JPH071494A - ジョイントブーツ - Google Patents

ジョイントブーツ

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JPH071494A
JPH071494A JP10626392A JP10626392A JPH071494A JP H071494 A JPH071494 A JP H071494A JP 10626392 A JP10626392 A JP 10626392A JP 10626392 A JP10626392 A JP 10626392A JP H071494 A JPH071494 A JP H071494A
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JP
Japan
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joint boot
thermoplastic polyester
polyester elastomer
boot
joint
Prior art date
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Pending
Application number
JP10626392A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Nakajima
達雄 中島
Takemi Konomoto
武美 此本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH071494A publication Critical patent/JPH071494A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/703Bellows

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)熱可塑性ポリエステルエラストマー2
0〜99重量%に、(B)ゴム80〜1重量%を配合す
ることにより柔軟化した(C)熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー組成物を、射出成形することを特徴とするジ
ョイントブーツ成形体の製造方法。(C)熱可塑性ポリ
エステルエラストマー組成物の引張弾性率が、30〜4
00kgf/cm2 であることを特徴とする請求項1記
載のジョイントブーツ成形体の製造方法を提供するもの
である。 【効果】 本発明によれば、従来の熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー単体ジョイントブーツ成形体の課題であ
った、柔軟性と圧縮永久歪が改良される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ポリエステル
エラストマー組成物からなるジョイントブーツに関し、
さらに詳しくは、例えば自動車の等速ジョイントなどに
好ましく用いられるジャバラ状のジョイントブーツに関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車や産業機械のジョイントには、封
入されているグリースを保持するため、あるいは塵など
を防ぐためにブーツが装着される。
【0003】従来、このようなジョイントブーツは、ク
ロロプレンゴムなどのゴム材料を、射出成形することに
より作製されていた。しかし、近年自動車用途におい
て、部品の保証期間の長期化(3年→5年)が要請さ
れ、上記のゴム材料では、耐オゾン性や耐摩耗性に問題
があった。このような状況下でブーツ用材料は、クロロ
プレンゴムから熱可塑性ポリエステルエラストマーに変
わりつつあり、その驚異的な耐オゾン性と耐摩耗性から
5年の保証期間を満足できるようになった。しかし、熱
可塑性ポリエステルエラストマーを使ってブーツ成形体
を造ろうとすると、従来のゴム材料に比較して、降伏伸
びが低い(50〜70%)ためにジャバラ形状の山数を
増やして膜長をかせぐ必要があり、また、弾性率が高い
ため膜厚を0.7〜1.8mm程度の範囲に薄肉化しな
ければならなかった。
【0004】ところが、熱可塑性ポリエステルエラスト
マーを射出成形することにより、上記のような形状のブ
ーツ成形体を造ろうとすると、熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーの弾性率が高いために成形型からの離型がむ
ずかしく、ブーツ形状においてアンダーカット比や抜き
テーパー角を工夫したり、成形型中子を分割したりする
ような特別な工夫が必要であった。また、成形すること
はできても、塑性変形を起こしたり、複雑な離型方法を
採る必要があるために生産性が悪い場合があった。
【0005】したがって、熱可塑性ポリエステルエラス
トマーを使用するブーツ成形体の製造は、一般に、ダイ
レクト・ブロー法やインジェクション・ブロー法などの
吹き込み成形によって行われている。しかし、これらの
吹き込み成形法による場合は、次のような問題がある。
たとえば、スクリューなどで押し出された筒状パリソン
を金型内で膨張させることにより成形品を得るダイレク
ト・ブロー法の場合、押出しパリソンの肉厚をコントロ
ールするパリソンコントロールを使用しても、なおこの
種のジャバラ成形体の成形においては、山部と谷部の肉
厚の不均一が発生する。また、溶融樹脂を射出して管状
