JP2002147489A - 樹脂製フレキシブルブーツ及びその製造方法 - Google Patents

樹脂製フレキシブルブーツ及びその製造方法

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JP2002147489A
JP2002147489A JP2000344630A JP2000344630A JP2002147489A JP 2002147489 A JP2002147489 A JP 2002147489A JP 2000344630 A JP2000344630 A JP 2000344630A JP 2000344630 A JP2000344630 A JP 2000344630A JP 2002147489 A JP2002147489 A JP 2002147489A
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resin
flexible boot
glycol
polyester elastomer
thermoplastic polyester
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JP2000344630A
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Katsushi Saito
克志 齋藤
Masayuki Chokai
真幸 鳥海
Hiroshi Ono
宏 大野
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/703Bellows

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】初期の異音発生抑制効果を維持したままその異
音発生抑制の持続効果が向上され、シール性、耐久性が
確保された樹脂製フレキシブルブーツを提供する。 【解決手段】熱可塑性ポリエステルエラストマーをベー
ス材料とする成形材料を用いて成形され、大径口部と小
径口部とが蛇腹部で連結されてなり、熱可塑性ポリエス
テルエラストマーが芳香族ジカルボン酸と低分子量グリ
コールからなるハードセグメントと分子量400〜40
00のソフトセグメントとを構成成分とする共重合体で
あり、成形材料は、熱可塑性ポリエステルエラストマー
100重量部に対して、2官能以上のエポキシ化合物
0.01〜10重量部、及び鉱物油、植物油から選択さ
れる少なくとも1種の液状潤滑剤を添加したものである
樹脂製フレキシブルブーツとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の等速ジョ
イントなどに用いられる蛇腹状の樹脂製フレキシブルブ
ーツ、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の樹脂製フレキシブルブーツは、
自動車の等速ジョイントのハウジング部に嵌着される大
径口部と、車軸部に嵌着される小径口部とをテーパ状の
蛇腹部で連結した構成を有しており、等速ジョイントに
封入されているグリースの漏れを防止し、塵埃の進入を
防止するなどの機能を有する。
【0003】このようなフレキシブルブーツの成形材料
には、従来一般にクロロプレンゴムが主として使用され
てきた。しかし、クロロプレンゴムからなるフレキシブ
ルブーツは、とくに高速回転時に回転遠心力で異常に膨
張変形し、その状態が長時間にわたって継続されたり、
膨張と収縮とが繰り返されたりしたときに、機械的な劣
化によって短時間のうちに破損しやすく、製品寿命に欠
けるという問題があった。
【0004】そこで、最近では、耐熱性、耐屈曲性、強
度に優れる成形材料として高弾性の熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーが用いられ
るようになってきている。しかし、このような高弾性の
熱可塑性エラストマーからなるフレキシブルブーツにも
以下の難点がある。
【0005】(1)走行中に温度が上昇した潤滑油やグ
リースに接した状態での耐屈曲疲労性が十分ではない。
【0006】(2)成形に際して、溶融粘度が高くない
ために、プレスブロー成形等による成形性が十分ではな
い。
【0007】(3)自動車の等速ジョイントに装着した
フレキシブルブーツを、広角度に屈曲変位した状態で回
転させると、蛇腹部の山部どうしが擦れ、この擦れ作用
によって異音が発生し、この異音に伴い材料が磨り減っ
たりする。特に、フレキシブルブーツの外表面に水分が
付着している場合に、そのような異音が顕著に発生しや
