JP2002148264A - 標識複合体および免疫学的検査法 - Google Patents

標識複合体および免疫学的検査法

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JP2002148264A
JP2002148264A JP2000339084A JP2000339084A JP2002148264A JP 2002148264 A JP2002148264 A JP 2002148264A JP 2000339084 A JP2000339084 A JP 2000339084A JP 2000339084 A JP2000339084 A JP 2000339084A JP 2002148264 A JP2002148264 A JP 2002148264A
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JP2000339084A
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Keisaku Okada
圭策 岡田
Kenichi Okada
研一 岡田
Riyouko Morioka
量子 森岡
Shuji Senda
修治 千田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ベロ毒素産生性大腸菌の判定が可能であり、ベ
ロ毒素1型と2型の検出を簡便、迅速にかつ同時に検出
することができる免疫学的検査法を提供すること。 【解決手段】VT1第1特異的結合物質とVT2第1特
異的結合物質とを同一担体上に固定化した標識複合体;
免疫クロマトグラフィーで、吸水性基材上の一端にVT
1第2特異的結合物質とVT2第2特異的結合物質とを
異なる位置に固定化した固定相を有する試験片の固定相
上で、下記:(a)VT1第1特異的結合物質とVT2
第1特異的結合物質とを同一担体上に固定化した標識複
合体、(b)被検試料中のVT1又はVT2、及び
(c)固定相上のVT1第2特異的結合物質又はVT2
第2特異的結合物質、からなる複合体を形成させ、該複
合体を検出することを特徴とする、免疫学的検査法;な
らびに免疫クロマトグラフィー用キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡単、迅速に且つ
高精度に、被検試料中のベロ毒素1型と2型の検出を同
一の試験片上で同時に行なうことができる免疫学的検査
用の標識複合体および免疫学的検査法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年問題となっているベロ毒素産生性大
腸菌であるO157は、主に感染源となる食品から体内
に入り、4〜9日間程度の潜伏期間を経たのちに発症す
る。また、血便は感染初期から呈することもあり、その
のち、場合によってはO157が産生するベロ毒素の作
用によって、溶血性貧血、腎不全、血小板減少などの症
状を引き起こし、溶血性尿毒症症候群(HUS)に至る
こともある。
【0003】下痢症状を有する患者の糞便中から、この
ようなベロ毒素産生性大腸菌の診断を行なう操作は非常
に煩雑であり、結果が出るまでには多くの日数を要する
ものであるが、最近は免疫測定法を用いることによって
比較的簡便に検出することができるようになっている。
【0004】具体的な検出法としては、ラテックス凝集
法(商品名:大腸菌O157検出キット「UNI」、ユ
ニパス社製)を用いる方法がある。その他に、ELIS
A法(商品名:オーソE.coliO157、オーソダ
イアグノスティック社製)がある。しかしながら、上記
のラテックス凝集法は測定するまでに増菌培養が必要で
あり、ELISA法は操作に手間がかかるものである。
【0005】一方、近年、迅速かつ簡便に免疫学的検査
が行なえる方法として、免疫クロマトグラフ法が注目さ
れている。かかる免疫クロマトグラフ法は、例えば、以
下のようなステップにより行なわれる:被検物質と結合
しうる特異的結合物質を固定化した固定相を有する吸水
性基材上で被検液を展開する。ついで、前記被検物質に
特異的に結合しうる特異的結合物質を有する標識複合体
と被検物質との複合体を前記固定相上で捕捉する。その
後、固定相に捕捉された標識複合体を検出することによ
り、被検試料中の被検物質を測定することができる。か
かる免疫クロマトグラフ法による検査用キット(商品
名:E.coliO157ダイレクトワコー、和光純薬
社製)が市販されている。
【0006】しかしながら、上記の検出法は、すべてベ
ロ毒素産生性大腸菌の外膜のO抗原であるリポ多糖(L
PS)を検出し、直接的に菌の存在を測定する手法であ
り、糞便試料中でLPSは、経時的に分解・減少する
為、保存糞便では偽陰性を示すおそれがある。また、同
じベロ毒素産生性大腸菌であっても血清型の異なるO2
6やO111などでは検出できないという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、近年問題視
されているO157に代表されるベロ毒素産生性大腸菌
の判定が可能であり、ベロ毒素1型と2型の検出を簡
便、迅速にかつ同時に検出することができる免疫学的検
査法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、〔1〕
ベロ毒素1型(VT1という)に特異的に結合しうる