成形体を作り、これに空気を吹き込んで成形体を得るイ
ンジェクション・ブロー法の場合でも、やはり成形品内
面の寸法精度を上げることは非常に難しい。ここで、ブ
ーツ成形体の肉厚不均一は、機能面において重要な問題
であり、耐久寿命に多大の影響を与えるものである。
【0006】さらに、吹き込み成形法における上記のよ
うな問題を、精密なパリソンコントロールや、たとえば
マンドレルの工夫による成形機の改良によって解決した
としても、熱可塑性ポリエステルエラストマー単体ジョ
イントブーツ成形体の剛直性のため、ジョイントに組み
付けるとき多くの問題を引き起こす。すなわち、弾性率
が高いために変形しにくく、生産性の低下を引き起こし
たり、ブーツ変形時に固定バンド部に掛かる力が増大す
る。また、熱可塑性ポリエステルエラストマー単体ブー
ツでは圧縮永久歪が劣るため、ブーツを使用していると
き、小径固定部でも緊縛力の低下が起きる。したがっ
て、熱可塑性ポリエステルエラストマー単体ジョイント
ブーツには、従来のゴムブーツ用の簡易なワンタッチバ
ンドを使用することができず、より強固な固定バンドを
使用し、これを特別な方法でかしめる必要があり、生産
工程においても多大な負荷がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、熱
可塑性ポリエステルエラストマー単体からなるジョイン
トブーツ成形体は、機械的性質、耐油性、耐熱性、耐久
性などに優れているが、素材の剛性が高いために射出成
形がしにくく、たとえできたとしても形状が制限され
る。また、吹き込み成形法による場合は、ジャバラ部の
肉厚が不均一になりやすく、ジョイントブーツ成形体の
耐久性を確保するには、特別の工夫がいる。また、柔軟
性と圧縮永久歪が悪いために、ゴムブーツ用の簡易バン
ドが使えないなどの欠点がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点に鑑みて鋭意研究した結果、熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーに特定量のゴムを配合し、場合によ
っては動的に架橋を行うことによって、耐油性と耐熱性
を低下させることなく柔軟性と圧縮永久歪が改良された
熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物が提供できる
ことを見い出し、さらに鋭意検討した結果、この組成物
を射出成形すれば、好ましい形状を有するジョイントブ
ーツが得られることを見い出したものである。さらに本
発明者らは、上記のジョイントブーツについて検討した
結果、熱可塑性ポリエステルエラストマー単体からなる
ジョイントブーツ成形体に匹敵する耐久性を有し、しか
もゴムブーツ用の簡易ワンタッチバンドで固定すること
ができる、特定構造のジョイントブーツを見い出したも
のである。
【0009】すなわち本発明は、(A)熱可塑性ポリエ
ステルエラストマー20〜99重量%に、(B)ゴム8
0〜1重量%を配合してなる柔軟性を有する(C)熱可
塑性ポリエステルエラストマー組成物を、射出成形して
得られることを特徴とするジョイントブーツを提供する
ものである。なお、本発明のジョイントブーツを適用す
る「ジョイント」とは、自動車や産業機械における駆動
軸と車輪との連結部や、駆動力の伝達系を構成する自在
継手のことである。
【0010】上記熱可塑性ポリエステルエラストマー
(A)は、高融点ポリエステルセグメントと低融点重合
体セグメントとからなるブロック共重合体である。
【0011】ハードセグメントである高融点結晶性セグ
メント(A−1)の芳香族ポリエステル単位は、酸成分
とグリコール成分とから形成されるが、この酸成分は実
質的にテレフタール酸および/または2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸である。また、テレフタール酸または
2,6−ナフタレンジカルボン酸のほかにイソフタール
酸などの他の芳香族ジカルボン酸、あるいはアジピン
酸、セバチン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカンボン
酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸を少量併用し
てもよい。
【0012】上記芳香族ポリエステル単位を形成するグ
リコール成分は、炭素数2〜12のグリコール、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサン
ジオール、デカンジオールなどである。
【0013】ソフトセグメントである低融点重合体セグ
メント(A−2)を構成する脂肪族ポリエーテル単位
は、ポリアルキレングリコールで形成されるが、ポリア
ルキレングリコールの具体例としては、例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコールブロック共重合体などが挙げら
れ、特にポリテトラメチレングリコールが好ましい。こ
れらのポリアルキレングリコールは、その炭素数と酸素
数の比が2〜4.5のものであれば、単独ではもちろん
混合物として用いることもできる。
【0014】低融点重合体セグメント(A−2)を構成
するもう一つの単位である脂肪族ポリエステル単位は、
主として脂肪族ジカルボン酸とグリコールからなるが、
その主たる酸性分である脂肪族ジカルボン酸は、例えば
コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、デカンジカルボン
