JP2002146360A - 有機性廃棄物からの炭化生成物の製造方法 - Google Patents

有機性廃棄物からの炭化生成物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機性廃棄物から、カリ分を始めとする肥料成
分と畜舎の敷料を効率よく採集する、悪臭を伴わない有
機性廃棄物からの炭化生成物の製造方法を提供する。 【解決手段】蒸気立地で還元性雰囲気を保つ炭化設備2
内の乾留温度を、550℃〜650℃に保持して、有機
性廃棄物と木材系材料を当該炭化設備2内において乾留
・炭化処理する。昇温バーナ34及び冷却ブロワ35に
より制御された脱臭炉3内温度で胴部を外周から間接的
に加熱することにより、炭化設備2内の乾留温度を、5
50℃〜650℃に保持するとともに、脱水または調湿
を行うことなく供給された有機性廃棄物を、副資材や補
助材等の添加を受けずに乾留・炭化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性廃棄物や木
質系材料の有効利用と脱臭処理に関する。
【0002】
【従来の技術】家畜から排泄される糞尿や畜舎の敷材ま
たは各種汚泥等の有機性廃棄物は、窒素、リン酸、カリ
等の肥料成分を含むため、従来は、そのままの状態ある
いは発酵させて肥料とするか、または処理せずに廃棄物
として埋立てや焼却処分されていた。
【0003】しかし、現在一般的に実施されている上記
有機性廃棄物を発酵・堆肥化処理する場合は、品質が安
定しないという欠点がつきまとうとともに、その生成に
40日以上の長期間を要するだけでなく、有機性廃棄物
は定常的に排出されるのに対し、堆肥は春秋の2回程度
しか使用されないために、堆肥化処理過程中及びその保
管中に悪臭と汚水の発生が避けられず、周辺住民から忌
避されていた。
【0004】ここで、家畜の蹄や体がコンクリート床面
に接して生ずる損傷の防止、保温、糞尿による汚染防止
などの目的で畜舎に投入される敷料は、歴史的には稲・
麦わらが、現在ではおが屑、籾殻等が使用されている
が、畜舎から排出される糞尿を主体として発酵させる堆
肥の多くには、これらの敷料が混入している。
【0005】また、家畜糞尿は水分70%以下で発酵す
るので、水分を70%以下に調整するための資材とし
て、上記の敷料が使用されることが多かった。
【0006】そのため、おが屑等の分解しにくい敷料が
入った糞尿では、堆肥の有効成分が消失した後も敷料が
田畑に残存して植物に悪影響を与える可能性があって、
上述の通常の堆肥化以上の問題であり、使用されずに埋
立や焼却処分されるようになった。
【0007】このような衛生上の観点から、平成11年
11月に「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に
関する法律」が農林水産省により施行され、畜産事業か
ら派生する廃棄物の管理を適正に行い、環境問題を引き
起さないように家畜の糞尿を適正に処理し、その残渣を
リサイクルして有効活用することを目的として、国及び
自治体が畜産事業家の共同利用設備に対して財政支援を
行うことになったが、上述の諸問題点があるために堆肥
の販売が困難であり、現状では事業計画が成り立たなく
なっている。
【0008】一方、現在の農家では、即効性があり施肥
量が計算できる化学肥料のみを使用するだけで、遅効性
の堆肥を使用しなくなったために、土壌が疲弊して通気
性や通水性が悪化しているだけでなく、過剰な窒素肥料
の散布に起因して硝酸性窒素による地下水の汚染問題が
発生しており、早急な対策が望まれている。
【0009】図3は、従来の堆肥化技術の対策の一例と
しての、特開平9−67580号公報に開示された「含
水有機性廃棄物を乾燥及び炭化処理する方法とその処理
装置」の概要を示している。
【0010】図3において、Aは炭化処理炉であり、家
畜から排出される糞尿や畜舎の敷材または、刈り芝や各
種汚泥等の含水有機性廃棄物を乾燥・炭化させる加熱筒
部Bと、該加熱筒部Bの外周にあって加熱用熱風を誘導
するケーシングCと、加熱筒部Bの下方に位置する熱風
発生炉D及び、加熱筒部Bの終端に設置された炭化物と
砂等を分離させる冷却分離装置Eによって構成されてい
