JP2002146837A - 建設機械の旋回装置 - Google Patents

建設機械の旋回装置

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JP2002146837A
JP2002146837A JP2000348618A JP2000348618A JP2002146837A JP 2002146837 A JP2002146837 A JP 2002146837A JP 2000348618 A JP2000348618 A JP 2000348618A JP 2000348618 A JP2000348618 A JP 2000348618A JP 2002146837 A JP2002146837 A JP 2002146837A
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housing
bearing
lower bearing
grease
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JP2000348618A
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English (en)
Inventor
Nobuo Uzawa
信夫 鵜沢
Shinobu Yamamoto
忍 山本
Yuji Igawa
裕二 井川
Takeshi Kurihara
猛 栗原
Soushi Shibukawa
壮史 澁川
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリースバスと近い位置に配置される下側軸
受に防錆処理を施し、その金属肌面が腐食されるのを防
止し、軸受の寿命を延ばすようにする。 【解決手段】 旋回用の油圧モータ10の回転を減速機
4内の遊星歯車減速機構14,19によって2段階に減
速し、減速機4の出力軸24から高トルクの回転力が取
り出す。出力軸24のピニオン25は旋回輪32の内歯
37に噛合し、ピニオン25の公転が出力軸24からハ
ウジング5を介して旋回フレーム2に伝達され、上部旋
回体が下部走行体上で旋回駆動される。減速機4のハウ
ジング5内で出力軸24を支持する上,下の軸受26,
28のうち、グリースバス38内のグリースGと上,下
で対向する下側軸受28の下面等には、例えば化学処理
による不溶解性金属リン酸塩からなる防錆被膜41を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル、油圧クレーン等の旋回式建設機械に好適に用いられ
る建設機械の旋回装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等
の建設機械は、下部走行体と、該下部走行体上に旋回可
能に搭載された上部旋回体とからなり、該上部旋回体と
下部走行体との間には、上部旋回体を下部走行体上で旋
回駆動するための旋回装置が設けられている。
【0003】そして、該旋回装置は、下端側が上部旋回
体に取付けられ上端側に回転源が設けられたハウジング
と、該ハウジング内に設けられ前記回転源の回転を減速
する減速機構と、前記ハウジング内から下部走行体側に
向けて突出し該減速機構により減速された回転を出力す
るピニオンを有した出力軸と、該出力軸の軸方向に離間
して前記ハウジングと出力軸との間に設けられ該出力軸
を回転可能に支持する上,下の軸受と、前記上部旋回体
と下部走行体との間に設けられ前記出力軸のピニオンに
噛合する旋回輪と、該旋回輪の内側に位置して前記下部
走行体側に設けられ前記ピニオンと旋回輪との間を潤滑
するためのグリースを収容したグリースバスとを備えて
いる(例えば、特開平8−120707号公報等)。
【0004】この種の従来技術による旋回装置は、旋回
用の油圧モータからなる回転源によりピニオンを回転駆
動すると、該ピニオンが旋回輪の内輪に設けた内歯と噛
合しつつ内輪の周囲を公転することにより、このピニオ
ンの公転力を旋回装置のハウジングを介して上部旋回体
側に伝え、これによって上部旋回体を下部走行体に対し
低速、高トルクで旋回駆動するものである。
【0005】そして、旋回装置のグリースバス内に収容
したグリースは、旋回輪の内歯とピニオンとの間の噛合
部を潤滑することにより、ピニオンと旋回輪との円滑な
回転を補償するものである。しかし、グリースバス内の
グリースは、旋回輪の内歯とピニオンとが噛合するとき
のポンプ作用によって周囲に飛散し、例えばハウジング
