JP2002151111A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents
固体高分子型燃料電池Info
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Abstract
ステンレス鋼を用いても、優れた電池特性を有する固体
高分子型燃料電池を提供する。 【解決手段】単セルを構成するアノード側、カソード側
の両セパレータがステンレス鋼製であり、かつ、アノー
ド面積およびカソード面積をそれぞれ1としたとき、ア
ノードがセパレータと直接接触する面積、およびカソー
ドがセパレータと直接接触する面積のいずれもが0.3か
ら0.7までの割合であることを特徴とする固体高分子型
燃料電池。ステンレス鋼製のセパレータの表面に導電性
の炭化物系金属化合物、硼化物系金属化合物を露出さ
せ、接触抵抗を小さくすることもできる。
Description
レス鋼製であって、しかも発電性能に優れた固体高分子
型燃料電池に関する。
直流電力を発電する電池であり、固体電解質型、溶融炭
酸塩型、リン酸型および固体高分子型などの各種の燃料
電池がある。これらの中で、現在、商用段階に達してい
る燃料電池は、リン酸型燃料電池および溶融炭酸塩型燃
料電池である。なお「燃料電池」という名称は、電池の
根幹をなす電解質部分の構成材料に由来している。
解質型燃料電池で1000℃、溶融炭酸塩型燃料電池で650
℃、リン酸型燃料電池で200℃であり、固体高分子型燃
料電池では80℃前後である。
転温度が低く、しかも起動・停止が容易であり、またエ
ネルギー効率も40%程度が期待できる。従って、小規模
事業所、電話局などの非常用分散電源、都市ガスを燃料
とする家庭用小型分散電源、水素ガス、メタノールある
いはガソリンを燃料とする低公害電気自動車搭載用電源
として、世界的に実用化が期待されている。
に燃料電池と記すこともある)の構造を示す図で、同図
の(a)は、燃料電池を構成する単セルの分解図、図1
(b)は多数の単セルを組み合わせて作られた燃料電池
全体の斜視図である。
集合体(スタック)である。単セルは、図1(a)に示
すように固体高分子電解質膜2の一面にアノード側ガス
拡散電極層または燃料電極膜と呼ばれるもの(この明細
書では、これをアノードという)3が、他面にはカソー
ド側ガス拡散電極層または酸化剤電極膜と呼ばれるもの
(この明細書では、これをカソードという)4がそれぞ
れ積層されており、その両面にセパレータ(バイポーラ
プレート)5a、5bが重ねられた構造になっている。
数個の単セルごとに冷却水の流通路を持つ水セパレータ
を配した水冷型の燃料電池もある。本発明はそのような
水冷型燃料電池をも対象とする。
膜」という)2としては、水素イオン(プロトン)交換
基を有するフッ素系プロトン伝導膜が使われている。
の白金触媒と黒鉛粉、および必要に応じて水素イオン
(プロトン)交換基を有するフッ素樹脂からなる触媒層
が設けられており、燃料ガスまたは酸化性ガスと接触し
て反応を促進するようになっている。
からは燃料ガス(水素または水素含有ガス)Aが流され
て燃料電極膜3に水素が供給される。また、セパレータ
5bに設けられている流路6bからは空気のような酸化
性ガスBが流され、酸素が供給される。これらガスの供
給により電気化学反応が生じて直流電力が発生する。な
お、図1(a)では流路6a、6bを平行な直線状に示
したが、実際には後述の図2に示すように蛇行状に設け
ることが多い。
られる主な機能は次のようなものである。
に供給する“流路”としての機能、 カソード側で生成した水を、反応後の空気、酸素とい
ったキャリアガスとともに燃料電池から効率的に系外に
排出する“流路”としての機能、 電極膜(アノード3、カソード4)と接触して電気の
通り道となり、さらに単セル間の電気的“コネクタ”と
なる機能、 隣り合うセル間で、一方のセルのアノード室と隣接す
るセルのカソード室との“隔壁”としての機能、および 水冷型燃料電池では、冷却水流路と隣接するセルとの
“隔壁”としての機能。
