JP2002154824A - 微粒子酸化チタンの製造方法 - Google Patents
微粒子酸化チタンの製造方法Info
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Abstract
た結晶化度の高い光触媒等に利用できる微粒子酸化チタ
ンを得る。 【解決手段】 チタン化合物を加水分解することにより
微粒子酸化チタンを製造する方法において、チタン化合
物の濃度を調整し、反応温度を150℃以上、反応圧力
をその温度における飽和蒸気圧以上の条件下において反
応を行うことにより、酸化チタンのアナターゼ型とルチ
ル型の組成比を制御する。
Description
きる微粒子酸化チタンの製造方法に関するものである。
料として使用され、また、光触媒や脱硝触媒の分野でも
使用されている。酸化チタンの結晶形には、アナターゼ
型とルチル型があるが、通常、チタン化合物である硫酸
チタン、硫酸チタニルを含む溶液を加熱して加水分解さ
せるとアナターゼ型のみが、アルカリを用いて中和すれ
ばアナターゼ型ないしルチル型が生成され、一方、四塩
化チタン水溶液を加熱し加水分解させるかもしくはアル
カリを用いて中和すればアナターゼ型ないしルチル型が
生成される。
タンは、高い光触媒活性を持つことが知られており、そ
のため酸化チタンを工業的に製造する場合には、用途に
応じてアナターゼ型とルチル型の組成比を制御できる微
粒子酸化チタンの製造方法が求められている。アナター
ゼ型とルチル型の組成比を制御できる微粒子酸化チタン
の製造方法としては、例えば、特開平3−252315
号公報に、四塩化チタンと酸素を気相で反応させてチタ
ン酸化物を製造する方法において、反応系へ水素を添加
し、水素の混合比率を変化させることによって酸化チタ
ン中のアナターゼ型とルチル型の組成比を制御する方法
が開示されており、添加する水素濃度を15〜17vo
l%の範囲に調整することで、アナターゼ型とルチル型
の組成比がルチル型99%以上の酸化チタンを製造でき
ることが示されている。
型の組成比を制御する方法として、通常の加水分解で得
られるアナターゼ型加水分解物を500℃以上で温度制
御して焼成する方法が公知である。
開平3−252315号公報記載の酸化チタンの製造方
法は、顔料用酸化チタン製造方法の一つである塩素法の
応用である。すなわち、一方の予熱管に気化させた四塩
化チタンと水素を導入し、他方の予熱管には酸素を導入
し、両者を反応管に別々に供給して両者が拡散混合する
過程で反応を進行させるため、反応管内の温度、圧力、
濃度にばらつきが生じて、反応条件が一様にならないと
いう問題がある。
径のばらつきが大きく、粒子形状も不揃いなものとな
り、粒径や形状の均一な酸化チタンの微粒子を得難く、
結晶粒子径(一次粒子径)として数nm〜数十nmの微
粒子酸化チタンが要求される光触媒活性を利用する用途
や電子材料用途等には性能が不十分である。また、通常
の加水分解で得られるアナターゼ型加水分解物を500
℃以上で温度制御して焼成する方法では、焼成温度が高
くなるにつれて得られる酸化チタンの粒子径が大きくな
るとともに、そのばらつきも大きくなる。さらには、焼
成温度が高くなると、酸化チタンの粒子同士の焼結が始
まり、酸化チタンの微粒子を得るためには粉砕工程が必
要となり、コスト高となる。
ける上記問題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、反
応温度150℃以上、反応圧力はその反応温度における
飽和蒸気圧以上の条件下でチタン化合物を反応させて酸
化チタンを製造すれば、反応管内においてこの反応を構
成する各分子の運動エネルギーが増大して高い分子分散
が惹起されることにより、反応管内の反応条件を広い範
囲で均質化できるため、温度勾配や圧力勾配、濃度のば
らつきに起因する粒度分布のばらつきや、粒子形状の不
揃いを可及的に抑制することができ、チタン化合物の濃
度を調整することにより、あるいはチタン化合物の濃度
調整を行う際に添加剤を添加することにより、公知の反
応生成物を高温焼成するという方法を採ることなく酸化
チタンのアナターゼ型とルチル型の組成比率を容易に制
御できることを見出した。
のであり、アナターゼ型とルチル型の組成比を制御で
き、かつ結晶化度が高く、粒子径の揃った微粒子酸化チ
タンを得ることのできる微粒子酸化チタンの製造方法を
提供することを目的とする。
ンの製造方法は、チタン化合物を加水分解することによ
り微粒子酸化チタンを製造する方法であって、チタン化
