JP2002147379A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2002147379A
JP2002147379A JP2000339913A JP2000339913A JP2002147379A JP 2002147379 A JP2002147379 A JP 2002147379A JP 2000339913 A JP2000339913 A JP 2000339913A JP 2000339913 A JP2000339913 A JP 2000339913A JP 2002147379 A JP2002147379 A JP 2002147379A
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JP
Japan
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valve
check valve
compression element
scroll compressor
discharge port
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JP2000339913A
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Inventor
Toshiyuki Toyama
俊之 外山
Takashi Kamikawa
隆司 上川
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁衝突による異音の発生を防止するとともに
圧縮機の効率を向上でき、かつ油上がりの少ないスクロ
ール圧縮機を提供する。 【解決手段】 圧縮要素CF稼働中、常に吐出ポート1
aが開いた状態となるように、吐出圧力で浮上した逆止
弁2を保持する永久磁石3を弁押え5に取付け、逆止弁
2には磁石に吸着する材質を使用する。また、圧縮要素
CF停止時には、圧縮要素CFと高圧室15との圧力差
によって吐出管4から逆流した冷媒を、永久磁石3に吸
着した逆止弁2に吹き付けることで、逆止弁2を弁押え
5から解放して吐出ポート1aを閉じた状態とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
に関し、より具体的には圧縮要素によって圧縮された冷
媒を高圧室に吐出するための吐出ポートに逆止弁を有す
るスクロール圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来のスクロール圧縮機の逆
止弁付近の構成を概略的に示す部分断面図である。図1
2を参照して、スクロール圧縮機の密閉容器110内に
はスクロール型の圧縮要素(図示せず)が配設されてお
り、その圧縮要素と高圧室115とが仕切板101によ
って仕切られている。この仕切板101には、圧縮要素
によって圧縮された冷媒を吐出するための吐出ポート1
01aが設けられている。その吐出ポート101aを開
閉可能なように、吐出ポート101a上に逆止弁102
が配置されている。この逆止弁102の上下動を規制す
るために弁押え105が仕切板101に取付けられてい
る。また、密閉容器110には圧縮された冷媒を外部へ
吐出させる吐出管104が取付けられており、吐出管1
04の開口部は高圧室115内に開口している。
【0003】このような従来のスクロール圧縮機におい
ては、圧縮要素によって圧縮された冷媒は吐出ポート1
01aを通り逆止弁102を浮かせて開動作させる。そ
して、圧縮冷媒は仕切板101と弁押え105との隙間
から高圧室115に入り、吐出管104から吐出され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図12に示す従来のス
クロール圧縮機における運転時の逆止弁102の挙動
は、吐出ポート101aのポート径と密接な関係があ
る。つまり、ポート径を大きくすれば、同じ吐出圧力で
も逆止弁102の浮力(浮上する力)が大きくなり、逆
止弁102の変動が大きくなるとともに逆止弁102が
浮きやすくなる。しかし逆止弁102の変動が大きくな
ると、主に弁着座面と逆止弁102との衝突速度が大き
くなり、その衝突音が異音として認識されてしまう。特
に、圧縮不足となる運転条件においてはその異音の発生
が顕著となる。
【0005】この異音発生を防止するには、吐出ポート
101aのポート径を小さくして逆止弁102の動きを
