JP2002155016A - 2−エチルアントラキノンの硝酸酸化による2−カルボキシアントラキノンの合成方法 - Google Patents

2−エチルアントラキノンの硝酸酸化による2−カルボキシアントラキノンの合成方法

Info

Publication number
JP2002155016A
JP2002155016A JP2001347928A JP2001347928A JP2002155016A JP 2002155016 A JP2002155016 A JP 2002155016A JP 2001347928 A JP2001347928 A JP 2001347928A JP 2001347928 A JP2001347928 A JP 2001347928A JP 2002155016 A JP2002155016 A JP 2002155016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
nitric acid
carboxyanthraquinone
ethylanthraquinone
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2001347928A
Other languages
English (en)
Inventor
Michel Devic
デビック ミシェル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkema France SA
Original Assignee
Atofina SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Atofina SA filed Critical Atofina SA
Publication of JP2002155016A publication Critical patent/JP2002155016A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C66/00Quinone carboxylic acids
    • C07C66/02Anthraquinone carboxylic acids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硝酸水溶液による2−エチルアントラキノン
のエチル基を酸化して2−カルボキシアントラキノンを
合成する方法。 【解決手段】 酸素に敏感な物品、例えば食料品の保存
に適したパッケ−ジングの製造で用いる酸素吸収するフ
ィルムの製造で用いられるアントラキノンの製造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−エチルアント
ラキノンのエチル基を硝酸溶液によって酸化する反応に
よって2−カルボキシアントラキノンを合成する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】アントラキノンは酸素に敏感な物品(例
えば食料品)の保存用パッケ−ジを製造する際の酸素吸
収フィルムの製造で用いられている。すなわち、多くの
食料品は酸素に接触すると分解するため、その保存のた
めには一般に多層構造を有する包装材料が用いられてい
る。一般に、この多層構造は酸素バリヤフィルムと酸素
吸収フィルムとから成る。この多層構造フィルムは酸素
バリヤフィルムが外部空気と接触し、酸素吸収フィルム
が包装容器内部の食品と接触するように配置される。酸
素バリヤフィルムの役目は酸素が包装容器内に侵入する
のを防止することにあるのに対して、酸素吸収フィルム
の役目は容器を閉じる時に閉じ込められた酸素または食
品自身が出す酸素を吸収することにある。この多層構造
フィルムは、耐湿性や機械的強度を付与するための他の
フィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレンのフィ
ルムをさらに有することもある。
【0003】アントラキノンまたはアントラセンの誘導
体の酸化反応によって2−カルボキシアントラキノンを
製造する方法は既に公知である。日本特許JP50047964に
は゛コバルトおよびマンガンの存在下で酢酸中で2−メ
チルアントラキノンを酸素で酸化する反応によって2−
カルボキシアントラキノンを製造する方法か開示されて
いる。しかし、この2−カルボキシアントラキノンの製
造方法はクロム、マンガンとコバルトのような環境に極
めて有害な酸化剤を使用しなければならず、さらに、紫