材料が使用されていた。しかし、カーボン系材料には強
度上の問題があり、またセパレータへの加工コストが嵩
むという難点がある。そこで、カーボン系材料に替えて
ステンレス鋼を使用することが検討され、セパレータ材
料として特別に開発されたステンレス鋼も幾つか提案さ
れている(特開2000-239806号公報、同-265248号公報、
特許第3097689号公報、特許第3097690号公報、参照)。
レータは、材料コストおよび加工コストの上から極めて
実用性に富むものである。しかし、ステンレス鋼はその
表面に不動態皮膜を有するので、接触抵抗が比較的大き
い。従って、これをセパレータ材料として用いる場合、
前記に述べた電気の通り道としての機能に不足が生じ
て、望ましい電池特性が得られなくなるという問題があ
る。
触抵抗の比較的大きいステンレス鋼を用いたときの上記
の問題を解決し、優れた電池特性を有する固体高分子型
燃料電池を提供することにある。
パレータがステンレス鋼製の固体高分子型燃料電池であ
る。この燃料電池は、図1に示すように、多数の単セル
の集合体(スタック)からなり、それぞれの単セルには
電解質膜2の両側にアノード3およびカソード4を配し
た電解質セル部がある。また、この電解質セル部の両側
には燃料ガス供給通路を持つセパレータ5aと酸化剤ガ
ス供給通路を持つセパレータ5bが配置され、これらで
もって一つのセル(単セル)が構成されている。このよ
うな基本構造は、従来の固体高分子型燃料電池と同じで
ある。なお、前記のように、セパレータの外側に水セパ
レータを配した水冷型燃料電池であってもよい。
る。
と、および (2)アノード面積(Sa)およびカソード面積(Sc)をそ
れぞれ1としたとき、アノード3がセパレータ5aと直
接接触する面積(S1)、およびカソード4がセパレータ
5bと直接接触する面積(S2)のいずれもが0.3から0.7
までの割合であること。
である。同図に示すのはセパレータの平面図で、白抜き
の部分5-1はガス流路となる溝である。
(Sc)とは、前記単セルの電解質セル部において電池反
応に実質的に寄与するアノード3およびカソード4の面
積である。即ち、アノード3およびカソード4の全面積
のうち、外周に設けられる電池反応に寄与しないガスシ
ールド部およびガスマニホールド部の面積を除外した面
積である。
と、酸化剤ガスあるいは燃料ガスが流れるガス通路とな
る溝5-1(図2の白抜き部分)の全面積と、カソードま
たはアノードと直接接触する部分(図2の黒色部分のう
ち外縁部のガスシールド部5-2およびガスマニホールド
部5-3を除いた部分)の全面積の総和、即ち、図2の内
側の実線で囲まれた電極部5-4の面積、がアノード面積
(Sa)またはカソード面積(Sc)である。
5aまたは5bと直接接触する面積(S1またはS2)は、
図2の黒色部分(ただし、外縁部のガスシールド部5-2
およびマニホールド部5-3を除く)である。従って、上
記(2)の要件は、次のように表される。
という。
おり、ステンレス鋼製であるが、さらに下記の特徴を備
えることが望ましい。
導電性を有するM23C6型、M4C型、M2C型およびMC型の炭
化物系金属化合物ならびにM2B型硼化物系金属化合物の
うちの1種以上が露出していること。ここで「露出」と
は、後に詳しく説明するように、セパレータを構成する
ステンレス鋼の不動態皮膜を突き破るように表面から少
なくとも一部が突出している状態をいう。
を構成するMは、CrまたはCrとCrの一部を置換した形で
存在する炭化物もしくは硼化物を形成する金属元素、例
えば、Fe、Mo、Wの1種以上である。
る市販の各種ステンレス鋼およびその改良鋼が使用でき
るが、次に述べる(4)または(5)の化学組成を有するフェ
ライト系またはオーステナイト系のステンレス鋼がセパ
レータ材料として好適である。
1.5%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.04%以下、S:0.01%以
下、Cr:15〜36%、Al:0.2%以下、B:3.5%以下、N:0.