内の下側軸受等に向けて噴出するように挙動することが
ある。
【0006】そこで、従来技術にあっては、このような
グリースの噴出から下側軸受を保護するため、前記下側
軸受とピニオンとの間に位置して出力軸の下端側外周に
環状の保護プレート等を設け、グリースバスから噴出し
てくるグリースが下側軸受に突き上げるように衝突する
のを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による旋回装置は、グリースの噴出流から下側軸
受を保護するために環状の保護プレートを設けているも
のの、該保護プレートの外周縁とハウジングの下端側内
周との間には、出力軸の円滑な回転を補償するための隙
間を全周に亘って形成している。
【0008】このため、前述の如く旋回輪の内歯とピニ
オンとの噛合部から噴出したグリースの一部は、前記保
護プレートとハウジングとの間の隙間からハウジング内
に侵入し、ハウジング内で下側軸受の下面等に付着する
ことがある。
【0009】また、グリースバス内にあっては周囲温度
の変化等により結露が発生し、このような結露の影響で
グリースバス内に水分が溜まることがある。そして、グ
リースバス内に溜まった水分は、前述の如く噴出するグ
リースと共に前記保護プレートとハウジングとの間の隙
間からハウジング内に侵入し、ハウジング内で下側軸受
の下面等に付着してしまう。
【0010】また、旋回装置のハウジング内でも、下側
軸受の下面等に結露が発生することがあり、下側軸受は
前記水分や結露の影響によって、その金属肌面が徐々に
腐食され易くなる。そして、このような腐食が進行する
と、軸受寿命が低下するばかりでなく、旋回装置として
の耐久性、寿命が低下するという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、グリースバスと近い位
置に配置される下側軸受に防錆処理を施すことにより、
その金属肌面が腐食されるのを防止し、軸受の寿命を延
ばすことができると共に、装置全体の耐久性、寿命を向
上できるようにした建設機械の旋回装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、下端側が上部旋回体に取付けられ上
端側に回転源が設けられたハウジングと、該ハウジング
内に設けられ前記回転源の回転を減速する減速機構と、
前記ハウジング内から下部走行体側に向けて突出し該減
速機構により減速された回転を出力するピニオンを有し
た出力軸と、該出力軸の軸方向に離間して前記ハウジン
グと出力軸との間に設けられ該出力軸を回転可能に支持
する上,下の軸受と、前記上部旋回体と下部走行体との
間に設けられ前記出力軸のピニオンに噛合する旋回輪
と、該旋回輪の内側に位置して前記下部走行体側に設け
られ前記ピニオンと旋回輪との間を潤滑するためのグリ
ースを収容したグリースバスとからなる建設機械の旋回
装置に適用される。
【0013】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記上,下の軸受のうち前記グリースバスと近
い位置に配置される下側軸受には、少なくとも前記グリ
ースバスと対向する面側に防錆被膜を形成したことにあ
る。
【0014】このように構成したことにより、グリース
バス内のグリースと共に水分等が、旋回輪の内歯とピニ
オンとの噛合部から噴き上げられ、グリースバスと上,
下で対向する下側軸受の下面等に付着したとしても、こ
のような水分による腐食から防錆被膜は下側軸受を保護
でき、下側軸受が発錆するのを長期に亘って防止できる
と共に、その軸受寿命、耐久性を高めることができる。
【0015】また、請求項2の発明によると、下側軸受
は、ハウジングの下端側内周に嵌合された外輪と、出力
軸の下端側外周に嵌合された内輪と、前記外輪と内輪と
の間に転動可能に設けられた複数の転動体とからなり、
防錆被膜は前記下側軸受のうち少なくとも前記外輪と内
輪の下面側に形成している。
【0016】これにより、下側軸受のうち少なくとも外
輪と内輪の下面側に形成した防錆被膜は、外輪と内輪の
金属肌面を外部の水分から保護でき、外輪と内輪が発錆
するのを長期に亘って防止することができる。
【0017】また、請求項3の発明によると、下側軸受
は、ハウジングの下端側内周に嵌合された外輪と、出力
軸の下端側外周に嵌合された内輪と、前記外輪と内輪と
の間に転動可能に設けられた複数の転動体とからなり、
防錆被膜は前記下側軸受のうち少なくとも前記外輪と内
輪とに防錆処理を施すことにより形成している。
【0018】これにより、下側軸受のうち少なくとも外