第1特異的結合物質(VT1第1特異的結合物質とい
う)とベロ毒素2型(VT2という)に特異的に結合し
うる第1特異的結合物質(VT2第1特異的結合物質と
いう)とを同一担体上に固定化してなる標識複合体、
〔2〕 免疫クロマトグラフィーにおいて、吸水性基材
上の一端にVT1に特異的に結合しうる第2特異的結合
物質(VT1第2特異的結合物質)とVT2に特異的に
結合しうる第2特異的結合物質(VT2第2特異的結合
物質)とを異なる位置に固定化した固定相を有する試験
片の固定相上で、下記: (a)VT1第1特異的結合物質とVT2第1特異的結
合物質とを同一担体上に固定化してなる標識複合体、
(b)被検試料中のVT1又はVT2、及び(c)固定
相上のVT1第2特異的結合物質又はVT2第2特異的
結合物質、からなる複合体を形成させ、該複合体を検出
することを特徴とする、免疫学的検査法、並びに〔3〕
(A)VT1に特異的に結合しうる第1特異的結合物
質(VT1第1特異的結合物質)とVT2に特異的に結
合しうる第1特異的結合物質(VT2第1特異的結合物
質)とを同一担体上に固定化してなる標識複合体;及び
(B)吸水性基材上の一端にVT1に特異的に結合しう
る第2特異的結合物質(VT1第2特異的結合物質)と
VT2に特異的に結合しうる第2特異的結合物質(VT
2第2特異的結合物質)とを異なる位置に固定化した固
定相を有する試験片を含有してなる、免疫クロマトグラ
フィー用キット、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の標識複合体は、ベロ毒素
1型(以下、VT1という)に特異的に結合しうる第1
特異的結合物質とベロ毒素2型(以下、VT2という)
に特異的に結合しうる第1特異的結合物質とを同一担体
上に固定化したものである。
【0010】なお、本明細書において、「特異的結合物
質」とは、ベロ毒素1型またはベロ毒素2型に特異的に
結合しうる物質をいう。また、前記特異的結合物質のな
かで、標識複合体に固定化される物質を、第1特異的結
合物質といい、後述の試験片上の固定相に固定化される
物質を、第2特異的結合物質という。具体的には、VT
1に特異的に結合する第1特異的結合物質を、VT1第
1特異的結合物質、VT1に特異的に結合する第2特異
的結合物質を、VT1第2特異的結合物質と表記し、V
T2に特異的に結合する第1特異的結合物質を、VT2
第1特異的結合物質、VT2に特異的に結合する第2特
異的結合物質を、VT2第2特異的結合物質と表記す
る。
【0011】本発明の標識複合体は、VT1第1特異的
結合物質とVT2第1特異的結合物質とが同一担体上に
固定化されているため、1回の検査で、VT1とVT2
との両方を検出することが可能になるという優れた性質
を有する。
【0012】一方、従来のように、抗VT1抗体を担体
に固定化した標識複合体と抗VT2抗体を担体に固定化
した標識複合体との2種を用いる場合、展開混合液中
(被検物質+標識複合体)に添加するラテックスビーズ
量は、被検物質であるVT1およびVT2それぞれに対
して、十分な検出感度を得るに適した量であることが望
ましい。すなわち、各被検物質は、ある一定量の標識複
合体を各々添加する必要がある。その結果、標識複合体
濃度の上昇により、バックグラウンドの上昇を招き、目
視判定の妨げとなるという欠点を有する。
【0013】しかしながら、本発明の標識複合体のよう
に、抗VT1抗体と抗VT2抗体とを同一担体上に固定
化した標識複合体の場合、1種類の標識複合体を添加す
るだけでよいため、標識複合体濃度は一定であり、発色
感度を保ちつつ、バックグラウンドの発色を抑制するこ
とができるという優れた効果を発揮する。
【0014】ベロ毒素産生性大腸菌は、人体など感染
後、産生するベロ毒素により様々な症状を引き起こす。
血便は、感染初期から呈することもあり、そののち、場
合によっては溶血性貧血や腎不全や血小板減少などの症
状を引き起こし、溶血性尿素症症候群(HUS)に至る
こともある。ベロ毒素1型とベロ毒素2型の両者共に人
体への病原因子となりうるが、ベロ毒素2型がHUSな
どの重篤な症状に移行しやすいと疑われている。したが
って、ベロ毒素の検査において、1型と2型との判別
は、治療指針の設定に重要である。本発明の標識複合体
によれば、1回の検査で、ベロ毒素産生性大腸菌が産生
している毒素の種類が判明するため、重篤症状への移行
を早期に予見することができるという優れた効果を発揮
する。
【0015】特異的結合物質としては、例えば、モノク
ローナル抗体、ポリクローナル抗体、単鎖抗体などが挙
げられる。第1特異的結合物質と第2特異的結合物質と
は、用いる抗体の種類によっても異なるが、同一の抗原
決定基を認識する同一種の抗体を用いてもよく、異なる
抗原決定基を認識する二種の抗体を用いてもよい。一方
の特異的結合物質がモノクローナル抗体である場合に
は、もう一方の特異的結合物質は、当該モノクローナル
抗体とは異なる抗原決定基を認識するものであることが
望ましい。
【0016】本発明の標識複合体における第1特異的結
合物質の全固定化量は、検出感度及び再現性の観点か
ら、担体乾燥重量1gあたり0.5mg以上、好ましく
は1mg以上であることが望ましく、経済性及び凝集の
防止の観点から、担体乾燥重量1gあたり100mg以
下、好ましくは50mg以下であることが望ましい。
【0017】本発明の標識複合体に用いられる担体とし