035%以下、Ni:5%以下、Mo:7%以下、W:4%以下、
V:0.2%以下、Cu:1%以下、Ti:25×(C%+N%)以下お
よびNb:25×(C%+N%)以下で、かつCr、MoおよびBの含
有量が下記(a)式を満足するフェライト系ステンレス
鋼。
示す。
〜1.5%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.04%以下、S:0.01%以
下、Cr:17〜30%、Ni:7〜50%、B:3.5%以下、N:0.4%
以下、Cu:2%以下、Al:0.2%以下およびMo:7%以下、
W:4%以下、V:0.2%以下で、かつCr、MoおよびBの
含有量が上記(a)式を満足するーステナイト系ステン
レス鋼。
場合であっても、これらで構成したセパレータの表面に
は前記(3)の炭化物系化合物または硼化物系化合物が露
出していることが望ましい。
とおりである。
が10mΩcm2以上ある場合でも、アノードおよびカソード
の電池反応に実質的に寄与する面積(即ち、アノード面
積およびカソード面積)のうち、セパレータと直接接触
する面積の割合(接触面積率)を或る値以上にしておけ
ば、、電極(アノードおよびカソード)とセパレータ間
の電子の十分な導通を確保でき、優れた電池性能を得る
ことができる。
よび酸化性ガスを電極表面のガス拡散層を通して電極に
供給する役割がある。アノード側およびカソード側とも
にセパレータと電極の接触面積を増大させることはガス
の供給能力を減少させることになる。さらに、セパレー
タと電極の接触面積を増やすことは流路の幅をせばめる
ことであり、流路加工の面でも制約となる。これらの点
から、セパレータと電極の接触面積は、或る限度以下に
抑えなければならない。
ードおよびカソード)との接触面積率を適正範囲に設定
すれば、ステンレス鋼のような比較的電極との接触抵抗
が高くなる材料でセパレータを構成しても高い発電性能
の燃料電池が得られる筈である。そこで、上記の適正接
触面積率を確認すべく多数の試験を行って、本発明を完
成した。
0.3以上とする。ステンレス鋼のように電極部との接触
抵抗が10mΩcm2から、場合によっては50 mΩcm 2以上に
も達する材料をセパレータとして使用すれば、アノード
側、カソード側に限らず、接触抵抗の増大による発熱や
発電ロスといった問題が生じる。接触面積率を0.3未満
にすると、特に電池の発電電流を大きくするのにともな
って、電池としての性能が著しく低下する。なお、一般
のステンレス鋼を使用する場合、好ましい接触面積率は
0.4以上である。
7以下とする。前記のとおり、セパレータには電極にガ
スを供給する役割があるが、セパレータと電極との接触
面積率を過度に大きくすると、燃料および酸化剤ガスの
供給が阻害され、またガスが電極上のガス拡散層に接触
する面積が減少して、特に電池の発電電流を大きくする
場合、電極とセパレータの接触面積が0.7を超えるほど
に大きいと電池性能が著しく低下する。
保しようとすると、セパレータに設ける流路を極端に細
くしなければならず、流路加工に過度の精密さが要求さ
れることとなる。加工精度が悪いとセパレータをスタッ
クしたとき、各セルで酸化剤ガスまたは燃料ガスのアン
バランスが起こり、例えば燃料ガスの供給が不足するセ
ルにおいては、いわゆる「燃料不足による腐食」の現象
が起こる。以上の理由で、接触面積比率は0.7以下とす
べきである。なお、好ましいのは0.6以下である。
ついて 上記のようにセパレータと電極の接触面積比率を、0.3
から0.7の間に設定することによって優れた電池性能が
得られるが、ステンレス鋼そのものの接触抵抗値を小さ
くすれば、電池性能は一層向上する。その効果は、特に
大電流(0.5〜1A/cm2以上)を発電する電池の場合に顕
著である。
化物からなる数十Å程度の薄い不動態皮膜が生成してお
り、この不動態皮膜によってステンレス鋼は優れた耐食
性を示す。不動態皮膜は母材に比べて電気伝導性が劣
り、接触電気抵抗を高める。この不動態皮膜を薄くする
ことにより電気抵抗を小さくすることも可能ではある
が、特にステンレス鋼が固体高分子型燃料電池内部で用
いられた場合、不動態皮膜を薄い状態で安定して維持す
ることは容易でない。
として用いる場合、接触抵抗の増大をもたらすのは不動
態皮膜である。そこで、導電性を有する多数の微細な炭
化物系金属化合物および硼化物系金属化合物のうちの1
種以上を、ステンレス鋼表面に存在している不動態被膜
を突き破った形で外面に露出させると、不動態被膜の絶
縁性が局部的に破れて接触抵抗が小さくなる。
導電性金属化合物を露出させるのは、金属化合物を電気
の通り道として機能させて接触電気抵抗を下げるためで
ある。炭化物系金属化合物は、M23C6型、M4C型、M2C