小さくする必要がある。しかしこの場合、逆止弁102
は、フルリフトの状態(弁102が全開した状態)に対
してかなり小さい範囲でしか浮上していないため、吐出
ポート101aの開口度は小さくなる。開口度が小さく
なると、吐出抵抗が大きく、つまり圧力損失が増大し圧
縮機の効率が低下するとともに、吐出ポートを通過する
冷媒の流速が大きくなり油上がりが増加する。
【0006】それゆえ本発明の目的は、弁衝突による異
音の発生を防止するとともに、圧縮機効率を向上でき、
かつ油上がりの少ないスクロール圧縮機を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るスクロー
ル圧縮機は、吐出ポートを開閉する弁と、弁を開いた状
態で保持する保持手段と、保持手段の保持力を解放し弁
を閉じた状態にする解放手段とを備えている。
【0008】このように保持手段により、圧縮要素の運
転中に、吐出ポートが開いた状態となるように弁を保持
することができる。これにより、圧縮要素の運転中にお
ける弁の上下動を防止でき、弁が弁着座面などに衝突す
ることによる異音の発生を防止することができる。
【0009】また、圧縮要素の運転中における弁衝突を
防止することができるため、吐出ポートのポート径を大
きくすることができる。ポート径を大きくすることがで
きるため、同じ吐出圧力でも弁の浮力(浮上する力)が
大きくなり、弁の変動が大きくなるとともに、弁が浮き
易くなる。結果として、弁が保持手段に保持されると、
弁が全開した状態になり、吐出抵抗が小さくなるため、
圧力損失が低下し圧縮機効率は上昇する。また、吐出す
る冷媒の流速も低下するため、油上がり量も低下する。
【0010】また、運転停止の際には、解放手段により
弁が保持手段から解放され、弁が吐出ポートを閉じた状
態にする。結果として、高圧室の圧縮冷媒が吐出ポート
から圧縮要素内に逆流することが防止される。
【0011】請求項2に係るスクロール圧縮機において
は、保持手段は、弁の上下動を規制する弁押えに取付け
られた永久磁石であり、弁は永久磁石に吸着される材質
よりなる。
【0012】このように保持手段に永久磁石を用いるこ
とにより、簡易な構成で異音の発生を防止できるととも
に、圧縮機効率を上昇させ、かつ油上がり量も少なくで
きる。
【0013】請求項3に係るスクロール圧縮機において
は、解放手段は吐出管であり、吐出管の開口部は保持手
段に保持された弁に向かって配置されている。
【0014】これにより、圧縮要素の停止時に、圧縮要
素と高圧室との間に圧力差が生じる。その結果、吐出管
から冷媒が逆流する。吐出管から逆流した冷媒によって
弁に加わる力が大きくなるため、弁の保持力が解放さ
れ、弁が閉じた状態になる。このため、簡易な構成で圧
縮要素への圧縮冷媒の逆流が防止できる。
【0015】請求項4に係るスクロール圧縮機において
は、吐出管の開口部は弁の真上に位置する。
【0016】これにより弁の真上から逆流圧を弁に吹き
付けることができ、弁は即座に弁押えから離れて吐出ポ
ートを閉じることができる。このため、閉じ遅れによる
逆止弁の機能を損なうことはない。
【0017】請求項5に係るスクロール圧縮機において
は、弁押えは、弁が接触する面に座ぐりを有している。
【0018】これにより、吐出管から逆流した冷媒を弁
に対向する位置から弁に向けて吹き付けることができ、
逆流した冷媒が弁に加える力によって弁は即座に弁押え
から離れて吐出ポートを閉じることができる。これによ
り、閉じ遅れによる逆止弁の機能を損なうことはない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図に基づいて説明する。
【0020】(実施の形態1)図1および図2は、本発
明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の逆止弁付
近の構成を拡大して示す部分断面図および斜視図であ
る。なお、図1の断面は図2のI−I線に沿う断面に対
応する。
【0021】図1および図2を参照して、密閉容器10
の内部には冷媒を圧縮するための圧縮要素CFが配設さ
れている。この圧縮要素CFは、駆動源(図示せず)か
らの駆動力によって旋回運動をする可動スクロール12
と、この可動スクロール12と噛み合って圧縮室を構成
する固定スクロール11とを有している。
【0022】圧縮要素CFと高圧室15とを仕切るため
に仕切板1が配置されている。この仕切板1には、圧縮
要素CFによって圧縮された冷媒を通すための吐出ポー
ト1aが設けられている。この吐出ポート1aを開閉可