外線または塩素のような実施が難しい技術のまたは使用
するのが難しい反応を用いなければならないという欠点
がある。さらに、この2−カルボキシアントラキノンの
製作方法は出発材料として高価で、基本的に少量しか入
手し得ない2−メチルアントラキノンまたはアントラセ
ン誘導体を用いなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点に対
する解決法を提供する。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は2−エチルアントラキ
ノンから硝酸を用いた酸化反応によって2−カルボキシ
アントラキノンを合成する方法を提供する。
【0006】
【実施の態様】本発明の一実施例では、硝酸を用いた酸
化反応を1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%の濃度で
硝酸水溶液を用いて実施する。本発明の一実施例では、
処理すべき2−エチルアントラキノンを硝酸溶液に対し
て2〜20重量%、好ましくは5〜12重量%の比率にする。
本発明の一実施例では、反応温度を120〜220℃、好まし
くは160〜20℃にする。本発明の一実施例では、反応を
6〜80バ−ル、好ましくは15〜20バ−ルの圧力下で行
う。本発明の一実施例では、上記圧力を反応全体にわた
って常に維持する。本発明の一実施例では、反応で生じ
る酸化窒素蒸気を硝酸として再循環させる。以下、本発
明による2−カルボキシアントラキノンの製造方法を説
明する。
【0007】本発明の反応原理は、2−エチルアントラ
キノンと加熱した硝酸水溶液を一定の圧力下で反応させ
ることにある。反応生成物は2−カルボキシアントラキ
ノンと、二酸化炭素と、窒素酸化物である。反応温度は
120〜220℃であり、好ましくは160〜200℃である。圧力
は上記反応温度での硝酸溶液の飽和蒸気圧力以上であ
る。脱気をしない場合、反応よってガス状化合物の二酸
化炭素および窒素酸化物が生じるので、圧力は上記飽和
圧力より大きくなる。反応は6〜80バ−ルの圧力下で行
う。この圧力は、反応温度を180〜220℃にした場合、反
応中に手動または自動で脱気をすることによって15〜20
バ−ルにするのが有利である。
【0008】硝酸水溶液の濃度は1〜20重量%、好まし
くは2〜15重量%にする。反応媒体に導入する2−エチ
ルアントラキノンの量は硝酸水溶液に対して2〜20重量
%、好ましくは5〜12重量%にする。反応は下記の方法
で行うことができる: 1) 反応物の導入および生成物の取り出しをバツチで
行う非連続法、 2) 反応物の導入を連続的に行い、生成物の取り出し
をバツチで行う半連続法、 3) 反応物の導入および生成物の取り出しを連続的に
行う連続法。
【0009】反応物と生成物の量が少ない場合にはバツ
チで行うのが好ましい。工業的または半工業的なスケ−
ルの場合には半連続法または連続法が好ましい。半連続
法は発熱反応および硝酸濃縮の制御が良くでき、2−カ
ルボキシアントラキノンの排出が簡単である点で好まし
い。硝酸は反応中に58〜60重量%濃度で反応器に導入す
るのが好ましい。そうすることによって反応媒体中の硝
酸を3〜15重量%に維持することができる。反応時間は
反応温度に依存する。反応を上記条件下でl90℃で行う
場合、反応は30分〜1時間続く。
【0010】融解した2−エチルアントラキノン(2−
エチルアントラキノンは110℃で溶融)を硝酸水溶液中
に確実に乳化状態に維持し且つ反応温度で固体(m.p. 2
90℃)である生成する2−カルボキシアントラキノンを
懸濁状態に維持するためには撹拌をすることが重要であ
る。反応器はステンレスまたは琺瑯被覆スチ−ルで作る
ことができる。窒素酸化物は反応中に脱気除去するか、
空気または加圧酸素を用いて酸化した後に硝酸として再
循環する。
【0011】反応終了時に2−カルボキシアントラキノ
ンを濾過で反応媒体から分離する。濾液はほぼ純粋な硝
酸溶液であるので、それに濃縮硝酸を加えて硝酸酸強度
を調節した後に再利用することができる。そうすること
によって廃液量を実質的に減少させることができる。生
成する2−カルボキシアントラキノンは非常に純粋で、
純度は約99%であり、残存する痕跡量の硝酸を除去する
ために水、好ましくは温いお湯で中性phで洗浄するだげ
でよい。次いで、2−カルボキシアントラキノンの融点
(287〜297℃)を測定して、純度を確認する。好ましい
融点は292〜296℃である。
【0012】実施例1 この実施例では本発明方法で2−エチルアントラキノン