型、MC型が好ましく、硼化物系金属化合物はM2B型
が好ましい。
の金属化合物は、耐食性を低下させる介在物であり、好
ましくないものとされている。本発明では、従来は排除
されるべき介在物とされてきた炭化物系または硼化物系
の化合物を積極的に利用して、不動態皮膜により増大す
る接触電気抵抗を減じさせる「電気の通り道」とするの
である。
化合物を積極的に析出させて電気の通り道を確保したう
えで電極との接触面積率を0.3〜0.7とすれば、性能の極
めて優れた燃料電池となる。
合物をセパレータ表面から突出した状態にする方法には
特に制約はない。最も実用的な方法は、ステンレス鋼に
上記の化合物を形成する成分(C、B、Cr、Mo、W等)
を含有させ、ステンレス鋼の溶製、熱処理の工程で化合
物を析出させる方法がある。ステンレス鋼の表面に炭化
物や硼化物が露出していれば、その上には不動態皮膜は
生成しない。
って、その表面が不動態皮膜で既に被われている場合に
は、酸洗等の適当な手段で不動態皮膜とともに表層部の
母材を除去し、内部の炭化物や硼化物を露出させればよ
い。
ョットピーニングのような手段でセパレータ表面に叩き
付けて、不動態皮膜を貫通してめり込ませる方法もあ
る。また、セパレータの表層部に上記のような元素を浸
透させ、適当な熱処理によって表層部だけに炭化物また
は硼化物の粒子を生成させることもできる。
として望ましいのは、先に述べた組成のフェライト系ま
たはオーステナイト系のステンレス鋼である。以下、こ
れらのステンレス鋼の各成分の作用効果と望ましい含有
量について説明する。
出し、不動態皮膜で覆われているステンレス鋼表面の接
触電気抵抗を下げる効果がある。Cr系炭化物は、金属的
性質を有しており、不動態皮膜よりも良好な電気伝導性
を有しているからである。Bを含有させたステンレス鋼
の場合には硼化物が析出するが、その硼化物中にもBの
一部を置換するようにCが取り込まれて析出する場合が
ある。
皮膜に覆われることなく表面に露出することが、ステン
レス鋼表面の電気伝導性を長時間にわたって低く安定さ
せる。従って、たとえ燃料電池のセパレータ表面の不動
態皮膜が厚くなったとしても、鋼表面に露出しているCr
系炭化物を介して良電導性が確保されることとなり、鋼
表面の接触電気抵抗が高くなるのを抑制することができ
る。言い換えれば、不動態皮膜に覆われることなく露出
している微細なCr系炭化物が電気の通り道として機能す
ることで、接触電気抵抗を低く維持できる。
は強度、硬度が高くなって延性が低下し、製造性が低下
する。固体高分子型燃料電池用のセパレータとしての成
形性を確保するためにも、鋼中のCを炭化物として析出
させて、固溶C量を下げるのが好ましい。炭化物として
Cを析出させることで、鋼の成形性も改善される。すな
わち、成形性確保の点からも、鋼中のCを炭化物として
析出させることは有効である。さらに、炭化物を熱処理
で凝集粗大化させることも、加工性を一層向上させるの
に有効である。適切な温度で長時間保持すれば、炭化物
は凝集し粗大化する。この凝集粗大化の熱処理の前に、
あらかじめ冷間圧延を施したり、金属微粉末をショット
したり、研磨、研削加工を行ったりすることにより鋼に
残留歪を持たせれば、炭化物の析出時間、凝集時間を短
くすることができる。この処理は、後述の鋭敏化によっ
て劣化した耐食性を回復する処理に要する時間の短縮に
も役立つ。
が0.15%を超えると、固体高分子型燃料電池のセパレー
タに加工するときの成形性が確保できなくなる。さら
に、炭化物析出により生じる鋭敏化を防止するためには
「(Cr系炭化物として析出しているCの質量%)×100
/(鋼中全Cの質量%−0.0015%)」の値を80以上とす
ることが望ましい。
散、露出させるには、Cを0.01%以上含有させるのが好
ましく、さらに好ましいは0.04%以上である。また、炭
化物の析出を促進するためには500〜950℃の温度域に保
持する熱処理を施すのがよい。950℃を超える温度域で
は、Cr系炭化物は熱的に不安定となり再固溶する。一
方、500℃未満の温度では鋼中のCおよびCrの拡散速度
が遅くなり析出処理時間が長くなり工業的な量産には好
ましくない。Cr系炭化物を析出させるのにより好適な処
理温度域は650〜900℃であり、最も望ましい温度域は80
0〜900℃である。
的に炭化物を析出させるためには0.001〜0.2%の範囲で
Cを含有させるのがよい。0.2%を超えると、固体高分
子型燃料電池のセパレータに加工する際の成形性を確保
することが困難となる。炭化物をより多く析出させてス
テンレス鋼表面に分散、露出させるには、0.015%以上
とするのが好ましく、さらに好ましいのは0.06%以上で
ある。また、炭化物析出による鋭敏化を防止するために
は、「(Cr系炭化物として析出しているCの質量%)×