ては、その表面上に、特異的結合物質および、任意に標
識物質を固定することができる担体であればよく、金属
コロイド、水分散型高分子粒子が挙げられる。
【0018】金属コロイドとしては、金コロイドやセレ
ニウムコロイド等が例示される。
【0019】前記水分散型高分子粒子は、不飽和二重結
合を有する少なくとも1種の単量体の乳化重合によって
調製される。かかる単量体としては、例えば、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフィン系単量体、酢酸ビニ
ル、塩化ビニルなどのビニル系単量体、スチレン、メチ
ルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系単量体、
メタアクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル系単
量体、ブタジエンなどのジエン系単量体などが挙げられ
る。
【0020】水分散型高分子粒子は、単量体の単独重合
体または共重合体に改質用単量体を共重合して得られた
重合体でもよい。このような改質用単量体としては、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、2,2,2−トリフ
ルオロエチルメチルメタクリレートなどのフッ素化メタ
クリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アクリルアミド、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム、スルホプロピル(メタ)アクリレートナトリウム
塩、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
【0021】また本発明においては、担体は、市販され
ている種々の水分散性高分子粒子でもよい。市販されて
いる水分散性高分子粒子としては、例えば、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体等の種々のスチレン共重合体からなる
エマルジョン等のスチレンまたはその誘導体を単量体成
分とする単独重合体や共重合体のエマルジョン;(メ
タ)アクリル酸の長鎖アルキルエステルまたはその誘導
体を単量体成分とする単独重合体、該単量体成分と(メ
タ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル、グ
リシジル(メタ)アクリレート等との共重合体;前記し
たスチレンまたはその誘導体と、(メタ)アクリレート
エステルやその誘導体との共重合体;ゴム、ナイロン、
ポリウレタン、微結晶質セルロース等が挙げられる。
【0022】個々の単量体の具体的な種類は、得られる
水分散型高分子粒子を担体として使用された標識複合体
が、その使用時や保存時に融着、凝集を起こさないよう
に当該高分子粒子が所要のガラス転移点を有するように
選ばれる。水分散型高分子粒子のガラス転移点は、好ま
しくは10℃以上、特に好ましくは室温以上であること
が望ましい。
【0023】担体として水分散型高分子粒子を用いる場
合、後述の着色ラテックスとして用いてもよく、酵素、
蛍光物質などに代表される標識物質を固定化した水分散
型高分子粒子として用いてもよい。担体として、酵素を
固定化した水分散型高分子粒子を用いる場合、適宜、標
識複合体の展開の後に、酵素基質を展開してもよい。
【0024】前記酵素としては、公知の標識に用いられ
る酵素を用いることができる。具体的にはペルオキシダ
ーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファタ
ーゼ、グルコースオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、エス
テラーゼ、β−D−グルクロニダーゼ等が挙げられる。
より高感度で安定な検出を達成することが可能なペルオ
キシダーゼまたはアルカリホスファターゼが好ましい。
【0025】前記蛍光物質としては、フルオレセインイ
ソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシ
アネート等が挙げられる。
【0026】担体は、着色粒子でもよい。着色粒子とし
ては、肉眼で検出可能なものであればよく、例えば、
金、銀、銅などの金属からなるコロイド粒子、スダンブ
ルーやスダンレッドIV、スダンIII 、オイルオレンジ、
キニザリングリーンなどに代表される顔料や染料などで
ラテックスを着色してなる着色ラテックスなどが挙げら
れる。目視確認性の点からは、好ましくは、金コロイ
ド;青色、赤色、緑色またはオレンジ色などに着色した
着色ラテックスが望ましく、さらに好ましくは、青色や
赤色などで着色した水分散型高分子重合体粒子からなる
着色ラテックスを用いることが分散安定性や検出感度の
調整し易さなどの点から望ましい。
【0027】上記担体の粒径は、着色粒子を用いる場
合、十分な目視確認性を得る観点から、平均粒子径約
0.01μm以上であり、好ましくは約0.05μm以
上であることが望ましく、吸水性基材における目詰まり
及び非特異的発色を抑制する観点から、平均粒子径約3
μm以下であり、好ましくは約0.5μm以下であるこ
とが望ましい。
【0028】前記担体に第1特異的結合物質を固定化す
る方法としては、従来からよく知られている方法、例え
ば共有結合法、物理的吸着法、イオン結合法などが挙げ