合物の濃度を調整し、反応温度を150℃以上、反応圧
力をその反応温度における飽和蒸気圧以上の条件下にお
いて反応を行うことにより、酸化チタンのアナターゼ型
とルチル型の組成比を制御することを特徴としており、
チタン化合物の加水分解反応、結晶成長過程を経て微粒
子酸化チタンが製造される。
高温・高圧の反応条件下で結晶成長過程と平行して生ず
ることが望ましいが、製品となる酸化チタンの結晶構造
を制御する上で、予め大気圧下で加温ないし沸騰条件下
で加水分解させてもよい。この微粒子酸化チタンの製造
方法によれば、高温焼成工程を経ずにアナターゼ型とル
チル型の組成比の制御が可能となり、さらには、反応を
高温・高圧下で行うため反応を構成する各分子の運動エ
ネルギーが増大し、高い分子分散状態を惹起することに
より反応管内の反応条件が一様に維持される可能性が高
まることから、温度勾配、圧力勾配、濃度のばらつきに
起因する粒子径のばらつきや粒子形状の不揃い等の問題
を解決し、結晶化度が高く、粒子径の揃った微粒子酸化
チタンを得ることが可能となる。
反応温度における飽和蒸気圧未満の条件下では、その反
応場は通常の水熱反応を生じさせる場であり、生成する
酸化チタンは、チタン化合物が硫酸チタンないし硫酸チ
タニルの場合はアナターゼ型のみ、チタン化合物が四塩
化チタンの場合はルチル型のみであり、アナターゼ型と
ルチル型の組成比が制御された酸化チタンは得られな
い。
法では、チタン化合物の濃度を酸化チタン換算濃度で1
0〜120g/lの範囲に調整することがアナターゼ型
とルチル型の組成比の制御を可能とし、結晶化度の高
い、かつ粒子径の揃った微粒子酸化チタンを得る上で望
ましい。その理由は、この濃度範囲において、反応温度
を150℃以上、反応圧力をその反応温度における飽和
蒸気圧以上の条件下で加水分解によって生成する酸化チ
タンの一部あるいは殆ど全てを、アナターゼ型からルチ
ル型に移行させることができることにより、アナターゼ
型とルチル型の組成比の制御された微粒子酸化チタンが
得られるからである。
ン換算濃度が10g/l以下の場合は、生成する酸化チ
タンはアナターゼ型のみ、120g/l以上の場合は、
生成する酸化チタンはルチル型のみとなる。通常、酸化
チタンの製造方法において、工業的に利用可能なチタン
化合物としては、硫酸チタン、硫酸チタニル及び四塩化
チタンの三種類があり、何れも本発明の微粒子酸化チタ
ンの製造方法に利用できる。なお、硫酸チタン及び硫酸
チタニルの場合は不純物の極めて少ない硫酸チタンの製
造が困難であること、さらに安定した硫酸チタン溶液と
するには多量の遊離酸が必要であること等の理由から、
光触媒用あるいは、電子材料用微粒子酸化チタンの製造
を目的とする場合のチタン化合物としては、四塩化チタ
ンがより好ましい。
方法では、チタン化合物の濃度調整工程において添加剤
を添加することにより、アナターゼ型とルチル型の組成
比を制御することが容易となる。特に、チタン化合物が
硫酸チタンないし硫酸チタニルの場合は、添加剤を添加
することが必須である。添加剤としては、酸ないし無機
電解質をチタン化合物溶液中に0.1〜1.5mol/
lの割合で添加することが好ましい。
るが、塩酸や硝酸が好適である。また、無機電解質とし
てはナトリウム、カリウム、アンモニウムの水酸化物、
塩化物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩等が、さらに銅、銀、
金、亜鉛、ストロンチウム、カドミウム、バリウム、ア
ルミニウム、ランタン、セリウム、ジルコニウム、錫、
鉛、バナジウム、ニオブ、アンチモン、タンタル、ビス
マス、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、白金等の水酸化物、酸素酸
塩、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩等が挙げられる
が、これらの中でナトリウム、カリウム、アンモニウム
の水酸化物、塩化物、硝酸塩が加水分解反応ならびに結
晶成長過程における反応生成物の表面電荷や表面配位イ
オン種を制御するために特に好ましい。
ウム、錫、鉛、バナジウム、ニオブ、アンチモン、タン
タル、ビスマス、クロム、モリブデン、タングステン、
マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等の酸素酸塩、塩化
物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩等は可視光励起光触媒微粒