100/(鋼中全Cの質量%)−0.012%)」の値を85以上
とすることが望ましい。
炭化物の析出を促進させるには500〜950℃の温度域に保
持する熱処理を施すのがよい。その理由は前記のとおり
である。好適な処理温度域は600〜900℃である。
テンレス鋼中のCr系炭化物は鋼中に微細に分散析出する
が、析出しやすい結晶粒界に優先的に析出する傾向があ
る。クロム系炭化物が粒界、粒内のいずれに析出するか
は接触電気抵抗を低くする上ではさほど重要ではない
が、分散を均一にするには粒内にも分散析出しているこ
とが望ましい。
は、一旦Cr系炭化物を析出させた状態で、Cr系炭化物が
再固溶しない温度域で熱間圧延するか、または冷間圧延
で加工歪を付与した後、再度500℃以上、950℃以下のCr
系炭化物の析出温度域に保持すればよい。付与する冷間
加工度は数%でも効果はあるが、20〜30%程度以上が望
ましい。表層付近にのみ加工歪を付与し、表層付近にの
み炭化物を析出させることも可能である。いずれにして
も、再固溶した鋼中Cが、粒界あるいは粒内に固溶せず
残留している炭化物を核として再度析出し、新粒界が形
成されることで粒内にも炭化物が析出することとなる。
析出処理を施せば、鋭敏化により母材耐食性を低下させ
る可能性がある。鋭敏化とは、Cr系炭化物が析出してそ
の周囲にCr欠乏層が生成することにより起こる耐食性の
低下である。この鋭敏化は、500℃以上、900℃以下の温
度域に長時間保持し、緩冷却することで回避、あるいは
改善することができる。一般的に、冷却速度は遅いほど
望ましい。
も鋼中のSi量は、0.01〜1.5%の範囲がよい。量産鋼に
おいてはSiはAlと同様に有効な脱酸元素である。0.01%
未満では脱酸が不十分となる。一方、1.5%を超えると
成形性が低下する。
は、0.01〜1.5%の範囲内で含有させるのがよい。通
常、Mnは鋼中のSをMn系の硫化物として固定する作用が
あり、熱間加工性を改善する効果がある。オーステナイ
ト系ステンレス鋼では、0.01〜2.5%のMnを含有させ
る。Mnは、有効なオーステナイト相安定化元素である。
ただし、2.5%を超えるほどに含有させる必要はない。
純物である。低ければ低い程望ましい。0.04%は許容上
限値である。
01%以下で低ければ、低いほど望ましい。Sは、その含
有量および鋼中の共存元素に応じて、Mn系硫化物、Cr系
硫化物、Fe系硫化物、あるいはこれらの複合硫化物およ
び酸化物との複合非金属介在物としてほとんどが析出す
る。しかしながら、固体高分子型燃料電池のセパレータ
としての使用環境においては、いずれの組成の非金属介
在物も、程度の差はあるものの腐食の起点として作用
し、不動態皮膜の維持、腐食溶出抑制に有害である。通
常の量産鋼中のS量は、0.005%を超えて0.008%前後ま
でであるが、上記の有害な影響を防止するためには0.00
4%以下に低減することが望ましい。より望ましい鋼中
S量は0.002%以下であり、最も望ましいレベルは、0.0
01%未満である。工業的量産において0.001%未満とす
ることは、現状の精錬技術をもってすれば製造コストの
上昇もわずかであり、全く問題ない。
めて重要な基本合金元素である。その含有量が高いほど
高耐食となる。しかし、フェライト系においてはCr量が
36%を超えると量産規模での生産が難しくなる。オース
テナイト系では30%を超えるとオーステナイト相がその
他の合金成分の調整によっても不安定性になる。
テナイト系では17%未満のCr含有量では、その他の元素
を変化させても燃料電池用セパレータとして必要な耐食
性の確保が困難になる。
ことにより、また、Bを含む場合にはCrの硼化物が析出
することにより、耐食性向上に寄与する鋼中Cr量が溶鋼
段階でのCr量に比べて減少して耐食性が劣化する場合が
ある。固体高分子型燃料電池内部での耐食性を確保する
ためには、M2B型硼化物の析出を考慮して、前記の
(a)式、即ち、17≦(Cr%+3×Mo%)−(2.5×B
%)を満たす鋼中Cr量であることが望ましい。
も、炭化物析出量に見合うだけの固溶Cr量が低下するた
め、(鋼中Cr%−M23C6型炭化物として析出したCr%)
+(3×Mo%)≧17なる関係式を満たす鋼中Cr量である
ことが望ましい。
されるが、鋼中の含有量は0.2%以下であればよく、必
ずしも残留させる必要はない。しかし、特に鋼にBを含
有させる場合は、Bは溶鋼中酸素との結合力が強い元素
であるから、Al脱酸により酸素濃度を下げておくことが
推奨され、Al含有量を0.001%以上とするのが望まし
い。
ある。B含有鋼においては、Cr、Feを主体としNi、Moを
微量含有する(Cr,Fe)2B、(Cr,Fe,Ni)2Bといっ
たM2B型硼化物が析出する。これらの硼化物は金属的