られる。なかでも、固定化後の特異的結合物質の安定性
の観点から、共有結合法が望ましい。
【0029】標識複合体は、抗原抗体反応が行なわれう
るpH及び塩濃度の緩衝液に分散させて用いてもよい。
この時、展開時の標識複合体濃度は、固定相に結合する
粒子数を向上させ目視確認性を向上させる観点から、
0.005重量%以上であり、好ましくは0.01重量
%以上であることが望ましく、経済性、十分な目視確認
性を得る観点から、5重量%以下であり、好ましくは
0.5重量%以下であることが望ましい。なお、標識複
合体を含有した溶液を標識複合体液ともいう。
【0030】本発明の標識複合体によれば、ベロ毒素1
型とベロ毒素2型の検出を同時に、簡便かつ迅速に検出
することができる免疫学的検査法を行なうことができ
る。かかる免疫学的検査法も本発明の範囲に含まれる。
【0031】本発明の免疫学的検査法は、免疫クロマト
グラフィーにおいて、吸水性基材上の一端にVT1第2
特異的結合物質とVT2第2特異的結合物質とを異なる
位置に固定化した固定相を有する試験片の固定相上で、
下記: (a)VT1第1特異的結合物質とVT2第1特異的結
合物質とを同一担体上に固定化してなる標識複合体、
(b)被検試料中のVT1又はVT2、及び(c)固定
相上のVT1第2特異的結合物質又はVT2第2特異的
結合物質、からなる複合体を形成させ、該複合体を検出
することを特徴とする。
【0032】ここで、被検試料は、液体であっても、固
体であってもよい。被検試料が固体である場合、該被検
試料を適切な緩衝液等に懸濁して、液体試料として用い
てもよい。
【0033】本発明の免疫学的検査方法は、具体的に
は、下記の態様が挙げられる: 態様1 (I)前記(a)の標識複合体と被検試料とを接触させ
て、該標識複合体と前記(b)のVT1又はVT2との
複合体を形成するステップ; (II)吸水性基材上の一端にVT1第2特異的結合物質
とVT2第2特異的結合物質とを異なる位置に固定化し
た固定相を有する試験片で、前記(I)のステップで得
られた複合体を展開するステップ;並びに (III) 前記(II)のステップで展開された複合体を、固
定相に捕捉するステップを含む、免疫学的検査法。
【0034】態様2(I)吸水性基材上の一端にVT1
第2特異的結合物質とVT2第2特異的結合物質とを異
なる位置に固定化した固定相を有する試験片の他端か
ら、被検試料を展開し、該固定相で被検試料中のVT1
又はVT2を捕捉するステップ;並びに(II)試験片に
前記(a)の標識複合体を展開し、固定相に捕捉するス
テップを含む、免疫学的検査法。
【0035】態様3(I)吸水性基材上の一端にVT1
第2特異的結合物質とVT2第2特異的結合物質とを異
なる位置に固定化した固定相を有し、かつ該吸水性基材
上の他端に試薬受領部を有する試験片上の固定相と試薬
受領部との間に、被検試料を供するステップ;(II)該
試薬受領部に前記(a)の標識複合体を供して、展開
し、それにより、該標識複合体と前記(b)のVT1又
はVT2との複合体を形成するステップ;並びに(III)
前記(II)のステップで得られた複合体を展開し、固定
相に捕捉するステップを含む、免疫学的検査法。
【0036】前記態様1の方法において、まず、被検試
料と標識複合体液とを混合させる。この時、被検試料中
にVT1及び/又はVT2が含まれる場合、該VT1及
び/又はVT2は、それぞれに特異的に結合する各標識
複合体と結合し、標識複合体とVT1又はVT2との複
合体〔標識複合体(担体−第1特異的結合物質)−VT
1〕又は〔標識複合体(担体−第1特異的結合物質)−
VT2〕をそれぞれ形成する。ついで、VT1及びVT
2のそれぞれに対応する固定相を設けた吸水性基材の一
端から、前記被検試料と標識複合体液との混合物を吸収
させる。混合物中で形成された複合体は、液体成分の移
動とともに吸水性基材を移動し、固定相に到達する。固
定相においては、移動してきた複合体が、対応する固定
相に固定された第2特異的結合物質と更に結合し、新た
に〔標識複合体(担体−第1特異的結合物質)−VT1
−第2特異的結合物質〕又は〔標識複合体(担体−第1
特異的結合物質)−VT2−第2特異的結合物質〕の複
合体を形成して、固定相上に固定化される。VT1又は
VT2に対応する固定相に固定化された複合体を検出す
ることにより、VT1又はVT2の存在を検査すること
ができる。
【0037】前記態様2の方法において、VT1及びV
T2のそれぞれに対応する固定相を設けた吸水性基材の
一端から、被検試料を吸収させ、被検試料中のVT1又
はVT2を固定相上の対応する第2特異的結合物質に結
合させる。それにより、〔VT1−第2特異的結合物
質〕又は〔VT2−第2特異的結合物質〕が形成され
る。この方法では、被検試料は、液体であっても、固体
であってもよい。被検試料が固体である場合、該被検試
料を適切な緩衝液等に懸濁して、液体試料として用い
る。ついで、標識複合体液を展開することにより、各標
識複合体は、固定相に結合しているVT1又はVT2と
複合体を形成して、新たに〔標識複合体(担体−第1特
異的結合物質)−VT1−第2特異的結合物質〕又は
〔標識複合体(担体−第1特異的結合物質)−VT2−
第2特異的結合物質〕の複合体を形成して、固定相上に
固定化結合される。VT1又はVT2に対応する固定相
に固定化された複合体を検出することにより、VT1又
はVT2の存在を検査することができる。
