を
繊維の分散媒体として形成された繊維層であり、例え
ば、後述のような方法により形成することができる。
【0036】本発明の立体構造体を構成する繊維層は1
層である必要はなく、2層以上備えていても良い。2層
以上備えていることによって、様々な特性を付与するこ
とができる。例えば、極細短繊維の存在量の異なる繊維
層を2層以上備えていることによって、濾過性能を高め
ることができる。また、後述のように粉体を含んでいる
場合、例えば、イオン交換樹脂粉末を含む繊維層と、脱
臭剤粉末を含む繊維層とを備えた立体構造体は、イオン
交換性能と脱臭性能とを併せ持つものである。
【0037】なお、この極細短繊維が分散した繊維層を
構成する繊維(極細短繊維、太繊維など)は、繊維(極
細短繊維、太繊維など)の融着によって結合しているの
が好ましい。繊維(極細短繊維、太繊維など)の融着に
よって結合していると、極細短繊維の配置が乱れること
なく結合しており、極細短繊維同士が密着しておらず、
適度な空隙を保った状態で結合した状態にあるからであ
る。また、極細短繊維が絡合していると極細短繊維が密
着した状態となりやすいため、極細短繊維は実質的に絡
合していないのが好ましい。この「実質的に絡合してい
ない」とは、繊維層を形成した後に、水流などの流体流
やニードルパンチなどの絡合作用を作用させてないこと
を意味する。
【0038】本発明の立体構造体を構成する繊維層は前
述のような極細短繊維に加えて、粉体を含んでいること
ができる。前述のように、本発明の繊維層は糊剤や界面
活性剤などの付着物量が極めて少ないものであるため、
界面活性剤や糊剤などの付着物によって粉体が被覆され
ておらず、粉体本来の機能を発揮することができる。
【0039】この粉体としては有機粉末、無機粉末、或
いは金属粉末など種類は特に限定されず、立体構造体を
適用する用途によって異なる。例えば、立体構造体をオ
ゾン分解用途に使用する場合には活性炭などを使用する
ことができ、立体構造体をイオン交換用途に使用する場
合にはイオン交換樹脂粉末などを使用することができ、
立体構造体を触媒用途に使用する場合には二酸化マンガ
ン、白金、酸化チタンなどの触媒粉末などを使用するこ
とができ、立体構造体を脱臭や消臭用途に使用する場合
には脱臭剤粉末や消臭剤粉末などを使用することがで
き、立体構造体を繊維強化プラスチック(FRP)など
の用途に使用する場合には熱接着性樹脂粉末などを使用
することができ、立体構造体を船や浴槽などの繊維強化
プラスチック(オーバーレイ)などの用途に使用する場
合には熱硬化性樹脂粉末などを使用することができる。
【0040】なお、粉体として、例えば、熱融着性樹脂
粉体(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、
熱硬化性樹脂粉体(例えば、熱硬化性ポリエチレンテレ
フタレート、フェノール樹脂)、無機粉体(例えば、ガ
ラス)、金属粉体(例えば、亜鉛、アルミニウム、錫な
ど)を含んでいると、これら粉体の接着作用によって粉
体を繊維に固着することができる。
【0041】また、粉体自体の表面の一部として熱融着
性樹脂を含んでいると、この熱融着性樹脂によって確実
に固着することができるため、好適な実施態様の一つで
ある。
【0042】本発明の立体構造体の繊維層は、前述のよ
うな極細短繊維を含んでいるため、従来は脱落しやすか
った平均粒径が50μm以下の粉体であっても脱落する
ことなく保持することができる。なお、極細短繊維の繊
維径によって保持できる粉体も変化する。例えば、極細
繊維の繊維径と保持できる最も小さい平均粒径の粉体の
平均粒径との関係は表1のようになる。
【0043】
【表1】
【0044】なお、粉体の平均粒径が50μmを越えて
いても、本発明の繊維層によって粉体を保持することが
できる。
【0045】本発明における粉体の「平均粒径」は、コ
ールターカウンター法により得られる値をいう。
【0046】このような粉体は繊維層に含まれている
が、粉体が脱落しないように、粉体は固着した状態にあ
るのが好ましい。この「固着した状態」とは、粉体が固
定されている状態を意味し、例えば、粉体の周囲を主と
して極細短繊維が包囲していることにより粉体を固定し
た状態、極細短繊維、太繊維、粉体の中から選ばれる少
なくとも1つの融着によって粉体を固定した状態、或い
はこれら複数の要因によって粉体を固定した状態などを
いう。
【0047】この粉体を含む場合、繊維層における前述
のような極細繊維の質量比率は、粉体の平均粒径、比
重、或いは極細短繊維の繊維径によって異なるが、40
mass%以下であっても、粉体が脱落しないように保
持することができ、20mass%以下でも殆ど粉体が
脱落しないように保持することができ、10mass%
以下でも実用上問題がない。他方、粉体が脱落しにくい
ように、1mass%以上であるのが好ましい。
【0048】本発明の立体構造体は、前述のような極細
短繊維が分散した繊維層(粉体を含む場合もある)が、
三次元的な形状を有する立体支持体によって支持された