る。
【0011】加熱筒部Bは、攪拌・移送部材であるスク
リューコンベヤb1 を内蔵し多段状に連結された複数の
加熱内筒b2 と、各加熱内筒b2 とを連結するロータリ
ーバルブb3 と、加熱内筒b2 の入口に配設されスクリ
ューフィーダを有するホッパb4 と、該ホッパb4 に連
なる供給口b5 及び、加熱内筒b2 の出口に配設された
排出口b6 並びに複数のスクリューコンベヤb1 を駆動
する図示しない駆動機構により構成されている。
【0012】ケーシングCは、上記加熱筒部Bの外周を
囲む外壁c1 と、各加熱内筒b2 の間に挿入される仕切
り壁c2 と、上記外壁c1 と仕切り壁c2 とにより形成
された熱風通路c3 と、外壁c1 の上部に取付けられた
排気口c4 及び、各加熱内筒b2 から発生する排ガスを
排出するファンc5 と、調整弁を備えた排気ダクトc 6
によって構成されている。
【0013】熱風発生炉Dは、バーナd1 を備えた熱風
発生炉本体d2 と、熱風噴出口d3及び炭化物供給口d
4 によって構成されている。
【0014】冷却分離槽Eは、砂排出口e1 と、上述の
炭化物供給口d4 から分離設置された炭化物排出口e2
と、分離冷却用の空気供給口e3 により構成されてい
る。
【0015】上記のように構成された炭化炉における含
水有機性廃棄物の乾燥及び炭化処理方法について説明す
る。
【0016】ホッパb4 から投入された牛舎や厩舎の敷
藁、籾殻、多量の砂を含有する刈り芝等の有機性廃棄物
Fは、供給口b5 から加熱内筒b2 に送人され、スクリ
ューコンベヤb1 及びロータリーバルブb3 によって順
次下方に移送される。
【0017】ケーシングC内の熱風通路c3 には、下方
の熱風噴出口d3 から上方の排気口c4 に向けて熱風H
が流通して加熱内筒b2 内の有機性廃棄物Fを間接的に
加熱しているため、複数の加熱内筒b2 の下方は高温で
熱せられて炭化処理帯域となり、上方は熱風Hの温度が
低下するために乾燥処理帯域となり、有機性廃棄物F
は、スクリューコンベヤb1 によって攪拌・移送されな
がら乾燥され、続いて蒸し焼き状態で炭化処理される。
【0018】炭化処理された土砂等を含む生成物は排出
口b6 から冷却分離装置Eに送り込まれ、空気供給口e
3 から送人される空気によって冷却されるとともに、自
重によって沈下する砂等は砂排出口e1 から外部に排出
され、軽い炭化物Gは炭化物排出口e2 から排出されて
再利用され、その必要がない時には、炭化物供給口d 4
から熱風発生炉本体d2 に供給されて加熱燃料となる。
【0019】加熱内筒b2 内で発生した臭気ガスは、フ
ァンc5 に吸引されて排気ダクトc 6 を介して、図示し
ない排煙処理装置または熱風発生炉本体d2 側に切替え
接続されて、脱臭処理される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述の対策技術は、堆
肥化処理の欠点を改良しているものの、複数の加熱内筒
2 とロータリーバルブb3 を主体とする加熱筒部B及
び、仕切り壁c2 と排気ダクトc6 系統を必要とするケ
ーシングCの構造は複雑であり、設備費が嵩むという問
題がある。
【0021】また、複数基で構成されたスクリューコン
ベヤb1 と加熱内筒b2 内面との相互磨耗及びロータリ
ーバルブb3 の磨耗が避けられず、また、装置周辺の臭
気及び排気口c4 から発生する乾留ガスの臭気処理装置
が必要となり、設備費及び維持費が上昇する。
【0022】さらに、乾留・炭化設備において必要な、
温度制御に関する配慮がなされていないために、有機性
廃棄物に含有される肥効成分を効率よく、無機物として
最大量を回収することは困難であるだけでなく、有機性
廃棄物の発酵時に発生するアンモニア等の臭気物質を吸
着する官能基を無駄に分解・揮発させることになり、特
に、畜舎の敷料として使用する場合には、糞尿から発生
するアンモニア臭による肉質の悪化を防ぐことができな
い。
【0023】一方、建築廃材や風倒木あるいはおが屑等
の木質系産業廃棄物は、チップ化したあと他の有機性廃
棄物と混合して堆肥化しても、短期間に分解しない木質
部のリグニンやセルローズが土中で徐々に分解する間に
