JP2002152296A - 位相検出装置とそれを用いた位相同期回路 - Google Patents

位相検出装置とそれを用いた位相同期回路

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JP2002152296A
JP2002152296A JP2000338445A JP2000338445A JP2002152296A JP 2002152296 A JP2002152296 A JP 2002152296A JP 2000338445 A JP2000338445 A JP 2000338445A JP 2000338445 A JP2000338445 A JP 2000338445A JP 2002152296 A JP2002152296 A JP 2002152296A
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signal
carrier
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carrier signal
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Soichi Takahashi
聡一 高橋
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリア位相の複素信号としての値を簡単に
求め、PLLにおける初期同期時間を短くし、さらに、
消費電力を低減すると共に、DSPを用いる場合の処理
量を少なくする。 【解決手段】 位相検出装置に、キャリア信号周波数f
cに対して、その4n(nは任意の整数)倍のサンプリ
ング周波数fs(=4n×fc)でサンプリングする手
段(電圧制御発振器VCO107)と、キャリア信号1
周期分をサンプリングした信号の1番目から4n番目の
うち、k番目(kは1からnまでの整数)または(k+
2n)番目の信号からキャリア信号の位相の同相成分を
取り出し、(k+n)または(k+3n)からキャリア
信号の位相の直交成分を取り出す手段(セレクタ10
4、タイミング発生回路106)と、これらの同相成分
と直交成分の値から、キャリア信号と基準信号との位相
差を算出する手段(位相計算回路105)とを設けるこ
とにより、受信したキャリア信号の同相成分と直交成分
を容易に検出できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線および有線で
の通信や、磁気記録装置からの読み取り等において、受
信信号に含まれるキャリア信号や、データのクロック信
号を位相同期して再生する技術に係わり、特に、信号処
理をデジタル的に行う場合の、位相同期に必要な位相検
出を効率的に行なうのに好適な位相検出装置とそれを用
いた位相同期回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無線および有線での通信や、磁気記録装
置からの読み取り等においては、キャリア信号や、デー
タのクロック信号を受信側で再生することが必要とな
る。このために通常、位相同期回路(Phase Lock Loo
p、以下「PLL」と記載)を使用し、受信信号に含ま
れるキャリア信号またはクロック信号を抽出して、これ
に追従する信号を作り出している。
【0003】PLLにおいては、例えば、特開平07−
202872号公報の「クロック再生器」に示されるよ
うに、キャリア信号またはクロック信号を抽出するため
に、次の図6に示すように位相検出装置が用いられてい
る。
【0004】図6は、従来の位相検出装置を用いたPL
Lの構成例を示すブロック図である。
【0005】図6において、101は受信信号の入力
端、102はA/Dコンバータ(図中、「A/D」と記
載)、103はキャリア抽出回路、107は電圧制御発
振器(Voltage Controlled Oscillator、図中および以
下「VCO」と記載)、108はループフィルタであ
る。
【0006】破線の四角で囲まれた部分が位相検出装置
600であり、この位相検出装置600は、乗算器60
1とローパスフィルタ(図中、「LPF」と記載)60
2および参照キャリア発生器603によって構成されて
いる。
【0007】通常、デジタル信号処理によって受信信号
の処理を行う場合、受信信号はA/Dコンバータ102
によってデジタル値に変換される。このとき、A/Dコ
ンバータ102によるサンプリングは、受信システムに
おける基準クロック信号のタイミングによって行われ
る。図6では、PLLによって再生されるVCO107
の出力を、A/Dコンバータ102によるサンプリング
制御に使用した例を示している。
【0008】受信信号でキャリア成分が抑圧されている
