JP2002153981A - 広幅金属材の製造方法及び広幅金属材の製造装置 - Google Patents

広幅金属材の製造方法及び広幅金属材の製造装置

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JP2002153981A
JP2002153981A JP2000350065A JP2000350065A JP2002153981A JP 2002153981 A JP2002153981 A JP 2002153981A JP 2000350065 A JP2000350065 A JP 2000350065A JP 2000350065 A JP2000350065 A JP 2000350065A JP 2002153981 A JP2002153981 A JP 2002153981A
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Sunao Tanaka
直 田中
Masaki Kumagai
正樹 熊谷
Hachiro Nonoda
八郎 野々田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属部材を接合して大型パネル等を作製する
場合にも歪みの発生を良好に防止することのできる広幅
金属材の製造方法及び広幅金属材の製造装置の提供。 【解決手段】 回転工具3を回転させて金属部材5を摩
擦撹拌接合するに当たり、冷却ノズル9から水Wを噴射
することにより上記摩擦撹拌接合が行われる部分を冷却
し、摩擦撹拌接合後の接合部5aをローラ7で押圧して
歪みを矯正し、更に、上記摩擦撹拌接合を、上記歪みの
発生方向とは逆方向に湾曲した裏当てジグ1上に上記金
属部材5を拘束して行っている。このため、冷却だけで
は除去できない歪みも良好に除去することができる。ま
た、噴射された水Wを冷媒漏れ防止壁11で堰き止め、
循環用ポンプ13で回収・再利用しているので、水Wの
無駄を省くと共にその水Wが駆動系に悪影響を及ぼすの
も防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属部材の端面を
突き合わせ、該突き合わせ部分に沿って回転工具を回転
しながら上記金属部材に対して移動させることより、上
記金属部材を摩擦撹拌接合して広幅金属材を製造する広
幅金属材の製造方法及び広幅金属材の製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の幅広形材または幅広板材を接合することによ
り、大型パネル等の広幅金属材を作成することが考えら
れている。この種の広幅金属材としては、鉄道車両用幅
広形材、船舶用πセクション等が考えられ、これらを接
合することによって例えば鉄道車両や船舶デッキ部等の
構造材が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記接合を
アーク溶接(MIG溶接,TIG溶接)によって行うと
局部的な過熱がなされるため、接合時の余熱により熱膨
張,熱収縮が生じ、得られた接合材に歪みが発生する。
従って、このようにして得られた大型パネル等の広幅金
属材を鉄道車両、船舶デッキ部等の構造材として使用す
る場合、パネルの歪みにより剛性が減少し、外観上の問
題も生じる。そこで、従来は、歪みのない大型パネルを
製造するために、接合後、局部加熱及び曲げ、引張矯正
により歪みを除去している。このため、熟練した技術者
による多くの工数を必要とし、また、局部加熱すること
により更に余分な局部的な歪みが生じる場合もあった。
【0004】一方、入熱が少なく軟化や歪みの程度が軽
い接合方法として、近年、摩擦撹拌接合が考えられてい
る(例えば、特許2712838号)。この方法は、ア
ルミニウム合金板等の軟質素材を鋼鉄等の硬質の裏当て
ジグに乗せて突き合わせ、その突き合わせ部分に沿って
硬質の回転工具を高速回転させながら移動させる方法で
ある。この方法は、接合部が溶融しないのが特徴で、接
