JP2002154864A - 建材組成物 - Google Patents

建材組成物

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JP2002154864A JP2000343469A JP2000343469A JP2002154864A JP 2002154864 A JP2002154864 A JP 2002154864A JP 2000343469 A JP2000343469 A JP 2000343469A JP 2000343469 A JP2000343469 A JP 2000343469A JP 2002154864 A JP2002154864 A JP 2002154864A
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  • Building Environments (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バーミキュライトを天然資源としてさらに有
効利用し、調湿および/または消臭、さらには美観の要
請をも満たし得る、とくに吸放湿の量および速度のバラ
ンスに優れた建材を提供する。 【解決手段】 未膨張バーミキュライトを基材に配合し
てなり、かつその配合量が全組成物(固形分)の5〜7
0質量%である建材組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材組成物および
それを用いた建材ならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建材の製造に際しては、種々の目
的で基材が選択され、さらにそれらの各種基材に種々の
材料が配合されることが多い。そのなかで、鉱物系材料
の一つとしてバーミキュライトがある。このバーミキュ
ライト(ヒル石)は、黒雲母に類似した粘土鉱物であ
り、高温で脱水により層に垂直の方向に著しく膨張し
て、ヒルのように伸び多孔体となる。このため、断熱
性、吸音性に優れるので、基材への配合材(充填材、増
量材)、さらには基材として断熱材、吸音材をはじめと
する各種建材に、その軽量化の目的と併せて用いられる
ことが多い。一方、バ―ミキュライトは吸湿能力があま
り高くないため、調湿材としてはまったく顧みられてい
ない。
【0003】したがって、上記のように、バーミキュラ
イトを建材に配合する場合には、軽量化等を目的とする
ため膨張バーミキュライトを用いるのが通常である。た
とえば、モルタル、コンクリート等のセメント製品に軽
量骨材として利用されている。これに対し、未膨張のバ
ーミキュライトは、上記の軽量化等の利点が得られない
ため、数%程度までの少量が、その耐酸、耐アルカリ等
の特性を活かす特別な目的のために基材に配合されてい
るに過ぎない。また、基材として実質的に未膨張バーミ
キュライトからなるボードを、内壁の裏側部分等に固定
して、火災発生時に膨張させ、延焼を防止しようとする
試みもなされているが、これは耐火性を利用した特定の
基材として用いられるものである。
【0004】一方、建材自体も、競合製品との差別化を
図るため、種々の機能の付与が提案されている。そのな
かで、調湿(吸放湿)および/または消臭、さらには美
観を備えた建材についても種々の検討がなされている
が、いまだに満足すべきものは見出されていない。すな
わち、これらは比表面積が大きいものを利用して一定の
成果を得ているが、特に、保水および保湿力が強すぎて
放湿速度に難がある場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、天
然資源としてのバーミキュライトのさらなる有効利用を
図り、調湿および/または消臭、さらには美観の要請を
も満たし得る、特に吸放湿の量および速度においてバラ
ンスに優れた建材を見出すべく、種々検討を行った。
【0006】
【課題を解決するための手段】その結果、意外にも、基
材、とくに、吸湿性はあるが放湿性が不十分な水硬性材
料に未膨張バーミキュライトを配合することにより放湿
能力を著しく向上させ、上述の課題を解決し得ることを
見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨
は、未膨張バーミキュライトを基材に配合してなり、か
つその配合量が全組成物(固形分)の5〜70質量%で
ある建材組成物、およびこれを成形してなる建材ならび
にこれらの製造方法にある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において使用される基材