場合、受信信号からキャリア成分を発生させる必要があ
り、そのためのキャリア抽出回路103が設けられてい
る。このキャリア抽出回路103は、例えば、自乗回路
や絶対値回路等の非線型処理を行うことによって、キャ
リア成分を発生させ、これをバンドパスフィルタ(BP
F)で抽出することにより、キャリア信号を取り出す。
【0009】キャリア抽出回路103により取り出され
たキャリア信号は、位相検出装置600によって、受信
機の基準信号とで位相の比較が行われる。
【0010】位相検出装置600における参照キャリア
信号発生器603は、キャリア抽出部103で取り出さ
れたキャリア信号と同じ周波数の信号(以下、「参照キ
ャリア信号」という)を発生させる回路であり、ここで
は、VCO107からの信号を分周することによって、
参照キャリア信号を発生させている。
【0011】参照キャリア信号発生器603で発生させ
た参照キャリア信号と、キャリア抽出回路103により
受信信号から取り出されたキャリア信号とは、乗算器6
01で掛け合わされた後、ローパスフィルタ602で低
周波成分を取り出すことによって、その位相差が検出さ
れる。
【0012】この位相差をループフィルタ108を介し
てVCO107に帰還することによって、受信信号のキ
ャリア信号に同期したVCO出力を得ることができる。
【0013】しかし、このようにして位相検出装置60
0で検出されたキャリア位相は、位相値(「Φ」)その
ものでなく、その正弦値(「sinΦ」)、すなわち、
複素信号で表わした場合、実軸上への射影の値によって
表わしている。そのため、PLLで必須となる初期同期
捕捉において、キャリア位相が初期状態で「0」から大
きく離れた値である場合、同期捕捉に時間がかかってし
まう。
【0014】また、このような構成の位相検出装置60
0を用いる場合、PLLを構成する各ハードウェア部
を、サンプリング・タイミング毎に動作させねばならな
い。このように、回路各部がサンプリング・タイミング
毎に動作するために消費電力が多くなり、また、PLL
をDSP(Digital Signal Processor)等を用いたプロ
セッサで実現する場合には、処理量が多くなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来の技術では、キャリア位相の複素信号として
の値(cosΦ、sinΦ)を簡単に求めることができ
ない点と、位相検出装置を設けたPLLを構成する各ハ
ードウェア部を、サンプリング・タイミング毎に動作さ
せなければならない点である。
【0016】本発明の目的は、これら従来技術の課題を
解決し、PLLにおける初期同期時間を短くすること、
および、消費電力を低減すること、ならびに、DSPを
用いる場合の処理量を少なくすることが可能な位相検出
装置とそれを用いた位相同期回路を提供することであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の位相検出装置とそれを用いた位相同期回路
では、位相検出装置に、入力されたキャリア信号のキャ
リア周波数fcに対して、その4n(nは任意の整数)
倍のサンプリング周波数fs(=4n×fc)でサンプ
リングする手段(電圧制御発振器VCO107)と、キ
ャリア信号1周期分をサンプリングした信号の1番目か
ら4n番目のうち、「k」番目(kは1からnまでの整
数)または「k+2n」番目の信号からキャリア信号の
位相の同相成分を取り出し、「k+n」または「k+3
n」からキャリア信号の位相の直交成分を取り出す手段
(セレクタ104、タイミング発生回路106)と、こ
れらの同相成分と直交成分の値から、キャリア信号と基
準信号との位相差を算出する手段(位相計算回路10
5)とを設けることにより、受信したキャリア信号の同
相成分と直交成分を容易に検出できるようにする。これ
により、本発明の位相同期回路(PLL)では、キャリ
ア位相の複素平面上での値が容易に分かることになり、
簡単に初期同期捕捉を行なうことができる。特に、
(2)キャリア信号の検出開始時点、または、ある一定
期間に検出された位相の同相成分と位相の直交成分とを
基準位相とし、この期間以後に検出された位相を、この
基準位相からの差として検出することにより、すなわ
ち、PLL動作直前の位相を基準の位相とすることによ
り、通常のPLLで行われているような初期同期捕捉動
作を無くし、もって、初期同期捕捉時間を短縮すること
ができる。また、(3)検出された位相と、この基準位
相との差を、特に外積による計算で求めることにより、
簡易な位相検出装置を実現することができる。また、
(4)先ず「k」番目と「k+n」番目、次に「k+4
n」番目と「k+5n」番目といった、4n回毎でのサ
ンプリングを行い、そのサンプリング信号のみを位相差
の計算に使用する構成、あるいは、(5)先ず「k」番