子酸化チタンを製造する際のドーピング剤としての効果
も併せ持っている。
加することにより、高温・高圧反応における反応場の揺
らぎ、すなわち、この反応場を構成する分子同士の反応
に係る分子の電子密度状態に微妙な揺らぎを惹起し、チ
タン化合物の加水分解反応及び結晶成長過程を制御でき
ることから、酸化チタンのアナターゼ型とルチル型の組
成比を制御することがより容易となる。
は、反応場の揺らぎは生じず、通常の反応場における反
応であり、逆に、添加量が0.1mol/lより少ない
ときも、反応場の揺らぎは生じない。なお、硝酸ないし
硝酸塩を添加する場合には、硝酸ないし硝酸塩がインヒ
ビターの働きをして、反応器の内面に不働体皮膜を形成
して反応器内面を腐食から保護することが可能になり、
添加剤の添加によりアナターゼ型とルチル型の組成比を
制御するのみならず装置の耐久性も向上させる。
バッチ式としても実施されるが、チタン化合物と水とを
別々に、あるいは両者を予め混合して連続的に反応工程
に供給することにより、連続的に微粒子酸化チタンを製
造することができる。
面に従って説明する。図1の製造設備は、反応器1と、
酸化チタンの原料であるチタン化合物を貯蔵する原料槽
2と、チタン化合物を反応器1に供給する原料送入用高
圧定量ポンプ3と、添加剤を貯蔵する添加剤槽4と、添
加剤を反応器1に供給する添加剤送入用高圧定量ポンプ
5と、反応水を貯蔵する反応水槽9と、反応水を反応器
1に供給する反応水送入用高圧定量ポンプ10と、反応
停止水を貯蔵する反応停止水槽11と、反応停止水を反
応器1に供給する反応停止水送入用高圧定量ポンプ12
と、生成物回収装置15とを備えている。
間には原料加熱装置6、添加剤送入用高圧定量ポンプ5
と反応器1と間には添加剤加熱装置7、反応水送入用高
圧定量ポンプ10と反応器1と間には反応水加熱装置8
が設けられている。また、反応器1と生成物回収装置1
5との間には、冷却装置13と減圧弁14とが設けられ
ている。
保持できるものが用いられる。反応器1として、加熱装
置及び下部に冷却装置を併せ持ったものを用いてもよ
い。複数の反応器を並列させた構成とすることもでき
る。酸化チタン源であるチタン化合物には、硫酸チタ
ン、硫酸チタニルないし四塩化チタンが使用される。チ
タン化合物は、原料槽2に貯蔵され、原料送入用高圧定
量ポンプ3で高圧状態、すなわち反応温度の飽和蒸気圧
以上の圧力に昇圧され、原料加熱装置6で所定の反応温
度、すなわち150℃以上の温度に調整されて、反応器
1に連続的、かつ定量的に供給される。
送入用高圧定量ポンプ10で高圧状態、すなわち反応温
度の飽和蒸気圧以上の圧力に昇圧され、反応水加熱装置
8で所定の反応温度、すなわち150℃以上の温度に調
整されて、チタン化合物の濃度を酸化チタン換算濃度で
10〜120g/lの範囲に調整するよう、反応器1に
連続的、かつ定量的に供給される。なお、濃度調整に際
し、チタン化合物と反応水となる水とを別々に反応器1
に供給せず、予め原料槽2内で混合するようにしてもよ
い。
応じ、添加剤送入用高圧定量ポンプ5で高圧状態、すな
わち反応温度の飽和蒸気圧以上の圧力に昇圧され、添加
剤加熱装置7で所定の反応温度、すなわち150℃以上
の温度に調整されて、チタン化合物溶液の濃度調整時に
添加物の濃度が0.1〜1.5mol/lの割合となる
よう、反応器1に連続的、かつ定量的に供給される。チ
タン化合物が硫酸チタンないし硫酸チタニルの場合は、
添加剤を添加することを必須の要件とする。
型とルチル型の組成比が制御された微粒子酸化チタンが
より容易に得られるようになる。添加剤としては、酸な
いし無機電解質が使用できる。酸としては、塩酸、硝酸
が適している。無機電解質としては、ナトリウム、カリ
ウム、アンモニウムの水酸化物、塩化物、硝酸塩が特に
好ましい。また、銅、ランタン、セリウム、ジルコニウ
ム、錫、鉛、バナジウム、ニオブ、アンチモン、タンタ
ル、ビスマス、クロム、モリブデン、タングステン、マ
ンガン、鉄、コバルト、ニッケル等の酸素酸塩、塩化
物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の添加は可視光励起光触
媒微粒子酸化チタンを製造する際のドーピング剤として
の効果も併せもっている。
150℃以上、反応圧力が反応温度における飽和蒸気圧
以上の高温・高圧状態がもたらされ、チタン化合物と反
応水、あるいはチタン化合物、添加剤及び反応水が接触
することにより、チタン化合物の加水分解反応及び結晶
成長過程が平行して進行し、生成した酸化チタンのアナ
ターゼ型の一部あるいは殆ど全てをルチル型へ転移さ