合が行われる部分の温度もそれ程上昇しない。
【0005】しかしながら、この摩擦撹拌接合によって
も、アーク溶接に比べて低いとはいえ上記接合が行われ
る部分で温度が上昇するため、大型パネル等の広幅金属
材を作製する場合は歪みの発生が問題となる。このた
め、歪み除去のために熟練技術者による多くの工数を必
要とする等の前述の課題が同様に発生する。また、この
課題は、アルミニウムまたはアルミニウム合金以外の金
属部材(例えば銅板)等の接合においても同様に発生す
る。
【0006】そこで、本発明は、金属部材を接合して大
型パネル等の広幅金属材を作製する場合に歪みの発生を
良好に防止することのできる広幅金属材の製造方法及び
広幅金属材の製造装置を提供することを目的としてなさ
れた。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達するためになされた請求項1記載の発明は、金属部
材の端面を突き合わせ、回転工具を回転しながらその回
転工具と上記金属部材とを上記突き合わせ部分に沿って
相対的に移動させることより、上記金属部材を摩擦撹拌
接合して広幅金属材を製造する広幅金属材の製造方法で
あって、上記摩擦撹拌接合が行われる部分を冷媒を用い
て冷却し、上記摩擦撹拌接合後の接合部をローラで押圧
して歪みを矯正し、かつ、上記摩擦撹拌接合を、上記歪
みの発生方向とは逆方向に湾曲した裏当てジグ上に上記
金属部材を拘束して行うことを特徴としている。
【0008】本発明では、摩擦撹拌接合が行われる部分
を冷媒を用いて冷却しているので、熱膨張,熱収縮によ
る歪みの発生を抑制することができる。この冷却によっ
て歪みは冷却を行わない場合の1/3程度に減少する
が、依然として歪みのある状態である。これは、次のよ
うな理由による。すなわち、摩擦撹拌接合は、摩擦熱に
より金属材料を高温の塑性流動状態にし、工具の回転に
より金属材料を撹拌して接合する方法である。このた
め、接合中に金属部材を冷却する効果には限界がある。
そこで、本発明では、摩擦撹拌接合後の接合部をローラ
で押圧して歪みを矯正し、更に、上記摩擦撹拌接合を、
上記歪みの発生方向とは逆方向に湾曲した裏当てジグ上
に上記金属部材を拘束して行っている。
【0009】摩擦撹拌接合後の接合部をローラで押圧す
ることにより、金属材料が軟化状態にある間に歪みを矯
正することができる。また、板材等の金属部材そのもの
の剛性が小さい場合や多くの接合箇所がある広幅金属材
を作製する場合は、上記冷却及びローラによる押圧だけ
では完全に歪みを除去できない場合があるが、本発明で
は、摩擦撹拌接合を上記歪みの発生方向とは逆方向に湾
曲した裏当てジグ上に上記金属部材を拘束して行うこと
により、きわめて良好に歪みを除去することができる。
従って、本発明では、金属部材を接合して大型パネル等
の広幅金属材を作製する場合に歪みの発生を良好に防止
することができる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成に加え、上記金属部材が、アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金の幅広形材または幅広板材であることを特徴
としている。アルミニウム及びアルミニウム合金は他の
金属に比べて摩擦撹拌接合に一層適しており、幅広形材
及び幅広板材では上記歪みの発生を防止する要請が特に
強い。本発明では、アルミニウムまたはアルミニウム合
金の幅広形材または幅広板材に対して請求項1記載の発
明を適用しているので、その発明の効果が一層顕著に表
れる。
【0011】請求項3記載の発明は、金属部材の端面を
突き合わせ、回転工具を回転しながらその回転工具と上
記金属部材とを上記突き合わせ部分に沿って相対的に移
動させることより、上記金属部材を摩擦撹拌接合して広
幅金属材を製造する広幅金属材の製造装置であって、上
記摩擦撹拌接合が行われる部分に冷媒を噴射する冷却ノ
ズルと、上記摩擦撹拌接合後の接合部を押圧して歪みを
矯正するローラと、上記回転工具と対向配置され、上記
歪みの発生方向とは逆方向に湾曲した面で上記金属部材