能なように逆止弁2が吐出ポート1aの真上に配置され
ている。この逆止弁2の上下動を規制するために弁押え
5が仕切板1にたとえば、ねじにより取付けられてい
る。
【0023】この弁押え5は、図3および図4に示すよ
うに逆止弁2が接触する面に設けられた座ぐり5aと、
逆止弁2の真上に位置する開口5bと、逆止弁2をガイ
ドするとともに仕切板1に支持するための支持部5c
と、開口5bの周壁に沿って設けられた座5dとを有し
ている。
【0024】図1および図2を参照して、弁押え5の座
5dにはリング状の永久磁石3が嵌め込まれている。こ
の永久磁石3は浮上した逆止弁2を吸着してフルリフト
状態を保持するための保持手段である。なお、逆止弁2
は永久磁石3に吸着される材質よりなっている。
【0025】密閉容器10には、高圧室15に通ずるよ
うに吐出管4が取付けられている。圧縮要素CFの停止
により、圧縮要素CFと高圧室15との間に圧力差が生
じる。その結果、吐出管4から冷媒が逆流する。逆流し
た冷媒が逆止弁2に加える力を利用して、永久磁石3に
よる逆止弁2の保持力を解放させ、逆止弁2を閉じた状
態にする。このように吐出管4は、永久磁石3による逆
止弁2の保持力を解放させ、逆止弁2を閉じた状態にす
る解放手段である。吐出管4の高圧室15内の開口部4
aは、逆止弁2に向かって開口しており、たとえば逆止
弁2に対向するようにその真上に配置されている。
【0026】次に本実施の形態のスクロール圧縮機にお
ける逆止弁2の動作について説明する。
【0027】図1を参照して、まず圧縮要素CFによっ
て圧縮された冷媒が逆止弁2を開動作させて吐出ポート
1aから吐出する。この際、逆止弁2が浮上して永久磁
石3に吸着される。これにより逆止弁2はフルリフト状
態に保持され、吐出ポート1aは開いた状態とされる。
【0028】吐出ポート1aから吐出された圧縮冷媒
は、仕切板1と弁押え5との間を通過して高圧室15内
に入った後に吐出管4から圧縮機外部へ吐出される。
【0029】このように圧縮要素CFの運転中には逆止
弁2は常にフルリフト状態にある。圧縮要素CFが停止
すると、圧縮機の外部から高圧室15内に向かって圧縮
冷媒が吐出管4内を逆流する。この吐出管4から逆流し
た冷媒によって逆止弁2に加わる力が永久磁石3による
逆止弁2の保持力(吸着力)を解放させ、逆止弁2が仕
切板1の着座面に落ちて吐出ポート1aを閉じた状態と
する。
【0030】以上のようにして逆止弁2は吐出ポート1
aを開閉する。また本願発明者らは、従来例(図12)
と本実施の形態(図1)との各スクロール圧縮機を用い
て、各種条件を変えた場合の弁挙動について調べた。そ
の結果を従来例については図6に、本実施の形態につい
ては図7に各々示す。
【0031】図6を参照して、吐出ポート1aのポート
径が小さい場合には油上がり量が多くかつCOP(Co-e
fficient Of Performance)が低くなることがわかる。
またポート径が大きい場合には圧縮不足の条件において
異音の発生が著しいことがわかる。
【0032】これに対して本実施の形態では、図7に示
すように運転中には逆止弁は常にフルリフト状態にある
ため圧縮不足の条件においても異音の発生がないととも
に、油上がり量は少なくかつCOPは高くなることがわ
かる。
【0033】本実施の形態では、永久磁石3により逆止
弁2を吸着することができるため、圧縮要素CFの運転
中には常に、逆止弁2をフルリフト状態で保持すること
ができる。これにより、圧縮要素CFの運転中における
逆止弁2の上下動を防止でき、逆止弁2が弁着座面など
に衝突することによる異音の発生を防止することができ
る。
【0034】また、圧縮要素CFの運転中における弁衝
突を防止することができるため、吐出ポート1aのポー
ト径Lを大きくすることができる。たとえば図5に示す
ように逆止弁2と弁着座面とのシール幅が2mm程度と
なるように、吐出ポート1aのポート径Lを大きくする
ことができる。これにより、同じ吐出圧力でも逆止弁2
の浮力(浮上する力)が大きくなり、逆止弁2の変動が
大きくなるとともに、逆止弁2が浮き易くなる。結果と
して、逆止弁2が浮いて永久磁石3に吸着されると、逆
止弁2が全開した状態になり、吐出抵抗が小さくなるた
め、圧力損失が低下し圧縮機効率は上昇する。また、吐
出する冷媒の流速も低下するため、油上がり量も低下す
る。
【0035】また、圧縮要素CFの運転停止の際には、
吐出管4から逆流した冷媒によって逆止弁2に加わる力
が永久磁石3による逆止弁2の保持力(吸着力)を解放