目での同相成分の取り出しと「k+n」番目での直交成
分の取り出し、次に「k+4n」番目での同相成分の取
り出しと「k+5n」番目での直交成分の取り出しとい
った、4n回毎での同相成分の取り出しと直交成分の取
り出しのみを行なう構成とする。すなわち、位相情報を
キャリア信号の1周期に1度毎に計算する構成とする。
このことにより、必要とする動作速度を落とすことがで
き、PLLをハードウェアで実現する場合における消費
電力を低減することができる、また、PLLをDSPを
用いて実現する場合における処理量を少なくすることが
できる。さらに、位相検出装置を、(6)「k」番目と
「k+2n」番目にサンプリングされた信号の差からキ
ャリア信号の同相成分を取り出し、かつ「k+n」番目
と「k+3n」番目にサンプリングされた信号の差から
キャリア信号の直交成分を取り出し、4つの位相全てを
使用する構成とすることにより、その位相差の検出特性
を向上させることができ、このような位相検出装置を用
いたPLLの特性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面により詳細に説明する。図1は、本発明に係る位相検
出装置を設けたPLLの第1の構成例を示すブロック図
である。
【0019】図1において、101は受信信号の入力
端、102はA/Dコンバータ(図中、「A/D」と記
載)、103はキャリア抽出回路、104はセレクタ、
105は位相計算回路、106はタイミング発生回路、
107は電圧制御発振器(Voltage Controled Oscilato
r、図中および以下「VCO」と記載)、108はルー
プフィルタであり、セレクタ104と位相計算回路10
5、ならびに、タイミング発生回路106により、本発
明に係わる位相検出装置100が構成されている。
【0020】入力端101に入力された受信信号はA/
Dコンバータ102によってデジタル値に変換される。
このとき、A/Dコンバータ102によるサンプリング
は、受信システムにおける基準クロック信号、本例では
VCO107の出力のタイミングによって行われる。
【0021】受信信号でキャリア成分が抑圧されている
場合、受信信号からキャリア成分を発生させる必要があ
り、そのためにキャリア抽出回路103が設けられ、こ
のキャリア抽出回路103は、例えば、自乗回路や絶対
値回路等の非線型処理を行うことによって、キャリア成
分を発生させ、これをバンドパスフィルタ(BPF)で
抽出することにより、キャリア信号を取り出す。
【0022】キャリア抽出回路103により取り出され
たキャリア信号は、位相検出装置100のセレクタ10
4に入力される。
【0023】本例では、同期を取るキャリアの周波数f
cとサンプリング周波数fsとの間に、4の倍数比の関
係があるとする。この場合、nを任意の整数として、数
式「fs=4n・fc」の関係が成り立つ。
【0024】また、本例では、VCO107の出力がサ
ンプリングタイミングであり、入力端101から入力さ
れた信号は、A/Dコンバータ102によって、VCO
107出力の速度でサンプリングされる。
【0025】サンプリングされた信号は、キャリア抽出
回路102でキャリア成分が抽出され、この抽出された
キャリア信号と、A/Dコンバータ102のサンプリン
グタイミングとの周波数の関係が、上述の数式(fs
=4n・fc)を満たすことになる。
【0026】尚、A/Dコンバータ102でのサンプリ
ング周波数が、この数式に満たない場合、A/Dコン
バータ102の後にアップサンプリングを行う等して、
数式を満たす関係にする。
【0027】キャリア抽出回路103からの出力はキャ
リア信号であるため、正弦波で表わすことができる。あ
るタイミングk’でのキャリア抽出回路103からの出
力s(k’)は、数式「s(k’)=cos{(2π
・fc・k’/fs)+θ}」のように書くことができ
る。尚、数式における「θ」は任意のキャリアの位相
である。
【0028】今、数式を数式に代入し、1周期分の
サンプリング信号を考えた場合、基準となるサンプリン
グタイミングからk番目のサンプリングタイミングにお
ける信号は、数式「s(k)=cos{(π・k/2
n)+θ}」で与えられる。ただし、kは1からnまで
の数のうちのいずれかである。
【0029】さらに、このkからnだけ遅れた信号(k
+n)のときの信号は、「s(k)=cos[{π・
(k+n)/2n}+θ]=cos{(π・k/2n)
+θ+(π・n/2n)}=cos{(π・k/2n)
+θ+(π/2)}であり、k番目のサンプリングより
も「π/2」だけ位相の遅れた信号となる。よってその
値は、数式「s(k+n)=sin{(π・k/2
n)+θ}」で表わされる。
【0030】同様に(k+2n)および(k+3n)の
場合は、それぞれ、kから「π」、「3π/2」だけ遅