性質を有し不動態皮膜よりも良好な電気伝導性を有して
いるので、これが表面の不動態皮膜から突出していれば
ステンレス鋼表面の接触電気抵抗を下げる効果がある。
このような効果を期待する場合には3.5%までの範囲で
Bを含有させることができる。
り、研磨、研削する際にB4Cの微粉末を使用してステン
レス鋼表面にめり込ませて残留させることにより、接触
電気抵抗を低くすることができるので、鋼中には必ずし
もBを含有させる必要はない。
耐食性に富むものであるから、これらがセパレータ表面
に露出していても、その耐食性が損なわれることはな
い。一方、硼化物および炭化物の表面には不動態皮膜が
生成しないので、セパレータの良電導性が確保されるこ
ととなる。
の溶解法で製造するのは困難である。また、B含有量が
過剰になれば、固体高分子型燃料電池のセパレータ用と
して常温で加工する際の成形性が確保できなくなる。従
って、Bを添加する場合でも、その含有量は3.5%以下
とするべきである。
出する。1125℃においても固溶するのは0.01%程度以下
である。低温側では、固溶量はさらに低くなる。硼化物
の析出温度は含有量にもよるが、ステンレス鋼の凝固温
度近傍にあり、一旦析出すると、ほとんど再固溶しな
い。Bの含有量と共に液相線が低下し、熱間での鍛造可
能温度範囲も狭くなる。硼化物そのものの変形能が極め
て劣ることから、B含有量が多く硼化物析出が顕著にな
るほど加工の際に割れやすくなり、量産性が悪くなる。
ただし、B量が3.5%までは、工業的規模での製造は可
能である。
は、硼化物は結晶粒界に析出する傾向が大きい。接触電
気抵抗を低くする上では硼化物が粒界と粒内のいずれに
析出してもさほどの違いはない。しかし、常温での加工
性を良くして割れの問題を回避するためには均一に分散
させる方が好ましい。
性が低下する可能性がある。硼化物析出による母材の耐
食性低下は、硼化物が析出することで母材中のCr、Moが
消費されるために起きる。従って、前記の(a)式を満
足するように、あらかじめ硼化物形成により消費される
Cr量相当およびMo量相当を溶鋼の段階で含有させておく
ことが耐食性低下を軽減するのに有効である。
は不純物である。フェライト系ステンレス鋼ではNは常
温靭性を劣化させるので0.035%以下に抑えるのがよ
く、低ければ低い程望ましい。0.007%以下とすること
が最も望ましい。
は、Nはオーステナイト形成元素として、オーステナイ
トの相バランス調整に有効な元素であるから必要に応じ
て添加してもよい。しかし、添加する場合でも加工性を
劣化させないために、含有量の上限を0.4%とするのが
よい。
ては、Niはオーステナイト相安定化のために極めて重要
な合金元素である。フェライト系ステンレス鋼において
も、耐食性、靭性を改善する効果がある。その含有量
は、オーステナイト系ステンレス鋼においては、下限を
7%とし上限を50%とするのが好ましい。7%未満で
は、オーステナイト相を安定させるのが困難となり、一
方、50%を超えると製造が困難になるからである。
の効果を得たいときに必要に応じて添加できる成分であ
る。但し、その含有量が5%を超えるとフェライト系組
織とすることが困難となり、他元素の影響も受けるが、
フェライト−オーステナイト二相組織となるので、上限
を5%とするのが好ましい。二相組織では、薄板成形性
に方向性があり、固体高分子型燃料電池のセパレータ用
素材として十分な成形性を確保することができなくな
る。
も、MoはCrに比べて少量で耐食性を改善する効果があ
る。従って、7%以下の量で必要に応じて含有させるの
がよい。Moの含有量が7%を超えると、シグマ相等の金
属間化合物の析出回避が困難になり、鋼の脆化の問題か
ら生産が困難となる。
は、CrおよびBの含有量との兼ね合いで、前記(a)式
を満たすようにMo含有量を調整するのが望ましい。
体高分子型燃料電池内部で、たとえ腐食により鋼中Moの
溶け出しが起こったとしても、アノードおよびカソード
部に担持されている触媒の性能に対する影響は比較的軽
微である。これは、溶出したMoは金属陽イオンとして存
在せず、モリブデン酸陰イオンとして存在するため、水
素イオン(プロトン)交換基を有するフッ素系イオン交
換樹脂膜の陽イオン伝導度に対する影響が小さいからで
ある。
炭化物を生成する。この炭化物は、Cr炭化物と同じく金
属的性質を有し、不動態皮膜よりも良好な電気伝導性を
有しているから、これを、鋼(セパレータ)表面から露
出させることによってセパレータの接触抵抗を小さくす
ることができる。
いは研磨、研削などの機械加工後の残留物として、セパ
レータ表面に露出した状態で存在させることができる。
また、工業的にはコスト高となるが、イオン注入法等で
ステンレス鋼表層部分のMo濃度を高め、その後の熱処理