輪と内輪とに施した防錆処理層からなる防錆被膜は、外
輪と内輪の金属肌面を外部の水分から保護でき、外輪と
内輪が発錆するのを長期に亘って防止することができ
る。
【0019】また、請求項4の発明は、下側軸受を自己
潤滑性を有する軸受により構成している。これにより、
自己潤滑性を有する下側軸受は、外部から潤滑油を供給
することなく、出力軸の円滑な回転を長期に亘って補償
することができる。
【0020】さらに、請求項5の発明によると、防錆被
膜は、化学処理、メッキ処理、蒸着処理、塗装処理のう
ち少なくともいずれか一つの防錆処理を施すことにより
形成している。これにより、下側軸受には例えば黒染処
理といわれる化学処理、メッキ処理、蒸着処理または塗
装処理を施すことによって防錆被膜を形成することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
建設機械の旋回装置を、添付図面に従って詳細に説明す
る。
【0022】図において、1は建設機械の下部走行体
(図示せず)の一部を構成する丸胴、2は上部旋回体
(図示せず)の一部を構成する旋回フレームをそれぞれ
示している。
【0023】3は下部走行体側の丸胴1に対して上部旋
回体側の旋回フレーム2を旋回駆動するための旋回装置
で、該旋回装置3は、後述する旋回用の減速機4と、旋
回用の油圧モータ10、旋回輪32およびグリースバス
38等とにより構成されている。
【0024】4は旋回フレーム2上に設けられた旋回用
の減速機を示し、該減速機4は、後述のハウジング5、
遊星歯車減速機構14,19、出力軸24、ピニオン2
5、上側軸受26、下側軸受28等から大略構成されて
いる。
【0025】5は減速機4の外殻をなす筒状のハウジン
グで、該ハウジング5は、下端側が旋回フレーム2の上
面側に固着された下側ハウジング6と、該下側ハウジン
グ6の上端側に固着して設けられた上側ハウジング7等
とにより構成されている。
【0026】ここで、下側ハウジング6の下端側には、
径方向外向きに突出しボルト8等により旋回フレーム2
に固着された下フランジ部6Aと、該下フランジ部6A
の径方向内側に位置して下向きに突出し、内周側に後述
の下側軸受28が取付けられた環状の軸受取付部6Bと
が形成されている。
【0027】また、下側ハウジング6の内周側には、軸
受取付部6Bよりも上側に位置して後述のシールリング
31が装着されるシール装着部6Cと、該シール装着部
6Cの上側に位置して後述の上側軸受26が取付られる
他の軸受取付部6Dとが設けられている。そして、下側
ハウジング6の上端側にはテーパ状に拡径した上フラン
ジ部6Eが形成され、該上フランジ部6Eには上側ハウ
ジング7の下端側がボルト9等によって固着されてい
る。
【0028】ここで、上側ハウジング7の上端側には、
回転源としての旋回用の油圧モータ10がボルト11等
により固着され、該油圧モータ10の回転軸10Aは、
上側ハウジング7内へと下向きに伸長している。また、
上側ハウジング7の内周側には、上下方向(軸方向に)
に離間して2つの内歯12,13が全周に亘って形成さ
れている。
【0029】14は油圧モータ10の下方に位置して上
側ハウジング7内に配設された1段目の遊星歯車減速機
構で、該遊星歯車減速機構14は、油圧モータ10の回
転軸10Aにスプライン結合された太陽歯車15と、該
太陽歯車15と上側ハウジング7の内歯12とに噛合
し、該太陽歯車15の周囲を自転しつつ公転する複数の
遊星歯車16(1個のみ図示)と、該各遊星歯車16を
ピン17を介して回転可能に支持するキャリア18とか
ら構成されている。
【0030】19は遊星歯車減速機構14の下方に位置
して上側ハウジング7内に配設された2段目の遊星歯車
減速機構を示し、該遊星歯車減速機構19は、遊星歯車
減速機構14のキャリア18にスプライン結合された太
陽歯車20と、該太陽歯車20と上側ハウジング7の内
歯13とに噛合し、該太陽歯車20の周囲を自転しつつ
公転する複数の遊星歯車21(1個のみ図示)と、該各
遊星歯車21をピン22を介して回転可能に支持するキ
ャリア23とから構成されている。
【0031】そして、キャリア23は、後述する出力軸
24の上端側にスプライン結合され、各遊星歯車21の
公転を出力軸24に伝達するものである。これにより油
圧モータ10は、回転軸10Aの回転が遊星歯車減速機
構14,19によって2段階に減速され、出力軸24を
大トルクで、低速回転させる。
【0032】24はハウジング5内に回転可能に設けら
れた出力軸を示し、該出力軸24は下側ハウジング6内
