JP2002154521A - 運搬用容器 - Google Patents

運搬用容器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 横転した場合などに容器本体が変形した
り、蓋体が外れてしまうことを可及的に防止することが
可能な運搬用容器を提供する。 【解決手段】開口部(2)に蓋体が取り外し可能に装着
される運搬用容器であって、前記開口部(2)の外面全
体を囲繞するように、断面略逆L字状の折り返しリブ
(10)が形成されているとともに、前記容器本体の互
いに対向する少なくとも一対の側壁外面には、前記折り
返しリブ(10)と一部ラップするように、補強用リブ
(12)が上下方向に形成されており、この補強用リブ
(12)と前記折り返しリブ(10)との間は、間隙
(14)が確保されて形成されていることを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運搬用容器に関す
るもので、詳しくは、医療関係で使用された廃棄物など
を収容するのに好適な運搬用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、医療関係で使用された物品、
例えば注射針、脱脂綿、カテーテルなどは、密閉性の高
い専用容器内に保管され、所定場所まで搬送されてい
る。このように物品を外部に露見しないように保管また
は運搬する密閉容器は、図6に示したように、容器本体
20の開口部22に、フランジ21と、例えば、断面略
逆L字状の折り返しリブ24が形成され、このフランジ
21と折り返しリブ24とによる段部に跨って、上方か
ら蓋体を装着することで開口部22が密閉されている。
一方、折り返しリブ24の下方には、容器本体20の強
度を向上させるために、折り返しリブ24に連続して補
強用の縦リブ26が一体に連設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
形成された運搬用容器では、物品を収容した状態で仮に
横転された場合は、図7に示したように、その衝撃力F
が折り返しリブ24から縦リブ26に伝達され、さらに
は容器本体20に伝わって、容器本体20が変形した
り、欠損したり、場合によっては、開口部22を塞いで
いた蓋体が容器本体20から外れてしまうという問題が
あった。
【0004】本発明はこのような実情に鑑み、容器が横
転した場合などに容器本体が変形したり、欠損したり、
あるいは、蓋体が外れてしまうことを可及的に防止する
ことが可能な運搬用容器を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る運搬用容器は、 開口部2に蓋体28が
取り外し可能に装着される合成樹脂製の運搬用容器であ
って、前記開口部2の外面全体を囲繞するように、断面
略逆L字状の折り返しリブ10が形成されているととも
に、前記容器本体4の互いに対向する少なくとも一対の
側壁32,34の外面には、前記折り返しリブ10と一
部ラップするように、補強用リブ12が上下方向に形成
されており、この補強用リブ12と前記折り返しリブ1
0との間は、間隙14が確保されて形成されていること
を特徴としている。
【0006】係る構成による本発明によれば、折り返し
リブに衝撃に加わっても、間隙が形成されていることに
より、その衝撃が直接容器本体に伝わることがないの
で、容器本体が変形したり、欠損したり、蓋体が外れて
しまうことを防止できる。ここで、前記折り返しリブの
水平方向のリブ部分15と上下方向のリブ部分16との
間が、傾斜した案内リブ部分18により接続されている
ことが好ましい。
【0007】このような構成であれば、仮に横転して折
り返しリブに衝撃力が加わっても、その衝撃力が容器本
体に伝達される前に、特に案内リブ部分が大きく変形さ
れるので、本体側の変形、欠損、ならびに蓋体の外れな
どを防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施例について説明する。図1、および図2(A)、
(B)、(C)は本発明の一実施例による運搬用容器を
示したものである。この運搬用容器の容器本体4は、底
壁と、4側壁とにより、略角筒状に形成されている。ま
た、この容器本体4は、ポリプロピレンなどの合成樹脂
により一体成形されている。
【0009】容器本体4の開口部2には、フランジ3と
断面略逆L字状の折り返しリブ10とが全体を囲繞する
ように形成されている。そして、容器本体4の短手側の
側壁32,34の中央部においては、上記した折り返し
リブ10の水平方向への幅が若干広くなっており、これ
により、手で持ち上げるのに好適な一対の取っ手A,A
が形成されている。
【0010】このように形成された容器本体4には、そ
の開口部2に、蓋体が着脱自在に装着されることによ
り、密閉性の高い容器が構成されることになる。上記折
り返しリブ10は、図3に示したように、水平方向のリ
ブ部分15と上下方向のリブ部分16と、これらリブ部
分15、16間を接続する案内リブ部分18とからな
り、案内リブ部分18は斜めに傾斜して形成されてい