れた信号であるため、数式「s(k+2n)=−co
s{(π・k/2n)+θ}」および数式「s(k+
3n)=−sin{(π・k/2n)+θ}」のように
表わされる。
【0031】これらの式より、例えば、k番目の信号
(数式)と(k+n)番目の信号(数式)により、
「(π・k/2n)+θ」に対する正弦、余弦の値を得
られ、さらに、これにより、キャリア位相を複素信号と
して求めることができる。
【0032】図1の例では、タイミング発生回路106
が、「k」、「k+n」または「k+2n」、「k+3
n」のタイミングを発生する回路であり、このタイミン
グ発生回路106によって発生した信号に基づき、セレ
クタ104は、キャリア抽出回路103からの信号を、
例えば「k」、「k+n」のタイミングで、位相計算回
路105に伝達する。
【0033】位相計算回路105では、得られた「co
s{(π・k/2n)+θ}、sin{(π・k/2
n)+θ}」の値から、位相「(π・k/2n)+θ」
の値を計算することで位相差を検出する。この位相差を
ループフィルタ108を介してVCO107に帰還する
ことにより、PLLが構成され、受信信号のキャリア信
号に同期したVCO出力を得ることができる。
【0034】このように、本例によれば、受信したキャ
リア信号の同相成分と直交成分を容易に検出でき、キャ
リア位相の複素平面上での値が容易に分かるので、簡単
に初期同期捕捉を行なうことができる。
【0035】ここで、PLLとして、同期する位相が任
意で良い場合は、以下のようにして、同期捕捉をさらに
簡易にすることができる。
【0036】図2は、本発明に係る位相検出装置を設け
たPLLの第2の構成例を示すブロック図である。
【0037】図2のPLLにおける位相検出装置200
は、図1に示したPLLの位相検出装置100における
位相計算回路105の代わりに、スイッチ回路(図中、
「SW」と記載)201と位相保持回路202、位相差
計算回路203が設けられた構成となっており、PLL
を構成する他の各構成要素は、図1におけるPLLで説
明したものと同じ動作を行なう。
【0038】本例では、キャリア位相は短時間の間であ
ればほとんど一定であると見なす。すなわち、送信機側
と受信機側では、もともと周波数差が小さい場合が多
い。このため、キャリア位相は短時間の間であればほと
んど一定であると見なすことができる。
【0039】このように、キャリア位相は短時間の間で
あればほとんど一定であると見なすことによって、通信
開始当初(PLL動作開始当初)における位相を検出
し、この位相を基準に位相差を検出するようにすること
で、PLLのループ帯域幅を広くする等の同期捕捉モー
ドを使用することなく同期捕捉を行うことができる。
【0040】すなわち、図2において、スイッチ回路2
01を当初はセレクタ104からの信号が位相保持回路
202に伝達されるように接続し、この状態で、PLL
自体は動作せず、VCO107は、ある一定のサンプリ
ング周波数の信号を出力し続ける。この際、位相保持回
路202では、キャリアの位相保持、または平均等の統
計的処理を行い、基準となる位相を検出する。
【0041】そして、ある一定時間の後、スイッチ回路
201を位相差計算回路203側に接続させる。以後、
PLLの動作を開始させ、位相差計算回路203におい
て、位相保持回路202で保持されている位相とセレク
タ104から送られてくる位相とを比較し、この差をル
ープフィルタ108を介してVCO107に帰還するこ
とにより、同期ループを構成する。
【0042】このように、キャリア信号の検出開始時
点、または、ある一定期間に検出された位相の同相成分
と位相の直交成分とを基準位相とし、この期間以後に検
出された位相を、この基準位相からの差として検出する
ことにより、すなわち、PLL動作直前の位相を基準の
位相とすることにより、通常のPLLで行われているよ
うな初期同期捕捉動作を無くし、もって、初期同期捕捉
時間をさらに短縮することができる。
【0043】尚、実際に位相差を検出する場合、次の図
3を用いて説明するように、複素信号の外積を使用する
ことで回路が大幅に簡易になる。
【0044】図3は、本発明に係る位相検出装置を設け
たPLLの第3の構成例を示すブロック図である。
【0045】図3の例では、図2に示したPLLの位相
検出装置200における位相差計算回路203の具体的
な構成例を示しており、本例の位相検出装置300にお
ける位相差計算回路203は、乗算回路301,302
と減算回路303とにより構成されている。
【0046】ここでは、位相保持回路202で保持され
ている位相を「Φ0=π・k/2n+θ0」とする(「θ
0」は受信信号の初期の位相である)。また、セレクタ
104から送られてくる信号位相を「Φ=(π・k/4
n)+θ」とする(「θ」は、現時点でのキャリアの位
相である)。