で後述の上側軸受26と下側軸受28によって回転可能
に支持されている。そして、出力軸24は、油圧モータ
10の回転を各遊星歯車減速機構14,19によって減
速して出力するものである。
【0033】25は出力軸24の下端側に一体に設けら
れたピニオンで、該ピニオン25は、下側ハウジング6
の軸受取付部6Bよりも下方へと後述のグリースバス3
8内に向けて突出し、後述する旋回輪32の内歯37と
噛合している。
【0034】26は下側ハウジング6の軸受取付部6D
と出力軸24との間に設けられた上側軸受で、該上側軸
受26は後述の下側軸受28と共に出力軸24を回転可
能に支持している。また、上側軸受26は、出力軸24
の外周側に螺着された環状のナット部材27により、内
輪側が出力軸24の軸方向に位置決めされている。
【0035】28は下側ハウジング6と出力軸24との
間に設けられた下側軸受で、該下側軸受28は、図2、
図3に示す如く下側ハウジング6の軸受取付部6B内周
側に嵌合された外輪28Aと、出力軸24の下端側外周
に挿嵌された内輪28Bと、外輪28Aと内輪28Bと
の間に設けられた複数の転動体としてのローラ28C
(1個のみ図示)等とにより構成されている。
【0036】そして、下側軸受28は、外輪28Aと内
輪28Bとの間に位置してローラ28Cの軸方向両側
(上,下両側)等に固形潤滑剤29,29,…が設けら
れた自己潤滑性の軸受として構成され、上側軸受26と
共に出力軸24を回転可能に支持するものである。
【0037】また、下側軸受28の内輪28Bには、図
3に示す如く下端側に環状の鍔部28B1 が形成され、
該鍔部28B1 はローラ28Cの端部を下側から抜止め
しつつ回転可能に支持している。また、下側軸受28の
外輪28Aと内輪28Bには後述の防錆被膜41が形成
されている。
【0038】ここで、前記固形潤滑剤29は、例えばポ
リアミド、ポリエチレン、フッ素樹脂等からなる液状の
樹脂材料にグリース等の潤滑油を含浸させ、これを加
熱、冷却することにより固形油として形成されるもので
ある。
【0039】即ち、固形潤滑剤29は、下側軸受28の
外輪28Aと内輪28Bとの間にローラ28Cの上,下
両側から液状のまま充填され、この状態で固形化される
ことによりローラ28Cの上,下両側を覆うように配置
される。
【0040】そして、下側軸受28は、外輪28Aと内
輪28Bとの間でローラ28Cが転動するときに、固形
潤滑剤29が両者の転動面に徐々に滲み出し、これによ
って外輪28A、内輪28Bとローラ28Cとの間の転
動面を常に潤滑状態に保持するものである。
【0041】30は下側軸受28とピニオン25との間
に設けられた環状の間座で、該間座30は、図2、図3
に示す如く下側軸受28の内輪28Bとピニオン25と
の間に位置して出力軸24の外周に嵌合され、下側軸受
28の内輪28Bを出力軸24の軸方向に位置決めする
ものである。
【0042】31は上側軸受26と下側軸受28との間
に位置してハウジング5内に設けられたシール部材とし
てのシールリングで、該シールリング31は、外周側が
下側ハウジング6のシール装着部6Cに装着され、内周
側が出力軸24の外周面に適度な弾性力をもって液密に
摺接している。
【0043】そして、シールリング31は、遊星歯車減
速機構14,19および上側軸受26等を潤滑するため
図1に示す如くハウジング5内に収容した潤滑油Lを、
下側ハウジング6のシール装着部6Cと出力軸24との
間で封止すると共に、この潤滑油Lが下側ハウジング6
内でシール装着部6Cよりも下方へと漏洩するのを阻止
している。
【0044】32は丸胴1と旋回フレーム2との間には
設けられた旋回輪で、該旋回輪32は、丸胴1の上面に
ボルト33等を用いて固着された内輪34と、旋回フレ
ーム2の下面に他のボルト(図示せず)等を用いて固着
された外輪35と、内輪34と外輪35との間に配設さ
れた複数の転動体としての鋼球36(1個のみ図示)と
により構成され、旋回フレーム2を丸胴1に対して旋回
可能に支持するものである。
【0045】また、旋回輪32には内輪34の内周側に
内歯37が全周に亘って形成され、この内歯37には前
述した減速機4のピニオン25が噛合している。そし
て、旋回輪32は、ピニオン25の公転力が減速機4の
ハウジング5側に伝えられると、外輪35が旋回フレー
ム2を伴って内輪34の周囲を回転し、これにより上部
旋回体は下部走行体に対し低速、高トルクで旋回駆動さ
れるものである。
【0046】38は内歯37の下側に位置して下部走行
体の丸胴1に設けられたグリースバスで、該グリースバ