構造を有する。そのため、繊維層に強度がなかったとし
ても、この立体支持体によって立体構造体の強度は付与
されている。
【0049】なお、本発明における「三次元的な形状」
とは、シート状の形状ではないことを意味し、シート状
物を湾曲及び/又は屈折させたことにより立体的な形状
としたものも本発明に含まれる。
【0050】本発明の立体構造体を構成する立体支持体
の形状は、各種用途に適合できる形状であれば良く、特
に限定されるものではないが、例えば、蛇腹状であれ
ば、フィルタ用途に好適に使用することができ、円筒状
であれば、液体用のフィルタ用途に好適に使用すること
ができ、お椀状であれば、マスクとして好適に使用する
ことができ、規則的又は不規則な凹凸状であれば、フィ
ルタ用途、加湿器などの吸水部材、或いは衣料用の素材
として使用することができ、コップ状であれば植木鉢と
して使用することができる。
【0051】この立体支持体を構成する材料は各種用途
に適合できる材料であれば良く、特に限定されるもので
はないが、例えば、金属製やプラスチック製のネット、
メッシュ、編織物、不織布、或いはこれらの複合体など
を挙げることができる。なお、立体支持体として孔径の
異なる2種類以上の材料が積層されたものを用いると、
この立体支持体によって濾過性能などの性能が付与され
る。また、立体支持体は構成する材料が成形されている
ことによって剛性が付与されたものであっても良い。
【0052】本発明の立体構造体の繊維層は、立体支持
体によって直接支持されている必要はなく、間接的に支
持されていても良い。例えば、立体支持体と繊維層との
間に極細短繊維が分散していない繊維層(例えば、太繊
維のみからなる繊維層)を介して支持されていても良
い。
【0053】また、繊維層中に粉体を含んでいる場合に
は、立体支持体と粉体を含む繊維層との間に、粉体の脱
落を防止する脱落防止繊維層を備えているのが好まし
い。この脱落防止繊維層は粉体の平均粒径によっても異
なるが、粉体を含む繊維層を構成する極細短繊維と繊維
径が同じか、それよりも繊維径の細い極細繊維を含む繊
維層であるのが好ましい。このような繊維層は、例え
ば、前述のような極細短繊維を含む繊維層や、メルトブ
ロー法により形成した繊維を集積した繊維層であること
ができる。
【0054】本発明の立体構造体の繊維層における見掛
密度は、極細短繊維が密着した状態にないため、0.0
05g/cmという非常に低い見掛密度であることも
できる。なお、本発明の極細短繊維が分散した繊維層が
採りうる見掛密度は、0.005〜0.1g/cm
度である。
【0055】本発明の繊維層の「見掛密度」は、面密度
(g/cm)を厚さ(cm)で除した値であり、「面
密度」は繊維層を支持している立体支持体1mあたり
における繊維層の質量をいい、「厚さ」は無荷重時にお
ける、立体支持体に対して垂直方向における厚さをい
う。
【0056】本発明の立体構造体の繊維層は、極細短繊
維が分散した地合いの優れる層であるため、この繊維層
の面密度は1g/mという非常に低い面密度であるこ
ともできる。なお、本発明の極細短繊維が分散した繊維
層が採りうる面密度は、1〜100g/m程度であ
る。
【0057】本発明の立体構造体は、例えば次のように
して製造することができる。
【0058】まず、繊維径が4μm以下で繊維長が3m
m以下の極細短繊維、及び/又は繊維径が4μm以下で
繊維長が3mm以下の極細短繊維を発生可能な極細短繊
維発生可能繊維を用意する。必要であれば、太繊維や粉
体を用意する。
【0059】なお、この極細短繊維、極細短繊維発生可
能繊維、太繊維、或いは粉体として、付着物(界面活性
剤、糊剤など)の付着率が0.5mass%以下(順
に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、
0.08mass%以下、0.06mass%以下、
0.04mass%以下、0.02mass%以下、で
あるのが好ましい)のものを用意すると、繊維層におけ
る付着物の付着率が0.5mass%以下である、本発
明の立体構造体を製造しやすい。
【0060】この付着物の付着率の少ない極細短繊維、
太繊維或いは粉体は、例えば、極細短繊維、太繊維或い
は粉体を用意した後、アセトンなどの溶媒により、付着
物の付着率が0.5mass%以下となるまで洗浄して
得ることができる。他方、付着物の付着率の少ない極細
短繊維発生可能繊維は、例えば、複合紡糸法や混合紡糸
法により製造した海島型繊維の海成分を、抽出除去して
得ることができる。
【0061】なお、この極細短繊維や極細短繊維発生可
能繊維が絡んだ状態にあると、後述のような圧縮気体の
作用によっても、極細短繊維を均一に分散させるのが困
難になる傾向があったり、圧縮気体を何度も作用させる
必要が生じるため、極細短繊維や極細短繊維発生可能繊
維は絡んだ状態にないのが好ましい。例えば、機械的に
分割可能な分割性繊維をビーターなどによって叩解した
極細短繊維や、ビーターなどによって叩解したパルプ
や、或いはフラッシュ紡糸法により得られた極細短繊維