【0047】この場合、位相保持回路202からは「c
osΦ0、sinΦ0」の値が出力されていることにな
り、また、セレクタ104からは「cosΦ、sin
Φ」の値が出力されていることになる。従って、その外
積は、「cosΦ0・sinΦ−sinΦ0・cosΦ=
sin(Φ0−Φ)」(数式)となって、Φ0に対する
位相差として検出することができる。
【0048】図3においては、乗算回路301と乗算回
路302で互いの同相成分と直交成分との積を計算し、
その差を減算回路303で求めることによって、位相差
として検出することができる。
【0049】このように、検出された位相と、この基準
位相との差を、外積による計算で求める構成とすること
により、簡易な位相検出装置を実現することができる。
【0050】尚、図1〜図3における各位相検出装置1
00〜300は、次の図4を用いて説明するように、必
ずしもサンプリングタイミング毎に動作させる必要はな
い。
【0051】図4は、本発明に係わる位相検出装置の動
作タイミング例を示す説明図である。
【0052】図4(a)は、図1〜図3におけるPLL
のサンプリングタイミングを示し、図4(b)および図
4(c)は、図1〜図3のPLLにおける各位相検出装
置100〜300の等別な動作タイミング例を示してい
る。
【0053】図4(a)においては、数式(「fs=
4n・fc」)における「n」を「3」として、キャリ
ア信号fcの1周期に、12回(=4×3×1)のサン
プリングが行なわれていることを示している。図1〜図
3の各位相検出装置100〜300では、セレクタ10
4において、「k」番目もしくは「k+n」(=k+
6)番目の信号からキャリア信号の位相の同相成分を、
また、「k+n」(=k+3)番目もしくは「k+3
n」(=k+9)番目の信号からキャリア信号の位相の
直交成分を取り出している。
【0054】しかし、図1〜図3における各位相検出装
置100〜300は、必ずしも、このような図4(a)
に示すようなサンプリングタイミング毎に動作させる必
要はない。すなわち、図4(b)に示すように、各位相
検出装置100〜300は、1周期に1度、「k」と
「k+n」番目、および、これらに対応する4n回毎
(「k+4n」と「k+5n」)での位相の検出を行う
ことでも良い。
【0055】そして、位相計算回路105では、図4
(c)に示すように、「k+n」および「k+5n」の
タイミングで得られた信号に対して1度、すなわち、キ
ャリアの1周期に1度の割合で、位相計算を行うだけで
位相差を検出する。尚、この場合、位相計算回路105
は、「k」番目にサンプリングした値を同相成分、「k
+n」番目にサンプリングした値を直交成分とした複素
信号をキャリア1周期に1度ずつの信号として処理を行
なえば良いことになる。
【0056】このようにすることにより、必要とする動
作速度を落とすことができ、PLLをハードウェアで実
現する場合における消費電力を低減することができる、
また、PLLをDSPを用いて実現する場合における処
理量を少なくすることができる。
【0057】次に、図5を用いて、「k」と「k+n」
番目だけでなく、さらに「k+2n」と「k+3n」番
目の各サンプルタイミングの値を使用することで、位相
検出装置における位相差の検出特性を向上させる技術の
説明を行なう。
【0058】図5は、本発明に係る位相検出装置を設け
たPLLの第4の構成例を示すブロック図である。
【0059】図5のPLLにおける位相検出装置500
は、図1に示したPLLの位相検出装置100における
セレクタ104と位相計算回路105との間に、減算回
路501,502を設けた構成となっており、PLLを
構成する他の各構成要素は、図1におけるPLLで説明
したものと同じ動作を行なう。
【0060】セレクタ104からの「k」番目と「k+
n」番目、および、「k+2n」番目と「k+3n」番
目の出力、すなわち、図1の説明における数式(「s
(k)=cos{(π・k/2n)+θ}」)と数式
(「s(k+2n)=−cos{(π・k/2n)+
θ}」)、および、数式(「s(k+n)=sin
{(π・k/2n)+θ}」)と数式(「s(k+3
n)=−sin{(π・k/2n)+θ}」)は、互い
に符号が反転した値となっている。そこで、減算回路5
01,502により、これら2つの信号の差を取ること
によって、正弦成分と余弦成分が各々2倍となり、検出
性能を向上させることができる。
【0061】以上、図1〜図5を用いて説明したよう
に、本例の位相検出装置では、簡易に、受信した信号の
キャリア信号の同相成分と直交成分を検出できるように
なる。これにより、それを用いた位相同期回路(PL
L)では、キャリア位相の複素平面上での値が容易に分
かることになり、簡単に初期同期捕捉を行うことができ
る。
【0062】特に、図2の構成として、PLL動作直前