させ、逆止弁2が吐出ポート1aを閉じた状態にする。
これにより、高圧室15内の圧縮冷媒が吐出ポート1a
から圧縮要素CF内に逆流することが防止される。この
ため、圧縮要素CF内への冷媒の逆流によって圧縮要素
CFが膨張運転することはなく、ゆえに膨張運転による
異音の発生や運転再開時のトルクの増大といった問題は
生じない。
【0036】また本実施の形態では、弁押え5の逆止弁
2が接触する面には座ぐり5aが設けられている。この
ため、逆止弁2と弁押え5との接触面での油による付着
力をこの座ぐり5aにより低減することができる。よっ
て、圧縮要素CFの運転停止時に、逆止弁2は即座に弁
押え5から離れて吐出ポート1aを閉じることができ
る。したがって、吐出ポート1aの閉じ遅れによる逆止
弁2の機能を損なうことはない。
【0037】また吐出管4の開口部4aが逆止弁2の真
上に配置されているため、圧縮要素CFの運転停止時に
吐出管4から逆流した圧縮冷媒を逆止弁2に向けて真上
から吹付けることができる。これにより逆止弁2は即座
に弁押え5から離れて吐出ポート1aを閉じることがで
きる。このため、吐出ポート1aの閉じ遅れによる逆止
弁2の機能を損なうことはない。
【0038】(実施の形態2)図8は本発明の実施の形
態2におけるスクロール圧縮機の逆止弁付近の構成を拡
大して示す斜視図である。また図9は図8のIX−IX
線に沿う概略断面図である。
【0039】図8および図9を参照して、仕切板1の上
面には、吐出ポート1aの外周を取囲む筒状の突起部1
bが設けられている。この筒状の突起部1b内に、吐出
ポート1aを開閉可能にする逆止弁2が配置されてい
る。この逆止弁2は、吐出ポート1aを開閉するための
弁体部2aと、逆止弁2が浮上したときに圧縮冷媒を通
すための孔2bとを有している。
【0040】この逆止弁2の上下動を規制するために弁
押え5が仕切板1にたとえば、ねじにより取付けられて
いる。この弁押え5は、逆止弁2の弁体部2aと孔2b
とを露出する開口5bと、その開口5bの周壁に沿って
形成された座5dとを有している。この座5dにはリン
グ状の永久磁石3が嵌め込まれている。
【0041】なお、これ以外の構成については上述した
実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、その説明を
省略する。
【0042】本実施の形態においても、実施の形態1と
同様、永久磁石3により逆止弁2を吸着することができ
るため、圧縮要素の運転時には常に逆止弁2をフルリフ
ト状態に保持することができる。これにより、弁衝突に
よる異音の発生を防止できるとともに圧縮機効率を向上
でき、かつ油上がりを少なくできる。
【0043】また、圧縮要素の運転停止の際には、吐出
管から逆流した冷媒によって逆止弁2に加わる力が永久
磁石3による逆止弁2の保持力(吸着力)を解放させ、
逆止弁2が吐出ポート1aを閉じた状態とする。これに
より、圧縮要素の停止時に吐出ポート1aから圧縮要素
内に高圧室内の圧縮冷媒が逆流することも防止できる。
【0044】(実施の形態3)図10は本発明の実施の
形態3におけるスクロール圧縮機の逆止弁付近の構成を
拡大して示す斜視図である。また図11は図10のXI
−XI線に沿う概略断面図である。
【0045】図10および図11を参照して、仕切板1
の上面には、吐出ポート1aの外周を取囲む筒状の突起
部1bが設けられており、この突起部1bには圧縮冷媒
を高圧室に導くための切欠部1cが設けられている。こ
の突起部1b内には、吐出ポート1aを開閉可能にする
逆止弁2が配置されている。
【0046】この逆止弁2の上下動を規制するために弁
押え5が突起部1bの内周に嵌め込まれている。この弁
押え5は、逆止弁2の一部を露出するための開口5b
と、開口5bの周壁に沿って形成された座5dとを有し
ている。この座5dにはリング状の永久磁石3が嵌め込
まれている。さらに、弁押え5が動かないように突起部
1bの内周にはC型留め輪6が嵌め込まれている。
【0047】なお、これ以外の構成については上述した
実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、その説明を
省略する。
【0048】本実施の形態においても、実施の形態1と
同様、永久磁石3により逆止弁2を吸着することができ
るため、圧縮要素の運転時には常に逆止弁2をフルリフ
ト状態に保持することができる。これにより、弁衝突に
よる異音の発生を防止できるとともに圧縮機効率を向上
でき、かつ油上がりを少なくできる。