る。
【0011】一方、取っ手A,Aを構成する少し幅が広
くなった部分での折り返しリブ10の下方には、上下方
向に2つの補強用リブ12、12が形成され、これらの
リブ12により開口部2近傍の強度が向上されている。
また、補強用リブ12と少なくともリブ部分16との間
は、連続しておらず、ここに間隙14が確保されてい
る。
【0012】このように形成された容器本体4の開口部
2に、図4に示したようにシール部材27を備えた蓋体
28が装着されることにより、開口部2が密閉される。
以下に、本実施例の作用について説明する。今、容器本
体4内には、例えば、医療用の廃棄物が収容され蓋体2
8が緊密に嵌合されている。この状態から、図5に示し
たように容器本体4が横転されると、先ず、折り返しリ
ブ10のリブ部分16に衝撃力Fが作用する。すると、
その衝撃力Fは、リブ部分16から傾斜した案内リブ部
分18に力を分散して伝達する。そして、この分散され
た力を受けて、案内リブ部分18がリブ部分16とは異
なる方向に変形する。このように、最初に加わった衝撃
力Fは、力が減衰されてから、リブ部分15に伝達さ
れ、さらに容器本体4(側壁32)側に伝達される。よ
って、リブ部分16などが欠損したり、あるいは蓋体2
8が開口部2から外れることが防止される。
【0013】このように、本実施例による運搬用容器に
よれば、蓋が開いたり、容器自体が欠損してしまうこと
を効果的に防止することができるので、医療用廃棄物な
どを運搬するのに適している。以上、本発明の一実施例
について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定さ
れない。例えば、上記実施例では、角筒形の運搬用容器
を例示したが、円筒形の容器にも本発明を適用すること
が可能である。また、補強用リブ12は、短手側の壁面
32,34のみでなく、周囲の壁面全体に形成されてい
ても良い。また、案内リブ部分18は、直線状に限定さ
れず、湾曲して形成されていても良い。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る運搬
用容器によれば、仮に容器本体が横転されたとしても、
床などの対象物に直接当接する折り返しリブと補強用リ
ブとの間に、間隙が確保されているので、この間隙の分
だけ、折り返しリブが変形し易くなる。したがって、横
転したときの衝撃力を減衰させることができ、これによ
り割れ欠け、あるいは、蓋体の外れを防止することもで
きる。
【0015】さらに、本発明によれば、折り返しリブ部
を構成している水平方向のリブ部分と上下方向のリブ部
分との間に、傾斜した案内リブ部分が設けられているの
で、この案内リブ部分が変形されることで、衝撃力を一
層を減衰させることができる。したがって、本発明によ
れば、容器本体が変形したり、蓋体を装着するための折
り返しリブの一部が欠けたり、蓋体が外れてしまうとい
う不具合を可及的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例による運搬用容器から
蓋体を取り外したときの斜視図である。
【図2】図2(A)は図1に示した容器本体の平面図、
同図(B)は一部破断正面図、同図(C)は一部破断側
面図である。
【図3】図3は図2(B)の一部を拡大して示す断面図
である。
【図4】図4は容器本体に蓋体を組み付けたときの断面
図である。
【図5】図5は本実施例の容器本体が横転した状態を示
す一部拡大断面図である。
【図6】図6は従来の運搬用容器の破断正面図である。
【図7】図7は従来の運搬用容器が横転した状態を示す
一部拡大断面図である。
【符号の説明】
2 開口部 4 容器本体 10 折り返しリブ 12 補強用リブ 14 間隙 15 水平方向のリブ部分 16 上下方向へのリブ部分 18 案内リブ部分 28 蓋体 32、34 側壁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部(2)に蓋体(28)が取り外し
    可能に装着される合成樹脂製の運搬用容器であって、 前記開口部(2)の外面全体を囲繞するように、断面略
    逆L字状の折り返しリブ(10)が形成されているとと
    もに、前記容器本体(4)の互いに対向する少なくとも
    一対の側壁(32)、(34)の外面には、前記折り返
    しリブ(10)と一部ラップするように、補強用リブ
    (12)が上下方向に形成されており、この補強用リブ
    (12)と前記折り返しリブ(10)との間は、間隙
    (14)が確保されて形成されていることを特徴とする
    運搬用容器。
  2. 【請求項2】 前記折り返しリブ(10)における水平
    方向のリブ部分(15)と上下方向へのリブ部分(1
    6)との間が、傾斜した案内リブ部分(18)により接
    続されていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用
    容器。
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