の位相を基準の位相とすることにより、通常のPLLで
行われているような初期同期捕捉動作を無くし、もっ
て、初期同期捕捉時間を短縮することができる。
【0063】また、図3の構成として、外積を使用した
位相の比較を行うことで簡易な位相比較回路が実現でき
る。
【0064】また、図4で説明したように、位相情報を
1周期に1度毎に計算することにより、必要とする動作
速度を落とし、もって、PLLをハードウェアで実現す
る場合には消費電力を低減する、またはDSPの場合は
処理量を少なくすることができる。
【0065】また、図5の構成として、4つの位相全て
を使用することにより、位相差の検出特性の良いPLL
を提供することができる。
【0066】尚、本発明は、図1〜図5を用いて説明し
た例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲において種々変更可能である。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、従来の技術では困難で
あった、キャリア位相の複素信号としての値(cos
Φ、sinΦ)を簡単に求めることができ、また、位相
検出装置を設けたPLLを構成する各ハードウェア部
を、サンプリング・タイミング毎に動作させる必要もな
く、PLLにおける初期同期時間を短くすること、およ
び、消費電力を低減すること、ならびに、DSPを用い
る場合の処理量を少なくすることが可能となる。
【0068】すなわち、本発明によれば、簡易に、受信
した信号のキャリア信号の同相成分と直交成分を検出で
きるので、キャリア位相の複素平面上での値が容易に分
かることになり、PLLでの初期同期捕捉を簡単に行う
ことができる。
【0069】特に、PLL動作直前の位相を基準の位相
とすることにより、通常のPLLで行われているような
初期同期捕捉動作を無くし、もって、初期同期捕捉時間
を短縮することができる。
【0070】また、外積を使用した位相の比較を行うこ
とで簡易な位相比較回路が実現できる。
【0071】また、位相情報を1周期に1度毎に計算す
ることにより、必要とする動作速度を落とし、もって、
PLLをハードウェアで実現する場合には消費電力を低
減できる。また、DSPの場合は処理量を少なくするこ
とができる。
【0072】さらに、4つの位相全てを使用することに
より、位相差の検出特性の良いPLLを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位相検出装置を設けたPLLの第
1の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る位相検出装置を設けたPLLの第
2の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る位相検出装置を設けたPLLの第
3の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明に係わる位相検出装置の動作タイミング
例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る位相検出装置を設けたPLLの第
4の構成例を示すブロック図である。
【図6】従来の位相検出装置を用いたPLLの構成例を
示すブロック図である。
【符号の説明】
100〜300,500:位相検出装置、101:入力
端、102:A/Dコンバータ(「A/D」)、10
3:キャリア抽出回路、104:セレクタ、105:位
相計算回路、106:タイミング発生回路、107,1
07a:電圧制御発振器(「VCO」)、108:ルー
プフィルタ、201:スイッチ回路、202:位相保持
回路、203:位相差計算回路、301,302:乗算
回路、303:減算回路、501,502:減算回路、
600:位相検出装置、601:乗算器、602:ロー
パスフィルタ(「LPF」)、603:参照キャリア発
生器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J106 AA04 CC01 CC21 CC41 DD09 DD33 DD36 DD44 EE15 JJ02 KK03 KK40 LL02 5K004 AA08 JH05 JJ11 JJ13 5K047 AA01 AA02 AA15 BB01 CC12 EE04 GG02 GG09 GG11 GG23 GG28 MM45 MM50 MM53 MM56 MM60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたキャリア信号のキャリア周波
    数fcに対して、4n(nは任意の整数)倍のサンプリ
    ング周波数fs(=4n×fc)でサンプリングする第
    1の手段と、キャリア信号1周期分をサンプリングした