【0049】また、圧縮要素の運転停止の際には、吐出
管から逆流した冷媒によって逆止弁に加わる力が永久磁
石3による逆止弁2の保持力(吸着力)を解放させ、逆
止弁2が吐出ポート1aを閉じた状態にする。これによ
り、圧縮要素の停止時に吐出ポート1aから圧縮要素内
に高圧室内の圧縮冷媒が逆流することも防止できる。
【0050】なお、上述した実施の形態1〜3では、逆
止弁2を保持する手段として永久磁石について説明した
が、逆止弁2を保持する手段はこれに限定されず、圧縮
要素CFの運転中に逆止弁2のフルリフト状態を保持で
きるものであれば如何なるものも適用することができ
る。
【0051】また逆止弁2をフルリフト状態に保持する
手段として、図3および図4に示す支持部5cの逆止弁
2をガイドする部分に形成された微小な突起が用いられ
てもよい。つまり、逆止弁2が吐出開始時の圧力と高圧
室15の圧力との差により浮上する際に、その微小な突
起部を乗り越えてフルリフト状態とされ、その後はその
突起部によって逆止弁2が落下しないように保持され
る。そして、圧縮要素CFの停止時に吐出管4から逆流
した冷媒が逆止弁2に加える力によって、逆止弁2は微
小な突起部を乗り越えて落下し、吐出ポート1aを閉じ
た状態にする。
【0052】また吐出管4の開口部4aは逆止弁2の真
上に位置していることが好ましいが、この開口部4a
は、永久磁石3に保持された逆止弁2の位置に向かって
開口していればよい。また圧縮要素CFの停止時に吐出
管4から逆流した冷媒によって逆止弁2に加わる力が永
久磁石3による逆止弁2の保持力(吸着力)を解放させ
るのであれば、吐出管4はどのような位置に配置されて
もよい。
【0053】また永久磁石3による逆止弁2の保持力を
解放する手段として、吐出管4について説明したが、こ
の解放手段はこれに限定されるものではなく、圧縮要素
CFの停止により、吐出管4から逆流した冷媒によって
逆止弁2に加わる力が永久磁石3による逆止弁2の保持
力(吸着力)を解放させるのであれば、如何なるもので
も適用することができる。
【0054】また、実施の形態2および3のスクロール
圧縮機においても、逆止弁2が接触する弁押え5の面に
座ぐりが設けられていることが好ましい。
【0055】このように本発明の構成は、上述した実施
の形態の構成に限定されず、特許請求の範囲と均等の意
味、および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0056】
【発明の効果】請求項1に係るスクロール圧縮機では、
保持手段により、圧縮要素の運転中に、吐出ポートが開
いた状態となるように弁を保持することができる。これ
により、圧縮要素の運転中における弁の上下動を防止で
き、弁が弁着座面などに衝突することによる異音の発生
を防止することができる。
【0057】また、圧縮要素の運転中における弁衝突を
防止することができるため、吐出ポートのポート径を大
きくすることができる。吐出ポートのポート径を大きく
することができるため、同じ吐出圧力でも弁の浮力(浮
上する力)が大きくなり、弁の変動が大きくなるととも
に、弁が浮き易くなる。結果として、弁が保持手段に保
持されると、弁が全開した状態になり、吐出抵抗が小さ
くなるため、圧力損失が低下し圧縮機効率は上昇する。
また、吐出する冷媒の流速も低下するため、油上がり量
も低下する。
【0058】また、運転停止の際には、解放手段によ
り、弁に加わる力が大きくなるため、弁が保持手段から
解放される。結果として、弁が吐出ポートを閉じた状態
とするため、高圧室の圧縮冷媒が吐出ポートから圧縮要
素内に逆流することが防止される。
【0059】請求項2に係るスクロール圧縮機において
は、保持手段に永久磁石を用いることにより、簡易な構
成で異音の発生を防止できるとともに、圧縮機効率を上
昇させ、かつ油上がり量も少なくできる。
【0060】請求項3に係るスクロール圧縮機において
は、圧縮要素の停止時に圧縮要素と高圧室との間に圧力
差が生じて、吐出管から冷媒が逆流する。吐出管から逆
流した冷媒によって弁に加わる力が大きくなるため、弁
の保持力が解放される。結果として、弁が閉じた状態に
なるため、簡易な構成で圧縮要素への圧縮冷媒の逆流が
防止できる。
【0061】請求項4に係るスクロール圧縮機において
は、圧縮冷媒の停止時に圧縮要素と高圧室との間に圧力
差が生じて、吐出管から冷媒が逆流する。弁の対向する
位置から逆流した冷媒を弁に真上から吹き付けることが
でき、弁は即座に弁押えから離れて吐出ポートを閉じる
ことができる。このため、閉じ遅れによる逆止弁の機能