すい。
【0008】上記(3)を解決する技術として、特開平
9−177971号公報記載のように、脂肪酸アミドを
熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)に添加
する方法が公知である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、TPEEに脂
肪酸アミドを添加した成形材料を使用したフレキシブル
ブーツは、初期の異音発生防止効果は認められるが、そ
の異音抑制の持続時間が短く,実車走行中にある程度の
時間が経過すると異音が発生する。これを防止する方法
として、脂肪酸アミドの添加量を多くすることが考えら
れるが、TPEEに対する脂肪酸アミドの添加量を増加
すると、フレキシブルブーツの表面に脂肪酸アミドが粉
状に析出し、こすれ落ちる現象が起こり、結果的に異音
抑制の持続効果が得られない。
【0010】本発明の目的は、上記問題点を解決するた
めになされたものであり、走行により高温になった状態
での耐油性並びに高温グリースとの接触状態における耐
屈曲疲労性に優れた樹脂製フレキシブルブーツを提供す
ることにある。また本発明は、初期の異音発生抑制効果
を維持したままその異音発生抑制の持続効果が向上さ
れ、シール性、耐久性が確保され、しかも成形性にも優
れた樹脂製フレキシブルブーツを提供することにもあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性ポリ
エステルエラストマーをベース材料とする成形材料を用
いて成形され、大径口部と小径口部とが蛇腹部で連結さ
れてなる樹脂製フレキシブルブーツであって、前記熱可
塑性ポリエステルエラストマーが芳香族ジカルボン酸と
低分子量グリコールからなるハードセグメントと平均分
子量400〜4000のソフトセグメントとから構成さ
れる共重合体であり、前記成形材料は、MFR値が、
0.2〜1.3g/10minであることを特徴とす
る。
【0012】上記構成によれば、自動車の等速ジョイン
トに装着し、広角度に屈曲変位した状態て連続回転させ
た時も、耐油性並びに高温グリースとの接触における耐
屈曲疲労性に優れ、シール性、耐久性が確保され、しか
も成形性にも優れた樹脂製フレキシブルブーツが得られ
る。
【0013】MFR(Melt Flow Rati
o)値が、0.2〜1.3g/10minの範囲にある
熱可塑性ポリエステルエラストマーの使用により、ブロ
ー成形、プレスブロー成形等の成形方法による成形性に
優れた樹脂製フレキシブルブーツが得られる。MFR
は、ASTM D1238に準拠して測定した値である
(温度230℃、荷重2160g)。
【0014】熱可塑性ポリエステルエラストマーのハー
ドセグメントを構成する芳香族ジカルボン酸がテレフタ
ル酸であり、前記低分子量グリコールが1,4−ブタン
ジオールであることが、可とう性、耐久性に優れた樹脂
製フレキシブルブーツが得られ、より好ましい。
【0015】またソフトセグメントが、ポリオキシテト
ラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリオキシエチレン・プロピレン共重合グリコール
から選択される少なくとも1種のポリエーテルグリコー
ルであることが好ましい。
【0016】ソフトセグメントは、ポリオキシテトラメ
チレングリコールであることが耐加水分解性、耐久性に
優れた樹脂製フレキシブルブーツが得られ、特に好まし
い。本発明における前記成形材料は、1分子中に平均2
以上のグリシジル基を有する多官能エポキシ化合物を熱
可塑性ポリエステルエラストマー100重量部に対して
0.01〜10重量部添加したものであることが好まし
い。
【0017】多官能エポキシ化合物の添加により、溶融
粘度が高くすることができ、成形材料の成形性が向上し
て耐熱性、耐加水分解性がより一層改善された樹脂製フ
レキシブルブーツが得られる。エポキシ化合物の添加量
が0.01重量部未満では、成形性、耐熱性、耐加水分
解性の改善効果が十分でなく、10重量部を超えると未
反応成分が多く残存する結果、製品の表面状態の低下等
の問題が目立つようになる。エポキシ化合物の添加量
は、熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量部に
対して好ましくは0.1〜10重量部であり、より好ま
しくは0.3〜8重量部であり、特に好ましくは0.3
〜6重量部である。
【0018】前記エポキシ化合物は、テレフタル酸ジグ
リシジルエーテル、イソフタル酸ジグリシジルエーテ