を拘束する裏当てジグと、を備えたことを特徴としてい
る。
【0012】このように構成された本発明では、摩擦撹
拌接合が行われる部分を冷却ノズルから噴射した冷媒を
用いて冷却することができ、摩擦撹拌接合後の接合部を
ローラで押圧することにより歪みを矯正することもでき
る。更に、摩擦撹拌接合される金属部材を、回転工具と
対向配置された裏当てジグの、上記歪みの発生方向とは
逆方向に湾曲した面で拘束することにより、一層良好に
歪みを除去することができる。従って、本発明の装置で
は請求項1記載の広幅金属材の製造方法を容易に実施す
ることができ、請求項1記載の発明と同様に、金属部材
を接合して大型パネル等の広幅金属材を作製する場合に
歪みの発生を良好に防止することができる。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項3記載の構
成に加え、上記冷却ノズルから噴射された冷媒を回収し
て再び上記冷却ノズルに供給する冷媒回収手段を、更に
備えたことを特徴としている。摩擦撹拌接合が行われる
部分は、工具の回転の摩擦熱によって400℃以上にな
るため、冷却ノズルからは大量の冷媒を噴射する必要が
生じる。一方、製造装置の駆動系にはグリスや機械油等
の潤滑剤が使用されており、冷媒と潤滑剤とが混ざり合
うと駆動系に悪影響を及ぼす場合がある。そこで、本発
明では、冷媒回収手段によって、上記冷却ノズルから噴
射された冷媒を回収して再び上記冷却ノズルに供給して
いる。このため、請求項3記載の発明の効果に加えて、
冷媒の無駄を防止すると共にその冷媒が装置の駆動系に
悪影響を及ぼすのを良好に防止することができるといっ
た効果が生じる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載の構成に加え、上記金属部材が、アルミニウムまた
はアルミニウム合金の幅広形材または幅広板材であるこ
とを特徴としている。アルミニウム及びアルミニウム合
金は他の金属に比べて摩擦撹拌接合に一層適しており、
幅広形材及び幅広板材では上記歪みの発生を防止する要
請が特に強い。本発明では、アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金の幅広形材または幅広板材に対して請求項3
または4記載の発明を適用しているので、その発明の効
果が一層顕著に表れる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
と共に説明する。図1は、本発明が適用された製造装置
の構成を概略的に表す説明図である。図1(A)の側面
図に示すように、本実施の形態の製造装置は、表面が凸
型に湾曲した裏当てジグ1と、その裏当てジグ1に対向
配置された回転工具3とを備え、裏当てジグ1は、表面
に複数の金属部材5を端面を突き合わせた状態で拘束し
ながら、図示しない搬送テーブルと一体に矢印A方向に
搬送される。また、回転工具3は、大径の肩部3aと、
その肩部3aの下端から突出した金属部材5の突き合わ
せ部に挿入される小径の柱3bとを備えた周知のもの
で、図示しない駆動系から駆動力を伝達されて回転す
る。
【0016】これによって、図1(B)に示すように、
回転工具3の矢印A方向側(以下、後方ともいう)に
は、金属部材5を構成する金属材料同士が撹拌されて接
合された接合部5aが形成される。また、回転工具3の
後方には、図1(A)に示すように、上記接合により金
属部材5に生じた歪みを接合部5aを押圧することによ
って矯正するローラ7と、回転工具3による接合が行わ
れる部分に冷媒としての水Wを噴射する冷却ノズル9と
が設けられている。
【0017】更に、金属部材5の表面には、回転工具
3,ローラ7,及び冷却ノズル9を周囲から矩形に取り
囲んで上記噴射された水Wを堰き止めるスポンジパッド
製(粘土製,ゴム製等であってもよい)の冷媒漏れ防止
壁11が設けられている。この冷媒漏れ防止壁11も回
転工具3,ローラ7,及び冷却ノズル9と同様に、金属
部材5に対して相対的に摺動可能とされている。この冷