    信号の1番目から4n番目のうち、「k」番目(kは1
    からnまでの整数)の信号からキャリア信号の位相の同
    相成分を取り出し、「k+n」番目の信号からキャリア
    信号の位相の直交成分を取り出す第2の手段、もしく
    は、「k+2n」番目の信号からキャリア信号の位相の
    同相成分を取り出し、「k+3n」番目の信号からキャ
    リア信号の位相の直交成分を取り出す第3の手段の少な
    くともいずれか一方とを有することを特徴とする位相検
    出装置。
  2. 【請求項2】 入力されたキャリア信号のキャリア周波
    数fcに対して、4n(nは任意の整数)倍のサンプリ
    ング周波数fs(=4n×fc)でサンプリングする第
    1の手段と、キャリア信号1周期分をサンプリングした
    信号の1番目から4n番目のうち、「k」番目(kは1
    からnまでの整数)の信号からキャリア信号の位相の同
    相成分を取り出し、「k+n」番目の信号からキャリア
    信号の位相の直交成分を取り出す第2の手段、もしく
    は、「k+2n」番目の信号からキャリア信号の位相の
    同相成分を取り出し、「k+3n」番目の信号からキャ
    リア信号の位相の直交成分を取り出す第3の手段の少な
    くともいずれか一方と、キャリア信号の検出開始時点も
    しくはキャリア信号の検出開始後予め定められた期間に
    検出された位相の同相成分と位相の直交成分とを基準位
    相として求める第4の手段と、上記基準位相を求めた以
    降に検出した位相を、上記基準位相からの差として検出
    する第5の手段とを有することを特徴とする位相検出装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の位相検出装置であっ
    て、上記第5の手段は、上記基準位相を求めた以降に検
    出した位相と上記基準位相との差を、外積による計算で
    求める手段を有することを特徴とする位相検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の位相検出装置であって、上記第1の手段は、上記
    「k」番目と上記「k+n」番目でのサンプリングを4
    n回毎に繰り返す手段、もしくは、上記「k+2n」番
    目と上記「k+3n」番目でのサンプリングを4n回毎
    に繰り返す手段のいずれか一方を有することを特徴とす
    る位相検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の位相検出装置であって、上記第2の手段は、サンプリ
    ングされた上記「k」番目での同相成分の取り出しと上
    記「k+n」番目での直交成分の取り出しを4n回毎に
    繰り返す手段を有し、上記第3の手段は、サンプリング
    された上記「k+2n」番目での同相成分の取り出しと
    上記「k+3n」番目での直交成分の取り出しを4n回
    毎に繰り返す手段を有することを特徴とする位相検出装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の位相検出装置であって、上記第2の手段で上記「k」
    番目にサンプリングされた信号と上記第3の手段で上記
    「k+2n」番目にサンプリングされた信号との差から
    上記キャリア信号の同相成分を取り出す手段と、上記第
    2の手段で上記「k+n」番目にサンプリングされた信
    号と上記第3の手段で上記「k+3n」番目にサンプリ
    ングされた信号との差から上記キャリア信号の直交成分
    を取り出す手段とを有することを特徴とする位相検出装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    の位相検出装置を具備したことを特徴とする位相同期回
    路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100826248B1 (ko) 2006-11-22 2008-04-29 삼성전자주식회사 위상 검출을 이용한 복조 방법 및 그 장치
JPWO2008123542A1 (ja) * 2007-03-29 2010-07-15 システムエルエスアイ株式会社 Pll回路および制御装置

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JP4681667B2 (ja) * 2007-03-29 2011-05-11 システムエルエスアイ株式会社 Pll回路

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