酸などである。また、これら脂肪族ジカルボン酸のほか
にイソフタール酸などの芳香族ジカルボン酸を少量併用
してもよい。
【0015】また、上記脂肪族ポリエステル単位を形成
するグリコール成分は、炭素数2〜12のグリコール成
分であり、その具体例としては高融点結晶性セグメント
(A−1)の芳香族ポリエステル単位を形成するグリコ
ール成分として例示したものと同様のものが挙げられ
る。
【0016】脂肪族ポリエステル単位は、上記脂肪族ジ
カルボン酸とグリコール成分とを通常の方法で重縮合せ
しめて得られるものであり、ホモポリエステルでも共重
合ポリエステルでもよく、あるいは環状のラクトンを開
環重合して得られるポリラクトン(例えばポリ−ε−カ
プロラクトン)でもよい。なお、低融点重合体セグメン
ト(A−2)の融点の上限は特に限定されないが、一般
的には130℃以下であり、好ましくは100℃以下で
ある。また、低融点重合体セグメント(A−2)の分子
量は、通常400〜6000である。
【0017】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
中の高融点結晶性セグメント(A−1)と低融点重合体
セグメント(A−2)との組成比は、好ましくは重量比
で95/5〜5/95であり、さらに好ましくは70/
30〜30/70である。また、熱可塑性ポリエステル
エラストマー(A)としては、軟化点が100℃以上で
あるものが特に好ましい。
【0018】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
として特に好ましく用いられるポリエステルブロック共
重合体は、高融点結晶性セグメント(A−1)としてポ
リテトラメチレンテレフタレートまたはポリトリメチレ
ンテレフタレート−2,6−ナフタレートを用い、低融
点重合体セグメント(A−2)としてポリテトラメチレ
ングリコールなどのポリエーテル、ポリテトラメチレン
アジペート、ポリ−ε−カプロラクトンなどのポリエス
テルを用いて形成されるものである。また、ジカルボン
酸やグリコールの一部としてポリカルボン酸や多官能性
ヒドロキシ化合物、オキシ酸などが共重合されたもので
もよい。これらの多官能性成分は、3モル%以下の範囲
で共重合せしめることにより、高粘度化成分として有効
に作用する。該多官能性成分としては、例えばトリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、グリセ
リン、ペンタエリスリトール、またはこれらのエステ
ル、酸無水物などを挙げることができる。
【0019】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
は、通常の重合方法によって製造することができる。好
適な重合方法としては、芳香族ジカルボン酸またはその
ジメチルエステルと低融点セグメント形成性ジオールと
を、触媒の存在下に約150〜260℃に加熱し、エス
テル化反応またはエステル交換反応を行い、次いで真空
下に過剰の低分子ジオールを除去しつつ重縮合反応を行
うことにより熱可塑性エラストマーを得る方法、あらか
じめ調整した高融点ポリエステルセグメント形成性プレ
ポリマーおよび低融点重合体セグメント形成性プレポリ
マーに、それらのプレポリマーの末端基と反応する2官
能性の鎖延長剤を混合し、反応させたのち、系を高真空
に保ち揮発成分を除去することにより熱可塑性ポリエス
テルエラストマーを得る方法、高重合度の高融点ポリエ
ステルとラクトン類とを加熱混合し、ラクトンを開環重
合させつつエステル交換反応させることにより熱可塑性
ポリエステルエラストマーを得る方法などがある。
【0020】上記ゴム(B)としては、各種の合成ゴム
または天然ゴムを単独でまたは組み合わせで使用するこ
とができる。好ましいゴム(B)としては、極性ジエン
系ゴムおよびその水素添加物、アクリルゴム、ヒドリン
ゴム、ウレタンゴム、クロロフォスファゼンゴムおよび
熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリアミ
ドエラストマーなどが挙げられる。さらに、シリコーン
ゴムおよびフッ素ゴムも、耐油性があるため、ゴム
(B)として好ましく使用できる。本発明において特に
好ましいゴム(B)は、非ハロゲンジエン系ゴム、非ハ
ロゲンジエン系ゴムの水添物、エピクロルヒドリンゴム
などであり、さらに具体的には、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合ゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合ゴム、水素化アクリル酸エステル−ブタジエ
ン共重合ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴムなどで
ある。
【0021】熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物
(C)における、熱可塑性ポリエステルエラストマー
(A)とゴム(B)の配合割合は、(A)成分/(B)
成分=99〜20/1〜80重量%であり、好ましくは
95〜51/5〜49重量%であり、さらに好ましくは
85〜55/15〜45重量%である。(A)成分の使
用量が多すぎると結果的に(B)成分の使用量が不足
し、得られる組成物(C)の柔軟性と圧縮永久歪の向上
効果が十分認められない。十分な効果を期待するために