【0038】前記態様3の方法において、まず、試験片
上の固定相と試薬受領部との間に、被検試料を供する。
ついで、試験片上の試薬受領部から標識複合体液を展開
させる。これにより、対応する標識複合体と被検試料中
のVT1又はVT2との複合体が形成する。形成した複
合体は、液体成分の移動とともに吸水性基材を移動し、
固定相に到達する。固定相においては、移動してきた複
合体が、固定化された対応する第2特異的結合物質と結
合し、新たに〔標識複合体(担体−第1特異的結合物
質)−VT1−第2特異的結合物質〕又は〔標識複合体
(担体−第1特異的結合物質)−VT2−第2特異的結
合物質〕の複合体を形成して、固定相上に固定化結合さ
れる。VT1又はVT2に対応する固定相に固定化され
た複合体を検出することにより、VT1又はVT2の存
在を検査することができる。
【0039】このように、〔標識複合体(担体−第1特
異的結合物質)−VT1−第2特異的結合物質〕又は
〔標識複合体(担体−第1特異的結合物質)−VT2−
第2特異的結合物質〕の複合体は、それぞれ対応する固
定相に捕捉される。そのため、標識複合体中の担体は、
一カ所に集合し、固定化されるので、明瞭な呈色を得る
ことができる。したがって、被検物質の存在を目視確認
できる。本発明では固定相には、VT1及びVT2のそ
れぞれに対応する第2特異的結合物質がそれぞれ異なっ
た位置に固定されているので、一度にVT1及びVT2
のそれぞれの存在を確認することができる。
【0040】本発明に用いられる試験片としては、吸水
性基材上の一端にVT1第2特異的結合物質とVT2第
2特異的結合物質とを異なる位置に固定化した固定相を
有する試験片が挙げられる。また、前記試験片におい
て、吸水性基材上の他端に試薬受領部をさらに有する試
験片であってもよい。
【0041】試験片に用いられる吸水性基材は、被検試
料、例えば、食品から抽出した溶液や培養液の上澄み、
糞便懸濁(溶解)溶液;これらを緩衝液によって希釈し
て得られた希釈液;標識複合体を含有した液などを吸収
・展開できるものであればよい。本発明においては、検
査時間の短縮及び検出感度の向上の観点から、被検試料
中のVT1又はVT2と、標識複合体や固定相上の対応
する第2特異的結合物質とが、十分に抗原抗体反応をす
るための時間を確保できるような吸水性を有する吸水性
基材が用いられる。具体的には、例えば、不織布、濾
紙、ガラス繊維布、ガラスフィルター、ニトロセルロー
スフィルター、多孔質材料等が挙げられる。これらの基
材は適度な吸水速度を有すると共に、担体が結合して発
色した際の目視確認性に優れるものである。
【0042】以上の点を考慮すると、本発明における吸
水性基材の吸水の程度は、5mm幅の短冊状に裁断した
吸水性基材の片端部を水に浸漬し、1分間経過後の吸水
距離が0.5〜5cm程度のものが望ましい。
【0043】また、前記基材の吸水性を調整するため
に、吸水性基材の表面に親水性重合体や界面活性剤を被
覆させることもでき、該基材を親水性重合体や界面活性
剤を含浸させることもできる。さらに、本発明において
は、吸水性基材として同一材料からなる基材を用いても
よいし、あるいは異種の材料からなるものを任意の接着
手段によって接合して得た連続した基材を用いることも
できる。
【0044】本発明において、吸水性基材の形状は、被
検試料を展開できる形状であれば特に限定されるもので
はなく、例えば、矩形のシート状(片状)やロッド状な
どが好ましい。
【0045】本発明において、固定相とは、吸水性基材
上の一端において、VT1第2特異的結合物質又はVT
2第2特異的結合物質が固定化された領域を意味する。
第2特異的結合物質を吸水性基材上に固定化する方法
(固定化相の作製方法)は、特に限定されるないが、従
来から知られている物理吸着法及び共有結合法が好適で
あり、特に、特異的結合物質が基材から脱離しにくい観
点から、共有結合法が望ましい。吸水性基材が上記共有
結合法のための官能基を有しないときは、例えば適宜の
官能基を有する重合体を、吸水性基材の吸水性を阻害し
ない程度に付着させる。また、第2特異的結合物質およ
び親水性重合体を含む溶液を吸水性基材に塗布したの
ち、前記親水性重合体を凝固させる凝固溶剤に浸漬する
ことで固定相を作製することもできる。親水性重合体と
しては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙
げられる。凝固溶剤としては、アセトン、エタノール、
メタノール、エーテルなどが挙げられる。
【0046】固定化する第2特異的結合物質の量は、検
出感度及び再現性の観点から、0.01〜1mg/cm
2 であることが望ましい。
【0047】各固定相に関して、被検試料の吸液によっ
て移動してきたVT1、VT2、対応する複合体などを
捕捉して、VT1及びVT2を別々に検出するために
は、各第2特異的結合物質は少なくとも1mm以上、各
発色が混じり合わないようにするためには、好ましくは
5mm以上の間隔を設けて吸水性基材上に固定化するこ
とが望ましい。
【0048】また、試験片における固定相と、被検試料
および/または標識複合体を含有する液の吸収が開始さ
れる部位(以下、試薬受領部という)との間の距離は、
適切な発色感度、検査に要する時間の短縮の観点から、
1cm以上、好ましくは3cm以上であることが望まし
く、発色の均一性、発色感度の向上の観点から、6cm