ス38は、旋回輪32の内側に位置して丸胴1の上端側
内周に固着して設けられている。そして、グリースバス
38内には、内輪34に設けられた内歯37とピニオン
25との噛合部を潤滑するため、図1中に仮想線で示す
如くグリースGが収容されている。
【0047】41,41は下側軸受28の外輪28Aお
よび内輪28B等に形成した防錆被膜で、該防錆被膜4
1は、例えば黒染処理といわれる化学処理、ニッケル−
クロム等のメッキ処理、金属膜の蒸着処理、防錆塗料に
よる塗装処理のうち少なくともいずれか1つの防錆処理
を、下側軸受28の外輪28A、内輪28Bの下面側等
に施すことにより形成され、内輪28Bの鍔部28B1
についても防錆被膜41により被覆されている。
【0048】ここで、下側軸受28の外輪28Aおよび
内輪28B等に黒染処理を施す場合は、まず、下側軸受
28を組立てる前の段階で防錆処理を施すべき外輪28
Aと内輪28Bに対し、その表面に脱脂、洗浄処理等を
行った後、これらの外輪28A、内輪28Bを単体のま
ま可溶性金属リン酸塩(例えば、リン酸マンガン系)の
希薄水溶液中に浸漬(デッピング)し、その金属面に不
溶解性金属リン酸塩からなる防錆被膜41を全面に亘っ
て形成する。
【0049】次に、この状態で外輪28Aと内輪28B
との間に各ローラ28Cを組込み、下側軸受28を組立
てる。また、この状態で下側軸受28の外輪28Aと内
輪28Bとの間には、固形潤滑剤29をローラ28Cの
上,下両側から液状のまま充填し、この固形潤滑剤29
を固化させることにより、下側軸受28は、図3に示す
ようにローラ28Cの上,下両側を固形潤滑剤29で覆
う構成としているものである。
【0050】この場合、下側軸受28の外輪28A、内
輪28Bと同様に各ローラ28C等にも防錆被膜41を
形成してもよい。また、前述の如く下側軸受28に形成
した防錆被膜41は、外輪28A、内輪28Bとローラ
28Cとの間の転動面にも形成されるが、これらの転動
面上の防錆被膜41は両者の相対回転、摺動等により徐
々に擦れて取り除かれる。
【0051】しかし、グリースバス38内のグリースG
と上,下で対向する下側軸受28の下面、即ち外輪28
Aの下面、内輪28Bの下面および鍔部28B1 に形成
した防錆被膜41は、ローラ28Cの転動等に影響され
ることはなく、長期に亘ってその金属面を被覆し続ける
ものである。
【0052】本実施の形態による旋回装置3は上述の如
き構成を有するもので、次にその作動について説明す
る。
【0053】まず、旋回用の油圧モータ10に外部から
圧油を給排して回転軸10Aを回転駆動すると、この回
転は減速機4のハウジング5内で遊星歯車減速機構1
4,19によって2段階に減速され、減速機4の出力軸
24には高トルクの回転力が伝達される。
【0054】そして、該出力軸24のピニオン25は、
旋回輪32の内輪34に設けられた内歯37に噛合し、
該内歯37に沿って公転する。この場合、旋回輪32は
内輪34が下部走行体の丸胴1に固着され、外輪35が
上部旋回体の旋回フレーム2に固着されているから、ピ
ニオン25の公転が出力軸24からハウジング5を介し
て旋回フレーム2に伝達され、上部旋回体が下部走行体
上で旋回駆動される。
【0055】また、このように減速機4が作動している
間は、グリースバス38内に収容されたグリースGによ
り旋回輪32の内歯37とピニオン25との噛合部が潤
滑される。そして、このグリースGによりピニオン25
は、旋回輪32の内歯37に噛合しつつ、旋回輪32の
内側で円滑に自転、公転するのが補償される。
【0056】ところで、ピニオン25が旋回輪32の内
歯37に噛合しつつ回転する間、両者の噛合部に生じる
ポンプ作用により、グリースバス38内のグリースG
は、その一部が旋回輪32の内歯37とピニオン25と
の噛合部から上方(例えば、図2中の矢示H方向)へと
下側軸受28の下面等に向けて噴き上げるように飛散す
る。
【0057】また、グリースバス38内にあっては周囲
温度の変化等により結露が発生し、このような結露の影
響でグリースバス38内には水分が溜まることがある。
そして、グリースバス38内に溜まった水分は、前述の
如く噴出するグリースGと共に図2中の矢示H方向に吹
き上げられ、下側ハウジング6内で下側軸受28の下面
等に付着し錆等の発生原因となってしまう。
【0058】そこで、本実施の形態では、グリースバス
38内のグリースGと上,下で対向する下側軸受28の
下面、即ち外輪28Aの下面、内輪28Bの下面および
鍔部28B1 等に、例えば黒染処理(化学処理)による