から2−カルボキシアントラキノンをバツチで合成する
方法の実施例を説明する。PTFEの内部スリ−ブ、攪拌タ
−ビン、内部水冷却コイルおよび外部電気加熱スリ−ブ
を備えた1000cm3のステンレス製オ−トクレ−ブを用い
た。室温で600gの15重量%硝酸水溶液と、58.2gの2−エ
チルアントラキノンとを導入する。連続的に脱気して圧
力を15〜20バールに維持し、混合液を1000 回転/分で撹
拌しながら190℃に加熱する。その後、15〜20バールの
圧力下で190℃の温度を1時間維持し、反応器を冷却、減
圧する。反応混合物を焼結ガラスの濾過材で濾過し、濾
液を熱い純水でpH = 6になるまで洗浄した。洗浄後の
沈降物を換気オ−ブン中でl20℃で24時間乾燥する。最
後に得た57.2 g の293〜294℃の融点を有する2−カルボ
キシアントラキノンを得る。反応の化学収率は92.7%で
あり、NMR分析で求めた化合物の純度は99%以上であっ
た。
【0013】実施例2 この実施例では上記の半連続法で2−エチルアントラキ
ノンから2−カルボキシアントラキノンを合成する方法
の実施例を説明する。斜めパドルを有する750回転/分の
撹拌機を備えたHastelloy C22カラムを有する1200cm3
反応器を用いて反応を実行する。反応器に室温で470gの
純水と、59gの2−エチルアントラキノンとを導入す
る。加熱を開始し、撹拌機を始める。反応はl80℃で起
こり、圧力は15バ−ルを上回らないように調節する。ポ
ンプを用いて160gの58%硝酸をl80℃で反応媒体中に入れ
る。ポンプは注入が30分かかって徐々に行われるように
調節する。硝酸注入後、反応を更に30分間続けた後、反
応媒体を外界温度へ戻し、反応器を減圧する。反応媒体
を濾過した後、回収した固形物を中性になるまで熱い純
水で洗浄し、オ−ブンで120℃に乾燥する。この反応で6
0.7gの2−カルボキシアントラキノンが得られる(化学
収率=96%)。
【0014】
【発明の効果】本発明方法では入手が容易な反応剤を用
いることによって2−カルボキシアントラキノンを簡単
かつ安価に合成することができる。本発明の合成方法は
廃液を再循環して材料コストを低下させることができ、
再処理経費を無くすことができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸酸化反応によって2−エチルアント
    ラキノンから2−カルボキシアントラキノンを合成する
    方法。
  2. 【請求項2】 硝酸酸化反応を反応媒体中での濃度が1
    〜20重量%、好ましくは3〜15重量%の硝酸水溶液を用
    いて行う請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸化される2−エチルアントラキノンが
    硝酸溶液の2〜20重量%、好ましくは5〜12重量%である
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応温度を120〜220℃、好ましくは160
    〜200℃にする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 反応を6〜80バ−ル、好ましくは15〜20
    バ−ルの圧力下で行う請求項1〜4のいずれか一項に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 上記圧力を反応の全体期間で実質的に維
    持する請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 反応で生じる酸化窒素の蒸気を硝酸とし
    て再循環する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方
    法。
JP2001347928A 2000-11-13 2001-11-13 2−エチルアントラキノンの硝酸酸化による2−カルボキシアントラキノンの合成方法 Abandoned JP2002155016A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0014545 2000-11-13
FR0014545A FR2816615B1 (fr) 2000-11-13 2000-11-13 Procede de synthese de carboxy-2-anthraquinone par oxydation nitrique d'alkyl-2-anthraquinone