により鋼中のCと反応させて、表層でMo2Cを形成させる
ことも可能である。
耐食性を向上させる作用があるので、1%以下の量で必
要に応じて含有させるのがよい。1%を超えると、熱間
加工性が損なわれる。また、Cuは、有効なオーステナイ
ト相安定化元素であり、オーステナイト系ステンレス鋼
では不動態保持に際して有効な働きをする。従って、オ
ーステナイト系ステンレス鋼にも必要に応じて添加して
もよい。ただし、オーステナイト系ステンレス鋼におい
てもCu含有量が2%を超えると、熱間加工性の劣化が著
しくなるので、添加する場合でもその含有量は2%以下
に抑えるべきである。
果があるから、フェライト系、オーステナイト系のいず
れのステンレス鋼にも必要により添加してよい。但し、
その含有量が過剰になると鋼の加工性が劣化するので、
添加する場合は含有量の上限を4%とするべきである。
アノードおよびカソードに担持されている触媒の性能に
対する影響は比較的軽微である。水素イオン(プロト
ン)交換基を有するフッ素系イオン交換樹脂膜の陽イオ
ン伝導度に及ぼす影響も小さい。
ンレス鋼の結晶粒を微細化し、靭性劣化を軽減する効果
がある。必要に応じて25×(C%+N%)以下の範囲で
含有させる。TiとNbを複合含有させても靭性改善の効果
は得られる。
ものはPおよびSであり、それらの許容上限値について
は先に説明した。これらの外に、ステンレス鋼を固体高
分子型燃料電池のセパレータ用として用いる場合に好ま
しくない不純物としてV(バナジウム)がある。
溶解原料であるCr原料中に不純物として含有されてお
り、ある程度の混入は不可避である。ただし、燃料電池
のセパレータの使用環境で溶出したVは、アノードおよ
びカソードに担持されている触媒の性能に対して少なか
らず悪影響を及ぼす。従って、Vは低ければ低いほどよ
い。電池特性維持の上から許容できる含有量の上限は0.
2%である。
不純物であってもよいが、さらに、例えば、鋼の精錬
(脱酸、脱硫等)や鋼中の硫化物系介在物の形態制御等
の目的で使用される下記の成分が含有されていてもよ
い。
鋼段階でSとの結合力が極めて強いので、Sを無害化す
る効果がある。必要によりミッシュメタルのような形で
添加すればよい。0.1%以下の微量含有量で十分な効果
が得られる。
て強いのでSを無害化する効果がある。従って、希土類
元素と同様に、必要に応じて添加することができる。Ca
も0.1%以下の微量含有量で十分な効果が得られる。
する。[実施例1]図2は、本発明の燃料電池に用いる
セパレータの溝(流路)パターンの一例を示す図であ
る。この溝5-1は蛇行によって流路長を確保して必要な
流速を得る、いわゆるサーペンタイン型の流路である。
レス成形して、図3の(a)に示す断面形状に加工した。
電極部(図2の5-4の部分)の面積は5cm×5cmである。
素材は表1に示す鋼種aで、10%硝酸−4%弗酸水溶液
で酸洗して、導電性を有する硼化物系金属化合物を不動
態皮膜下のステンレス鋼内から不動態皮膜の外面に突出
するように露出させた接触電気抵抗の小さいオーステナ
イト系ステンレス鋼である。この材料の初期の接触抵抗
は12mΩcm2であった。なお、接触抵抗は、電極膜(アノ
ード3またはカソード4)を模擬した厚さ0.6mmの市販
のグラッシ−カーボン板を用いて4端子法にて測定し
た。
す図である。この例ではセパレータ5の厚さ(t)は0.
3mm、溝5-1の深さ(d)は0.8mmである。この図に示す
長さa(即ち、電極との接触長さ)とbの比を変化さ
せ、電極とセパレータの接触面積率を変化させた。
は1気圧で燃料ガスは純水素、酸化剤ガスには純酸素を
用いた。温度は80℃である。
高の電池性能を示し0.30から0.70の範囲で良好な特性に
なっている。接触面積率が0.20および0.80の場合、高電
流の領域で端子電圧が著しく低下し、電池性能が劣る結
果になっている。
ペンタイン型の流路を機械加工で形成したセパレータを
用いた。即ち、図3(b)に断面を示すように、厚さ
(t)が3mmの板に深さ(d)が1mmの溝を刻んだ。図
のaとbの比率を様々に変えて接触面積率を変化させ
た。素材は表1のb材で、実施例1と同じ方法で導電性
を有する硼化物系金属介在物を不動態皮膜下のステンレ
ス鋼内から不動態皮膜の外面に露出させた接触電気抵抗
の低いフェライトステンレス鋼材である。初期の接触抵
抗は15mΩcm2であった。接触抵抗は実施例1と同じ方法
で測定した。
の側のセパレータの電極に対する接触面積率を0.2から
0.8までに変化させて組み立てた。電池運転条件は1気
圧で燃料ガスは純水素、酸化剤ガスには空気を用いた。
端子電圧をアノード側、カソード側の各セパレータの電
極に対する接触面積率に対してプロットしたものであ
る。アノード、カソード側セパレータの接触面積率が0.