不溶解性金属リン酸塩からなる防錆被膜41を形成する
構成としている。
【0059】このため、グリースバス38内に溜まった
水分等がグリースGと共に図2中の矢示H方向に吹き上
げられ、下側ハウジング6内で下側軸受28の下面等に
付着した場合でも、下側軸受28の下面側を防錆被膜4
1によって保護することができ、下側軸受28の外輪2
8A、内輪28Bの下面等が水分や結露の影響によって
発錆するのを長期に亘り防止できる。
【0060】また、下側軸受28の外輪28Aと内輪2
8Bとの間には、各ローラ28Cを上,下両側から覆う
ように固形潤滑剤29が設けられている。このため、ロ
ーラ28Cの下面側を固形潤滑剤29で保護でき、前記
水分等がローラ28Cに付着するのを防ぐことができ
る。
【0061】そして、この固形潤滑剤29は、下側軸受
28の外輪28Aと内輪28Bとの間で各ローラ28C
が転動するときに、両者の転動面に潤滑油となって徐々
に滲み出し、外輪28A、内輪28Bとローラ28Cと
の間の転動面を常に潤滑状態に保持することができる。
【0062】従って、本実施の形態によれば、グリース
バス38と近い位置に配置される下側軸受28に黒染処
理等の防錆処理を施すことにより、その金属肌面が水分
の付着等で腐食されるのを長期に亘って防止でき、下側
軸受28の寿命を延ばすことができると共に、旋回装置
3全体の耐久性、寿命を向上することができる。
【0063】なお、前記実施の形態では、下側軸受28
とピニオン25との間に環状の間座30を設けた場合を
例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではな
く、例えば図4に示す変形例のように間座を省略し、下
側軸受28の内輪28Bをピニオン25の上面に防錆被
膜41を介して当接させる構成としてもよい。
【0064】また、前記実施の形態では、下側軸受28
の外輪28A、内輪28Bに黒染処理を施すことにより
防錆被膜41を形成するものとして述べたが、これに替
えて、例えばニッケル−クロム等のメッキ処理を下側軸
受28の外輪28A、内輪28Bの下面等に施し、これ
によって防錆被膜41を形成してもよい。また、蒸着処
理、塗装処理等の防錆処理を施してもよい。
【0065】また、下側軸受28は、外輪28Aと内輪
28Bに限らず、各ローラ28Cにもこれらと同様の防
錆処理を行い、例えばその上,下面等に防錆被膜41を
形成してもよいことは勿論である。
【0066】さらに、前記実施の形態では、下側軸受2
8を自己潤滑性を有する軸受により構成するものとして
述べたが、本発明はこれに限るものではなく、例えばグ
リースバスからのグリースを用いて下側軸受を外部から
潤滑する構成としてもよいものである。
【0067】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に記載の発
明によれば、グリースバスと近い位置に配置される下側
軸受には、少なくとも前記グリースバスと対向する面側
に防錆被膜を形成する構成としたので、グリースバス内
のグリースと共に水分等が、旋回輪の内歯とピニオンと
の噛合部から噴き上げられ、グリースバスと上,下で対
向する下側軸受の下面等に付着したとしても、防錆被膜
によって下側軸受を水分による腐食から保護でき、下側
軸受が発錆するのを長期に亘って防止できると共に、軸
受の寿命を延ばすことができ、装置全体の耐久性、寿命
を向上できる。
【0068】また、請求項2に記載の発明によると、防
錆被膜を下側軸受のうち少なくとも外輪と内輪の下面側
に形成する構成としているので、下側軸受の外輪と内輪
の下面側に位置する金属肌面を外部の水分から保護で
き、外輪と内輪が発錆するのを長期に亘って防止するこ
とができる。
【0069】また、請求項3に記載の発明によると、防
錆被膜は下側軸受のうち少なくとも外輪と内輪とに防錆
処理を施すことにより形成しているので、下側軸受の外
輪と内輪とに施した防錆処理層からなる防錆被膜によ
り、外輪と内輪の金属肌面を外部の水分から保護でき、
外輪と内輪が発錆するのを長期に亘って防止することが
できる。
【0070】また、請求項4に記載の発明は、下側軸受
を自己潤滑性を有する軸受により構成したので、下側軸
受に外部から潤滑油を供給することなく、この下側軸受
を用いて出力軸の円滑な回転を長期に亘って補償するこ
とができる。
【0071】さらに、請求項5に記載の発明によると、
防錆被膜は、化学処理、メッキ処理、蒸着処理、塗装処
理のうち少なくともいずれか一つの防錆処理を施すこと