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002155016A true JP2002155016A (ja) 2002-05-28

Family

ID=8856360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001347928A Abandoned JP2002155016A (ja) 2000-11-13 2001-11-13 2−エチルアントラキノンの硝酸酸化による2−カルボキシアントラキノンの合成方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US6509486B2 (ja)
EP (1) EP1205466B1 (ja)
JP (1) JP2002155016A (ja)
AT (1) ATE263135T1 (ja)
AU (1) AU779633B2 (ja)
DE (1) DE60102547T2 (ja)
FR (1) FR2816615B1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1795520A1 (de) * 2005-12-08 2007-06-13 Rütgers Chemicals GmbH Verfahren zur Herstellung einer aromatischen Carbonsäure
CN101823957B (zh) * 2010-04-02 2013-01-16 南通柏盛化工有限公司 重铬酸氧化2-乙基蒽醌合成2-羧基蒽醌的方法
CN105152924B (zh) * 2015-09-11 2017-08-25 天津大学 光催化氧化2‑乙基蒽醌制备蒽醌‑2‑羧酸的方法
CN105198738B (zh) * 2015-09-18 2017-04-05 南通柏盛化工有限公司 双氧水氧化合成2‑羧基蒽醌的方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB662139A (en) * 1947-09-27 1951-12-05 Bofors Ab Improvements relating to the oxidation of aromatic side-chain compounds
NL277488A (ja) * 1960-01-14
DE2331082C3 (de) * 1973-06-19 1978-06-22 Bergwerksverband Gmbh, 4300 Essen Verfahren zur kontinuierlichen Oxydation von substituierten Benzolen oder Benzolderivaten mit Salpetersäure
JPS5318504B2 (ja) * 1973-08-30 1978-06-15

Also Published As

Publication number Publication date
DE60102547D1 (de) 2004-05-06
DE60102547T2 (de) 2005-02-24
FR2816615A1 (fr) 2002-05-17
US6509486B2 (en) 2003-01-21
FR2816615B1 (fr) 2003-02-21
EP1205466A1 (fr) 2002-05-15
AU8939401A (en) 2002-05-16
US20020058826A1 (en) 2002-05-16
EP1205466B1 (fr) 2004-03-31
ATE263135T1 (de) 2004-04-15
AU779633B2 (en) 2005-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1030829B1 (en) Method and apparatus for preparing purified terephthalic acid
CA1311246C (en) Production of formic acid from a nitrogenous base, carbon dioxide and hydrogen
JPS6051150A (ja) ビフェニルテトラカルボン酸エステルの製造法
JP2002155016A (ja) 2−エチルアントラキノンの硝酸酸化による2−カルボキシアントラキノンの合成方法
ES2210797T3 (es) Proceso mejorado para producir acidos carboxilicos puros.
US4853479A (en) Process for the manufacture of aromatic dicarboxylic acids and derivatives thereof
JPH01165544A (ja) 一部フッ素化されたカルボン酸及びその誘導体並びにその製造方法
SU969150A3 (ru) Способ получени @ , @ -дикарбоновых кислот
JP3303173B2 (ja) トリメリト酸の製造方法
JP3804870B2 (ja) オゾニドから2つの末端カルボン酸を合成する方法
US4827026A (en) Method for producing 5-t-butylisophthalic acid
JPH0363245A (ja) グリオキシル酸の水性溶液の工業的製造方法
US5481033A (en) Purification process for aromatic dicarboxylic acids
JP2001002416A (ja) エチレングリコール可溶性二酸化ゲルマニウムの製造方法及びその溶解法
SU576937A3 (ru) Способ получени моно- - оксиэтил-7-рутина
US3465013A (en) Process for the purification and recovery of cobalt salt of aliphatic monocarboxylic acid of 2-4 carbon atoms
JP4626031B2 (ja) 高純度ピロメリット酸および高純度無水ピロメリット酸の製造方法
US4861895A (en) Treatment of aqueous solutions obtained in the carbalkoxylation of olefinically unsaturated compounds
JPS62145053A (ja) 1,4−ビス(ジシアノメチレン)シクロヘキサンの製造法
US4317924A (en) Process for producing purified terephthalic acid
US3781347A (en) Process for purification of terephthalic acid
JPS63245423A (ja) 芳香族ポリアミドの製造方法
KR100543526B1 (ko) 고온고압수를 사용한 테레프탈산의 합성방법
GB1583755A (en) Terephthalic acid manufacture
WO2021037672A1 (en) A process for producing 4,4'-dichlorodiphenyl sulfone

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041111

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20050207