は、後述するバーミキュライトの特性を実質的に劣化さ
せないものであれば特に制限されないが、調湿および/
または消臭の観点からは、親水性であるのが好適であ
る。これは、親水性基材自身も調湿および/または消臭
機能を有し、さらにはその表面から内部拡散した物質を
未膨張バーミキュライトが吸着し得るからである。この
ような親水性基材としては、たとえば、石膏、セメン
ト、ケイ酸カルシウム、スラグ石膏またはこれらの類似
物が挙げられる。これらは適宜併用することもできる。
石膏は無水もしくは含水塩のいずれであってもよく、セ
メントもポルトランドセメントをはじめとする各種セメ
ントを使用し得る。この場合、骨材および混和材が使用
される。また、ケイ酸カルシウムとしては、とくに制限
されないが、ケイ酸質原料と石灰をオートクレーブ中で
水熱反応させて得られるもの(トバモライトもしくはゾ
ノトライト)が一般的である。スラグ石膏は、高炉水砕
スラグ粉末を20〜40%含み、2水石膏(排脱石膏)
を60〜80%、ポルトランドセメント1〜5%混合さ
れたものが一般的である。
【0008】一方、本発明において、上記基材に配合さ
れるバーミキュライトは、SiO2、MgO,Al2O3を主成分と
する薄片状の鉱物であり、一般的な黒雲母系、緑泥石系
のいずれでもよく、産地により組成等に差異があっても
使用し得る。比表面積(窒素吸着法)は通常10m2/g
以下である。粒径も特に制限されないが、通常、5mm
以下、好ましくは3mm以下,特に好ましくは0.5m
m以下である。たとえば0.25mm以下のような細粒
品は膨張バーミキュライトの用途には適さないためテー
リングとして規格外品とされているが、意外にも原鉱石
の粉砕、選鉱、乾燥、篩い分けで、細粒の方がバーミキ
ュライトの層間水の脱水変質(層間の水2分子層が1分
子層へ変化)が少ないことがわかり、本発明においては
むしろ好適に使用されうる。なぜなら層間水が水2分子
のほうが調湿、消臭特性に好適だからである。
【0009】本発明においては、このようなバーミキュ
ライトを実質的に未膨張の状態で使用する。すなわち、
バーミキュライトは、通常10〜20%程度の水を含ん
でおり、高温(層間水が脱離し始める約320℃から1
000℃)での急激な加熱により脱水され著しく膨張す
る(多くは1000℃、1〜2秒で、もとの厚さの10
〜30倍)。したがって、本発明においては実質的にこ
のような膨張を得ていないものが使用される。
【0010】さらに本発明においては、このバーミキュ
ライト基材に配合するに先立ち、活性化処理したものを
用いるのが好適である。活性化処理は、バーミキュライ
トが吸着している有機物もしくは無機物を離脱させ、本
来有する調湿、吸着性能等を再構成・回復させることを
目的とする。たとえば、加圧水蒸気処理、食塩水による
煮沸処理等が挙げられるが、好ましくは105℃〜20
0℃の飽和蒸気圧での水蒸気処理によることができる。
【0011】また、特に基材がケイ酸カルシウム系であ
る場合には、活性化処理されていないバーミキュライト
を水熱反応前に配合しても、その後にたとえば150℃
〜200℃程度の飽和蒸気圧でオートクレーブ処理を受
けるので、結果的に活性化処理がなされることになる。
基材へのバーミキュライトの配合は、その配合量が全組
成物(固形分)の5〜70質量%、好ましくは10%〜
50質量%になるように行われる。基材の種類、目的と
する建材の性能、たとえば調湿度等、に応じて選ばれる
が、好適な吸放湿の量および速度を得るためのバーミキ
ュライトの十分なチャンネリング(ネットワーク)を形
成させるには、一般的には15質量%以上が特に好まし
い。
【0012】本発明の建材組成物には、上記の未膨張バ
ーミキュライトのほかに、その他の目的のために建材に
それぞれの基材に固有に用いられる種々の配合材、さら
には、その他を適宜配合し得る。その種類、配合量は、
常法によることができる。たとえば、骨材、補強材、混
和剤、軽量化材等、より具体的にはパルプ、セルロース
繊維、ガラス繊維、ヒュームドシリカ、発泡ガラス、シ
ラスバルーン、アルミナバルーン、パーライト、ワラス
トナイト、セピオライト、砂利、砂、有機バインダー等
が適宜選択される。
【0013】得られる本発明の建材組成物は、抄造成
形、押出し成形、プレス成形、鋳込み成形等の常法によ
り、ボード等の所望の形状、大きさの建材とすることが
できる。一般的にはボードの場合、工業的には、いわゆ
る抄造機を用いた抄造成形が選ばれる。本発明の建材
は,後述する参考例1に記載された吸放湿試験におい
て、好適には、相対湿度を60〜90%に変化させた場
合の放吸湿速度が吸湿:30分で平衡値の90%以上、放