媒漏れ防止壁11の下端にホース13aを介して接続さ
れた循環用ポンプ13は、冷媒漏れ防止壁11の内側に
貯留された水Wを回収し、その水Wをホース13bを介
して再び冷却ノズル9に供給する。すなわち、冷媒漏れ
防止壁11及び循環用ポンプ13は冷媒回収手段に相当
する。
【0018】このように構成された本実施の形態の製造
装置では、前述のように回転工具3によって金属部材5
を摩擦撹拌接合するに当たり、摩擦撹拌接合が行われる
部分を冷却ノズル9から噴射した水Wを用いて冷却する
ことができ、摩擦撹拌接合後の接合部5aをローラ7で
押圧することにより歪みを矯正することもできる。更
に、摩擦撹拌接合される金属部材5を裏当てジグ1の凸
型に湾曲した表面で拘束することにより、一層良好に歪
みを除去することができる。
【0019】ここで、金属部材5に生じる歪み量は、回
転工具3の回転数、接合速度(金属部材5の移動速
度)、工具径(柱3bの径)、及び工具差し込み深さに
基づいて接合時に発生する入熱量が分かり、その入熱量
に基づいて接合時の金属部材5における熱分布が算出で
き、その熱分布に対応した温度勾配と形材の剛性とによ
り上記歪み量が計算できる。歪む方向は、形材の中立点
と接合位置との関係による。裏当てジグ1は、金属部材
5に周囲が上方に反り曲がる方向の歪みが発生する場合
を想定しているが、金属部材5に周囲が下方に反り曲が
る方向の歪みが発生する場合は、図2に示すように表面
が凹型に湾曲した裏当てジグ21を使用すればよい。な
お、図2では、図1と同様の構成部分には図1で使用し
たものと同じ符号を使用した。また、裏当てジグの表面
形状には、上記歪み量の計算結果に応じて、球面状,蒲
鉾状,鞍状等の種々の形状を採用することができる。
【0020】
【実施例】次に、裏当てジグ1の形状,接合条件,金属
部材5の形状等を具体的に設定して上記実施の形態の効
果を検証した。その結果を以下に示す。 実施例 6N01合金のT5材からなる200mm幅の台形形材
51を幅方向に9枚、80mm幅のL型形材53を2枚
接合し、広幅金属材としての長さ5800mm,幅19
60mmのパネル50を作製した。形材継手部の板厚は
6.0mmである。図3(A)にパネル50の平面図を
図3(B)にその正面図を示す。なお、図3(A)にお
ける寸法の単位はmmで、矢印Aは接合時のパネル50
の移動方向を示している。また、図3(B)における矢
印FSWは、摩擦撹拌接合を行った箇所を示している。
すなわち、本実施例では、10個の回転工具3を並列に
設けて10箇所で摩擦撹拌接合を並行して実行した。
【0021】接合条件は、回転工具3の回転数2000
rpm、接合速度500mm/分、工具肩部径φ16m
m、小径の柱3bは柱径φ4mm,長さ5.8mm、工
具差し込み深さ6.0mmとした。摩擦撹拌接合が行わ
れる部分を冷却ノズル9から毎分5リットルの水Wを噴
射することによって冷却し、回転工具3の柱3bから1
00mm後方を鋼製のローラ7を用いて5kNで加圧し
た。更に、裏当てジグ1は、上記摩擦撹拌接合が行われ
る各部に計10個設け、図示しない搬送テーブルとの間
に適宜のスペーサを介在させて高さを相違させることに
より、その上面が全体として半径3×105 mmの球面
状の湾曲面100を形成するようにした。この結果、接
合後のパネル50における長手方向の反り、及び、幅方
向の角変形(横曲がり)は、いずれも1mm以下となっ
た。
【0022】比較例1 これに対して、裏当てジグの上面を従来のように平板状
に配設し、他の条件は実施例と同様にした場合、長手方
向の反りは7mm、幅方向の角変形は6mmとなった。
【0023】比較例2 更に、冷却ノズル9による冷却もローラ7による押圧も
行わず、他の条件は比較例1と同様にした場合、長手方
向の反りは13mm、幅方向の角変形は15mmであっ
た。なお、図3(A)には、この比較例2における長手
方向の反り及び幅方向の角変形の数値をパネル50の表
面に数字で示している。細字は反りを表し、パネル50
の長手方向両端に張った糸と表記位置におけるパネル5