ル、フタル酸ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA
−グリシジルエーテル、ビスフェノールF−グリシジル
エーテル、ビスフェノールS−グリシジルエーテルから
選択される2官能エポキシ樹脂の少なくとも1種である
ことが好適な態様である。
【0019】かかるエポキシ化合物をTPEEに添加す
ることにより、他のエポキシ化合物と比較して、成形
性、耐熱性、耐加水分解性が特に優れた樹脂製フレキシ
ブルブーツを得ることができる。
【0020】本発明においては、前記成形材料は、滑剤
として平均分子量が1000〜4000のポリオキシテ
トラメチレングリコール(PTMG)を熱可塑性ポリエ
ステルエラストマー100重量部に対して0.01〜2
0重量部添加したものであることが好ましい。
【0021】PTMGは、熱可塑性ポリエステルエラス
トマー構成成分と同じ化学構造を有しており、しかもワ
ックス状ないし高粘度液状であり、熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーに添加した場合、フレキシブルブーツ構
成材料内に適度に保持され、かつその表面に潤滑剤とし
て適度に析出(ブリード)して油膜状に密着し、脂肪酸
アミドのような固形粉状の析出物と違ってフレキシブル
ブーツ表面から簡単にこすれ落ちるようなことがないた
め、初期の異音発生抑制効果を維持したままその異音発
生抑制の持続効果が向上され、しかもシール性が確保さ
れる。
【0022】PTMGの添加量が0.01重量部未満の
場合には、異音発生を抑制できない場合があり、20重
量部を超えるとフレキシブルブーツの耐久性が低下する
等の問題が生じる場合がある。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る樹脂製
フレキシブルブーツ1の断面図(縦断側面図)である。
この樹脂製フレキシブルブーツ1は、一端に大径口部2
を、他端に小径口部3をそれぞれ有し、これら大径口部
2と小径口部3との間をテーパ状の蛇腹部4で連結する
形に射出成形、プレスブロー成形、インジェクションブ
ロー成形、ダイレクトブロー成形等の公知の成形法で一
体成形してなるものである。
【0024】このように成形された樹脂製フレキシブル
ブーツ1は、例えば、図2に示すように自動車の後部車
軸5に駆動軸6を屈曲変位可能に連動連結するインボー
ドジョイント(自在継手)7のアウターケース8及びア
ウトボードジョイント9のアウターケース10に各大径
口部2をそれそれ外嵌させて締付クランプ12により締
付け固定するとともに、後部車軸5に各小径口部3をそ
れぞれ外嵌させて締付クランプ12により締付け固定す
ることにより、上記各ジョイント7,9の外側を被覆す
るとともに、各蛇腹部4の内部にグリース封入空間1
1,11を形成する。
【0025】上記構成の樹脂製フレキシブルブーツ1の
成形材料としては、上述のように、熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー(TPEE)をベース樹脂材料とする。
【0026】TPEEは、上述のように芳香族ジカルボ
ン酸と低分子量グリコールからなるハードセグメントと
分子量400〜4000のソフトセグメントとを構成成
分とする。ハードセグメントを構成するポリエステルセ
グメントは、そのハードセグメントのみで高重合体とし
た場合には融点が180℃以上であり、一方ソフトセグ
メントは、軟化点ないし融点は80℃以下である。
【0027】前記ハードセグメントを構成する芳香族ジ
カルボン酸としては、具体的には、テレフタル酸、ジフ
ェニルカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、並びに2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸等のナフタレンジカルボン酸が例示され、特にテレ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸から選択される少な
くとも1種の使用が好ましい。これらの芳香族ジカルボ
ン酸と共に脂肪族系ないし脂環族系ジカルボン酸を併用
することは、TPEEの特性の調整における自由度が高
くなり、好適な態様である。かかる脂肪族系ないし脂環
族系ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が例示される。
【0028】芳香族ジカルボン酸と脂肪族系ないし脂環
族系ジカルボン酸を併用する場合、芳香族ジカルボン酸
が全酸性分中70モル%以上であることが好ましく、よ
り好ましくは75モル%以上である。