せ、粒子径の揃った結晶化度の高いアナターゼ型とルチ
ル型の組成比が制御された微粒子酸化チタンが得られ
る。
反応停止水が反応停止水送入用高圧定量ポンプ12によ
って供給され、冷却装置13とともに反応液の温度を低
下させ、加水分解反応及び結晶成長過程の進行を停止さ
せる。反応によって得られたアナターゼ型とルチル型の
組成比が制御された微粒子酸化チタンは、減圧弁14を
経て生成物回収装置15で連続的に回収される。反応器
1の底部から回分的に回収することも可能である。
組成比が制御された微粒子酸化チタンは、目的に応じて
引き続き焼成等の処理をしても良い。回収装置15は、
脱水装置、フラッシュ分離装置、乾燥装置及びこれらの
組み合わせ装置が利用できる。以上、本発明の微粒子酸
化チタンの製造方法の実施の一形態について説明した
が、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更された装置・
設備において、本発明の微粒子酸化チタンの製造方法が
実施できることは勿論である。
の実施例について説明する。以下に示す実施例は、チタ
ン化合物として四塩化チタンを使用し、バッチ装置及び
連続装置において実施されたものであるが、これは、本
発明の微粒子酸化チタンの製造方法を限定するものでは
ない。
ン換算濃度で120g/lに濃度調整する。 (2)工程(1)で得られた水溶液約5mlを反応管
(内容積約6ml)に入れる。 (3)上記反応管を200℃に予め加熱してある硝酸
塩、亜硝酸塩の溶融塩浴に3分間入れ、反応管内におけ
る四塩化チタン水溶液の反応温度が200℃、反応圧力
が10MPaの条件で四塩化チタンの加水分解を行う。 (4)反応管より加水分解スラリー液を取り出し、濾過
後、水洗を行う。 (5)濾過、水洗後の酸化チタン粒子を105℃で、2
4時間乾燥する。 (6)乾燥後の酸化チタン粒子を500℃で2時間焼成
し、微粒子酸化チタン(試料A)を得た。
て、四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で
96g/lとすること以外は、実施例1と同様に処理し
て微粒子酸化チタン(試料B)を得た。 〔実施例3〕実施例1の工程(1)において、四塩化チ
タン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で91g/lと
すること以外は、実施例1と同様に処理して微粒子酸化
チタン(試料C)を得た。
て、四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で
88g/lとすること以外は、実施例1と同様に処理し
て微粒子酸化チタン(試料D)を得た。 〔実施例5〕実施例1の工程(1)において、四塩化チ
タン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で84g/lと
すること以外は、実施例1と同様に処理して微粒子酸化
チタン(試料E)を得た。
て、四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で
50g/lとすること以外は、実施例1と同様に処理し
て微粒子酸化チタン(試料F)を得た。 〔比較例1〕実施例1の工程(3)において、大気圧下
にて1時間沸騰させること以外は、実施例1と同様に処
理して得られた酸化チタンを比較試料1とした。
て四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で9
6g/lとし、工程(3)において、大気圧下にて1時
間沸騰させること以外は、実施例1と同様に処理して得
られた酸化チタンを比較試料2とした。 〔比較例3〕実施例1の工程(1)において四塩化チタ
ン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で91g/lと
し、工程(3)において、大気圧下にて1時間沸騰させ
ること以外は、実施例1と同様に処理して得られた酸化
チタンを比較試料3とした。
て四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で8
8g/lとし、工程(3)において、大気圧下にて1時
間沸騰させること以外は、実施例1と同様に処理して得
られた酸化チタンを比較試料4とした。 〔比較例5〕実施例1の工程(1)において四塩化チタ
ン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で84g/lと