以下、好ましくは4cm以下であることが望ましい。
【0049】なお、前記固定相は、前記試薬受領部から
同じ距離の異なる位置に各固定相を並列に配置してもよ
く、前記試薬受領部から異なる距離の位置に各固定相を
直列に配置してもよい。
【0050】試薬受領部としては、被検試料や標識複合
体を含有する液の吸水性基材への移動を妨げるないもの
であればよく、吸水性基材と兼用したものであっても、
新たに不織布や織布等を該吸水性基材に接着させたもの
であってもよい。
【0051】本発明の免疫学的検査方法は、本発明の免
疫クロマトグラフィー用キットを用いることにより、よ
り好適に実施できる。前記免疫クロマトグラフィー用キ
ットとしては、(A)VT1第1特異的結合物質とVT
2第1特異的結合物質とを同一担体上に固定化してなる
標識複合体;及び(B)吸水性基材上の一端にVT1第
2特異的結合物質とVT2第2特異的結合物質とを異な
る位置に固定化した固定相を有する試験片を含有した、
免疫クロマトグラフィー用キットが挙げられる。また、
前記(B)の試験片が、吸水性基材上の他端に試薬受領
部をさらに有するものである、免疫クロマトグラフィー
用キットであってもよい。当該キットを構成する標識複
合体及び試験片は、前記したものと同様のものが用いら
れる。
【0052】例えば、本発明の免疫クロマトグラフィー
用キットを用いて検査する場合、用いる吸水性基材の種
類や大きさ、用いる特異的結合物質の特性によっても異
なるが、通常、液量にして1〜500μl、VTの量に
して、0.01〜1.0×105 ngの被検試料を好適
に測定することが可能である。
【0053】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定され
るものではない。
【0054】実施例1 (1)標識複合体の作製 青色着色カルボキシル化ポリスチレンラテックス粒子分
散液(固形分濃度5重量%、平均粒子径約0.1μm、
0.01M−ホウ酸緩衝液pH8.0)3mlに水溶性
カルボジイミド(10mg/ml)1ml、抗ベロ毒素
1型抗体(マウスIgG、1mg/ml、0.01M−
ホウ酸緩衝液pH8.0)1ml及び抗ベロ毒素2型抗
体(マウスIgG、1mg/ml、0.01M−ホウ酸
緩衝液pH8.0)1mlを加えて10℃で3時間反応
させた。ついで、得られた反応物について、洗浄液とし
て0.01M−ホウ酸緩衝液(pH8.0)を用いて遠
心分離洗浄を行ない、抗VTl抗体と抗VT2抗体との
両方を固定化した青色着色ラテックス粒子からなる標識
複合体を得た(固形分濃度2%)。
【0055】(2)試験片の作製 吸水性基材として、ニトロセルロースメンブラン(孔径
8μm、6mm×60mm)を用い、該メンブレンの一
端から25mmの箇所に抗ベロ毒素1抗体(マウスIg
G、2mg/ml)、20mmの箇所に抗ベロ毒素2抗
体(マウスIgG、2mg/ml)をそれぞれ1.5μ
lずつ、ディスペンサーを用いてライン状に塗布した。
かかるライン状の領域を固定相とする。なお、かかる固
定相側の端部を下流端とする。
【0056】得られたメンブレンをウシ血清アルブミン
(1重量%)とポリオキシエチレン(10)オクチルフ
ェニルエーテル(和光純薬工業社製、0.1重量%)と
からなる水溶液中に10分間浸漬させた後、40℃で2
時間乾燥させた。
【0057】ついで、得られたメンブレンの裏側(抗体
塗布面の反対側)にポリエステルフィルム(90μm
厚、大きさ:6mm×60mm)をスプレー糊を用いて
貼り合わせた。
【0058】上流端から0〜8mmの箇所にポリエステ
ル不織布(6mm×8mm、厚さ2.5mm)を貼り合
わせて、試薬受領部を作製した。以上のように試験片を
得た。
【0059】(3)VT2及びVT2の検出 0.1Mリン酸緩衝液(0.9重量%NaCl含有、p
H7.4)にVTl型、VT2型を表1に示した濃度で
分散させた被検試料を調製した。
【0060】この被検試料に前記(1)で得られた標識
複合体を固形分濃度0.02重量%となるように混合し
た後、混合液100μlを上記で作製した試験片のポリ
エステル不織布部に滴下し、20分後の発色の有無を目
視観察した。
【0061】
【表1】
【0062】表1に示すように、バックグラウンドの着
色は見られず、視認性が良好であることがわかる。
【0063】比較例1 (1)標識複合体の作製 青色着色カルボキシル化ポリスチレンラテックス粒子分
散液(固形分濃度5重量%、平均粒子径約0.1μm、
0.01M−ホウ酸緩衝液pH8.0)3mlに水溶性
カルボジイミド(10mg/ml)1ml、および抗ベ
ロトキシン1型抗体(マウスIgG、1mg/ml、
0.01M−ホウ酸緩衝液pH8.0)1mlを加えて
10℃で3時間反応させた。その後、得られた反応物に
ついて、洗浄液としてホウ酸緩衝液(pH8.0)を用
いて、遠心分離洗浄を行ない、抗VTl抗体を固定化し
た青色着色ラテックス粒子からなる標識複合体を得た
(固形分濃度2%)。
【0064】同様に、青色着色カルボキシル化ポリスチ
レンラテックス粒子分散液(固形分濃度5重量%、平均
粒子径約0.1μm、0.01M−ホウ酸緩衝液pH
8.0)3mlに水溶性カルボジイミド(10mg/m
l)1ml、および抗ベロトキシン2型抗体(マウスI
gG、1mg/ml、0.01M−ホウ酸緩衝液pH
8.0)1mlを加えて10℃で3時間反応させた後、
洗浄液としてホウ酸緩衝液(pH8.0)を用いて遠心