湿:25分以下、さらに好適には20分以下で平衡、を示
す。
【0014】このようにして得られる建材は、壁材、天
井材、間仕切り材等の内装材として使用されるのが好適
であるが、さらに軒天井材等の外装材等としても使用さ
れうる。本発明の建材は、調湿および/または消臭、さ
らには美観の要請をも満たし得るものである。すなわ
ち、 1.適度な放湿特性を有するので、調湿機能に優れる。
たとえば、吸湿および放湿のバランス、量および速度に
優れる。
【0015】したがって、結露、ソリ等を防止でき、さ
らにはカビ、ダニ等の繁殖を効果的に抑制できる。 2.消臭機能に優れる。たとえば、本発明の建材は、ホ
ルムアルデヒド,トルエン,キシレン等の揮発性化学物
質もしくは臭いのあるガス類を吸着しうる。 3.さらに、未膨張バーミキュライト粒子を表面研磨等
により浮き出させて花崗岩調の表面とすることができ、
美観を備えたボード材等を容易に提供し得る。 4.製造工程でオートクレーブ処理を受けた製品につい
ては、使用済みの本発明の建材を回収し、そのままオー
トクレーブで105〜150℃程度の水蒸気処理をする
ことにより再生することが可能である。バーミキュライ
トは上記の基材と反応していないからである。 5.膨張バーミキュライト用原料としては規格外の細粒
品をむしろ好適に使用しうるので、資源を有効利用する
ことができる。
【0016】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお部は質量部を表わす。
【0017】
【実施例】実施例1 ケイ酸質原料としてケイ石粉末27部、石灰質原料とし
て消石灰27部および補強繊維としてパルプ6部、さら
に未膨張バーミキュライト(南ア産、粒径0.25〜
0.5mm)40部を出発原料として、これらに水を添
加して混合し固形分約12%のスラリーとし、抄造機に
より生シートを形成させた後,オートクレーブ中(16
0〜180℃、約10時間)で加圧養生させ、ついで8
0℃未満で所定の含水率になるまで乾燥させ、ケイ酸カ
ルシウムボード(30cm×30cm×6mm)を得た。 実施例2 ケイ石粉末42部、消石灰42部、パルプ6部および未
膨張バーミキュライト10部を用いて実施例1と同様に
して珪酸カルシウムボードを得た。 実施例3 スラグ粉末16部、排煙脱硫石膏粉末38部、パルプ6
部および未膨張バーミキュライト40部に水を添加して
混合し固形分約12%のスラリーとした。ついで,抄造
機で生シートを形成し、その後約80℃で約12時間、
蒸気養生させ、さらに80℃未満で乾燥させてスラグ石
膏ボード(30cm×30cm×6mm)を得た。 実施例4 半水石膏60部、未膨張バーミキュライト40部および
水24部を混合し、得られた混合物を所定の型に鋳込み
成形して板状とし、ついで常温で養生し、さらに80℃
未満で乾燥して石膏ボード(30cm×30cm×6mm)
を得た。 参考例1 (吸放湿試験)下記の測定方法により、本発明および市
販の建材について吸湿率および放吸湿速度を測定した。 (1)測定方法/装置 測定装置:Hiden Analylial Ltd.社製 「IGA SOR
P」 測定方法:約1ccの測定バスケットに、粉末試料はそ
のまま、塊状試料は2〜3mm程度に調整して、充てん
して測定。
【0018】測定項目:相対湿度0〜90%における吸
湿率 相対湿度60〜90%における吸湿率 相対湿度60%から90%への吸湿速度 相対湿度90%から60%への放湿速度 吸湿および放湿速度は、30分周期で繰り返し実験を行
った。 (2)測定試料 本発明:実施例1〜4で得られた下記のボード 実施例1 未膨張バーミキュライト40wt%含有ケイ
酸カルシウムボード 実施例2 未膨張バーミキュライト10wt%含有珪酸
カルシウムボード 実施例3 未膨張バーミキュライト40wt%含有スラ
グ石膏ボード 実施例4 未膨張バーミキュライト40wt%含有石膏
ボード 比較品:下記のA〜G A アロフェン焼成ボード(市販品) B アロフェン(栃木産) C ゼオライト30wt%含有スラグ石膏ボード(市販
品) D ゼオライト(宮城産) E 珪藻土40wt%含有ケイ酸カルシウムボード(市
販品) F 珪藻土(秋田産) G 膨張バーミキュライト40wt%含有ケイ酸カルシ
ウムボード(膨張バーミキュライトを用いる以外は実施
例1と同様な方法により得た。) H 珪酸カルシウムボード(実施例1において、ケイ石
47部、消石灰47部およびパルプ6部を用いて得た。) (3)測定結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】これらの結果は,本発明の建材が、吸放湿