は(A)成分が95重量%以下であることが好ましい。
また、(A)成分の使用量が20重量%未満では、得ら
れる組成物(C)の加工性と流動性が劣り、ジョイント
ブーツ材料として好ましくない。射出成形材料として
は、特に(A)成分が51重量%以上であることが好ま
しい。
【0022】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
(C)は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)と
ゴム(B)を単純にブレンドするだけでも得ることがで
きるが、より高い性能の組成物(C)を得るためには、
動的架橋を施す。動的架橋とは、Uniroyal社の
W.M.Fischerらや、Monsanto社の
A.Y.Coranらにより開発された手法であり、熱
可塑性樹脂のマトリックス中にゴムをブレンドし、架橋
剤とともに混練りしながらゴムを高度に架橋させ、しか
もそのゴムを微細に分散させるプロセスのことである。
動的架橋において使用する架橋剤としては、通常のゴム
に対して使用される過酸化物、樹脂架橋剤、硫黄などの
架橋剤を使用することができる。架橋剤の具体例として
は、例えば“架橋剤ハンドブック(山下晋三、金子東助
著、大成社)”に記載されている架橋剤、架橋助剤、架
橋促進剤などが挙げられる。すなわち、本発明において
は、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)
ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルク
ミルペルオキシドなどの架橋剤を好ましく用いることが
できる。
【0023】上記架橋剤の添加量は、組成物(C)に要
求される性能や使用する架橋剤の種類によって異なる
が、通常は、ゴム(B)100重量部に対して、0.0
1〜8重量部である。8重量部より多い場合は、より以
上の架橋は期待できず、経済的でないうえ、他の好まし
くない副反応、例えば重合体の分解などが起こりやすく
なるので好ましくない。0.01重量部より少ない場合
は、十分な架橋が生起しない。本発明における動的架橋
は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ある
いはこれらを組み合わせたものなどにより、上記各成分
を混練することによって行われる。しかし、生産性を考
慮する場合は、二軸押出機を用いて連続的に生産するの
が最も好ましい。この場合、押出機の途中から可塑剤と
架橋剤の添加を行う。
【0024】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
単体の場合、その硬度は、HD :45以上(HS :96
points以上)で、常温(23℃±5)での引張弾
性率は600kgf/cm2 以上である。これに対し
て、ゴム(B)をブレンドした熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー組成物(C)の硬度は、HD :20〜44p
oints(HS :60〜95points)であり、
引張弾性率は、400kgf/cm2 以下と柔らかい。
【0025】本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー組成物(C)としては、引張弾性率が30〜400k
gf/cm2 のものが特に好ましい。このような熱可塑
性ポリエステルエラストマー組成物(C)は、高融点結
晶性セグメント(A−1)としてポリテトラメチレンテ
レフタレートまたはポリトリメチレンテレフタレート−
2,6−ナフタレートを用い、低融点重合体セグメント
(A−2)としてポリテトラメチレングリコールなどの
ポリエーテルまたはポリテトラメチレンアジペート、ポ
リ−ε−カプロラクトンなどのポリエステルを用いて形
成される、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
と、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、水素化
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、水素化アク
リル酸エステル−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プ
ロピレン共重合ゴムなどのゴム(B)を、(A)成分/
(B)成分=85〜55/15〜45重量%の配合割合
で用いて、前述した架橋剤を用いて動的架橋を施すこと
により得られる。引張弾性率が30〜400kgf/c
2 の組成物(C)を用いることにより、耐回転膨張特
性と耐負圧特性が良好なジョイントブーツ成形体を得る
ことができる。さらに、引張弾性率が50〜390kg
f/cm2 の組成物(C)を用いれば、成形体のワンタ
ッチバンドによるカシメ性を向上させることができる。
また、耐回転膨張特性と耐負圧特性が良好なジョイント
ブーツ成形体を得るための組成物(C)のJIS A硬
度は、60point〜95point、好ましくは、
65point〜95pointである。
【0026】すなわち、組成物(C)の引張弾性率と硬
度が上記の範囲以下の場合、耐回転膨張特性が不足し、
高速回転時にブーツ成形体のジャバラ部が回転遠心力に
よって膨張する。また耐負圧特性が不足し、周囲温度の
降下によりブーツ成形体の内圧が低下し、ジャバラ膜長
部のかみ込みを起こす。一方、引張弾性率や硬度が上記