により形成しているので、化学処理、メッキ処理、蒸着
処理または塗装処理による防錆処理を下側軸受に施すこ
とによって、グリースバスと対向する下側軸受の下面等
に防錆被膜を形成でき、軸受の寿命を確実に延ばすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による旋回装置を示す縦断
面図である。
【図2】図1中の出力軸、ピニオン、旋回輪およびグリ
ースバス等を示す拡大断面図である。
【図3】図2中の下側軸受、防錆被膜等を拡大して示す
要部拡大図である。
【図4】変形例による旋回装置の要部を示す拡大断面図
である。
【符号の説明】
1 丸胴(下部走行体) 2 旋回フレーム(上部旋回体) 3 旋回装置 4 減速機 5 ハウジング 6 下側ハウジング 10 油圧モータ(回転源) 14,19 遊星歯車減速機構 24 出力軸 25 ピニオン 26 上側軸受 28 下側軸受 28A 外輪 28B 内輪 28C ローラ(転動体) 29 固形潤滑剤 32 旋回輪 37 内歯 38 グリースバス 41 防錆被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井川 裕二 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 栗原 猛 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 澁川 壮史 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D015 DA02 DA04 3F205 AA05 BA01 EA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端側が上部旋回体に取付けられ上端側
    に回転源が設けられたハウジングと、該ハウジング内に
    設けられ前記回転源の回転を減速する減速機構と、前記
    ハウジング内から下部走行体側に向けて突出し該減速機
    構により減速された回転を出力するピニオンを有した出
    力軸と、該出力軸の軸方向に離間して前記ハウジングと
    出力軸との間に設けられ該出力軸を回転可能に支持する
    上,下の軸受と、前記上部旋回体と下部走行体との間に
    設けられ前記出力軸のピニオンに噛合する旋回輪と、該
    旋回輪の内側に位置して前記下部走行体側に設けられ前
    記ピニオンと旋回輪との間を潤滑するためのグリースを
    収容したグリースバスとからなる建設機械の旋回装置に
    おいて、 前記上,下の軸受のうち前記グリースバスと近い位置に
    配置される下側軸受には、少なくとも前記グリースバス
    と対向する面側に防錆被膜を形成したことを特徴とする
    建設機械の旋回装置。
  2. 【請求項2】 前記下側軸受は、前記ハウジングの下端
    側内周に嵌合された外輪と、前記出力軸の下端側外周に
    嵌合された内輪と、前記外輪と内輪との間に転動可能に
    設けられた複数の転動体とからなり、前記防錆被膜は前
    記下側軸受のうち少なくとも前記外輪と内輪の下面側に
    形成してなる請求項1に記載の建設機械の旋回装置。
  3. 【請求項3】 前記下側軸受は、前記ハウジングの下端
    側内周に嵌合された外輪と、前記出力軸の下端側外周に
    嵌合された内輪と、前記外輪と内輪との間に転動可能に
    設けられた複数の転動体とからなり、前記防錆被膜は前
    記下側軸受のうち少なくとも前記外輪と内輪とに防錆処
    理を施すことにより形成してなる請求項1に記載の建設
    機械の旋回装置。
  4. 【請求項4】 前記下側軸受は自己潤滑性を有する軸受
    により構成してなる請求項1,2または3に記載の建設
    機械の旋回装置。
  5. 【請求項5】 前記防錆被膜は、化学処理、メッキ処
    理、蒸着処理、塗装処理のうち少なくともいずれか一つ
    の防錆処理を施すことにより形成してなる請求項1,
    2,3または4に記載の建設機械の旋回装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8939844B2 (en) 2011-01-26 2015-01-27 Nsk Ltd. Shell-type needle bearing and cross-type universal joint

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