温度が上昇して植物の発芽に障害を与えるという問題が
あるために、その大部分が焼却処理または不法投棄され
るだけで有効利用されていない。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の有
機性廃棄物からの炭化生成物の製造方法は、蒸気立地で
還元性雰囲気を保つ炭化設備内の乾留温度を、550℃
〜650℃に保持して、有機性廃棄物や木質系材料単独
またはその混合物を当該炭化設備内において乾留・炭化
処理することを特徴とする。
【0025】請求項2に係る発明の有機性廃棄物からの
炭化生成物の製造方法は、昇温バーナ及び冷却ブロワに
より制御された脱臭炉内温度で胴部を外周から間接的に
加熱することにより、前記炭化設備内の乾留温度を、5
50℃〜650℃に保持するとともに、脱水または調湿
を行うことなく供給された有機性廃棄物や木質系材料単
独またはその混合物を、副資材や補助材等の添加を受け
ずに乾留・炭化処理することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、有機性廃棄物のうち家畜糞
尿を代表として、本発明の実施の形態を図面を参照して
説明する。
【0027】図1は、有機性廃棄物から炭化生成物を製
造する施設の全体構成を示す概略図であり、図2は主要
部分の温度制御の関係を示す説明図である。
【0028】図1及び図2において、1は受入供給設備
であり、し尿を主体とする糞尿の受入タンク11と、投
入ポンプ12及び投入配管13からなるし尿系と、糞と
敷料の混合物の受入ホッパ14と、固形物の破砕機15
及び投入コンベア16からなる固体系並びに、木質系材
料受入ホッパを備えた受入コンベア17と、木質系材料
を細断するチッパ18及び搬出コンベア19からなる木
質系とで構成されている。
【0029】2は炭化設備であり、後述する加熱部31
によりその胴部を外部から間接加熱される、胴部が固定
式でスクリューコンベアを内蔵する外熱キルンまたは、
胴部のみが回転されるロータリーキルン(以後両者を総
称してキルンと略称する。)21と、上記し尿系と固体
系の糞尿及び細断された木質系材料の細片を該キルン2
1前部に送入する投入機22と、キルン21内部で生成
された炭化物を排出するためにキルン21の後部に連結
された空冷式の排出機23と、キルン可動部を駆動する
変速自在なキルン駆動機構24等で構成されている。
【0030】3は上記受入供給設備1周辺の臭気BGと
キルン21内で発生する乾留ガスDG(図2参照)とを
加熱し臭気分解した高温ガスHGを、2秒以上滞留させ
る容積を有する脱臭炉であり、キルン21の胴部を囲繞
する加熱部31と、該加熱部31の下方に連結部32
(図2参照)を経て配設された脱臭部33とで主体が構
成され、加熱部31の側壁には昇温バーナとしての乾燥
バーナ34が、連結部32には冷却ブロワとしての空冷
ブロワ35(図2参照)が、脱臭部33の側壁には脱臭
バーナ36がそれぞれ取付けられている。
【0031】また、キルン21内で発生した乾留ガスD
G(図2参照)を脱臭部33に送入するための押込ブロ
ワ37を備えた配管が脱臭部33の底部に接続され、受
入供給設備1周辺で発生した臭気BGは臭気ブロワ38
で吸引して脱臭バーナ36に送入するようになされてい
る。
【0032】4は排ガス処理設備であり、加熱部31か
ら排出された中温ガスMGを冷却するガス冷却器41
と、該ガス冷却器41で冷却された低温ガスLG中の粉
じんを除去するバグフィルタ等の集じん器42と、除じ
ん後の清浄ガスPGを再加熱する加熱器43と、触媒等
によるダイオキシン分解装置や脱硝装置44と、誘引ブ
ロワ45及び排気筒46とが各配管によって連接されて
おり、一方、冷却ブロワ47によりガス冷却器41で中
温ガスMGと熱交換された昇温空気は、加熱器43で清
浄ガスPGを加熱して白煙の発生を防止したあと、排気
筒46に排出される。
【0033】5は選別貯留設備であり、排出機23と生
成物コンベア51とを結ぶ炭化物移送手段52と、集じ
ん器42下部と生成物コンベア51とを結ぶ粉じん移送
手段53と、炭化物CAと粉じんとから成る生成物を生
成物コンベア51により搬送して貯留する生成物ホッパ