などは、極細短繊維同士が絡んだ状態にあるため使用し
ないのが好ましい。なお、圧縮気体の作用によって絡ん
だ状態となる極細短繊維を発生可能な極細短繊維発生可
能繊維(例えば、全芳香族ポリアミド繊維、溶剤抽出法
により得られたセルロース繊維など)は使用することが
できる。
【0062】次いで、前述のような極細短繊維及び/又
は極細短繊維発生可能繊維(必要であれば、太繊維及び
/又は粉体も)をノズルへ供給するとともに、極細短繊
維及び/又は極細短繊維発生可能繊維に圧縮気体を作用
させる(太繊維及び/又は粉体を含む場合には、これら
にも圧縮気体を作用させる)ことにより、ノズルから気
体中に噴出させ、極細短繊維を分散、及び/又は極細短
繊維発生可能繊維から極細短繊維を発生させ、分散させ
る(太繊維及び/又は粉体を含む場合には、これらも分
散させる)。
【0063】このノズルは極細短繊維及び/又は極細短
繊維発生可能繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あ
り)の供給側から噴出側に向かって、一定の横断面積を
有するものであっても良いし、連続的に又は不連続的に
横断面積が小さくなるものであっても良いし、連続的に
又は不連続的に横断面積が大きくなるものであっても良
いし、連続的に又は不連続的に横断面積が大きくなった
後に小さくなるものであっても良いし、或いは連続的に
又は不連続的に横断面積が小さくなった後に大きくなる
ものであっても良い。また、ノズルの噴出部近傍に、極
細短繊維及び/又は極細短繊維発生可能繊維(太繊維及
び/又は粉体を含む場合あり)と衝突して、極細短繊維
(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)を分散させる
ことのできる邪魔板を設けても良い。
【0064】この圧縮気体はどのような気体を利用して
も良いが、空気を用いるのが製造上好適である。また、
圧縮気体は極細短繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場
合あり)を分散、及び/又は極細短繊維発生可能繊維か
ら極細短繊維を発生させ、分散させることが十分にでき
るように、ノズルの噴出口における気体通過速度が10
0m/sec以上であるのが好ましい。この「気体通過
速度」は、ノズルから噴出された気体の1気圧における
流量(m/sec)を、ノズル噴出口における横断面
積(m)で除した値をいう。また、圧縮気体の圧力
は、極細短繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あ
り)を分散、及び/又は極細短繊維発生可能繊維から極
細短繊維を発生させ、十分に分散させることができるよ
うに、2kg/cm以上であるのが好ましい。
【0065】また、ノズルから噴出された極細短繊維
(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)を分散、及び
/又は極細短繊維発生可能繊維から発生した極細短繊維
を分散させる分散媒体としての気体は、特に限定される
ものではないが、空気であるのが製造上好適である。
【0066】なお、極細短繊維及び/又は極細短繊維発
生可能繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)に
おける付着物の付着率が低いと、ノズルと極細短繊維及
び/又は極細短繊維発生可能繊維(太繊維及び/又は粉
体を含む場合あり)との摩擦によって静電気が発生しや
すく、繊維同士が反発しあって、より密着しにくい状態
で集積できる、という効果を奏する。
【0067】次いで、この分散した極細短繊維(太繊維
及び/又は粉体を含む場合あり)を、三次元的な形状を
有する立体支持体上に集積して、立体支持体上に極細短
繊維が分散した繊維層を形成する。なお、極細短繊維
(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)は自然落下さ
せて集積しても良いし、立体支持体の下方から気体を吸
引して集積しても良い。後者の場合、吸引力を強くする
と、極細短繊維が密着した状態になりやすいため、吸引
力は適宜調節する必要がある。
【0068】なお、立体支持体の下方から気体を吸引す
る場合には、立体支持体として、気体透過性の多孔質な
ものを使用する必要がある。この多孔質な立体支持体と
しては、前述のように、ネット、メッシュ、編織物、不
織布、或いはこれらの複合体であることができるが、極
細短繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)が立
体支持体を通過してしまわないように、適宜選択する必
要がある。
【0069】また、極細短繊維は立体支持体の全体に集
積しても良いし、一部のみに集積しても良く、用途や目
的に応じて適宜設定することができる。例えば、立体支
持体が筒状の場合、内壁にのみ極細短繊維を集積して
も、外壁のみに極細短繊維を集積しても、内壁及び外壁