0の表面との距離をmmで表している。太字は角変形を
表し、パネル50の幅方向両端に張った糸と表記位置に
おけるパネル50の表面との距離をmmで表している。
【0024】比較例3 6N01合金のT5材からなる厚さ4mmのT型形材を
幅方向に5枚摩擦撹拌接合し、長さ6000mm,幅1
000mmのパネルを作製した。裏当てジグとしては厚
さ100mmの平板を使用し、接合条件は、回転工具3
の回転数2000rpm、接合速度500mm/分、工
具肩部径φ16mm、小径の柱3bは柱径φ4mm,長
さ3.8mm、工具差し込み深さ4.0mmとした。ま
た、冷却ノズル9による冷却もローラ7による押圧も行
わなかった。この接合の結果、長手方向の反りは16m
m、幅方向の角変形は4mmであった。
【0025】比較例4 6N01合金のT5材からなる厚さ4mmのT型形材を
幅方向に5枚MIG溶接によって接合し、長さ6000
mm,幅1000mmのパネルを作製した。接合の結
果、長手方向の反りは40mm、幅方向の角変形は12
mmであった。
【0026】比較例5 5083合金のH112材からなる厚さ4mmのT型形
材を幅方向に3枚摩擦撹拌接合し、長さ1000mm,
幅600mmのパネルを作製した。裏当てジグとしては
厚さ100mmの平板を使用し、接合条件は、回転工具
3の回転数2000rpm、接合速度500mm/分、
工具肩部径φ16mm、小径の柱3bは柱径φ4mm,
長さ3.8mm、工具差し込み深さ4.0mmとした。
また、冷却ノズル9による冷却もローラ7による押圧も
行わなかった。この接合の結果、長手方向の反りは3m
m、幅方向の角変形は2mmであった。
【0027】比較例6 比較例5において冷却ノズル9による冷却とローラ7に
よる押圧矯正を行うことにより、長手方向の反り及び幅
方向の角変形はいずれも1.5mmとなった。以上のよ
うに、本実施例では、摩擦撹拌接合が行われる部分を水
Wで冷却しているので、熱膨張,熱収縮による歪みの発
生を抑制することができる。この冷却によって歪みは冷
却を行わない場合の1/3程度に減少するが、依然とし
て歪みのある状態である。これは、次のような理由によ
る。すなわち、摩擦撹拌接合は、金属部材5を構成する
金属材料を摩擦熱により高温の塑性流動状態にし、回転
工具3の回転により金属材料を撹拌して接合する方法で
ある。このため、接合中に金属部材5を冷却する効果に
は限界がある。
【0028】そこで、本実施例では摩擦撹拌接合後の接
合部5aをローラ7で押圧することにより、金属材料が
軟化状態にある間に歪みを矯正することができた。しか
しながら、本実施例のように多くの接合箇所がある広幅
大型のパネルを作製する場合は、上記冷却及び押圧矯正
だけでは完全に歪みを除去できない場合がある(比較例
1参照)。そこで、本実施例では、上記摩擦撹拌接合
を、上記歪みの発生方向とは逆方向に湾曲した裏当てジ
グ1上に金属部材5を拘束して行うことにより、きわめ
て良好に歪みを除去することができた。従って、本実施
例では、金属部材5を接合して幅広大型のパネルを作製
する場合にも、歪みの発生を良好に防止することができ
る。
【0029】また、本実施例では、毎分5リットルとい
った大量の水Wを冷却ノズル9から噴射しているが、噴
射された水Wは冷媒漏れ防止壁11及び循環用ポンプ1
3によって回収され、再び冷却ノズル9へ供給される。
このため、水Wの無駄を良好に防止することができる。
また、この種の製造装置の駆動系にはグリスや機械油等
の潤滑剤が使用されており、水Wと潤滑剤とが混ざり合
うと駆動系に悪影響を及ぼす場合があるが、水Wは前述
のように回収されるので、その水Wが製造装置の駆動系
に悪影響を及ぼすのも良好に防止することができる。
【0030】なお、本発明は上記実施例及び実施の形態
に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲で種々の形態で実施することができる。例え
ば、冷媒漏れ防止壁11は図1(B)に示したような矩
形形状に限らず、円形、楕円形等種々の形状に構成する