の範囲以上の場合、本発明の目的を達成することができ
ない。
【0027】熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物
(C)の引張破断強度は、好ましくは50〜300kg
f/cm2 であり、より好ましくは60〜280kgf
/cm2 、さらに好ましくは70〜250kgf/cm
2 である。50kgf/cm2 以下では、ジョイントブ
ーツ成形体に要求される強度が不足し、300kgf/
cm2 以上では、ゴム含有量を極力押さえねばならず十
分な柔軟性が得られない。
【0028】また、組成物(C)の圧縮永久歪は、本発
明の目的である簡易ワンタッチバンドの使用を可能にす
るためには、その使用部位の1つである小径固定部での
抜け防止のため、80%以下(JIS K−6301,
120℃ 22時間)が好ましく、さらに好ましくは7
5%以下、特に好ましくは70%以下である。
【0029】上記の硬度の測定は、HD 硬度について
は、タイプD Shoreジュロメータを使用し、AS
TM D2240に準拠して行い、HS 硬度について
は、JIS Aタイプジュロメータを使用し、JIS
K6301に準拠して行った。また、引張弾性率は、2
3±2℃下で強制振動非共振法により動的な引張弾性率
の値とした。測定は、周波数10Hz、変位振幅3μm
の正弦波歪を、幅約2mm、厚み約1mm、長さ約30
mm程度の形状の試片に与え、動的応力、動的変位、お
よび位相角を求め、次式により動的な引張弾性率を求め
ることによって行った。
【0030】
【数1】
【0031】本発明においては、熱可塑性ポリエステル
エラストマー組成物(C)を射出成形する。射出成形に
よって製造することにより、均一な厚みを有するジョイ
ントブーツ成形体を得ることができる。
【0032】射出成形時における組成物(C)の流れ性
は、JIS K−7210に準拠した溶融ポリマーの流
れ性測定で、MFR値0.1g/分(230℃、10k
g荷重下で測定した流動性)以上であることが好まし
い。MFR値が0.1g/分未満では金型内の流動性が
悪く、良好な賦形を行うことができない。
【0033】上記射出成形を行う際の射出成形条件は、
好ましくは、 スクリュー回転数: 100〜400rpm、 シリンダー温度 : 180〜230℃、 ノズル温度 : 210℃付近(組成物の融点付
近)、 射出圧力 : 400〜1600kgf/c
2 、 射出時間 : 1〜3sec、 冷却時間 : 15〜60sec、 金型温度 : 20〜50℃、 である。
【0034】以上述べた本発明のジョイントブーツによ
れば、所望の形状・構造を有するジョイントブーツを提
供することができる。すなわち、本発明のジョイントブ
ーツの形状・構造は特に限定されるものではないが、以
下に述べる構造を有するジョイントブーツによれば、熱
可塑性ポリエステルエラストマー単体からなるジョイン
トブーツに匹敵する耐久性を有し、しかもゴムブーツ用
の簡易ワンタッチバンドで固定することができるジョイ
ントブーツを得ることができる。
【0035】すなわち本発明は、図1に示すように大径
口部1と小径口部2との間が、谷部4と山部5を有する
ジャバラ部3にて形成されているジョイントブーツにお
いて、大径口部側の谷部と該谷部に隣接する小径口部側
の谷部の両傾斜部によって形成されている角度(α1
α2 ,α3 ,α4 ,α5 )がほぼ等しく、かつ、大径口
部側の山部と、該山部に隣接する小径口部側の山部の外
径の比が、1:1.00〜0.50であることを特徴と
するジョイントブーツをも提供するものである。なお、
図1において、6はジョイントソケット、7は環状溝、
8は駆動軸である。また、上記谷部の両傾斜部によって
形成されている角度(以下、谷角という)は、図1に示
すように、両傾斜部9a,9bに沿って引いた直線のな
す角度α(図中α2 )として定義される。
【0036】上記ジョイントブーツが、自動車用等速ジ
ョイントブーツである場合、ジャバラ山部頂点を単調な
曲線で結んだ最大包絡線は、車の等速ジョイントブーツ
取付空間において、通常および最大変形時にスタビライ
ザーなどのブーツ付近の部品との最小非干渉空間から決
められ、また、最大作動角時のジャバラ部の折れたたみ
量および拡がり量から、膜長、山数および膜厚が決めら
れる。
【0037】したがって、本発明のジョイントブーツに
おけるジャバラ部の山数は、最大作動角時の拡がり量か
ら4以上が好ましく、同時に圧縮側における折れたたみ
量から9山以下でないと0.5mm以上の膜厚では多大
の摩耗を引き起こす。このためジャバラ部の山数は、4
〜9、好ましくは4〜8、特に好ましくは5〜7であ
る。
【0038】上記ジョイントブーツにおいては、大径口
部側の谷部と該谷部に隣接する小径口部側の谷部の両傾
斜部によって形成されている角度をほぼ等しくし、か
つ、ジャバラ部の大径口部側の山部と、該山部に隣接す
る小径口部側の山部の外径の比を1:1.00〜0.5
0としたため、ジョイントブーツの最大変形時に、ジャ
バラ部の膜が一様に接触するため、優れた耐摩耗性が得
られる。
【0039】また、上記ジョイントブーツにおける最大
山の外径部は上述のブーツ成形体取付空間の制限から、
ジョイント外輪外径の1.2倍以内が好ましい。また、
ジャバラ部の肉厚(d)としては、射出成形時の溶融樹
脂の流動性と柔軟化した熱可塑性ポリエステルエラスト
マー組成物(C)の引張弾性率が400kgf/cm2
以下であることから、0.5〜2.5mmが好ましい。
ジャバラ部の肉厚が0.5mm以下では、耐回転膨張特