特性において量および速度のバランスに優れていること
を示す。吸湿および放湿の30分周期試験の結果、本発
明の建材においては、吸放湿のバランスが良好であるた
め放湿時のベースラインは一定に保持されたが,一方比
較品においては放湿が追いつかないため経時的にベース
ラインが右肩上がりとなることが示された。以上のこと
からも本発明の建材が結露しにくいことがわかる。 参考例2 バーミキュライトについて、水蒸気処理の吸放湿特性へ
の影響をみるために約180℃でオートクレ―ブ処理を
行った。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】実施例5 ケイ石粉末27部、消石灰33部および未膨張バーミキ
ュライト40部に水を混合し固形分約12%のスラリー
とし、これをオートクレーブ(190〜200℃、約1
0時間)中で加圧養生処理した。ついで,80℃未満で
所定の含水率になるまで乾燥しゾノトライト系ケイ酸カ
ルシウムボードを得た。
【0023】参考例1に記載した方法により測定した吸
放湿試験によれば、実施例1のケイ酸カルシウムと比較
して、吸湿量は若干小さく,放湿速度は若干大きかっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/64 E04B 1/64 D //(C04B 28/18 (C04B 28/18 14:20 14:20 Z 16:02 16:02 Z 18:14) 18:14) Z 103:46 103:46 111:72 111:72

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未膨張バーミキュライトを基材に配合し
    てなり、かつその配合量が全組成物(固形分)の5〜7
    0質量%である建材組成物。
  2. 【請求項2】 配合量が,全組成物(固形分)の10〜
    50質量%である請求項1記載の建材組成物。
  3. 【請求項3】 基材が親水性である請求項1記載の建材
    組成物。
  4. 【請求項4】 基材が、石膏、セメント、ケイ酸カルシ
    ウム、スラグ石膏の一種以上から選択される請求項2記
    載の建材組成物。
  5. 【請求項5】 バーミキュライトが、活性化処理された
    バーミキュライトである請求項1記載の建材組成物。
  6. 【請求項6】 配合後に、バーミキュライトが活性化処
    理された請求項1記載の建材組成物。
  7. 【請求項7】 活性化処理が、水蒸気処理である請求項
    4もしくは5記載の建材組成物。
  8. 【請求項8】 水蒸気が105〜200℃の飽和水蒸気
    である請求項6記載の建材組成物。
  9. 【請求項9】 さらに骨材、補強材、混和剤、および/
    または軽量化材を配合してなる請求項1記載の建材組成
    物。
  10. 【請求項10】 未膨張バーミキュライトを、その配合
    量が全組成物(固形分)の5〜70質量%になるように
    基材に配合して建材組成物を得ることを特徴とする建材
    組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 基材が、石膏、セメント、ケイ酸カル
    シウム、スラグ石膏の一種以上から選択された請求項9
    記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 バーミキュライトが、活性化処理され
    たバーミキュライトである請求項9記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の建材組成物を成形して
    なる建材。
  14. 【請求項14】 成形が抄造成形、押出し成形、プレス
    成形もしくは鋳込み成形である請求項12記載の建材。
  15. 【請求項15】 建材が内装材である請求項12記載の
    建材。
  16. 【請求項16】 相対湿度を60〜90%に変化させた
    場合の放吸湿速度が吸湿:30分で平衡値の90%以上、放
    湿:25分以下で平衡、である建材。
  17. 【請求項17】 未膨張バーミキュライトを含む請求項
    16記載の建材。
  18. 【請求項18】 未膨張バーミキュライトを、その配合
    量が全組成物(固形分)の5〜70質量%になるように
    基材に配合して建材組成物を得、ついでこの建材組成物
    を成形して建材を得ることを特徴とすることを特徴とす
    る建材の製造方法。
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