3から0.7の場合に良好な性能が発揮されている。この範
囲であればアノード側とカソード側の接触面積率は、必
ずしも同じでなくてもよいことがわかる。
の流路を塩化第二鉄溶液を用いるエッチング法で形成し
たセパレータを用いた。素材厚さは3mmで溝の深さはア
ノード側セパレータ、カソード側セパレータともに1mm
とし、図3(b)に示すaとbの比率を変えて接触面積
率を調整した。
(フェライト系ステンレス鋼)、同じく鋼種c、d、
e、f、k(オーステナイトステンレス鋼)である。こ
れらの素材(鋼種kを除く)の表面には、導電性を有す
る硼化物系または炭化物系の金属化合物を、実施例1と
同じ方法で不動態皮膜下のステンレス鋼内から不動態皮
膜の外面に露出させた。
施例1と同じ方法で測定した。その結果を表1に示す。
の電極に対する接触面積率を同じにし、それを0.2から
0.8に変化させて組み立てた。電池運転条件は1気圧で
燃料ガスは純水素、酸化剤ガスには空気を用いた。表3
に0.32A/cm2の定電流運転時の電池端子電圧をセパレー
タの電極に対する接触面積率ごとに示す。
触面積率が0.2または0.8の場合には端子電圧が大きく低
下し、電池性能が低下している。
kの場合には、表1に示すように接触抵抗値が高いた
め、接触面積率が0.3または0.7でも端子電圧が比較的低
い。従って、このようなステンレス鋼を使用する場合は
接触面積率を0.4〜0.6の範囲にするのが望ましい。
レータ材料としてステンレス鋼を使用するにもかかわら
ず、そのセパレータと電極との接触面積率が0.3〜0.7と
いう適正範囲に設定されているために優れた電池性能を
有する。さらに、セパレータを構成するステンレス鋼の
表面不動態皮膜から露出するように導電性金属化合物を
存在させれば、セパレータと電極との接触電気抵抗が小
さくなって、一層電池性能が向上する。
は、通常のフェライトまたはオーステナイト系のステン
レス鋼が使用できるが、先に述べた組成のものを使用す
るのが望ましい。
る。
するための模式的断面図である。
燃料電池の電流−電圧特性を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】固体高分子電解質膜の両側にこれを挟んで
アノードとカソードを配した電解質セル部と、この電解
質セル部に酸化剤ガスを供給するセパレータおよび燃料
ガスを供給するセパレータとからなる単セルが複数個積
層された固体高分子型燃料電池であって、上記の両セパ
レータがステンレス鋼製であり、かつ、アノード面積お
よびカソード面積をそれぞれ1としたとき、アノードが
セパレータと直接接触する面積、およびカソードがセパ
レータと直接接触する面積のいずれもが0.3から0.7まで
の割合であることを特徴とする固体高分子型燃料電池。 - 【請求項2】ステンレス鋼製のセパレータの表面に導電
性のM23C6型、M4C型、M2C型およびMC型の炭化物系
金属化合物ならびにM2B型の硼化物系金属化合物のうち
の1種以上が露出していることを特徴とする請求項1に
記載の固体高分子型燃料電池。ただし、MはCrまたはCr
およびその他の炭化物もしくは硼化物を形成する元素で
ある。 - 【請求項3】セパレータを構成するステンレス鋼が、質
量%で、C:0.15%以下、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.01〜1.
5%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜36%、Al:
0.2%以下、B:3.5%以下、N:0.035%以下、Ni:5%以
下、Mo:7%以下、W:4%以下、V:0.2%以下、Cu:
1%以下、Ti:25×(C%+N%)以下、Nb:25×(C%+N%)以下
で、かつCr、MoおよびBの含有量が下記(a)式を満足
するフェライト系ステンレス鋼であることを特徴とする
請求項1または2に記載した固体高分子型燃料電池。 17%≦Cr+3×Mo−2.5×B ・・・(a) ただし、式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を
示す。 - 【請求項4】セパレータを構成するステンレス鋼が、質
量%で、C:0.001〜0.2%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.01〜
1.5%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:17〜30%、N
i:7〜50%、B:3.5%以下、N:0.4%以下、Cu:2%以
下、Al:0.2%以下、Mo:7%以下、W:4%以下、V:
0.2%以下で、かつCr、MoおよびBの含有量が下記
(a)式を満足するオーステナイト系ステンレス鋼であ
ることを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分
子型燃料電池。 17%≦Cr+3×Mo−2.5×B ・・・(a) ただし、式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を
示す。
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