JP2002153851A - ダイオキシン類を含有する焼却灰の無害化処理剤 - Google Patents

ダイオキシン類を含有する焼却灰の無害化処理剤

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JP2002153851A
JP2002153851A JP2000351233A JP2000351233A JP2002153851A JP 2002153851 A JP2002153851 A JP 2002153851A JP 2000351233 A JP2000351233 A JP 2000351233A JP 2000351233 A JP2000351233 A JP 2000351233A JP 2002153851 A JP2002153851 A JP 2002153851A
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Masutaka Shibata
益崇 芝田
Masao Morita
正夫 森田
Norimasa Soejima
規正 副島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焼却灰に含まれるダイオキシン類や重金属化合
物等の有害物質を効果的に固定・分解して無害化するこ
とが可能であり、また焼却灰から発生する臭気をも効果
的に低減することが可能な無害化処理剤を提供する。 【解決手段】3価のアルミニウム缶と3価の鉄塩とアル
ミナカリウム塩と、アルカリ金属塩とアルカリ土類金属
塩とを溶媒水に溶解して成ることを特徴とするダイオキ
シン類を含有する焼却灰の無害化処理剤である。また、
アルカリ金属塩が硫酸カリウム(KSO)である一
方、アルカリ土類金属塩が硫酸マグネシウム(MgSO
)であることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイオキシン類を含
有する焼却灰の無害化処理剤に係り、特に焼却灰に含ま
れるダイオキシン類や重金属化合物等の有害物質を効果
的に固定・分解して無害化することが可能であり、また
焼却灰から発生する臭気をも効果的に低減することが可
能な無害化処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、国内において生活廃棄物などの一
般廃棄物および各事業所から排出される産業廃棄物の焼
却によって発生する焼却灰は1年間600万トンにも及
び、その排出量は、年々増加の一途を辿っている。これ
らの発生した焼却灰は最終的に処分場に投棄・埋立てさ
れているが、焼却灰中に含有される重金属類やダイオキ
シン類の溶出,焼却灰自体の飛散,臭気の拡散などが社
会問題化しており、新規処分場の建設が地域住民の反対
により極めて困難な状況になっている。
【0003】一般に廃棄物を焼却処分する際に発生する
燃焼排ガス中に含有されるダイオキシン類や有害物質を
低減するためには、燃焼処理条件を工夫するほかに各種
有害物除去装置を焼却設備に付設する等の対策が講じら
れている。例えば、廃棄物の焼却温度を1400℃と比
較的高温度に設定して焼却することによりダイオキシン
成分を無害な化合物に変化させて無害化するという方法
も採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように無害化された高温度の焼却灰を約200℃まで冷
却した段階で化合物が再度酸素と化学的に結合して有害
なダイオキシン類に戻ってしまうという傾向が確認され
た。
【0005】従来から、これらのダイオキシン類や重金
属成分を完全に無害化する技術は未だ確立されておら
ず、前記のように特定の処分地に投棄するのが、通例で
あった。しかし、処分地が確保されたとしても、悪臭の
発生,有害成分の経年流出による土壌や地下水の汚染,
含水汚泥化して周辺へ流出し易い等の問題は解消されて
いない状況である。
【0006】また焼却灰に含有されるダイオキシン類や
有害重金属成分を封じ込める対策として、焼却灰をコン
クリート固化したり、ガラス固化したりする無害化処理
法も試行されている。しかしながら、固化物を形成する
ための溶融プラント(ガス化溶融炉)の設備費は、極め
て高価であり、またランニングコストも焼却灰1トン当