性や耐負圧特性が不足し、ジョイントブーツの機能的な
問題を生じる。2.5mm以上では、たとえジャバラの
山数を3山としても最大作動角時、多大の摩耗を引き起
こす。
【0040】本発明のジョイントブーツは、図2に示す
ワンタッチバンド(以下、バンドAという。)によっ
て、大径部1と小径部2をジョイント本体に固定するこ
とによって取り付けることができる。
【0041】図2に示すバンドAは、厚さが0.3mm
程度で幅が7mm程度の鋼板を湾曲させて形成した湾曲
部材11の一端を延設させて形成した延設部12に他端
部13をビス止めしたものである。このバンドAによっ
て、ジョイントブーツを固定する際には、延設部12を
矢印Aで示すように折り返し、これを湾曲部材11の所
定箇所に形成されている2つの起立片14を折り曲げる
ことにより固定する。この一連の作業は、素手で簡単に
行うことができるので、本発明のジョイントブーツの取
付けはきわめて容易である。
【0042】図3に示すワンタッチバンド(以下、バン
ドBという。)は、厚さが0.4mm〜0.7mmで幅
が10mm程度の鋼板を湾曲させて形成した湾曲部材1
1′の一端部に突起片15を形成し、これを他端部に形
成した係止孔16に係止するようにしたものである。こ
のバンドBによるジョイントブーツの固定は、突起片1
5を係止孔16に係止したのち、湾曲部材11′の所定
箇所に形成されている締付け耳部18を矢印Bで示すよ
うに、両方向から同時にかしめることにより行われる。
このバンドBは、たとえばハイトレル(登録商標)のよ
うな熱可塑性ポリエステルエラストマー単体からなるブ
ーツの固定に好ましく使用される。通常の熱可塑性ポリ
エステルエラストマー単体からなるブーツの場合、弾性
率が600kgf/cm2 以上と大きいため、ブーツバ
ンド部材は、0.5〜0.7mm程度の厚みが必要で、
しかもかしめるときそれに応じた圧着工具が必要となり
多大の工数を要する。本発明のジョイントブーツにおい
ては、ゴムを含有することにより柔軟化した熱可塑性ポ
リエステルエラストマー組成物を使用するので、その弾
性率を400kgf/cm2 以下にすることが可能であ
り、ゴムブーツ用のバンドAを使用することができ、工
程上の困難を大きく改善することができる。すなわち、
本発明のジョイントブーツは、バンドBを使用しなくと
も、ジョイント本体に固定することができる。
【0043】ジョイントブーツの評価法には、大別して
ブーツ耐久試験、ブーツ負圧性試験および回転膨張試験
がある。ブーツ耐久試験は、雰囲気温度−5℃、ジョイ
ントのジョイント角30deg、回転数400rpmと
し、ブーツ内にグリースを封入して50時間連続運転を
行い、ブーツに破断が生じるまでの時間(hr)を求め
ることにより行う。なお、この試験では、50時間を経
過しても破断を生じないものについては打切り、ブーツ
としての耐久性は、満足していると判断する。ブーツ負
圧試験は、ジョイント内部を負圧にして、そのときのブ
ーツ変形量から形状や材料を評価する。また、回転膨張
性試験は、高速回転したときの膨張量を光学式顕微鏡で
計測評価する。
【0044】
【実施例】以下、図面を参照しつつ実施例により本発明
をさらに詳しく説明するが、本発明は、その要旨を越え
ない限り、これらの実施例に何ら制限されるものではな
い。
【0045】実施例1 熱可塑性ポリエステルエラストマー(エニケム・ポリメ
リ社製、PIBIFLEX 46M)とアクリロニトリ
ルブタジエンゴム(日本合成ゴム社製、JSRNBR
N230SV:以後NBR)を表1に示す割合で、二軸
押出機を用いて210℃にて回転数200rpmにて混
練のみを行った組成物(表1中C)、同一条件で混練し
ながら途中より架橋剤を添加し動的架橋を行った組成物
(同A,B)を、それぞれ調製した。得られたペレット
を十分乾燥したのち、210℃で射出成形機にて厚さ2
mmのシートに成形し、各試験に呈した。なお、表1中
には、比較のために熱可塑性ポリエステルエラストマー
単独(組成物D)の物性も示した。
【0046】物性評価に用いた試験法は、以下のとおり
である。 (1) 流動性:(MFR):230℃×10kg (2) 硬度 HS :JIS K−6301 JIS
A硬度 HD :ASTM D−2240 Shore D硬度 (3) 引張強度 TB :JIS K−6301 JI
S 3号ダンベル (4) 引張伸度 EB :JIS K−6301 JI
S 3号ダンベル (5) 引張弾性率:前述のとおり (6) 耐熱老化性:JIS K−6301 ギヤー式
老化試験機を用いて120℃にて300時間後の引張強
度を測定し、耐熱試験前の引張強度に対する変化率
(%)で示した。 (7) 耐油性:JIS K−6301 JIS 3号
油中に120℃にて70時間浸漬したのちの引張強度を
測定し、耐油試験前の引張強度に対する変化率(%)で
示した。 (8) 耐摩耗性:ASTM D 1044 テーパー
摩耗CS−17ホイール1000g重 (9) 圧縮永久歪:JIS K−6301 120℃
22hr
【0047】
【表1】
【0048】次に、表1に示す組成物A〜Cを、下記の
条件下で射出成形して、図4に示すジョイントブーツ成
形体Iを成形した。 射出成形条件 スクリュー回転数 : 100rpm シリンダー温度 : 210℃ ノズル温度 : 210℃ 射出圧力 : 800kgf/cm2 射出時間 : 2sec 冷却時間 : 20sec 金型温度 : 40℃ 得られたジョイントブーツ成形体1は、図4に示すよう
に、大径口部21と小径口部22との間にジャバラ部2