の立体支持体全体に極細短繊維を集積しても良い。
【0070】次いで、この極細短繊維が分散した繊維層
を構成する繊維を立体支持体と結合させて、立体構造体
を製造することができる。好ましくは、繊維同士、粉体
を含む場合には繊維と粉体とを結合させる。
【0071】この結合方法は特に限定されるものではな
いが、例えば、繊維(極細短繊維及び/又は太繊維)を
融着させる方法、エマルジョンやラテックスなどのバイ
ンダーにより接着する方法、などを単独で、或いは併用
する方法がある。これらの中でも繊維を融着させる方法
であると、極細短繊維が密着していない状態を維持した
状態で結合できるため好適である。特に濾過材として使
用した場合には、汚染物質を発生しにくいため好適であ
り、粉体を含んでいる場合にも粉体の機能を損わないた
め好適である。
【0072】以上は、本発明の立体構造体の基本的な製
造方法であるが、極細短繊維が均一に分散しやすいよう
に、極細短繊維及び/又は極細短繊維発生可能繊維(太
繊維及び/又は粉体を含む場合あり)を、圧縮気体の作
用によりノズルから気体中へ噴出させる前に、ミキサー
などを利用してほぐしたり、均一に混合しても良い。
【0073】また、最初に噴出した極細短繊維(太繊維
及び/又は粉体を含む場合あり)を立体支持体上に集積
して繊維層を形成するのではなく、最初に噴出した極細
短繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)から繊
維ウエブを形成し、この繊維ウエブを再度ノズルに供給
し、極細短繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あ
り)をノズルから気体中に噴出させて再分散させ、この
再分散させた極細短繊維(太繊維及び/又は粉体を含む
場合あり)を立体支持体上に集積させて、繊維層を形成
しても良い。なお、このような分散操作は2度ではな
く、3度以上実施しても良い。
【0074】なお、繊維径の点において異なる、2種類
以上の極細短繊維、極細短繊維発生可能繊維、或いは太
繊維を併用しても良い。また、平均粒径の異なる2種類
以上の粉体を併用しても良い。
【0075】また、繊維径の点において異なる繊維(例
えば、極細短繊維、太繊維など)の量を、連続的に又は
不連続的に変化させながらノズルへ供給しても良い。こ
のようにすると、繊維径の違いによって、見掛密度の異
なる層又は領域を、厚さ方向に有する繊維層を形成する
ことができる。更に、平均粒径及び/又は種類の異なる
粉体の量を連続的に又は不連続的に変化させながらノズ
ルへ供給すると、厚さ方向に対して、平均粒径及び/又
は種類の異なる粉体の量が連続的に又は不連続的に変化
した繊維層を形成することができる。
【0076】更に、立体構造体が各種用途に適合するよ
うに、立体構造体に対して後加工を実施しても良い。例
えば、立体構造体をフィルタとして使用する場合には、
帯電処理、撥水処理、親水化処理などを実施することが
できる。
【0077】次に、本発明の立体構造体の好適な製造方
法について、本発明の立体構造体を製造することのでき
る立体構造体製造装置の模式的断面図である図1をもと
に説明する。
【0078】まず、繊維径が4μm以下で繊維長が3m
m以下の極細短繊維、及び/又は繊維径が4μm以下で
繊維長が3mm以下の極細短繊維を発生可能な極細短繊
維発生可能繊維(必要により太繊維及び/又は粉体も)
は、ミキサーなどの混合装置10によって、解された
り、混合される。
【0079】次いで、この解されたり、混合された極細
短繊維及び/又は極細短繊維発生可能繊維(太繊維及び
/又は粉体を含む場合あり)はノズル30へ供給され
る。この極細短繊維及び/又は極細短繊維発生可能繊維
(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)がノズル30
へ到達する手前で、圧縮気体導入口20から導入された
圧縮気体の作用によって、極細短繊維及び/又は極細短
繊維発生可能繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あ
り)はノズル30から勢いよく、気体40中へと噴出さ
れる。この気体40へと噴出される際に、ノズル30内
と気体40との気圧差、及び噴出された圧縮気体と気体
との間に形成される乱流などの相互作用によって、極細
短繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)は分散
し、また、極細短繊維発生可能繊維から極細短繊維が発
生し、分散する。
【0080】この気体40中に分散した極細短繊維70
(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)はネット支持
体50上に集積して繊維ウエブ80を形成する。この立
体構造体製造装置においては、ネット支持体50の下方
に位置する気体吸引装置60によって気体を吸引してい
る。
【0081】このように形成した繊維ウエブ80は、極