ことができる。また、水Wの回収方法は、冷媒漏れ防止
壁11による方法に限らず種々の方法で回収することが
考えられる。更に、製造装置の駆動系を適切に構成して
水Wの悪影響を排除した場合、水Wを回収する構成を省
略して冷却ノズル9からは新鮮な水Wを噴射するように
してもよい。
【0031】また、冷媒としては水W以外にも種々の流
体を使用することができ、揮発性かつ不燃性の液体を使
用したり、空冷にしたりすることもできる。更に、上記
実施の形態では回転工具3を固定した上で金属部材5を
移動させているが、金属部材5を固定した上で回転工具
3を移動させてもよい。また更に、本発明はアルミニウ
ム合金の形材の接合に限らず、純粋なアルミニウムや銅
等の他の金属からなる金属部材を接合する装置に対して
も適用することができ、金属部材は板材等であってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用された製造装置の構成を概略的
に表す説明図である。
【図2】 その製造装置の変形例の構成を概略的に表す
側面図である。
【図3】 実施例及び比較例で作製されたパネルの構成
を表す平面図及び正面図である。
【符号の説明】
1,21…裏当てジグ 3…回転工具 5…
金属部材 5a…接合部 7…ローラ 9…
冷却ノズル 11…冷媒漏れ防止壁 13…循環用ポンプ 50
…パネル 51…台形形材 53…L型形材 W…
フロントページの続き (72)発明者 野々田 八郎 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E067 AA05 AA07 BG00 BG06 CA04 DB07 DC05 DD02 EC01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部材の端面を突き合わせ、回転工具
    を回転しながらその回転工具と上記金属部材とを上記突
    き合わせ部分に沿って相対的に移動させることより、上
    記金属部材を摩擦撹拌接合して広幅金属材を製造する広
    幅金属材の製造方法であって、 上記摩擦撹拌接合が行われる部分を冷媒を用いて冷却
    し、 上記摩擦撹拌接合後の接合部をローラで押圧して歪みを
    矯正し、 かつ、上記摩擦撹拌接合を、上記歪みの発生方向とは逆
    方向に湾曲した裏当てジグ上に上記金属部材を拘束して
    行うことを特徴とする広幅金属材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記金属部材が、アルミニウムまたはア
    ルミニウム合金の幅広形材または幅広板材であることを
    特徴とする請求項1記載の広幅金属材の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属部材の端面を突き合わせ、回転工具
    を回転しながらその回転工具と上記金属部材とを上記突
    き合わせ部分に沿って相対的に移動させることより、上
    記金属部材を摩擦撹拌接合して広幅金属材を製造する広
    幅金属材の製造装置であって、 上記摩擦撹拌接合が行われる部分に冷媒を噴射する冷却
    ノズルと、 上記摩擦撹拌接合後の接合部を押圧して歪みを矯正する
    ローラと、 上記回転工具と対向配置され、上記歪みの発生方向とは
    逆方向に湾曲した面で上記金属部材を拘束する裏当てジ
    グと、 を備えたことを特徴とする広幅金属材の製造装置。
  4. 【請求項4】 上記冷却ノズルから噴射された冷媒を回
    収して再び上記冷却ノズルに供給する冷媒回収手段を、 更に備えたことを特徴とする請求項3記載の広幅金属材
    の製造装置。
  5. 【請求項5】 上記金属部材が、アルミニウムまたはア
    ルミニウム合金の幅広形材または幅広板材であることを
    特徴とする請求項3または4記載の広幅金属材の製造装
    置。
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