り4〜5万円程度と高額になるため、廃棄物の処理量が
少ない小規模処理事業所や自治体に普及させることは困
難な状況である。
【0007】また溶融固化して形成した溶融固化物(ス
ラッジ)はガラス状になり、吸水性が殆どなく、路盤材
などにリサイクルすることは困難であり、いずれにして
も再利用する用途が狭い範囲に限定されてしまう問題点
があった。
【0008】さらに、水銀(Hg),カドミウム(C
d),六価クロム(Cr+6),鉛(Pb),砒素(A
s),シアン等の有害金属成分を除去するために、各種
化学薬品を使用した凝集沈殿法等によって処理する装置
も開発されているが、その設備費および運転費が高騰す
るため、前記のように、小規模な処理場には適用が困難
となる上に、分別した有害金属成分の二次処理もさらに
必要になり、またその溶出も考えられるため、抜本的な
解決策にはなり得ないという問題点もあった。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、焼却灰に含まれるダイオキシン類や重
金属化合物等の有害物質を効果的に固定・分解して無害
化することが可能であり、また焼却灰から発生する臭気
をも効果的に低減することが可能な無害化処理剤を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明者は粒子の凝集作用,脱臭作用,化学変化作用を
有する種々の化合物を含有する処理剤を各種調製し、こ
れらの処理剤を焼却灰に所定量添加して処理した後にお
いて溶出試験を実施し、焼却灰から溶出するダイオキシ
ン類や有害重金属成分の溶出量を比較測定した。
【0011】その結果、3価のアルミニウム塩と3価の
鉄塩とアルミナカリウム塩とアルカリ金属塩とアルカリ
土類金属塩とを含有した処理剤を使用して焼却灰を処理
したときに、焼却灰からの有害重金属成分の溶出が効果
的に防止でき、特に焼却灰に含有されていたダイオキシ
ンの溶出量が大幅に低減できるという知見を得た。また
処理した焼却灰から異臭がなくなり、焼却灰が効果的に
無害化されていることが確認できた。本発明は上記知見
に基いて完成されたものである。
【0012】すなわち、本発明に係るダイオキシン類を
含有する焼却灰の無害化処理剤は、3価のアルミニウム
塩と3価の鉄塩とアルミナカリウム塩と、アルカリ金属
塩とアルカリ土類金属塩とを溶媒水に溶解して成ること
を特徴とする。
【0013】また上記無害化処理剤において、アルカリ
金属塩が硫酸カリウム(KSO)である一方、アル
カリ土類金属塩が硫酸マグネシウム(MgSO)であ
ることが好ましい。
【0014】ここで本発明に係る焼却灰無害化処理剤に
含有される3価のアルミニウム塩としては、Al(S
,Al(NO,AlCl,AlB
,AlF,Al,Al(OH)等の各種
の化合物が好適に適用でき、無害化剤の溶媒1リットル
に対して10〜200gの割合で添加される。
【0015】また、3価の鉄塩としては、Fe(SO
,Fe(NO,FeCl,FeBr
FeF,Fe等の種々の化合物が好適に適用で
き、無害化剤の溶媒1リットルに対して10〜30gの
割合で添加される。
【0016】上記3価のアルミニウム塩と3価の鉄塩と
は、焼却灰の灰分を凝集させて、有害成分を凝集粒子内
に封じ込めて固定化する作用を主として発揮するもので
あり、添加割合が上記下限値未満であると十分な作用効
果が得られない一方、上限値を超えて添加しても、その
効果が飽和してしまうため、経済的でない。
【0017】アルミナカリウム塩としては、KAl(S
などの化合物が好適に使用でき、無害化剤の溶
媒1リットルに対して10〜45gの割合で添加され
る。このアルミナカリウム塩はアルミノ硫酸塩およびカ
リウム硫酸塩の複塩であり、このうちアルミノ塩が解離
してイオン化し凝集作用を発揮し、有害成分を凝集粒子
内に封じ込めて固定化する一方、カリウム塩は灰分粒子
を疎水化させる作用を果して有害成分が溶出することを
防止し、正荷電は灰分粒子に対して凝集剤として作用す
る。
【0018】また、アルカリ金属塩としては、KSO
,NaSOなどが好適に使用できるが、特にK
SOが好ましい。一方、アルカリ土類金属塩として
は、MgSO,CaSO,BaSOなどが好適に
使用できるが、特にMgSOが好ましい。
【0019】上記アルカリ金属塩およびアルカリ土類金