【0029】ハードセグメントを構成する前記低分子量
グリコールとしては、具体的にはエチレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジメチロールヘプタン、ジメチロールペンタン、ト
リシクロデカンジメタノール、ビスフェノールAエチレ
ンオキサイド付加物、ビスフェノールFエチレンオキサ
イド付加物、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加
物、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ダイマーグ
リコール等が例示される。これらのなかでも特に、エチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ダイマーグリコールから選
択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0030】これらの中でも、上述のように、ハードセ
グメント構成成分は、芳香族ジカルボン酸がテレフタル
酸であり、低分子量グリコールが1,4−ブタンジオー
ルであることが特に好ましい。
【0031】本発明において使用する熱可塑性ポリエス
テルエラストマーにおけるソフトセグメントとしては、
具体的には、ポリオキシテトラメチレングリコール(P
TMG)、ポリオキシプロピレングリコール(PP
G)、脂肪族ポリエステルジオールが例示される。ポリ
オキシプロピレングリコールは、末端がエチレンオキサ
イド単位となっているポリオキシエチレン・プロピレン
共重合グリコールが好ましい。脂肪族ポリエステルジオ
ールは、ポリウレタンの技術分野で公知の材料が使用で
きる(岩田敬治「ポリウレタンハンドブック」日刊工業
新聞社参照)。これらのなかでも、上述のように、PT
MGの使用が特に好ましい。
【0032】ハードセグメント構成成分としてテレフタ
ル酸と1,4−ブタンジオールを使用し、ソフトセグメ
ントとしてPTMGを使用した熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーとしては、ペルプレン(商品名、東洋紡績
(株)製)、ハイトレル(商品名、東レ・デュポン
(株)製)、ARNITEL(DSM社製)などが市販
されており、使用が推奨される。
【0033】本発明において使用する多官能エポキシ化
合物としては、公知の多官能エポキシ化合物は、特に限
定なく使用可能であり、具体的にはビスフェノール系エ
ポキシ化合物、ノボラック系エポキシ化合物、芳香族ジ
カルボン酸のグリシジルアルコールジエステル、脂肪族
ないし脂環族多価アルコールのグリシジルエーテル等が
例示されるが、上述のように、テレフタル酸ジグリシジ
ルエーテル、イソフタル酸ジグリシジルエーテル、フタ
ル酸ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA,ビスフ
ェノールF,ビスフェノールSのジグリシジルエーテル
の少なくとも1種の使用が最も好ましい。ビスフェノー
ル系化合物、芳香族ジカルボン酸のジグリシジルエーテ
ル誘導体と他のエポキシ化合物を併用してもかまわな
い。
【0034】これらのエポキシ化合物と共に、公知のエ
ポキシ硬化触媒を使用してもよい。具体的には、第3級
アミン化合物、イミダゾール系触媒、酸無水物等が例示
される。
【0035】本発明の樹脂製フレキシブルブーツにおい
ては、TPEEに各種の添加剤を加えて特性、加工性等
の改善を行うことは好適な態様であり、かかる添加剤と
しては酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、過酸化物等
の分子量調整剤、金属不活性化剤、有機系や無機系の核
剤、充填剤、増量剤、補強剤、着色剤等が例示される。
【0036】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系、イオウ系、リン系等の公知の液状ないし固体状の
酸化防止剤が使用可能であり、光安定剤としては、ヒン
ダードアミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、
ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル系等の公知の光
安定剤が使用できる。
【0037】充填剤、増量剤、補強剤、着色剤として
は、公知のものが限定なく使用可能であり、具体的に
は、カーボンブラック類、シリカ、ケイ酸カルシウム、
カオリン、タルク、クレー、ケイソウ土、ウォラストナ