細短繊維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)の分
散性を更に高めるために、再度、ノズル31、32へ供
給される。この立体構造体製造装置においては、2つの
ノズルに再供給しているが、1つのノズルに再供給して
も良いし、3つ以上のノズルに再供給しても良い。この
ノズル31、32に再度供給される場合も同様に、ノズ
ル31、32へ到達する手前で、圧縮気体導入口21、
22から導入された圧縮気体の作用によって、極細短繊
維(太繊維及び/又は粉体を含む場合あり)はノズル3
1、32から勢いよく、それぞれ気体41、42中へ噴
出される。この際、同様に極細短繊維(太繊維及び/又
は粉体を含む場合あり)は均一に分散する。
【0082】この気体41、42中にそれぞれ分散した
極細短繊維71、72(太繊維及び/又は粉体を含む場
合あり)は、ネット支持体51により搬送される立体支
持体52、53(繊維シート(例えば、不織布)が蛇腹
状に折り加工された立体支持体)上に、それぞれ集積し
て繊維層を形成する。この立体構造体製造装置において
は、まず極細短繊維71(太繊維及び/又は粉体を含む
場合あり)が立体支持体52上に集積して単層の繊維層
を形成した後、搬送された立体支持体53の単層の繊維
層の上に、更に極細短繊維72(太繊維及び/又は粉体
を含む場合あり)が集積して積層した繊維層を形成す
る。なお、積層した繊維層といっても、もともと単層の
繊維ウエブ80を構成する極細短繊維(太繊維及び/又
は粉体を含む場合あり)を再度分散させているため、明
確な層が存在している訳ではない。また、この極細短繊
維71、72を集積させる際にも、ネット支持体51の
下方に位置する気体吸引装置61によって気体を吸引し
ている。この立体構造体製造装置においては、1つの気
体吸引装置61により気体を吸引しているが、各々の立
体支持体52、53ごとに気体吸引装置を設けても良
い。この場合、気体吸引装置が立体支持体の形状と一致
していても一致していなくても良い。
【0083】次いで、この繊維層を形成した立体支持体
53は熱融着装置90へと供給され、この熱融着装置9
0の熱の作用により極細短繊維(太繊維及び/又は粉体
を含む場合あり)が融着して立体支持体と融着して、立
体構造体100を製造することができる。
【0084】以下に、本発明の立体構造体の実施例を記
載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0085】
【実施例】(実施例1)ポリ乳酸からなる海成分中に、
高密度ポリエチレンとポリプロピレンとが混在した島成
分が25個存在する、複合紡糸法により得た海島型短繊
維(繊度:1.7dtex、長さ1mmに切断されたも
の)を用意した。この海島型短繊維を10mass%水
酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、海成分であるポリ
乳酸を加水分解により抽出除去した後、風乾して、高密
度ポリエチレンとポリプロピレンとが混在した、融着可
能な極細短繊維(繊維径:2μm、繊維長:1mm、フ
ィブリル化していない、延伸されている、繊維軸方向に
おいて実質的に同じ直径を有する、付着物の付着率:
0.02mass%未満、断面形状:海島型)が束状と
なった極細短繊維発生可能繊維Aを得た。
【0086】他方、共重合ポリエステルからなる海成分
中に、結晶性ポリスチレンからなる島成分が61個存在
する、複合紡糸法により得た海島型短繊維(繊度:2d
tex、長さ0.5mmに切断されたもの)を用意し
た。この海島型短繊維を10mass%水酸化ナトリウ
ム水溶液中に浸漬して、海成分である共重合ポリエステ
ルを加水分解により抽出除去した後、風乾して、結晶性
ポリスチレンからなる極細短繊維(繊維径:1.1μ
m、繊維長:0.5mm、フィブリル化していない、延
伸されている、繊維軸方向において実質的に同じ直径を
有する、付着物の付着率:0.02mass%未満)が
束状となった極細短繊維発生可能繊維Bを得た。
【0087】次いで、極細短繊維発生可能繊維Aと極細
短繊維発生可能繊維Bとを、25:75の質量比でミキ
サーに供給して、解すとともに混合した後、噴出口にお
ける横断面形状が円形(直径:8.5mm)のベンチュ
リー管(極細短繊維供給口における横断面形状が円形
(直径:3mm)の円錐台状)に供給するとともに、ベ
ンチュリー管の手前に設けられた圧縮気体導入口から圧
縮空気(圧力:6kg/cm)を導入して、前記ベン
チュリー管の噴出口から前記混合物を空気中に噴出(ベ
ンチュリー管の噴出口における気体通過速度:118m
/s)し、前記ベンチュリー管の噴出口前方に設けた邪
魔板に衝突させて、極細短繊維を分散させた。
【0088】次いで、この分散させた極細短繊維を、ポ
リエステル繊維製スパンボンド不織布(面密度:30g
/m、厚さ:0.1mm)を蛇腹状に折り加工した立
体支持体(山高さ:20mm、ピッチ:20mm)上に
集積して、繊維層を形成した。なお、繊維層の形成は、
金属メッシュを蛇腹状に折り加工した保形材(山高さ:
20mm、ピッチ:20mm)により、立体支持体を保
形した状態で、この保形材の下に設置されたサクション
ボックスにより空気を吸引(2m/min)して実施
した。
【0089】次いで、この極細短繊維が分散した繊維層
を形成した立体支持体を保形材と一緒に、温度130℃
に設定されたオーブンに供給し、3分間の熱処理を実施
して、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極細短繊維
の高密度ポリエチレン成分によって、極細短繊維同士及
び極細短繊維と立体支持体とを融着した。次いで、保形
材を分離して、面密度10g/m、厚さ1mm、見掛
密度0.01g/cm の繊維層を備えた、蛇腹状の立
体構造体(繊維層は実質的に絡合していない)を製造し
た。
【0090】なお、極細短繊維からなる繊維層を剥離
し、熱水中に15分間浸漬して抽出した付着物と、熱メ
タノール中に15分間浸漬して抽出した付着物との総付
着物質量の、極細短繊維からなる繊維層の質量に対する
百分率(付着物の付着率)は0.02mass%未満で
あった。
【0091】この蛇腹状の立体構造体を4段重ね、HE
PAフィルター性能(風速:10.6cm/s、試験粒
子:DOP(フタル酸ジ(2−エチルヘキシジル)))
を調べたところ、0.3μm粒子に対する捕集効率は9
9.98%で目標値の99.97%を上回り、しかも圧
力損失は目標値の400Pa以下に対して180Paの
低い値を示した。これは極細繊維同士が密着していない
ことによる効果であることが推測できた。
【0092】(比較例1)実施例1と同様にして製造し
た極細短繊維発生可能繊維Aと極細短繊維発生可能繊維
Bとを、25:75の質量比で混合した後、ノニオン系
界面活性剤(極細短繊維発生可能繊維Aと極細短繊維発
生可能繊維Bのトータル質量に対して10mass%)
を付与した。
【0093】次いで、糊剤としてアクリルアミドを含む
スラリー中に、前記混合物(極細短繊維発生可能繊維A
及び極細短繊維発生可能繊維B)を投入し、ミキサーに
より各極細短繊維に分割した。次いで、このスラリーを
希釈して希釈化スラリーを形成した。
【0094】次いで、この希釈化スラリーを、ネット上
に載置しておいた不織布支持体(ポリエステル繊維製ス
パンボンド不織布、面密度:30g/m、厚さ:0.
1mm)上に抄き上げて繊維層を形成した後、温度13
0℃に設定されたオーブンに供給し、3分間熱処理を実
施して、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極細短繊
維の高密度ポリエチレン成分によって、極細短繊維同士
及び極細短繊維と不織布支持体とを熱融着して、面密度
20g/m、厚さ0.2mm、見掛密度が0.1g/
cmの繊維層を備えた複合不織布を製造した。
【0095】なお、極細短繊維からなる繊維層を熱水中
に15分間浸漬して抽出した付着物と、熱メタノール中
に15分間浸漬して抽出した付着物との総付着物質量
の、極細短繊維からなる繊維層の質量に対する百分率
(付着物の付着率)は1.5mass%であった。
【0096】この複合不織布を蛇腹状(山高さ:20m
m、ピッチ:20mm)に折り加工して蛇腹状構造体を
製造した。この蛇腹状構造体を2段に重ね、HEPAフ
ィルター性能(風速:10.6cm/s、試験粒子:D
OP(フタル酸ジ(2−エチルヘキシジル)))を調べ
たところ、0.3μm粒子に対する捕集効率は98%
と、目標値の99.97%を下回り、しかも圧力損失は
目標値の400Pa以下に対して570Paと高い値を
示した。この極細短繊維からなる繊維層を電子顕微鏡で
観察したところ、極細短繊維発生可能繊維の一部が分散
しておらず、束状となった極細短繊維発生可能繊維が存
在していた。
【0097】(実施例2)実施例1と同様にして製造した
極細短繊維発生可能繊維Aと、アセトンで洗浄して付着
物(主として繊維油剤)を除去したポリエステル極細短
繊維(帝人(株)製、繊度:0.11dtex(3.2
μm)、繊維長:3mm、フィブリル化していない、延
伸されている、繊維軸方向において実質的に同じ直径を
有する、付着物の付着率:0.02mass%未満)と
を、60:40の質量比でミキサーに供給して、解すと
ともに混合した後、噴出口における横断面形状が円形
(直径:7mm)の円筒状エジェクターに供給するとと
もに、円筒状エジェクターの手前に設けられた圧縮気体
導入口から圧縮空気(圧力:6kg/cm)を導入し
て、前記円筒状エジェクターから前記混合物を空気中に
噴出(円筒状エジェクターの噴出口における気体通過速
度:160m/s)して、極細短繊維を分散させた。
【0098】次いで、この分散させた極細短繊維を、ポ
リオレフィン繊維製不織布(面密度:65g/m、厚
さ:0.6mm)をお椀状に成形した立体支持体(長
径:13cm、短径:11cm、深さ:5cm)の内壁
面に集積して、繊維層を形成した。なお、繊維層の形成
は、金属メッシュをお椀状に成形した保形材(長径:1