属塩は有害成分を分解または固定する作用があり、特に
ダイオキシン類を化学変化させて、無害の化合物に転換
する作用を有する。そのため、無害化剤の溶媒1リット
ルに対してアルカリ金属塩は20〜40gの割合で添加
される一方、アルカリ土類金属塩は60〜100gの割
合で添加される。
【0020】また上記3価のアルミニウム塩,3価の鉄
塩,アルミナカリウム塩,アルカリ金属塩,アルカリ土
類金属塩は相互的に作用して焼却灰に含有される臭気成
分を効果的に分解したり、凝集粒子内に固定化する作用
効果を発揮する。
【0021】本発明に係る焼却灰無害化処理剤は、イオ
ン価が異なる上記各塩化合物を、各化合物にとって溶媒
である水等に溶解可能な濃度を有するように溶解して調
製される。溶解操作は一定量の水に秤量した各化合物を
一度に溶解させてもよいが撹拌しながら少量ずつ添加し
て実施することが好ましい。
【0022】また本発明に係る焼却灰無害化処理剤は、
調製する際の溶解の容易性および調製された後の保管,
輸送等の取扱いの容易性の観点から、溶液全体を基準と
して化合物全量の割合が、30重量%程度が上限となる
ような濃度で調製することが好ましい。
【0023】上記本発明に係る焼却灰無害化処理剤を使
用して焼却灰を処理する手順は以下の通りである。すな
わち、焼却灰の処理灰の重量を基準として5〜20重量
%,好ましくは8〜10重量%の水を添加して、被処理
焼却灰にある程度の流動性を付与する。次に本発明の無
害化処理剤をその有効固形成分含有量(鉄,アルミニウ
ム,カリウム,マグネシウム塩の合計量)で換算して、
処理灰重量に対して0.5重量%の範囲まで,好ましく
は0.005〜0.3重量%の範囲,特に好ましくは
0.01〜0.2重量%の範囲で投入して均一に撹拌混
合した後に10〜24時間放置する。
【0024】上記放置時間の間に、ダイオキシン類は処
理剤に含まれる各種金属塩によって一部が分解されて無
害な化合物に変化するとともに一部のダイオキシン類や
重金属有害成分を含有する焼却灰は、粒子凝集物にな
り、さらには小塊状物にまで凝固する。このときダイオ
キシン類や重金属成分などの有害物は、凝集粒子内に封
止されて安定な状態で固定される。
【0025】そのため、上記粒子凝集物を水中に浸漬し
て長時間放置しても、この凝集物から灰分中に含有され
る有害物質、すなわちダイオキシン類や水銀(Hg),
カドミウム(Cd),六価クロム(Cr+6),鉛等が
溶出することが効果的に防止でき、有害物質が事実上無
害化される。
【0026】上記有害物質を無害化できる機構につい
て、本発明者が鋭意研究した結果、次のような原理に基
づくものと考えられる。すなわち、ダイオキシン類およ
び有害成分と無害化剤に含有される各種化合物との反応
により、ダイオキシン類および有害成分が分解された
り、無害な化合物に変化すると同時に、正電荷を有する
無機金属と焼却灰を構成する負電荷の微粒子とが静電気
的に結合することにより、互いに電気的に中和して、そ
れぞれ電荷を失い、電荷を失った粒子が相互に吸着し合
って凝集する。このときダイオキシン類および有害成分
は微粒子の内部に取り込まれた状態で凝集されるため、
ダイオキシン類が安定した状態で固定される。また凝集
物が水に対して水溶性を有するように変化する。
【0027】すなわち、本発明に係る焼却灰無害化処理
剤を使用して灰分を凝集させると、有害物質が各種金属
塩との化学反応により分解または転換されると同時に灰
分中の有害物質が凝集粒子中に捕捉され、その凝集粒子
が水不溶性を有する小塊状物にまで増大し、結果的に雨
水や地下水に接触した場合においても、有害物質が溶け
出すおそれはなく、有害物質の経年流出が効果的に防止
できる。
【0028】さらに本発明に係る焼却灰無害化処理剤を
用いて処理した焼却灰は、本来臭気成分として含有され
ていたメルカプタン,トリメチルアミン,酪酸,硫化水
素,ガソリンに含有されるベンゼン類,工業用溶剤とし
てのテトラクロロエチレン,トリクロロエチレン,二酸
化イオウ(SO),窒素酸化物(NOx)等の臭気性
汚染物質が効果的に除去されており、異臭を発生するこ
とがない。すなわち、本発明に係る焼却灰無害化処理剤
は優れた脱臭効果も発揮する。
【0029】本発明の焼却灰無害化処理剤を適用する焼
却灰は、特に限定されるものではなく、可燃性の工場廃
棄物,汚泥,家庭廃棄物等のいずれの焼却灰にも適用す