し、工程(3)において、大気圧下にて1時間沸騰させ
ること以外は、実施例1と同様に処理して得られた酸化
チタンを比較試料5とした。
て四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で5
0g/lとし、工程(3)において、大気圧下にて1時
間沸騰させること以外は、実施例1と同様に処理して得
られた酸化チタンを比較試料6とした。 〔比較例7〕実施例1の工程(3)において、大気圧
下、室温にてアンモニアで中和すること以外は、実施例
1と同様に処理して得られた酸化チタンを比較試料7と
した。
て四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で9
6g/lとし、工程(3)において、大気圧下、室温に
てアンモニアで中和すること以外は、実施例1と同様に
処理して得られた酸化チタンを比較試料8とした。
て四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で9
1g/lとし、工程(3)において、大気圧下、室温に
てアンモニアで中和すること以外は、実施例1と同様に
処理して得られた酸化チタンを比較試料9とした。
いて四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で
88g/lとし、工程(3)において、大気圧下、室温
にてアンモニアで中和すること以外は、実施例1と同様
に処理して得られた酸化チタンを比較試料10とした。
いて四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で
84g/lとし、工程(3)において、大気圧下、室温
にてアンモニアで中和すること以外は、実施例1と同様
に処理して得られた酸化チタンを比較試料11とした。
いて四塩化チタン水溶液の濃度を酸化チタン換算濃度で
50g/lとし、工程(3)において、大気圧下、室温
にてアンモニアで中和すること以外は、実施例1と同様
に処理して得られた酸化チタンを比較試料12とした。
態を調べるためX線回折測定を行った。その結果を図2
〜図4に示す。図2は試料A〜F、図3は比較試料1〜
6、図4は比較試料7〜12についてX線回折チャート
を示している。また、表1には試料A〜F及び比較試料
1〜12について、アナターゼ型とルチル型の組成比を
四塩化チタン濃度と対比して示す。
とは、理学電機株式会社「RAD−C」測定システムを
使用し、得られた酸化チタンのX線回折におけるルチル
型の結晶構造に起因するピーク面積とアナターゼ型の結
晶構造に起因するピーク面積とを求め、下記の式(1)ま
たは式(2)を用いて算出した値であり、酸化チタン中の
ルチル型の組成割合を示す。
ゼ型結晶構造に起因するピーク強度、IRはルチル型結
晶構造に起因するピーク強度を示す。 IA/IR≦0.025のとき アナターゼ型とルチル型の組成比(%) =(1−(0.7×(IA/IR)−0.0007))×100・・・(1) IA/IR>0.025のとき アナターゼ型とルチル型の組成比(%) =(1−(1/(1.265(IR/IA)+1)))×100・・・(2)
うに、試料B〜Eについては、2θ=25.3°付近に
アナターゼ型結晶構造に起因するピークが、2θ=2
7.5°付近にルチル型結晶構造に起因するピークが明
瞭に観測されており、アナターゼ型とルチル型の混相と
なっていることがわかる。一方、試料A及び比較試料1
〜6については、2θ=27.5°付近にルチル型結晶
構造に起因するピークのみが、試料F及び比較試料7〜
12については、2θ=25.3°付近にアナターゼ型
結晶構造に起因するピークのみが、明瞭に観測されてお
り、何れも単相となっていることがわかる。
四塩化チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で50〜12
0g/lの範囲で調整することにより、アナターゼ型と
ルチル型の組成比が2〜99%の範囲で制御されてお
り、公知の加水分解ないし中和法を用いた比較試料1〜
6及び7〜12については、四塩化チタンの濃度を酸化
チタン換算濃度で50〜120g/lの範囲で調整して
もルチル型又はアナターゼ型単相の酸化チタンのみを生
成することがわかる。
の条件下において、四塩化チタンの濃度を調整して加水
分解反応を行わせることにより、容易に酸化チタンのア
ナターゼ型とルチル型の組成比を制御することが可能と
なることがわかる次に、他の実施例について説明する。 〔実施例7〕実施例1において、四塩化チタン水溶液の