イト等のケイ酸化合物、炭酸カルシウムや炭酸バリウム
等の金属炭酸塩、有機系ないし無機系の顔料等が例示さ
れる。
【0038】熱可塑性ポリエステルエラストマーのベー
ス樹脂には、通常、酸化防止剤や顔料等の固体状添加剤
も添加されるが、これらの添加剤と滑剤としてのPTM
Gとを熱可塑性ポリエステルエラストマー中に均一に分
散するためには、PTMGをTPEEペレット表面に液
膜状に付着させた状態で混練することが好ましい。具体
的には、少なくともTPEE原料ペレットを加熱し、P
TMGをワックス状ないし加熱溶融した液状にて混合し
てPTMGをTPEEペレット表面に液膜状に付着さ
せ、その後に固体状(粉末状)添加剤を添加して混合撹
拌し、得られた混合物を押出機にて混練し押出す方法、
PTMG加温して液状として固体状添加剤と予備的に混
合し、この混合物を加温したTPEEペレットに混合撹
拌し、得られた混合物を押出機を用いて混練し押出す方
法等により成形材料を作り、前記成形材料を用いて前記
樹脂製フレキシブルブーツを成形することが好ましい。
【0039】この製造方法によれば、滑剤であるPTM
Gがペレットの表面に均一に付着した状態で混練が行わ
れ、熱可塑性ポリエステルエラストマー中に滑剤が均一
に分散した成形材料が得られる。
【0040】以上の樹脂製フレキシブルブーツの製造方
法における、加温の温度は、60℃以上、より好ましく
は70〜100℃である。60℃より低い温度では均一
に分散しないことがあり、100℃より高い温度では、
加温方法としてミキサー等で熱可塑性ポリエステルエラ
ストマーのペレットを撹拌し、ペレットの摩擦熱を利用
して加温する場合に、加温時間が長くかかってしまい、
効率がよくない。
【0041】熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレ
ットを加温する方法としては、ミキサー等でペレットを
撹拌し、ペレットの摩擦熱を利用して加温する方法、あ
るいは一般的な温風式乾燥器を用いて加温する方法等が
例示される。
【0042】多官能エポキシ化合物を添加する場合も上
記と同様に行う。即ち、エポキシ化合物が液体ないし低
融点化合物である場合には、PTMGの場合と同様に液
状でTPEEペレットに付着させることが好ましく、固
体ないし粉末状の場合には,固体状添加剤と同じ添加方
法にて混合し、その後、押出機等により混練して成形材
料とする。
【0043】上記の撹拌方法には、一般的にミキサーや
タンブラーなどを使用すればよい。上記混合物を混練し
て押出す押出機としては、一般的な単軸式押出機を使用
できるが、これ以上に、樹脂中にPTMGや必要に応じ
て添加する他の添加剤を均一に分散したブーツ成形材料
が得られる点で、二軸押出機を使用することが好まし
い。
【0044】
【実施例】(実施例1〜3、比較例1〜3)ベース材料
としてハードセグメントとしてテレフタル酸と1,4−
ブタンジオールの重合体を、かつソフトセグメントとし
てPTMGを、それぞれ使用した熱可塑性ポリエステル
エラストマーであって、MFR値の異なるものを使用
し、ビスフェノールAジグリシジルエーテルをポリエス
テルエラストマー100重量部に対して0.5重量部、
滑剤としてPTMG3000(三洋化成工業社製)を2
重量部を添加してフレキシブルブーツ成形材料を作製
し、得られたブーツ成形材料を使用してプレスブロー成
形機PRESS BLOWER(OSSBERGER社
製)を使用して樹脂製フレキシブルブーツを成形した。
【0045】以上のようにして成形した実施例1〜3及
び比較例1〜3の樹脂製フレキシブルブーツ製品を等速
ジョイントに組み付けて、異音発生の抑制性能、シール
性及び耐久性能について評価した。結果を表1に示す。
なお各試験方法は下記の要領で実施した。
【0046】(1)異音発生の抑制 等速ジョイントに組み付けて低速回転させ、初期の異音
発生の有無を確認し、異音の発生が無い場合には「○」
と判定し、観察された場合に「×」と判定した。また、
連続回転時の異音発生までの時間を確認し、異音抑制持
続時間の目標値である25分より短い時間内に異音を発
生した場合に「×」と判定し、それより長く持続した場
合に「○」と判定した。測定条件は、常温雰囲気(R
T)にて等速ジョイントの最大角(図1の角度α)を4
9°、回転数を150rpmとした。また、フレキシブ
ルブーツの表面は常に水が付着した状態にした。
【0047】(2)耐久性能 高温雰囲気100℃で、ブーツ内にグリースを充填した
状態で、等速ジョイントの最大角を43°、回転数を5
00rpmとし、フレキシブルブーツの蛇腹部の谷部に
亀裂が貫通状に発生するまでの時間を測定した。評価結