ることが可能である。また本発明に係る焼却灰無害化処
理剤を構成する各種金属塩はいずれも安価であり、また
焼却灰に対する必要添加量も少量であるため、環境破壊
の虞がある焼却灰を安価にかつ効率的に無害化すること
が可能である。
【0030】本発明に係る焼却灰無害化処理剤によれ
ば、3価のアルミニウム塩と3価の鉄塩とアルミナカリ
ウム塩とアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩とを含有
しているため、これらの金属塩によりダイオキシン類お
よび有害成分の一部が分解されたり、無害な化合物に変
換されると同時に、これらの金属塩の凝集作用により灰
分が凝集し、ダイオキシン類および有害成分が凝集粒子
内に安定的に封じ込まれて固定される。そのため、処理
した焼却灰が雨水や地下水に接触した場合においても有
害成分等が溶出することが少なく、環境破壊を効果的に
防止できる。
【0031】また本発明の無害化処理剤を構成する原料
はいずれも安価であり、また、その使用量も少量であ
り、かつ処理操作も簡便であるため、小規模な処理施設
においても焼却灰を低コストで経済的に処理可能であ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例および比較例に基づいて説明する。
【0033】焼却灰無害化処理剤の調製 表1に示すような成分組成となるように、3価のアルミ
ニウム塩,3価の鉄塩,アルミナカリウム塩,アルカリ
金属塩およびアルカリ土類金属塩を所定量ずつ秤量し、
これらの金属塩を1リットルの水を充填した撹拌機付容
器内に投入し、30〜35℃の温度に加熱しながら均一
に撹拌することにより、各実施例および比較例に係る焼
却灰無害化処理剤を調製した。各処理剤中のFe,A
l,K,Mgの総含有量は表1に示す。
【0034】比較例1は本発明で規定する金属塩を全く
含有しない水のみから成り、比較例2,3は実施例1,
2においてアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を
含有しない処理剤に相当する。
【0035】
【表1】
【0036】処理対象とする焼却灰の仕様 処理対象の焼却灰として、日量450トンの一般廃棄物
を焼却処理する清掃工場で排出される焼却灰を選定し
た。この焼却灰には1kg当りに下記の量で有害物質を
含有しており、異臭を放出するものである。
【0037】
【外1】
【0038】ここでダイオキシン類は、一般にダイオキ
シン(PCDDs)とフラン(PCDFs)との総称と
して使用され、炭素,水素,酸素,塩素から成る有機化
合物であり、構成元素の数および結合位置の相違によ
り、表2に示すように多数の異性体および同族体が存在
する。本発明の実施例において分析測定対象となるダイ
オキシン類の略号を下記表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】焼却灰の無害化処理試験 前記仕様の焼却灰を10kgずつ分取し、各試料焼却灰
に1リットルずつ水を添加し、さらに前記のように調製
した各実施例および比較例に係る焼却灰無害化処理剤の
1種を200cc添加して均一に撹拌した。各試料焼却
灰に対する無害化処理剤の添加量は、無害化処理剤の有
効固形分含有量(Fe,Al,KおよびMg塩の合計
量)に換算して表1右欄に示す値となる。
【0041】各試料を約1日放置すると、各実施例およ
び比較例2,3の焼却灰はいずれも砂状に凝集し、高い
圧潰強度を有していた。これらの砂状物から成る凝集物
はいずれも無臭であり、臭気成分が効果的に分解除去ま
たは固定化されていることが確認できた。一方、比較例
1については、当然ながら、水分による焼却灰の付着が
あるものの、圧潰し易く、臭気成分の分解・固定がない
ため、異臭を放出していた。
【0042】溶出試験 次に上記のように処理した各試料焼却灰を100gずつ
採取し、1リットルの水に投入し72時間放置した後に
濾別し、濾液中に溶出しているダイオキシン類の濃度を
測定して表3に示す結果を得た。また濾液中に溶出して
いる有害成分濃度を測定して表4に示す結果を得た。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】上記表3および表4に示す溶出試験結果か