分離洗浄を行ない、抗VT2抗体を固定化した青色着色
ラテックス粒子からなる標識複合体を得た(固形分濃度
2%)。
【0065】(2)試験片の作製 吸水性基材として、ニトロセルロースメンブラン(孔径
8μm、6mm×60mm)を用い、該メンブレンの一
端から25mmの箇所に抗ベロ毒素1抗体(マウスIg
G、2mg/ml)、20mmの箇所に抗ベロ毒素2抗
体(マウスIgG、2mg/ml)をそれぞれ1.5μ
lずつ、ディスペンサーを用いてライン状に塗布した。
かかるライン状の領域を固定相とする。なお、かかる固
定相側の端部を下流端とする。
【0066】得られたメンブレンをウシ血清アルブミン
(1重量%)とポリオキシエチレン(10)オクチルフ
ェニルエーテル(和光純薬工業社製、0.1重量%)と
からなる水溶液中に10分間浸漬させた後、40℃で2
時間乾燥させた。
【0067】ついで、得られたメンブレンの裏側(抗体
塗布面の反対側)にポリエステルフィルム(90μm
厚、大きさ:6mm×60mm)をスプレー糊を用いて
貼り合わせた。
【0068】上流端から0〜8mmの箇所にポリエステ
ル不織布(6mm×8mm、厚さ2.5mm)を貼り合
わせて、試薬受領部を作製した。以上のように試験片を
得た。
【0069】(3)VT1及びVT2の検出 0.1M−リン酸緩衝液(0.9重量%NaCl含有、
pH7.4)にVTl型、VT2型を表2に示した濃度
で分散させた被検試料を調製した。
【0070】この被検試料に、前記(1)で得られた標
識複合体をそれぞれ固形分濃度0.02重量%となるよ
うに混合した後、混合液100μlを上記で作製した試
験片のポリエステル不織布部に滴下し、20分後の発色
の有無を目視観察した。その結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】表2に示すように、バックグラウンドにお
ける着色が強く、目視観察が困難であることがわかる。
【0073】比較例2 (1)標識複合体の作製 青色着色カルボキシル化ポリスチレンラテックス粒子分
散液(固形分濃度5重量%、平均粒子径約0.1μm、
0.01M−ホウ酸緩衝液pH8.0)3mlに水溶性
カルボジイミド(10mg/ml)1ml、および抗ベ
ロトキシン1型抗体(マウスIgG、1mg/ml、
0.01M−ホウ酸緩衝液pH8.0)1mlを加えて
10℃で3時間反応させた。その後、得られた反応物に
ついて、洗浄液として0.01M−ホウ酸緩衝液(pH
8.0)を用いて遠心分離洗浄を行ない、抗VTl抗体
を固定化した青色着色ラテックス粒子からなる標識複合
体を得た(固形分濃度2%)。
【0074】同様に、青色着色カルボキシル化ポリスチ
レンラテックス粒子分散液(固形分濃度5重量%、平均
粒子径約0.1μm、0.01M−ホウ酸緩衝液pH
8.0)3mlに水溶性カルボジイミド(10mg/m
l)1ml、および抗ベロトキシン2型抗体(マウスI
gG、1mg/ml、0.01M−ホウ酸緩衝液pH
8.0)1mlを加えて10℃で3時間反応させた。そ
の後、得られた反応物について、洗浄液として0.01
M−ホウ酸緩衝液(pH8.0)を用いて遠心分離洗浄
を行ない、抗VT2抗体を固定化した青色着色ラテック
ス粒子からなる標識複合体を得た(固形分濃度2%)。
【0075】(2)試験片の作製 吸水性基材として、ニトロセルロースメンブラン(孔径
8μm、6mm×60mm)を用い、該メンブレンの一
端から25mmの箇所に抗ベロ毒素1抗体(マウスIg
G、2mg/ml)、20mmの箇所に抗ベロ毒素2抗
体(マウスIgG、2mg/ml)をそれぞれ1.5μ
lずつ、ディスペンサーを用いてライン状に塗布した。
かかるライン状の領域を固定相とする。なお、かかる固
定相側の端部を下流端とする。
【0076】得られたメンブレンをウシ血清アルブミン
(1重量%)とポリオキシエチレン(10)オクチルフ
ェニルエーテル(和光純薬工業社製、0.1重量%)と
からなる水溶液中に10分間浸漬させた後、40℃で2
時間乾燥させた。
【0077】ついで、得られたメンブレンの裏側(抗体
塗布面の反対側)にポリエステルフィルム(90μm
厚、大きさ:6mm×60mm)をスプレー糊を用いて
貼り合わせた。
【0078】上流端から0〜8mmの箇所にポリエステ
ル不織布(6mm×8mm、厚さ2.5mm)を貼り合
わせて、試薬受領部を作製した。以上のように試験片を
得た。
【0079】(3)VT1及びVT2の検出 0.1M−リン酸緩衝液(0.9重量%NaCl含有、
pH7.4)にVTl型、VT2型を表3に示した濃度
で分散させた被検試料を調製した。
【0080】この被検試料に前記(1)で得られた標識
複合体をそれぞれ固形分濃度0.01重量%となるよう
に混合した後、混合液100μlを上記で作製した試験
片のポリエステル不織布部に滴下し、20分後の発色の
有無を目視観察した。その結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】表3に示すように、バックグラウンドにお
ける着色は見られず、視認性が良好であったが、実施例
に比べ、感度が低下することがわかる。
【0083】
【発明の効果】本発明の標識複合体によれば、食品中に
存在するVTの検出や、糞便中に存在するVT1とVT
2とを、1回の検査で、同時に検出することを可能にす
る。また、本発明の免疫学的検査法によれば、1回の検
査で、VT1とVT2の検出を同時に、簡便かつ迅速に