3cm、短径:11cm、深さ:5cm)により立体支
持体を保形した状態で、この保形材の下に設置されたサ
クションボックスにより空気を吸引(2m/min)
して実施した。
【0099】次いで、この極細短繊維が分散した繊維層
を形成した立体支持体を保形材と一緒に、温度130℃
に設定されたオーブンに供給し、3分間の熱処理を実施
して、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極細短繊維
の高密度ポリエチレン成分によって、極細短繊維同士及
び極細短繊維と立体支持体とを融着した。次いで、保形
材を分離して、面密度20g/m、厚さ2.9mm、
見掛密度0.007g/cmの繊維層を備えた、お椀
状の立体構造体(繊維層は実質的に絡合していない)を
製造した。
【0100】なお、極細短繊維からなる繊維層を剥離
し、熱水中に15分間浸漬して抽出した付着物と、熱メ
タノール中に15分間浸漬して抽出した付着物との総付
着物質量の、極細短繊維からなる繊維層の質量に対する
百分率(付着物の付着率)は0.02mass%未満で
あった。
【0101】このお椀状の立体構造体をマスクとして使
用したところ、従来の加圧プレスによりお椀状に成形し
た成形マスクに比べて、繊維層のつぶれがなく、低圧損
で濾過性能に優れるため、呼吸しやすく、しかも柔軟性
にも優れるものであった。
【0102】(実施例3)共重合ポリエステルからなる海
成分中に、ポリ−4−メチルペンテンからなる島成分が
約3900個存在する、混合紡糸法により得た海島型短
繊維(繊度:8.8dtex、長さ0.5mmに切断さ
れたもの)を用意した。この海島型短繊維を10mas
s%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、海成分であ
る共重合ポリエステルを加水分解により抽出除去した
後、風乾して、ポリ−4−メチルペンテンからなる極細
短繊維(繊維径:0.4μm、繊維長:0.5mm、フ
ィブリル化していない、延伸されている、付着物の付着
率:0.02mass%未満)が束状となった極細短繊
維発生可能繊維Cを得た。
【0103】また、実施例1と同様にして製造した極細
短繊維発生可能繊維Aを用意した。
【0104】次いで、極細短繊維発生可能繊維Aと極細
短繊維発生可能繊維Cとを、50:50の質量比で混合
し、ミキサーに供給して、解すとともに混合した後、噴
出口における横断面形状が円形(直径:8.5mm)の
ベンチュリー管(極細短繊維供給口における横断面形状
が円形(直径:3mm)の円錐台状)に供給するととも
に、ベンチュリー管の手前に設けられた圧縮気体導入口
から圧縮空気(圧力:6kg/cm)を導入して、前
記ベンチュリー管から前記混合物を空気中に噴出(ベン
チュリー管の噴出口における気体通過速度:118m/
s)し、前記ベンチュリー管の噴出口前方に設けた邪魔
板に衝突させて、極細短繊維を分散させた。
【0105】次いで、この分散させた極細短繊維を、ポ
リオレフィン繊維製不織布(面密度:80g/m、厚
さ:0.7mm)を縦断面U字状の容器(直径:8c
m、湾曲部までの深さ:3cm、湾曲部の深さ:3c
m)に成形した立体支持体の内壁面に集積して、繊維層
を形成した。なお、繊維層の形成は、金属メッシュを縦
断面U字状の容器(直径:8cm、湾曲部までの深さ:
3cm、湾曲部の深さ:3cm)に成形した保形材によ
り保形した状態で、この保形材の下に設置されたサクシ
ョンボックスにより空気を吸引(2m/min)して
実施した。
【0106】次いで、この極細短繊維が分散した繊維層
を形成した立体支持体を保形材と一緒に、温度130℃
に設定されたオーブンに供給し、3分間の熱処理を実施
して、高密度ポリエチレン−ポリプロピレン極細短繊維
の高密度ポリエチレン成分によって、極細短繊維同士及
び極細短繊維と立体支持体とを融着した。次いで、保形
材を分離して、面密度25g/m、厚さ2.5mm、
見掛密度0.01g/cmの繊維層を備えた、縦断面
U字状容器の立体構造体(繊維層は実質的に絡合してい
ない)を製造した。
【0107】なお、極細短繊維からなる繊維層を剥離
し、熱水中に15分間浸漬して抽出した付着物と、熱メ
タノール中に15分間浸漬して抽出した付着物との総付
着物質量の、極細短繊維からなる繊維層の質量に対する
百分率(付着物の付着率)は0.02mass%未満で
あった。
【0108】この立体構造体は低圧損で濾過性能に優れ
ていたため、飲料水や純水製造工程の配管内に設けられ
る不純物除去用の液体フィルタや、エアコンプレッサー
等の吸引部の塵埃除去用エアフィルタとして好適であっ
た。
【0109】
【発明の効果】本発明の立体構造体は、三次元的な形状
を有する立体支持体と、この立体支持体によって支持さ
れた、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細
短繊維が分散した繊維層を備えた立体構造体であり、前
記繊維層に付着した付着物(粉体を除く)の付着率が
0.5mass%以下である。そのため、極細短繊維が