濃度を調整する工程(1)の際に、四塩化チタンの濃度
を酸化チタン換算濃度で80g/lとし、硝酸をこの溶
液中に、0.13mol/lとなるように添加した以外
は、実施例1と同様に処理して微粒子酸化チタン(試料
G)を得た。
タン水溶液の濃度を調整する工程(1)の際に、四塩化
チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で80g/lとし、
硝酸をこの溶液中に、0.65mol/lとなるように
添加した以外は、実施例1と同様に処理して微粒子酸化
チタン(試料H)を得た。
タン水溶液の濃度を調整する工程(1)の際に、四塩化
チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で80g/lとし、
硝酸をこの溶液中に、0.91mol/lとなるように
添加した以外は、実施例1と同様に処理して微粒子酸化
チタン(試料I)を得た。
チタン水溶液の濃度を調整する工程(1)の際に、四塩
化チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で80g/lと
し、硝酸をこの溶液中に、1.31mol/lとなるよ
うに添加した以外は、実施例1と同様に処理して微粒子
酸化チタン(試料J)を得た。
チタン水溶液の濃度を調整する工程(1)の際に、四塩
化チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で80g/lと
し、硝酸をこの溶液中に、1.50mol/lとなるよ
うに添加した以外は、実施例1と同様に処理して微粒子
酸化チタン(試料K)を得た。
チタン水溶液の濃度を調整する工程(1)の際に、四塩
化チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で80g/lと
し、塩酸をこの溶液中に、0.11mol/lとなるよ
うに添加した以外は、実施例1と同様に処理して微粒子
酸化チタン(試料L)を得た。
チタン水溶液の濃度を調整する工程(1)の際に、四塩
化チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で80g/lと
し、塩酸をこの溶液中に、0.33mol/lとなるよ
うに添加した以外は、実施例1と同様に処理して微粒子
酸化チタン(試料M)を得た。
チタン水溶液の濃度を調整する工程(1)の際に、四塩
化チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で80g/lと
し、塩酸をこの溶液中に、0.55mol/lとなるよ
うに添加した以外は、実施例1と同様に処理して微粒子
酸化チタン(試料N)を得た。
チタン水溶液の濃度を調整する工程(1)の際に、四塩
化チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で80g/lと
し、塩酸をこの溶液中に、1.13mol/lとなるよ
うに添加した以外は、実施例1と同様に処理して微粒子
酸化チタン(試料O)を得た。
チタン水溶液の濃度を調整する工程(1)の際に、四塩
化チタンの濃度を酸化チタン換算濃度で80g/lとす
ること以外は、実施例1と同様に処理して微粒子酸化チ
タン(比較試料13)を得た。
調べるためX線回折測定を行った。その結果を第5図〜
第6図に示す。第5図は試料G〜K及び比較試料13
の、第6図は試料L〜O及び比較試料13のX線回折チ
ャートを示している。また、表2には試料G〜O及び比
較試料13について、アナターゼ型とルチル型の組成比
を添加した酸の種類とその添加量と対比して示す。な
お、アナターゼ型とルチル型の組成比は、前記式(1)ま
たは式(2)により算出した値である。
J及び試料L〜Nならびに比較試料13については、2
θ=25.3°付近にアナターゼ型結晶構造に起因する
ピークが、2θ=27.5°付近にルチル型結晶構造に
起因するピークが明瞭に観測されており、アナターゼ型
とルチル型の混相となっていることがわかる。一方、試
料K及び試料Oについては、2θ=27.5°付近にル
チル型結晶構造に起因するピークのみが明瞭に観測され
ており、ルチル型単相であることがわかる。
定にした条件下においても、添加した酸の種類とその添
加量によりアナターゼ型とルチル型の組成比が16〜9
9%の範囲で制御されており、酸を添加しなかった比較
試料13に比べて極めて容易に制御できることがわか
る。すなわち、四塩化チタンの濃度を調整する工程にお
いて、硝酸あるいは塩酸からなる添加剤を0.1〜1.