3が形成されているジャバラであった。そして、ジャバ
ラ部23には、4つの谷部241 ,242 ,243 24
4 と4つの山部251 ,252 ,253 ,254 が形成
されており、4つの谷部24の谷角α1 ,α2 ,α3
α4 の全てがほぼ等しかった。また、山部251 ,25
2 ,253 ,254 の外径はほぼ等しく、山部253
外径(R3 )と山部254 の外径(R4 )の比は、ほぼ
3:2であった。また、ジャバラ部の膜厚(d)は、
1.0mmであった。
【0049】得られたジョイントブーツ成形体1の射出
成形性を評価したのち、図1に示す場合と同様に、自動
車用等速ジョイントに装着し、そのときの締付け性と耐
久寿命を評価した。評価の基準は以下のとおりである。 1. 射出成形性:ショートショットのないこと、およ
び著しく外観が悪く(フローマーク、デラミネーショ
ン)ない場合に射出成形性を良好とした。 2.締付け性:図2に示すバンドAと図3に示すバンド
Bを用いて成形体Iの大径口部21と小径口部22を締
め付けたときの状態を次の基準で評価した。 ○:バンドA …… 素手で簡便に締付けられ、シール
性などの問題がない場合。 バンドB …… 圧着治具を使って締付けられ、シール
性などの問題がない場合。 ×:バンドA …… 素手による締付けが不可能で、圧
着治具が必要となる場合。 ・締付け時に、バンドの破断を生じた場合。 ・シール性に問題を生じた場合。 バンドB …… 圧着治具を使用しても、締付けが不可
能な場合。 ・バンドの破断を生じた場合。 ・シール性に問題を生じた場合。 3.耐久寿命:バンドAを用いて装着した場合の耐久寿
命を、下記の条件下で前述の方法で評価した。 雰囲気温度:−5℃ ジョイント作動角:30deg 回転数:400rpm 評価法:ブーツ内にグリースを封入して50時間連続運
転を行い、ブーツに破断が生じるまでの時間(hr)を
求める。50時間を経過して破断を生じないものについ
ては打切り、ブーツとしての耐久性は満足していると判
断する。物性の評価結果を、表2に示す。
【0050】実施例2 図5に示すように、ジャバラ部23に5つの谷部2
1 ,242 ,243 ,244 ,245 と5つの山部2
1 ,252 ,253 ,254 ,255 が形成されてい
る以外は、ほぼジョイントブーツ成形体Iと同様のジョ
イントブーツ成形体IIを射出成形し、その物性を評価し
た。その物性の評価結果を、表2に示す。
【0051】実施例3 図6に示すように、ジャバラ部23に5つの谷部2
1 ,242 ,243 ,244 ,245 と5つの山部2
1 ,252 ,253 ,254 ,255 が形成されてお
り、山部の外径比がR1 :R2 =1:0.92,R2
3 =1:0.913,R3 :R4 =1:0.84、R
4 :R5 =1:0.83である以外はジョイントブーツ
成形体Iとほぼ同様のジョイントブーツ成形体III を得
た。物性の評価結果を、表2に示す。
【0052】実施例4 図7に示すように、ジャバラ部23に5つの谷部2
1 ,242 ,243 ,244 ,245 と5つの山部2
1 ,252 ,253 ,254 ,255 が形成されてお
り、山部の外径比がR1 :R2 =1:0.973,
2 :R3 =1:0.972,R3 :R4 =1:0.9
28,R4 :R5 =1:0.877である以外はジョイ
ントブーツ成形体Iとほぼ同様のジョイントブーツ成形
体IVを得た。物性の評価結果を、表2に示す。
【0053】実施例5 図8に示すように、ジャバラ部23に5つの谷部2
1 ,242 ,243 ,244 ,245 と6つの山部2
1 ,252 ,253 ,254 ,255 ,256 が形成
されており、山部の外径比がR1 :R2 =1:0.93
2,R2 :R3 =1:0.927,R3 :R4 =1:
0.922,R4 :R5 =1:0.864,R 5 :R6
=1:0.843である以外はジョイントブーツ成形体
Iとほぼ同様のジョイントブーツ成形体Vを得た。物性
の評価結果を、表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】比較例1 表1に示す組成物Dを用いる以外は、実施例1とほぼ同
様にして図9に示すジョイントブーツ成形体VIを得た。
得られた成形体VIは、ジャバラ部23に3つの谷部24
1 ,242 ,243 と3つの山部251 ,252 ,25
3 が形成されており、谷部の角度α1 ,α2 ,α3 がそ
れぞれ全く異なっており、山部の外径比はR1 :R2
1:0.84,R2 :R3 =1:0.82であった。物
性の評価結果を、表3に示す。
【0056】比較例2〜6 表1に示す組成物Dを用いる以外は、実施例1〜5と同
様の条件下で実施例1〜5で得られたジョイントブーツ
成形体I〜Vと同一形状のジョイントブーツを射出成形
しようとしたが、ブーツ形状を保ったままでは離型する
ことができなかった。物性の評価結果を、表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】表2および表3に示す結果から明らかなよ
うに、実施例1〜5において得られた成形体I〜Vは、
ゴムを含有することにより柔軟化した熱可塑性ポリエス
テルエラストマー組成物を射出成形することにより得ら
れたジョイントブーツであり、いずれもバンドAで固定
することができ、ブーツ耐久寿命も十分であった。これ
に対して、比較例1において得られた成形体VIは、バン
ドAにて固定することができなかった。また、比較例2