検出することができるという優れた効果を奏する。ま
た、本発明の免疫クロマトグラフィー用キットによれ
ば、本発明の免疫学的検査法を簡便に行なうことができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森岡 量子 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内 (72)発明者 千田 修治 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内 Fターム(参考) 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ06 QQ79 QQ91 QR48 QR56 QR83 QR84 QS33 QX01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベロ毒素1型(VT1という)に特異的
    に結合しうる第1特異的結合物質(VT1第1特異的結
    合物質という)とベロ毒素2型(VT2という)に特異
    的に結合しうる第1特異的結合物質(VT2第1特異的
    結合物質という)とを同一担体上に固定化してなる標識
    複合体。
  2. 【請求項2】 担体が、着色粒子、金属コロイド及び水
    分散型高分子粒子からなる群より選択された1種であ
    る、請求項1記載の標識複合体。
  3. 【請求項3】 免疫クロマトグラフィーにおいて、吸水
    性基材上の一端にVT1に特異的に結合しうる第2特異
    的結合物質(VT1第2特異的結合物質)とVT2に特
    異的に結合しうる第2特異的結合物質(VT2第2特異
    的結合物質)とを異なる位置に固定化した固定相を有す
    る試験片の固定相上で、下記: (a)VT1に特異的に結合しうる第1特異的結合物質
    (VT1第1特異的結合物質)とVT2に特異的に結合
    しうる第1特異的結合物質(VT2第1特異的結合物
    質)とを同一担体上に固定化してなる標識複合体、
    (b)被検試料中のVT1又はVT2、及び(c)固定
    相上のVT1第2特異的結合物質又はVT2第2特異的
    結合物質、からなる複合体を形成させ、該複合体を検出
    することを特徴とする、免疫学的検査法。
  4. 【請求項4】 (I)前記(a)の標識複合体と被検試
    料とを接触させて、該標識複合体と前記(b)のVT1
    又はVT2との複合体を形成するステップ;(II)吸水
    性基材上の一端にVT1第2特異的結合物質とVT2第
    2特異的結合物質とを異なる位置に固定化した固定相を
    有する試験片で、前記(I)のステップで得られた複合
    体を展開するステップ;並びに(III) 前記(II)のステ
    ップで展開された複合体を、固定相に捕捉するステップ
    を含む、請求項3記載の免疫学的検査法。
  5. 【請求項5】 (I)吸水性基材上の一端にVT1第2
    特異的結合物質とVT2第2特異的結合物質とを異なる
    位置に固定化した固定相を有する試験片の他端から、被
    検試料を展開し、該固定相で被検試料中のVT1又はV
    T2を捕捉するステップ;並びに(II)試験片に前記
    (a)の標識複合体を展開し、固定相に捕捉するステッ
    プを含む、請求項3記載の免疫学的検査法。
  6. 【請求項6】 (I)吸水性基材上の一端にVT1第2
    特異的結合物質とVT2第2特異的結合物質とを異なる
    位置に固定化した固定相を有し、かつ該吸水性基材上の
    他端に試薬受領部を有する試験片上の固定相と試薬受領
    部との間に、被検試料を供するステップ; (II)該試薬受領部に前記(a)の標識複合体を供し
    て、展開し、それにより、該標識複合体と前記(b)の
    VT1又はVT2との複合体を形成するステップ;並び
    に (III) 前記(II)のステップで得られた複合体を展開
    し、固定相に捕捉するステップを含む、請求項3記載の
    免疫学的検査法。
  7. 【請求項7】 (A)VT1に特異的に結合しうる第1
    特異的結合物質(VT1第1特異的結合物質)とVT2
    に特異的に結合しうる第1特異的結合物質(VT2第1
    特異的結合物質)とを同一担体上に固定化してなる標識
    複合体;及び(B)吸水性基材上の一端にVT1に特異
    的に結合しうる第2特異的結合物質(VT1第2特異的
    結合物質)とVT2に特異的に結合しうる第2特異的結
    合物質(VT2第2特異的結合物質)とを異なる位置に
    固定化した固定相を有する試験片を含有してなる、免疫
    クロマトグラフィー用キット。
  8. 【請求項8】 (B)の試験片が、吸水性基材上の他端
    に試薬受領部をさらに有するものである、請求項7記載
    の免疫クロマトグラフィー用キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015230221A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 田中貴金属工業株式会社 免疫学的測定試薬におけるプロゾーン現象の解消法

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