5mol/lの割合で添加して、本発明の反応温度及び
反応圧力の条件下で加水分解反応を行わせることによ
り、アナターゼ型とルチル型の組成比の制御された酸化
チタンが極めて容易に得られることがわかる。
のである。以下に連続式製造方法による実施例を説明す
る。 〔実施例16〕チタン化合物として四塩化チタンを使用
し、図1に示す連続装置によって微粒子酸化チタンを製
造した。実施の条件及び結果を表3に示す。なお、アナ
ターゼ型とルチル型の組成比は、前記式(1)または式(2)
により算出したものである。
場合も、本発明の反応温度及び反応圧力の条件下におい
てチタン化合物の濃度を調整し、あるいは添加剤を添加
して加水分解反応を行わせることにより、アナターゼ型
とルチル型の組成比の制御された微粒子酸化チタンが得
られる。
よれば、アナターゼ型とルチル型の組成比の制御された
結晶化度の高い光触媒等に利用できる微粒子酸化チタン
が得られる。
用いられる製造設備の一例を示す構成図である。
タン結晶のX線回折チャートを示す図である。
のX線回折チャートを示す図である。
晶のX線回折チャートを示す図である。
子酸化チタン結晶のX線回折チャートを示す図である。
粒子酸化チタン結晶のX線回折チャートを示す図であ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 チタン化合物を加水分解することにより
微粒子酸化チタンを製造する方法であって、チタン化合
物の濃度を調整し、反応温度を150℃以上、反応圧力
をその温度における飽和蒸気圧以上の条件下において反
応を行うことにより、酸化チタンのアナターゼ型とルチ
ル型の組成比を制御することを特徴とする微粒子酸化チ
タンの製造方法。 - 【請求項2】 チタン化合物の濃度を酸化チタン換算濃
度で10〜120g/lの範囲に調整することを特徴と
する請求項1記載の微粒子酸化チタンの製造方法。 - 【請求項3】 チタン化合物が硫酸チタン、硫酸チタニ
ル及び四塩化チタンからなる群より選ばれる少なくとも
1種からなることを特徴とする請求項1または請求項2
記載の微粒子酸化チタンの製造方法。 - 【請求項4】 チタン化合物の濃度調整工程において添
加剤を添加することを特徴とする請求項1、請求項2ま
たは請求項3記載の微粒子酸化チタンの製造方法。 - 【請求項5】 添加剤をチタン化合物溶液中に0.1〜
1.5mol/lの割合で添加することを特徴とする請
求項4記載の微粒子酸化チタンの製造方法。 - 【請求項6】 添加剤が酸ないし無機電解質であること
を特徴とする請求項4または請求項5記載の微粒子酸化
チタンの製造方法。 - 【請求項7】 酸が塩酸ないし硝酸であり、無機電解質
がナトリウムないしカリウムないしアンモニウムの水酸
化物あるいは塩化物あるいは硝酸塩であることを特徴と
する請求項6記載の微粒子酸化チタンの製造方法。 - 【請求項8】 チタン化合物と水とを連続的に反応工程
に供給することを特徴とする請求項1、請求項2、請求
項4または請求項5記載の微粒子酸化チタンの製造方
法。
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