果は亀裂貫通までの時間(hr)及び目標値である30
時間より短い時間で発生した場合に「×」、それより長
い時間後に発生した場合に「○」にて表示した。
【0048】表1に示すように、滑剤としてのPTMG
と2官能エポキシ化合物とを使用し、MFR値が0.2
〜1.3(g/10min)の範囲に有るTPEEを使
用したものは、プレスブロー法による成形性異音発生防
止効果、耐久性の全てにおいて満足できるものであっ
た。なお、異音発生抑制効果は、PTMGの添加によ
り、いずれのフレキシブルブーツにおいても良好であっ
た。
【0049】
【表1】 本発明によれば、自動車の等速ジョイントなどに装着
し、広角度に屈曲変位した状態で連続回転させる場合
も、樹脂製フレキシブルブーツの初期の異音発生を抑制
できるばかりか、その異音発生抑制の持続効果を向上す
ることができ、成形性、シール性、耐久性の向上をも図
れるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂製フレキシブルブーツの形状を例示した縦
断側面図
【図2】樹脂製フレキシブルブーツの使用状況を示した
断面図
フロントページの続き (72)発明者 大野 宏 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CD052 CD102 CD112 CF101 CH023 FD173 GN00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステルエラストマーをベ
    ース材料とする成形材料を用いて成形され、大径口部と
    小径口部とが蛇腹部で連結されてなる樹脂製フレキシブ
    ルブーツであって、 前記熱可塑性ポリエステルエラストマーが芳香族ジカル
    ボン酸と低分子量グリコールからなるハードセグメント
    と平均分子量400〜4000のソフトセグメントとか
    ら構成される共重合体であり、前記成形材料は、MFR
    値が、0.2〜1.3g/10minであることを特徴
    とする樹脂製フレキシブルブーツ。
  2. 【請求項2】 前記ハードセグメントを構成する前記芳
    香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、前記低分子量
    グリコールが1,4−ブタンジオールである請求項1に
    記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  3. 【請求項3】 前記ソフトセグメントが、ポリオキシテ
    トラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
    ール、ポリオキシエチレン・プロピレン共重合グリコー
    ルから選択される少なくとも1種のポリエーテルグリコ
    ールである請求項1又は2に記載の樹脂製フレキシブル
    ブーツ。
  4. 【請求項4】 前記成形材料は、1分子中に平均2以上
    のグリシジル基を有する多官能エポキシ化合物を熱可塑
    性ポリエステルエラストマー100重量部に対して0.
    01〜10重量部添加したものである請求項1〜3のい
    ずれかに記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  5. 【請求項5】 前記エポキシ化合物は、テレフタル酸ジ
    グリシジルエーテル、イソフタル酸ジグリシジルエーテ
    ル、フタル酸ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA
    −グリシジルエーテル、ビスフェノールF−グリシジル
    エーテル、ビスフェノールS−グリシジルエーテルから
    選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれ
    かに記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  6. 【請求項6】 前記成形材料は、滑剤として平均分子量
    が1000〜4000のポリオキシテトラメチレングリ
    コールを熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量
    部に対して0.01〜20重量部添加したものである請
    求項1〜5のいずれかに記載の樹脂製フレキシブルブー
    ツ。
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