54と、該生成物ホッパ54から選別機55に生成物を
送る選別機コンベア56及び、選別された各製品を個別
に移送する複数の製品移送コンベア57と複数の製品ホ
ッパ58及びその付属品によって構成されている。
【0034】次に、このように構成された有機性廃棄物
からの炭化生成物の製造施設により行われる本発明の有
機性廃棄物や木質系材料単独またはその混合物からの炭
化生成物の製造方法について、図面を参照して説明す
る。
【0035】し尿系と固体系とからなる糞尿EMによっ
てカリ等の肥料を製造する場合には、し尿系と固体系と
が運転され、木質系材料単独で敷料を製造する場合に
は、木質系が運転され、3者を混合して敷料を製造する
場合には、前記3系統の全てが運転される。
【0036】まず、受入タンク11から供給ポンプ12
によって供給されたし尿系と、破砕機15によって破砕
されて投入コンベア16によって供給された固体系とか
らなる糞尿EMまたは、チッパ18で細断され搬出コン
ベア19で移送された木質細片CWは、駆動機構24に
より適当な速度で運転されるキルン21内に、投入機2
2によってそれぞれ送入される。
【0037】キルン21の胴部の外周は、脱臭炉3の上
部に位置する加熱部31によって囲繞されており、運転
当初は乾燥バーナ34によって、上記糞尿EM及び木質
細片CWまたはその両方を乾燥させる。
【0038】糞尿EMと木質細片CWの昇温に伴ってキ
ルン21内で発生した乾留ガスDGと、受入供給設備1
の周辺で発生した臭気BGとを集めた臭気ガスを、押込
ブロワ37と臭気ブロワ38によって脱臭炉3下方に位
置する脱臭部33内に送入し、図2に示す脱臭部出口温
度検出器61の信号を受けた脱臭温度制御器62の指示
により、脱臭バーナ36を制御して、脱臭部33内の温
度を臭気分解に必要な850〜950℃の間に2秒間以
上保持して臭気を加熱分解するとともに、この高温燃焼
により脱臭された高温ガスHGを加熱部31に送入して
外部からキルン21の胴部を間接的に加熱する。
【0039】この間接加熱によって、キルン21内は、
蒸気立地における還元性雰囲気の下で昇温され、図2に
示す乾留ガス温度検出器63によりキルン21内後部温
度を検出して、キルン制御器64により乾燥バーナ34
と空冷ブロワ35及び駆動機構24、あるいは投入機2
2を制御することによりキルン21内温度をカリ合成に
最適な550〜650℃に保つ。
【0040】このように比較的低温である550〜65
0℃で炭化させることで、比較的高温で炭化させた場合
では分解して揮発してしまう下述の官能基が炭化物の表
面に残存することになる。
【0041】この官能基は、酸素や水素で構成された酸
性の化合物であり、塩基性の物質であるアンモニアやア
ミノ酸類を吸着する脱臭能力がある。
【0042】上述の温度制御により、送入された糞尿E
Mと木質細片CWは乾留されて有機分が次第に炭化さ
れ、生成された炭化物CAはキルン終端から排出機23
へと排出される。つまり、敷料製造用の木質細片CWや
糞尿EMを乾留する熱源として、臭気ガスの熱分解を利
用しており、このため装置全体の熱効率が向上する。
【0043】排出された炭化物CAは、排出機23上の
下方から送入される空気によって冷却され、炭化物移送
手段52によって生成物コンベア51を経て生成物ホッ
パ54に貯留される。
【0044】一方、高温の排ガスHGはキルン21を加
熱することにより中温の排ガスMGとなってガス冷却器
41に送られ、冷却ブロワ47から送られる常温の空気
と熱交換することにより集じん器42の適温まで冷却さ
れて、集じん器42により低温ガスLGに含まれる粉じ
んを除去したのち、加熱器43において前記の熱交換後
の高温空気と再熱交換を行い、ダイオキシン分解装置や
脱硝装置44の適温まで再上昇されて、誘引ブロワ45
に吸引されて排気筒46から大気中に放出される。
【0045】この集じん器42で除去された粉じんは、
粉じん移送手段53により生成物ホッパ54に送られ、
前述の炭化物CAとともに選別機55において、肥料ま
たは敷料製造の各工程ごとに、炭化物CAの寸法・形状
によって粉状製品/造粒製品/粒状製品に選別されて、
それぞれの製品ホッパ58に貯留される。
【0046】上述の炭化処理方法を実施することによ