ら明らかなように、3価のアルミニウム塩,3価の鉄
塩,アルミナカリウム塩,アルカリ金属塩およびアルカ
リ土類金属塩を含有した各実施例の無害化処理剤で処理
した焼却灰の場合には、上記金属塩を全く含まない比較
例1の場合と比較して、ダイオキシン類および有機金属
およびその化合物の溶出が極めて少なく、有害物質が効
果的に分解されたり、安定的に固定化されていることが
実証された。
【0046】また、比較例2,3においても、焼却灰の
凝集化による有害成分の固定および無臭化はある程度進
行していることは確認できたが、処理剤にアルカリ金属
塩およびアルカリ土類金属塩が含有されていないため
に、ダイオキシン類の分解除去および固定化が不十分で
あり、各実施例と比較してダイオキシン類の溶出量が多
くなることが確認された。
【0047】また、各実施例に係る焼却灰無害化処理剤
と焼却灰と砕石との混合体をクラッシャー等により粉砕
後、得られた粉砕粉を篩分した後に、さらに微粉砕する
ことにより、砕石粉と一体化した再生砂を効率的に得る
ことが可能となる。得られた再生砂は土木建築用の資材
として、再利用することが可能になり、小規模な焼却処
理場においても焼却灰のリサイクル化が実現するとい
う、画期的なシステムとなり得る。
【0048】上記焼却灰のリサイクル化は、焼却灰の発
生量を実質的に70〜80程度減少させることになり、
最終埋立て処分場の耐用期間を大幅に延伸することがで
き、社会政策的にも極めて有利である。
【0049】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係るダイオキ
シン類を含有する焼却灰の無害化処理剤によれば、3価
のアルミニウム塩と3価の鉄塩とアルミナカリウム塩と
アルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩とを含有している
ため、これらの金属塩によりダイオキシン類および有害
成分の一部が分解されたり、無害な化合物に変換される
と同時に、これらの金属塩の凝集作用により灰分が凝集
し、ダイオキシン類および有害成分が凝集粒子内に安定
的に封じ込まれて固定される。そのため、処理した焼却
灰が雨水や地下水に接触した場合においても有害成分等
が溶出することが少なく、環境破壊を効果的に防止でき
る。
【0050】また本発明の無害化処理剤を構成する原料
はいずれも安価であり、また、その使用量も少量であ
り、かつ処理操作も簡便であるため、小規模な処理施設
においても焼却灰を低コストで経済的に処理可能であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 副島 規正 東京都台東区台東1−6−1 ファミリー テレホン株式会社内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BB00 BC02 BD11 4D004 AA36 AB07 CA15 CA34 CA45 CA48 CC13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3価のアルミニウム塩と3価の鉄塩とア
    ルミナカリウム塩と、アルカリ金属塩とアルカリ土類金
    属塩とを溶媒水に溶解して成ることを特徴とするダイオ
    キシン類を含有する焼却灰の無害化処理剤。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属塩が硫酸カリウム(K
    )である一方、アルカリ土類金属塩が硫酸マグネシ
    ウム(MgSO)であることを特徴とする請求項1記
    載のダイオキシン類を含有する焼却灰の無害化処理剤。
JP2000351233A 2000-11-17 2000-11-17 ダイオキシン類を含有する焼却灰の無害化処理剤 Pending JP2002153851A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006022166A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Tosoh Corp 有機ハロゲン化物で汚染された被処理物の無害化処理方法

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