〜6においては成形体I〜Vをブーツ形状を保ったまま
離型することができず、バンドAで固定することもでき
なかった。
【0059】
【発明の効果】ゴムを配合した熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー組成物を射出成形することにより得られる本
発明のジョイントブーツは、強度、圧縮永久歪、耐熱性
耐候性、耐寒性、耐グリース性などの基本特性や耐疲労
特性、耐摩耗性などの実用性能に優れるばかりではな
く、非常に柔軟である。したがって、このジョイントブ
ーツによれば、従来の熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー単体ジョイントブーツ成形体の課題であった、柔軟性
と圧縮永久歪が改良され、柔軟であるために複雑な形状
のジョイントブーツであっても成形型からの離型が容易
であり、射出成形が可能になる。また、本発明によれ
ば、射出成形によってジョイントブーツ成形体を製造す
るので、ジョイントブーツ形状設計上の自由度が拡が
り、かつ、寸法精度が確保され、膜厚の均一なジョイン
トブーツが得られる。
【0060】また、本発明の特定形状を有するジョイン
トブーツによれば、耐久性の大幅な向上を図ることがで
き、しかもジョイントに装着する生産工程においても、
柔軟であるため装着が極めて容易であり、かつ圧縮永久
歪が小さいため、ゴムブーツ用の簡易ワンチッチバンド
によって固定することができ、従来の熱可塑性ポリエス
テルエラストマー単体からなるジョイントブーツに比
べ、性能の飛躍的な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジョイントブーツをジョイントに装着
した状態を示す半断面図である。
【図2】本発明のジョイントブーツを固定するためのワ
ンタッチバンドの斜視図である。
【図3】熱可塑性ポリエステルエラストマー単体からな
るブーツの固定に好ましく用いられるワンタッチバンド
の斜視図である。
【図4】実施例1において得られるジョイントブーツ成
形体の断面図である。
【図5】実施例2において得られるジョイントブーツ成
形体の断面図である。
【図6】実施例3において得られるジョイントブーツ成
形体の断面図である。
【図7】実施例4において得られるジョイントブーツ成
形体の断面図である。
【図8】実施例5において得られるジョイントブーツ成
形体の断面図である。
【図9】比較例1において得られるジョイントブーツ成
形体の断面図である。
【符号の説明】
1 大径口部 2 小径口部 3 ジャバラ部 4 谷部 5 山部 6 ジョイントソケット 7 環状溝 8 駆動軸 9a 傾斜部 9b 傾斜部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステルエラストマ
    ー20〜99重量%に、(B)ゴム80〜1重量%を配
    合してなる柔軟性を有する(C)熱可塑性ポリエステル
    エラストマー組成物を、射出成形することにより得られ
    ることを特徴とするジョイントブーツ。
  2. 【請求項2】 (C)熱可塑性ポリエステルエラストマ
    ー組成物の引張弾性率が、30〜400kgf/cm2
    であることを特徴とする請求項1に記載のジョイントブ
    ーツ。
  3. 【請求項3】 (C)熱可塑性ポリエステルエラストマ
    ー組成物の引張破断強度が、50〜300kgf/cm
    2 であることを特徴とする請求項1または2に記載のジ
    ョイントブーツ。
  4. 【請求項4】 (C)熱可塑性ポリエステルエラストマ
    ー組成物の圧縮永久歪が、80%以下であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のジョイント
    ブーツ。
  5. 【請求項5】 大径口部と小径口部との間が、谷部と山
    部を有するジャバラ部にて形成されているジョイントブ
    ーツにおいて、大径口部側の谷部と該谷部に隣接する小
    径口部側の谷部の両傾斜部によって形成されている角度
    がほぼ等しく、かつ、大径口部側の山部と、該山部に隣
    接する小径口部側の山部の外径の比が、1:1.00〜
    0.50であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載のジョイントブーツ。
  6. 【請求項6】 上記ジャバラ部が有する山部の数が、4
    〜9であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
    項に記載のジョイントブーツ。
  7. 【請求項7】 上記ジャバラ部の肉厚が、0.5 〜2.5 m
    mであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項
    に記載のジョイントブーツ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006033284A1 (ja) * 2004-09-22 2006-03-30 Ntn Corporation 等速ジョイント用ブーツ
JP2010201739A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Kyoho Kk ポリエステルエラストマー製ドライブシャフトブーツの製造方法

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