り、有機性廃棄物及び木質系材料中の揮発分は乾留ガス
DGとなって脱臭炉3に送られて脱臭処理されるが、残
りの乾留物中には残留炭素を主体とした無機分が多量に
含まれており、その中には表1及び表2に示すように窒
素、燐酸、 カリという肥料分が多く存在していることが
わかる。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表1及び表2において、発酵物の各種成分
は畜産廃棄物を単純に発酵させた場合で、炭化物の各種
成分は本発明により乾燥・炭化処理した場合であり、発
酵物よりも炭化物の方がカリ分及び燐酸分の比率が飛躍
的に向上することを示している。
【0050】本発明により乾燥・炭化処理した場合の実
験結果は、キルン21内温度を、カリ合成最適温度であ
る600±50℃に制御したことによるものである。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の有機性廃棄
物からの炭化生成物の製造方法によれば、炭化設備内に
供給された有機性廃棄物及び木質系材料を間接的に加熱
することにより乾留・炭化処理する方法であり、当該炭
化設備内の温度を、カリ合成最適温度である550〜6
50℃に保つことにより、肥料効果の高いカリ分等を効
率よく採集することができるとともに、敷料が混入した
糞尿でも、有機分であるリグニンやセルローズが炭化し
ているために、植物の発芽に悪影響を及ぼすことはな
い。
【0052】また、比較的低温で炭化させることによ
り、酸性の官能基が炭化物の表面に残存するために、敷
料として従来のおが屑等と同時に畜舎に投入されると、
アンモニア等の臭気物質を吸着して肉質の向上や畜舎の
環境浄化に役立つとともに、糞尿の水分を吸収した固形
体となって清掃作業が容易になるなど、従来の敷料と比
べて格段に優れた敷料となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機性廃棄物からの炭化生成物の製造
方法が実施される炭化生成物製造施設の全体構成を示す
概略図である。
【図2】主要部分の温度制御の関係を示す説明図であ
る。
【図3】従来の堆肥化技術の対策の一例を示す装置の概
略図である。
【符号の説明】
2 炭化設備 21 キルン 3 脱臭炉 34 乾燥バーナ(昇温バーナ) 35 空冷ブロワ(冷却ブロワ) 36 脱臭バーナ CA 炭化物 CW 木質細片 DG 乾留ガス EM 糞尿(有機性廃棄物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10B 53/02 B09B 3/00 ZAB Fターム(参考) 4D004 AA02 AA12 BA04 CA24 CA26 CA47 CB46 DA03 DA06 4D059 AA01 AA07 AA08 BB05 BB12 CA16 EA10 EB10 4H012 HA03 HA05 JA03 4H061 AA02 CC36 CC41 FF07 FF08 GG18 GG24 HH42 LL02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気立地で還元性雰囲気を保つ炭化設備
    内の乾留温度を、550℃〜650℃に保持して、有機
    性廃棄物や木質系材料単独またはその混合物を、当該炭
    化設備内において乾留・炭化処理することを特徴とす
    る、有機性廃棄物からの炭化生成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 昇温バーナ及び冷却ブロワにより制御さ
    れた脱臭炉内温度で胴部を外周から間接的に加熱するこ
    とにより、前記炭化設備内の乾留温度を、550℃〜6
    50℃に保持するとともに、脱水または調湿を行うこと
    なく供給された有機性廃棄物や木質系材料単独またはそ
    の混合物を、副資材や補助材等の添加を受けずに乾留・
    炭化処理することを特徴とする、請求項1記載の有機性
    廃棄物からの炭化生成物の製造方法。
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