分散した繊維層は、界面活性剤や糊剤などの付着物量が
極めて少ないため、繊維同士の密着性が低く、適度な空
隙を有するものである。また、極細短繊維は束の状態に
はなく、分散した状態にあるため、極細短繊維を含んで
いることによる諸特性(濾過性、柔軟性など)にも優れ
ている。
【0110】本発明の別の立体構造体は、三次元的な形
状を有する立体支持体と、この立体支持体によって支持
された、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極
細短繊維が分散した繊維層を備えた立体構造体であり、
前記繊維層は湿式法ではない方法により形成されたもの
である。このように極細短繊維が分散した繊維層は、湿
式法ではない方法により形成されたものであるため、繊
維同士の密着性が低く、適度な空隙を有するものであ
る。また、極細短繊維は束の状態にはなく、分散した状
態にあるため、極細短繊維を含んでいることによる諸特
性(濾過性、柔軟性など)にも優れている。
【0111】本発明の立体構造体の製造方法は、極細短
繊維を分散させる媒体として溶媒を使用せず、気体中に
極細短繊維を分散させる方法であり、分散媒体として溶
媒を使用した場合に必要な界面活性剤や糊剤などを使用
する必要がないため、極細短繊維が分散した繊維層に付
着した付着物(粉体を除く)の付着率が0.5mass
%以下の立体構造体を製造することができる。また、極
細短繊維及び/又は極細短繊維発生可能繊維を圧縮気体
の作用により、ノズルから気体中に噴出させているた
め、極細短繊維が分散した繊維層を有する立体構造体を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の立体構造体を製造することのできる
立体構造体製造装置の模式的断面図
【符号の説明】
10 混合装置 20、21、22 圧縮気体導入口 30、31、32 ノズル 40、41、42 気体 50、51 ネット支持体 52、53 立体支持体 60、61 気体吸引装置 70、71、72 極細短繊維 80 繊維ウエブ 90 熱融着装置 100 立体構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 39/20 B01D 39/20 B C D Fターム(参考) 4D019 BA03 BA04 BA05 BA13 BB03 BC04 BC05 BC07 CA02 CB06 DA01 DA03 4L047 AB02 AB07 AB08 BA08 BA23 BD01 CA18 CB10 CC12 EA10 EA22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元的な形状を有する立体支持体と、
    この立体支持体によって支持された、繊維径が4μm以
    下で繊維長が3mm以下の極細短繊維が分散した繊維層
    を備えた立体構造体であり、前記繊維層に付着した付着
    物(粉体を除く)の付着率が0.5mass%以下であ
    ることを特徴とする立体構造体。
  2. 【請求項2】 三次元的な形状を有する立体支持体と、
    この立体支持体によって支持された、繊維径が4μm以
    下で繊維長が3mm以下の極細短繊維が分散した繊維層
    を備えた立体構造体であり、前記繊維層は湿式法ではな
    い方法により形成されたものであることを特徴とする立
    体構造体。
  3. 【請求項3】 前記繊維層に、更に粉体が含まれている
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の立体構
    造体。
  4. 【請求項4】 前記繊維層を構成する極細短繊維が実質
    的に絡合していないことを特徴とする、請求項1〜3の
    いずれかに記載の立体構造体。
  5. 【請求項5】 少なくとも、繊維径が4μm以下で繊維
    長が3mm以下の極細短繊維、及び/又は繊維径が4μ
    m以下で繊維長が3mm以下の極細短繊維を発生可能な
    極細短繊維発生可能繊維を、圧縮気体の作用によりノズ
    ルから気体中に噴出させて、前記極細短繊維を分散、及
    び/又は前記極細短繊維発生可能繊維から極細短繊維を
    発生させ、分散させる分散工程、分散した極細短繊維を
    三次元的な形状を有する立体支持体上に集積して、極細
    短繊維が分散した繊維層を形成する集積工程、前記極細
    短繊維が分散した繊維層を構成する繊維を立体支持体と
    結合させる結合工程、とを含むことを特徴とする、立体
    構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記分散工程において、前記極細短繊維
    及び/又は極細短繊維発生可能繊維に加えて、粉体も分
    散させることを特徴とする、請求項5に記載の立体構造
    体の製造方法。
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