を損なうことはない。
【0062】請求項5に係るスクロール圧縮機において
は、座ぐりにより弁と弁押えとの接触面での油による付
着力を低減することができ、圧縮要素の運転停止時に、
弁は即座に弁押えから離れて吐出ポートを閉じることが
できる。このため、閉じ遅れによる弁の機能を損なうこ
とはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧
縮機の逆止弁付近の構成を拡大して示す部分断面図であ
る。
【図2】 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧
縮機の逆止弁付近の構成を拡大して示す斜視図である。
【図3】 弁押えの構成を概略的に示す上方斜視図であ
る。
【図4】 弁押えの構成を概略的に示す下方斜視図であ
る。
【図5】 逆止弁の構成を示す平面図である。
【図6】 従来のスクロール圧縮機における弁変位の様
子を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧
縮機の弁変位の様子を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態2におけるスクロール圧
縮機の逆止弁付近の構成を拡大して示す斜視図である。
【図9】 図8のIX−IX線に沿う概略断面図であ
る。
【図10】 本発明の実施の形態3におけるスクロール
圧縮機の逆止弁付近の構成を拡大して示す斜視図であ
る。
【図11】 図10のXI−XI線に沿う概略断面図で
ある。
【図12】 従来のスクロール圧縮機の逆止弁付近の構
成を拡大して示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 仕切板、1a 吐出ポート、2 逆止弁、3 永久
磁石、4 吐出管、4a 開口部、5 弁押え、5a
座ぐり、5b 開口、5c 支持部、5d 座、11
固定スクロール、12 可動スクロール、10 密閉容
器、15 高圧室、CF 圧縮要素。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB03 BB04 BB21 CC15 CC25 CC38 3H039 AA03 AA04 AA12 BB02 BB11 BB15 CC29 CC30 CC35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出ポート(1a)を開閉する弁(2)
    と、前記弁(2)を開いた状態で保持する保持手段
    (3)と、前記保持手段(3)の保持力を解放し、前記
    弁(2)を閉じた状態にする解放手段(4)と、を備え
    たスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記保持手段(3)は、前記弁(2)の
    上下動を規制する弁押え(5)に取付けられた永久磁石
    であり、前記弁(2)は前記永久磁石(3)に吸着され
    る材質よりなる、請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記解放手段(4)は吐出管であり、前
    記吐出管の開口部は前記保持手段に保持された前記弁
    (2)に向かって配置されている、請求項1に記載のス
    クロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記吐出管(4)の開口部(4a)は前
    記弁(2)の真上に位置する、請求項3に記載のスクロ
    ール圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記弁押え(5)は、前記弁(2)が接
    触する面に座ぐり(5a)を有している、請求項2に記
    載のスクロール圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104912795A (zh) * 2014-03-10 2015-09-16 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 变容量涡旋压缩机
WO2020084753A1 (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 三菱電機株式会社 圧縮機及び冷凍サイクル装置

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